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特許7049885接続先判定装置、接続先判定プログラムおよび接続先判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】接続先判定装置、接続先判定プログラムおよび接続先判定システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/085 20220101AFI20220331BHJP
   H04L 41/0866 20220101ALI20220331BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
H04L41/085
H04L41/0866
H04L12/28 200Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018063178
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019175174
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】514054292
【氏名又は名称】株式会社ネットリソースマネジメント
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】小山田 昌和
(72)【発明者】
【氏名】宮渕 基夫
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-246751(JP,A)
【文献】特開2009-188771(JP,A)
【文献】特開2014-089601(JP,A)
【文献】特開2013-048399(JP,A)
【文献】特開2009-290502(JP,A)
【文献】特開2013-031113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続したネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する接続先判定装置であって、
前記登録ネットワークに接続された所定種別のネットワーク機器の情報を示す登録機器情報を複数記憶する記憶部と、
前記接続したネットワークに接続された前記所定種別のネットワーク機器の情報を示す接続機器情報を取得する情報取得部と、
前記登録機器情報と前記接続機器情報とが一致したネットワーク機器の数、または、前記接続機器情報が前記登録機器情報に含まれるネットワーク機器の数が、所定の閾値以上であった場合に、前記接続したネットワークが前記登録ネットワークであると判定するネットワーク判定部とを備え
前記ネットワーク判定部は、
前記接続したネットワークが前記登録ネットワークであると判定した場合に、前記接続機器情報と一致しなかった前記登録機器情報を前記接続機器情報に変更する、または、前記登録機器情報に前記接続機器情報を追加する
ことを特徴とする接続先判定装置。
【請求項2】
前記ネットワーク機器の種別は、デフォルトゲートウェイ、プリンタおよびネットワークサービスを提供するサーバのうちの何れかであり、
前記ネットワーク機器の情報は、前記ネットワーク機器の物理アドレスである
ことを特徴とする請求項に記載の接続先判定装置。
【請求項3】
コンピュータを請求項1~の何れか1項に記載の接続先判定装置として機能させるための接続先判定プログラム。
【請求項4】
端末、および、前記端末と通信可能であり、前記端末が接続したネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する接続先判定サーバから構成される接続先判定システムであって、
前記端末は、
前記接続したネットワークに接続された所定種別のネットワーク機器の情報を示す接続機器情報を取得して、前記接続先判定サーバに送信する情報取得部を備え、
前記接続先判定サーバは、
前記登録ネットワークに接続された前記所定種別のネットワーク機器の情報を示す登録機器情報を複数記憶する記憶部と、
前記登録機器情報と前記接続機器情報とが一致したネットワーク機器の数、または、前記接続機器情報が前記登録機器情報に含まれるネットワーク機器の数が、所定の閾値以上であった場合に、前記接続したネットワークが前記登録ネットワークであると判定するネットワーク判定部とを備える
ことを特徴とする接続先判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末が接続したネットワークが、登録済みのネットワークであるか否かを判定する接続先判定装置、接続先判定プログラムおよび接続先判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンやタブレット、スマートフォンなどの携帯機器(端末)を持ち運んで、移動先のネットワークに接続して使用することが一般になっている。
利用形態によっては、接続したネットワークがどこのネットワークであるかを判定する必要がある。例えば、自社の情報機器資産を管理するために情報機器の情報を収集するためには、自社のLAN(Local Area Network)に接続したときのみに情報を収集する必要がある。公衆無線LANに接続したときや自宅のネットワークなどに接続したときに情報を収集すると、自社の資産ではない機器まで自社資産として登録する、本来収集してはいけない個人情報などの秘密情報/非公開情報まで収集するなどの問題が発生してしまう。
【0003】
また、接続先のネットワークに応じて、携帯機器の設定を変更することが望ましい。例えば、公衆ネットワーク、自宅のネットワーク、自社のLANの順で携帯機器のファイアウォール設定を厳しくして、セキュリティ対策を強化することが望ましい。
【0004】
このような、端末が接続したネットワークがどこのネットワークであるかを判定する技術として、特許文献1には端末に割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスや特定のサーバとの導通試験を行うことで、接続したネットワーク環境を認識する技術が記載されている。また、特許文献2には、接続したネットワークのデフォルトゲートウェイのMAC(Media Access Control)アドレスにより、接続位置を特定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】再表2007-007546号
【文献】特開2007-018479号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の技術は、接続したネットワークのデフォルトゲートウェイのMACアドレスやネットワークアドレスに基づいて、ネットワークを判定している。しかしながら、デフォルトゲートウェイが交換されたり、ネットワークの設定が変更されたりすると、デフォルトゲートウェイのMACアドレスやネットワークアドレスが変化してしまい、ネットワークを特定できなくなるという問題が生じる。
【0007】
この結果、先の情報機器資産管理の例において不適切な情報収集が行われたり、ファイアウォールの誤設定が生じて不正アクセスを受けてしまったりする。また、端末が通常どおり動作していれば、デフォルトゲートウェイの交換やネットワークの設定の変更に気がつかないままになってしまい、利用者が誤判定の状態であることを気がつかない可能性が生じる。このため、機器の交換や設定の変更などネットワークの構成変化に対応可能なネットワーク判定手法が求められる。
【0008】
このような背景を鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、接続先ネットワークの構成に変化があっても接続先ネットワークを判定することを可能とする接続先判定装置、接続先判定プログラムおよび接続先判定システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、接続したネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する接続先判定装置であって、前記登録ネットワークに接続された所定種別のネットワーク機器の情報を示す登録機器情報を複数記憶する記憶部と、前記接続したネットワークに接続された前記所定種別のネットワーク機器の情報を示す接続機器情報を取得する情報取得部と、前記登録機器情報と前記接続機器情報とが一致したネットワーク機器の数、または、前記接続機器情報が前記登録機器情報に含まれるネットワーク機器の数が、所定の閾値以上であった場合に、前記接続したネットワークが前記登録ネットワークであると判定するネットワーク判定部とを備え、前記ネットワーク判定部は、前記接続したネットワークが前記登録ネットワークであると判定した場合に、前記接続機器情報と一致しなかった前記登録機器情報を前記接続機器情報に変更する、または、前記登録機器情報に前記接続機器情報を追加することを特徴とする接続先判定装置とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、接続先ネットワークの構成に変化があっても接続先ネットワークを判定することを可能とする接続先判定装置、接続先判定プログラムおよび接続先判定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る接続先判定装置の全体構成およびネットワークの構成を例示する図である。
図2】第1の実施形態に係る標識機器データベースのデータ構成を例示する図である。
図3】第1の実施形態に係るネットワーク登録処理のフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。
図5】第2の実施形態に係る接続先判定装置の全体構成およびネットワークの構成を例示する図である。
図6】第2の実施形態に係る標識機器データベースのデータ構成を例示する図である。
図7】第2の実施形態に係るネットワーク登録処理のフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。
図9】第3の実施形態に係る接続先判定装置の全体構成および複数の登録ネットワークを示す図である。
図10】第3の実施形態に係る標識機器データベースのデータ構成を例示する図である。
図11】第3の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。
図12】第4の実施形態に係る移動端末の全体構成と機器情報収集サーバの全体構成とを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
≪第1の実施形態≫
以下に、本発明を実施するための形態(実施形態)における接続先判定装置(接続先ネットワーク判定装置)について説明する。第1の実施形態における接続先判定装置は、接続先のネットワーク(接続先ネットワーク)のデフォルトゲートウェイおよびプリンタの物理(MAC)アドレスを参照して、登録済みのネットワーク(登録ネットワーク)であるか否かを判定する。
【0013】
≪第1の実施形態:接続先判定装置の全体構成≫
図1は、第1の実施形態に係る接続先判定装置100の全体構成およびネットワークの構成を例示する図である。ネットワークには、接続先判定装置100の他に、デフォルトゲートウェイ(デフォルトGW(Gateway)とも記す)210、プリンタ220、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ240、ファイルサーバ250およびパソコン(PC(Personal Computer)とも記す)280が接続されている。他に、スマートフォンやタブレット端末が接続されていてもよい(不図示)。
【0014】
接続先判定装置100は、制御部110、記憶部120および入出力部140を含んで構成される。入出力部140は、ディスプレイやキーボードなどの利用者インタフェース装置の他に、データの送受信を行うNIC(Network Interface Card)を含んで構成される。
【0015】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記憶部120に記憶されるOS(Operating System)や接続先判定プログラム(不図示)を実行することで、コンピュータである接続先判定装置100を機能させる。制御部110は、アドレス取得部111およびネットワーク判定部112を備える。
【0016】
アドレス取得部111は、ネットワークに接続されているデフォルトゲートウェイ210およびプリンタ220のネットワークアドレス(例えばIPアドレス)と物理アドレス(例えばMACアドレス)とを取得する。なお、デフォルトゲートウェイ210およびプリンタ220は、接続先ネットワークが登録済みのネットワークであるか否かを判定するときに参照されるネットワーク機器(単に機器とも記す)であるので、以下では標識機器とも記す。
【0017】
ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークが、後記する標識機器データベース(標識機器DB(Database)とも記す、図2参照)130に記憶される登録ネットワークであるか否かを判定する。
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどから構成され、標識機器データベース130を含む。
【0018】
≪第1の実施形態:標識機器データベース≫
図2は、第1の実施形態に係る標識機器データベース130のデータ構成を例示する図である。標識機器データベース130は、例えば表形式のデータであって、1つのレコード(行)は、1つの標識機器を示しており、種別131、物理アドレス132およびネットワークアドレス133の属性(列)を含む。
【0019】
種別131は、標識機器の種別を示す。第1の実施形態では、種別131は、「デフォルトゲートウェイ」または「プリンタ」である。
物理アドレス132は、標識機器の物理アドレスであり、例えばMACアドレスである。
ネットワークアドレス133は、標識機器のネットワークアドレスであり、例えばIPアドレスである。
【0020】
標識機器データベース130に記憶されたデフォルトゲートウェイとプリンタとが接続されたネットワークが登録ネットワークである。接続先判定装置100は、接続先判定装置100が接続されているネットワーク(接続先ネットワーク)が登録ネットワークであるか否かを判定する。以下では、標識機器データベース130にネットワークを登録する処理(後記する図3参照)および接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する処理(後記する図4参照)を説明する。
【0021】
≪第1の実施形態:ネットワーク登録処理≫
図3は、第1の実施形態に係るネットワーク登録処理のフローチャートである。図3を参照しながら、アドレス取得部111が実行する、判定対象となるネットワークを標識機器データベース130に登録する処理を説明する。なお、ネットワーク登録処理の実行時には、接続先判定装置100は、登録対象のネットワークに接続しており、デフォルトゲートウェイ210やプリンタ220と通信可能である。
【0022】
ステップS101において、アドレス取得部111が、デフォルトゲートウェイ210の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130に登録する。アドレス取得部111は、デフォルトゲートウェイ210の物理アドレスとネットワークアドレスとを、OSに問い合わせることで取得してもよいし、DHCPやARP(Address Resolution Protocol)を用いて取得してもよい。
【0023】
取得した後に、アドレス取得部111は、取得した物理アドレスおよびネットワークアドレスを用いてデフォルトゲートウェイ210と通信可能か確認する。続いて、アドレス取得部111は、取得した物理アドレスとネットワークアドレスとを、種別131が「デフォルトゲートウェイ」であるレコードの物理アドレス132とネットワークアドレス133とにそれぞれ格納する。
【0024】
ステップS102において、アドレス取得部111が、プリンタ220の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130に登録する。アドレス取得部111は、プリンタ220の物理アドレスとネットワークアドレスとを、OSに問い合わせることで取得してもよいし、OSからプリンタ220の名前を取得して、名前解決サービスやARPを用いて取得してもよい。
【0025】
取得した後に、アドレス取得部111は、取得した物理アドレスおよびネットワークアドレスを用いてプリンタ220と通信可能か確認する。続いて、アドレス取得部111は、取得した物理アドレスとネットワークアドレスとを、種別131が「プリンタ」であるレコードの物理アドレス132とネットワークアドレス133とにそれぞれ格納する。
【0026】
≪第1の実施形態:ネットワーク判定処理≫
図4は、第1の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。図4を参照しながら、アドレス取得部111およびネットワーク判定部112が実行する、接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する処理を説明する。
【0027】
ステップS201において、アドレス取得部111が、接続先ネットワークのデフォルトゲートウェイおよびプリンタのネットワークアドレスと物理アドレスとを取得する。取得する手順は、ネットワーク登録処理(図3参照)と同様である。
【0028】
ステップS202において、ネットワーク判定部112は、ステップS201で取得したアドレス(接続機器情報)と、登録済みのアドレス(登録機器情報)とを比較する。詳しくは、ネットワーク判定部112は、標識機器データベース130からデフォルトゲートウェイとプリンタの物理アドレスを取得し、ステップS201で取得したデフォルトゲートウェイとプリンタの物理アドレスとそれぞれ比較する。なお、ステップS201で物理アドレスが取得できない、または、通信できなかった場合には、物理アドレスが不一致とする。
【0029】
ステップS203において、ネットワーク判定部112は、ステップS202の比較結果に応じて、ステップS204、S205、S208およびS211の何れかに進む。詳しくは、ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイの物理アドレスが一致し、プリンタの物理アドレスも一致した場合(GW:一致、PRN:一致)には、ステップS204に進む。ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイの物理アドレスが一致し、プリンタの物理アドレスが一致しなかった場合(GW:一致、PRN:不一致)には、ステップS205に進む。ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイの物理アドレスが一致せず、プリンタの物理アドレスが一致した場合(GW:不一致、PRN:一致)には、ステップS208に進む。ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイの物理アドレスが一致せず、プリンタの物理アドレスも一致しなかった場合(GW:不一致、PRN:不一致)には、ステップS211に進む。
【0030】
ステップS204において、ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークが登録ネットワークであると判定する。
ステップS205において、ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークが登録ネットワークであると判定する。
ステップS206において、ネットワーク判定部112は、プリンタが存在した場合(アドレスが取得できて通信可能であった場合)(ステップS206→Y)には、ステップS207に進み、存在しなかった場合(ステップS206→N)には、ネットワーク判定処理を終了する。
【0031】
ステップS207において、ネットワーク判定部112は、プリンタのアドレスを更新する。詳しくは、ネットワーク判定部112は、標識機器データベース130のプリンタのレコードにおいて、物理アドレス132およびネットワークアドレス133をステップS201で取得した物理アドレスおよびネットワークアドレスにそれぞれ更新する。
【0032】
ステップS208において、ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークが登録ネットワークであると判定する。
ステップS209において、ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイが存在した場合(アドレスが取得できて通信可能であった場合)(ステップS209→Y)には、ステップS210に進み、存在しなかった場合(ステップS209→N)には、ネットワーク判定処理を終了する。
【0033】
ステップS210において、ネットワーク判定部112は、デフォルトゲートウェイのアドレスを更新する。詳しくは、ネットワーク判定部112は、標識機器データベース130のデフォルトゲートウェイのレコードにおいて、物理アドレス132およびネットワークアドレス133をステップS201で取得した物理アドレスおよびネットワークアドレスにそれぞれ更新する。
ステップS211において、ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークが未登録ネットワークである(登録ネットワークではない)と判定する。
【0034】
≪第1の実施形態:ネットワーク判定処理の特徴≫
ネットワーク判定部112は、接続先ネットワークのデフォルトゲートウェイおよびプリンタの物理アドレスと、登録ネットワークのデフォルトゲートウェイおよびプリンタの物理アドレスとをそれぞれ比較し、双方とも一致した場合だけではなく、何れか一方だけが一致した場合でも、接続先ネットワークを登録ネットワークと判定する。このために、デフォルトゲートウェイおよびプリンタの一方が、交換されて物理アドレスが変化しても、登録ネットワークと判定することができる。また、デフォルトゲートウェイおよびプリンタの一方が未稼働であっても、登録ネットワークと判定することができる。
【0035】
また、新しいアドレスを標識機器データベース130に登録する(ステップS207、S210参照)ので、次回以降のネットワーク判定処理において、デフォルトゲートウェイとプリンタとの何れか一方が交換されたり、未稼働であったりしても、登録ネットワークと判定することができる。
【0036】
≪第2の実施形態≫
第1の実施形態において、接続先判定装置100は、デフォルトゲートウェイとプリンタの物理アドレスを参照して、接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定している。第2の実施形態における接続先判定装置は、デフォルトゲートウェイとプリンタ以外のネットワーク機器(標識機器)の物理アドレスを参照して、登録済みのネットワークであるか否かを判定する。
【0037】
≪第2の実施形態:接続先判定装置の全体構成≫
図5は、第2の実施形態に係る接続先判定装置100Aの全体構成およびネットワークの構成を例示する図である。第1の実施形態(図1参照)と比較して、プリンタ220,230が複数台になっている。
【0038】
アドレス取得部111Aは、デフォルトゲートウェイ210とプリンタ220,230とに加えて、DHCPサーバ240およびファイルサーバ250のアドレスを取得する。
ネットワーク判定部112Aは、デフォルトゲートウェイ210とプリンタ220,230とに加えて、DHCPサーバ240およびファイルサーバ250の物理アドレスを比較して、接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する。
【0039】
図6は、第2の実施形態に係る標識機器データベース130Aのデータ構成を例示する図である。標識機器データベース130Aは、デフォルトゲートウェイ210とプリンタ220,230とに加えて、DHCPサーバ240およびファイルサーバ250のアドレスを格納する。詳しくは、種別131の値として、「デフォルトゲートウェイ」と「プリンタ」との他に「DHCPサーバ」と「ファイルサーバ」とが存在する。また、プリンタ220,230が複数存在するために、種別131が「プリンタ」であるレコードが複数存在している。
【0040】
≪第2の実施形態:ネットワーク登録処理≫
図7は、第2の実施形態に係るネットワーク登録処理のフローチャートである。図7を参照しながら、アドレス取得部111Aが実行する、判定対象となるネットワークを標識機器データベース130Aに登録する処理を説明する。なお、ネットワーク登録処理の実行時には、接続先判定装置100Aは、登録対象のネットワークに接続しており、デフォルトゲートウェイ210やプリンタ220,230、DHCPサーバ240およびファイルサーバ250が稼働しているとする。
【0041】
ステップS301において、アドレス取得部111Aが、デフォルトゲートウェイ210の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130Aに登録する。取得や登録の手順は、ステップS101(図3参照)と同様である。
ステップS302において、アドレス取得部111Aが、プリンタ220,230の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130Aに登録する。取得や登録の手順は、ステップS102(図3参照)と同様である。
【0042】
ステップS303において、アドレス取得部111Aが、DHCPサーバ240の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130Aに登録する。アドレス取得部111Aは、DHCPサーバ240の物理アドレスとネットワークアドレスとを、OSに問い合わせることで取得してもよいし、DHCPやARPを用いて取得してもよい。取得した物理アドレスとネットワークアドレスとは、種別131が「DHCPサーバ」であるレコードの物理アドレス132とネットワークアドレス133とにそれぞれ格納される。
【0043】
ステップS304において、アドレス取得部111Aが、ファイルサーバ250の物理アドレスとネットワークアドレスとを取得して、標識機器データベース130Aに登録する。アドレス取得部111Aは、ファイルサーバ250の物理アドレスとネットワークアドレスとを、OSに問い合わせることで取得してもよいし、OSからファイルサーバ250の名前を取得して、名前解決サービスやARPを用いて取得してもよい。取得した物理アドレスとネットワークアドレスは、種別131が「ファイルサーバ」であるレコードの物理アドレス132とネットワークアドレス133とにそれぞれ格納される。
【0044】
≪第2の実施形態:ネットワーク判定処理≫
図8は、第2の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。図8を参照しながら、アドレス取得部111Aおよびネットワーク判定部112Aが実行する、接続しているネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する処理を説明する。
【0045】
ステップS401において、アドレス取得部111Aが、接続先ネットワークの標識機器(デフォルトゲートウェイ210、プリンタ220,230、DHCPサーバ240およびファイルサーバ250)のネットワークアドレスと物理アドレスとを取得する。取得する手順は、ネットワーク登録処理(図7参照)と同様である。
【0046】
ステップS402において、ネットワーク判定部112Aは、ステップS401で取得したアドレスと、登録済みのアドレスとを比較する。詳しくは、ネットワーク判定部112Aは、標識機器データベース130Aからデフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびファイルサーバの物理アドレスを取得し、ステップS401で取得したデフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびプリンタの物理アドレスとそれぞれ比較する。なお、ステップS401で物理アドレスが取得できない、または、通信できなかった場合には、当該機器の物理アドレスは不一致とする。
【0047】
ステップS403において、ネットワーク判定部112Aは、ステップS402の比較において一致した標識機器の数を算出する。
ステップS404において、ネットワーク判定部112Aは、ステップS403で算出した一致した数が所定の閾値以上であれば(ステップS404→Y)ステップS405に進み、一致した数が所定の閾値未満であれば(ステップS404→N)ステップS408に進む。
【0048】
ステップS405において、ネットワーク判定部112Aは、接続先ネットワークが登録ネットワークであると判定する。
ステップS406において、ネットワーク判定部112Aは、物理アドレスが不一致の標識機器が存在した場合(アドレスが取得でき、通信可能であり、アドレスが異なった場合)(ステップS406→Y)には、ステップS407に進み、存在しなかった場合(ステップS406→N)には、ネットワーク判定処理を終了する。
【0049】
ステップS407において、ネットワーク判定部112Aは、アドレスが異なった標識機器のアドレスを更新する。詳しくは、ネットワーク判定部112Aは、標識機器データベース130Aのレコードにおいて、物理アドレス132およびネットワークアドレス133をステップS401で取得した物理アドレスおよびネットワークアドレスにそれぞれ更新する。
ステップS408において、ネットワーク判定部112Aは、接続先ネットワークが未登録ネットワークである(登録ネットワークではない)と判定する。
【0050】
≪第2の実施形態:ネットワーク判定処理の特徴≫
ネットワーク判定部112Aは、接続先ネットワークの標識機器(デフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびファイルサーバ)の物理アドレスと、登録ネットワークの標識機器の物理アドレスとをそれぞれ比較し、一致した標識機器の数が所定の閾値以上であれば、登録ネットワークと判定する。このために、標識機器の一部が、交換されて物理アドレスが変化しても、登録ネットワークと判定することができる。また、標識機器の一部が未稼働であっても、登録ネットワークと判定することができる。
また、新しいアドレスを標識機器データベース130Aに登録する(ステップS407参照)ので、次回以降のネットワーク判定処理において、標識機器の一部が交換されたり、未稼働であったりしても、登録ネットワークと判定することができる。
【0051】
≪第2の実施形態の変形例:標識機器の種別≫
上記した第2の実施形態における標識機器は、常時稼働が前提となるデフォルトゲートウェイやプリンタなどであった。標識機器は、時刻サーバ、メールサーバ、Webサーバなどネットワークサービスを提供するサーバであってもよい。さらに、エンドユーザが利用するPC280やスマートフォン(不図示)、タブレット端末(不図示)を標識機器に加えてもよい。PC280やスマートフォン、タブレット端末のアドレスを取得するには、アドレス取得部111Aは、OSに問い合わせて取得してもよいし、接続先ネットワークに含まれるネットワークアドレスに対して、順次にARPとネットワーク疎通確認プロトコル(例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)を利用)を用いて取得してもよい。または、アドレス取得部111Aは、標識機器データベース130AからPC280のアドレスを取得してもよい。
【0052】
≪第2の実施形態の変形例:標識機器の追加≫
接続先ネットワークが登録ネットワークであると判定された場合であって、物理アドレスが不一致の標識機器がある場合には、ネットワーク判定部112Aは、標識機器データベース130Aの当該標識機器のアドレスを接続先ネットワークの機器のアドレスに更新している(図8のステップS407参照)。更新するのに加えて、ネットワーク判定部112Aは、接続先ネットワークに接続されている新規の標識機器のアドレスを標識機器データベース130Aに追加してもよい。例えば、アドレス取得部111Aが、OSに問い合わせた結果、標識機器データベース130Aに登録済みのプリンタの他に、プリンタのアドレスを取得した場合に、ネットワーク判定部112Aが当該プリンタのアドレスを標識機器データベース130Aに追加してもよい。
【0053】
≪第2の実施形態の変形例:判定の閾値≫
ステップS404の閾値は、固定の値であってもよいし、標識機器データベース130Aに格納される標識機器の数に応じた値であってもよいし、ステップS401においてアドレスが取得できた標識機器の数に応じた値であってもよい。例えば、標識機器データベース130Aに格納される標識機器の半数を閾値としてもよい。
【0054】
また、サーバ系の標識機器と非サーバ系(PC)とで、閾値を分けてもよい。例えば、サーバ系の閾値を標識機器データベース130Aに格納されるサーバ系標識機器の半数とし、非サーバ系の閾値を標識機器データベース130Aに格納される非サーバ系標識機器の1/4として、両方の閾値が満たされたときに登録ネットワークと判定してもよい。
【0055】
≪第2の実施形態の変形例:標識機器データベース≫
標識機器データベース130Aは、種別131の属性を含んでいるが、これを無くしてもよい。この場合、ネットワーク登録処理(図7参照)では、アドレス取得部111Aが、標識機器の物理アドレス132とネットワークアドレス133を標識機器データベース130Aに格納する。また、ネットワーク判定処理(図8参照)では、ネットワーク判定部112Aは、アドレスが一致する機器の数を閾値と比較する(ステップS402~S404)のではなく、標識機器データベース130Aにアドレスが含まれる機器の数を閾値と比較する。また、アドレスが不一致の標識機器のアドレスを更新する(ステップS406~S407)のではなく、標識機器データベース130Aにアドレスを追加する。
【0056】
≪第2の実施形態の変形例:標識機器の標識情報≫
第1、2の実施形態では、物理アドレスが標識機器の標識情報(固有情報、機器情報、機器の情報とも記す)であるとして、物理アドレスを標識機器データベース130,130Aに登録して、接続先ネットワークの判定に用いている。物理アドレスに替わり、機器の種別や製造者に応じた固有情報を用いてもよい。例えば、アドレス取得部(情報取得部)111Aは、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて機器のシリアル番号を取得して、固有情報としてもよい。
【0057】
≪第3の実施形態≫
第2の実施形態において、接続先判定装置100Aは、標識機器の物理アドレスを参照して、接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定している。第3の実施形態における接続先判定装置は、登録ネットワークが複数であり、接続先ネットワークが何れの登録ネットワークであるか、未登録のネットワークであるかを判定する。
【0058】
≪第3の実施形態:接続先判定装置の全体構成≫
図9は、第3の実施形態に係る接続先判定装置100Bの全体構成および複数の登録ネットワークを示す図である。第3の実施形態では、標識機器データベース130Bには複数のネットワーク291~293の標識機器のアドレスが登録されており、ネットワーク判定部112Bは、接続先のネットワークが、登録済みの何れかのネットワークであるか、または未登録のネットワークかを判定する。
【0059】
アドレス取得部111Bは、接続先ネットワークの標識機器(デフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびファイルサーバ)のアドレスを取得する。
ネットワーク判定部112Bは、接続先ネットワークの標識機器の物理アドレスと標識機器データベース130Bに登録済みの物理アドレスを比較して、接続先ネットワークが何れの登録ネットワークか、または、未登録ネットワークであるかを判定する。
【0060】
図10は、第3の実施形態に係る標識機器データベース130Bのデータ構成を例示する図である。標識機器データベース130A(図6参照)と比較して、標識機器データベース130Bは、登録ネットワークの識別情報であるネットワーク134の属性を含んで構成される。例えば、図10の1行目のレコードで示される標識機器は、識別情報が「NET1」であるネットワークの標識機器であり、種別131が「デフォルトゲートウェイ」であって、その物理アドレス132が「4f-3d-e9-34-aa-8d」であって、ネットワークアドレスが「123.45.67.1」であることを示す。
【0061】
≪第3の実施形態:ネットワーク登録処理≫
登録対象となるネットワーク291~293それぞれについて、接続先判定装置100Bがそれぞれのネットワークに接続された状態において、ネットワーク登録処理が実行される。それぞれのネットワーク291~293におけるネットワーク登録処理は、標識機器データベース130Bへの登録を除いて第2の実施形態におけるネットワーク登録処理(図7参照)と同様である。詳しくは、アドレス取得部111Bは、標識機器のアドレス取得後に種別131、物理アドレス132およびネットワークアドレス133の他に、接続先ネットワーク(登録しようとしているネットワーク)の識別情報であるネットワーク134を含めて、標識機器の情報を標識機器データベース130Bに格納する。
【0062】
≪第3の実施形態:ネットワーク判定処理≫
図11は、第3の実施形態に係る接続先ネットワークの判定処理のフローチャートである。図11を参照しながら、アドレス取得部111Bおよびネットワーク判定部112Bが実行する、接続しているネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する処理を説明する。
【0063】
ステップS501において、アドレス取得部111Bが、接続先ネットワークの標識機器のネットワークアドレスと物理アドレスとを取得する。取得する手順は、ネットワーク登録処理(図7参照)と同様である。
【0064】
ステップS502において、ネットワーク判定部112Bは、標識機器データベース130Bに登録されているネットワークそれぞれに、ステップS503~S505の処理(以下、ループ処理とも記す)を繰り返す。例えば、図10に示す標識機器データベース130Bのネットワーク134の値には「NET1」、「NET2」および「NET3」があり、この3つのネットワークに接続されている標識機器のアドレスが標識機器データベース130Bに格納されている。ネットワーク判定部112Bは、「NET1」、「NET2」および「NET3」のそれぞれについて、ステップS503~S505のループ処理を繰り返す。
【0065】
ステップS503において、ネットワーク判定部112Bは、ステップS501で取得したアドレスと、ループ処理対象のネットワークの登録済みのアドレスとを比較する。詳しくは、ネットワーク判定部112Bは、標識機器データベース130Bからループ処理対象のネットワーク(「NET1」、「NET2」または「NET3」)のデフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびファイルサーバの物理アドレスを取得し、ステップS501で取得したデフォルトゲートウェイ、プリンタ、DHCPサーバおよびプリンタの物理アドレスとそれぞれ比較する。なお、ステップS501で物理アドレスが取得できない、または、通信できなかった場合には、物理アドレスが不一致とする。
【0066】
ステップS504において、ネットワーク判定部112Bは、ステップS503の比較において一致した標識機器の数を算出する。
ステップS505において、ネットワーク判定部112Bは、ステップS504で算出した一致した数が所定の閾値以上であれば(ステップS505→Y)ステップS508に進み、一致した数が所定の閾値未満であれば(ステップS505→N)ステップS506に進む。
【0067】
ステップS506において、ネットワーク判定部112Bは、標識機器データベース130Bに登録されている全てのネットワークに対して、ステップS503~S505のループ処理を実行したかを判定する。全てのネットワークに対して、ループ処理が実行済みならばステップS507に進み、未処理のネットワークが存在するならば、当該ネットワークについてステップS503に戻る。
【0068】
ステップS507において、ネットワーク判定部112Bは、接続先ネットワークが未登録ネットワークである(登録ネットワークではない)と判定する。
ステップS508において、ネットワーク判定部112Bは、接続先ネットワークが、ループ処理中の登録ネットワークであると判定する。
ステップS509、S510は、ステップS406、S407とそれぞれ同様の処理である。但し、アドレスを更新するレコードは、ネットワーク134がループ処理の対象のネットワークであるレコードである。
【0069】
≪第3の実施形態:ネットワーク判定処理の特徴≫
ネットワーク判定部112Bは、接続先ネットワークの標識機器の物理アドレスと、複数登録されているネットワークについて順次そのネットワークの標識機器の物理アドレスを比較し、一致した標識機器の数が所定の閾値以上であれば、当該ネットワークと判定する。このために、複数のネットワークが登録されていても、接続先ネットワークが何れの登録ネットワークであるか未登録のネットワークであるかを判定することができる。
【0070】
≪第4の実施形態≫
第1~3の実施形態において、接続先判定装置100,100A,100Bが、標識機器の物理アドレスを参照して、接続先ネットワークが登録ネットワークであるかを判定している。第4の実施形態においては、移動端末が接続先ネットワークの標識機器のアドレスを取得し機器情報収集サーバに送信して、機器情報収集サーバが、接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する。
【0071】
≪第4の実施形態:全体構成≫
図12は、第4の実施形態に係る移動端末(端末)100Cの全体構成と機器情報収集サーバ(接続先判定サーバ)300の全体構成とを例示した図である。移動端末100Cの制御部110Cは、アドレス取得部111Cと機器情報取得部113とを備える。アドレス取得部111Cは、取得した標識機器のアドレスを後記する機器情報収集サーバ300に送信することを除いて、アドレス取得部111A(図5参照)と同様である。移動端末100Cは、ネットワーク判定部や標識機器データベースを備えない。
機器情報取得部113は、接続先ネットワークに接続された機器について、その機器の名称やソフトウェア構成、設定情報などの機器情報を取得して、機器情報収集サーバ300に送信する。
【0072】
機器情報収集サーバ300は、デフォルトゲートウェイ210やインターネットを介して、移動端末100Cと接続される。機器情報収集サーバ300は、CPUから構成される制御部310、RAMやHDD(Hard Disk Drive)などから構成される記憶部320およびNICから構成される入出力部350を備える。制御部310は、移動端末100Cが送信した機器情報を後記する機器情報データベース(機器情報DB)340に格納する。
【0073】
ネットワーク判定部312および標識機器データベース330は、第2の実施形態におけるネットワーク判定部112A(図5参照)および標識機器データベース130A(図6参照)とそれぞれ同様であり、移動端末100Cが取得して送信した標識機器のアドレス情報に基づいて、移動端末100Cの接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する。
機器情報データベース340は、移動端末100Cが取得して送信した接続先ネットワークに接続された機器の名称やソフトウェアを記憶しているデータベースである。
【0074】
≪第4の実施形態:ネットワーク登録処理≫
アドレス取得部111Cが、接続先ネットワークの標識機器のアドレスを取得し、機器情報収集サーバ300に送信する。機器情報収集サーバ300の制御部310は、受信したアドレス情報を標識機器データベース330に格納する。
【0075】
≪第4の実施形態:ネットワーク判定処理≫
アドレス取得部111Cが、接続先ネットワークの標識機器のアドレスを取得し、機器情報収集サーバ300に送信する。また、機器情報取得部113は、接続先ネットワークに接続された機器の機器情報を取得して、機器情報収集サーバ300に送信する。
機器情報収集サーバ300のネットワーク判定部312は、受信した標識機器のアドレス情報と、標識機器データベース330の情報を基に、移動端末100Cの接続先ネットワークが登録ネットワークであるか否かを判定する(図4のステップS402~S405と同様の処理)。登録ネットワークであると判定すれば、制御部310は、受信した機器情報を機器情報データベース340に格納する。さらに、ネットワーク判定部312は、アドレスが不一致の標識機器のアドレス情報を更新する(図4のステップS406、S407と同様の処理)。
【0076】
≪第4の実施形態の特徴≫
機器情報収集サーバ300は、機器情報収集対象であり登録されたネットワークに接続された機器の機器情報のみを機器情報データベース340に格納している。これにより、移動端末100Cの利用者の自宅におけるネットワークや公衆ネットワークなどに接続された収集不要の機器の情報を収集することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0077】
100,100A,100B 接続先判定装置
100C 移動端末(端末)
111,111A,111B,111C アドレス取得部(情報取得部)
112,112A,112B,312 ネットワーク判定部
130,130A,130B,330 標識機器データベース
210 デフォルトゲートウェイ(標識機器、ネットワーク機器)
220,230 プリンタ(標識機器、ネットワーク機器)
240 DHCPサーバ(標識機器、ネットワーク機器)
250 ファイルサーバ(標識機器、ネットワーク機器)
300 機器情報収集サーバ(接続先判定サーバ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12