(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】センサを含むスマート栓塞子、およびスマート栓塞子組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 25/18 20060101AFI20220331BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
A61M25/18
A61B5/145
(21)【出願番号】P 2020513616
(86)(22)【出願日】2018-08-21
(86)【国際出願番号】 US2018047263
(87)【国際公開番号】W WO2019050669
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-04-10
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハンター
(72)【発明者】
【氏名】ポール ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ オブライアン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-532726(JP,A)
【文献】特表2003-505131(JP,A)
【文献】特表2015-519959(JP,A)
【文献】特開平09-173461(JP,A)
【文献】特表2012-509104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/18
A61B 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート栓塞子組立体であって、
デバイスの内腔内に位置決め可能な栓塞子であって、
前記内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部、
前記遠位端部の反対にある近位端部、および、
前記先端部分
の端部表面と面一になるように位置決めされたセンサ組立体であって、患者の血管内の1つまたは複数の環境特性を検知し、前記1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成されセンサ組立体
を備える栓塞子と、
前記センサ組立体と信号通信で動作可能に結合された電子回路であって、前記1つまたは複数の信号を受信し、前記1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信することまたは前記1つまたは複数の環境特性を表わすデータを前記スマート栓塞子組立体の表示装置上に表示することのうちの少なくとも一方を行うように構成された電子回路と、
前記栓塞子に動作可能に結合されたハブと
を備え、
前記電子回路は前記ハブ内に配置されるスマート栓塞子組立体。
【請求項2】
前記遠隔受信回路との無線通信のために前記ハブ内の前記電子回路と信号通信で結合された通信回路をさらに備える請求項1に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項3】
前記通信回路は、無線周波数識別回路、近距離通信回路、Bluetooth(登録商標)無線技術回路、ユニバーサルシリアルバスコネクタ、およびそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備える請求項2に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項4】
前記ハブ内の前記電子回路を前記遠隔受信回路と接続するための接続ポートをさらに備える請求項1または2に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項5】
前記ハブ内の前記電子回路に電気的に結合され、前記ハブ内の前記電子回路または前記センサ組立体のうちの少なくとも一方に電力を提供する電源をさらに備える請求項1、2または4のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項6】
前記電源は、前記栓塞子に結合されたハブと一体であるか、または前記ハブに外部から結合されるかのいずれかである請求項5に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項7】
前記センサ組立体は、
複数のセンサと、
電子回路であって、前記複数のセンサの各センサが電気的に結合される電子回路と、
複数の第1の電気接点を含む第1の電気接触インタフェースと
を備える請求項1、2、4または5のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項8】
前記栓塞子内の第2の電気接触インタフェースであって、前記センサ組立体に電気的に結合され、複数の第2の電気接点を含み、前記複数の第2の電気接点の各第2の電気接点が、前記複数の第1の電気接点のそれぞれの第1の電気接点に電気的に結合される第2の電気接触インタフェースと、
前記第2の電気接触インタフェースに電気的に結合された、前記栓塞子を貫通して延在する電気リード線と
をさらに備える請求項7に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項9】
前記センサ組立体は、
電子回路と、
前記センサ組立体の遠位端部におけるセンサであって、前記センサ組立体の前記電子回路に電気的に結合されたセンサと、
前記センサ組立体の前記電子回路に電気的に結合された第1の電気接点と
を備え、前記スマート栓塞子組立体は、
前記栓塞子内の第2の電気接点であって、前記第1の電気接点に電気的に結合された第2の電気接点と、
前記第1の電気接点を前記ハブ内の前記電子回路と電気的に結合する、前記栓塞子を貫通して延在する電気リード線と
をさらに備える請求項1、2、4、5または7のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項10】
前記電気リード線は、前記栓塞子の少なくとも一部分上に成形されるか、または前記栓塞子の少なくとも一部分内に成形されるかのいずれかである請求項9に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項11】
前記デバイスは、前記内腔を形成しかつ遠位端部を有するカテーテルを備え、前記栓塞子は、前記栓塞子の前記遠位端部に窪んだ領域を形成し、前記センサ組立体は、前記センサ組立体が前記カテーテルの前記遠位端部と面一になるか、前記カテーテルの前記遠位端部よりも盛り上がるか、または前記内腔内に引っ込められるように、前記窪んだ領域内に位置決めされる請求項1、2、4、5、7または9のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項12】
前記センサ組立体は、前記センサ組立体の端部表面または前記センサ組立体の周囲表面のうちの1つまたは複数に結合されたセンサを備える請求項1、2、4、5、7、9または11のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項13】
前記センサ組立体は、以下の環境特性、すなわち、体腔内の温度、血糖値、ナトリウム値、カリウム値、薬物濃度レベル、白血球数、前記体腔内の血圧、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを測定するように構成された1つまたは複数のセンサを備える請求項1、2、4、5、7、9、11または12のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項14】
前記センサ組立体は、以下のセンサ、すなわち、温度センサ、患者の血液内の化学物質を検知するセンサ、前記患者の血液内の標識を検知するセンサ、前記患者の血液内のタンパク質を検知するセンサ、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備える請求項1、2、4、5、7、9または11乃至13のいずれか一項に記載のスマート栓塞子組立体。
【請求項15】
栓塞子であって、
先端部分を有する遠位端部と、
前記遠位端部の反対側の近位端部と、
前記近位端部に配置されるハブと、
前記先端部分
の端部表面と面一になるように位置決めされたセンサ組立体であって、1つまたは複数の環境特性を検知し、前記1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成し、前記1つまたは複数の信号を前記センサ組立体と信号通信で結合された前記ハブ内の電子回路に送信するように構成され、前記ハブ内の前記電子回路は、前記1つまたは複数の信号を受信して前記1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信するように構成されているセンサ組立体と
を備える栓塞子。
【請求項16】
前記ハブは、前記ハブ内の前記電子回路に電気的に結合されて前記ハブ内の前記電子回路に電力を提供する電源を含む請求項15に記載の栓塞子。
【請求項17】
前記センサ組立体は、
電子回路と、
前記センサ組立体の端部表面および前記センサ組立体の周囲表面のうちの1つまたは複数におけるセンサであって、前記センサ組立体の前記電子回路に電気的に結合されたセンサと、
前記センサ組立体の前記電子回路に電気的に結合された第1の電気接点と、
前記栓塞子内に位置決めされた第2の電気接点であって、前記第1の電気接点に電気的に結合された第2の電気接点と、
前記第2の電気接点を前記ハブ内の前記電子回路と電気的に結合する、前記栓塞子を貫通してまたは前記栓塞子に沿って延在する電気リード線と
を備える請求項15または16に記載の栓塞子。
【請求項18】
前記栓塞子は、前記遠位端部に窪んだ領域を形成し、前記センサ組立体は、前記窪んだ領域内に位置決めされる請求項15乃至17のいずれか一項に記載の栓塞子。
【請求項19】
栓塞子組立体であって、
デバイスの内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部、および反対側の近位端部を具備する栓塞子と、
前記先端部分
の端部表面と面一になるように位置決めされたセンサ組立体であって、1つまたは複数の環境特性を検知し、前記1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成されたセンサ組立体と、
前記栓塞子に動作可能に結合されたハブであって、前記センサ組立体と信号通信で結合された電子回路を含み、前記ハブ内の前記電子回路は、前記1つまたは複数の信号を受信して前記1つもしくは複数の信号を遠隔受信回路に送信しおよび/または前記1つまたは複数の環境特性を表わすデータを前記ハブの表示装置上に表示するように構成されているハブと
を備える栓塞子組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、栓塞子組立体に関する。より詳細には、本出願は、栓塞子の遠位端部にセンサ組立体を含んで例えば患者の血流中の様々な標識、タンパク質、および/または化学物質を含む環境特性を検知する、スマート栓塞子組立体(smart obturator assembly)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の栓塞子は、IVカテーテルが凝血塊によって閉塞されるのを防ぐために利用される。IVカテーテルが使用後に開いたままであると、血液が、カテーテル先端内へ逆流して凝固し始め、IVカテーテルの先端部分を通る血液の流れを妨害して、後の治療のためにIVカテーテルを引き続き使用することを妨げる可能性がある。これが起きる場合、IVカテーテルは除去されなければならず、また、血管アクセスを得るために、交換IVカテーテルがセットされなければならない。生物膜およびフィブリンもまた、IVカテーテルの先端部分を覆って形を成して、IVカテーテル内への血流を妨害する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この閉塞を防止する試みにおいて、いくつかの従来の栓塞子は、IVカテーテルの近位端部から挿入されてIVカテーテルの遠位端部において内腔の開口部を閉鎖または密閉する固体プラスチック片で形成された。従来の栓塞子は、近位端部上に嵌合して流体密シールを作り出すルアーコネクタロック(Luer connector lock)などのアダプタを含み、それと同時に、栓塞子の遠位先端部分は、IVカテーテルの遠位端部内に位置決めされて、IVカテーテルが閉塞されるのを防止する。カテーテルの近位端部を通して従来の栓塞子を導入することは、患者感染のリスクを高め得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、スマート栓塞子組立体遠位端部および反対側の近位端部を有するカテーテルなどのデバイスとともに使用するのに適している。カテーテルは、遠位端部に位置しかつカテーテルの近位端部に向かって延在しているカニューレを含む。コネクタが、カテーテルの近位端部に位置する。カテーテルは、遠位端部と近位端部との間に延在する内腔を形成する。栓塞子が、内腔内に位置決め可能である。栓塞子は、内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部と、遠位端部の反対にある近位端部とを含む。センサ組立体が、先端部分に位置する。センサ組立体は、患者の血管内の1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成される。電子回路が、センサ組立体と信号通信で結合される。電子回路は、1つもしくは複数の信号を受信して1つもしくは複数の信号を遠隔受信回路に送信しおよび/または1つもしくは複数の環境特性を表わすデータをスマート栓塞子組立体の表示装置上に表示するように構成される。特定の実施形態では、電子回路は、ハブ内に配置されるかまたはハブに動作可能に結合される。ハブは、栓塞子に動作可能に結合され、センサ組立体から電子回路へのパススルー接続を提供するように構成され、および/または、ハブは、1つもしくは複数の環境特性を表わすデータをハブ内の表示装置上に表示し得る。
【0005】
別の態様では、栓塞子が、先端部分を有する遠位端部、および遠位端部の反対側の近位端部を含む。先端部分におけるセンサ組立体が、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成し、1つまたは複数の信号をセンサ組立体と信号通信で結合された電子回路に送信するように、構成される。電子回路は、1つもしくは複数の信号を受信して1つまたは複数の信号を処理しおよび/または1つもしくは複数の信号を遠隔受信回路に送信するように構成される。
【0006】
さらに別の態様では、栓塞子組立体が、カテーテルなどのデバイスの内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部と、反対側の近位端部とを含む栓塞子を含む。先端部分におけるセンサ組立体が、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成される。ハブが、栓塞子に動作可能に結合される。ハブは、センサ組立体と信号通信で結合された電子回路を含む。電子回路は、1つもしくは複数の信号を受信して1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信しおよび/または1つもしくは複数の環境特性を表わすデータをハブ内の表示装置上に表示するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示実施形態による例示栓塞子組立体の斜視側面図である。
【
図2】例示実施形態による代替的な例示栓塞子組立体の斜視側面図である。
【
図3】
図2に示された例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【
図4】
図2に示された例示栓塞子の部分的な分解斜視側面図である。
【
図5】例示実施形態による、カテーテルの遠位端部と面一の栓塞子の遠位端部を含む例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【
図6】例示実施形態による、カテーテルの遠位端部よりも盛り上がった栓塞子の遠位端部を含む例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【
図7】例示実施形態による、カテーテルの遠位端部内に引っ込められた栓塞子の遠位端部を含む例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【
図8】例示実施形態による、カテーテルの遠位端部よりも盛り上がったセンサ組立体を含む例示栓塞子の部分的な斜視側面図である。
【
図9】例示実施形態による、栓塞子の遠位端部がカテーテルの遠位端部と面一である例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【
図10】例示実施形態による、栓塞子の遠位端部がカテーテルの遠位端部と面一である例示栓塞子組立体の部分的な斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な実施形態が、同様の要素が全体的に同様の数字によって参照される図面を参照しながら以下で説明される。実施形態の様々な要素の関係および機能は、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるであろう。しかし、実施形態は、図面に示されたものに限定されない。図面は必ずしも一定の縮尺であるわけではなく、また、場合により、本明細書において開示される実施形態の理解に必要でない詳細-例えば、従来の製造および組立など-は省略されている可能性があることが、理解されるべきである。
【0009】
本発明は、特許請求の範囲によって定義され、多くの異なる形態で具現化することができ、また、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり当業者に対して実施可能な開示を完全に伝えるように、提供される。本明細書および特許請求の範囲において使用される単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈において明確な別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書におけるいかなる業界基準(例えば、ASTM、ANSI、IEEE、ISO規格)への言及は、本明細書において明示的に別段の定義がない限り、それらの規格によって伝えられる単位、測定値、および試験基準に関する、本開示の最初の出願日の時点で目下公表されている規格に準拠するものとして定義される。本明細書において、「近位の」および「遠位の」という用語は、一般的な用法の意味で使用され、それらは、それぞれ、デバイスまたは関連する物体のハンドル側/医師側の端部、およびデバイスまたは関連する物体のツール側/患者側の端部を指す。「約」、「実質的に」、「おおよそ」という用語、および他の程度に関する用語は、任意の量、寸法、比例、または他の定量的なもしくは質的な値に関連して使用される場合、当業者(本技術分野における経験を持つ医療デバイス技術者に相当する)によって理解される標準パラメータ内の明確かつ識別可能な値を伝えるように意図され、また、少なくとも任意の法的均等物、小規模なしかし機能的に有意でない変形形態、標準的な製造公差、およびなくとも数学的に有意な数字(ただし、その最大範囲程度に広い必要はない)を含むことを含むように解釈されるべきである。
【0010】
図1~10に示されるような例示実施形態では、例示栓塞子組立体で使用するための栓塞子が、先端部分を有する遠位端部、および反対側の近位端部を含む。先端部分におけるセンサ組立体が、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成し、1つまたは複数の信号を栓塞子組立体の例えばハブ内に位置決めされたまたはハブに動作可能に結合された電子回路に送信するように、構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ハブは、センサ組立体と信号通信で結合された電子回路を含む。代替的実施形態では、電子回路は、栓塞子組立体の独立した構成要素、栓塞子組立体から離れた構成要素であり得るか、または、栓塞子組立体のハブ以外の構成要素内に位置決めされるかハブ以外の構成要素に動作可能に結合され得る。電子回路は、1つもしくは複数の信号を受信して、1つもしくは複数の信号を遠隔受信回路に送信しおよび/または本明細書において説明されるように1つもしくは複数の環境特性を表わすデータをハブ内の表示装置に表示するように、構成される。
【0011】
いくつかの例示実施形態では、栓塞子が、先端部分を有する遠位端部、および遠位端部の反対側の近位端部を含む。センサ組立体が、先端部分に位置決めされる。センサ組立体は、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成し、1つまたは複数の信号をセンサ組立体と信号通信で結合されたハブに送信するように、構成される。ハブは、1つまたは複数の信号を受信し、かつ、1つまたは複数の信号を例えば遠隔受信回路に送信またはパルスルーするように、構成される。さらに、またはその代わりに、1つまたは複数の環境特性を表わすデータが、ハブの表示装置上に表示されてもよい。
【0012】
いくつかの例示実施形態では、栓塞子組立体が、カテーテルなどのデバイスの内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能である先端部分を有する遠位端部を具備する栓塞子を含む。カテーテルは、遠位端部および反対側の近位端部、ならびに近位端部におけるアダプタを有する。カテーテルは、遠位端部と反対側の近位端部との間に延在する内腔を形成する。先端部分におけるセンサ組立体が、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成される。ハブが、栓塞子に動作可能に結合される。ハブは、センサ組立体と信号通信で結合された電子回路を含む。電子回路は、1つまたは複数の信号を受信して1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信するように構成される。さらに、またはその代わりに、1つまたは複数の環境特性を表わすデータがハブの表示装置上に表示されてもよい。
【0013】
本明細書において説明されるように、例示スマート栓塞子組立体が、栓塞子の遠位端部に、例えば栓塞子の遠位端部の先端部分にもしくはその近くに、および/またはカテーテルの遠位端部にもしくはその近くにセンサまたはセンサのアレイを有するセンサ組立体を含む。いくつかの例示実施形態では、各センサは、患者の血流と直接接触するために、静脈または動脈内に位置決めされる。各センサは、例えば栓塞子の外側表面または内側表面内に成形されるかもしくは付着されたリード線を使用して、例えば栓塞子組立体のハブに結合されるかまたは組み込まれた電子回路に動作可能に結合される。栓塞子組立体の近位端部におけるハブは、電力、データ伝送能力、データ収集能力、およびデータ分析能力、ならびに他の能力を提供するための様々な電子構成要素および/または通信構成要素のうちの1つまたは複数で構成される。
【0014】
各センサは、患者の血流中の様々な標識、タンパク質、および/または化学物質を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の環境特性を検知するように構成され得る。あるいは、センサ組立体は、各センサが1つまたは複数の環境特性を検知するように構成されたセンサのアレイを含み得る。センサ組立体は、栓塞子と一体的に形成されてもよく、または、センサ組立体は、モジュール化されてもよい。いくつかの例示実施形態では、栓塞子は、センサ組立体を収容するためのソケットまたは窪んだ領域を提供する。1つまたは複数の導電性パッドが、センサ組立体との電気通信のために、窪んだ領域内にまたはその近くに位置決めされる。例えば、2つの導電性パッドが、センサ組立体と温度を検知するためにハブまたはハブ上もしくはハブ内の電子回路に動作可能に結合された熱電対との間に電気的に結合し、例えばそれらの間に信号通信を提供する。代替的な例示実施形態では、複数のリード線を含むワイヤ構成が、明確に定義されたBUS上での幅広いセンサ、データ転送速度、および/またはデータ型を可能にし得る適切な通信プロトコル、例えばUSB水準通信を提供するために、電子回路に動作可能に結合され得る。他の適切な通信プロトコルは、例えば、単純なプラグイン、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)無線技術、ユニバーサルシリアルバスコネクタ、無線自動識別(RFID)、近距離無線通信(NCF、RFIDの派生物)、および内蔵型表示装置を含む。栓塞子の遠位端部および/またはセンサ組立体は、個々のセンサまたはセンサアレイのための望ましい構成に応じて、カテーテルの遠位端部と面一であるか、カテーテルの遠位端部よりも盛り上がっている(すなわち、カテーテルの遠位端部を越えて延在する)か、または、カテーテルの遠位端部内に引っ込められて(すなわち、カテーテルの遠位端部の近位にあって)いてもよい。センサ組立体はまた、所望に応じて、生体内監視(in-vivo monitoring)のためのカテーテルを通じたアクセスを提供し得る。
【0015】
いくつかの例示実施形態では、栓塞子組立体は、栓塞子とカテーテルとの間のカスタマイズ可能なインタフェースを有する。このカスタマイズは、センサ組立体が適切にまたは追加された特徴とともに動作するために存在しなければならないカテーテルアダプタ上の特徴(例えば、健康管理用途における液体および気体のための国際標準ISO80369による6%勾配付き流体接続部を有する小口径コネクタなどの、小口径コネクタ)によって達成され得る。いくつかの実施形態では、栓塞子をカテーテルに動作可能に結合するときにバンプ、突出部、または特徴を検知して栓塞子組立体が適切に動作することを可能にするために、バンプ、突出部、または適切な特徴が存在し得る。したがって、栓塞子組立体は、わずかに異なるカテーテル径、長さ、および/または関連寸法を有するカテーテルに、適切に適合し得る。したがって、本明細書において説明される実施形態は、栓塞子組立体がカテーテルの遠位端部における内腔開口部を安全かつ効果的に閉塞するだけでなく検知能力を提供することを確実にするために、様々なカテーテルとともに適切に動作するように構成され得る。
【0016】
次に図を参照すると、また、最初に
図1~4を参照すると、例示スマート栓塞子組立体10が、遠位端部14および反対側の近位端部16を有するハブ12を含む。本明細書において、用語「遠位の」および「遠位に」は、ハブ12すなわち起始点または付着点から遠くに位置づけられた場所、位置、および/または方向を意味し、一方で、用語「近位の」および「近位に」は、ハブ12すなわち起始点または付着点に向かって位置づけられた場所、位置、および/または方向を意味する。
【0017】
カテーテル20が、ハブ12に動作可能に結合される。例示実施形態では、カテーテル20は、カテーテル20の遠位端部24から反対側の近位端部26に向かって延在するカニューレ22を含む。カテーテル20は、カテーテル20の近位端部26をハブ18の遠位端部14に結合するために、例えば
図1および2に示された小口径コネクタ28などのアダプタまたは物体を、近位端部26に含む。いくつかの実施形態では、小口径コネクタ28は、健康管理用途における液体および気体のためのISO80369による6%勾配付き流体接続部を有するコネクタである。ハブ12は、カテーテル20の近位端部26に流体密接続(fluid-tight connection)で結合される。例示実施形態では、カテーテル20は、遠位端部24とハブ12におけるカテーテル20の近位端部26との間に延在する内腔30を形成または画定する。
【0018】
図1~4をさらに参照すると、スマート栓塞子組立体10は、内腔30内に少なくとも部分的に位置決めされた栓塞子40を含む。栓塞子40は、遠位端部42、および反対側の近位端部44を有する。いくつかの実施形態では、栓塞子40は、遠位端部42に先端部分46を含む。いくつかの例示実施形態では、先端部分46は、少なくとも部分的に内腔30内に位置決めされる。先端部分46は、栓塞子40の中間セクションにおいてボディ48に移行し、ボディ48は、栓塞子40の近位端部44において基部50に移行する。例示実施形態では、遠位端部42は、また、いくつかの実施形態では、先端部分46は、内腔30内への流体流を防止または制限する。
図5~7をさらに参照すると、特定の実施形態では、栓塞子40は、
図5に示されるように遠位端部24においてカテーテル20の末端面52と面一であるか、
図6に示されるように遠位端部24においてカテーテル20の末端面52よりも盛り上がって延在するか、または、
図7に示されるように内腔30内に引っ込められる。特定の実施形態では、栓塞子40は、例えば腔内空間内のバイオバーデンを減少させるのに使用される光ベースの殺菌技術のための導管の役割を果たすために、適切な半透明材料で作られる。
【0019】
例えば
図3~7に示されるように、栓塞子40は、栓塞子40の遠位端部42における窪んだ領域58を形成する。センサ組立体60は、遠位端部42にもしくはその近くに、例えば遠位端部42上に位置決めされ、および/または先端部分46における窪んだ領域58内に少なくとも部分的に位置決めされる。
図5~7に示されるような例示実施形態では、センサ組立体60は、センサ組立体60の端部表面62が遠位端部42において栓塞子40の端部表面64と面一になるように、窪んだ領域58内に位置決めされる。代替的な例示実施形態では、センサ組立体60は、端部表面62が遠位端部42において栓塞子40の端部表面64から外方に延在するように、窪んだ領域58内に部分的にのみ位置決めされ得る。
図9および10をさらに参照すると、いくつかの例示実施形態では、センサ組立体60は、センサ組立体60の長さに沿って一定の直径を有する。遠位端部42における栓塞子40の外径は、異なるサイズのカテーテル、例えば、14、16、18、20、および22ゲージのカテーテルの内腔に適切に嵌合するように異なり得る。特定の実施形態では、センサ組立体60のサイズ、すなわち直径および/または長さは、より小さなサイズのカテーテルに嵌合するように最小限に抑えられる。センサ組立体60は、例えばセンサ組立体60を遠位端部42に圧入、成形、接着、スナッピング、またはピン留めすることにより、遠位端部42に結合され得る。センサ組立体60を遠位端部42に結合するために、当業者に知られている他の結合手段が使用されてもよい。
【0020】
センサ組立体60は、患者の血液もしくは血流内のまたはそれに関連する1つまたは複数の環境特性を検知して、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成しかつ送信するように、構成される。例えば、例示実施形態では、センサ組立体60は、1つまたは複数のセンサ70、例えば1つのセンサ70または複数のセンサ70を含む。例えば、
図4および8をさらに参照すると、各センサ70が、
図4および8に示されるようにセンサ組立体70の端部表面71にもしくはその上に位置決めされ、ならびに/または、
図8に示されるようにセンサ組立体60の周囲表面72上に位置決めされる。例示実施形態では、センサ組立体60の各センサ70は、体腔内の温度、血糖値、ナトリウム値、カリウム値、薬物濃度レベル、白血球数、体腔内の血圧、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の環境特性を測定するように構成される。さらに、センサ組立体60は、温度センサ、患者の血液内の化学物質を検知するセンサ、患者の血液中の標識を検知するセンサ、患者の血液中のタンパク質を検知するセンサ、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の特定のセンサ70を含み得る。
【0021】
例示実施形態では、センサ組立体60は、
図4および8に示されるように、複数のセンサ70を含む。各センサ70は、センサ組立体60の電子回路74に、例えば信号通信で結合されて、電気的に結合される。電子回路74は、例えば、集積チップ、または電子回路板を含み得る。1つまたは複数の第1の電気接点78、例えば複数のばね接点を含む、第1の電気接触インタフェース76が、電子回路74に、例えば信号通信で結合されて、電気的に結合される。窪んだ領域58内に位置決めされたセンサ組立体60により、第1の電気接触インタフェース76は、栓塞子40の遠位端部42上および/または遠位端部42内に位置決めされた第2の電気接触インタフェース80に電気的に結合されて、第2の電気接触インタフェース80をセンサ組立体60と電気的に結合する。第2の電気接触インタフェース80は、複数の第2の電気接点82、例えば複数の接触パッドを含む。複数の第2の電気接点82の各第2の電気接点82は、複数の第1の電気接点78のそれぞれの第1の電気接点78に電気的に結合される。
図1、3、および4をさらに参照すると、第2の電気接触インタフェース80を介してセンサ組立体60をハブ12に動作可能に結合された電子回路90と例えば信号通信で結合し、電気的に結合するために、1つまたは複数の電気リード線84、例えば複数のリード線84が、栓塞子40を貫通して延在する。例示実施形態では、電子回路90は、ハブ12上および/またはハブ12内に位置決めされる。いくつかの例示実施形態では、各電気リード線84は、先端部分46上に成形されるか、または、先端部分46内に成形される。電気リード線84は、栓塞子40の壁の表面に沿って延在してもよく、または、遠位端部42と近位端部26との間で栓塞子の壁の長さの少なくとも一部分内で埋め込まれるかもしくは成形されてもよい。
【0022】
図1および2をさらに参照すると、電子回路90は、センサ組立体60に信号を送信し、センサ組立体60から信号を受信するように、構成される。電子回路90はまた、電子回路90に動作可能に結合された外部処理装置を含む遠隔受信回路92に信号を送信し、遠隔受信回路92から信号を受信するように、構成される。さらに、またはあるいは、電子回路90は、1つまたは複数の環境特性を表わすデータをハブ12上またはハブ12内の表示装置94上に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、通信回路96が、遠隔受信回路92または外部処理装置との無線通信のために、電子回路90に、例えば信号通信で結合されて、電気的に結合される。いくつかの実施形態では、通信回路96および/または電子回路90は、ハブ12内に配置されるか、または、ハブ12に動作可能に結合される。これらの実施形態では、通信回路96は、無線周波数識別回路、近距離無線通信回路、Bluetooth(登録商標)無線技術回路、ユニバーサルシリアルバスコネクタ、1つもしくは複数の送信機、またはそれらの任意の適切な組合せなどの、1つまたは複数の回路を含む。特定の実施形態では、ハブ12上および/またはハブ12内の接続ポート98、例えばUSBポートが、電子回路90を遠隔受信回路92または外部処理装置と接続するように構成される。例示実施形態では、通信回路96は、RFIDまたは近距離リーダ(Near Field Reader)によってクエリーを行われ得る能動的または受動的な近距離通信を提供し、RFIDまたは近距離リーダは、通信回路96が受動的な形で(リーダによって供給される電力により)または能動的な形で(例えば、ハブ12の内部で供給される追加の電力により、または接続デバイスによって給電されて)それに応答することができる電子回路90に電力を提供しかつクエリーを行う。ハブ12はまた、電子回路90および/またはセンサ組立体60に電力を提供するために電子回路90に電気的に結合された
図2に示されるような電源102、例えば電池パックを収容する、区画100を含み得る。電源102は、ハブ12と一体であるか、またはハブ12に外部から結合されてもよい。
【0023】
ハブ12、例えば電子回路90は、1つまたは複数の処理装置および1つまたは複数のコンピュータ可読媒体、1つまたは複数の通信インタフェース、ならびに1つまたは複数の電源を含み得る。通信インタフェースは、例えばセルラーネットワーク、ラジオ、Wi-Fiネットワーク、短距離ネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)技術)、および赤外線(IR)ネットワークなどの様々なネットワークへの有線接続および無線接続の両方を支持し得る。
【0024】
電子回路90の構成に応じて、コンピュータ可読媒体(および、全体にわたって説明される他のコンピュータ可読媒体)は、コンピュータ記憶媒体の例であり、かつ、揮発性および不揮発性のメモリを含み得る。したがって、コンピュータ可読媒体は、これらに限定されないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、および/もしくは他のメモリ技術、ならびに/または電子回路90によってアクセスされ得るコンピュータ可読命令、プログラム、アプリケーション、メディアアイテム、および/もしくはデータを記憶するために使用され得る任意の他の適切な媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、処理装置上で実行可能である任意の数の機能要素を記憶するために使用され得る。電子回路90は、追加の特徴または機能性を有し得る。例えば、電子回路90は、追加の(取り外し可能な、および/または取り外し不可能な)データ記憶デバイスをも含み得る。制御盤に存在し得る追加のデータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実現される、揮発性および不揮発性の、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含み得る。さらに、いくつかの実施態様においては、電子回路90内に存在するものとして説明される機能性のうちのいくつかまたは全てが、電子回路90から離れて、例えば遠隔受信回路92内に存在し得る。これらの実施態様では、電子回路90は、遠隔受信回路92と通信してこの機能性を利用するために、通信インタフェースを利用し得る。
図1~10を参照すると、例示実施形態では、センサ組立体60を含む栓塞子40が、栓塞子組立体10および/またはカテーテル22の他の構成要素とは無関係に使用されるか、または、栓塞子組立体10および/またはカテーテル22の1つまたは複数の構成要素の任意の適切な組合せとともに使用され得る。
【0025】
本開示の実施形態は、以下の節を考慮して説明され得る:
1.スマート栓塞子組立体であって、
デバイスの内腔内に位置決め可能な栓塞子であって、
内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部、
遠位端部の反対にある近位端部、および、
先端部分におけるセンサ組立体であって、患者の血管内の1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成されたセンサ組立体
を備える栓塞子と、
センサ組立体と信号通信で動作可能に結合された電子回路であって、1つまたは複数の信号を受信し、1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信することまたは1つまたは複数の環境特性を表わすデータをスマート栓塞子組立体の表示装置上に表示することのうちの少なくとも一方を行うように構成された電子回路と
を備えるスマート栓塞子組立体。
2.栓塞子に動作可能に結合されたハブをさらに備え、電子回路はハブ内に配置される節1に記載のスマート栓塞子組立体。
3.遠隔受信回路との無線通信のために電子回路と信号通信で結合された通信回路をさらに備える節1または2に記載のスマート栓塞子組立体。
4.通信回路は、無線周波数識別回路、近距離通信回路、Bluetooth(登録商標)無線技術回路、ユニバーサルシリアルバスコネクタ、およびそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備える節3に記載のスマート栓塞子組立体。
5.電子回路を遠隔受信回路と接続するための接続ポートをさらに備える節1乃至3のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
6.電子回路に電気的に結合され、電子回路またはセンサ組立体のうちの少なくとも一方に電力を提供する電源をさらに備える節1乃至3または5のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
7.電源は、栓塞子に結合されたハブと一体であるか、またはハブに外部から結合されるかのどちらかである節6に記載のスマート栓塞子組立体。
8.センサ組立体は、
複数のセンサと、
電子回路であって、複数のセンサの各センサが電気的に結合される電子回路と、
複数の第1の電気接点を含む第1の電気接触インタフェースと
を含む節1乃至3、5または6のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
9.栓塞子内の第2の電気接触インタフェースであって、センサ組立体に電気的に結合され、複数の第2の電気接点を含み、複数の第2の電気接点の各第2の電気接点が、複数の第1の電気接点のそれぞれの第1の電気接点に電気的に結合される第2の電気接触インタフェースと、
第2の電気接触インタフェースに電気的に結合された、栓塞子を貫通して延在する電気リード線と
をさらに備える節8に記載のスマート栓塞子組立体。
10.センサ組立体は、
電子回路と、
センサ組立体の遠位端部におけるセンサであって、電子回路に電気的に結合されたセンサと、
電子回路に電気的に結合された第1の電気接点と
を備え、スマート栓塞子組立体は、
栓塞子内の第2の電気接点であって、第1の電気接点に電気的に結合された第2の電気接点と、
第1の電気接点を電子回路と電気的に結合する、栓塞子を貫通して延在する電気リード線と
をさらに備える節1乃至3、5、6または8のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
11.電気リード線は、栓塞子の少なくとも一部分上に成形されるか、または栓塞子の少なくとも一部分内に成形されるかのどちらかである節10に記載のスマート栓塞子組立体。
12.デバイスは、内腔を形成しかつ遠位端部を有するカテーテルを備え、栓塞子は、栓塞子の遠位端部に窪んだ領域を形成し、センサ組立体は、センサ組立体がカテーテルの遠位端部と面一になるか、カテーテルの遠位端部よりも盛り上がるか、または内腔内に引っ込められるように、窪んだ領域内に位置決めされる節1乃至3、5、6、8または10のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
13.センサ組立体は、センサ組立体の端部表面またはセンサ組立体の周囲表面のうちの1つまたは複数に結合されたセンサを備える節1乃至3、5、6、8、10または12のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
14.センサ組立体は、以下の環境特性、すなわち、体腔内の温度、血糖値、ナトリウム値、カリウム値、薬物濃度レベル、白血球数、体腔内の血圧、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つを測定するように構成された1つまたは複数のセンサを備える節1乃至3、5、6、8、10、12または13のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
15.センサ組立体は、以下のセンサ、すなわち、温度センサ、患者の血液内の化学物質を検知するセンサ、患者の血液内の標識を検知するセンサ、患者の血液内のタンパク質を検知するセンサ、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を備える節1乃至3、5、6、8、10または12乃至14のいずれか一つに記載のスマート栓塞子組立体。
16.栓塞子であって、
先端部分を有する遠位端部と、
遠位端部の反対側の近位端部と、
先端部分におけるセンサ組立体であって、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成し、かつ、1つまたは複数の信号をセンサ組立体と信号通信で結合された電子回路に送信するように構成され、電子回路は、1つまたは複数の信号を受信して1つまたは複数の信号を遠隔受信回路に送信するように構成されているセンサ組立体と
を備える栓塞子。
17.近位端部にハブをさらに備え、ハブは、電子回路に電気的に結合されて電子回路に電力を提供する電源を含む節16に記載の栓塞子。
18.センサ組立体は、
電子回路と、
センサ組立体の端部表面およびセンサ組立体の周囲表面のうちの1つまたは複数におけるセンサであって、電子回路に電気的に結合されたセンサと、
電子回路に電気的に結合された第1の電気接点と、
栓塞子内に位置決めされた第2の電気接点であって、第1の電気接点に電気的に結合された第2の電気接点と、
第2の電気接点を電子回路と電気的に結合する、栓塞子を貫通してまたは栓塞子に沿って延在する電気リード線と
を備える節16または17に記載の栓塞子。
19.栓塞子は、遠位端部に窪んだ領域を形成し、センサ組立体は、窪んだ領域内に位置決めされる節16乃至18のいずれか一つに記載の栓塞子。
20.栓塞子組立体であって、
デバイスの内腔内に少なくとも部分的に位置決め可能な先端部分を有する遠位端部、および反対側の近位端部を具備する栓塞子と、
先端部分におけるセンサ組立体であって、1つまたは複数の環境特性を検知し、1つまたは複数の環境特性を表わす1つまたは複数の信号を生成するように構成されたセンサ組立体と、
栓塞子に動作可能に結合されたハブであって、センサ組立体と信号通信で結合された電子回路を含み、電子回路は、1つもしくは複数の信号を受信して1つもしくは複数の信号を遠隔受信回路に送信しおよび/または1つもしくは複数の環境特性を表わすデータをハブの表示装置上に表示するように構成されているハブと
を備える栓塞子組立体。
【0026】
当業者は、特許請求の範囲に記載の範囲内にありながら、様々な実施形態に対して本明細書において説明された特徴を互いにおよび/または現在知られているかもしくは将来開発される技術と組み合わせることができることを含めて、本明細書において明示的に示されていない実施形態を特許請求の範囲に記載の範囲内で実践することができることを、理解するであろう。本明細書においては特定の用語が用いられているが、それらは、文脈、用法、または他の明確な指定によって具体的に定められていない限り、限定する目的のためではなく、包括的かつ記述的な意味でのみ使用されている。したがって、前述の詳細な説明は、限定するものではなく例証するものと見なされることが、意図されている。また、あらゆる均等物を含む以下の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲を定めるように意図されていることが、理解されるべきである。さらに、必ずしも上述の利点のみが本発明の利点であるとは限らず、また、説明された利点の全てがあらゆる実施形態で達成されるとは必ずしも期待されない。本出願からの任意の一貫しない開示または定義が、参照によって組み込まれるいずれかの文献と矛盾する場合、本明細書における開示または定義が優先されると見なされるべきである。