(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】口座管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220331BHJP
G06Q 20/08 20120101ALI20220331BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q20/08
(21)【出願番号】P 2020094040
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】谷 晋一
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-117079(JP,A)
【文献】特開2005-107853(JP,A)
【文献】特開平11-154194(JP,A)
【文献】特開2004-127029(JP,A)
【文献】特開2016-126499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の従業員の預金が集約された企業口座における前記複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報に基づいて計算された利息額を含む利息情報と、前記利息額または前記出金額を含む入金依頼情報と、を生成する明細情報処理部と、
前記利息情報を前記企業口座を有する金融機関の金融機関サーバに送信し、前記入金依頼情報を前記複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する送信部と、を含む口座管理システム。
【請求項2】
複数の従業員の預金が集約された企業口座における前記複数の従業員の各々の残高に基づいて利息相当額を計算し、前記利息相当額を含む利息相当額情報を生成する利息相当額処理部と、
前記利息相当額情報を前記企業口座を有する金融機関の金融機関サーバおよび前記複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する送信部と、を含む口座管理システム。
【請求項3】
さらに、前記企業口座を、前記複数の従業員の預金の各々の残高を含む企業口座データベースを管理するデータベース処理部を含む請求項
1または請求項
2に記載の口座管理システム。
【請求項4】
前記企業口座への入金は、特別目的会社の口座からの振込処理によって行われる請求項
1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の口座管理システム。
【請求項5】
前記企業口座からの前記従業員の出金は、前記従業員の口座への振込処理によって行われる請求項
1乃至請求項
4のいずれか一項に記載の口座管理システム。
【請求項6】
サーバのコンピュータで実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
複数の従業員の預金が集約された企業口座における前記複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報に基づいて計算された利息額を含む利息情報と、前記利息額または前記出金額を含む入金依頼情報と、を生成させ、
前記利息情報を前記企業口座を有する金融機関の金融機関サーバに送信させ、
前記入金依頼情報を前記複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信させるプログラム。
【請求項7】
サーバのコンピュータで実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
複数の従業員の預金が集約された企業口座における前記複数の従業員の各々の残高に基づいて利息相当額を計算させ、
前記利息相当額を含む利息相当額情報を生成させ、
前記利息相当額情報を前記企業口座を有する金融機関の金融機関サーバおよび前記複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信させるプログラム。
【請求項8】
前記企業口座は、前記複数の従業員の預金の各々の残高を含む企業口座データベースとして管理される請求項
6または請求項
7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記企業口座への入金は、特別目的会社の口座からの振込処理によって行われる請求項
6乃至請求項
8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記企業口座からの前記従業員の出金は、前記従業員の口座への振込処理によって行われる請求項
6乃至請求項
9のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座管理システム、口座管理方法、ならびに口座管理システムおよび口座理方法で使用するプログラムに関する。例えば、本発明は、企業の社内預金制度で利用され、従業員の預金が一括して管理される口座の口座管理システム、口座管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常よりも金利が高く設定されている社内預金制度は、企業の福利厚生の一つとして魅力的な制度である。一般的に、社内預金制度において、企業の従業員は、給与からの天引きによって定期的に預金(社内預金)をすることができる。また、企業においても、社内預金制度は資金調達手段の一つとして利用することができるため、従業員に積極的に社内預金制度を利用してもらうことが好ましい。
【0003】
しかしながら、多くの従業員は、給与振込口座を生活費のメインの口座としており、社内預金口座は、あくまで余剰資金の範囲内での積立金として利用されるにとどまっていた。そのため、社内預金制度は、従業員にとって金利が高いという利点があるものの、その預金額は決して多くなく、企業、特に従業員の少ない企業にとっては資金調達手段としては利用しにくいものであった。
【0004】
社内預金制度を活性化するためには、従業員の利便性を向上させることが重要である。例えば、特許文献1では、従業員の口座の過去の入出金取引の実績に基づき、将来の残高を予測し、その予測された残高に基づいて口座への入金額を設定することで、社内預金への預金額を必要以上に制限することを回避している。また、口座の残高不足が予測されたときは、社内預金の口座から従業員の口座への資金の振込処理を自動的に行うようにする。これらの方法により、従業員は、口座の引き落とし不能などの事態を回避することができるため、特許文献1では、社内預金制度の利便性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1は、あくまでも従業員の口座の残高を予測しているに過ぎないため、従業員の急な出費に対応することはできない。また、社内預金口座からの出金手続きは、企業による複雑な事務手続きを介して行われることが一般的であり、社内預金を通じて従業員の急な出費に対応することは難しかった。社内預金口座からの出金手続きが企業を介して行われる一つの理由として、従業員の社内預金の利息計算がある。社内預金の利息計算は、企業ごとに異なるのはもちろんのこと、従業員の社内預金の残高も異なるため、企業は、従業員による社内預金からの出金状況を把握する必要があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、従業員の社内預金からの出金手続きの簡素化を図り、企業による社内預金の事務手続きの負担を軽減することを目的の一つとする。また、本発明は、企業の社内預金に関する会計処理の合理化を図ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報を生成する明細情報生成部と、明細情報を提供された企業によって生成された利息情報に基づいて、複数の従業員の各々の残高を含む企業口座データベースを管理するデータベース処理部と、を含む。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報に基づいて計算された利息額を含む利息情報と、利息額または出金額を含む入金依頼情報と、を生成する明細情報処理部と、利息情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバに送信し、入金依頼情報を複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する送信部と、を含む。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る口座管理システムは、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高に基づいて利息相当額を計算し、利息相当額を含む利息相当額情報を生成する利息相当額処理部と、利息相当額情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバおよび複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する送信部と、を含む。
【0011】
さらに、企業口座を、複数の従業員の預金の各々の残高を含む企業口座データベースを管理するデータベース処理部を含んでもよい。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る口座管理方法は、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報を生成し、
明細情報を提供された企業によって生成された利息情報に基づいて、複数の従業員の各々の残高を含む企業口座データベースを管理する。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る口座管理方法は、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報に基づいて計算された利息額を含む利息情報と、利息額または出金額を含む入金依頼情報と、を生成し、利息情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバに送信し、入金依頼情報を複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る口座管理方法は、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高に基づいて利息相当額を計算し、利息相当額を含む利息相当額情報を生成し、利息相当額情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバおよび複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信する。
【0015】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、サーバのコンピュータで実行されるプログラムであって、コンピュータに、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報を生成させ、明細情報を提供された企業によって生成された利息情報に基づいて、複数の従業員の各々の残高を含む企業口座データベースを管理させる。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、サーバのコンピュータで実行されるプログラムであって、コンピュータに、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高または出金額を含む明細情報に基づいて計算された利息額を含む利息情報と、利息額または出金額を含む入金依頼情報と、を生成させ、利息情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバに送信させ、入金依頼情報を複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信させる。
【0017】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、サーバのコンピュータで実行されるプログラムであって、コンピュータに、複数の従業員の預金が集約された企業口座における複数の従業員の各々の残高に基づいて利息相当額を計算させ、利息相当額を含む利息相当額情報を生成させ、利息相当額情報を企業口座を有する金融機関の金融機関サーバおよび複数の従業員を有する企業の企業サーバに送信させる。
【0018】
企業口座は、複数の従業員の預金の各々の残高を含む企業口座データベースとして管理されてもよい。
【0019】
企業口座への入金は、特別目的会社の口座からの振込処理によって行われてもよい。
【0020】
企業口座からの従業員の出金は、従業員の口座への振込処理によって行われてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の口座管理システムまたは口座管理方法によれば、従業員の社内預金からの出金手続きの簡素化が図られるとともに、企業による社内預金の事務手続きの負担が軽減される。また、本発明の口座管理システムまたは口座管理方法によれば、企業の社内預金に関する会計処理の合理化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの企業口座管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの企業口座管理サーバで生成される企業口座データベースの模式図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図4D】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの企業口座管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの企業口座管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの企業口座管理サーバで生成される企業口座データベースの模式図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図9C】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る口座管理システムのSPCサーバの構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る口座管理システムのSPCサーバで生成される企業口座データベースの模式図である。
【
図13A】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図13B】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図13C】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図13D】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図13E】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図13F】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る口座管理システムのSPCサーバの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る口座管理システムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。
【0024】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、「第3」、または「第4」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0025】
本明細書において、「金融機関」とは、金融取引に関する業務を行うことができるものをいう。「金融機関」としては、例えば、銀行、郵便局、保険会社、または証券会社などであるが、これらに限られない。
【0026】
本明細書において、「口座」とは、取引処理に用いられる資産の残高を特定することができるものをいう。「口座」としては、例えば、預金口座、貯金口座、信託口座、または証券口座などであるが、これらに限られない。
【0027】
本明細書において、「電文」とは、所定のフォーマットで記述され、金融機関間の送金処理または振込処理などにおいて必要となる情報が含まれたデータをいう。
【0028】
本明細書において、「特別目的会社」(Supecial Purpose Company:SPC)とは、金融機関によって、資産の流動化を目的として設立された会社をいう。なお、「特別目的会社」には、「特定目的会社」が含まれる。
【0029】
本明細書において、「ネットワーク」とは、複数のコンピュータを有線または無線によって接続し、相互に通信可能な状態にするシステムをいい、例えば、インターネットまたはイントラネットなどをいう。
【0030】
<第1実施形態>
図1~
図4を参照して、本発明の一実施態様に係る口座管理システム10について説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、口座管理システム10は、企業口座管理金融機関1100が管理する企業口座管理サーバ100を含む。また、口座管理システム10は、企業1200が管理する企業サーバ200を含んでいてもよい。さらに、口座管理システム10は、企業1200の第1の従業員1300-1、第2の従業員1300-2、・・・、第nの従業員1300-nがそれぞれ利用する第1の情報通信端末300-1、第2の情報通信端末300-2、・・・、第nの情報通信端末300-n、ならびに第1の従業員口座管理金融機関1400-1、第2の従業員口座管理金融機関1400-2、・・・、第nの従業員口座管理金融機関1400-nがそれぞれ管理する第1の従業員口座管理サーバ400-1、第2の従業員口座管理サーバ400-2、・・・、第nの従業員口座管理サーバ400-nを含んでいてもよい。
【0032】
なお、以下では、第1の従業員1300-1、第2の従業員1300-2、・・・、第nの従業員1300-nを特に区別しない場合には、1人または複数人の従業員1300として説明することがある。同様に、第1の情報通信端末300-1、第2の情報通信端末300-2、・・・、第nの情報通信端末300-nは、1つまたは複数の情報通信端末300として、第1の従業員口座管理金融機関1400-1、第2の従業員口座管理金融機関1400-2、・・・、第nの従業員口座管理金融機関1400-nは、1つまたは複数の従業員口座管理金融機関1400として、および第1の従業員口座管理サーバ400-1、第2の従業員口座管理サーバ400-2、・・・、第nの従業員口座管理サーバ400-nは、1つまたは複数の従業員口座管理サーバ400として説明することがある。
【0033】
企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW1を介して、企業サーバ200と通信接続することができる。また、企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW2を介して、情報通信端末300と通信接続することができる。さらに、企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW3を介して、従業員口座管理サーバ400と通信接続することができる。一方、企業サーバ200は、ネットワークNW4を介して、従業員口座管理サーバ400と通信接続することができる。
【0034】
企業口座管理サーバ100では、企業1200の従業員1300の預金を集約した企業口座1110の残高を管理し、企業口座1110への入金処理および出金処理を実行することができる。企業口座1110は、典型的には、企業1200の社内預金制度で利用される社内預金口座であるが、これに限られない。企業口座1110は、例えば、従業員1300の給与振込口座もしくは給与または経費のための仮払口座であってもよい。なお、企業口座1110は、企業1200名義の口座でなくてもよく、企業口座管理金融機関1100名義の口座であってもよい。
【0035】
図2を参照して、企業口座管理サーバ100の構成について説明する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の企業口座管理サーバ100の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、企業口座管理サーバ100は、通信部110、記憶部120、データベース処理部130、判定部140、電文生成部150、および明細情報生成部160を含む。
【0037】
企業口座管理サーバ100は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、演算手段として中央演算装置(CPU)および記憶手段としてランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。また、企業口座管理サーバ100は、通信インターフェースおよびストレージを含む。CPU、メモリ、ストレージ、および通信インターフェースは、お互いが通信バスによって電気的に接続されていてもよく、クラウドコンピューティングによって接続されていてもよい。なお、企業口座管理サーバ100は、1つのコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。
【0038】
通信部110は、例えば、通信インターフェースである。通信部110は、企業サーバ200から従業員情報、入金情報、および利息情報、ならびに情報通信端末300から出金情報を受信することができる。また、通信部110は、従業員口座管理サーバ400に電文、および企業サーバ200に明細情報を送信することができる。なお、従業員情報、入金情報、利息情報、出金情報、電文、および明細情報の詳細については、後述する。
【0039】
記憶部120は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。記憶部120は、企業口座データベース131を記憶することができる。また、記憶部120は、従業員情報、入金情報、利息情報、出金情報、電文、および明細情報を記憶することもできる。なお、企業口座データベース131の詳細については、後述する。
【0040】
データベース処理部130、判定部140、電文生成部150、および明細情報生成部160の各々は、CPUおよびRAMがプログラムを読み込むことによって機能し、処理を実行することができる。
【0041】
データベース処理部130は、従業員情報、入金情報、出金情報、および利息情報に基づき、企業口座データベース131を生成することができる。生成された企業口座データベース131は、記憶部120に記憶される。
【0042】
なお、企業口座データベース131を生成することには、既に生成された企業口座データベース131に、新たな情報を追加し、更新(書換)することを含むものとする。
【0043】
判定部140は、出金情報および企業口座データベース131に基づき、出金情報に含まれる出金額を企業口座1110から引き落とすことが可能であるか否かを判定することができる。
【0044】
電文生成部150は、判定部140によって出金情報に含まれる出金額を企業口座1110から引き落とすことが可能であると判定されたとき、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文を生成することができる。また、電文生成部150は、データベース処理部130によって、利息情報に基づく企業口座データベース131が生成されたとき、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文を生成することができる。生成された電文は、通信部110によって、従業員口座管理サーバ400に送信される。
【0045】
明細情報生成部160は、企業口座データベース131に基づいて、明細情報を生成することができる。生成された明細情報は、通信部110によって、企業サーバ200に送信される。
【0046】
再び、
図1に戻り、本実施形態に係る口座管理システム10の構成について説明する。
【0047】
従業員口座管理サーバ400は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。第1の従業員口座管理サーバ400-1、第2の従業員口座管理サーバ400-2、・・・、第nの従業員口座管理サーバ400-nでは、それぞれ、企業1200の第1の従業員1300-1の第1の従業員口座1410-1、第2の従業員1300-2の第2の従業員口座1410-2、・・・、第nの従業員1300-nの第nの従業員口座1410-nが管理される。なお、以下では、第1の従業員口座1410-1、第2の従業員口座1410-2、・・・、第nの従業員口座1410-nを特に区別しない場合には、従業員口座1410として説明することがある。
【0048】
第1の従業員口座管理金融機関1400-1、第2の従業員口座管理金融機関1400-2、・・・、第nの従業員口座管理金融機関1400-nの各々は、同じ金融機関であってもよく、異なる金融機関であってもよい。また、従業員口座管理金融機関1400は、企業口座管理金融機関1100と同じ金融機関であってもよく、異なる金融機関であってもよい。
【0049】
従業員口座1410は、例えば、企業1200の従業員1300の給与振込口座(給与または賞与の振込口座)である。そのため、従業員口座管理サーバ400は、企業1200からの給与振込情報に基づいて、従業員口座1410への所定の金額の振込処理を実行することができる。また、従業員口座管理サーバ400は、企業口座管理サーバ100から送信された電文を受信し、電文に基づいて、従業員口座1410への所定の金額の振込処理を実行することができる。したがって、従業員口座管理サーバ400は、従業員口座1410の残高を管理し、従業員口座1410への入金処理および出金処理を実行することができる。
【0050】
企業サーバ200は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。企業サーバ200は、従業員情報、入金情報、および利息情報を生成し、企業口座管理サーバ100に従業員情報、入金情報、および利息情報を送信することができる。また、企業サーバ200は、給与振込情報を生成し、従業員口座管理サーバ400に給与振込情報を送信することができる。
【0051】
情報通信端末300は、従業員1300が利用する、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどであり、ネットワークを介して情報を送信し、または受信することができる情報機器である。情報通信端末300は、出金情報を生成し、企業口座管理サーバ100に出金情報を送信することができる。
【0052】
なお、企業口座管理サーバ100に情報を送信することには、企業口座管理サーバ100にアクセスし、企業口座管理サーバ100上で実行される入力フォーマットプログラムに従って情報を入力することを含むものとする。
【0053】
続いて、上述した従業員情報、入金情報、出金情報、電文、企業口座データベース131、明細情報、および利息情報について説明する。ここでは、便宜上、本実施形態に係る口座管理システム10を社内預金制度に利用するものとして説明する。
【0054】
従業員情報は、従業員1300に関する情報であって、従業員1300および従業員1300の従業員口座1410を特定することができる情報を含む。従業員情報には、例えば、「従業員番号」または「従業員名」、および従業員口座1410として「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、または「口座名義」などが含まれるが、これらに限られない。
【0055】
入金情報は、企業口座1110への振込処理に関する情報である。例えば、入金情報は、企業口座1110へ入金する「入金額」だけなく、各従業員1300の社内預金に関する情報を含んでいてもよい。各従業員1300の社内預金に関する情報としては、例えば、「従業員番号」、「従業員名」、または従業員の給与から天引きされる「社内預金額」などが含まれるが、これらに限られない。「入金額」は、従業員1300の「社内預金額」の総額と同じ金額、それを超える金額、またはそれを超えない金額など、企業口座1110の残高または資金の運用などを考慮して決定される。
【0056】
出金情報は、企業口座111からの振込処理に関する情報である。例えば、出金情報は、「従業員番号」、「従業員名」、または企業口座1110から引き落される「出金額」などを含むが、これらに限られない。
【0057】
企業口座データベース131については、
図3を参照して説明する。
【0058】
図3は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の企業口座管理サーバ100で生成される企業口座データベース131の模式図である。
図3に示すように、企業口座データベース131は、従業員1300ごとに、従業員1300に関する情報が1つのレコードを形成するように構成されている。また、企業口座データベース131は、企業口座1110の実際の残高に関する「企業口座残高」を含む。企業口座データベース131の従業員1300のレコードの項目は、「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を含む。ただし、企業口座データベース131の従業員1300のレコードの項目は、これらに限られず、必要に応じて、増減することができる。
【0059】
企業口座データベース131の従業員1300のレコードの項目のうち、「従業員番号」、「従業員名」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」は、従業員情報から取得することができる。すなわち、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130は、従業員情報から「従業員番号」、「従業員名」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得し、企業口座データベース131の従業員1300のレコードを形成することができる。
【0060】
また、企業口座データベース131の従業員1300のレコードの項目のうち、「社内預金額」は、入金情報から取得することができる。すなわち、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130は、入金情報から「社内預金額」を取得し、企業口座データベース131の従業員1300のレコードを形成することができる。
【0061】
企業口座データベース131に、従業員1300のレコードが既に形成されている場合、変更が必要な項目のみを更新するように企業口座データベース131を生成してもよい。例えば、入金情報において、従業員1300の「社内預金額」が20,000円から30,000円に変更されている場合、入金情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131と照合し、企業口座データベース131における従業員1300の「社内預金額」の項目を20,000円から30,000円に更新することができる。
【0062】
また、企業口座データベース131のレコードの項目のうち、「出金日/出金額」の「出金額」は、出金情報から取得することができる。また、企業口座管理サーバ100の判定部140によって、企業口座1110から出金情報に含まれる金額を引き落とすことが可能であると判定されたとき、企業口座1110からの振込処理が実行される。換言すれば、企業口座管理サーバ100の電文生成部150によって、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文が生成される。そのため、データベース処理部130は、判定部140によって企業口座1110から出金情報に含まれる金額を引き落とすことが可能であると判定された日、電文生成部150によって従業員口座管理金融機関1400に送信する電文が生成された日、または通信部110によって電文が送信された日などを「出金日/出金額」の「出金日」として取得することができる。したがって、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130は、出金情報および判定部140の判定結果などから「出金日/出金額」を取得し、従業員1300のレコードを形成することができる。
【0063】
また、企業口座データベース131の「企業口座残高」は、入金情報の「入金額」および出金情報の「出金額」に基づき、生成される。具体的には、企業口座データベース131の「企業口座残高」に「入金額」を加え、または「出金額」を差し引いた金額を「企業口座残高」として更新する。また、「企業口座残高」は、利息情報の「利息額」に基づき、生成される。具体的には、企業口座データベース131の「企業口座残高」から、各従業員の「利息額」の総額を差し引いた金額を「企業口座残高」として更新する。
【0064】
電文は、企業口座1110から従業員口座1410への振込処理に関する情報であって、振込金額および従業員口座1410を特定することができる情報を含む。企業口座管理サーバ100の電文生成部150は、出金情報の「出金額」を取得するとともに、出金情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131と照合し、企業口座データベース131から一致する従業員1300の「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。また、電文生成部150は、取得した「出金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を用いて、振込処理に関する電文を生成する。
【0065】
明細情報は、従業員1300の社内預金の明細に関する情報であって、従業員1300、ならびに従業員1300ごとの社内預金の残高および出金明細を特定することができる情報を含む。明細情報は、例えば、「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、および「出金日/出金額」を含むが、これらに限られない。また、「従業員残高」および「出金日/出金額」は、1つの明細情報に含まれていてもよく、それぞれ別の明細情報に含まれていてもよい。すなわち、第1の明細情報が、「従業員番号」、「従業員名」、および「従業員残高」を含み、第2の明細情報が、「従業員番号」、「従業員名」、および「出金日/出金額」を含んでいてもよい。
【0066】
利息情報は、従業員1300の社内預金の利息に関する情報であって、従業員1300および従業員1300ごとの社内預金の利息額を特定することができる情報を含む。利息情報は、例えば、「従業員番号」、「従業員名」、および「利息額」が含まれるが、これらに限られない。
【0067】
さらに、
図4A~
図4Dを参照して、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の処理について説明する。
【0068】
図4A~
図4Dは、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10の処理を示すフローチャートである。
【0069】
図4Aに示すステップS101~ステップS103の処理は、企業口座管理金融機関1100における企業口座1110を管理するための登録処理である。すなわち、ステップS101~ステップS103によって、企業口座データベース131が生成される。企業口座金融機関1100または企業1200は、企業口座データベース131を利用して、企業口座1110を管理することができる。
【0070】
ステップS101は、企業サーバ200が、ネットワークNW1を介して、企業口座管理サーバ100に従業員情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が従業員情報を受信する処理である。
【0071】
ステップS102は、企業サーバ200が、ネットワークNW1を介して、企業口座管理サーバ100に入金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が入金情報を受信する処理である。
【0072】
ステップS103は、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、従業員情報および入金情報に基づいて、企業口座データベース131を生成する処理である。具体的には、データベース処理部130は、従業員情報から「従業員番号」、「従業員名」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。また、データベース処理部130は、入金情報から「社内預金額」を取得する。企業口座データベース131が生成されていない場合には、データベース処理部130は、取得した「従業員番号」、「従業員名」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、「口座名義」、および「社内預金額」に基づいて、企業口座データベース131を生成する。この場合、「社内預金額」に基づいて、「従業員残高」が生成される。すなわち、「従業員残高」に「社内預金額」が入金される。一方、既に企業口座データベース131が生成されている場合には、データベース処理部130は、「従業員残高」に「社内預金額」を加えた金額を「従業員残高」として更新する。企業口座データベース131は、記憶部120に記憶される。
【0073】
また、データベース処理部130は、企業口座データベース131の「企業口座残高」を生成する。すなわち、「企業口座残高」に「入金額」が入金される。一方、既に企業口座データベース131が生成されている場合には、データベース処理部130は、「企業口座残高」に「入金額」を加えた金額を「企業口座残高」として更新する。
【0074】
図4Bに示すステップS104~ステップS108は、社内預金の引落処理である。従業員1300は、情報通信端末300を利用し、所定の金額(「出金額」)を、企業口座1110から引き落とし、従業員口座1410を通じて受け取ることができる。
【0075】
ステップS104は、情報通信端末300が、ネットワークNW2を介して、企業口座管理サーバ100に出金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が出金情報を受信する処理である。
【0076】
ステップS105は、企業口座管理サーバ100の判定部140が、出金情報と企業口座データベース131に基づき、出金情報に含まれる出金額を企業口座1110から引き落とすことが可能であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定部140は、出金情報の「出金額」と企業口座データベース131の「企業口座残高」とを比較し、出金情報の「出金額」が企業口座データベース131の「企業口座残高」以下である場合には、企業口座1110から「出金額」を引き落とすことが可能であると判定する。また、判定部140は、出金情報の「出金額」と、企業口座データベース131において、出金情報の「従業員番号」または「従業員名」に対応する従業員1300の「従業員残高」とを比較し、出金情報の「出金額」が企業口座データベース131の「従業員残高」以下である場合に、企業口座1110から「出金額」を引き落とすことが可能であると判定することもできる。さらに、判定部140は、従業員1300ごとに、企業口座1110から引き落とし可能な最大出金額を設定し、最大出金額に基づいて判定することもできる。例えば、判定部140は、出金情報の「出金額」と、企業口座データベース131において、出金情報の「従業員番号」または「従業員名」に対応する従業員1300の「従業員残高」に「社内預金額」を加えた金額(最大出金額と設定する)とを比較し、「出金額」が最大出金額以下である場合に、、企業口座1110から「出金額」を引き落とすことが可能であると判定することもできる。
【0077】
ステップS106は、企業口座1110から出金情報の「出金額」を引き落とすことが可能であると判定されたときに、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、従業員情報および出金情報に基づいて、企業口座データベース131を生成する処理である。具体的には、データベース処理部130は、出金情報から「出金額」を取得するとともに、出金情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131と照合し、企業口座データベース131から一致する従業員1300の「従業員残高」を取得する。また、データベース処理部130は、「従業員残高」から「出金額」を差し引いた金額を「従業員残高」として更新する。また、データベース処理部130は、従業員1300のレコードの「出金日/出金額」を生成する。さらに、データベース処理部130は、「企業口座残高」から「出金額」を差し引いた金額を「企業口座残高」として更新する。
【0078】
ステップS107は、企業口座1110から出金情報の「出金額」を引き落とすことが可能であると判定されたときに、企業口座管理サーバ100の電文生成部150が、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文を生成する処理である。具体的には、電文生成部150は、出金情報の「出金額」を取得するとともに、出金情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131と照合し、企業口座データベース131から対応する従業員1300の「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。また、電文生成部150は、取得した「出金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を用いて、振込処理に関する電文を生成する。
【0079】
ステップS108は、企業口座管理サーバ100の通信部110が、ネットワークNW3を介して、従業員口座管理サーバ400に電文を送信する処理である。電文を受信した従業員口座管理サーバ400は、電文に基づいて、従業員口座1410への振込処理を実行する。すなわち、従業員口座1410には、出金情報に含まれる「出金額」に相当する金額が振り込まれる。
【0080】
図4Cに示すステップS109およびステップS110は、企業口座1110の残高ならびに従業員ごとの社内預金の残高および出金明細を含む明細情報の提供処理である。
【0081】
ステップS109は、企業口座管理サーバ100の明細情報生成部160が、企業口座データベース131に基づき、明細情報を生成する処理である。具体的には、明細情報生成部160は、企業口座データベース131から企業口座1110の「企業口座残高」、ならびに従業員1300ごとの「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、または「出金日/出金額」を取得し、「企業口座残高」、「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、または「出金日/出金額」を含む明細情報を生成する。なお、明細情報は、企業口座データベース131の一部であるため、明細情報が生成されない場合もある。
【0082】
ステップS110は、企業口座管理サーバ100の通信部110が、ネットワークNW1を介して、企業サーバ200に明細情報を送信し、企業サーバ200が明細情報を受信する処理である。なお、明細情報を生成しない場合には、ステップS110は、通信部110が、ネットワークNW1を介して、企業サーバ200に企業口座データベース131を送信する処理であってもよい。
【0083】
ステップS110によって、企業1200には、明細情報または企業口座データベース131が提供される。したがって、企業1200は、明細情報または企業口座データベース131に基づいて、従業員1300ごとに、社内預金の利息を計算し、従業員1300ごとの社内預金の「利息額」を含む利息情報を生成することができる。なお、社内預金の利息の計算は、企業サーバ200で処理してもよい。
【0084】
また、明細情報または企業口座データベース131において、従業員1300の「出金額」が「従業員残高」を超えている場合には、企業1200は、その差額を従業員1300の給与から天引きしてもよい。
【0085】
図4Dに示すステップS111~ステップS114は、社内預金の利息処理である。従業員1300は、社内預金の利息を、従業員口座1410を通じて受け取ることができる。
【0086】
ステップS111は、企業サーバ200が、ネットワークNW2を介して、企業口座管理サーバ100に利息情報を送信し、企業口座管理サーバの通信部110が利息情報を受信する処理である。なお、社内預金の利息の支払いによって企業口座1110の残高が不足すると判断される場合には、企業1200は、入金情報を生成し、利息情報と併せて入金情報を送信してもよい。
【0087】
ステップS112は、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、利息情報に基づいて、企業口座データベース131を生成する処理である。具体的には、データベース処理部130は、企業口座管理データベース131の「企業口座残高」から利息情報の「利息額」の総額を差し引いた金額を「企業口座残高」として更新する。
【0088】
ステップS113は、企業口座管理サーバ100の電文生成部150が、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文を生成する処理である。具体的には、電文生成部150は、利息情報の「利息額」を取得するとともに、利息情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131と照合し、企業口座データベース131から対応する従業員1300の「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。また、電文生成部150は、取得した「利息額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を用いて、振込処理に関する電文を生成する。
【0089】
ステップS114は、企業口座管理サーバ100の通信部110が、ネットワークNW3を介して、従業員口座管理サーバ400に電文を送信する処理である。電文を受信した従業員口座管理サーバ400は、電文に基づいて、従業員口座1410への振込処理を実行する。すなわち、従業員口座1410には、利息情報に含まれる「利息額」に相当する金額が振り込まれる。
【0090】
以上、本実施形態に係る口座管理システム10によれば、従業員1300は、企業1200に申請することなく、社内預金から所定の金額を引き出すことができる。換言すれば、従業員1300は、時間と場所を選ぶことなく、情報通信端末300から企業口座管理サーバ100にアクセスすることができ、簡便な方法で社内預金から所定の金額を引き出すことができる。また、企業1200には、明細情報または企業口座データベースが提供されるため、明細情報または企業口座データベースに基づいて利息計算を行い、社内預金の利息額を従業員1300の従業員口座1410に振り込むことができる。そのため、企業1200は、企業口座1110の管理における事務手続きまたは会計処理の点で合理化を図ることができる。
【0091】
<変形例1>
図5および
図6を参照して、本実施形態に係る口座管理システム10の変形例である口座管理システム10Aについて説明する。なお、口座管理システム10Aの説明において、口座管理システム10と同様の構成については説明を省略し、主に、口座管理システム10と異なる構成について説明する場合がある。
【0092】
図5は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10Aの企業口座管理サーバ100Aの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、企業口座管理サーバ100Aは、通信部110、記憶部120、データベース処理部130A、判定部140、電文生成部150、および明細情報生成部160を含む。
【0093】
データベース処理部130Aは、従業員情報、入金情報、出金情報、および利息情報に基づき、企業口座データベース131Aを生成することができる。生成された企業口座データベース131Aは、記憶部120に記憶される。
【0094】
図6は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10Aの処理を示すフローチャートである。口座管理システム10Aの処理において、ステップS101~ステップS111は、口座管理システム10の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0095】
図6に示すステップS111およびステップS112Aは、社内預金の利息処理である。従業員1300は、社内預金の利息を、企業口座1110を通じて受け取ることができる。
【0096】
ステップS112Aは、企業口座管理サーバ100Aのデータベース処理部130Aが、利息情報に基づいて、企業口座データベース131Aを生成する処理である。具体的には、データベース処理部130Aは、利息情報の「従業員番号」または「従業員名」を企業口座データベース131Aと照合し、一致した従業員1300の「従業員残高」に利息情報の「利息額」を加えた企業口座データベース131Aを生成する。すなわち、企業口座データベース131Aの「従業員残高」が「利息額」を加えた金額に更新される。したがって、口座管理システム10Aにおいては、企業口座1110に、従業員の社内預金ごとに利息を振り込むことができる。
【0097】
以上、本変形例に係る口座管理システム10Aによれば、実質的には、社内預金の利息の支払いによる「企業口座残高」の減少がない。そのため、企業1200は、社内預金の資金を運用し、活用しやすくなる。また、従業員1300は、社内預金からより多くの金額を引き出すことができるようになる。さらに、従業員1300は、社内預金と社内預金の利息を、企業口座1110で一括して管理することができる。
【0098】
<変形例2>
図7~
図9Cを参照して、本実施形態に係る口座管理システム10の別の変形例である口座管理システム10Bについて説明する。なお、口座管理システム10Bの説明において、口座管理システム10と同様の構成については説明を省略し、主に、口座管理システム10と異なる構成について説明する場合がある。
【0099】
図7は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10Bの企業口座管理サーバ100Bの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、企業口座管理サーバ100Bは、通信部110、記憶部120、データベース処理部130B、判定部140B、電文生成部150、および明細情報生成部160Bを含む。
【0100】
データベース処理部130Bは、従業員情報、入金情報、出金情報、および利息情報に基づき、企業口座データベース131Bを生成することができる。生成された企業口座データベース131Bは、記憶部120に記憶される。
【0101】
口座管理システム10Bでは、出金情報の中に、社内預金から引き出すための「出金額」の他に、給与の仮払いや経費などの「仮払額」を含むことができる。そのため、判定部140Bは、出金情報および企業口座データベース131に基づき、出金情報に含まれる「出金額」を企業口座1110から引き落とすことが可能であるか否かを判定するとともに、出金情報に含まれる「仮払額」を企業口座1110から引き落とすことが可能であるか否かも判定することができる。
【0102】
図8は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10Bの企業口座管理サーバ100Bで生成される企業口座データベース131Bの模式図である。
図8に示すように、企業口座データベース131Bは、従業員1300ごとに、従業員1300に関する情報が1つのレコードを形成するように構成されている。また、企業口座データベース131Bは、企業口座1110の残高に関する「企業口座残高」を含む。企業口座データベース131Bの従業員1300のレコードの項目は、「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、「仮払日/仮払額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を含む。ただし、企業口座データベース131Bの従業員1300のレコードの項目は、これらに限られず、必要に応じて、増減することができる。
【0103】
企業口座データベース131Bのレコードの項目のうち、「仮払日/仮払額」の「仮払額」は、出金情報から取得することができる。また、企業口座管理サーバ100Bの判定部140Bによって、企業口座1110から出金情報に含まれる「仮払額」を引き落とすことが可能であると判定されたとき、企業口座1110からの振込処理が実行される。換言すれば、企業口座管理サーバ100の電文生成部150によって、従業員口座管理金融機関1400に送信する電文が生成される。そのため、データベース処理部130Bは、判定部140Bによって企業口座1110から出金情報に含まれる「仮払額」を引き落とすことが可能であると判定された日、電文生成部150によって従業員口座管理機関1400に送信する電文が生成された日、または通信部110によって電文が送信された日などを「仮払日/仮払額」の「仮払日」として取得することができる。したがって、企業口座管理サーバ100Bのデータベース処理部130Bは、出金情報および判定部140Bの判定結果などから「仮払日/仮払額」を取得し、従業員1300のレコードを形成することができる。
【0104】
図9A~
図9Cは、本発明の一実施形態に係る口座管理システム10Bの処理を示すフローチャートである。口座管理システム10Bの処理において、ステップS101、ステップS102、ステップS104、ステップS107、ステップS108、およびステップS110~ステップS114は、口座管理システム10の処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0105】
図9Aに示すステップS101~S103Bは、企業口座管理金融機関1100における企業口座1110を管理するための登録処理である。すなわち、ステップS101~ステップS103によって、企業口座データベース131Bが生成される。企業口座金融機関1100または企業1200は、企業口座データベース131Bを利用して、企業口座1110を管理することができる。
【0106】
ステップS103Bは、企業口座管理サーバ100Bのデータベース処理部130Bが、従業員情報および入金情報に基づいて、企業口座データベース131Bを生成する処理である。
図8に示したように、データベース処理部130Bは、企業口座データベース131Bとして、従業員ごとに「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」、ならびに「企業口座残高」を生成するが、さらに、従業員ごとに「仮払日/仮払額」を生成する。
【0107】
図9Bに示すステップS104~S108は、社内預金の引落処理である。従業員1300は、情報通信端末300を利用し、所定の金額(「出金額」)を、企業口座1110から引き落とし、従業員口座1410を通じて受け取ることができる。
【0108】
ステップS105Bは、企業口座管理サーバ100の判定部140Bが、第1の判定として、出金情報が仮払いであるか否かを判定し、第2の判定として、出金情報と企業口座データベース131Bに基づき、出金情報に含まれる出金額を企業口座1110から引き落とすことが可能であるか否かを判定する処理である。第1の判定において、出金情報が仮払いと判定された場合、従業員1300による出金は社内預金とは関係のない、例えば、会社の経費などによる出金と考えることができる。そのため、第1の判定結果が仮払いである場合、判定部140Bは、第2の判定として、出金情報の「出金額」と企業口座データベース131Bの「企業口座残高」とを比較し、出金情報の「出金額」が企業口座データベース131Bの「企業口座残高」以下である場合には、企業口座1110から「出金額」を引き落とすことが可能であると判定する。また、判定部140Bは、出金情報の「出金額」と企業口座1110から引き落とし可能な最大出金額とを比較し、「出金額」が最大出金額以下である場合に、、企業口座1110から「出金額」を引き落とすことが可能であると判定することもできる。なお、第1の判定結果が仮払いでない場合は、第2の判定において、ステップS105と同様の処理が行われる。
【0109】
ステップS106Bは、第1の判定結果が仮払いであり、第2の判定結果が企業口座1110から出金情報の「出金額」を引き落とすことが可能であると判定されたときに、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130Bが、出金情報に基づいて、企業口座データベース131Bを生成する処理である。具体的には、データベース処理部130Bは、出金情報から「出金額」を取得し、とともに、「企業口座残高」から「出金額」を差し引いた金額を「企業口座残高」として更新する。また、データベース処理部130Bは、従業員1300のレコードの「仮払日/仮払額」を生成する。一方、第1の判定結果が仮払いでなく、第2の判定結果が企業口座1110から出金情報の「出金額」を引き落とすことが可能であると判定されたときには、ステップS106と同様の処理が行われる。
【0110】
図9Cに示すステップS109BおよびステップS110は、企業口座1110の残高ならびに従業員ごとの社内預金の残高および出金明細を含む明細情報の提供処理である。
【0111】
ステップS109Bは、企業口座管理サーバ100Bの明細情報生成部160Bが、企業口座データベース131Bに基づき、明細情報を生成する処理である。具体的には、明細情報生成部160Bは、企業口座データベース131Bから企業口座1110の「企業口座残高」、ならびに従業員1300ごとの「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、または「仮払日/仮払額」を取得し、「企業口座残高」、「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、または「仮払日/仮払額」を含む明細情報を生成する。なお、明細情報は、企業口座データベース131Bの一部であるため、明細情報が生成されない場合もある。
【0112】
ステップS110によって、企業1200には、明細情報または企業口座データベース131Bが提供される。したがって、企業1200は、明細情報または企業口座データベース131Bに基づいて、従業員1300からの出金が仮払いである場合には、従業員1300の従業員口座1310に「仮払額」を振り込むことができる。
【0113】
以上、本変形例に係る口座管理システム10Bによれば、従業員1300の急な出費に対して、企業口座1110を利用して対応することができる。すなわち、従業員1300は、必要なときに情報通信端末300から企業口座管理サーバ100にアクセスし、簡便な方法で必要な金額を受け取ることができる。企業1200においても、ネットワークを通じて仮払いを行うことができるため、事務作業の負荷を軽減することができる。
【0114】
<第2実施形態>
図10~
図13を参照して、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20について説明する。なお、口座管理システム20の説明において、口座管理システム10と同様の構成については説明を省略し、主に、口座管理システム10と異なる構成について説明する場合がある。
【0115】
図10は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、口座管理システム20は、企業口座管理金融機関1100が管理する企業口座管理サーバ100および特別目的会社(SPC)1500が管理するSPCサーバ500を含む。また、口座管理システム20は、企業1200が管理する企業サーバ200を含んでいてもよい。さらに、口座管理システム10は、企業1200の従業員1300が利用する情報端末300または従業員口座管理金融機関1400が管理する従業員口座管理サーバ400を含んでいてもよい。
【0116】
企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW5を介して、SPCサーバ500と通信接続することができる。また、企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW2を介して、情報通信端末300と通信接続することができる。さらに、企業口座管理サーバ100は、ネットワークNW3を介して、従業員口座管理サーバ400と通信接続することができる。一方、企業サーバ200は、ネットワークNW1を介して、SPCサーバ500と通信接続することができる。また、企業サーバ200は、ネットワークNW4を介して、従業員口座管理サーバ400と通信接続することができる。
【0117】
図11は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20のSPCサーバ500の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、SPCサーバ500は、通信部510、記憶部520、データベース処理部530、および明細情報処理部540を含む。
【0118】
SPCサーバ500は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。
【0119】
通信部510は、例えば、通信インターフェースである。通信部110は、企業口座管理サーバ100および企業サーバ200と通信接続することができる。
【0120】
記憶部520は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)などのメモリまたはストレージである。記憶部520は、企業口座データベース531を記憶することができる。また、記憶部120は、従業員情報、明細情報、および利息情報を記憶することもできる。なお、企業口座データベース531の詳細については、後述する。
【0121】
データベース処理部530および明細情報処理部540の各々は、CPUおよびRAMがプログラムを読み込むことによって機能し、処理を実行することができる。
【0122】
データベース処理部530は、従業員情報、入金情報、および明細情報に基づき、企業口座データベース531を生成することができる。生成された企業口座データベース531は、記憶部520に記憶される。また、データベース処理部530は、企業口座データベース531を利用して、社内預金の利息額を計算し、利息情報を生成することができる。さらに、データベース処理部530は、企業口座データベース531を利用して、入金依頼情報を生成することができる。
【0123】
明細情報処理部540は、明細情報に基づき、従業員1300の社内預金の利息額を計算をし、利息情報を生成することができる。また、明細情報処理部540は、明細情報または計算された利息額に基づき、入金依頼情報を生成することができる。
【0124】
図12は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20のSPCサーバ500で生成される企業口座データベース531の模式図である。
図12に示すように、企業口座データベース531は、従業員1300のレコードの項目として、「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「従業員残高」、「出金日/出金額」、「利息額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を含む。ただし、企業口座データベース131のレコードの項目は、これらに限られず、必要に応じて、増減することができる。また、企業口座データベース531は、実際の企業口座1110の残高に関する「企業口座残高」、「従業員残高」の総額である「従業員残高合計」、「出金額」の総額である「出金額合計」、および「利息額」の総額である「利息額合計」を含む。ただし、企業口座データベース531の項目は、これらに限られず、必要に応じて、増減することができる。
【0125】
口座管理システム20では、SPCサーバ500によって、従業員1300ごとの「利息額」を管理することができる。すなわち、口座管理システム20では、特別目的会社1500が、企業1300の社内預金の会計処理を行う。そのため、企業口座1110の会計処理における企業1200の負担が軽減される。
【0126】
図13を参照して、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20の処理について説明する。
【0127】
図13A~
図13Fは、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20の処理を示すフローチャートである。
【0128】
図13Aに示すステップS201およびステップS202は、SPC1500における企業口座1110の管理のための登録処理である。すなわち、ステップS201およびステップS202によって、企業口座データベース531が生成される。SPC1500は、企業口座データベース531を利用して、企業口座管理金融機関1100の企業口座1110を管理することができる。
【0129】
ステップS201は、企業サーバ200が、ネットワークNW1を介して、SPCサーバ500に従業員情報を送信し、SPCサーバ500の通信部510が従業員情報を受信する処理である。ここでの従業員情報は、従業員1300ごとの「社内預金額」を含む。
【0130】
ステップS202は、SPCサーバ500のデータベース処理部530が、従業員情報に基づいて、企業口座データベース531を生成する処理である。具体的には、データベース処理部530は、従業員情報から「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。企業口座データベース531が生成されていない場合には、データベース処理部530は、取得した「従業員番号」、「従業員名」、「社内預金額」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」に基づいて、企業口座データベース531を生成する。
【0131】
図13Bに示すステップS203およびステップS204は、企業口座管理金融機関1100における企業口座1110の登録処理である。すなわち、ステップS203およびステップS204によって、企業口座データベース131が生成される。企業口座管理金融機関1100は、企業口座データベース131を利用して、企業口座1110の口座取引処理を実行することができる。
【0132】
ステップS203は、SPCサーバ500が、ネットワークNW5を介して、企業口座管理サーバ100に従業員情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が従業員情報を受信する処理である。
【0133】
ステップS204は、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、従業員情報に基づいて、企業口座データベース131を生成する処理である。具体的には、データベース処理部130は、従業員情報から「従業員番号」、「従業員名」、「振込金融機関名」、「支店名」、「預金種別」、「口座番号」、および「口座名義」を取得する。企業口座データベース131は、記憶部120に記憶される。
【0134】
図13Cに示すステップS205~ステップS208は、企業口座1110の社内預金処理である。
【0135】
ステップS205は、企業サーバ200が、ネットワークNW4を介して、企業口座管理サーバ100に企業入金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が企業入金情報を受信する処理である。企業入金情報は、SPC口座1510への従業員1300の社内預金額の総額の振込処理に関する情報を含む。したがって、ステップS205の処理により、従業員1300の社内預金額の総額が、SPC口座1510に振り込まれる。
【0136】
ステップS206は、SPCサーバ500のデータベース処理部530が、企業口座データベース531を更新する処理である。具体的には、データベース処理部530は、企業口座データベース531の「社内預金額」を取得し、「従業員残高」に「社内預金額」を加えた金額を「従業員残高」として更新する。また、データベース処理部530は、「従業員残高」の総額を「従業員残高合計」として更新する。企業口座データベース531は、記憶部520に記憶される。さらに、データベース生成部は530は、SPC入金情報を生成する。SPC入金情報は、SPC口座1510から企業口座1110への振込処理に関する情報、および従業員1300の社内預金の入金処理に関する情報を含む。なお、ステップS206による処理は、定期的に実行されることが好ましいが、SPC口座1510への振込処理をトリガーとして実行されてもよい。
【0137】
ステップS207は、SPCサーバ500の通信部510が、ネットワークNW5を介して、企業口座管理サーバ100にSPC入金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110がSPC入金情報を受信する処理である。
【0138】
ステップS208は、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、SPC入金情報に基づいて、企業口座データベース131を生成する処理である。具体的には、データベース処理部130は、SPC入金情報から「入金額」を取得し、企業口座データベース131の「企業口座残高」に「入金額」を加えた金額を「企業口座残高」として更新する。また、SPC入金情報の「従業員番号」または「従業員名」、および「社内預金額」を取得し、企業口座データベース131の対応する「従業員番号」または「従業員名」の「従業員残高」に「社内預金額」を加えた金額を「従業員残高」として更新する。すなわち、「従業員残高」に「社内預金額」が入金される。企業口座データベース131は、記憶部120に記憶される。
【0139】
図13Dに示すステップS209~ステップS213は、企業口座1110から従業員口座1410への振込処理である。すなわち、従業員1300は、社内預金から所定の金額(「出金額」)を引き出し、従業員口座1410を通じて出金額を受け取ることができる。
【0140】
ステップS209~ステップS213は、第1実施形態で説明したステップS104~ステップS108と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0141】
図13Eに示すステップS214~ステップS218は、企業口座1110の利息処理である。
【0142】
ステップS214は、企業口座管理サーバ100の明細情報生成部160が、企業口座データベース131に基づき、明細情報を生成する処理である。具体的には、明細情報生成部160は、企業口座1110の「企業口座残高」、ならびに従業員1300ごとに、企業口座データベース131の「従業員番号」、「従業員名」、「従業員残高」、または「出金日/出金額」を取得して明細情報を生成する。
【0143】
ステップS215は、企業口座管理サーバ100の通信部110が、ネットワークNW5を介して、SPCサーバ500に明細情報を送信し、SPCサーバ500の通信部510が明細情報を受信する処理である。
【0144】
ステップS216は、SPCサーバ500の明細情報処理部540が、明細情報に基づき、従業員1300の社内預金の利息額を計算し、利息情報を生成する処理である。具体的には、明細情報処理部540は、明細情報の「従業員残高」または「出金日/出金額」、および社内預金の金利に基づき、従業員1300の社内預金の利息額を計算する。利息額の計算は、日割り計算であってもよく、月割り計算であってもよい。なお、計算された利息額は、企業口座データベース531の「利息額」として記憶される。さらに、明細情報処理部540は、明細情報から「従業員番号」および「従業員名」を取得し、「従業員番号」および「従業員名」、ならびに計算された「利息額」を含む利息情報を生成する。
【0145】
また、ステップS216では、明細情報処理部540は、明細情報に基づき、企業1200に利息額および出金額に相当する金額の入金を依頼するための入金依頼情報を生成する。具体的には、明細情報処理部540は、明細情報から「従業員番号」、「従業員名」、および「出金日/出金額」を取得し、「従業員番号」、「従業員名」、および「出金日/出金額」、ならびに計算された「利息額」を含む入金依頼情報を生成する。
【0146】
なお、「出金日/出金額」および「利息額」は、1つの入金依頼情報に含まれていてもよく、それぞれ別の入金依頼情報に含まれていてもよい。すなわち、第1の入金依頼情報が、「従業員番号」、「従業員名」、および「出金日/出金額」を含み、第2の入金依頼情報が、「従業員番号」、「従業員名」、および「利息額」を含んでいてもよい。
【0147】
ステップS217は、SPCサーバ500の通信部510が、ネットワークNW5を介して、企業口座管理サーバ100に利息情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が利息情報を受信する処理である。
【0148】
ステップS218は、企業口座管理サーバ100のデータベース処理部130が、利息情報に基づいて、企業口座データベース131を更新する処理である。具体的には、データベース処理部130は、企業口座データベース131の「従業員残高」に「利息額」を加えた金額を「従業員残高」として更新する。また、データベース処理部130は、「企業口座残高」に「従業員残高」の総額加えた金額を「企業口座残高」として更新する。企業口座データベース131は、記憶部120に記憶される。ステップS218の処理によって、社内預金の利息は、従業員1300ごとに企業口座1110に振り込まれる。
【0149】
図13Fに示すステップS219およびステップS220は、企業1200への入金依頼処理である。
【0150】
ステップS219は、SPCサーバ500の通信部510が、ネットワークNW1を介して、企業サーバ200に入金依頼情報を送信し、企業サーバ200が入金依頼情報を受信する処理である。
【0151】
ステップS220は、企業サーバ200が、ネットワークNW4を介して、企業口座管理サーバ100に入金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が入金情報を受信する処理である。ここでの入金情報は、SPC口座1510への振込処理に関する情報である。ステップS220によって、SPC口座1510に利息相当額が振り込まれるため、SPC1500は、続けて、SPC口座1510に振り込まれた利息相当額を企業口座1110へ入金することができる。すなわち、企業口座1110の残高に、利息相当額を補充することができる。
【0152】
以上、本実施形態に係る口座管理システム20によれば、SPC1500が、企業口座1110の管理を行う。そのため、企業1200は、企業口座1110の管理における事務手続きまたは会計処理の負担が軽減される。また、企業1200の社内預金の資金が、SPC1500で管理されるため、財務のオフバランス化が図られるとともに、資金の保全が確保される。
【0153】
<変形例1>
図14および
図15を参照して、本実施形態に係る口座システム20の変形例である口座管理システム20Aについて説明する。なお、口座管理システム20Aの説明において、口座管理システム20と同様の構成については説明を省略し、主に、口座管理システム20と異なる構成について説明する場合がある。
【0154】
図14は、本発明の一実施形態に係る口座管理システム20AのSPCサーバ500Aの構成を示すブロック図である。
図14に示すように、SPCサーバ500Aは、通信部510、記憶部520、データベース処理部530、明細情報処理部540、および利息相当額処理部550Aを含む。
【0155】
利息相当額処理部550Aは、企業口座データベース531に基づき、利息相当額を予想し、利息相当額情報を生成することができる。
【0156】
図15は、本発明の一実施形態に係る口座システム20Aの処理を示すフローチャートである。口座管理システム20Aの処理においては、ステップS201~ステップS220の他に、ステップS231A~ステップS233Aが含まれる。
【0157】
図15に示すステップS231A~ステップS233Aは、企業口座1110の残高に基づき予想された利息相当額の入金処理である。
【0158】
ステップS231Aは、SPCサーバ500の利息相当額処理部550Aは、企業口座データベース531の「企業口座残高」に基づいて、企業口座1110の利息相当額を予想し、利息相当額情報を生成する処理である。具体的には、利息相当額処理部550Aは、企業口座データベース531の「企業口座残高」を取得し、「企業口座残高」に金利を掛け、1年の日数で割り、前回の利息額の支払いからの日数を掛けた金額を利息相当額として計算することができる。ただし、利息相当額の計算はこれに限られない。また、利息相当額処理部550Aは、計算された利息相当額を含む利息相当額情報を生成する。
【0159】
ステップ232Aは、SPCサーバ500Aの通信部110が、ネットワークNW1を介して、企業サーバ200に利息相当額情報を送信し、企業サーバ200が利息相当額情報を受信する処理である。
【0160】
ステップ233Aは、企業サーバ200が、ネットワークNW4を介して企業口座管理サーバ100に入金情報を送信し、企業口座管理サーバ100の通信部110が入金情報を受信する処理である。ここでの入金情報は、SPCへの振込処理に関する情報である。ステップS233Aによって、SPC口座1510に利息相当額が振り込まれるため、SPC1500は、続けて、SPC口座1510に振り込まれた利息相当額を企業口座1110へ入金することができる。すなわち、企業口座1110の残高に、利息相当額を入金することができる。
【0161】
また、図示しないが、SPC1500は、SPC口座1510から企業口座1100へステップ231Aで計算された利息相当額を予め振り込み、その後、口座管理システム20Aによるステップ232Aおよびステップ233Aの処理を実行することもできる。
【0162】
以上、本変形例に係る口座システム20Aによれば、SPC1500が企業1200に利息相当額を提供することができるため、企業1200は、利息相当額を入金するための資金を準備することができ、計画的に資金運用を図ることができる。
【0163】
本発明の実施形態および変形例は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜構成を組み合わせて実施することができる。また、実施形態または変形例を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったもの、もしくは、工程の追加、省略、または条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0164】
上述した実施形態および変形例によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0165】
10、10A、10B、20、20A:口座管理システム、 100、100A、100B:企業口座管理サーバ、 110、120:記憶部、 130、130A、130B:データベース生成部、 131、131A、131B:企業口座データベース、 140、140B:判定部、 150:電文生成部、 160、160B:明細情報生成部、 200:企業サーバ、 300:情報通信端末、 300-1:第1の情報通信端末、 300-2:第2の情報通信端末、 300-n:第nの情報通信端末、 400:従業員口座管理サーバ、 400-1:第1の従業員口座管理サーバ、 400-2:第2の従業員口座管理サーバ、 400-n:第nの従業員口座管理サーバ、 500、500A:SPCサーバ、 510:通信部、 520:記憶部、 530:データベース処理部、 531:企業口座データベース、 540:明細情報処理部、 550A:利息相当額処理部、 1100:企業口座管理金融機関、 1110:企業口座、 1200:企業、 1300:従業員、 1300-1:第1の従業員、 1300-2:第2の従業員、 1300-n:第nの従業員、 1400:従業員口座管理金融機関、 1400-1:第1の従業員口座管理金融機関、 1400-2:第2の従業員口座管理金融機関、 1400-n:第nの従業員口座管理金融機関、 1410:従業員口座、 1410-1:第1の従業員口座、 1410-1:第2の従業員口座、 1410-n:第nの従業員口座、 1510:SPC口座、