(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】自律移動体のため車線変更方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/095 20120101AFI20220331BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220331BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20220331BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
B60W30/095
B60W60/00
B60W40/04
G08G1/16 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020030599
(22)【出願日】2020-02-26
(62)【分割の表示】P 2016112466の分割
【原出願日】2016-06-06
【審査請求日】2020-03-27
(32)【優先日】2015-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】長坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニル ブイ.プロホロフ
【審査官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/052865(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/154214(WO,A1)
【文献】特表2016-514643(JP,A)
【文献】国際公開第2014/204381(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102007007507(DE,A1)
【文献】国際公開第2014/041826(WO,A1)
【文献】特開2015-066963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W10/00-10/30
B60W30/00-60/00
B60L 1/00-15/42
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動体のために走行車線を変更する方法であって、
自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体の間の第1目標間隔を特定することと、
前記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定することと、
前記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定することと、
前記代替的な車線変更操作の実施に対する同意を前記
自律移動体の運転者又は乗員へ催促することと、
前記代替的な車線変更操作の実施に対する同意を許可する入力を前記運転者又は乗員から受信したことに応じて、前記自律移動体に前記代替的な車線変更操作を実施せしめることと、
を含み、
前記代替的な車線変更操作は、
前記代替的な車線変更操作の実施に対する同意を拒否する入力を前記運転者又は乗員から受信したときには実施されな
い、方法。
【請求項2】
前記
代替的な車線変更操作は、前記第1目標間隔のサイズが標準的な車線変更に対する所定サイズより小さいときに、前記自律移動体を前記第1目標間隔内へと安全に操作することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
自律移動体の外部環境における物体を検出すべく作用可能なセンサ・システムと、
前記センサ・システムに対して作用的に接続されたプロセッサであって、
前記自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体の間の第1目標間隔を特定することと、
前記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定することと、
前記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定することと、
前記代替的な車線変更操作の実施に対する同意を前記
自律移動体の運転者又は乗員へ催促することと、
前記代替的な車線変更相殺の実施に対する同意を許可する入力を前記運転者又は乗員から受信したことに応じて、前記自律移動体に前記代替的な車線変更操作を実施せしめることと、
を有する、実行可能動作を開始すべくプログラムされたプロセッサと、
を備え、
前記代替的な車線変更操作は、
前前記代替的な車線変更操作の実施に対する同意を拒否する入力を前記運転者又は乗員から受信したときには実施されな
い、自律移動体のために走行車線を変更するシステム。
【請求項4】
前記
代替的な車線変更操作は、前記第1目標間隔のサイズが標準的な車線変更に対する所定サイズより小さいときに、前記自律移動体を前記第1目標間隔内へと安全に操作することを含む、請求項3に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記述される主題は、概略的に、自律的なまたは高度に自動化された動作モードを有する移動体に関し、更に詳細には、斯かる移動体の車線変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定の移動体は、人的運転者からの最小限の入力によりもしくは入力なしで、進行経路に沿って当該移動体をナビゲート及び/または操縦するために演算システムが使用されるという動作モードを含んでいる。斯かる移動体は、周囲環境における物体の存在などの、該環境に関する情報を検出すべく構成されたセンサを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記演算システムは、検出された情報を処理し、移動体の走行車線を変更する操縦など、周囲環境を通して上記移動体を如何にナビゲート及び/または操縦するかを決定すべく構成される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一つの見地において、本開示内容は、自律移動体のために走行車線を変更する方法に関する。上記方法は、自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階を含む。上記第1目標間隔は、関連サイズを有し得る。上記方法はまた、上記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階を含み得る。上記方法は、上記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、上記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階を更に含む。上記方法は、上記自律移動体に上記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階を含み得る。
【0005】
別の見地において、本開示内容は、自律移動体のために走行車線を変更するシステムに関する。該システムは、センサ・システムを含み得る。上記センサ・システムは、上記自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された物体の如き、上記自律移動体の外部環境における物体を検出すべく作用可能であり得る。上記システムは、上記センサ・システムに対して作用的に接続されたプロセッサを含む。該プロセッサは、実行可能動作を開始すべくプログラムされ得る。上記実行可能動作は、上記自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階を含み得る。上記第1目標間隔は、関連サイズを有し得る。上記実行可能動作はまた、上記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階も含み得る。上記実行可能動作は更に、上記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、上記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階を含む。上記実行可能動作は、上記自律移動体に上記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階を含み得る。
【0006】
更に別の見地において、本開示内容は、自律移動体のために走行車線を変更するコンピュータ・プログラム製品に関する。該コンピュータ・プログラム製品は、プログラム・コードが自身内に具現されたコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。上記プログラム・コードは、プロセッサにより実行されて方法を実施し得る。上記方法は、上記自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階を含む。上記第1目標間隔は、関連サイズを有し得る。上記方法はまた、上記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階も含み得る。上記方法は更に、上記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、上記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階を含む。上記方法は、上記自律移動体に上記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例である。
【
図2】自律移動体に対して走行車線を変更する方法の一例である。
【
図3A】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の一例を実施している自律移動体を示している。
【
図3B】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の一例を実施している自律移動体を示している。
【
図3C】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の一例を実施している自律移動体を示している。
【
図4A】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の別の例を実施している自律移動体を示している。
【
図4B】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の別の例を実施している自律移動体を示している。
【
図4C】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の別の例を実施している自律移動体を示している。
【
図5A】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の更に別の例を実施している自律移動体を示している。
【
図5B】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の更に別の例を実施している自律移動体を示している。
【
図5C】走行車線を変更すべく構成された自律移動体の一例であり、車線変更動作の更に別の例を実施している自律移動体を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この詳細な説明は、自律移動体のための車線変更方法に関する。自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された一対の近傍移動体同士の間の目標間隔が特定され得る。上記目標間隔のサイズが不適切であるとの決定に応じ、上記自律移動体に対する代替的な車線変更操作が決定され得る。上記自律移動体は、上記代替的な車線変更操作を実施せしめられ得る。この詳細な説明は、斯かる特徴を含むシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品に関する。少なくとも幾つかの場合、斯かるシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品は、特に、移動体の性能を高め得る。
【0009】
本明細書においては詳細な実施例が開示されるが、開示された実施例は例示的であることのみが意図されることは理解される。故に、本明細書中に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、制限的と解釈されるのではなく、単に、各請求項の根拠として、且つ、本明細書における見地を実質的に任意の適切な詳細構造において多様に採用することを当業者に教示する代表的な原理として解釈されるべきである。更に、本明細書中で使用される語句及び表現は、限定を意図するのではなく、可能的な実施形態の理解可能な記述を提供することが意図される。
図1から
図5には種々の実施例が示されるが、各実施例は図示された構造または用途に制限されるものでない。
【0010】
図示の簡素化及び明瞭化のために、適切な場合に参照番号は、対応するもしくは同様の要素を表すべく種々の図にわたり反復されていることは理解される。これに加え、本明細書中に記述される各実施例の十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。但し、当業者であれば、本明細書中に記述された各実施例は、これらの特定の詳細なしでも実施され得ることは理解される。
【0011】
図1を参照すると、移動体100の例が示される。本明細書中で用いられる如く、“移動体”とは、任意の形態の動力式輸送体を意味する。一つ以上の実施形態において、移動体100は自動車である。本明細書においては自動車に関して配置構成が記述されるが、各実施例は自動車に限定されないことは理解される。幾つかの実施形態において、移動体100は、船舶、航空機、または、他の任意の形態の動力式輸送体であり得る。
【0012】
本明細書における配置構成に依れば、移動体100は自律移動体であり得る。本明細書中で用いられる如く、“自律移動体”とは、自律モードで動作すべく構成された移動体を意味する。“自律モード”とは、人的運転者からの最小限の入力によりもしくは入力なしで、進行経路に沿って当該移動体をナビゲート及び/または操縦するために一つ以上の演算システムが使用されることを意味する。一つ以上の配置構成において、移動体100は高度に自動化され得る。幾つかの場合、移動体100は、自律モードと手動モードとの間で選択的に切換えられるべく構成され得る。斯かる切換えは、現在において公知の、または、後時に開発される任意の適切な様式で実施され得る。“手動モード”とは、進行経路に沿う移動体のナビゲーション及び/または操縦の大部分が人的運転者により実施されることを意味する。
【0013】
移動体100は、該移動体100の中央軸心であり得る、関連する長手軸心101を有し得る。移動体100は、関連する長手方向102を有し得る。“長手方向”とは、長手軸心101に対して実質的に平行であり、及び/または、共直線的であるという任意の方向を意味する。移動体100は、長手方向102に対して実質的に直交する関連する横方向軸心103を有し得る。本明細書中で用いられる如く、“実質的”という語句は、厳密にそれが修飾する語句と、それからの僅かな変化形とを包含する。故に、“実質的に直交する”という語句は、厳密な直交、及び、それからの僅かな変化形を意味する。この特定例において、それからの僅かな変化形とは、通常の製造誤差範囲内であり、約10°以下の範囲内、約5°以下の範囲内、約4°以下の範囲内、約3°以下の範囲内、約2°以下の範囲内、または、約1°以下の範囲内を包含し得る。移動体100は、関連する横方向104を有し得る。“横方向”とは、横方向軸心103の実質的に平行であり、及び/または、共直線的である任意の方向を意味する。
【0014】
移動体100は種々の要素を含み得、その幾つかは、自律運転システムの一部であり得る。移動体100の可能的な要素の幾つかは、
図1に示されると共に、次に記述される。移動体100は、
図1に示されたまたは本明細書中に記述された要素の全てを有する必要はないことは理解される。移動体100は、
図1に示された種々の要素の任意の組合せを有し得る。更に、移動体100は、
図1に示されたものに対する付加的要素を有し得る。幾つかの配置構成において、移動体100は、
図1に示された要素の一つ以上を含まないこともある。更に、
図1においては種々の要素が移動体100内に配置されているとして示されるが、これらの要素の一つ以上は、移動体100の外部に配置され得ることは理解される。更に、示された各要素は大きな距離だけ物理的に離間され得る。
【0015】
移動体100は、一つ以上のプロセッサ110を含み得る。“プロセッサ”とは、本明細書中に記述されるプロセスの内の任意のもの、または、斯かるプロセスを実施しもしくは斯かるプロセスを実施せしめる任意の形態の命令を実行すべく構成された任意の構成要素または一群の構成要素を意味する。プロセッサ110は、一つ以上の汎用プロセッサ、及び/または、一つ以上の特殊用途プロセッサにより実現され得る。適切なプロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及び、ソフトウェアを実行し得る他の回路機構が挙げられる。適切なプロセッサの更なる例としては、限定的なものとしてで無く、中央処理ユニット(CPU)、アレイ・プロセッサ、ベクトル・プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、特定用途集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路、及び、コントローラが挙げられる。プロセッサ110は、プログラム・コードに含まれた命令を実施すべく構成された少なくとも一つのハードウェア回路(例えば集積回路)を含み得る。複数のプロセッサ110が在るという配置構成において、斯かる各プロセッサは相互から独立して動作し得るか、または、一つ以上のプロセッサは相互に協働して動作し得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110は移動体100の主要プロセッサであり得る。例えば、プロセッサ110は、エンジン制御ユニット(ECU)であり得る。
【0016】
移動体100は、一種類以上のデータを記憶する一つ以上のデータ記憶装置115を含み得る。データ記憶装置115は、揮発及び/または不揮発メモリを含み得る。適切なデータ記憶装置115の例としては、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、フラッシュ・メモリ、ROM(読出専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、EEPROM(電気消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハード・ドライブ、もしくは、他の任意で適切な記憶媒体、または、それらの任意の組み合わせが挙げられる。データ記憶装置115はプロセッサ110の構成要素であり得るか、または、データ記憶装置115はプロセッサ110による使用のために、それに対して作用的に接続され得る。本記述の至る所で使用される“作用的に接続”という語句は、直接的な物理的接触なしの接続を含め、直接的もしくは間接的な接続を含み得る。
【0017】
移動体100は、自律運転モジュール120を含み得る。自律運転モジュール120は、コンピュータ可読プログラム・コードであって、プロセッサにより実行されたときに、例えば、自律移動体に対する変更済み進行経路を決定し、且つ、決定された変更済み進行経路を実施するなどの、本明細書中に記述される種々のプロセスを実施するというコンピュータ可読プログラム・コードとして実現され得る。自律運転モジュール120は、プロセッサ110の構成要素であり得るか、または、自律運転モジュール120は、プロセッサ110が作用的に接続された他の複数の処理システム上で実行され、且つ/又は、それらの間に分散され得る。
【0018】
自律運転モジュール120は、プロセッサ110により実行可能な(例えばプログラム論理などの)命令を含み得る。斯かる命令は、種々の移動体機能を実行し、且つ/又は、移動体100またはそれの一つ以上のシステム(例えば、各移動体システム145の一つ以上など)に関し、データを送信し、データを受信し、相互作用し、及び/または、制御するための命令を含み得る。代替的または付加的に、データ記憶装置115が斯かる命令を含み得る。
【0019】
上述の如く、移動体100はセンサ・システム125を含み得る。該センサ・システム125は、一つ以上のセンサを含み得る。“センサ”とは、或るものを検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知する任意のデバイス、構成要素及び/またはシステムを意味する。上記一つ以上のセンサは、リアルタイムで検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。本明細書中で用いられる如く、“リアルタイム”という語句は、行われるべき特定のプロセスまたは決定に対してユーザもしくはシステムが十分に即時的であると感じ、または、一定の外部プロセスに対してプロセッサが追随することを可能にする処理応答性のレベルを意味する。
【0020】
センサ・システム125が複数のセンサを含むという配置構成において、各センサは、相互に独立して動作し得る。代替的に、2つ以上のセンサが相互に協働して動作し得る。斯かる場合、2つ以上のセンサは、センサ・ネットワークを構成し得る。センサ・システム125、及び/または、一つ以上のセンサは、プロセッサ110、データ記憶装置115、自律運転モジュール120、及び/または、移動体100の一つ以上の他のモジュール及び/または要素に対して作用的に接続され得る。
【0021】
センサ・システム125は、任意の適切な形式のセンサを含み得る。例えば、センサ・システム125は、移動体100に関する情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。代替的または付加的に、センサ・システム125は、外部環境における物体に関する情報などの、移動体100が配置される外部環境に関する情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。斯かる物体は、静止物体または移動物体であり得る。上記の例の一つ以上に対して代替的にまたは付加的に、センサ・システム125は、移動体100の箇所、及び/または、移動体100に対する環境における物体の箇所を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。これらの及び他の形式のセンサの種々の例は、本明細書中に記述される。各実施例は記述された特定のセンサに限られないことは理解される。
【0022】
センサ・システム125は、例えば、慣性加速度の如き移動体100の位置または配向の変化を検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成された一つ以上のセンサを含み得る。一つ以上の配置構成において、センサ・システム125は、加速度計、ジャイロスコープ、及び/または、他の適切なセンサを含み得る。センサ・システム125は、移動体100の一つ以上の内部システム(例えば、O2モニタ、燃料計、エンジン・オイル温度、冷却剤温度など)を監視し得るセンサを含み得る。
【0023】
センサ・システム125は、一つ以上の環境センサ126を含み得る。各環境センサ126は、移動体100の外部環境の少なくとも一部における物体、及び/または、斯かる物体に関する情報/データを検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。本明細書においては、環境センサ126の種々の例が記述される。但し、各実施例は記述された特定のセンサに限られないことは理解される。
【0024】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的に無線信号を使用し得る(例えば、レーダ・センサ)。上記一つ以上の無線系センサは、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向102、横方向104、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。
【0025】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的にレーザ信号(例えば、LIDARセンサ)を使用し得る。例えば、一つ以上の環境センサ126は、レーザ測距計またはLIDARであり、または、その一部として含まれ得る。斯かるデバイスは、レーザを放出すべく構成されたレーザ源またはレーザ・スキャナと、レーザの反射を検出すべく構成された検出器とを含み得る。レーザ測距計またはLIDARは、可干渉性または非干渉性の検出モードで動作すべく構成され得る。上記一つ以上のレーザ系センサは、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向102、横方向104、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。
【0026】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、少なくとも部分的に超音波信号を使用し得る。斯かるセンサは、超音波信号を放出すべく構成された超音波発生源と、超音波信号の反射を検出すべく構成された検出器とを含み得る。一つ以上の超音波系の環境センサ126は、移動体100の外部環境における一つ以上の物体の存在、移動体100に対して検出された各物体の位置、(例えば、長手方向102、横方向104、及び/または、他の単一もしくは複数の方向などの)一つ以上の方向における各検出物体と移動体100との間の距離、検出された各物体の速度、及び/または、検出された各物体の移動を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。斯かる検出は、反射された超音波信号の(例えば強度などの)特性に基づき得る。
【0027】
一つ以上の配置構成において、一つ以上の環境センサ126は、一台以上のカメラを含み得る。“カメラ”は、少なくとも視覚的データを捕捉し得る任意のデバイス、構成要素及び/またはシステムと定義される。“視覚的データ”は、動画及び/または画像の情報/データを含む。上記視覚的データは、任意の適切な形態であり得る。
【0028】
一つ以上の配置構成において、一台以上のカメラは、(不図示の)レンズ、及び、(不図示の)画像捕捉要素を含み得る。上記画像捕捉要素は、幾つかの可能性を挙げただけでも、例えば、エリア・アレイ・センサ、荷電結合素子(CCD)センサ、相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサ、線形アレイ・センサなどの、任意の適切な形式の画像捕捉デバイスまたはシステムであり得る。上記画像捕捉要素は、電磁スペクトルにおける任意の適切な波長にて画像を捕捉し得る。上記画像捕捉要素は、カラー画像及び/またはグレースケール画像を捕捉し得る。一台以上のカメラは、ズームイン及びズームアウトの機能を備えて構成され得る。
【0029】
一台以上のカメラは、移動体100の任意の適切な部分に配置され得る。例えば、一台以上のカメラは、移動体100内に配置され得る。一台以上のカメラは、移動体100の外面上に配置され得る。一台以上のカメラは、移動体100の外面に配置もしくは露出され得る。一台以上のカメラの位置は、その位置が移動体100に対して変化しない様に、固定され得る。一台以上のカメラは、その位置が、移動体100の外部環境の種々の部分から視覚的データが捕捉されることを許容すべく変化し得る様に、移動可能とされ得る。斯かるカメラの移動は、任意の適切な様式で達成され得る。各カメラは、例えば、実質的に球状、実質的に半球状、実質的に円形、及び/または、実質的に線形などの任意の適切な範囲の運動を行い得る。
【0030】
上述されたセンサの任意のものに対して代替的または付加的に、センサ・システム125は他の形式のセンサを含み得る。センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、一つ以上のモジュール120、135、137は、センサ・システム125の一つ以上のセンサの動きを制御すべく作用可能であり得る。本明細書中に記述されたセンサの任意のものは、移動体100に関して任意の適切な箇所に配備され得ることを銘記すべきである。例えば、一つ以上のセンサは移動体100内に配置され得、一つ以上のセンサは上記移動体の外面上に配置され得、且つ/又は、一つ以上のセンサは、移動体100の外面に対して露出されるべく配置され得る。
【0031】
移動体100は、入力システム130を含み得る。“入力システム”とは、情報/データがマシンに入力されることを可能とする任意のデバイス、構成要素、システム、要素または配置機構、または、その群として定義される。入力システム130は、(例えば運転者または乗客などの)移動体乗員から入力を受信し得る。例えば、キー・パッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイクロフォン、及び/または、それらの組み合わせなどの、任意の適切な入力システム130が使用され得る。
【0032】
移動体100は、出力システム131を含み得る。“出力システム”とは、情報/データが(例えば対象者、移動体乗員などの)移動体乗員に対して呈示されることを可能とする任意のデバイス、構成要素、システム、要素または配置機構、または、その群として定義される。出力システム131は、上述された如く、ディスプレイを含み得る。代替的または付加的に、出力システム131は、マイクロフォン、イヤフォン及び/またはスピーカを含み得る。移動体100の幾つかの構成要素は、入力システム130の構成要素、及び、出力システム131の構成要素の両方の役割を果たし得る。
【0033】
一つ以上の配置構成において、移動体100は物体特定モジュール135を含み得る。一つ以上の配置構成において、物体特定モジュール135は、例えば、ニューラル・ネットワーク、ファジー論理回路、または、他の機械学習アルゴリズムなどの人工的またはコンピュータ的な知能要素を含み得る。幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、物体特定モジュール135は、検出済み物体の一つ以上の寸法を直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。例えば、一つ以上のセンサ・システム125から受信された情報/データに基づき、検出済み物体の一つ以上の寸法の直接的な測定値が決定され得る。直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知され得る寸法の例としては、長さ、幅及び/または高さが挙げられる。
【0034】
幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110及び/または物体特定モジュール135は、検出済み物体の少なくとも一部の相対サイズを、直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。この点に関し、“大寸の物体”とは、所定寸法よりも大きい一つ以上の寸法を有するか、または、一つ以上の要因に基づいて別様に“大寸”であると推定される任意の物体である。“非大寸の物体”とは、所定寸法よりも小さい一つ以上の寸法を有するか、または、一つ以上の要因に基づいて別様に非大寸であると推定される任意の物体である。
【0035】
検出済み物体の相対サイズは、任意の適切な様式で決定され得る。例えば、上記物体の検出済み寸法(例えば、長さ、幅及び/または高さ)は、所定寸法と比較され得る。上記所定寸法は、任意の適切な値を有し得る。一つ以上の配置構成において、検出済み寸法が所定寸法より大きければ、上記物体は、大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。斯かる比較、決定、分類及び/または考慮は、例えば、プロセッサ110及び/または物体特定モジュール135により行われ得る。もし検出済み寸法が上記所定寸法以下であるなら、上記物体は、非大寸の物体であると決定、分類または考慮され得る。
【0036】
一つ以上の配置構成において、上記所定寸法は、所定長さであり得る。斯かる配置構成において、検出済み物体の相対サイズは、上記所定長さに関して決定され得る。例えば、物体の長さが検出され得る。上記物体の検出済み長さは、所定長さに対して比較され得る。上記所定長さは、任意の適切な長さであり得る。一つ以上の配置構成において、上記所定長さは、実質的に、移動体100の長さ以上であり得る。一つ以上の配置構成において、更に小寸の移動体などの場合、上記所定長さは、移動体100の長さより大きい値であり得る。幾つかの配置構成において、検出済み長さが上記所定長さより大きいなら、上記物体は、大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。もし検出済み長さが上記所定長さ以下であるなら、上記物体は、非大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。
【0037】
代替的もしくは付加的に、上記物体の相対サイズは、一種類以上の入力に基づいて決定され得る。例えば、センサ・システム125は、物体の側の車輪もしくはタイヤの個数を、直接的もしくは間接的に、検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。検出された車輪またはタイヤの個数に基づき、プロセッサ110及び/または物体特定モジュール135は、上記物体が大寸の物体か否かを決定し得る。例えば、周囲物体の側にて2個より多い車輪が検出されたなら、それは(例えばトラックなどの)大寸の物体であると決定され得る。
【0038】
代替的もしくは付加的に、センサ・システム125、プロセッサ110及び/または物体特定モジュール135は、物体の車輪またはタイヤのサイズを直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。一例として、物体の車輪またはタイヤは、関連する直径及び/または半径を有し得る。上記車輪またはタイヤのサイズは、車輪またはタイヤの直径または半径の直接的な測定により決定され得る。幾つかの配置構成において、タイヤまたは車輪の検出された直径または半径は、所定の直径または半径と比較され得る。上記所定の直径または半径は、任意の適切な値であり得る。一つ以上の配置構成において、上記所定の直径または半径は、移動体100のタイヤまたは車輪の直径または半径に実質的に等しくあり得る。一つ以上の配置構成において、更に小寸の車輪またはタイヤの移動体の場合などにおいて、所定の直径または半径は、移動体100のタイヤまたは車輪の直径または半径より大きい値であり得る。もし、検出された直径または半径が、所定の直径または半径より大きいなら、物体は大寸もしくは長寸の物体であると決定され得る。もし、検出された直径または半径が、上記所定の直径または半径以下であるなら、物体は、非大寸の物体であると決定、分類及び/または考慮され得る。斯かる比較及び/または決定は、例えば、プロセッサ110及び/または物体特定モジュール135により行われ得る。
【0039】
物体特定モジュール135は、(不図示の)物体画像データベースを含み、及び/または、それに対するアクセスを有し得る。上記物体画像データベースは、複数の異なる物体(例えば移動体)もしくはその一部の一つ以上の画像を含み得る。本明細書においては移動体に関して配置構成が記述されるが、配置構成は移動体に限定されないことは理解される。実際、上記物体画像データベースは、移動体でない物体の一つ以上の画像を含み得る。各画像は、複数種の異なる移動体の少なくとも一部分の外面の一つ以上の部分のものであり得る。例えば、各画像は、移動体の少なくとも一部のものであり得る。各画像は、任意の適切な形態で提供され得る。上記移動体画像データベースは、データ記憶装置115内などの如く、移動体100に搭載され得るか、または、それは、移動体100の外部の情報源(例えば、クラウド系のデータ記憶装置)に配置され得る。
【0040】
一例として、物体特定モジュール135は、任意の適切な移動体認識ソフトウェアまたは他の物体認識ソフトウェアも含み得る。上記移動体認識ソフトウェアは、センサ・システム125により捕捉された画像を解析し得る。上記移動体認識ソフトウェアは、可能的な合致に対して上記移動体画像データベースを照会し得る。例えば、センサ・システム125により捕捉された画像は、可能的な合致に対して上記移動体画像データベースにおける画像と比較され得る。代替的もしくは付加的に、センサ・システム125により捕捉された画像の測定値または他の特性は、上記移動体画像データベースにおける一切の画像の測定値または他の特性と比較され得る。物体特定モジュール135は、捕捉された画像と、移動体データベースとの間に合致が在るなら、検出済み物体を特定形式の移動体として識別し得る。
【0041】
この点に関し、“合致”または“合致する”とは、上記センサ・システムにより収集された画像または他の情報、及び、上記移動体データベース中の一つ以上の画像が、実質的に同一的であることを意味する。例えば、上記センサ・システムにより収集された画像または他の情報、及び、上記移動体データベース中の一つ以上の画像は、所定の可能性(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または、それ以上)または信頼レベル内で合致し得る。
【0042】
自律運転モジュール120、物体特定モジュール135、及び/または、プロセッサ110は、センサ・システム125により捕捉された視覚的データなどのデータ/情報を解析して、移動体100の外部環境における一つ以上の物体を特定すべく構成され得る。幾つかの配置構成において、これらの要素の一つ以上は、例えば、テンプレート・マッチング、及び、他の種類のコンピュータ式映像及び/または画像処理技術、及び/または、他の人工的もしくはコンピュータ的な知的アルゴリズムもしくは機械学習方法などの、任意の適切な技術を用いて、(例えば、物体が移動体であるか否かなどの)物体の性質を特定すべく構成され得る。
【0043】
移動体100は、車線変更モジュール137を含み得る。車線変更モジュール137は、プロセッサにより実行されたとき、本明細書中に記述された種々のプロセスを実施するコンピュータ可読プログラム・コードとして実現され得る。車線変更モジュール137は、プロセッサ110の構成要素であり得るか、または、車線変更モジュール137は、プロセッサ110が作用的に接続された他の複数の処理システム上で実行され、且つ/又は、それらの間に分散され得る。
【0044】
車線変更モジュール137は、移動体100の運転環境に関する情報を検出、解析、評価及び/または解釈して、移動体100がその現在走行車線から別の走行車線へと変更する結果となるひと通り以上の運転操作を決定すべく構成され得る。上記別の走行車線は、移動体100の現在走行車線に対して実質的に隣接し得る。車線変更モジュール137は、移動体100が一つの走行車線から別の走行車線へと移動するという種々の運転状況において使用され得る。例えば、車線変更モジュール137は、道路上における通常の車線変更に対して使用され得る。これに加え、車線変更モジュール137は、移動体100が、該移動体の現在走行車線に対して殆ど平行に流れている他の移動体交通に合流することを試行している、という他の交通状況において使用され得る。斯かる状況の非限定的な例としては、高速道路への合流、及び、合流しつつある複数の移動体に対する譲歩が挙げられる。
【0045】
幾つかの場合、移動体100が変更を望む走行車線には、少なくとも該移動体100の近傍の領域にて、他の移動体が存在しないこともある。斯かる場合、車線変更モジュール137は、移動体100の信号通知システムを起動し、走行車線の変更に対する要望を表示すべく構成され得る。次に移動体100は、上記走行車線へと移動せしめられ得る。
【0046】
他の場合、移動体100が移動を望む走行車線には、一台以上の移動体が存在し得る。斯かる場合、車線変更モジュール137は、移動体100が合流し得る近傍移動体同士の間における一つ以上の候補間隔を特定すべく構成され得る。上記一つ以上の候補間隔は、一対の近傍移動体同士の間と定義され得る。“近傍移動体”とは、両者間に他の移動体なしで、同一の走行車線における2台の移動体を意味する。近傍移動体同士の間における間隔は、走行車線の走行方向における、それらの間の距離により定義され得る。各間隔を定義する一対の近傍移動体は、前方移動体及び後方移動体を含み得る。
【0047】
車線変更モジュール137は、候補間隔の内の一つを目標間隔として特定すべく構成され得る。上記目標間隔は、一つ以上の要因に基づき、任意の適切な様式で特定され得る。例えば、目標間隔は、幾つかの可能性を挙げただけでも、移動体100の現在箇所に対するそれの近接性、目標間隔の現在サイズ、車線変更トリガ事象に対する目標間隔の箇所、移動体100の現在速度、他の走行車線における一台以上の移動体の速度、移動体100の現在箇所、及び/または、他の走行車線における一台以上の他の移動体の現在箇所に基づいて、選択され得る。但し、目標間隔の特定は、これらの要因に限定されないことは理解される。実際、目標間隔は、記述された要因以外の一つ以上の他の要因に基づいて特定され得る。“車線変更トリガ事象”とは、その進行経路に沿う任意の作用事象であって、上記移動体が別の走行車線への移動を実施することを必要とさせるという任意の作用事象である。車線変更トリガ事象の非限定的な例としては、幾つかの可能性を挙げただけでも、右左折、出口、車線終了、車線閉鎖、傾斜路上、及び/または、傾斜路外が挙げられる。
【0048】
車線変更モジュール137は、移動体100の速度を制御すべく構成され得る。車線変更モジュール137は、移動体100が、上記目標間隔の前方移動体の速度に対して実質的に合致する様に、該移動体100の速度を制御すべく構成され得る。車線変更モジュール137は、移動体100を、上記前方移動体に対して所定位置に実質的に維持すべく構成され得る。例えば、車線変更モジュール137は、移動体100と前方移動体との間に所定の前方距離を実質的に維持すべく構成され得る。“前方距離”とは、移動体100の長手方向102における、該移動体100と前方移動体との間の距離を意味する。上記前方距離は、移動体100の前側部分と、前方移動体の後側部分との間であり得る。例えば、上記前側部分は、移動体100の最前部点、及び/または、前方移動体の最後部点であり得る。車線変更モジュール137はまた、移動体100と前方移動体との間に所定の横方向距離を実質的に維持する様にも構成され得る。“横方向距離”とは、移動体100の横方向104における、該移動体100と前方移動体との間の距離を意味する。
【0049】
車線変更モジュール137は、移動体100の信号通知システム175を起動し、走行車線を変更するという移動体100の意図を表すべく構成され得る。例えば、車線変更モジュール137は、移動体100の適切な方向指示灯を起動すべく構成され得る。故に、上記目標間隔の後方移動体、及び/または、該後方移動体の運転者には、走行車線を変更するとの移動体100の意図が通知され得る。
【0050】
上記目標間隔は、関連サイズを有し得る。車線変更モジュール137は、目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定すべく構成され得る。斯かる決定は、継続的、定期的、または、不規則的に実施され得る。“容認可能”とは、当該目標間隔のサイズが、移動体が他の走行車線における目標間隔内へと安全に操作し得る如きである、ということを意味する。“安全に操作する”とは、上記間隔を形成する各移動体に対して課されるリスクが殆どまたは全く無いことを意味する。逆に、“容認不能”とは、当該目標間隔のサイズが、その移動体は、上記間隔を形成する各移動体に対して大きなリスクを課して他の走行車線における目標間隔内へと操作し得る如きである、ということを意味する。目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかの決定は、幾つかの可能性を挙げただけでも、上記間隔のサイズ、移動体100の速度、目標間隔を形成する前方及び後方の移動体の速度、及び/または、車線変更トリガ事象までの距離に基づき得る。但し、目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかの決定は、これらの要因に限られない。実際、斯かる決定は、上述の各要因の内の任意の要因に対して代替的に、または、それに加え、一つ以上の他の要因を用いて為され得る。
【0051】
もし、車線変更モジュール137が、上記目標間隔は容認可能であると決定したなら、該車線変更モジュール137は、移動体100を上記目標間隔内に合流せしめるべく構成され得る。もし、車線変更モジュール137が、上記目標間隔は容認不能であると決定したなら、該車線変更モジュール137は、代替的な車線変更操作を決定すべく構成され得る。一つ以上の配置構成において、上記代替的な車線変更操作は、積極的(less conservative)な車線変更操作であり得る。“積極的な車線変更操作”とは、標準的な動作条件下において移動体100が通常は実施しない、という車線変更操作である。積極的な車線変更操作の種々の例は、本明細書において記述される。積極的なモードは、上記間隔を形成する各移動体に対して課される大きなリスクに関わらず、依然として、当該移動体の安全な動作を必要とする。
【0052】
幾つかの配置構成において、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、移動体100の一つ以上の他のモジュール(例えばモジュール120、135、137)及び/または要素は、検出済み物体の一つ以上の様相、特質及び/または特性を直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。例えば、センサ・システム125、プロセッサ110、及び/または、一つ以上のモジュール120、135、137は、検出済み物体のサイズ、相対サイズ、長さ、幅、高さ、寸法、材料、材料特性、速度、加速度、及び/または、軌跡を、直接的もしくは間接的に検出、決定、評価、監視、測定、定量及び/または検知すべく構成され得る。一つ以上の配置構成において、斯かる目的に対しては、一つ以上の人工的もしくはコンピュータ的なアルゴリズム、または、機械学習方法が使用され得る。
【0053】
移動体100は、一つ以上の移動体システム145を含み得る。
図1には、一つ以上の移動体システム145の種々の例が示される。但し、移動体100は、更に多数の、更に少数の、または、異なるシステムを含み得る。特定の移動体システムが別個に定義されるが、各システムの各々もしくは任意のもの、または、それらの一部は、移動体100におけるハードウェア及び/またはソフトウェアを介して別様に結合もしくは分割され得ることを理解すべきである。
【0054】
移動体100は、推進システム150を含み得る。推進システム150は、移動体100に対する動力運動を提供すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。推進システム150は、エンジン及びエネルギ源を含み得る。
【0055】
上記エンジンは、現在において公知の、または、後時に開発される、任意の適切な形式のエンジンもしくはモータであり得る。例えば、上記エンジンは、幾つかの可能性を挙げただけでも、内燃エンジン、電気モータ、蒸気機関、及び/または、スターリングエンジンであり得る。幾つかの実施例において、上記推進システムは、複数のエンジン形式を含み得る。例えば、ガソリン/電気ハイブリッド移動体は、ガソリンエンジン及び電気モータを含み得る。
【0056】
上記エネルギ源は、上記エンジンに少なくとも部分的に動力供給を行うべく使用され得るエネルギの任意の適切な供給源であり得る。上記エンジンは、上記エネルギ源を機械的エネルギへと変換すべく構成され得る。エネルギ源の例としては、ガソリン、ディーゼル、プロパン、水素、他の圧縮ガス系燃料、エタノール、ソーラ・パネル、バッテリ、及び/または、電力の他の供給源が挙げられる。代替的または付加的に、上記エネルギ源は、燃料タンク、バッテリ、コンデンサ、及び/または、フライホィールを含み得る。幾つかの実施例において、上記エネルギ源は、移動体100の他のシステムに対してエネルギを提供すべく使用され得る。
【0057】
移動体100は、車輪、タイヤ及び/または無限軌道を含み得る。任意の適切な形式の車輪、タイヤ及び/または無限軌道が使用され得る。一つ以上の配置構成において、移動体100の車輪、タイヤ及び/または無限軌道は、移動体100の他方の車輪、タイヤ及び/または無限軌道に関して差動的に回転すべく構成され得る。上記車輪、タイヤ及び/または無限軌道は、任意の適切な材料で作成され得る。
【0058】
移動体100は、制動システム155を含み得る。制動システム155は、移動体100を減速すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。一例として、制動システム155は、車輪/タイヤを減速すべく摩擦を使用し得る。制動システム155は、上記車輪/タイヤの運動エネルギを電流へと変換し得る。
【0059】
更に、移動体100は、操舵システム160を含み得る。操舵システム160は、移動体100の機首方位を調節すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0060】
移動体100は、スロットル・システム165を含み得る。スロットル・システム165は、移動体100のエンジン/モータの動作速度を制御することで移動体100の速度を制御すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0061】
移動体100は、動力伝達システム170を含み得る。動力伝達システム170は、移動体100のエンジン/モータからの機械的動力を車輪/タイヤに伝達すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。例えば、動力伝達システム170は、変速機、クラッチ、差動機、駆動シャフト、及び/または、他の要素を含み得る。動力伝達システム170が駆動シャフトを含む配置構成において、該駆動シャフトは、上記車輪/タイヤに対して連結されるべく構成された一つ以上の車軸を含み得る。
【0062】
移動体100は、信号通知システム175を含み得る。信号通知システム175は、移動体100の運転者に対して信号を提供し、且つ/又は、移動体100の一つ以上の様相に関する情報を他の移動体の運転者に対して提供すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。例えば、信号通知システム175は、移動体の存在、位置、サイズ、進行の方向に関する情報、及び/または、進行の方向及び速度に関する運転者の意図を提供し得る。例えば、信号通知システム175は、ヘッドライト、尾灯、制動灯、ハザードライト、及び、方向指示灯を含み得る。
【0063】
移動体100は、ナビゲーション・システム180を含み得る。ナビゲーション・システム180は、移動体100の地理的箇所を決定し、且つ/又は、移動体100の進行経路を決定すべく構成された、現在において公知の、または、後時に開発される、一つ以上のメカニズム、デバイス、要素、構成要素、システム、アプリケーション、及び/または、それらの組み合わせを含み得る。
【0064】
ナビゲーション・システム180は、移動体100に対する進行経路を決定する一つ以上のマッピング・アプリケーションを含み得る。例えば、運転者もしくは乗客は、出発地及び目的地を入力し得る。上記マッピング・アプリケーションは、上記出発地と目的地との間における一つ以上の適切な進行経路を決定し得る。進行経路は、(例えば、最短の進行距離、最短の進行時間の量などの)一つ以上のパラメータに基づいて選択され得る。幾つかの配置構成において、ナビゲーション・システム180は、移動体100が動作している間に動的に進行経路を更新すべく構成され得る。
【0065】
ナビゲーション・システム180は、全地球測位システム、局地測位システム、または、地理位置情報システムを含み得る。ナビゲーション・システム180は、合衆国の全地球測位システム(GPS)、ロシアのグロナスシステム、欧州のガリレオシステム、中国の北斗(Beidou)システムの如き多数の衛星測位システム、または、衛星システムの組み合わせからの衛星を使用する任意のシステム、または、中国のCOMPASSシステム及びインドの地域的衛星測位システムなどの、将来的に開発される任意の衛星システムの内の任意の一つにより実現され得る。更に、ナビゲーション・システム174は、伝送制御プロトコル(TCP)、及び/または、地理情報システム(GIS)及び位置情報サービスを使用し得る。
【0066】
ナビゲーション・システム180は、地球に関する移動体100の位置を推定すべく構成された送受信機を含み得る。例えば、ナビゲーション・システム180は、移動体の緯度、経度、及び/または、高度を決定するGPS送受信機を含み得る。ナビゲーション・システム180は、(例えば、レーザ式の位置特定システム、慣性支援GPS、及び/または、カメラ式の位置測定などの)他のシステムを使用して移動体100の箇所を決定し得る。
【0067】
代替的または付加的に、ナビゲーション・システム180は、W3Cの地理位置アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を用いる如き、アクセス・ポイント地理位置情報サービスに基づき得る。斯かるシステムによれば、移動体100の箇所は、例えば、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、Wi-Fi及びブルートゥース(登録商標)の媒体アクセス制御(MAC)アドレス、無線識別(RFID)、Wi-Fi接続箇所、または、デバイスGPS、及び、移動通信用グローバル・システム(GSM(登録商標))/符号分割多重アクセス(CDMA)式のセルIDなどの場所情報サービスの参照により決定され得る。故に、移動体100の地理的位置が決定される特定様式は、使用される特定の位置追尾システムの動作の様式に依存することは理解される。
【0068】
プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、種々の移動体システム145、及び/または、その個々の構成要素と通信すべく作用的に接続され得る。例えば、
図1に戻ると、プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、種々の移動体システム145と通信して情報を送信及び/または受信し、移動体100の移動、速度、操縦、機首方位、方向などを制御し得る。プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、これらの移動体システム145の幾つかまたは全てを制御し得ることから、部分的にまたは完全に自律的であり得る。
【0069】
プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145及び/またはその構成要素を制御することにより、移動体100の航行及び/または操縦を制御すべく作用可能であり得る。例えば、自律モードで動作しているとき、プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、移動体100の方向及び/または速度を制御し得る。プロセッサ110及び/または自律運転モジュール120は、移動体100が、(例えば、エンジンに対して提供される燃料の供給量を増加することにより)加速し、(例えば、エンジンに対する燃料の供給量を減少し、且つ/又は、ブレーキを掛けることにより)減速し、且つ/又は、(例えば前側の2つの車輪を旋回させることにより)方向を変えることを引き起こし得る。本明細書中で用いられる如く、“引き起こす”または“引き起こして”とは、直接的もしくは間接的な様式のいずれかにて、事象もしくは動作が生ずること、または、少なくとも、斯かる事象もしくは動作が生じ得る状態であることを、行わせ、強制し、強要し、指図し、命令し、指示し、及び/または、可能とすることを意味する。
【0070】
移動体100は、一つ以上のアクチュエータ140を含み得る。各アクチュエータ140は、一つ以上の移動体システム145またはその構成要素を改変し、調節し及び/または変化させて、プロセッサ110、自律運転モジュール120、車線変更モジュール137、及び/または、移動体100の一つ以上の他の要素からの信号または他の入力に受信に応答すべく作用可能な任意の要素または要素の組み合わせであり得る。任意の適切なアクチュエータが使用され得る。例えば、一つ以上のアクチュエータ140としては、幾つかの可能性を挙げただけでも、モータ、空気圧的アクチュエータ、油圧式ピストン、リレー、ソレノイド、及び/または、圧電アクチュエータが挙げられる。
【0071】
本明細書中に記述された配置構成に依れば、移動体100は、運転環境における現在条件に基づいて車線変更すべく構成され得る。一つ以上の配置構成において、目標間隔のサイズが容認可能であるとの決定に応じ、移動体100は、標準的な車線変更操作を実施せしめられ得る。一つ以上の配置構成において、目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、代替的な車線変更操作が決定され得る。上記代替的な車線変更操作は、移動体100の安全な動作を維持しながらの、積極的な車線変更操作であり得る。
【0072】
此処まで、移動体100の種々の可能的なシステム、デバイス、要素及び/または構成要素が記述されてきたが、次に、自律移動体に対して走行車線を変更する種々の方法が記述される。今、
図2を参照すると、自律移動体のために走行車線を変更する方法の実施例が示される。次に、方法200の種々の可能的なステップが記述される。
図2に示された方法200は
図1に関して上述された実施例に適用可能であり得るが、方法200は、他の適切なシステム及び配置構成により実施され得ることは理解される。更に、方法200は、此処では示されない他のステップを含み得ると共に、実際、方法200は
図2に示された全てのステップを包含することに限定されない。方法200の一部として此処で示される各ステップは、この特定の時系列的順序に限定されない。実際、各ステップの幾つかは、示されたのとは異なる順序で実施され得、且つ/又は、示された各ステップの少なくとも幾つかは同時に行われ得る。
【0073】
ブロック210にては、当該自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間における第1目標間隔が特定され得る。一つ以上の配置構成において、上記第1目標間隔は、センサ・システム125の一つ以上のセンサにより捕捉されたデータに基づいて特定され得る。上記第1目標間隔の特定は、プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120により実施され得る。上記第1目標間隔の特定は、本明細書中に記述された如く、一つ以上の要因に基づき得る。方法200は、ブロック220へと継続し得る。もし外部環境に何らの物体が検出されないなら、方法200は、ブロック210へと戻り得るか、方法200は終了し得る。
【0074】
ブロック220にては、上記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかが決定され得る。一つ以上の配置構成において、上記第1目標間隔のサイズ、及び/または、該第1目標間隔のサイズが容認可能であるか否かは、少なくとも部分的に、センサ・システム125の一つ以上のセンサにより捕捉されたデータに基づいて決定され得る。該決定は、プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120により実施され得る。上記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかの決定は、一つ以上の要因に基づき得る。斯かる決定は、例えば、車線変更モジュール137により為され得る。方法200は、ブロック230へと継続し得る。
【0075】
ブロック230にては、上記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、上記自律移動体の代替的な車線変更操作が決定され得る。該決定は、プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120により実施され得る。方法200は、ブロック240へと継続し得る。
【0076】
ブロック240にて、移動体100は、上記代替的な車線変更操作を実施せしめられ得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120は、移動体100に上記代替的な車線変更操作を実施させ得る。プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145に対して作用的に接続されて、上記代替的な車線変更操作を実施し得る。一つ以上の配置構成において、プロセッサ110、車線変更モジュール137、及び/または、自律運転モジュール120は、一つ以上の移動体システム145またはその一部を制御して上記代替的な車線変更操作を実施し得る一つ以上のアクチュエータ140を制御すべく作用可能であり得る。
【0077】
上記代替的な車線変更操作が実施されたとき、方法200は終了し得る。代替的に、方法200はブロック210に戻り得る。更なる代替策として、方法200は、(不図示の)付加的及び/または代替的なブロックを含み得る。例えば、方法200は、上記目標間隔のサイズが容認可能であるとの決定に応じ、移動体100を上記目標間隔内へと操作することにより該移動体に走行車線を変更させる段階を含み得る。
【0078】
別の例として、一つ以上の配置構成において、移動体100の運転者または他の乗員は、上記代替的な車線変更操作を実施するとの同意を与えることが催促され得る。幾つかの配置構成において、斯かる催促は、上記代替的な車線変更操作を実施するとの運転者もしくは乗員からの応答入力を受信する十分な時間があることが決定されたときにのみ、行われ得る。
【0079】
上記運転者もしくは他の乗員は、任意の適切な様式で催促され得る。例えば、移動体100におけるディスプレイ上には、催促内容が表示され得る。代替的または付加的に、上記催促内容は、一つ以上の聴覚的チャネルを通し、運転者もしくは他の乗員に対して聴覚的に出力され得る。これらの形態の催促に対して代替的または付加的に、他の形態の催促が使用され得る。
【0080】
運転者もしくは乗員は、代替的な車線変更操作の実施に対する同意を、任意の適切な様式で許可または拒否し得る。例えば、運転者または乗員は、入力システム130の一つ以上の構成要素を用いて、同意の許可もしくは拒否を入力し得る。一例として、運転者もしくは乗員は、タッチスクリーン、ボタン、スィッチ、または、他の移動体内ユーザ・インタフェース要素を通して入力を提供し得る。幾つかの配置構成において、運転者もしくは乗員は、(例えば、方向指示灯、ブレーキ・ペダル、アクセル・ペダルなどの)一つ以上の移動体構成要素との関与を通して、入力を提供し得る。“ユーザ・インタフェース要素”とは、ユーザがマシンと相互作用することを可能とする構成要素または一群の構成要素と定義される。一つ以上の配置構成において、運転者もしくは乗員は、同意が許可されるのか拒否されるのかを発話することにより、入力を提供し得る。
【0081】
もし、同意を許可する入力が受信されたなら、方法200はブロック240へと継続し得、そこで、上述の如く、代替的な車線変更操作が実施され得る。もし、同意を拒否するとの入力が受信されたなら、移動体100は、警告を呈する、手動操作へと切換える、異なる代替的な車線変更操作もしくはシステム既定動作を決定するなどの如き、任意の適切な処置を取り得る。
【0082】
もし、運転者もしくは乗員から入力が受信されなければ、移動体100は自動的に、代替的な車線変更操作、または、別のシステム既定運転動作を実施せしめられ得る。幾つかの配置構成においては、運転者もしくは乗員が入力を提供するために、所定の時間長が与えられ得る。上記所定の時間長は、任意の適切な時間長であり得る。上記所定の時間長は、周囲環境における状況に依存して変更され得る。上記所定の時間長以内に入力が受信されなければ、上記代替的な車線変更操作が実施され得るか、または、別のシステム既定運転動作が実施され得る。
【0083】
次に、移動体100の動作の種々の非限定的な例が記述される。次に、車線変更方法に従う上記移動体の動作の非限定的な例は、
図3Aから
図3Cに関して記述される。この例に対し、移動体100は、運転環境300において進行しつつあり得る。移動体100は、道路305上を進行しつつあり得る。“道路”とは、2つの場所の間において、移動体が進行し得る通路、経路、行路または進路を意味する。道路305は、舗装または別様に整備されることで、その上での移動体による進行を促進し得る。幾つかの場合、道路305は、未舗装または整備なしであり得る。道路305は、公道または私道であり得る。道路305は、一つ以上の橋、トンネル、支持構造、合流点、交差点、インターチェンジ、及び、有料道路の一部を含み、または、それであり得る。
【0084】
この例に対し、道路305は、第1走行車線310及び第2走行車線315を含み得る。“走行車線”とは、単一列の移動体による使用に対して指定された道路の部分、及び/または、単一列の移動体により使用されつつある道路の部分である。幾つかの場合、一本以上の走行車線310、315は、道路305上のマークにより、または、他の任意で適切な様式で指定され得る。幾つかの場合、一本以上の走行車線310は、マーク付けされないこともある。
図3Aから
図3Cに示された如く、第1及び第2の走行車線310、315は、相互に対して実質的に隣接され得ることを銘記すべきである。但し、幾つかの場合、第1及び第2の走行車線310、315は、相互から離間され得る。第1及び第2の走行車線310、315は、それらの長さの少なくとも一部分に沿い、相互に対して実質的に平行であり得る。
【0085】
この例に対し、各移動体は、第1走行車線310において第1方向311に移動し得るか、該方向に移動することが指定され得る。各移動体は、第2走行車線315において第2方向316に移動し得るか、該方向に移動することが指定され得る。第1方向311は、
図3Aに示された如く、第2方向316と同一であり得る。
【0086】
図3A及び
図3Bは、道路305が2本の走行車線310、315を含むという例を示しているが、本明細書中に記述される各配置構成は、2本の走行車線を有する道路に限定されないことは理解される。実際、本明細書中に記述される各配置構成は、任意本数の走行車線を有する道路に関して使用され得る。更に、斯かる他の走行車線における移動体は、第1または第2の方向311、316と同一方向に進行し得、または、進行することが指定され得ることを銘記すべきである。代替的に、斯かる他の走行車線における移動体は、第1または第2の方向311、316と異なる方向に進行し得、または、進行し得ることが指定され得る。
【0087】
図3A及び
図3Bにおいて、移動体100の現在走行車線は、第1走行車線310であり得る。“現在走行車線”とは、現時点において移動体が進行している走行車線を意味する。移動体100の進行経路に基づき、該移動体100は車線変更トリガ事象に接近しつつあり得る。例えば、上記車線変更トリガ事象は、移動体100の企図された進行経路に従い、将来の或る時点にて移動体100が行う必要があり得るという右折または右側出口であり得る。右折または出口は、車線変更トリガ事象の2つの例にすぎず、記述を促進するためにのみ提供される。従って、本明細書中に記述される各配置構成は、この点に関して限定されないことは理解される。実際、上記車線変更トリガ事象は、幾つかの付加的な可能性を挙げただけでも、左折、左側出口、走行車線の終了または、走行車線の閉鎖であり得る。
【0088】
この例に対し、道路305からの出口は、第2走行車線315からのみアクセスされ得ることが想定される。すなわち、上記出口は、第1走行車線310からはアクセスされ得ない。しかし、移動体100の現在走行車線は第2走行車線315ではないので、移動体100は、上記出口より適切な距離だけ以前に、第2走行車線315へと移動する必要がある。
【0089】
移動体100は、センサ・システム125を使用するなどにより、環境300を検出し得る。移動体100は、第2走行車線315における(例えば移動体340、350、360などの)一つ以上の物体の存在を検出し得る。移動体100は、第2走行車線315における一対以上の近傍物体同士の間の間隔を決定し得る。例えば、移動体100は移動体340と移動体350との間の間隔を決定し得ると共に、移動体100は、移動体350と移動体360との間の間隔を決定し得る。斯かる各間隔は、候補間隔と考えられ得る。
【0090】
各候補間隔の中で、移動体100は目標間隔GTを特定し得る。この例に対し、目標間隔GTは、移動体340と移動体350との間に定義され得る。故に、目標間隔GTに関し、移動体340は、後方移動体であり得ると共に、移動体350は前方移動体であり得る。
【0091】
目標間隔G
Tが一旦特定されたなら、
図3Bに示された如く、移動体100は、第1走行車線310内で、前方移動体350の後端部と実質的に整列された箇所まで移動し得る。斯かる移動は、移動体100の速度を変更する段階を含み得る。例えば、移動体100は、前方移動体350に対する
図3Aにおける自身の位置から、前方移動体350に対する
図3Bにおける自身の位置まで移動すべく、自身の速度を高め得る。
【0092】
移動体100は、自身の速度が前方移動体350の速度に実質的に合致する様に、それを制御し得る。斯かる場合、
図3Bに示された如く、移動体100の前端部は、前方移動体350の後端部と実質的に整列されるか、僅かに背後とされ得る。
【0093】
移動体100の信号通知システム175が起動されることで、走行車線を変更するという移動体100の意図を表し得る。例えば、
図3Bに示された如く、移動体100の右方向指示灯が起動され得る。故に、後方移動体340、及び/または、該後方移動体340の運転者には、第2走行車線315に合流するという移動体100の意図が通知され得る。
【0094】
移動体100は、車線変更の目的に対し、目標間隔G
Tが容認可能であるか容認不能であるかを決定し得る。斯かる決定は、移動体100が
図3Bに示された前方移動体350に対する自身の位置を実質的に維持しながら、継続的もしくは定期的に実施され得る。幾つかの場合、目標間隔G
Tは、既に容認可能であり得る。斯かる場合、移動体100は、第1走行車線310から第2走行車線315へと移動操作せしめられ得る。
【0095】
幾つかの場合、目標間隔G
Tは、最初は容認可能でないが、次続的にそれが容認可能になることがあり得る。従って、移動体100は
図3Bに示された状態を実質的に維持して、目標間隔G
Tのサイズが容認可能になるか否かを決定し得る。例えば、
図3Cに示された如く、移動体100の右方向指示灯の起動に応じて、後方移動体340は、目標間隔G
Tのサイズが増大する如く自身の速度を落とし得る。斯かる場合、移動体100は、
図3Cに示された如く、第1走行車線310から第2走行車線315への車線変更操作を実施せしめられ得る。
【0096】
但し、幾つかの場合、目標間隔GTは容認不能であり、移動体100が車線変更トリガ事象に到達する前に容認可能にならないこともある。例えば、後方移動体340の運転者は強引な運転者であり得るか、または、第2走行車線315への移動体100の合流の許容を嫌うことがあり得る。故に、本明細書中に記述された各配置構成に依れば、移動体100は、ひと通り以上の適切な代替的な車線変更操作を決定すべく構成され得る。上記ひと通り以上の代替的な車線変更操作は、積極的な車線変更操作であり得る。
【0097】
次に、斯かる様式における移動体100の動作の非限定的な例が
図4Aから
図4Cに関して記述される。環境300、走行車線310、315、及び、移動体340、350、360に関する上記の考察は、環境400,道路405、走行車線410、415、及び、移動体440、450、460に対して等しく適用され得る。更に、
図3A及び
図3Bに関する上記説明は、
図4A及び
図4Bに対して等しく適用され得る。但し、この例において、後方移動体440は、その速度を変えないか、または、
図4Cに示された如く、目標間隔G
Tのサイズが容認不能なサイズまで減少するか容認不能なサイズを維持する如く、その速度を高めることがある。斯かる場合、移動体100は、
図3Cに関して記述された標準的な車線変更操作は実施しない。代わりに、移動体100は代替的な車線変更操作を決定し得る。
【0098】
斯かる代替的な車線変更操作は、積極的な車線変更操作であり得る。
図4Cは、目標間隔G
Tに対する標準的な容認可能サイズより小さいという該目標間隔G
Tのサイズにも関わらず、積極的な車線変更操作が目標間隔G
T内に合流しつつある、という例を示している。斯かる場合、目標間隔G
Tは、該目標間隔G
Tに対する積極的な容認可能サイズの元で、容認可能と見做され得る。上記積極的な容認可能サイズは、目標間隔G
Tに対する上記標準的な容認可能サイズよりも小さい。斯かる場合、移動体100は、
図4Cに示された如く、第1走行車線410から第2走行車線415への車線変更操作を実施せしめられ得る。移動体100は、上記車線変更が安全に実施され得る様に、環境400を検出し続け得る。もし、次続的な検出内容が、車線変更は安全には実施され得ないことを示すなら、積極的な運転操作は中断もしくは調節され得る。
【0099】
図5Aから
図5Cは、移動体100により積極的な運転操作が実施されるという別の例を示している。環境300、道路305、走行車線310、315、及び、移動体340、350に関する上記の考察は、環境500、道路505、走行車線510、515、及び、移動体540、550に対して等しく適用され得る。更に、
図3A及び
図3Bに関する上記説明は、
図5A及び
図5Bに対して等しく適用され得る。但し、この例において、第2走行車線515には付加的な移動体570が在り得る。同様に、移動体560は、トラックの如き大型の移動体であり得る。
【0100】
図5Cを参照すると、移動体540は、移動体100による信号通知に対して譲らないことがある。この例において、移動体540は、目標間隔G
Tのサイズが減少し得る様に、その速度を高め得る。斯かる場合、移動体100は、目標間隔G
Tのサイズは容認不能であること決定し得る。従って、移動体100は、代替的な車線変更操作を決定し得る。この場合、移動体100は、移動体560が大型の移動体であることを決定し得る。例えば、物体特定モジュール135は、移動体560が大型の移動体であることを決定すべく、任意の適切な様式で使用され得る。移動体100は、移動体560のサイズに基づき、それは比較的に低速で移動している移動体であると想定し得る。斯かる想定は、センサ・システム125により獲得されたデータにより確認され得る。
【0101】
故に、移動体100は、走行方向511、516において目標間隔GTの前方に配置された新たな目標間隔GT2を特定し得る。該新たな目標間隔GT2は、大型の移動体560により定義され得るか、または、新たな目標間隔GT2は、走行方向511、516において大型の移動体560の前方に配置され得ると共に、大型の移動体560によっては定義されない。この例に対し、新たな目標間隔GT2は、移動体570及び大型の移動体560により定義され得る。大型の移動体560は、新たな目標間隔GT2を定義する後方移動体であり得る。
【0102】
移動体100は、
図5Cに示された如く、その速度を高めて大型の移動体560を追い越し得る。移動体100は、その速度を、前方移動体570の速度に合致させ得る。移動体100は、その信号通知システムを起動することで、第2走行車線515へと変更する要望を表し得る。移動体100は、上述されたプロセスを反復し得る。
【0103】
更に別の代替的な車線変更操作が可能である。実際、例えば、移動体100は、その現在走行車線においてその速度を落とし、最初の目標間隔の背後に配置され得る新たな目標間隔を特定し得る。別の例として、移動体100は、走行方向511、516において目標間隔GTの前方に配置された低速で移動する移動体を特定し得る。移動体100は、その速度を上げ、低速で移動する移動体を追い越して新たな目標間隔を特定し得る。故に、代替的な車線変更操作は、本明細書に記述されたものに限定されないことは理解される。
【0104】
本明細書中に提供された配置構成は、本明細書中で言及された利点の一つ以上を含む多数の利点を提供し得ることは理解される。例えば、本明細書中に記述された配置構成は、自律移動体の性能を向上させ得る。更に、本明細書中に記述された配置構成は、(例えば、目標間隔が容認不能であるか容認不能となったときに積極的な様式で動作することにより)自律移動体の動作において更に大きな融通性を提供し得る。本明細書中に記述された配置構成は、移動体、該移動体の乗員、及び/または、自律移動体の外部環境における他の物体に対する安全性を維持しながら、斯かる融通性を提供し得る。
【0105】
各図におけるフローチャート及びブロック図は、種々の実施例に係るシステム、方法及びコンピュータ・プログラム製品の可能的な実施形態の設計概念、機能性及び作用を例示している。この点に関し、上記フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、特定された単一もしくは複数の論理機能を実施する一つ以上の実行可能命令を備えるコードのモジュール、セグメントまたは部分を表し得る。幾つかの代替的な実施形態において、当該ブロックにおいて言及された機能は、図中に示された順序以外で行われ得ることも銘記すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際、実質的に同時に実行され得るか、または、各ブロックは一定の場合には、関与する機能性に依存して、逆の順序で実行され得る。
【0106】
上述されたシステム、構成要素及び/またはプロセスは、ハードウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現され得ると共に、一つの処理システムにおいて集中様式で、または、種々の要素が数個の相互接続された処理システムにわたり分散されるという分散様式で実現され得る。本明細書中に記述された方法を実施すべく適合化された任意の種類の処理システムまたは他の装置が適している。ハードウェアとソフトウェアとの典型的な組み合わせは、ロードされて実行されたときに、本明細書中に記述された方法を当該処理システムが実施する如くそれを制御するコンピュータ使用可能なプログラム・コードに対する処理システムであり得る。上記システム、構成要素及び/またはプロセスは、マシンにより読み取られて、該マシンにより実行可能なプログラムの命令を実体的に具現し得る、コンピュータ・プログラム製品または他のデータ・プログラム記憶デバイスの如きコンピュータ可読記憶装置内にも組み込まれ得る。これらの要素はまた、本明細書中に記述された方法の実現を可能とする全ての特徴を備えるアプリケーション製品であって、処理システムにロードされたときにこれらの方法を実施し得るというアプリケーション製品内にも組み込まれ得る。
【0107】
更に、本明細書中に記述された配置構成は、例えば自身内に記憶されて具現されもしくは組み込まれたコンピュータ可読プログラム・コードを有する一種類以上のコンピュータ可読媒体において具現されたコンピュータ・プログラム製品の形態を取り得る。一種類以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用され得る。上記コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。“コンピュータ可読記憶媒体”とは、持続的な記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、限定的なものとしてで無く、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外的、または、半導体のシステム、装置もしくはデバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体の更に詳細な例(非網羅的なリスト)としては、以下のものが挙げられる:一本以上の配線を有する電気接続体、可搬的コンピュータ・ディスク、ハードディスク・ドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、可搬的コンパクト・ディスク式読出専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学的記憶デバイス、磁気的記憶デバイス、または、前述の任意の適切な組み合わせ。本書類に関し、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置またはデバイスによりまたはそれに関して使用されるプログラムを含有または記憶し得る任意の有形媒体であり得る。
【0108】
コンピュータ可読媒体上に具現されたプログラム・コードは、限定的なものとしてで無く、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、または、前述の任意の適切な組み合わせなどの任意の適切な媒体を用いて送信され得る。本発明の配置構成の各見地に対する操作を実施するコンピュータ・プログラム・コードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などの如きオブジェクト指向プログラミング言語、及び、“C”プログラミング言語の如き習用の手続き型プログラミング言語、または、同様のプログラミング言語などの、一種類以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。上記プログラム・コードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で且つ部分的に遠隔コンピュータ上で、または、全体的に遠隔コンピュータまたはサーバ上で、実行され得る。後者の状況において、遠隔コンピュータはユーザのコンピュータに対し、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)などの任意の形式のネットワークを介して接続され得るか、または、上記接続は、(例えば、インターネットのサービス・プロバイダを用いてインターネットを通して)外部コンピュータに対して為され得る。
【0109】
本明細書中で用いられる“一つの(a)”及び“一つの(an)”という語句は、一つ、または、一つより多いものと定義される。本明細書中で用いられる“複数の”という語句は、2つ、または、2つより多いものと定義される。本明細書中で用いられる“別の”という語句は、少なくとも第2またはそれ以上のものとして定義される。本明細書中で用いられる“含む”及び/または“有する”という語句は、備えるもの(すなわち非限定的用語)として定義される。本明細書中で用いられる“~及び~の内の少なくとも一つ”という表現は、関連して列挙された項目の一つ以上の任意の且つ全ての可能的な組み合わせに言及し且つそれらを包含する。一例として、“A、B及びCの内の少なくとも一つ”とは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、または、それらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BCまたはABC)を含む。
【0110】
本明細書中における各見地は、その精神または本質的な属性から逸脱せずに、他の形態で具現され得る。従って、本発明の有効範囲を表すものとしては、上述の詳細事項ではなく、以下の各請求項に対して参照が為されるべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
自律移動体のために走行車線を変更する方法であって、
自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階と、
前記第1目標間隔の前記サイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階と、
前記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階と、
前記自律移動体に前記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階と、
を有する、方法。
〔態様2〕
前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する前記段階は、少なくとも部分的に、前記自律移動体と車線変更トリガ事象との間の距離に基づき、代替的な車線変更操作を決定する段階を含む、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記代替的な車線変更操作は、積極的な車線変更操作である、態様1に記載の方法。
〔態様4〕
前記積極的な車線変更操作は、前記第1目標間隔のサイズが標準的な車線変更に対する所定サイズより小さいときに、前記移動体を前記第1目標間隔内へと安全に操作する段階を含む、態様3に記載の方法。
〔態様5〕
前記代替的な車線変更操作は、前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第2の対の近傍移動体同士の間の第2目標間隔を特定する段階を含み、前記第1の対の近傍移動体は前記第2の対の近傍移動体と異なる、態様1に記載の方法。
〔態様6〕
前記第2目標間隔は、前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する前記走行車線の前記走行方向における前記第1目標間隔の前方に配置される、態様5に記載の方法。
〔態様7〕
前記代替的な車線変更操作は、
前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線における大型の移動体を特定する段階であって、前記第2目標間隔は前記大型の移動体の前方に配置されるという段階と、
前記現在走行車線において前記大型の移動体を追い越す段階と、
を有する、態様6に記載の方法。
〔態様8〕
前記代替的な車線変更操作は、
前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線における低速移動体を特定する段階であって、前記第2目標間隔は前記大型の移動体の前方に配置されるという段階と、
前記現在走行車線において前記低速移動体を追い越す段階と、
を有する、態様6に記載の方法。
〔態様9〕
前記目標間隔のサイズが容認可能であるとの決定に応じ、前記自律移動体に、前記目標間隔内へと変更する一回以上の操作を実施させる段階を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様10〕
前記第1の対の近傍移動体は、前方移動体及び後方移動体を含み、
当該方法は、
前記前方移動体の速度と前記自律移動体の速度が実質的に同一である様に、それを制御する段階と、
前記前方移動体の後端部に対して前記自律移動体の箇所が近傍である様に、それを制御する段階と、
前記前方移動体と前記後方移動体との間の前記第1目標間隔内へと前記自律移動体が合流することを前記後方移動体が許容するか否かを決定する段階と、
を更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様11〕
自律移動体の外部環境における物体を検出すべく作用可能なセンサ・システムと、
前記センサ・システムに対して作用的に接続されたプロセッサであって、
前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階と、
前記第1目標間隔の前記サイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階と、
前記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階と、
前記自律移動体に前記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階と、
を備える、実行可能動作を開始すべくプログラムされたというプロセッサと、
を備える、自律移動体のために走行車線を変更するシステム。
〔態様12〕
前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する前記段階は、少なくとも部分的に、前記自律移動体と車線変更トリガ事象との間の距離に基づき、代替的な車線変更操作を決定する段階を含む、態様11に記載のシステム。
〔態様13〕
前記代替的な車線変更操作は、積極的な車線変更操作である、態様11に記載のシステム。
〔態様14〕
前記積極的な車線変更操作は、前記第1目標間隔のサイズが標準的な車線変更に対する所定サイズより小さいときに、前記移動体を前記第1目標間隔内へと安全に操作する段階を含む、態様13に記載のシステム。
〔態様15〕
前記代替的な車線変更操作は、前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第2の対の近傍移動体同士の間の第2目標間隔を特定する段階を含み、前記第1の対の近傍移動体は前記第2の対の近傍移動体と異なる、態様11に記載のシステム。
〔態様16〕
前記第2目標間隔は、前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する前記走行車線の前記走行方向における前記第1目標間隔の前方に配置される、態様15に記載のシステム。
〔態様17〕
前記代替的な車線変更操作は、
前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線における大型の移動体を特定する段階であって、前記第2目標間隔は前記大型の移動体の前方に配置されるという段階と、
前記現在走行車線において前記大型の移動体を追い越す段階と、
を有する、態様16に記載のシステム。
〔態様18〕
前記代替的な車線変更操作は、
前記自律移動体の前記現在走行車線に隣接する走行車線における低速移動体を特定する段階であって、前記第2目標間隔は前記大型の移動体の前方に配置されるという段階と、
前記現在走行車線において前記低速移動体を追い越す段階と、
を有する、態様16に記載のシステム。
〔態様19〕
自律移動体のために走行車線を変更するコンピュータ・プログラム製品であって、該コンピュータ・プログラム製品は、
コンピュータ可読記憶媒体であって、
自律移動体の外部環境において到来する物体を検出する段階と、
前記自律移動体の現在走行車線に隣接する走行車線に配置された第1の対の近傍移動体同士の間の第1目標間隔を特定する段階と、
前記第1目標間隔のサイズが容認可能であるか容認不能であるかを決定する段階と、
前記第1目標間隔のサイズが容認不能であるとの決定に応じ、前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する段階と、
前記自律移動体に前記代替的な車線変更操作を実施せしめる段階と、
を有する方法を実施すべくプロセッサにより実行可能なプログラム・コードが自身内に具現された、というコンピュータ可読記憶媒体を備える、
コンピュータ・プログラム製品。
〔態様20〕
前記自律移動体のための代替的な車線変更操作を決定する前記段階は、少なくとも部分的に、前記自律移動体と車線変更トリガ事象との間の距離に基づき、代替的な車線変更操作を決定する段階を含む、態様19に記載のコンピュータ・プログラム製品。