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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】シリンダ及び制御素子
(51)【国際特許分類】
   E05B 63/16 20060101AFI20220331BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20220331BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20220331BHJP
   E05B 63/08 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
E05B63/16
E05B65/06 A
E05B47/00 J
E05B63/08 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020552321
(86)(22)【出願日】2018-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2018094942
(87)【国際公開番号】W WO2020010484
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520368046
【氏名又は名称】叶偉▲ズオ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】叶偉▲ズオ▼
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-003541(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104100149(CN,A)
【文献】中国実用新案第201221231(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第101289906(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105386654(CN,A)
【文献】中国実用新案第2849051(CN,Y)
【文献】米国特許出願公開第2010/0077810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 63/00 - 63/24
E05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡面対称の2つのシリンダ機構を含み、2つの前記シリンダ機構は共同で1つのデッドボルト制御環を駆動し;
前記シリンダ機構は電動ロック環及び制御ロッドを含み、前記制御ロッドは順番に前記電動ロック環及び前記デッドボルト制御環の回転中心を通過し;
2つの制御ロッドのうち1つの制御ロッドの端面に回転ロッドが設置され、もう1つの制御ロッドの端面にカウンターボアを有し、回転ロッドはカウンターボア内に挿入され、回転ロッドはカウンターボア内で回転することができ、前記回転ロッドが前記デッドボルト制御環を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環は回転ロッドを中心にして回転することができ;
2つの前記制御ロッドに第1制御ピン及び第2制御ピンが各種設けられ、前記第1制御ピン及び第2制御ピンは回転ロッドを中心にして公転し、第1制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除の回転方向に制御すること、及び第2制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除の回転方向に制御することは同じであり;
前記第1制御ピンは順番に第1鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第2鏡面の電動ロック環を通過し、前記第2鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック解除動作を制限せず;
前記第2制御ピンは順番に第2鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第1鏡面の電動ロック環を通過し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第2制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第2鏡面の前記電動ロック環は前記第2制御ピンのロック解除動作を制限しないことを特徴とするシリンダ。
【請求項2】
前記シリンダ機構が機械的ロック環をさらに含み、前記機械的ロック環及び前記制御ロッドは同時に回転することを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項3】
前記シリンダ機構は弾性リターン材をさらに含み、前記弾性リターン材は前記制御ロッドと回転トルクを形成し、前記弾性リターン材はロック解除の反対方向に前記電動ロック環を牽引することを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項4】
第1制御ピン及び第2制御ピンの横断面が扇形であり、扇形の弧度はmであり;
第1鏡面の電動ロック環に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2mであり、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mであり;
第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における弧状貫通孔内で時計周り及び反時計回りに同じ角度回転することができ、第1制御ピンが第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、第1鏡面の電動ロック環は準備状態にあり;
第1制御ピンはデッドボルト制御環の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンがロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環は続いて回転し、第1制御ピンがロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環は回転せず;
第1制御ピンは第2鏡面の電動ロック環における2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第2鏡面の電動ロック環(9)がロックされた場合、第1制御ピンはロック解除方向に回転することができず、第1制御ピンはロック解除の反対方向にm弧度回転することができることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項5】
電動ロック機構も含み、前記電動ロック機構は前記電動ロック環の回転の変位を制限することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のシリンダを含む制御素子。
【請求項6】
前記電動ロック機構がモータ、鏡面対称の2組の伝動機構及び鏡面対称の2つの出力素子を含み、2組の前記伝動機構は1つの前記モータを共用して駆動され、前記伝動機構は前記モータの運動エネルギーを前記出力素子に伝動し;
前記モータ出力端に駆動歯車が設けられ、前記駆動歯車が前記モータの出力軸に嵌められ;
2組の前記伝動機構はいずれも入力歯車を含み、2つの前記入力歯車はいずれも冠歯車であり、2つの前記入力歯車の回転軸は互いに平行であり;
1つの前記駆動歯車は2つの前記入力歯車とそれぞれ噛合し、2つの前記入力歯車は前記駆動歯車の噛合する円周上で180度間隔が開くことを特徴とする、請求項5に記載の制御素子。
【請求項7】
前記伝動機構が中間歯車及び出力歯車をさらに含み、
このうち、前記入力歯車が前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車は出力歯車と噛合することを特徴とする、請求項6に記載の制御素子。
【請求項8】
前記中間歯車が第1中間歯車、第2中間歯車及び第3中間歯車を含み、
このうち、前記入力歯車は前記第1中間歯車と同軸で固定され、前記第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車は順番に噛合することを特徴とする、請求項7に記載の制御素子。
【請求項9】
前記第1中間歯車に回転軸が固定され、回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが固定して嵌められ、前記オーバーランニングクラッチに第1中間歯車が嵌められることを特徴とする、請求項8に記載の制御素子。
【請求項10】
前記第3中間歯車が前記出力歯車に一方向で出力することを特徴とする、請求項9に記載の制御素子。
【請求項11】
錠ケースに回転軸が設置され、回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが嵌められ、オーバーランニングクラッチにさらに前記第3中間歯車が嵌められることを特徴とする、請求項10に記載の制御素子。
【請求項12】
前記出力素子が電動位置止めフックであり、
前記電動位置止めフックの一端はフック部端であり、前記電動位置止めフックのもう一端は心棒接続端であり、前記電動位置止めフックに楕円貫通孔が設けられ、前記電動位置止めフックは心棒接続端を中心にして揺動し;
前記出力歯車の端面に偏心カラムが設けられ、前記偏心カラムは前記楕円貫通孔を通過し;
前記出力歯車が回転するとき、前記偏心カラムは出力歯車の中心軸を中心にして公転し、前記偏心カラムは前記電動位置止めフックを揺動させることを特徴とする、請求項に記載の制御素子。
【請求項13】
前記電動ロック機構に鏡面対称の2つの自動ロック解除カムが設けられ、2つの自動ロック解除カムは2つの前記伝動機構に駆動され;
前記シリンダに鏡面対称の2つの電動ロック解除カムが設けられ、前記電動ロック解除カムは前記制御ロッドと同時に回転し;
前記電動ロック解除カムの突出部分が、前記自動ロック解除カムの突出部分の回転軌道上にあるとき、前記自動ロック解除カムは前記電動ロック解除カムを回転させることを特徴とする、請求項6に記載の制御素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は施錠具の分野に属し、具体的に、シリンダ及び制御素子である。
【背景技術】
【0002】
既存の錠前は出荷時に室内及び室外で区分され、これにより私的空間及び公共空間の区分を実現する。錠前を取り付けるとき、両側のいずれも同じ操作を行う必要があれば、実現することができない。既存の錠前は、片側はロックの権限を有し、もう片側はロックの権限を有さない。これらを切り替えることはできず、既存の錠前は1つの使用形式のみを有する。実際の需要に基づいて、機能を選択、調整することはできない。
【0003】
共有領域で、従来の錠前を採用した場合、必然的に一方向しか操作することができず、空間の共有に不利である。双方向のいずれも該ドアをロックすることができない場合、私的空間のプライバシーは保障することができない。例えば銀行の保安システムは、2つのドアがあるとき、1つのドアから入り、1つのドアから出る。既存の錠前の実現形態は複雑で、入る又は出るドアのタイプを随意に入れ替えることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ドアの両側で等しく操作することができ、ドアの両側で単独で操作するときに互いに干渉せず、デッドボルトを1つのみ有して構造が簡単であり、両側の開閉制御に対して1つのモータのみが必要であり、体積がより小さく、構造がより簡素化されたシリンダ及び制御素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的目的を実現するため、本発明が採用する技術案は以下の通りである。
【0006】
シリンダは、鏡面対称の2つのシリンダ機構を含み、2つの前記シリンダ機構は共同で1つのデッドボルト制御環を駆動する。
【0007】
前記シリンダ機構は電動ロック環及び制御カラムを含み、前記制御カラムは順番に前記電動ロック環及び前記デッドボルト制御環の回転中心を通過する。
【0008】
2つの前記制御ロッドのうち1つの制御ロッドの端面に回転ロッドが設置され、もう1つの制御ロッドの端面にカウンターボアを有する。回転ロッドはカウンターボア内に挿入され、回転ロッドはカウンターボア内で回転することができる。前記回転ロッドは前記デッドボルト制御環を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環は回転ロッドを中心にして回転することができる。
【0009】
2つの前記制御ロッドに第1制御ピン及び第2制御ピンが各種設けられ、前記第1制御ピン及び第2制御ピンは回転ロッドを中心にして公転する。第1制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除の回転方向に制御すること、及び第2制御ピンがデッドボルト制御環をロック解除の回転方向に制御することは同じである。
【0010】
前記第1制御ピンは順番に第1鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第2鏡面の電動ロック環を通過する。前記第2鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第1鏡面の電動ロック環は前記第1制御ピンのロック解除動作を制限しない。
【0011】
前記第2制御ピンは順番に第2鏡面の電動ロック環、デッドボルト制御環及び第1鏡面の電動ロック環を通過する。前記第1鏡面の電動ロック環は前記第2制御ピンのロック、ロック解除動作を制限し、前記第2鏡面の前記電動ロック環は前記第2制御ピンのロック解除動作を制限しない。
【0012】
シリンダのさらなる限定として、前記シリンダ機構は機械的ロック環をさらに含み、前記機械的ロック環及び前記制御ロッドは同時に回転する。
【0013】
シリンダのさらなる限定として、前記シリンダ機構は弾性リターン材をさらに含む。前記弾性リターン材は前記制御カラムと回転トルクを形成し、前記弾性リターン材はロック解除の反対方向に前記電動ロック環を牽引する。
【0014】
シリンダのさらなる限定として、第1制御ピン及び第2制御ピンの横断面はいずれも扇形であり、扇形の弧度はmである。
【0015】
第1鏡面の電動ロック環に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2mであり、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mである。
【0016】
第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピンは第1鏡面の電動ロック環の弧状貫通孔内で時計周り及び反時計回りに同じ角度回転することができる。第1制御ピンが第1鏡面の電動ロック環における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、第1鏡面の電動ロック環は準備状態にある。
【0017】
第1制御ピンはデッドボルト制御環における2m弧度の弧状貫通孔と係合する。第1制御ピンがロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環は続いて回転し、第1制御ピンがロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環は回転しない。
【0018】
第1制御ピンは第2鏡面の電動ロック環における2m弧度の弧状貫通孔と係合する。第2鏡面の電動ロック環9がロックされた場合、第1制御ピンはロック解除方向に回転することができず、第1制御ピンはロック解除の反対方向にm弧度回転することができる。
【0019】
制御素子はシリンダを含み、電動ロック機構も含む。前記電動ロック機構は前記電動ロック環の回転の変位を制限する。
【0020】
制御素子のさらなる限定として、前記電動ロック機構はモータ、鏡面対称の2組の伝動機構及び鏡面対称の2つの出力素子を含む。2組の前記伝動機構は1つの前記モータを共用して駆動され、前記伝動機構は前記モータの運動エネルギーを前記出力素子に伝動する。
【0021】
前記モータ出力端に駆動歯車が設けられ、前記駆動歯車は前記モータの出力軸に嵌められる。
【0022】
2組の前記伝動機構はいずれも入力歯車を含み、2つの前記入力歯車はいずれも冠歯車である。2つの前記入力歯車の回転軸は相互に平行である。
【0023】
1つの前記駆動歯車は2つの前記入力歯車とそれぞれ噛合し、2つの前記入力歯車は前記駆動歯車の噛合する円周上で180度間隔が開く。
【0024】
制御素子のさらなる限定として、前記伝動機構は中間歯車及び出力歯車をさらに含む。
【0025】
このうち、前記入力歯車は前記中間歯車を回転させ、前記中間歯車は出力歯車と噛合する。
【0026】
制御素子のさらなる限定として、前記中間歯車は第1中間歯車、第2中間歯車及び第3中間歯車を含む。このうち、前記入力歯車は前記第1中間歯車と同軸で固定され、前記第1中間歯車、第2中間歯車、第3中間歯車及び出力歯車は順番に噛合する。
【0027】
制御素子のさらなる限定として、前記第1中間歯車に回転軸が固定される。回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが固定して嵌められ、前記オーバーランニングクラッチに前記第1中間歯車が嵌められる。
【0028】
制御素子のさらなる限定として、前記第3中間歯車は前記出力歯車に一方向で出力する。
【0029】
制御素子のさらなる限定として、錠ケースに回転軸が設置される。回転軸に1つのオーバーランニングクラッチが嵌められ、オーバーランニングクラッチにさらに前記第3中間歯車が嵌められる。
【0030】
制御素子のさらなる限定として、前記出力素子は電動位置止めフックであり、前記電動位置止めフックの一端はフック部端であり、前記電動位置止めフックのもう一端は心棒接続端である。前記電動位置止めフックに楕円貫通孔が設けられ、前記電動位置止めフックは心棒接続端を中心にして揺動する。
【0031】
前記出力歯車の端面に偏心カラムが設けられ、前記偏心カラムは前記楕円貫通孔を通過する。
【0032】
前記出力歯車が回転するとき、前記偏心カラムは出力歯車の中心軸を中心にして公転し、前記偏心カラムは前記電動位置止めフックを揺動させる。
【0033】
制御素子のさらなる限定として、前記電動ロック機構に鏡面対称の2つの自動ロック解除カムが設けられ、2つの自動ロック解除カムは2つの前記伝動機構に駆動される。
【0034】
前記シリンダに鏡面対称の2つの電動ロック解除カムが設けられ、前記電動ロック解除カムは前記制御ロッドと同時に回転する。
【0035】
前記電動ロック解除カムの突出部分が、前記自動ロック解除カムの突出部分の回転軌道上にあるとき、前記自動ロック解除カムは前記電動ロック解除カムを回転させる。
【発明の効果】
【0036】
本発明を既存技術と比較する。
【0037】
1、両側で独立して操作することができ、これにより両側のいずれも公共空間又は私的空間とすることができる。
【0038】
2、モータロックシステムによりシリンダ機構に対してロック動作を行い、自動制御の実現に有利である。1つのモータの正逆回転が両側での独立した開閉動作を実現し、さらに両側は干渉せず、構造は簡素化される。
【0039】
3、モータロックシステムは、シリンダ機構をロック及びロック解除する機能以外に、自動ロック解除カム及び電動ロック解除カムを係合することにより、取っ手を準備状態まで戻すこともでき、停電によりロックされる状態を防止した。
【0040】
4、機能が豊富であるが、構造はコンパクトで、適応範囲が広い。
【0041】
5、一方向の歯車伝動を採用し、振動により構造の信頼性に及ぼす影響が起こりにくい。
【0042】
6、両側で独立して操作すると同時に、1つの回転デッドボルトを共用する。構造が簡略化すると同時に、機能がより優れている。
【0043】
7、電動ロック機構が回転を周期的揺動に変えることにより、制御の誤差を減少させる。これにより制御はより簡単で、さらに正確で信頼できる。
【0044】
本発明は、図に示す非限定的な実施例により、さらに説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、本発明の一実施例における錠前の構造概要図である。
図2図2は、本発明の一実施例における錠前をドアに取り付けたときの構造概要図である。
図3図3は、本発明の一実施例における錠前を解体した構造概要図である。
図4図4は、本発明の一実施例における錠前の分解概要図である。
図5図5は、本発明の一実施例における錠前のデッドボルト機構Eの動作概要図である。
図6図6は、本発明の一実施例における錠前の機械的ロックシステムD及びシリンダ機構Bを係合した構造概要図である。
図7図7は、一実施例におけるモータロックシステムC及び電動ロック解除カム6を係合した自動ロック解除過程の概要図である。
図8図8は、一実施例におけるモータロックシステムC及び電動ロック環2、9の構造概要図である。
図9図9は、一実施例におけるシリンダ機構Bの構造概要図である。
図10図10は、一実施例におけるデッドボルト機構E及びデッドボルト収容機構を係合した構造概要図である。
図11図11は、一実施例におけるデッドボルト収容機構の立体図である。
図12図12は、本発明の別の実施例における錠前をドアに取り付けたときの構造概要図である。
図13図13は、本発明の別の実施例における錠前を解体した構造概要図である。
図14図14は、本発明の別の実施例における錠前の分解概要図である。
図15図15は、本発明の別の実施例における錠前のデッドボルト機構Eの動作概要図である。
図16図16は、本発明の別の実施例における錠前の機械的ロックシステムD及びシリンダ機構Bを係合した構造概要図である。
図17図17は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト機構E及びデッドボルト収容機構を係合した構造概要図である。
図18図18は、本発明の別の実施例におけるデッドボルト収容機構の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
当業者がより良好に本発明を理解することができるようにするため、以下、図及び実施例を組み合わせて本発明の技術案についてさらに説明する。
【実施例1】
【0047】
図1図11に示すように、公共空間及び私的空間を問わない錠前は、構造が同じ2つのサブロックシステムを含み、2つの前記サブロックシステムは鏡面対称に配置される。
【0048】
2つの前記サブロックシステムは、いずれもシリンダ機構B、機械的ロック機構D及びモータロックシステムCを含む。2つの前記シリンダ機構Bは、1つのデッドボルト機構Eを共同で運動させる。
【0049】
図1図6に示すように、前記シリンダ機構Bはデッドボルト制御環1、機械的ロック環4、10、電動ロック環2、9、制御カラム8、11、電動ロック解除カム6及び引っ張りバネ3を含む。
【0050】
前記デッドボルト制御環1は前記デッドボルト機構Eとの係合を制御する。
【0051】
前記引っ張りバネ3は前記制御カラム8、11と回転トルクを形成し、前記引っ張りバネ3はロック解除の反対方向に前記電動ロック環2、9を牽引する。
【0052】
図4に示すように、2つの前記シリンダ機構Bは1つの前記デッドボルト制御環1を共用する。前記制御カラム8、11は同一軸上にあり、同軸で回転することができる。
【0053】
図4に示すように、2つの制御ロッド8、11の横断面は矩形であり、2つの制御ロッド8、11のうち1つの制御ロッド8の端面に回転ロッド81が設置され、もう1つの制御ロッド11の端面にカウンターボアを有する。回転ロッド81はカウンターボア内に挿入され、回転ロッド81はカウンターボア内で回転することができる。前記回転ロッド81は前記デッドボルト制御環1を固定されずに通過し、前記デッドボルト制御環1は回転ロッド81を中心にして回転することができる。
【0054】
図9に示すように、N1は自動ロック解除カム21の運動の軌道であり、N2は自動ロック解除カム24の運動の軌道である。
【0055】
Z1はロック解除状態、Z2は準備状態、Z3は手動でデッドボルトをロックした状態である。Z2は図9で時計回りに回転させてZ1状態になり、反時計回りに回転させてZ3状態になる。
【0056】
図4図9に示すように、制御ロッド8、11のいずれにも制御スリーブ7が嵌められ、前記制御ロッド8、11は前記制御スリーブ7とスプラインにより係合する。2つの制御スリーブ7に第1制御ピン71及び第2制御ピン72が各種設けられ、前記第1制御ピン71及び第2制御ピン72は回転ロッド81を中心にして公転する。第1制御ピン71がデッドボルト制御環1をロック解除の方向に制御すること、及び第2制御ピン72がデッドボルト制御環1をロック解除の方向に制御することは同じである。
【0057】
図4図9に示すように、前記制御スリーブ7は順番に電動ロック解除カム6及び機械的ロック環4を通過し、前記制御スリーブ7はそれぞれ電動ロック解除カム6及び機械的ロック環4とスプラインにより係合する。前記第1制御ピン71は順番に電動ロック解除カム6、機械的ロック環4、電動ロック環2、デッドボルト制御環1及び電動ロック環9を通過する。前記第1制御ピンが取っ手に伴って回転するとき、前記電動ロック環2は回転せず、前記デッドボルト制御環1は回転し、前記電動ロック環9は回転する。前記第2制御ピン72は順番に電動ロック解除カム6、機械的ロック環10、電動ロック環9、デッドボルト制御環1及び電動ロック環2を通過する。前記第2制御ピン72が取っ手に伴って回転するとき、前記電動ロック環9は回転せず、前記デッドボルト制御環1は回転し、前記電動ロック環2は回転する。
【0058】
図4図9に示すように、ここで実現する形態は次の通りである。第1制御ピン71及び第2制御ピン72の横断面はいずれも扇形であり、扇形の弧度はmである。電動ロック環2に2つの弧状貫通孔を有し、1つの弧状貫通孔の弧度は2mであり、もう1つの弧状貫通孔の弧度は3mである。第1制御ピン71は電動ロック環2の3m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピン71は電動ロック環2の弧状貫通孔内で時計回り及び反時計回りに同じ角度回転することができる。第1制御ピン71が電動ロック環2における3m弧度の弧状貫通孔の中間位置にあるとき、電動ロック環2は準備状態にある。第1制御ピン71はデッドボルト制御環1の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、第1制御ピン71がロック解除方向に回転するとき、デッドボルト制御環1は続けて回転する。第1制御ピン71がロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、デッドボルト制御環1は回転しない。第1制御ピン71は電動ロック環9の2m弧度の弧状貫通孔と係合し、電動ロック環9がロックされた場合、第1制御ピン71はロック解除方向に回転することができず、第1制御ピン71はロック解除の反対方向にm弧度回転することができる。第1制御ピン71及び第2制御ピン72の構造は類似するため、ここでは述べない。
【0059】
図4図9に示すように、動作工程を説明する。電動ロック環2がロックされたとき、制御ロッド11はロック解除方向の動作を実現することができず、電動ロック環9がロックされたとき、制御ロッド8はロック解除方向の回転を実現することができない。制御ロッド8、11は単独でデッドボルト制御環1を制御し、互いに干渉することはない。機械的ロック環4は制御カラム8と同時に回転し、機械的ロック環10は制御カラム11と同時に回転する。
【0060】
図10図11に示すように、前記デッドボルト機構Eは回転デッドボルト16及びねじりバネ17を含む。
【0061】
前記回転デッドボルト16に回転心棒が固定して設けられ、前記回転デッドボルト16は前記回転心棒を中心にして回転する。
【0062】
前記ねじりバネ17は、前記回転デッドボルト16が閉じた状態を保持するように制御する。
【0063】
前記回転デッドボルト16は前記デッドボルト制御環1と係合する。
【0064】
前記回転デッドボルト16は板状構造で、半円形状である。
【0065】
前記回転デッドボルト16に案内溝161を有し、前記デッドボルト制御環1にフック1aが設けられ、前記フック1aは前記案内溝161内に進入する。
【0066】
前記案内溝161内に位置制限突起1611が設けられ、前記フック1aが前記位置制限突起1611と係合する。前記デッドボルト16の回転過程で、前記フック1a及び前記位置制限突起1611は相対して回転すると同時に、さらに相対してスライドする。
【0067】
前記回転デッドボルト16の末端の角に位置止めブロック162が設けられ、前記位置止めブロック162及び前記デッドボルト制御環1の出力端はそれぞれ前記回転心棒の両側に位置する。
【0068】
前記位置止めブロック162は前記回転デッドボルト16の末端の角部分に固定され、前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の各面がつながる部分はいずれも段状構造であり、前記位置止めブロック162は突起部分である。
【0069】
前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の非接続面は斜面又は曲面であり、前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の接続端は重要な部分である。
【0070】
前記位置止めブロック162及び前記回転デッドボルト16の非接続面が斜面であるとき、前記斜面は少なくとも3つある。このうちの2つの斜面は鏡面対称となり、もう1つの斜面は鏡面対称となる2つの前記斜面と接続される。
【0071】
図10図11に示すように、デッドボルト機構Eと係合するデッドボルト収容機構は、収容空洞b1及び仕切り板b2を含み、前記収容空洞b1の空洞口は前記仕切り板b2に遮られる。前記仕切り板b2は第1貫通孔b21及び第2貫通孔b22を有し、前記位置止めブロック162は前記第1貫通孔b21内に回転して進入することができ、前記回転デッドボルト16は前記第2貫通孔b22内に回転して進入することができる。前記第1貫通孔b21の孔口は矩形、前記第2貫通孔b22の孔口は矩形であり、前記第1貫通孔b21及び前記第2貫通孔b22は「凸」を逆さまにした構造を形成する。
【0072】
動作工程:ドアが閉じた状態のとき、位置止めブロック162は収容空洞b1内に位置し、ねじりバネ17は回転デッドボルト16に圧力を付与し、これにより回転デッドボルト16は時計回りに回転する傾向を有する。フック1aの末端は案内溝161内に進入し、さらに位置制限突起1611と係合してフック1aが時計回りに回転するとき、回転デッドボルト16は反時計回りに回転し、位置止めブロック162は第1貫通孔b21部分から回転して出る。ドア板内に回転して入ると、ドア板を押し動かして、ドアを開ける動作を実現する。ドアを閉じる動作を必要とするとき、同じ操作を行う。
【0073】
デッドボルト機構Eの特徴:1、回転により開閉動作を実現し、非正常な状況での誤操作を防止する。2、位置止めブロックの設置により、回転デッドボルトが収容空洞に回転して進入した後にかみ合う。逆方向に回転させないと開く動作を行うことができず、ロック状態がより信頼できる。3、板状構造の回転デッドボルトは、幅が比較的広く、ドアの無理な突破に対するとき、より大きなせん断力を受けることができる。4、引き戸、折れ戸などに適用される。ドアを開く方向を変えるとき、デッドボルトの方向の設定が省かれる。すなわちドアを開く2つの方向は等しい。
【0074】
図1図8に示すように、機械的ロックシステムD及びモータロックシステムCについて、前記機械的ロックシステムDは前記機械的ロック環4、10と係合し、前記モータロックシステムCは前記電動ロック環2、9と係合する。
【0075】
図1図8に示すように、機械的ロック位置センサA1をさらに含み、前記機械的ロック位置センサA1は前記機械的ロックシステムDの状態位置に定位される。機械的ロック環4、10に検出棒状板5が設けられ、検出棒状板5は棒状孔51を有する。1つの心棒が棒状孔51を通過し、検出棒状板5は心棒を中心にして回転することができる。機械的ロック位置センサA1は機械作動センサを採用し、運動時に異なる位置の機械的ロック位置センサA1を作動させ、これによりトラッキングを実現する。
【0076】
図1図8に示すように、モータロック位置センサA2がさらに含まれ、前記モータロック位置センサA2は前記モータロックシステムCの状態位置に定位される。モータロック位置センサA2は、機械作動センサを採用することができる。モータロック位置センサA2は電動位置止めフック19の位置に定位される。
【0077】
機械的ロック位置センサA1及びモータロック位置センサA2は、センサシステムAを構成する。
【0078】
図1図8に示すように、前記機械的ロックシステムDは機械的ロックカム12、13、圧縮バネ15、接続片14及び機械的ロック筐体30を含む。接続片14にノッチを有し、圧縮バネ15はノッチ内に位置する。
【0079】
前記圧縮バネ15は前記機械的ロック筐体30内に位置し、前記接続片14の一部は前記機械的ロック筐体30内に固定されずに進入する。前記接続片14の一端は前記圧縮バネ15と接触し、もう一端は前記機械的ロックカム12、13と心棒を介して接続される。前記機械的ロックカム12、13は機械的ロック環4、10と係合し、前記機械的ロックカム12、13には位置止め突起121、131が設けられる。
【0080】
前記機械的ロック環4、10にフックが設けられ、前記フックは前記位置止め突起121、131と係合する。
【0081】
前記機械的ロック筐体30に2つの第1位置止め孔30aが設けられ、2つの前記接続片14に第2位置止め孔14aがそれぞれ対応して設けられる。
【0082】
動作を説明する。機械的ロック環4がロック解除の反対方向にm弧度回転するとき、機械的ロック環4は機械的ロックカム12を押し上げ、機械的ロックカム12は圧縮バネ15を圧縮する。機械的ロックカム12の末端が回転デッドボルト16の回転経路上まで回転し、これにより回転デッドボルト16を回転させてロック解除することができない。機械的ロック環10、機械的ロックカム13、圧縮バネ15及び回転デッドボルト16の係合方式は類似するため、ここでは述べない。
【0083】
前記位置止め突起121、131及び前記機械的ロック環4、10のフックが係合する作用は次の通りである。機械的ロック環4、10がロック解除方向に回転するとき、フックが位置止め突起121、131に掛かり、これにより機械的ロックカム12、13を回転デッドボルト16の回転経路から離脱させる。機械的ロックカム12、13が回転デッドボルト16を妨げ、ロック解除動作に影響を及ぼすのを防止する。
【0084】
錠前を取り付けるとき、1つの差込ピンを第1位置止め孔30a及び第2位置止め孔14aに挿入すると、1つの前記接続片14は固定され、接続片14は前記機械的ロック筐体30内で内に運動することも、外に運動することもない。このときロックされた側の接続片14はロック解除の反対方向に取っ手を回転させることにより、デッドボルトをロックすることができない。差込ピンを取り付けていないとき、2つの接続片14はいずれもロックされない。具体的に取り付けるとき、実際の部屋のドアに必要な論理に基づいて選択し、1つの接続片14をロックするか、又は2つの接続片14をいずれもロックしないか、又は2つの接続片14をいずれもロックするかを選択することができ、各種論理の組合せの選択を実現する。
【0085】
図1図8に示すように、前記モータロックシステムCは、鏡面対称の2組の伝動機構及び鏡面対称の2つの電動位置止めフック19を含む。2組の伝動機構は1つのモータ29により駆動される。
【0086】
前記伝動機構は、前記モータ29の動力を前記電動位置止めフック19に伝動する。2組の伝動機構の間に仕切り板18が設けられ、仕切り板18に対して鏡面対称である。
【0087】
前記電動ロック環2、9にフック部が設けられ、前記電動位置止めフック19は前記フック部と係合する。電動位置止めフック19が前記電動ロック環2、9のフック部に掛かるとき、電動ロック環2、9はロックされる。
【0088】
前記伝動機構は歯車伝動であり、2組の伝動機構は仕切り板18の両側で鏡面対称に配置される。
【0089】
前記伝動機構は入力歯車26、第1中間歯車27、第2中間歯車25、第3中間歯車23及び出力歯車20を含む。前記入力歯車26は前記第1中間歯車27と同軸であり、前記第1中間歯車27、第2中間歯車25、第3中間歯車23及び出力歯車20は順番に噛合する。
【0090】
前記入力歯車26は冠歯車であり、前記第1中間歯車27及び前記第3中間歯車23はいずれも一方向歯車である。
【0091】
第1中間歯車27の一方向回転の実現形態は次の通りである。前記第1中間歯車27に1つの回転軸が固定される。回転軸に1つのオーバーランニングクラッチ22が固定して嵌められ、オーバーランニングクラッチ22にさらに前記第1中間歯車27が嵌められる。オーバーランニングクラッチ22の作用は次の通りである。モータが正回転するとき、1つの鏡面の伝動機構が出力し、モータが逆回転するとき、もう1つの鏡面の伝動機構が出力する。すなわち2つの鏡面で、モータの正回転により1つの鏡面の第1中間歯車27が駆動し、もう1つの鏡面の第1中間歯車27内に嵌めたオーバーランニングクラッチ22は空回りする。モータが逆回転するとき、同様に、モータが1つの方向に回転し、1つの伝動機構のみが出力することができる。
【0092】
第3中間歯車23の一方向回転の実現形態は次の通りである。錠ケースに1つの回転軸が設置される。回転軸にオーバーランニングクラッチ22が嵌められ、オーバーランニングクラッチ22にさらに第3中間歯車23が嵌められ、第3中間歯車23はさらに出力歯車20と噛合する。伝動過程は、第3中間歯車23の回転が出力歯車20を駆動するが、出力歯車20は反対方向に第3中間歯車23を駆動することはできない。電子錠システムにおいて、ドアの開閉などの振動により歯車が自由に回転するのを防止するのに成功している。歯車の正常な回転方向が前方であると仮定すると、前方への外力は、モータ及びその他すべての歯車を押動する摩擦力にすべての歯車比を乗じた倍率の合計より大きくなければならず、後方へは一方向歯車の最大支持力より大きくなければならず、そうでなければシステムを押動することができない。
【0093】
オーバーランニングクラッチは電気機械一体化製品の発展に伴って出現した基本部品であり、原動機及び工作機械間、又は機器内部の駆動軸及び従動軸間の動力を伝達及び分離する機能として用いられる重要部品である。これは駆動、従動部分の速度変化又は回転方向の変換を利用して、自ら離合する機能を有する装置である。オーバーランニングクラッチは、ワンウェイ式オーバーランニングクラッチ、ローラ式オーバーランニングクラッチ及びラチェット式オーバーランニングクラッチに分けられる。オーバーランニングクラッチは既存技術であり、ここでは述べない。
【0094】
最後に、出力歯車20は前記電動位置止めフック19を周期的に揺動させる。
【0095】
図4に示すように、2つの前記伝動機構は1つのモータ29を共用し、前記モータ29の出力端に駆動歯車28が設けられる。前記駆動歯車28は前記モータの出力軸に嵌められ、前記駆動歯車28は2つの入力歯車26とそれぞれ噛合する。両側における2つの電動位置止めフック19の動作状態は次の通りである。1つの鏡面の電動位置止めフック19が動作すると、もう1つの鏡面の電動位置止めフック19は動作しない。モータが正回転及び逆回転するとき、2つの鏡面の電動位置止めフック19は交互に往復して相応する側の開閉状態を制御する。
【0096】
図4に示すように、前記電動位置止めフック19の一端はフック部端であり、前記電動位置止めフック19のもう一端は心棒接続端である。前記電動位置止めフック19に楕円貫通孔が設けられ、前記楕円貫通孔は前記フック部端及び前記心棒接続端の間に位置し、電動位置止めフック19は心棒を中心にして揺動する。
【0097】
前記出力歯車20の端面に偏心カラム201が設けられ、前記偏心カラム201は前記楕円貫通孔を通過する。
【0098】
前記出力歯車20が回転するとき、前記偏心カラム201は出力歯車20の固定軸を中心にして公転し、前記偏心カラム201は前記電動位置止めフック19を揺動させる。
【0099】
電動位置止めフック19の心棒接続端は異なる位置のモータロック位置センサA2を作動させ、これによりトラッキングを実現する。
【0100】
図3図4図6に示すように、前記シリンダ機構Bに電動ロック解除カム6が設けられ、前記電動ロック解除カム6は前記制御カラム8、11と同時に回転する。
【0101】
前記モータロックシステムCは自動ロック解除カム21、24をさらに含み、前記出力歯車20は前記出力歯車20と共回転軸で同時に回転する。
【0102】
2つの前記電動ロック解除カム6はそれぞれ前記自動ロック解除カム21、24と係合する。
【0103】
偏心カラム201は自動ロック解除カム21、24の端面に固定され、前記出力歯車20を通過する。
【0104】
制御ロッド8、11がロック解除の反対方向に回転するとき、機械的ロック環4、10が機械的ロックカム12、13の末端を回転デッドボルト16のロック解除の回転軌道上に回転させ、回転デッドボルト16のロックを実現する。モータ29が電動位置止めフック19を回転させるとき、自動ロック解除カム21、24も同時に回転する。自動ロック解除カム21、24が回転するとき、2つの電動ロック解除カム6をそれぞれ回転させる。2つの電動ロック解除カム6は制御ロッド8、11を準備状態に戻るまで回転させ、すなわち取っ手を準備状態まで戻す。モータ29が1サイクル回転すると、偏心カラム201が楕円貫通孔の短軸の一端からもう一端に運動し、片道の揺動を実現する。モータ29が自動ロック解除カム21、24を回転させるとき、必然的に電動ロック解除カム6を元の位置に動かし、これにより機械的ロックカム12、13の回転デッドボルト16に対するロック解除を実現する。
【0105】
図2に示すように、本発明の錠前に位置止めボスがさらに設けられる。回転デッドボルト16部分に位置止めボスを設けて、デッドボルトのロック解除過程で回転角度が過度に大きくなるのを防止する。さらに、デッドボルト制御環1のロック解除回転方向の反対方向に位置止めボスが設けられ、電動ロック環2、9部分に位置止めボスが設けられる。デッドボルト制御環1のフック構造は引っ張りバネ3に牽引された状態で、回転の変位が留められるが、ロック解除方向の回転の変位はボスに制限されない。
【実施例2】
【0106】
さらなる実施例において、図12~18に示すように、電子ロックシステムがプラスチックカードの類の物で無効化され、無理にドアが開かれるのを防止するため、前記実施例を基に、デッドボルト16の片側に、第1デッドボルト同期部品163及び第2デッドボルト同期部品164がデッドボルトの回転軸と同軸で設置される。このうち、第2デッドボルト同期部品164はデッドボルト16及び第1デッドボルト同期部品163の間に設置される。デッドボルト16がZ3回転に沿ってドアをロックするとき、第2デッドボルト同期部品164はデッドボルト16と同期するが、直線で動作し外に延伸する。本実施例において、デッドボルト16の位置制限突起1611は、第1の実施例と比較して、凹状でよいが、これは第1実施例と同じ作用であり、ここでは述べない。第1デッドボルト同期部品163及び第2デッドボルト同期部品164の追加により、本発明の実施例に伸縮材31、両端ねじりバネ32、フック33をさらに含む。デッドボルト16がロック解除状態のとき、フック33はデッドボルト16に当接する。両端ねじりバネ32はフック33内に設置され、一端はフック33を押さえ、もう一端は機械的ロック筐体30に当接し、これによりフック33はデッドボルト16が回転するとき共に動作することができる。デッドボルト16の位置制限突起1611が通過すると、フック33はデッドボルト16に掛かり、デッドボルト16はドアから出ることができない。伸縮材31はドアを閉じたとき力を受けて錠前の内部方向に移動することができ、さらには時計回りにフック33を回転させ、これによりフック33は位置制限突起1611に掛かる範囲から離脱し、デッドボルト16を解放する。さらに、説明すべきこととして、伸縮材31の錠前内部から離れた側は弧状であり、全てのタイプのドアに適用される。伸縮材31、両端ねじりバネ32及びフック33の設置により、ドアがドア枠から離れたときデッドボルトが出ないようにすることができ、さらには全体的な調和を向上させる。デッドボルトが不必要に出ることにより、糸、紐、又はその他のロープ状の物が引っかかるのも防止する。同時に、ドアを閉じるとき、デッドボルトのバネ力に抵抗する必要はなく、ドアを閉じる動作をよりスムーズにすることもできる。さらなる技術的効果において、このような設計は使用者がドアを開けるときデッドボルトを思いがけずにロックするのを防止することもできる。デッドボルトは、長期的にドアを開けるときに伸出し、引き戸を閉めるとき、ドア枠に衝突して一定の騒音が生じ、ドアロック自体が損耗する可能性があるが、この設計はデッドボルトがドア枠の一部に衝突するのを避けることができる。さらに、衝突は伸縮材31に集中する。伸縮材31に衝突すると、デッドボルト16は自動的に跳び出すため、引き戸の跳ね返りを防止する機能に影響を及ぼさない。
【0107】
以上、本発明が提供する公共空間及び私的空間を問わない錠前について詳細な説明を行った。具体的な実施例の説明は、本発明の方法及びその重要な発想に対する理解を助けるために過ぎない。当業者は、本発明の原理を逸脱しない前提で、本発明に対していくつかの改良及び改変を行うこともでき、これらの改良及び改変も、本発明の特許請求の範囲の保護範囲内にあることを指摘しなければならない。
【0108】
以上、本発明が提供するシリンダ及び制御素子について詳細な説明を行った。具体的な実施例の説明は、本発明の方法及びその重要な発想に対する理解を助けるために過ぎない。当業者は、本発明の原理を逸脱しない前提で、本発明に対していくつかの改良及び改変を行うこともでき、これらの改良及び改変も、本発明の特許請求の範囲の保護範囲内にあることを指摘しなければならない。
図1
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