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特許7049977遠隔監視システム、遠隔監視制御装置、コンピュータプログラム及び遠隔監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】遠隔監視システム、遠隔監視制御装置、コンピュータプログラム及び遠隔監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20220331BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220331BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
H04Q9/00 321B
G08B25/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018225462
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020088803
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2020-11-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】神谷 尚保
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-080052(JP,A)
【文献】特開2018-152642(JP,A)
【文献】特開2008-102762(JP,A)
【文献】特開平10-294933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、
前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信方式の送信機と、
前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信方式の受信機と、
前記受信機から前記センサデータを受信する遠隔監視制御装置とを備え、
前記遠隔監視制御装置は、
前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、
前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え
前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、
前記映像取得部は、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、
遠隔監視システム。
【請求項2】
センサと、
前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信方式の送信機と、
前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信方式の受信機と、
前記受信機から前記センサデータを受信する遠隔監視制御装置とを備え、
前記遠隔監視制御装置は、
前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、
前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え、
前記遠隔監視制御装置は、
前記映像ファイル格納装置が格納する映像ファイルに格納された映像の撮影場所を示す撮影場所情報を含むメタ情報と前記映像ファイル格納装置の映像ファイル格納装置識別情報とを、複数の前記映像ファイル格納装置からそれぞれ受信するメタ情報受信部と、
前記メタ情報と前記映像ファイル格納装置識別情報とを関連付けて格納するメタ情報格納部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する撮影場所情報を含むメタ情報を前記メタ情報格納部から検索し、検索結果のメタ情報の撮影場所情報が示す撮影場所と当該検索結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイル格納装置識別情報とを前記映像取得部へ通知する特定部と、をさらに備え、
前記映像取得部は、前記特定部から通知された映像ファイル格納装置識別情報の映像ファイル格納装置に対して、前記特定部から通知された撮影場所に該当する映像ファイルを要求する、
遠隔監視システム。
【請求項3】
センサから出力されて低電力広域通信により伝送されたセンサデータを受信するセンサデータ受信部と、
前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、
前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え
前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、
前記映像取得部は、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、
遠隔監視制御装置。
【請求項4】
センサから出力されて低電力広域通信により伝送されたセンサデータを受信するセンサデータ受信部と、
前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、
前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、
前記映像ファイル格納装置が格納する映像ファイルに格納された映像の撮影場所を示す撮影場所情報を含むメタ情報と前記映像ファイル格納装置の映像ファイル格納装置識別情報とを、複数の前記映像ファイル格納装置からそれぞれ受信するメタ情報受信部と、
前記メタ情報と前記映像ファイル格納装置識別情報とを関連付けて格納するメタ情報格納部と、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する撮影場所情報を含むメタ情報を前記メタ情報格納部から検索し、検索結果のメタ情報の撮影場所情報が示す撮影場所と当該検索結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイル格納装置識別情報とを前記映像取得部へ通知する特定部と、を備え、
前記映像取得部は、前記特定部から通知された映像ファイル格納装置識別情報の映像ファイル格納装置に対して、前記特定部から通知された撮影場所に該当する映像ファイルを要求する、
遠隔監視制御装置。
【請求項5】
コンピュータに、
センサから出力されたセンサデータを低電力広域通信システムにより受信するセンサデータ受信ステップと、
前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けてセンサデータ格納部に格納するセンサデータ格納ステップと、
前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定ステップと、
前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、
前記映像取得ステップは、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、
コンピュータプログラム。
【請求項6】
センサがセンサデータを出力するセンサデータ出力ステップと、
低電力広域通信方式の送信機が、前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信送信ステップと、
低電力広域通信方式の受信機が、前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信受信ステップと、
遠隔監視制御装置が、前記受信機から前記センサデータを受信するステップと、
前記遠隔監視制御装置が、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けてセンサデータ格納部に格納するセンサデータ格納ステップと、
前記遠隔監視制御装置が、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定ステップと、
前記遠隔監視制御装置が、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得ステップと、
を含む遠隔監視方法であって、
前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、
前記遠隔監視制御装置は、前記映像取得ステップにおいて、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、
遠隔監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視システム、遠隔監視制御装置、コンピュータプログラム及び遠隔監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信コストや消費電力を抑えつつ、異常が発生した場合には、現場の状況を高解像度の画像や動画で確認することが可能な遠隔監視システムが検討されている。例えば特許文献1には、低電力広域(LPWA:Low Power Wide Area)通信モジュールとモバイル通信モジュールとを内蔵した通信制御装置に気象センサ及び監視カメラを接続し、通常時は気象データをLPWA通信により送信し、気象データで異常を検知した時にモバイル通信に切り替えて監視カメラデータを送信する遠隔監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-152642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の遠隔監視システムでは、モバイル通信圏外の場所ではモバイル通信により高解像度の監視カメラデータを送信できないので、モバイル通信圏内の場所に適用範囲が限定される不都合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、遠隔監視先の場所がモバイル通信圏内の場所に限定される不都合を解消し、遠隔監視システムの適用範囲の拡大を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、センサと、前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信方式の送信機と、前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信方式の受信機と、前記受信機から前記センサデータを受信する遠隔監視制御装置とを備え、前記遠隔監視制御装置は、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え、前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、前記映像取得部は、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、遠隔監視システムである。
(2)本発明の一態様は、センサと、前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信方式の送信機と、前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信方式の受信機と、前記受信機から前記センサデータを受信する遠隔監視制御装置とを備え、前記遠隔監視制御装置は、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え、前記遠隔監視制御装置は、前記映像ファイル格納装置が格納する映像ファイルに格納された映像の撮影場所を示す撮影場所情報を含むメタ情報と前記映像ファイル格納装置の映像ファイル格納装置識別情報とを、複数の前記映像ファイル格納装置からそれぞれ受信するメタ情報受信部と、前記メタ情報と前記映像ファイル格納装置識別情報とを関連付けて格納するメタ情報格納部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する撮影場所情報を含むメタ情報を前記メタ情報格納部から検索し、検索結果のメタ情報の撮影場所情報が示す撮影場所と当該検索結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイル格納装置識別情報とを前記映像取得部へ通知する特定部と、をさらに備え、前記映像取得部は、前記特定部から通知された映像ファイル格納装置識別情報の映像ファイル格納装置に対して、前記特定部から通知された撮影場所に該当する映像ファイルを要求する、遠隔監視システムである。
【0007】
(3)本発明の一態様は、センサから出力されて低電力広域通信により伝送されたセンサデータを受信するセンサデータ受信部と、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、を備え、前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、前記映像取得部は、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、遠隔監視制御装置である。
(4)本発明の一態様は、センサから出力されて低電力広域通信により伝送されたセンサデータを受信するセンサデータ受信部と、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けて格納するセンサデータ格納部と、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得部と、前記映像ファイル格納装置が格納する映像ファイルに格納された映像の撮影場所を示す撮影場所情報を含むメタ情報と前記映像ファイル格納装置の映像ファイル格納装置識別情報とを、複数の前記映像ファイル格納装置からそれぞれ受信するメタ情報受信部と、前記メタ情報と前記映像ファイル格納装置識別情報とを関連付けて格納するメタ情報格納部と、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する撮影場所情報を含むメタ情報を前記メタ情報格納部から検索し、検索結果のメタ情報の撮影場所情報が示す撮影場所と当該検索結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイル格納装置識別情報とを前記映像取得部へ通知する特定部と、をさらに備え、前記映像取得部は、前記特定部から通知された映像ファイル格納装置識別情報の映像ファイル格納装置に対して、前記特定部から通知された撮影場所に該当する映像ファイルを要求する、遠隔監視制御装置である。
【0008】
(5)本発明の一態様は、コンピュータに、センサから出力されたセンサデータを低電力広域通信システムにより受信するセンサデータ受信ステップと、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けてセンサデータ格納部に格納するセンサデータ格納ステップと、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定ステップと、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、前記映像取得ステップは、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、コンピュータプログラムである。
【0009】
(6)本発明の一態様は、センサがセンサデータを出力するセンサデータ出力ステップと、低電力広域通信方式の送信機が、前記センサから出力されたセンサデータを送信する低電力広域通信送信ステップと、低電力広域通信方式の受信機が、前記送信機から前記センサデータを受信する低電力広域通信受信ステップと、遠隔監視制御装置が、前記受信機から前記センサデータを受信するステップと、前記遠隔監視制御装置が、前記センサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けてセンサデータ格納部に格納するセンサデータ格納ステップと、前記遠隔監視制御装置が、前記センサデータ格納部に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する判定ステップと、前記遠隔監視制御装置が、前記特定状態であると判定されたセンサデータに関連付けられた前記センサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置から取得する映像取得ステップと、を含む遠隔監視方法であって、前記映像ファイル格納装置は、任意の撮影場所で撮影された映像が格納された映像ファイルを格納し、前記遠隔監視制御装置は、前記映像取得ステップにおいて、前記センサデータ取得場所を含む一定の地理的範囲に拡げられた撮影場所の検索範囲に該当する映像ファイルを前記映像ファイル格納装置から取得する、遠隔監視方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遠隔監視先の場所がモバイル通信圏内の場所に限定される不都合を解消し、遠隔監視システムの適用範囲の拡大を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る遠隔監視制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る遠隔監視方法の手順の例を示すシーケンス図である。
図4】実施形態に係る映像ファイル検索範囲の例を示す概念図である。
図5】第2実施形態に係る遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。
図6】第2実施形態に係る遠隔監視制御装置の構成例を示すブロック図である。
図7】第2実施形態に係る映像収集装置の構成例を示すブロック図である。
図8】第2実施形態に係る遠隔監視方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。図1に示される遠隔監視システムは、低電力広域(LPWA)通信システム1と、遠隔監視制御装置3とを備える。LPWA通信システム1と遠隔監視制御装置3とは、通信ネットワーク2を介して、通信を行う。また、通信ネットワーク2には、映像ファイル格納装置4が接続されている。遠隔監視制御装置3は、通信ネットワーク2を介して、映像ファイル格納装置4にアクセスする。
【0014】
LPWA通信システム1は、m個のセンサ11-1、11-2、・・・、11-mと、n個のLPWA送信機10-1、10-2、・・・、10-nと、LPWA受信機12とを備える。n及びmは自然数である。以下、各センサ11-1、11-2、・・・、11-mを特に区別しないときは、センサ11と称する。また、各LPWA送信機10-1、10-2、・・・、10-nを特に区別しないときは、LPWA送信機10と称する。図1の例では、1個のLPWA送信機10に対して1個のセンサ11が接続されているが、1個のLPWA送信機10に対して複数個のセンサ11が接続されてもよい。
【0015】
LPWA送信機10は、LPWA通信方式の送信機である。LPWA受信機12は、LPWA通信方式の受信機である。LPWA送信機10とLPWA受信機12とはLPWA通信方式により通信を行う。
【0016】
LPWA通信方式について説明する。LPWA通信方式は、低消費電力で長距離通信を実現する通信方式であって、例えばIoT(Internet Of Things、モノのインターネット)などに利用されるものである。LPWA通信方式の種類としては、大きく分類すると、免許必要のLTE(Long Term Evolution)周波数帯を利用するセルラーLPWA方式と、免許不要の920MHz帯などの特定小電力無線局に割り当てられている周波数帯を利用するアンライセンスドLPWA方式とがある。
【0017】
セルラーLPWA方式は、既存のLTE基地局を活用し、LTEよりも非常に低速である一方で、通信距離を大きく延長させることができる。セルラーLPWA方式の無線通信規格としては、LTE-Mや、NB-IoT、などがある。アンライセンスドLPWA方式は、LTE基地局を活用しないため、基地局が設置されていない地域での活用が期待されている。アンライセンスドLPWA方式は、セルラーLPWA方式よりも、さらに低速である一方で、通信距離がさらに長い無線通信規格が多くある。アンライセンスドLPWA方式の無線通信規格としては、LoRaWAN、Sigfox、ZETA、Weightless、EnOcean、などがある。
【0018】
本実施形態に係るLPWA通信システム1には、いずれのLPWA通信方式を適用してもよく、LPWA通信システム1に適用されるLPWA通信方式の無線通信規格は限定されない。
【0019】
センサ11は、センシングした結果のセンサデータを出力する。LPWA送信機10は、センサ11から出力されたセンサデータをLPWA受信機12へ送信する。LPWA受信機12は、LPWA送信機10から受信したセンサデータを、通信ネットワーク2を介して、遠隔監視制御装置3へ送信する。LPWA受信機12と通信ネットワーク2との間の通信は、有線通信であってもよく、又は、LTE通信やミリ波通信等の高周波数帯を利用した無線通信であってもよい。
【0020】
LPWA通信システム1は、LPWA通信方式による長距離通信の特徴を生かして、様々な遠隔監視に利用されるものである。例えば、災害監視(河川・ダム、活火山など)、インフラ管理(道路橋梁、トンネル、のり面など)、農業、畜産などの遠隔監視に、LPWA通信システム1が適用可能である。また、LPWA通信システム1は、LTE通信システム等のモバイル通信システムの通信圏外の地域の遠隔監視に適用可能である。
【0021】
本実施形態では、m個のセンサ11が、モバイル通信システムの通信圏外の地域において広範囲に設置される。各センサ11は、災害監視(河川・ダム、活火山など)、インフラ管理(道路橋梁、トンネル、のり面など)、農業、畜産など、様々な用途でセンシングを行うものである。例えば、あるセンサ11は、河川・ダムで水位や水圧をセンシングするものであってもよく、また、別のあるセンサ11は、道路橋梁で傾斜、たわみ、温度をセンシングするものであってもよい。
【0022】
各センサ11は、少ないデータ量のセンサデータ(例えば8バイトのデータ)を少ないデータ頻度(例えば1時間に1回)で出力する。LPWA送信機10は、自己に接続されたセンサ11から出力されたセンサデータをLPWA受信機12へ送信する。LPWA送信機10からLPWA受信機12へのセンサデータの送信は、例えば、8バイトのセンサデータが1時間に1回の送信頻度である。
【0023】
ここで、特に問題が発生していない通常状態の時には、8バイト程度の少ないデータ量のセンサデータでも遠隔監視に不足はないが、何か異常が発生した時には、それでは情報量が不十分となる可能性がある。例えば、センサデータが異常を示すセンサ11の設置場所の周辺の状況を、現場の映像によって確認したいという要望が起こり得る。しかし、LPWA通信システム1が利用するLPWA通信方式では、十分な通信容量を確保できないので、高精細な静止画や動画などのデータ量が多い映像データをリアルタイムに送信することができないという課題がある。そこで、本実施形態では、異常時等の特定状態時の現場の映像については、別途、遠隔監視制御装置3が映像ファイル格納装置4から取得するものである。
【0024】
図2は、本実施形態に係る遠隔監視制御装置の構成例を示すブロック図である。図2において、遠隔監視制御装置3は、センサデータ受信部301と、センサデータ格納部302と、異常値判定部303と、映像取得部307とを備える。図2に示される遠隔監視制御装置3の各機能は、遠隔監視制御装置3が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、遠隔監視制御装置3として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。
【0025】
センサデータ受信部301は、LPWA通信システム1(LPWA受信機12)から通信ネットワーク2を介してセンサデータを受信する。
【0026】
センサデータ格納部302は、センサデータ受信部301が受信したセンサデータを、センサデータ取得情報に関連付けて格納する。センサデータ取得情報は、センサデータが取得されたセンサデータ取得場所を示すセンサデータ取得場所情報を含む情報である。センサデータ取得場所は、例えば緯度経度で表される。センサデータ取得場所は、センサデータを出力したセンサ11の設置場所であってもよく、又は、当該設置場所を含む一定区域であってもよい。センサデータ取得場所情報は、センサデータに付加されてLPWA通信システム1から遠隔監視制御装置3へ送信される。
【0027】
なお、センサデータ取得場所に関連付けられたセンサ識別情報(センサID)をセンサデータ取得場所情報としてもよい。この場合、センサIDとセンサデータ取得場所とが関連付けられた「センサID-センサデータ取得場所対応テーブル」が予め準備される。センサID-センサデータ取得場所対応テーブルを参照することによって、センサデータ取得場所情報であるセンサIDに関連付けられたセンサデータ取得場所を認識することができる。
【0028】
また、センサデータ取得情報は、センサデータが取得されたセンサデータ取得日時を示すセンサデータ取得日時情報をさらに含む情報であってもよい。センサデータ取得日時は、センサ11がセンシングを行った日時であってもよく、又は、LPWA受信機12がセンサデータを受信した日時であってもよい。センサデータ取得日時情報は、センサデータに付加されてLPWA通信システム1から遠隔監視制御装置3へ送信される。
【0029】
異常値判定部303は、センサデータ格納部302に格納される各センサデータに異常があるか否かを判定する。異常値判定部303は、例えば、センサ種別毎に正常値の範囲を示す判定表を備え、あるセンサデータが正常値の範囲を外れた値である場合に当該センサデータに異常があると判定する。センサデータが正常値の範囲外の状態(異常状態)は、特定状態の一例である。
【0030】
また、異常値判定部303は、一つセンサデータのみで異常を判定するのではなく、複数のセンサデータを判定対象にし、判定対象の複数のセンサデータが正常値の範囲を外れた値である場合に当該センサデータに異常があると判定してもよい。判定対象の複数のセンサデータは、センサデータ取得場所が同じであるセンサデータであってもよく、又は、一定の地理的範囲内の複数のセンサデータ取得場所のセンサデータであってもよい。さらには、判定対象の複数のセンサデータは、センサデータ取得日時が同じであるセンサデータであってもよく、又は、一定の時間的範囲内の複数のセンサデータ取得日時のセンサデータであってもよく、又は、センサデータ取得日時が時間的に連続する一定数のセンサデータであってもよい。
【0031】
映像取得部307は、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置4から取得する。また、映像取得部307は、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置4から取得してもよい。
【0032】
映像ファイル格納装置4には、複数の映像ファイルが撮影場所及び撮影日時を示す撮影情報に関連付けて格納されている。映像ファイルに格納される映像は、静止画像であってもよく、又は、動画像であってもよい。映像ファイル格納装置4に格納される各映像ファイルは、任意の撮影場所及び任意の撮影日時に撮影された映像が格納されたファイルである。映像ファイル格納装置4は、遠隔監視制御装置3(映像取得部307)からの映像ファイル要求に応じて、要求されたセンサデータ取得場所に対応する撮影情報に関連付けられた映像ファイルを、遠隔監視制御装置3へ応答する。また、映像ファイル格納装置4は、遠隔監視制御装置3(映像取得部307)からの映像ファイル要求に応じて、要求されたセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時に対応する撮影情報に関連付けられた映像ファイルを、遠隔監視制御装置3へ応答する。
【0033】
なお、本実施形態では、センサデータに基づいて異常状態を判定し、異常状態の遠隔監視のための映像ファイルを映像ファイル格納装置4から取得するが、異常状態以外の他の特定状態をセンサデータに基づいて判定し、当該特定状態の遠隔監視のための映像ファイルを映像ファイル格納装置4から取得してもよい。異常状態以外の他の特定状態の例として、センサデータが正常値の範囲内の限界に近い状態、センサデータの値の変化が激しい状態などが挙げられる。
【0034】
次に図3を参照して本実施形態に係る遠隔監視方法を説明する。図3は、本実施形態に係る遠隔監視方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0035】
(ステップS1) センサ11がセンサデータを出力する。LPWA送信機10は、センサ11から出力されたセンサデータを受信する。
【0036】
(ステップS2) LPWA送信機10は、センサ11から受信したセンサデータをLPWA受信機12へ送信する。LPWA受信機12は、LPWA送信機10からセンサデータを受信する。
【0037】
(ステップS3) LPWA受信機12は、LPWA送信機10から受信したセンサデータを遠隔監視制御装置3へ送信する。遠隔監視制御装置3は、LPWA受信機12からセンサデータを受信する。
【0038】
(ステップS4) 遠隔監視制御装置3は、LPWA受信機12から受信したセンサデータとセンサデータ取得情報とを関連付けてセンサデータ格納部302に格納する。遠隔監視制御装置3は、センサデータ格納部302に格納されるセンサデータに基づいて特定状態を判定する。本実施形態の一例として、特定状態として異常状態を適用する。
【0039】
(ステップS5) 遠隔監視制御装置3は、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所に該当する映像ファイルを、映像ファイル格納装置4に要求する。また、遠隔監視制御装置3は、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時に該当する映像ファイルを映像ファイル格納装置4に要求してもよい。
【0040】
(ステップS6) 映像ファイル格納装置4は、遠隔監視制御装置3からの映像ファイル要求に応じて、要求されたセンサデータ取得場所に対応する撮影場所を示す撮影場所情報に関連付けられた映像ファイルを、遠隔監視制御装置3へ応答する。また、映像ファイル格納装置4は、遠隔監視制御装置3からの映像ファイル要求に応じて、要求されたセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時に対応する撮影場所及び撮影日時に関連付けられた映像ファイルを、遠隔監視制御装置3へ応答する。
【0041】
遠隔監視制御装置3は、映像ファイル格納装置4から応答された映像ファイルを受信する。これにより、遠隔監視制御装置3は、異常状態時の現場の映像が格納された映像ファイルを映像ファイル格納装置4から取得することができる。
【0042】
図4は、本実施形態に係る映像ファイル検索範囲の例を示す概念図である。映像ファイル格納装置4は、任意の撮影場所及び任意の撮影日時に撮影された映像が格納された映像ファイルを格納するものである。このため、映像ファイル検索範囲として、撮影場所をセンサ11の設置場所に限定したり、又は、撮影日時をセンサデータ取得日時に限定したりすると、該当する映像ファイルが見つからない可能性がある。このような理由から映像ファイル検索範囲としては、撮影場所の検索範囲を一定の地理的範囲に拡げ、また、撮影日時の検索範囲を一定の時間的範囲に拡げることが好ましい。
【0043】
図4(a)の例では、センサ11が設置された位置(センサ設置位置)を中心にした半径rの円内を、撮影場所の検索範囲にしている。図4(b)の例では、地図データと連携して地図データ上にセンサ設置位置を包含する多角形を描き、当該多角形内を撮影場所の検索範囲にしている。撮影場所の検索範囲は、例えば、遠隔監視の対象区域を含むように予め決定される。
【0044】
また、撮影日時については、例えば、センサデータ取得日時が「9月28日の9時10分50秒」であるセンサデータが異常値を示した場合に、「9月28日の6時0分から11時59分まで」のようにセンサデータ取得日時を包含する一定の時間的範囲を、撮影日時の検索範囲にしてもよい。
【0045】
また、所望の映像ファイルの検索の結果、該当する映像ファイルが見つからない場合に、撮影場所や撮影日時の検索範囲を拡げて再検索を行ってもよい。撮影場所及び撮影日時の検索範囲の指定や再検索の指示は、遠隔監視制御装置3から映像ファイル格納装置4へ通知される。
【0046】
上述したように本実施形態によれば、センサ11の設置場所との間はLPWA通信のみが可能な通信環境であっても、センサデータはLPWA通信により取得するが、異常状態時等の特定状態時の現場の映像が格納された映像ファイルについては、別途、映像ファイル格納装置4から取得することができる。これにより、遠隔監視先の場所がモバイル通信圏内の場所に限定されることはなく、遠隔監視システムの適用範囲が拡がるという効果が得られる。
【0047】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。図5において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。第2実施形態では、遠隔監視制御装置3aは、異常状態時等の特定状態時の現場の映像が格納された映像ファイルを、映像収集装置群5から取得する。
【0048】
映像収集装置群5は、複数の映像収集装置50-1、50-2、50-3、・・・、50-lを備える。lは自然数である。以下、各映像収集装置50-1、50-2、50-3、・・・、50-lを特に区別しないときは、映像収集装置50と称する。映像収集装置50には、移動体に搭載されるものがある。例えば、映像収集装置50-1、50-lは自動車に搭載されるものである。また、映像収集装置50-2は自転車に搭載されるものである。また、映像収集装置50-3は飛行体に搭載されるものである。遠隔監視制御装置3aは、通信ネットワーク2を介して、映像収集装置50にアクセスする。
【0049】
図6は、本実施形態に係る遠隔監視制御装置の構成例を示すブロック図である。図6において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図6に示される遠隔監視制御装置3aは、図2の構成に加えてさらに、メタ情報受信部304と、メタ情報格納部305と、映像収集装置・ファイル特定部306とを備える。遠隔監視制御装置3aの映像取得部307aは、映像収集装置50に対応する部分が図2の映像取得部307と異なる。
【0050】
メタ情報受信部304は、映像収集装置50から通信ネットワーク2を介してメタ情報を受信する。メタ情報は、映像収集装置50が格納する映像ファイルのメタ情報であって、映像ファイルに格納された映像の撮影場所や撮影日時などを示す情報である。メタ情報には、送信元の映像収集装置50の識別情報(映像収集装置ID)が付加される。
【0051】
メタ情報格納部305は、メタ情報受信部304が映像収集装置50から受信したメタ情報を当該映像収集装置50の映像収集装置IDに関連付けて格納する。
【0052】
映像収集装置・ファイル特定部306は、異常値判定部303により異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所を検索キーに使用して、メタ情報格納部305を検索する。また、映像収集装置・ファイル特定部306は、異常値判定部303により異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時を検索キーに使用して、メタ情報格納部305を検索してもよい。
【0053】
映像収集装置・ファイル特定部306は、メタ情報格納部305の検索結果のメタ情報と当該メタ情報に関連付けられた映像収集装置IDとをメタ情報格納部305から取得する。映像収集装置・ファイル特定部306は、取得したメタ情報が示す撮影場所や撮影日時と映像収集装置IDとを映像取得部307aへ通知する。
【0054】
映像取得部307aは、映像収集装置・ファイル特定部306から通知された映像収集装置IDの映像収集装置50から、該通知された撮影場所に該当する映像ファイルを取得する。また、映像取得部307aは、映像収集装置・ファイル特定部306から通知された映像収集装置IDの映像収集装置50から、該通知された撮影場所及び撮影日時に該当する映像ファイルを取得してもよい。
【0055】
図7は、本実施形態に係る映像収集装置の構成例を示すブロック図である。図7において、映像収集装置50は、撮影部501と、映像ファイル格納部502と、メタ情報格納部503と、メタ情報送信部504と、映像ファイル送信部505と、該当ファイル検索部506と、を備える。
【0056】
撮影部501は、撮影した撮影データを一時的に撮影バッファに保持し、一定の周期または一定の保持容量になったタイミングで、撮影バッファに保持する撮影データをMPEG-4等の形式でファイル化する。また、撮影部501は、撮影データのファイル化により生成された映像ファイルに対応するメタ情報を生成する。
【0057】
撮影部501は、例えば、自動車に搭載されたドライブレコーダに備えられるものであって、撮影データは当該自動車の周囲の状況が撮影された映像の撮影データである。また、撮影部501は、ドライブレコーダがGPS(Global Positioning System)受信機を備える場合、GPSにより測定された位置や日時をそれぞれ撮影場所や撮影日時としてメタ情報に含めてもよい。
【0058】
映像ファイル格納部502は、撮影部501が撮影しファイル化した映像ファイルを格納する。映像ファイル格納部には、映像ファイルの識別情報(映像ファイルID)と、当該映像ファイルとが関連付けて格納される。
【0059】
メタ情報格納部503は、撮影部501が撮影しファイル化した映像ファイルに対応するメタ情報を、当該映像ファイルの映像ファイルIDに関連付けて格納する。メタ情報格納部503は、撮影部501が生成したメタ情報が撮影場所を示す情報を含んでいない場合、当該メタ情報を取得した時の撮影部501の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報を撮影場所として当該メタ情報に含めてもよい。例えば、自動車に搭載されたドライブレコーダに撮影部501が備えられる場合、当該自動車の位置を示す位置情報を撮影部501の位置に使用してもよい。
【0060】
メタ情報送信部504は、自己の映像収集装置50の映像収集装置IDをメタ情報に付加した映像収集装置ID付きメタ情報を、通信ネットワーク2を介して遠隔監視制御装置3へ送信する。映像収集装置ID付きメタ情報を遠隔監視制御装置3へ送信するタイミングは、一定の周期であってもよく、又は、通信ネットワーク2に接続したタイミングであってもよい。メタ情報送信部504は、例えば、一定の周期でLTE通信により映像収集装置ID付きメタ情報を送信してもよいし、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信ネットワークに接続したタイミングで映像収集装置ID付きの複数のメタ情報を一括して送信してもよい。
【0061】
該当ファイル検索部506は、遠隔監視制御装置3から受信した映像ファイル要求が示す撮影場所や撮影日時に該当するメタ情報を、メタ情報格納部503から検索する。該当ファイル検索部506は、当該検索の結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイルIDを、映像ファイル送信部505へ通知する。
【0062】
映像ファイル送信部505は、該当ファイル検索部506から通知された映像ファイルIDに関連付けられた映像ファイルを映像ファイル格納部502から取得し、取得した映像ファイルを遠隔監視制御装置3へ送信する。
【0063】
次に図8を参照して本実施形態に係る遠隔監視方法を説明する。図8は、本実施形態に係る遠隔監視方法の手順の例を示すシーケンス図である。図8において、図3の各ステップに対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0064】
ステップS1からステップS4までが実行される。ステップS1からステップS4までは、図3に示す第1実施形態と同じである。次いで、ステップS11が実行される。
【0065】
(ステップS11) 遠隔監視制御装置3aは、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所を検索キーに使用して、メタ情報格納部305を検索する。また、遠隔監視制御装置3aは、異常状態であると判定されたセンサデータに関連付けられたセンサデータ取得情報が示すセンサデータ取得場所及びセンサデータ取得日時を検索キーに使用して、メタ情報格納部305を検索してもよい。
【0066】
遠隔監視制御装置3aは、メタ情報格納部305の検索結果のメタ情報(撮影場所や撮影日時の情報)と当該メタ情報に関連付けられた映像収集装置IDとをメタ情報格納部305から取得する。
【0067】
(ステップS12) 遠隔監視制御装置3aは、メタ情報格納部305から取得した映像収集装置IDの映像収集装置50に対して、当該取得したメタ情報が示す撮影場所に該当する映像ファイルを要求する。また、遠隔監視制御装置3は、メタ情報格納部305から取得した映像収集装置IDの映像収集装置50に対して、当該取得したメタ情報が示す撮影場所及び撮影日時に該当する映像ファイルを要求してもよい。
【0068】
(ステップS13) 映像収集装置50は、遠隔監視制御装置3aからの映像ファイル要求に応じて、要求された撮影場所に該当する映像ファイルを、遠隔監視制御装置3aへ応答する。また、映像収集装置50は、遠隔監視制御装置3aからの映像ファイル要求に応じて、要求された撮影場所及び撮影日時に該当する映像ファイルを、遠隔監視制御装置3aへ応答する。
【0069】
遠隔監視制御装置3aは、映像収集装置50から応答された映像ファイルを受信する。これにより、遠隔監視制御装置3aは、異常状態時の現場の映像が格納された映像ファイルを映像収集装置50から取得することができる。
【0070】
なお、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、映像ファイル検索範囲を拡げることは好ましい。
【0071】
また、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、異常状態以外の他の特定状態をセンサデータに基づいて判定し、当該特定状態の遠隔監視のための映像ファイルを取得してもよい。
【0072】
上述したように本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、センサ11の設置場所との間はLPWA通信のみが可能な通信環境であっても、センサデータはLPWA通信により取得するが、異常状態時等の特定状態時の現場の映像が格納された映像ファイルについては、別途、映像収集装置50から取得することができる。これにより、遠隔監視先の場所がモバイル通信圏内の場所に限定されることはなく、遠隔監視システムの適用範囲が拡がるという効果が得られる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0074】
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0075】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1…低電力広域(LPWA)通信システム、2…通信ネットワーク、3,3a…遠隔監視制御装置、4…映像ファイル格納装置、5…映像収集装置群、10…LPWA送信機、11…センサ、12…LPWA受信機、50…映像収集装置、301…センサデータ受信部、302…センサデータ格納部、303…異常値判定部、304…メタ情報受信部、305…メタ情報格納部、306…映像収集装置・ファイル特定部、307,307a…映像取得部、501…撮影部、502…映像ファイル格納部、503…メタ情報格納部、504…メタ情報送信部、505…映像ファイル送信部、506…該当ファイル検索部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8