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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】情報収集システム及び情報収集端末
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/06 20060101AFI20220331BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20220331BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
G08C15/06 A
G08C17/00 Z
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020546675
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2019007135
(87)【国際公開番号】W WO2020054097
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】P 2018172509
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度 総務省、「スマートなインフラ維持管理に向けたICT基盤の確立(局所集中型低消費電力無線通信技術の研究開発)」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】村田 眞司
(72)【発明者】
【氏名】桝田屋 秀樹
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-4369(JP,A)
【文献】特開2017-168075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/06
G08C 17/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1センサ端末及び複数の第2センサ端末を含むセンサ端末群と、前記センサ端末群と無線通信が可能な情報収集端末と、を備えた情報収集システムであって、
前記情報収集端末は、
前記センサ端末群にデータ要求を送信する送信部と、
前記データ要求の送信後、第1期間に前記複数の第1センサ端末からの測定データの受信処理を実行し、第2期間に前記複数の第2センサ端末からの受信要求の受信処理を実行し、前記第2期間に前記受信要求を受信した場合、第3期間に前記複数の第2センサ端末からの測定データの受信処理を実行する受信部と、
を備え、
前記第1センサ端末は、
前記測定データを取得するセンサと、
前記データ要求を受信すると、前記第1期間に前記測定データを送信する送信部と、
を備え、
前記第2センサ端末は、
前記測定データを取得するセンサと、
前記測定データを送信するか判定する制御部と、
前記データ要求を受信し、かつ、前記制御部が前記測定データを送信すると判定した場合、前記第2期間に前記受信要求を送信し、前記第3期間に前記測定データを送信する送信部と、
を備える情報収集システム。
【請求項2】
前記複数の第1センサ端末は、前記第1期間に所定の順番で前記測定データを送信する
請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記複数の第2センサ端末は、前記第3期間に所定の順番で前記測定データを送信する
請求項1又は請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記測定データと、予め設定された前記測定データの範囲と、に基づいて、前記測定データを送信するか判定する
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記測定データと過去の測定データとに基づいて、前記測定データを送信するか判定する
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記測定データを前回送信してから受信した前記データ要求の回数に基づいて、前記測定データを送信するか判定する
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記測定データを前回送信してからの経過時間に基づいて、前記測定データを送信するか判定する
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項8】
前記第1センサ端末及び前記第2センサ端末は、RFIDタグである
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項9】
前記複数の第1センサ端末は、前記第1期間におけるそれぞれ異なる時間に前記測定データを送信し、
前記複数の第2センサ端末は、前記第2期間に同時に前記受信要求を送信し、前記第3期間におけるそれぞれ異なる時間に前記測定データを送信する
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項10】
複数の第1センサ端末及び複数の第2センサ端末を含むセンサ端末群と無線通信が可能な情報収集端末であって、
前記センサ端末群にデータ要求を送信する送信部と、
前記データ要求の送信後、第1期間に前記複数の第1センサ端末からの測定データの受信処理を実行し、第2期間に前記複数の第2センサ端末からの受信要求の受信処理を実行し、前記第2期間に前記受信要求を受信した場合、第3期間に前記複数の第2センサ端末からの測定データの受信処理を実行する受信部と、
を備える情報収集端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集システム及び情報収集端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のセンサ端末と、複数のセンサ端末が取得した測定データを無線で収集する情報収集端末と、を備えた情報収集システムが知られている。この情報収集システムでは、各センサ端末が測定データを所定の順番で送信し、順番に送信された測定データを情報収集端末が受信する。情報収集システムに含まれるセンサ端末がN個、1つのセンサ端末からの測定データの受信処理にかかる時間がt秒である場合、情報収集端末が全てのセンサ端末からの測定データを収集するのにかかる時間はN×t秒となる。受信処理以外の処理にかかる時間を考慮すると、各センサ端末からの測定データの収集周期はN×t秒以上となる。すなわち、測定データの収集周期はセンサ端末の数に応じて長くなる。
【0003】
ところで、複数のセンサ端末の中には、短い収集周期で測定データを収集すべきものと、測定データの収集周期が長くても構わない、又は特定のタイミングだけ測定データが収集できればよいものと、が混在している場合がある。例えば、情報収集システムが橋梁に適用された場合、橋梁の形状の経時変化を知るために、歪センサの測定データは短い収集周期で収集するのが好ましい。これに対して、地震センサの測定データは、地震の発生時にのみ収集できれば十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-157279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の情報収集システムでは、上述のように、収集周期がセンサ端末の数に応じて決まったため、一部のセンサ端末の収集周期を短くする、ということはできなかった。この結果、センサ端末が増えるほど、短い収集周期で測定データを収集すべきセンサ端末の測定データの収集周期も長くなる、という問題があった。収集周期が短いセンサ端末の測定データを優先して収集する方法も提案されているが、当該方法では、収集周期自体を短くすることはできなかった。また、短い収集周期で収集すべき測定データの収集が完了したらシステムをリセットし、再度、この測定データの収集を行うことを繰り返せば、短い収集周期で収集すべき測定データの収集周期を短くすることは可能であるが、操作が煩雑となり、また該動作を行っている間は収集周期の長い測定データの取得を全くでき無いという問題もある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、一部のセンサ端末の測定データの収集周期を短くすることができる情報収集システム及び情報収集端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る情報収集システムは、複数の第1センサ端末及び複数の第2センサ端末を含むセンサ端末群と、前記センサ端末群と無線通信が可能な情報収集端末と、を備えた情報収集システムであって、前記情報収集端末は、前記センサ端末群にデータ要求を送信する送信部と、前記データ要求の送信後、第1期間に前記複数の第1センサ端末からの測定データの受信処理を実行し、第2期間に前記複数の第2センサ端末からの受信要求の受信処理を実行し、前記第2期間に前記受信要求を受信した場合、第3期間に前記複数の第2センサ端末からの測定データの受信処理を実行する受信部と、を備え、前記第1センサ端末は、前記測定データを取得するセンサと、前記データ要求を受信すると、前記第1期間に前記測定データを送信する送信部と、を備え、前記第2センサ端末は、前記測定データを取得するセンサと、前記測定データを送信するか判定する制御部と、前記データ要求を受信し、かつ、前記制御部が前記測定データを送信すると判定した場合、前記第2期間に前記受信要求を送信し、前記第3期間に前記測定データを送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の各実施形態によれば、一部のセンサ端末の測定データの収集周期を短くすることができる情報収集システム及び情報収集端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報収集システムの一例を示す図。
図2】第1センサ端末及び第2センサ端末のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】情報収集端末のハードウェア構成の一例を示す図。
図4】センサ端末ID及び順番の一例を示す図。
図5】情報収集システムの動作の一例を示すタイミングチャート。
図6】第1センサ端末の動作の一例を示すフローチャート。
図7】第2センサ端末の動作の一例を示すフローチャート。
図8】情報収集端末の動作の一例を示すフローチャート。
図9】情報収集システムの具体例を示す図。
図10】情報収集システムの具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
【0011】
一実施形態に係る情報収集システム100について、図1図10を参照して説明する。本実施形態に係る情報収集システム100は、複数個所に設置された複数種類のセンサから定期的に測定データを収集するためのシステムであって、複数のセンサ端末を含むセンサ端末群と、前記センサ端末群から測定データを無線で収集する情報収集端末と、を備える。情報収集システム100は、橋梁、工場、及び車両などで利用される。
【0012】
まず、情報収集システム100の概略構成について説明する。図1は、情報収集システム100の概略構成の一例を示す図である。図1の情報収集システムは、第1センサ端末1a~1cと、第2センサ端末2a~2cと、情報収集端末3と、を備える。第1センサ端末1a~1c及び第2センサ端末2a~2cが、センサ端末群に相当する。以下、第1センサ端末1a~1cを区別しない場合、第1センサ端末1と称する。同様に、第2センサ端末2a~2cを区別しない場合、第2センサ端末2と称する。
【0013】
第1センサ端末1は、情報収集端末3と無線通信可能なセンサ端末であり、情報収集端末3と無線通信可能な位置に設置される。第1センサ端末1は、測定データDを取得し、後述する第1期間T1に当該測定データDを情報収集端末3に無線で送信する。図1の例では、第1センサ端末1は、情報収集システム100に3つ含まれるが、2つ以上の任意の数だけ含まれ得る。
【0014】
第2センサ端末2は、情報収集端末3と無線通信可能なセンサ端末であり、情報収集端末3と無線通信可能な位置に設置される。第2センサ端末2は、測定データDを取得し、後述する第3期間T3に当該測定データDを情報収集端末3に無線で送信する。図1の例では、第2センサ端末2は、情報収集システム100に3つ含まれるが、2つ以上の任意の数だけ含まれ得る。
【0015】
第1センサ端末1及び第2センサ端末2は、RFID(Radio Frequency Identifier)タグであるのが好ましい。RFIDタグは、バッテリを持たないパッシブタグ、バッテリを有するアクティブタグ、及びバッテリを有し、特定の信号を検知したときにアクティブタグとして機能するセミアクティブタグを含む。特に、第1センサ端末1及び第2センサ端末2は、情報収集端末3から無線で受電した電力により駆動するパッシブタグであるのが好ましい。これにより、電池が不要となるため、第1センサ端末1及び第2センサ端末2を利用可能な期間を長期化できる。
【0016】
情報収集端末3は、第1センサ端末1及び第2センサ端末2を含むセンサ端末群と無線通信可能な情報収集端末である。情報収集端末3は、第1センサ端末1及び第2センサ端末2から測定データDを無線で収集する。具体的には、情報収集端末3は、第1期間T1に第1センサ端末1から測定データDを受信するための受信処理を実行し、第3期間T3に第2センサ端末2から測定データDを受信するための受信処理を実行する。測定データDの収集方法について詳しくは後述する。情報収集端末3は、例えば、RFIDリーダであるが、これに限られない。情報収集端末3は、第1センサ端末1及び第2センサ端末2と無線通信が可能な任意の装置で有り得る。
【0017】
次に、第1センサ端末1、第2センサ端末2、及び情報収集端末3のハードウェア構成について説明する。図2は、第1センサ端末1及び第2センサ端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0018】
図2の第1センサ端末1は、制御部11と、送信部12と、受信部13と、記憶部14と、センサ15と、アンテナA1と、を備える。
【0019】
制御部11は、プログラムを実行することにより第1センサ端末1の全体を制御する制御回路である。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限られない。
【0020】
送信部12は、制御部11から入力された信号(データ)を無線で送信するために、信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する送信回路である。送信部12は、所定の処理を実行した信号をアンテナA1に入力する。
【0021】
受信部13は、アンテナA1から入力された電気信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する受信回路である。受信部13は、所定の処理を実行した信号を制御部11に入力する。
【0022】
記憶部14は、制御部11が実行するプログラムや各種のデータを記憶する不揮発性メモリである。記憶部14には、第1センサ端末1の識別情報(センサ端末ID)及び情報収集端末3の識別情報(情報収集端末ID)が記憶される。また、第1センサ端末1には、複数の第1センサ端末1の中での、その第1センサ端末1が測定データDを送信する順番が予め設定され、当該順番が記憶部14に記憶される。図1の例のように、センサ端末群に第1センサ端末1が3つ含まれる場合、各第1センサ端末1には1番~3番のいずれかがそれぞれ設定される。第1センサ端末1に設定される順番は、情報収集端末3からデータ要求DRを受信してから、それぞれの第1センサ端末1が測定データDを送信するまでの時間に対応する。各第1センサ端末1の記憶部14には、測定データDを送信する順番の代わりに、それぞれの第1センサ端末1が1番目、2番目、3番目にそれぞれ測定データDを送信するように、それぞれ異なる時間(データ要求DRを受信してから測定データDを送信するまでの時間)が記憶されていてもよい。なお記録部14は、フラッシュメモリであるが、これに限られない。
【0023】
センサ15は、測定データDの収集周期が短いのが好ましいセンサである。センサ15は、測定データDを取得し、制御部11に入力する。センサ15は、歪センサ、加速度センサ、又は荷重センサであるがこれに限られない。第1センサ端末1は、複数のセンサ15を備えてもよい。
【0024】
アンテナA1は、無線信号を受信及び送信するためのアンテナである。図2の例では、アンテナA1は送信部12及び受信部13に接続されているが、送信部12及び受信部13にそれぞれ別のアンテナA1が接続されていてもよい。
【0025】
なお、制御部11、送信部12、受信部13、及び記憶部14は、同一基板上にそれぞれ別個に実装されてもよいし、1つのLSI(Large Scale Integration)として実装されてもよい。また、第1センサ端末1は、本実施形態においては、パッシブタグであり、内部にコンデンサ等の蓄電手段を有し、情報収集端末3から送信される電波による電力を蓄えて、測定データDの取得、受信、及び送信などの、第1センサ端末1での一切の動作を行う。パッシブタグの詳細については、周知の構成の為、説明を省略する。
【0026】
次に、第2センサ端末2について説明するが、その基本的な構成は第1センサ端末1と同様であるので図2を用いて説明する。第2センサ端末2は、制御部21と、送信部22と、受信部23と、記憶部24と、センサ25と、アンテナA2と、を備える。
【0027】
制御部21は、プログラムを実行することにより第2センサ端末2の全体を制御する制御回路である。制御部21は、例えば、CPUであるが、これに限られない。
【0028】
送信部22は、制御部21から入力された信号(データ)を無線で送信するために、信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する送信回路である。送信部22は、所定の処理を実行した信号をアンテナA2に入力する。
【0029】
受信部23は、アンテナA2から入力された電気信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する受信回路である。受信部23は、所定の処理を実行した信号を制御部21に入力する。
【0030】
記憶部24は、制御部21が実行するプログラムや各種のデータを記憶する不揮発性メモリである。記憶部24には、第2センサ端末2の識別情報(センサ端末ID)が記憶される。また、第2センサ端末2には、複数の第2センサ端末2の中での、その第2センサ端末2が測定データDを送信する順番が予め設定され、当該順番が記憶部24に記憶される。図1の例のように、センサ端末群に第2センサ端末2が3つ含まれる場合、各第2センサ端末2には1番~3番のいずれかがそれぞれ設定される。なお、第2センサ端末2に設定される順番は、第1センサ端末1と同様に、情報収集端末3からデータ要求DRを受信してから測定データDを送信するまでの時間に対応する。したがって、各第2センサ端末2の記憶部24には、測定データDを送信する順番の代わりに、それぞれの第2センサ端末2が1番目、2番目、3番目にそれぞれ測定データDを送信するように、それぞれ異なる時間(データ要求DRを受信してから測定データDを送信するまでの時間)が記憶されていてもよい。ただし、第2センサ端末2が測定データDを送信する時間は、第1センサ端末1が測定データDを送信する時間と重複しないように設定される。記憶部24は、フラッシュメモリであるが、これに限られない。
【0031】
センサ25は、測定データDの収集周期が長くても構わない、又は特定のタイミングだけ測定データDが収集できればよいセンサである。センサ25は、測定データDを取得し、制御部11に入力する。センサ25は、地震センサ、強風センサ、温度センサ、又は湿度センサであるがこれに限られない。第2センサ端末2は、複数のセンサ25を備えてもよい。
【0032】
アンテナA2は、無線信号を受信及び送信するためのアンテナである。図2の例では、アンテナA2は送信部22及び受信部23に接続されているが、送信部22及び受信部23にそれぞれ別のアンテナA2が接続されていてもよい。
【0033】
なお、制御部21、送信部22、受信部23、及び記憶部24は、同一基板上にそれぞれ別個に実装されてもよいし、1つのLSIとして実装されてもよい。また、第2センサ端末2は、本実施形態においては、パッシブタグであり、内部にコンデンサ等の蓄電手段を有し、情報収集端末3から送信される電波による電力を蓄えて、測定データDの取得、受信、及び送信などの、第2センサ端末2での一切の動作を行う。パッシブタグの詳細については、周知の構成の為、説明を省略する。以上の通り、第1センサ端末1と第2センサ端末2との違いは、基本的にはセンサ15,25の種類と、制御部11,21の制御内容である。第1センサ端末1及び第2センサ端末2の制御内容の違いについては、以下で詳細に説明する
【0034】
図3は、情報収集端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。図3の情報収集端末3は、制御部31と、送信部32と、受信部33と、記憶部34と、アンテナA3と、を備える。
【0035】
制御部31は、プログラムを実行することにより情報収集端末3の全体を制御する制御回路である。制御部31は、例えば、CPUであるが、これに限られない。
【0036】
送信部32は、制御部31から入力された信号(データ)を無線で送信するために、信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する送信回路である。送信部32は、所定の処理を実行した信号をアンテナA3に入力する。
【0037】
受信部33は、アンテナA3から入力された信号に増幅や変調などの所定の処理を実行する受信回路である。受信部33は、所定の処理を実行した信号を制御部31に入力する。
【0038】
記憶部34は、制御部31が実行するプログラムや各種のデータを記憶する不揮発性メモリである。記憶部34には、情報収集端末3の識別情報(情報収集端末ID)が記憶される。また、記憶部34には、センサ端末群に含まれる第1センサ端末1及び第2センサ端末2のセンサ端末IDと、第1センサ端末1及び第2センサ端末2に設定された順番と、が対応付けて記憶される。記憶部34は、フラッシュメモリであるが、これに限られない。
【0039】
図4は、記憶部34に記憶されたセンサ端末ID及び順番の一例を示す図である。図4の例では、第1センサ端末1aのセンサ端末ID「T11」と、順番「1」と、が対応付けられ、第1センサ端末1bのセンサ端末ID「T12」と、順番「2」と、が対応付けられ、第1センサ端末1cのセンサ端末ID「T13」と、順番「3」と、が対応付けられている。また、第2センサ端末2aのセンサ端末ID「T21」と、順番「1」と、が対応付けられ、第2センサ端末1bのセンサ端末ID「T22」と、順番「2」と、が対応付けられ、第2センサ端末1cのセンサ端末ID「T23」と、順番「3」と、が対応付けられている。この場合、センサ端末IDが「T11」である第1センサ端末1aの記憶部14には、当該第1センサ端末1aの順番として「1」が記憶され、当該第1センサ端末1aは、複数の第1センサ端末1の中で1番目に測定データDを送信する。同様に、センサ端末IDが「T21」である第2センサ端末2aの記憶部24には、当該第2センサ端末2aの順番として「1」が記憶され、当該第2センサ端末2aは、複数の第2センサ端末2の中で1番目に測定データDを送信する。上述の通り、記憶部14,24には、順番の代わりに、順番に対応する時間が記憶されていてもよい。この場合、順番が同一の第1センサ端末1及び第2センサ端末2には、それぞれ異なる時間が記憶される。
【0040】
アンテナA3は、無線信号を受信及び送信するためのアンテナである。図3の例では、アンテナA3は送信部32及び受信部33に接続されているが、送信部32及び受信部33にそれぞれ別のアンテナA3が接続されていてもよい。
【0041】
なお、制御部31、送信部32、受信部33、及び記憶部34は、同一基板上にそれぞれ別個に実装されてもよいし、1つのLSIとして実装されてもよい。また、情報収集端末3は、第1センサ端末1及び第2センサ端末2を外部装置に有線又は無線で送信するための通信手段を備えるのが好ましい。
【0042】
次に、情報収集システム100の動作について説明する。以下では、第1センサ端末1及び第2センサ端末2がパッシブタグである場合を例に説明する。
【0043】
図5は、情報収集システム100の動作の一例を示すタイミングチャートである。情報収集端末3は、動作期間Tの間、センサ端末群に無線で送電し、センサ端末群を動作可能とする。具体的には、情報収集端末3は、データ要求DRによりセンサ端末群を動作可能としてもよいし、データ要求DRとは別に、送電用の無変調信号を所定のタイミングで(例えば、データ要求DRの送信前に)送信し、センサ端末群を動作可能としてもよい。図5に示すように、動作期間Tは、第0期間T0、第1期間T1、及び第2期間T2、又は第0期間T0、第1期間T1、第2期間T2、及び第3期間T3を含む。
【0044】
第0期間T0は、情報収集端末3がセンサ端末群に、測定データDの送信を要求する信号であるデータ要求DRを無線で送信する期間である。情報収集端末3は、宛先を指定せずにデータ要求DRを送信する。データ要求DRは、情報収集端末IDを含む、ASK(Amplitude Shift Keying)等の変調信号である。第1センサ端末1及び第2センサ端末2は、第0期間T0に情報収集端末3から受信した電力により、動作可能となる。
【0045】
第1期間T1は、第1センサ端末1が測定データDを無線で送信する期間である。各第1センサ端末1は、データ要求DRを受信し、当該データ要求DRに含まれる情報収集端末IDが、記憶部14に記憶された情報収集端末IDであることを確認すると、第1期間T1に、予め設定された順番(時間)に従って測定データDを送信する。情報収集端末3は、第1期間T1に、第1センサ端末1からの測定データDの受信処理を実行する。また、第2センサ端末2は、第1期間T1に、自装置の測定データDを情報収集端末3に送信するか判定する。判定方法については後述する。
【0046】
第2期間T2は、測定データDを送信すると判定した第2センサ端末2が、情報収集端末3に測定データDの受信を要求する信号である受信要求RRを無線で送信する期間である。測定データDを送信すると判定した第2センサ端末2は、図5の第2センサ端末2a,2cのように、第2期間T2に、同時に受信要求RRを送信する。測定データDを送信しないと判定した第2センサ端末2は、図5の第2センサ端末2bのように、受信要求RRを送信しない。情報収集端末3は、第2期間T2に、第2センサ端末2からの受信要求RRの受信処理を実行する。なお、受信要求RRは、センサ端末IDなどのデータを含まない。情報収集端末3は、所定強度以上の信号を所定の時間に受信した場合に、受信要求RRを受信したと判断するので、複数の第2センサ端末2からの受信要求RRを同時に受信しても、受信要求RRを受信したと判断できる。
【0047】
第3期間T3は、測定データDを送信すると判定した第2センサ端末2が、測定データDを無線で送信する期間である。測定データDを送信すると判定した各第2センサ端末2は、図5の第2センサ端末2a,2cのように、第3期間T3に、予め設定された順番(時間)に従って測定データDを送信する。測定データDを送信しないと判定した第2センサ端末2は、図5の第2センサ端末2bのように、測定データDを送信しない。情報収集端末3は、第3期間T3に、第2センサ端末2からの測定データDの受信処理を実行する。
【0048】
図5に示すように、情報収集端末3は、第2期間T2に受信要求RRを1つも受信しなかった場合、動作を終了する。この場合、図5の1つ目の動作期間Tで示すように、動作期間Tには、第3期間T3が含まれない。一方、情報収集端末3は、第2期間T2に1つ以上の受信要求RRを受信した場合、第2センサ端末2からの測定データDの受信処理を実行する。この場合、図5の2つ目の動作期間Tで示すように動作期間Tには、第3期間T3が含まれる。受信要求RRは、情報収集端末3に第2センサ端末2からの測定データDの受信処理を実行させる割り込み信号に相当する。
【0049】
情報収集端末3は、動作期間Tの終了後、第4期間T4が経過すると、次の動作期間Tを開始する。したがって、センサ端末群からの測定データDの収集周期はT+T4となる。すなわち、情報収集端末3が第2期間T2に受信要求RRを1つも受信しなかった場合、収集周期はT0+T1+T2+T4となり、情報収集端末3が第2期間T2に受信要求RRを1つ以上受信した場合、収集周期はT0+T1+T2+T3+T4となる。なお、第4期間T4は0であってもよい。また、第4期間T4が一定の場合は、一定間隔でのデータ収集を意味するが、第4期間T4は、必ずしも一定でなくてもよい。
【0050】
図6は、第1センサ端末1の動作の一例を示すフローチャートである。第1センサ端末1は、情報収集端末3から無線で受電して起動すると、図6の動作を開始する。
【0051】
第1センサ端末1が起動すると、センサ15が測定データDを取得し(ステップS101)、記憶部14に一旦保管する。その後、図6に示すように、受信部13は、情報収集端末3からのデータ要求DRの受信処理を実行する(ステップS102)。受信処理は、受信した信号に、記憶部15に記憶された情報収集端末IDが含まれるか否かを確認する処理を含む。受信部13は、データ要求DRを受信するまで受信処理を継続する(ステップS102:NO)。
【0052】
受信部13は、アンテナA1を介して情報収集端末3からデータ要求DRを受信すると(ステップS102:YES)、当該データ要求を制御部11に入力する。制御部11は、データ要求を入力されると、記憶部14に記憶された順番を読み出し、自装置が測定データを送信する順番に対応する時刻、すなわち、測定データDの送信時刻が到来するまで待機する(ステップS103)。送信時刻は、データ要求DRの受信時刻に、順番に対応する時間を加算した時刻に相当する。
【0053】
制御部11は、測定データDの送信時刻が到来すると、記憶部14からの測定データDを読み出し、当該測定データDを含む信号を生成し、送信部12に入力する。送信部12は、測定データDを含む信号を入力されると、当該信号にASK変調を行い、アンテナA1を介して、当該信号を無線で送信する(ステップS104)。
【0054】
以上の動作を各第1センサ端末1が実行することにより、図5に示すように、第1期間T1に各第1センサ端末1の測定データDが予め設定された順番で送信され、情報処理装置3が同じタイミングで複数の測定データDを受信してしまう、いわゆる信号の衝突がなくなる。なお、前述した例では、第1センサ端末1は、起動直後に測定データを取得したが、測定データDを送信する直前、またはデータ要求DRを受信してから測定データDを送信するまでの任意のタイミングで、測定データDを取得してもよい。
【0055】
図7は、第2センサ端末2の動作の一例を示すフローチャートである。第2センサ端末2は、情報収集端末3から受電して起動すると、図7の動作を開始する。
【0056】
第2センサ端末2が起動すると、センサ25が測定データDを取得し(ステップS201)、記憶部24に一旦保管する。その後、図7に示すように、受信部23は、情報収集端末3からのデータ要求DRの受信処理を実行する(ステップS201)。受信処理は、受信した信号に、記憶部24に記憶された情報収集端末IDが含まれるかを確認する処理を含む。受信部23は、データ要求DRを受信するまで受信処理を継続する(ステップS202:NO)。
【0057】
受信部23は、アンテナA1を介して情報収集端末3からデータ要求DRを受信すると(ステップS202:YES)、当該データ要求DRを制御部21に入力する。制御部21は、データ要求DRを入力されると、記憶部24からの測定データDを読み出し、読み出した測定データDに基づいて、当該測定データDを送信するか判定する(ステップS203)。
【0058】
制御部21は、例えば、測定データDと、記憶部24に記憶された範囲R1と、に基づいて、測定データDを送信するか判定する。範囲R1は、測定データDを送信するか判定するために予め設定された測定データDの範囲である。範囲R1として測定データDの正常値の範囲が設定されている場合、制御部21は、測定データDが範囲R1内である場合、測定データDを送信しないと判定し、測定データDが範囲R1外である場合、測定データDを送信すると判定する。これにより、制御部21は、測定データDが正常値ではない、すなわち、測定データDが異常値である場合に、測定データDを送信すると判定することができる。結果として、第2センサ端末2は、測定データDが異常値である場合に、測定データDを送信することができる。
【0059】
また、制御部21は、今回の測定データDと、記憶部24に記憶された過去の測定データDと、に基づいて、測定データDを送信するか判定してもよい。例えば、制御部21は、今回の測定データDと前回の測定データDとの差が閾値未満である場合、測定データDを送信しないと判定し、今回の測定データDと前回の測定データDとの差が閾値以上である場合、測定データDを送信すると判定する。これにより、制御部21は、測定データDが急変した場合に、測定データDを送信すると判定することができる。結果として、第2センサ端末2は、測定データDが急変した場合に、測定データDを送信することができる。制御部21は、今回の測定データDと前回の測定データDとの差の代わりに、過去の測定データDに対する今回の測定データDの変化率などを閾値と比較することにより、測定データDを送信するか判定してもよい。
【0060】
制御部21は、測定データDを送信しないと判定した場合(ステップS203:NO)、動作を終了する。一方、制御部21は、測定データDを送信すると判定した場合(ステップS203:YES)、第1期間T1が終了するまで待機する(ステップS204)。第1期間T1は、記憶部24に記憶しておけばよい。
【0061】
制御部21は、第1期間T1が終了し、第2期間T2が開始されると、受信要求RRを生成し、送信部22に入力する。送信部22は、受信要求RRを入力されると、アンテナA2を介して、当該受信要求RRを無線で送信する(ステップS205)。
【0062】
制御部21は、第2期間T2が終了し、第3期間が開始されると、記憶部24に記憶された順番を読み出し、自装置が測定データDを送信する順番に対応する時刻、すなわち、測定データDの送信時刻が到来するまで待機する(ステップS206)。送信時刻は、データ要求DRの受信時刻に、順番に対応する時間を加算した時刻に相当する。
【0063】
制御部21は、測定データDの送信時刻が到来すると、記憶部24から測定データを読み出し、読み出した測定データDを含む信号を生成し、送信部22に入力する。送信部22は、測定データDを含む信号を入力されると、当該信号にASK変調を行い、アンテナA2を介して、当該信号を無線で送信する(ステップS207)。
【0064】
以上の動作を各第2センサ端末2が実行することにより、図5に示すように、第3期間T3に、測定データDを送信すると判定した各第2センサ端末2の測定データDが予め設定された順番で送信され、情報処理装置3が同じタイミングで複数の測定データDを受信してしまう、いわゆる信号の衝突がなくなる。
【0065】
なお、制御部21は、測定データDを前回送信してから受信した前記データ要求DRの受信回数に基づいて、測定データDを送信するか判定してもよい。制御部21は、受診回数が予め設定された閾値以上である場合、測定データDを送信すると判定し、受信回数が予め設定された閾値未満である場合、測定データDを送信しないと判定すればよい。
【0066】
また、制御部21は、測定データDを前回送信してからの経過時間に基づいて、測定データDを送信するか判定してもよい。制御部21は、経過時間が予め設定された閾値以上である場合、測定データDを送信すると判定し、経過時間が予め設定された閾値未満である場合、測定データDを送信しないと判定すればよい。
【0067】
これらの判定方法により、制御部21は、第1センサ端末1の測定データDの収集周期より長い間隔で、定期的に測定データDを送信すると判定することができる。結果として、第2センサ端末2は、第1センサ端末1の測定データDの収集周期より長い間隔で、定期的に測定データDを送信することができる。制御部21は、以上説明した判定方法のいずれか1つを利用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。
【0068】
制御部21が測定データDを利用して判定する場合、第2センサ端末2は、データ要求DRを受信してから受信要求RRを送信するまでの任意のタイミングで、測定データDを取得し、測定データDを送信するか判定することができる。
【0069】
また、制御部21が測定データDを利用せずに、すなわち、受信回数又は経過時間を利用して判定する場合、第2センサ端末2は、データ要求DRを受信してから受信要求RRを送信するまでの任意のタイミングで、測定データDを送信するか判定することができる。この場合、第2センサ端末2は、データ要求DRを受信してから測定データDを送信するまでの任意のタイミングで、測定データDを取得すればよい。
【0070】
図8は、情報収集端末3の動作の一例を示すフローチャートである。情報収集端末3は、動作期間Tの開始時刻が到来すると、図8の動作を開始する。
【0071】
動作期間Tの開始時刻が到来すると、制御部31は、送電のための無変調信号を生成し、送信部32に入力する。送信部32は、当該信号を入力されると、アンテナA3を介して、当該信号を無線で送信する。これにより、送信部32からセンサ端末群への送電が開始される(ステップS301)。上述の通り、第1センサ端末1及び第2センサ端末2は、情報収集端末3から受電すると起動し、それぞれ図6及び図7の動作を開始し、測定データを取得する。
【0072】
また、制御部31は、データ要求DRを生成し、送信部32に入力する。送信部32は、データDRを入力されると、アンテナA3を介して、当該データ要求DRを無線で送信する(ステップS302)。
【0073】
受信部33は、データ要求DRの送信が終了すると(第0期間が終了すると)、第1センサ端末1からの測定データDの受信処理を実行する(ステップS303)。これにより、第1期間T1が開始される。受信部33は、測定データDを含む信号を受信すると、当該信号を制御部31に入力する。制御部31は、当該信号を入力されると、当該信号に含まれるセンサ端末IDが、記憶部34に記憶されている第1センサ端末1のセンサ端末IDと一致している場合、当該信号に含まれる測定データDを、当該測定データDを送信した第1センサ端末1のセンサ端末IDと対応付けて記憶部34に保存する。受信部33は、第1期間T1が終了するまで受信処理を継続する(ステップS304:NO)。
【0074】
第1期間T1が終了し(ステップS304:YES)、第2期間T2が開始されると、受信部33は、第2センサ端末2からの受信要求RRの受信処理を実行する(ステップS305)。受信部33は、受信要求RRを受信すると、当該受信要求RRを制御部31に入力する。受信部33は、第2期間T2が終了するまで受信処理を継続する(ステップS306:NO)。
【0075】
第2期間T2が終了すると(ステップS306:YES)、制御部31は、1つ以上の受信要求RRが入力された確認する(ステップS307)。すなわち、受信部33が1つ以上の受信要求RRを受信したか確認する。受信部33が受信要求RRを1つも受信していない場合(ステップS307:NO)、制御部31は、送信部32への送電のための信号の入力を終了する。これにより、センサ端末群への送電が終了する(ステップS310)。その後、制御部31は、動作を終了する。
【0076】
一方、受信部33が受信要求RRを1つ以上受信した場合(ステップS307:YES)、受信部33は、第2センサ端末2からの測定データDの受信処理を実行する(ステップS308)。これにより、第3期間T3が開始される。受信部33は、測定データDを含む信号を受信すると、当該信号を制御部31に入力する。制御部31は、当該信号を入力されると、当該信号に含まれるセンサ端末IDが、記憶部34に記憶されている第2センサ端末2のセンサ端末IDと一致している場合、当該信号に含まれる測定データDを、当該測定データDを送信した第2センサ端末2のセンサ端末IDと対応付けて記憶部34に保存する。受信部33は、第3期間T3が終了するまで受信処理を継続する(ステップS309:NO)。
【0077】
第3期間T3が終了すると(ステップS309:YES)、制御部31は、送信部32への送電のための信号の入力を終了する。これにより、センサ端末群への送電が終了する(ステップS310)。その後、制御部31は、動作を終了する。
【0078】
以降、情報収集端末3は、次の動作期間Tの開始時刻が到来するまで(第4期間T4が経過するまで)待機する。
【0079】
以上の動作を情報収集端末3が実行することにより、図5に示すように、情報収集端末3は、第0期間T0にデータ要求DRを送信し、第1期間T1に第1センサ端末1から測定データDを予め設定された順番で受信し、第2期間T2に第2センサ端末2から受信要求RRを受信し、受信要求RRを受信した場合、第3期間T3に第2センサ端末2から測定データDを予め設定された順番で受信することができる。
【0080】
以上説明した通り、本実施形態によれば、第1センサ端末1の測定データDは、情報収集端末3の動作期間Tごとに収集される一方、第2センサ端末2の測定データDは、情報収集端末3が受信要求RRを受信した場合にのみ収集される。測定データDをこのように収集することにより、第1センサ端末1の測定データDの収集周期を、第2センサ端末2の測定データDの収集周期より短くすることができる。
【0081】
情報収集システム100のユーザは、短い収集周期で測定データDを収集するのが好ましいセンサ端末(歪センサなどを備えたセンサ端末)を第1センサ端末1に設定し、測定データDの収集周期が長くても構わない、又は特定のタイミングだけ測定データDが収集できればよいセンサ端末(地震センサなどを備えたセンサ端末)を第2センサ端末2に設定し、第1センサ端末1及び第2センサ端末2にそれぞれ順番を設定すればよい。これにより、前者から短い収集周期で測定データDを収集しつつ、必要に応じて後者の測定データDを収集することができる。
【0082】
ここで、図9及び図10は、情報収集システム100の具体例を示す図である。図9の例では、情報収集システム100は、橋梁に適用されている。図9の情報収集システム100のセンサ端末群には、橋梁の各部に設置された第1センサ端末1a~1fと、第2センサ端末2a~2dと、が含まれる。
【0083】
第1センサ端末1a,1bは加速度センサを備え、第1センサ端末1c,1dは荷重センサを備え、第1センサ端末1e,1fは歪センサを備える。第2センサ端末2a,2bは地震センサを備え、第2センサ端末2c,2dは強風センサを備える。情報収集端末3は、第1センサ端末1a,1bから加速度データを収集し、第1センサ端末1c,1dから荷重データを収集し、第1センサ端末1e,1fから歪データを収集し、第2センサ端末2a,2bから地震データを収集し、第2センサ端末2c,2dから強風データを収集する。
【0084】
このような構成により、情報収集端末3は、加速度データ、荷重データ、及び歪データを、短い収集周期で収集することができる。したがって、情報収集端末3から通信手段を介して測定データを受信した外部装置(橋梁監視用のサーバなど)は、これらの測定データに基づいて、橋梁の形状や通過車両に対する橋梁の応答性の変化を経時的に確認し、橋梁の安全性を継続的に監視することができる。
【0085】
また、情報収集端末3は、地震又は強風の発生時に、地震データ及び強風データを収集することができる。したがって、外部装置は、これらの測定データに基づいて、橋梁における災害の発生を検知し、検知結果を橋梁の点検や通行許可の判断に利用することができる。
【0086】
なお、橋梁で利用されるセンサの種類や、センサ端末の数及び設置場所は、図9の例に限られない。また、1つの橋梁に複数の情報収集システム100を適用することも可能である。
【0087】
これに対して、図10の例では、情報収集システム100は、車両に適用されている。図10の情報収集システム100のセンサ端末群には、車室内に設置された第1センサ端末1a,1bと、第2センサ端末2a,2bと、が含まれる。
【0088】
第1センサ端末1a,1bは、ステアリングスイッチを備え、第2センサ端末2aは温度センサを備え、第2センサ端末2bは湿度センサを備える。情報収集端末3は、第1センサ端末1a,1bからステアリングスイッチの押圧データを収集し、第2センサ端末2aから温度データを収集し、第2センサ端末2bから湿度データを収集する。
【0089】
このような構成により、情報収集端末3は、ステアリングスイッチの押圧データを短い収集周期で収集することができる。したがって、情報収集端末3から通信手段を介して測定データを受信した外部装置(車載ECU(Electronic Control Unit)など)は、これらの測定データに基づいて、車両を迅速に制御することができる。すなわち、ステアリングスイッチの操作に対する応答性を高めることができる。
【0090】
また、情報収集端末3は、車室内の温度や湿度が変化した時に、温度データ及び湿度データを収集することができる。したがって、外部装置は、これらの測定データに基づいて、車室内の温度や湿度の変化を把握し、温度調整や湿度調整に利用することができる。
【0091】
なお、車両で利用されるセンサの種類や、センサ端末の数及び設置場所は、図10の例に限られない。また、1つの車両に複数の情報収集システム100を適用することも可能である。
【0092】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0093】
また、本国際出願は、2018年9月14日に出願した日本国特許出願第2018-172509号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0094】
1:第1センサ端末
2:第2センサ端末
3:情報収集端末
11,21,31:制御部
12,22,32:送信部
13,23,33:受信部
14,24,34:記憶部
15,25: センサ
A1,A2,A3:アンテナ
100:情報収集システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10