(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】2種の流体間で物質交換するための中空糸膜装置、その製造方法、ならびにそのための巻き体およびコアアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B01D 63/00 20060101AFI20220331BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
B01D63/00 500
B01D63/02
(21)【出願番号】P 2019572729
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2018000261
(87)【国際公開番号】W WO2019007540
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】102017006238.2
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519461679
【氏名又は名称】エンモデス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】リッター・フィリーネ
(72)【発明者】
【氏名】ボルヒャルト・ラルフ
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08906300(US,B1)
【文献】特開昭62-172964(JP,A)
【文献】特開平03-264074(JP,A)
【文献】特表2003-520617(JP,A)
【文献】国際公開第2017/051600(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
A61M 1/00- 1/38
A61M 60/00-60/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種の流体間で物質交換するための装置の製造方法であって、少なくとも1つの中空糸マット(9)を、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付け、形成された巻き体をハウジング(10)に挿入し、その後、ハウジング(10)および巻き体でできたアセンブリを、対向する軸端部の中空糸端部と前記ハウジング(10)の間の領域で封止剤によって封止
する製造方法において、前記コアアセンブリ(1、2)を、少なくとも2つの軸方向に相互に隣接して配置したコア部材(1、1a、1b、2)によって形成し、前記コア部材(1、1a、1b、2)の少なくとも1つ(1、1a、1b)を中空に形成し、かつ前記コア部材(1、1a、1b、2)を、少なくとも1つの補助要素(7)により、少なくとも封止の時間中
、相互の所定の軸方向の位置
に保持し、そして、封止および少なくとも1つの前記補助要素(7)の除去の後は、少なくとも軸端部側の前記コア部材(1、1a、2)が、相互の相対位置に前記封止剤によって固着されることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
遠心分離機内で行われる封止中に、前記巻き体の軸前部でアクセス可能なコア部材(1、1a、2)を、ハウジング(10)と巻き体とのアセンブリの外にある軸上のそれぞれ1つの補助要素(11a、11b)によって保持し
、遠心分離の際に径方向内側にある前記コア部材(1)を、割り当てられた前記補助要素(11a)に固定し
、かつ径方向外側にある前記コア部材(2)を、割り当てられた前記補助要素(11b)に、無固定で当接するかまたは固定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア部材(1、1a、1b、2)
を、巻付け中および/または封止中に、ピン状の補助要素(7)によって、相互の所定の軸方向の位置
に保持し、ピン状の補助要素(7)を、それぞれの中空のコア部材(1、1a、1b)
に嵌め込み
、さらなる前記コア部材(2)を、さらなる前記コア部材(2)に向いた前記補助要素(7)の端部との接触により、それぞれの/唯一の中空の前記コア部材(1、1a、1b)に対する所望の軸方向の位置
にすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ピン状の前記補助要素(7)が封止の際に同時に栓となり、前記栓は、封止の際に、それぞれの
前記中空のコア部材(1、1a、1b)/唯一の前記中空のコア部材(1)の軸方向にアクセス可能な開口部を、前記封止剤の侵入に対して閉鎖することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ピン状の前記補助要素(7)が、さらなる前記コア部材(2)に接触している端部で、さらなる前記コア部材(2)
に部分的に噛み合い
、前記補助要素(7)が凹部を有しており、前記凹部により、中空の前記コア部材(1)に向かって次第に細くなる、さらなる前記コア部材(2)の突出部(4)に
噛み合うことを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
巻付け中および/または封止中に、さらなる前記コア部材(2)を、保持力によってピン状の保持要素(7)に接して保持することを特徴とする、請求項3~5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
保持力を、
a.巻き体の外にあり、さらなる前記コア部材の外からアクセス可能な前面に当接する、軸方向の圧力要素、
b.ピン状の補助要素とさらなるコア部材との締りばめで噛み合う面の間に仕込まれている接着性流体、
c.ピン状の前記保持要素と、さらなる前記コア部材またはその後ろにある軸方向の要素との間の磁気引力作用
によって及ぼすことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの補助要素をスペーサによって形成し、前記スペーサが、巻付け中および/または封止中は、2つのコア部材の間に軸方向に配置されており
、前記スペーサが、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の流路を通してコアアセンブリから取り除けることを特徴とする、請求項3~7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記補助要素を、溶媒
に溶解可能な材料から形成し、かつ封止後に前記溶媒によって溶解
し、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の前記流路を通して洗い落とすことを特徴とする、請求項3~8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マット(9)を備える、2種の流体
の間で物質交換するための装置の巻き体であって、前記コアアセンブリが、少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)と、独立してそれに軸方向に隣接
したさらなるコア部材(2)とを有しており
、コア部材(1、1a、1b、2)が巻き体内で相互に
、巻付け軸(A)の方向で相互に相対的に変位可能であることを特徴とする巻き体。
【請求項11】
前記コアアセンブリ(1、1a、1b、2)のそれぞれの中空の(1、1a、1b)/唯一の中空のコア部材(1)内に、前記補助要素(7)
が嵌め込み可能であり、かつその中で軸方向に不動に固定可能であり、前記補助要素(7)とさらなる前記コア部材(2)との接触により、少なくとも1つの中空の前記コア部材(1、1a、1b)に対するさらなる前記コア部材(2)の軸方向の位置
が規定されていることを特徴とする、請求項10に記載の巻き体。
【請求項12】
それぞれの中空のコア部材(1、1a、1b)
が、軸方向に隣接するコア部材(1b、2)
に向いている出口開口部
を有しており
、さらなる前記コア部材(2)が、中空の前記コア部材(1、1b)の方向に次第に細くなっている突出部(4)を
有していることを特徴とする、請求項10または11に記載の巻き体。
【請求項13】
a.少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)と、それとは別の少なくとも1つのさらなるコア部材(2)とを備えたコアアセンブリであって
、2種の流体間
で物質交換するための装置の中空糸巻き体内で、少なくとも1つの中空糸マット(9)を前記コアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付けた後に存在し続けるように、かつ前記流体の一方の流れの経路/流れの方向を規定するように決定されているコアアセンブリ
b.少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)に挿入可能
な補助要素(7)であって、前記補助要素(7)と少なくとも1つのさらなる別のコア部材(2)との接触により、コア部材(1、1a、1b、2)間の軸方向の位置
を規定するために選択された軸方向の長さを有する補助要素(7)
を備えるコアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種の流体間、例えば血液と交換媒体の間で物質交換するための装置の製造方法に関し、この方法では、少なくとも1つの中空糸マットを、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ上に巻き付け、かつ形成された巻き体をハウジングに差し込み、その後、ハウジングおよび巻き体でできたアセンブリを、対向する軸端部において、中空糸端部とハウジングの間の領域で密封剤によって密封、とりわけポッティングする。
【0002】
本発明はさらに、ハウジングと、その中に配置されており、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリおよびその上に巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マットでできた巻き体とを備えている、2種の流体、例えば血液と交換媒体の間で物質交換するための装置に関する。
【0003】
本発明は、そのような装置を製造するために形成された巻き体、およびコアアセンブリ、または巻き体もしくは装置を形成するためのコアアセンブリを備えたコアシステムにも関する。
【背景技術】
【0004】
前述の種類の装置、およびその製造のための前述のそのような一般的方法は、従来技術において知られている。
【0005】
中空糸マットの中空糸は物質透過性であり、したがって、両種の流体間で物質を透過壁を通して交換することを可能にする。通常の用途は、血液に酸素を付加し、かつ二酸化炭素を除去するためのいわゆる人工肺である。人工透析の際にもこのような装置が用いられる。
【0006】
したがってこれらの用途では、両種の流体の一方は血液である。もう一方の流体は、人工肺の用途では例えば酸素を運ぶガスとすることができ、このガス中ではO2分圧が処理すべき血液中より大きく、かつCO2分圧は処理すべき血液中より小さい。
【0007】
そのほかの用途では、例えば半導体製造の際に使用するために、超純水を脱気することが想定できる。同様に、例えば抽出剤としてオクタノールを用いた、水性流からのヘキサノールの液体抽出も1つの用途となり得る。一般的には、膜コンタクターを用いるすべての用途が考えられる。
【0008】
本発明は、2種の液体状の流体または2種の気体状の流体を用いて、ならびに1種の液体状の流体と1種の気体状の流体を用いて適用することができる。
【0009】
公知の構造では、物質透過性の中空糸を例えば経糸によって互いに離して固定している1つまたは複数の中空糸マットが、コアアセンブリ上に巻き付けられており、このコアアセンブリは部分的に中空であり、この中空の領域を介して、両種の流体の一方、例えば血液の、装置のハウジングへの流入が実現される。
【0010】
形成される巻き体は、本発明の意味でいうコアアセンブリとその周りにある少なくとも1つの中空糸マットとを備えており、通常は中空円柱形態であるハウジングに挿入され、続いてポッティングされる。
【0011】
ポッティングとは、この専門分野の当業者にとっては、中空糸端部とハウジングの間の領域の封止のことであり、とりわけ、この封止によりハウジングと中空糸外面の間に、両種の流体の一方、とりわけ処理すべき流体、例えば血液にとって貫流可能なチャンバーが生じ、かつ少なくとも部分的に中空のコアアセンブリが、チャンバーの供給流路または排出流路を形成する。これに関してはさらに、糸端部は軸方向の端面が開いたままであり、したがってこれらの糸は、交換媒体、好ましくは気体状の交換媒体によって貫流される。つまり中空糸内部は交換媒体が流れる領域であり、中空糸外面とハウジング内面の間にチャンバーが形成されており、このチャンバー内では、処理すべき流体、例えば血液が流れ得る。
【0012】
流体供給部(またはその代わりに流体排出部)は、コアアセンブリ内の中空の領域によって形成され、この中空の領域はとりわけ中心の流路であり、この流路は、軸端部側が開いている。従来技術では、流路アセンブリは一体的な要素であり、コアアセンブリの軸方向の一方の端部側で開いている流路は、対向する軸端部側の手前で終端しており、この端部の手前で径方向に、形成されているチャンバー内へと分岐している。流体排出部(またはその代わりに流体供給部)は、ハウジング壁内に配置することができる。
【0013】
このような一体的なコアアセンブリは、径方向に分かれていく流体流が、流路の径方向の分岐の領域で完全にはリング状に閉じておらず、したがってこの移行領域のチャンバー内では、より良好に貫流される領域とあまり良好に貫流されない領域が形成されるという欠点がある。このような貫流の異なる領域では不利な流れが生じ得る。血液が処理すべき流体である用途では、そのような領域で血栓形成が誘発され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって本発明の課題は、コアアセンブリ内の好ましくは中心の流路と、ハウジング内のチャンバーとの間の流体工学的な移行部を、構造的に最適化すること、および最適化された構造に適した製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、2種の流体、例えば血液と交換媒体の間で物質交換するための装置であって、前出の説明に基づいて、ハウジングと、その中に配置されており、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリおよびそれに巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マットでできた巻き体とを備える装置によって解決され、この装置では本発明によれば、コアアセンブリが、少なくとも1つの中空のコア部材と、少なくとも1つのさらなる別のコア部材とを備えており、この少なくとも1つのさらなる別のコア部材は、1つの中空のコア部材に、好ましくは唯一の中空のコア部材に、軸方向に隣接して配置されており、少なくともとりわけ軸端部側のコア部材だけは、相互の軸方向の相対位置で、中空糸端部とハウジングの間の領域を封止する封止剤によって固定されている。
【0016】
軸方向に隣接するコア部材の配置とは、これらのコア部材が、巻き体の軸の延び方向に相並んで配置されるということである。その際、隣接するコア部材は接触していてよく、しかしながら好ましい実施形態では軸方向に離隔しており、したがって相互に接触していない。
【0017】
少なくとも1つのさらなる、好ましくは唯一のさらなる別のコア部材は、本発明によれば、それ自体は中空には形成されておらず、したがって(処理すべき)流体の、巻き体からの軸方向の流れを阻止するコア部材であり、なぜならこのコア部材が、軸方向で流れの方向においてその前に配置されている中空のコア部材の出口開口部に対向する位置で、流れが当たる面、とりわけ、流体流を軸方向と径方向の間で方向転換するように流れが当たる面を形成しているからである。
【0018】
ここでは本発明の本質的な態様は、流体、とりわけ血液が、コアアセンブリの中空のコア部材から流れ出た後に、この中空のコア部材と、流れの方向において後にあるさらなる別の(中空でない)コア部材との間の領域から、明らかに増えた周方向領域に沿って、好ましくはコアアセンブリの全周に沿って、つまり中断なく360度に沿って、この装置のチャンバーに入って行けるということである。
【0019】
本発明は、正確に唯一の中空のコア部材および唯一のさらなる別の中空でないコア部材を用いることができ、加えてこれらのコア部材は両方とも、形成された巻き体内で軸端部側に配置されており、したがって両方とも封止剤によってその位置で固定される。
【0020】
本発明が、相互に軸方向に隣接して、好ましくは相互に離隔して配置されている1つより多い中空のコア部材を用いる場合には、とりわけ、前述の実施形態に加え、流体が、2つのそのような中空のコア部材の間の領域で、非常に大きな周方向領域に沿って、好ましくはコアアセンブリの全周に沿って、つまり中断なく360度に沿って、この装置のチャンバーに入って行くこともできる。
【0021】
したがって、少なくとも3つのコア部材でできており、そのうちの少なくとも2つが中空に形成されており、かつ1つがさらなる別の中空でないコア部材であるコアアセンブリの場合、巻き体内の少なくとも2つの軸方向に離隔した箇所で、チャンバー内への流体移行が実現されている実施形態をもたらすことができる。
【0022】
少なくとも3つのコア部材を備えており、そのうちの少なくとも2つが中空であり、かつこれらの中空の領域を介して、互いに一直線に並んだ流路を形成している一実施形態では、少なくとも1つのコア部材が端部側には配置されていない。
【0023】
ここでは本発明は、両方の端部側のコア部材だけを封止剤で位置固定することができる。これらのコア部材の間に配置された少なくとも1つの追加的な中空のコア部材は、封止剤によって固定されないままである。
【0024】
ただしここでは固定を、例えば、コア部材と中空糸の間の摩擦係合、コア部材と中空糸の間の接着結合によって、または軸方向の両隣に配置されたコア部材との接触によって実現でき、または封止剤で固定されていない少なくとも1つのコア部材にかけられる磁気的保持力によって実現することもできる。
【0025】
例えば、そのようなコア部材内に磁石を配置することができ、この磁石は、軸端部側のそれぞれのコア部材内の同極の磁石と反発力を生成する。こうして生成された両側に作用する反発力が、このコア部材を、軸端部側のコア部材の間の位置で、これらの端部側のコア部材の各々に対して間隔をあけて保持する。
【0026】
しかし本発明は明確に、この少なくとも1つのコア部材が、軸端部側の固定されたコア部材の間で軸方向に移動可能で、とりわけ、それぞれ端部側のコア部材の1つにぶつかる2つの端部位置の間で軸方向に移動可能であることも実現できる。すなわち、軸方向で鉛直方向における動作位置に応じて、様々な流れを生じさせることもできる。
【0027】
前述の本発明による流体方向転換により、糸の周りを非効率に流れるリスクが低減した、好ましくは糸の周りを非効率に流れるリスクが完全に排除された非常に均一な流れ込みが生じる。とりわけ360度に沿った中断のない移行の場合、すべての中空糸の入口領域に均一に流れていくことが達成される。これにより人工肺の用途では血栓リスクを明らかに下げることができる。
【0028】
本発明は、コア部材の相互の軸方向の位置、とりわけコア部材間の間隔、したがって入って行く領域の断面積を、中空糸巻き体内での、初めは無固定で相互に位置決めされるコア部材の位置、少なくとも軸端部側のコア部材の位置を封止剤によって確定することで、とりわけ、封止剤が締りばめおよび接着結合で、中空糸外面にだけでなくコア部材にも結びつくことで規定する。
【0029】
したがって本発明は、このような装置を製造するために1つの方法を提供し、この方法では、コアアセンブリが、少なくとも2つの別の、好ましくは正確に2つの別の、軸方向に隣接する、好ましくは離隔して接触なしで軸方向に相前後して配置されたコア部材によって構成され、コア部材のうちの少なくとも1つが中空に形成されており、かつこれらのコア部材が、少なくとも1つの補助要素により、少なくとも封止の時間中は、好ましくは巻付けの時間中も、相互の所定の軸方向の位置で、とりわけ相互の所定の最小限の軸方向の間隔で保持され、かつ封止して少なくとも1つの補助要素を取り除いた後は、少なくとも軸端部側のコア部材、好ましくはすべてのコア部材が、相互の相対位置で封止剤によって固着される。
【0030】
ここでは、少なくとも1つの補助要素を、無固定のコア部材を所定の位置で保持するためだけでなく、とりわけ最小限の軸方向の間隔で制限するためだけでなく、これらのコア部材を相互に方向づけるため、とりわけ相互の軸方向の傾きの可能性を排除するためにも用い得ることが好ましい。
【0031】
しかしながら本発明は、コア部材間での、とりわけ、中空でないさらなるコア部材と、流れの方向においてその前にある中空のコア部材との間での、目的に合致した所望の傾き、例えば、2つの隣接するコア部材が接触もするような傾きを達成することもできる。これにより、流体のチャンバー内への目的に合致した不均一な供給を引き起こすことができる。これは例えば、補助要素が当接面を有しており、この当接面での機械的な当接により、別のさらなるコア部材を中空のコア部材に対して方向づけることで達成できる。補助要素が、2つの軸方向の領域を、相互に傾いた、つまり共線的でない方向づけで有することもでき、これにより、例えば2つの中空のコア部材を、軸方向での方向づけが異なる領域で位置決めでき、かつそのように相互に方向づけることができる。
【0032】
したがって本発明によれば、製造の際、コアアセンブリ上に巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マットを備える巻き体が形成され、その際、コアアセンブリは、少なくとも1つの中空のコア部材と、独立してそれに軸方向に隣接して、好ましくは接触なく軸方向に離隔して配置されたさらなるコア部材とを有している。したがって少なくとも1つの中空糸マットは、無固定の、軸方向ではまだ固定されていないコア部材の周りに巻き付けられている。すなわち製造における中間製品であるこのような形成された巻き体の場合、最初は、コア部材は巻き体内で、とりわけ巻付け軸の方向で相互に変位可能である。
【0033】
本発明は、可能な一実施形態では、封止中に、とりわけ遠心分離機内で行われる封止中に、巻き体の軸方向の前部でアクセス可能なコア部材を、巻き体内での軸方向の位置に関し、軸方向でハウジングと巻き体によるアセンブリの外にあるそれぞれ1つの補助要素を使って固着することができる。
【0034】
一般的に、遠心分離機内での封止の際は、装置または巻き体の軸方向を、遠心分離機の径方向と一致させ、これにより、封止剤を遠心力で、径方向外側にある装置の軸方向の端部へと押しやる。この場合、遠心分離の際に径方向内側にあるコア部材が、より大きな半径の方向への軸方向の位置ずれを阻止されていることが保証されなければならない。
【0035】
ここでは本発明は、径方向内側にあるコア部材を、割り当てられた補助要素に固定すること、好ましくはネジ締めによって固定することができる。遠心分離機に対して径方向外側にあるコア部材は、遠心分離機内で不動の割り当てられた補助要素に、無固定で当接していることができ、または例えばネジ締めによって固定されていてもよい。
【0036】
同様に遠心分離機内での封止の際に利用可能な別の一実施形態は、コア部材、好ましくは少なくとも1つの中空のコア部材、とりわけ唯一の中空のコア部材と、さらなる(中空でない)コア部材とを、巻付け中および/または封止中に、ピン状の補助要素によって間隔をあけて保持することができ、このピン状の補助要素は、それぞれの中空のコア部材、好ましくは唯一の中空のコア部材に嵌め込まれ、これに関してはとりわけ、それぞれの/唯一の中空のコア部材に軸方向に不動に固定され、好ましくは、それぞれの/唯一の中空のコア部材とのネジ締めによって固定され、さらなるコア部材は、さらなるコア部材に向いている補助要素の端部との接触により、それぞれの/唯一の中空のコア部材に対する所望の軸方向の位置に、好ましくは所望の最小限の軸方向の間隔に導かれる。挙げたネジ締めの代わりに、補助要素と中空のコア部材の間のあらゆる別の不動であり続ける固定、例えば締りばめおよび/または牽引力(Kraftschluss)および/または摩擦係合のあらゆる形成も使用できる。
【0037】
ここではピン状の補助要素が、遠心分離の際にコア部材間の軸方向の位置が維持され、好ましくは所望の所定の最小限の間隔を下回らないことを保証する。ここではとりわけ、最小限の軸方向の間隔の制限だけが重要であり、なぜなら遠心分離の際には、径方向内側にあるコア部材は径方向外側にのみ力を加えられ、かつこの力が補助要素での接触によって受け止められるからである。
【0038】
本発明は、ピン状の補助要素が封止の際に同時に栓になり得ることが好ましく、この栓は、封止の際に、それぞれの/唯一の中空のコア部材の軸方向でアクセス可能な開口部を、封止剤の侵入に対して封鎖する。こうして、塞がらなかった開口部には後の血液供給を続けることができる。
【0039】
1つより多い中空のコア部材を用いる一実施形態では、ピン状の補助要素が、軸方向に離隔した複数の領域を有することができ、これらの領域はそれぞれ、中空のコア部材を受けるように、とりわけ不動に受けるように適応されている。例えば、各領域が雄ネジ山を有することができ、この雄ネジ山はそれぞれのコア部材の雌ネジ山と対応している。
【0040】
補助要素は、第1の中空のコア部材を、例えばネジ締め、またはそのほかの牽引力、摩擦係合、もしくは締りばめによって不動に固定できる端部側の領域を有することもできる。補助要素を、その軸方向の延びにおいてこの領域から向かい側の端部の方向に、直径が次第に細くなるよう段を付けて形成することができ、したがってそれぞれの段が、その後に続く中空の、補助要素に被せられるコア部材のための当接面となっている。したがって、形成すべき巻き体内での後に続く中空のコア部材の軸方向の位置は、それぞれの段によって規定される。
【0041】
本発明は、すべての可能な実施形態の一変形形態において、ピン状の補助要素が、さらなるコア部材に接触している端部で、さらなるコア部材に、好ましくは締りばめで部分的に噛み合うことも実現できる。例えばこのために補助要素が凹部を有することができ、この凹部により、中空のコア部材に向かって次第に細くなっているさらなるコア部材の突出部に噛み合い、とりわけ締りばめで噛み合う。
【0042】
すなわち、さらなるコア部材は、補助要素の種類に関係なく、流れが当たる突出部を備えて形成されることが好ましく、この流れが当たる突出部は、流れを径方向に方向転換するために、中空のコア部材に向かって次第に細くなっている。この突出部は、例えば円錐形に形成することができる。突出部先端が、中空のコア部材のうちのさらなるコア部材の方向に拡張している、とりわけ漏斗状に拡張している出口領域内に存在し得ることが好ましい。このような漏斗状に拡張している出口領域は、複数の中空のコア部材の各々に設けられていてもよい。
【0043】
突出部の先端に、例示的にピン状の補助要素の凹部を噛み合わせることができ、したがってこれにより、一方では軸方向の位置が規定され、とりわけ軸方向の間隔が制限されるが、他方では突出部を中空のコア部材内の流路に位置合わせすることもできる。
【0044】
少なくとも封止の際には、コア部材の軸方向の位置が規定通りに固着されることが不可欠である。しかし本発明が、巻付けの際にもコア部材を相互に固着できることも好ましい。
【0045】
したがって例えば、巻付け中および/または封止中に、さらなるコア部材がピン状の保持要素に接して保持力によって保持されること、とりわけ、無固定のコア部材間の間隔の縮小だけでなく、間隔の拡張も阻止されるように保持されることができる。
【0046】
例えば、軸方向で巻き体の外にある圧力要素によって保持力をかけることができ、この圧力要素は、さらなるコア部材のうち外からアクセス可能な前面に当接しており、つまり中空のコア部材の方向に押す。巻付け中および/または封止中に、巻き体を2つの圧力要素の間に挟むことができ、これらの圧力要素は、コア部材のうち軸方向でアクセス可能な前面をそれぞれおよび反対方向に押す。
【0047】
本発明は保持力を、付着性の、とりわけ非硬化性の流体によって生成することもでき、この流体は、ピン状の補助要素とさらなるコア部材との締りばめで噛み合っている面の間に仕込まれる。すなわち、無固定のコア部材が付着によって軸方向に固着され、しかし補助要素は封止後に、この付着に勝ることで取り除くことができる。
【0048】
ピン状の保持要素と、さらなるコア部材または軸方向のその後ろにある要素との間の磁気的な引き合う作用を実現することもでき、例えば、補助要素内に磁石を配置することができ、かつさらなるコア部材の軸方向の後ろにさらなる磁石を置くことができ、これにより両方の磁石の間で引き合う力が作用し、この力がさらなるコア部材を補助要素の方向に押す。
【0049】
別の実施形態では、少なくとも1つの補助要素をスペーサによって形成することができ、このスペーサは、巻付け中および/または封止中は、2つのコア部材の軸方向の間に配置されており、とりわけ、スペーサを、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の流路に通してコアアセンブリから取り除くことができる。
【0050】
このような取り除けるスペーサは、例えば巻いたロープによって形成でき、この巻いたロープのロープ端部が中空のコア部材に通されている。中空糸マットの巻付けおよび封止の後、ロープ端部を引っ張ることができ、それによりコア部材の間の巻いたロープが繰り出され、最終的には完全に取り除かれる。
【0051】
補助要素の、コア部材の間にあるスペーサとしての実施形態では、しかし前述のおよびすべてのそのほかの可能な実施形態でも、補助要素を、溶媒、好ましくは水の中で溶解可能な材料から形成し、かつ封止後に溶媒によって溶解することもでき、とりわけ、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の流路に通して洗い落とすこともできる。例えば熱水中で溶けるポリビニルアルコールから補助要素を形成することができる。
【0052】
例示的にピン状の補助要素との関連で、本発明は、コアシステムを形成することができ、詳しくは、少なくとも1つの中空のコア部材と、それとは別のさらなるコア部材とを備えたコアアセンブリであって、とりわけ、2種の流体間、例えば血液と交換媒体の間で物質交換するための装置の中空糸巻き体内で、少なくとも1つの中空糸マットをコアアセンブリ上に巻き付けた後に存在し続けるように、かつ流体の一方の流れの方向を規定するように決定されているコアアセンブリを備えており、さらに、中空のコア部材に挿入可能で、その中で軸方向に不動に固定可能な補助要素であって、補助要素とさらなる別のコア部材との接触により、コア部材の相互の軸方向の位置を、とりわけコア部材間の最小限の軸方向の間隔を規定するために選択された軸方向の長さを有している補助要素を備えているコアシステムを形成することができる。
【0053】
以下の図に基づいて本発明を好ましい例で説明する。
【0054】
図1は、中空の、ここでは上のコア部材1と、さらなる中空でない、ここでは下のコア部材2とを備える本発明によるコアアセンブリを示している。両方のコア部材1および2は、別の個々の要素を形成しており、これらの要素は互いに結合しておらず、つまり直接的には接触してもおらず、かつ所望の軸方向の間隔を有している。
【0055】
中空のコア部材1は中心の流路3を有しており、この流路3は、軸方向の上および下の前面に通じている。さらなるコア部材2に向いている出口の領域では、この出口がコア部材2に向かって漏斗状に拡がるように形成されている。
【0056】
コア部材2は突出部4を有しており、突出部4は、中空のコア部材1の方向に次第に細くなるように、ここでは円錐形に形成されている。突出部4は、コア部材2のうち中空のコア部材1に向いている平坦な面5で、好ましくは中央に配置されている。突出部の先端は、軸方向では、コア部材1の出口の拡がっている領域内にあり、つまりコア部材1によって取り囲まれている。
【0057】
流路3を通ってコア部材2の突出部に当たる流体の流れは、この突出部により、リング空間6の全域で軸方向から径方向に方向転換され、したがって360度全体に沿ってチャンバーに入って行くことができ、このチャンバーは、完成した装置内では、少なくとも1つの中空糸マットが周りに巻き付けられたコアアセンブリと、ここでは示されていないハウジングの内壁との間に形成されている。
【0058】
突出部は、円錐形の形成の代わりに、流れに有利なことが明らかなすべてのそのほかの次第に細くなる形状であってもよく、この突出部形状は、コアアセンブリの中心軸Aの周りで回転対称であることが好ましく、とりわけ、流路3も中心軸Aの周りに延びている。
【0059】
この360度全体に沿った流れが可能であることは、本発明により形成される装置の本質的な一態様をなしている。
【0060】
そこで本発明は、製造に関しては、コア部材1の流路3内に、ピン状の補助要素7を嵌め込む。この補助要素7は、この実施形態では上端部で雄ネジ山8aを有しており、この雄ネジ山8aは、流路3の上端部での雌ネジ山8bに対応している。ネジ締めにより、補助要素7がコア部材1内で軸方向に不動に固定される。
【0061】
補助要素7のコア部材2に向いている下端部は、突出部4の先端に接触する当接面になっている。これにより、遠心分離機内で封止する際にコア部材に力が作用する場合でも、コア部材間の所望の間隔を下回る可能性がないことが保証される。
【0062】
こうして形成されたコアアセンブリ上に、本発明による巻き体を形成するために少なくとも1つの中空糸マットを巻き付けることができ、続いてこの巻き体を装置のハウジングに嵌め込むことができる。
【0063】
図2は、封止の工程を可視化している。コアアセンブリ1、2は、ここでは少なくとも1つの中空糸マット9が周りに巻き付けられており、かつハウジング10に嵌め込まれている。このアセンブリ全体が補助要素7と共に、挟持要素11aと11bの間で挟持されており、挟持要素11aおよび11bは、装置に対しては軸方向で、遠心ディスク12に対しては径方向の力をコア部材1、2に加えている。
【0064】
遠心分離の際、封止剤が、径方向外側にあるコア部材と、そこの糸端部と、ハウジング内壁とに結びつき、こうして当該コア部材を固定する。この工程を、装置の軸方向の両側に対して繰り返す。これにより両方のコア部材が軸方向で固定され、かつ補助要素を取り除くことができる。
【0065】
図3は、代替的な一形成を示しており、この場合、ピン状の補助要素を使用する代わりに、少なくとも、ここでは径方向内側にあるコア部材1をネジ締め13により挟持要素11aと結合し、好ましくは、コア部材2もネジ締め13により挟持要素11bに固定する。したがってここでは挟持要素11a、11bが補助要素になっており、この補助要素は本発明によれば、封止中に、封止剤が固まって固定がもたらされるまで、コア部材1、2の相互の軸方向の所望の位置を固定している。
【0066】
図4は、
図1の代替策としての1つのコアアセンブリを示している。ここではコアアセンブリは、軸方向に間隔をあけて配置された2つの中空のコア部材1aおよび1bと、それらとは別のさらなる、かつ中空でないコア部材2とを備える。上のコア部材1aおよびコア部材2に対しては、
図1についてなされたすべての説明が当てはまる。すべての中空のコア部材1a/1bは中心の流路3を有しており、流路3は、隣接するコア部材の方向に漏斗状に拡がっている。
【0067】
ピン状の補助要素7は、ここでも
図1でのように上の雄ネジ山領域8aを有しており、この雄ネジ山領域8aには、第1の上の中空のコア部材1aを対応する雌ネジ山8bによって固定することができる。
【0068】
ピン状の補助要素7は、さらなる中空でないコア部材2の方向に直径が段階的に細くなるように形成されている。段7aはストッパーになっており、このストッパーまで、第2の中空のコア部材1bをピン状の補助要素7に被せることができる。これによりコア部材1bの軸方向の位置が確定されている。
【0069】
さらなる中空でないコア部材2は、
図1でのように、突出部4の先端で、補助要素の軸方向の下端部に当接しており、したがって後の封止の際の、形成すべき巻き体内でのコア部材2の軸方向の位置も規定されている。
【0070】
巻き体形成の後、続いて封止が
図2または
図3に対して説明したように行われる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.2種の流体間で物質交換するための装置の製造方法であって、少なくとも1つの中空糸マット(9)を、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付け、形成された巻き体をハウジング(10)に挿入し、その後、ハウジング(10)および巻き体でできたアセンブリを、対向する軸端部の中空糸端部と前記ハウジング(10)の間の領域で封止剤によって封止する、とりわけポッティングする製造方法において、前記コアアセンブリ(1、2)を、少なくとも2つの軸方向に相互に隣接して配置したコア部材(1、1a、1b、2)によって形成し、前記コア部材(1、1a、1b、2)の少なくとも1つ(1、1a、1b)を中空に形成し、かつ前記コア部材(1、1a、1b、2)を、少なくとも1つの補助要素(7)により、少なくとも封止の時間中、好ましくは巻付けの時間中も、相互の所定の軸方向の位置に、とりわけ間隔をあけて保持し、そして、封止および少なくとも1つの前記補助要素(7)の除去の後は、少なくとも軸端部側の前記コア部材(1、1a、2)が、相互の相対位置に前記封止剤によって固着されることを特徴とする製造方法。
2.封止中に、とりわけ遠心分離機内で行われる封止中に、前記巻き体の軸前部でアクセス可能なコア部材(1、1a、2)を、ハウジング(10)と巻き体とのアセンブリの外にある軸上のそれぞれ1つの補助要素(11a、11b)によって保持し、とりわけ、遠心分離の際に径方向内側にある前記コア部材(1)を、割り当てられた前記補助要素(11a)に固定し、好ましくはネジ締めによって固定し、かつ径方向外側にある前記コア部材(2)を、割り当てられた前記補助要素(11b)に、無固定で当接するかまたは固定することを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.前記コア部材(1、1a、1b、2)、好ましくは少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)、とりわけ唯一の中空のコア部材(1)と、さらなるコア部材(2)とを、巻付け中および/または封止中に、ピン状の補助要素(7)によって、相互の所定の軸方向の位置に、とりわけ間隔をあけて保持し、ピン状の補助要素(7)を、それぞれの中空のコア部材(1、1a、1b)、好ましくは唯一の中空の前記コア部材(1)に嵌め込み、この場合とりわけ、それぞれの(1、1a、1b)/唯一の中空の前記コア部材(1)に軸方向に不動に固定し、好ましくは、それぞれの(1、1a、1b)/唯一の中空のコア部材(1)とのネジ締めによって固定し、さらなる前記コア部材(2)を、さらなる前記コア部材(2)に向いた前記補助要素(7)の端部との接触により、それぞれの/唯一の中空の前記コア部材(1、1a、1b)に対する所望の軸方向の位置に、とりわけ所望の最小限の軸方向の間隔にすることを特徴とする、上記1に記載の方法。
4.ピン状の前記補助要素(7)が封止の際に同時に栓となり、前記栓は、封止の際に、それぞれの(1、1a、1b)/唯一の前記中空のコア部材(1)の軸方向にアクセス可能な開口部を、前記封止剤の侵入に対して閉鎖することを特徴とする、上記3に記載の方法。
5.ピン状の前記補助要素(7)が、さらなる前記コア部材(2)に接触している端部で、さらなる前記コア部材(2)に、好ましくは締りばめで部分的に噛み合い、とりわけ、前記補助要素(7)が凹部を有しており、前記凹部により、中空の前記コア部材(1)に向かって次第に細くなる、さらなる前記コア部材(2)の突出部(4)に噛み合う、とりわけ締りばめで噛み合うことを特徴とする、上記3または4に記載の方法。
6.巻付け中および/または封止中に、さらなる前記コア部材(2)を、保持力によってピン状の保持要素(7)に接して保持することを特徴とする、上記3~5のいずれか一つに記載の方法。
7.保持力を、
a.巻き体の外にあり、さらなる前記コア部材の外からアクセス可能な前面に当接する、軸方向の圧力要素、
b.ピン状の補助要素とさらなるコア部材との締りばめで噛み合う面の間に仕込まれている接着性流体、
c.ピン状の前記保持要素と、さらなる前記コア部材またはその後ろにある軸方向の要素との間の磁気引力作用
によって及ぼすことを特徴とする、上記6に記載の方法。
8.少なくとも1つの補助要素をスペーサによって形成し、前記スペーサが、巻付け中および/または封止中は、2つのコア部材の間に軸方向に配置されており、とりわけ、前記スペーサが、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の流路を通してコアアセンブリから取り除けることを特徴とする、上記3~7のいずれか一つに記載の方法。
9.前記補助要素を、溶媒、好ましくは水に溶解可能な材料から形成し、かつ封止後に前記溶媒によって溶解する、とりわけ、それぞれの/唯一の中空のコア部材内の前記流路を通して洗い落とすことを特徴とする、上記3~8のいずれか一つに記載の方法。
10.少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マット(9)を備える、2種の流体、とりわけ血液と交換媒体の間で物質交換するための装置の巻き体であって、前記コアアセンブリが、少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)と、独立してそれに軸方向に隣接し、好ましくは接触なく離隔して配置されたさらなるコア部材(2)とを有しており、とりわけ、コア部材(1、1a、1b、2)が巻き体内で相互に、とりわけ巻付け軸(A)の方向で相互に相対的に変位可能であることを特徴とする巻き体。
11.前記コアアセンブリ(1、1a、1b、2)のそれぞれの中空の(1、1a、1b)/唯一の中空のコア部材(1)内に、前記補助要素(7)、とりわけピン状の補助要素(7)が嵌め込み可能であり、かつその中で軸方向に不動に固定可能であり、前記補助要素(7)とさらなる前記コア部材(2)との接触により、少なくとも1つの中空の前記コア部材(1、1a、1b)に対するさらなる前記コア部材(2)の軸方向の位置、とりわけ最小限の軸方向の間隔が規定されていることを特徴とする、上記10に記載の巻き体。
12.それぞれの中空のコア部材(1、1a、1b)、とりわけ唯一の中空のコア部材(1)が、軸方向に隣接するコア部材(1b、2)、とりわけさらなるコア部材(2)に向いている出口開口部を有し、とりわけ隣接する/さらなる前記コア部材へと拡がっている、好ましくは漏斗状に拡がっている出口領域を有しており、とりわけ、さらなる前記コア部材(2)が、中空の前記コア部材(1、1b)の方向に次第に細くなっている突出部(4)を有しており、とりわけ、前記突出部(4)が少なくとも部分的に、中空の前記コア部材(1、1b)の拡がっている前記出口領域内に存在していることを特徴とする、上記10または11に記載の巻き体。
13.ハウジング(10)と、その中に配置されており、少なくとも部分的に中空のコアアセンブリ(1、1a、1b、2)およびその上に巻き付けられた少なくとも1つの中空糸マット(9)でできた巻き体とを備える、2種の流体間、とりわけ血液と交換媒体の間で物質交換するための装置であって、前記コアアセンブリ(1、1a、1b、2)が、少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)と、少なくとも1つのさらなる別のコア部材(2)とを備え、前記コア部材(2)が、1つの中空のコア部材(1、1b)に、好ましくは唯一の中空のコア部材(1)に、軸方向に隣接して、好ましくは軸方向に接触なく離隔して配置されており、少なくとも軸端部側のコア部材(1、1a、2)が、相互の軸方向の相対位置で、前記中空糸端部と前記ハウジング(10)の間の領域を封止する封止剤によって固定されている装置。
14.a.少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)と、それとは別の少なくとも1つのさらなるコア部材(2)とを備えたコアアセンブリであって、とりわけ、2種の流体間、特に血液と交換媒体の間で物質交換するための装置の中空糸巻き体内で、少なくとも1つの中空糸マット(9)を前記コアアセンブリ(1、1a、1b、2)上に巻き付けた後に存在し続けるように、かつ前記流体の一方の流れの経路/流れの方向を規定するように決定されているコアアセンブリ
b.少なくとも1つの中空のコア部材(1、1a、1b)に挿入可能な、好ましくはその中で軸方向に不動に固定可能な補助要素(7)であって、前記補助要素(7)と少なくとも1つのさらなる別のコア部材(2)との接触により、コア部材(1、1a、1b、2)間の軸方向の位置を、とりわけコア部材(1、1a、1b、2)間の、とりわけ軸方向に隣接するコア部材(1、1b、2)間の最小限の軸方向の間隔を規定するために選択された軸方向の長さを有する補助要素(7)
を備えるコアシステム。