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特許7050181ウィンドウシェード及びそのスプリング駆動システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】ウィンドウシェード及びそのスプリング駆動システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
E06B9/322
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020561919
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 US2019061296
(87)【国際公開番号】W WO2020236212
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】62/851,992
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518290445
【氏名又は名称】テー ヨー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フアン,チン-ティエヌ
(72)【発明者】
【氏名】フアン,チェヌ-フォン
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3143818(JP,U)
【文献】特開2004-360453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0093426(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109695411(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0298688(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0136612(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24 - 9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウシェードのためのスプリング駆動システムであって、当該スプリング駆動システムは、
ハウジングと、
それぞれ第1の枢動軸及び第2の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のギア及び第2のギアであって、該第1のギア及び該第2のギアは互いに係合し、該第1のギアは、該第1のギアの両側で第1の巻き取りリール及び第2の巻き取りリールに固定接続される、第1のギア及び第2のギアと、
前記第2の枢動軸を中心に前記第2のギアの両側に組付けられる第1のバネ及び第2のバネであって、該第1のバネの一端は前記第1の巻き取りリールに固定され、該第2のバネの一端は前記第2の巻き取りリールに固定される、第1のバネ及び第2のバネと、
互いに固定接続されるとともに、第3の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のコードドラム及び第3のギアであって、該第1のコードドラムは第1のサスペンションコードに接続される、第1のコードドラム及び第3のギアと、
前記第1のギア及び前記第3のギアのそれぞれ係合する第1のギア列であって、前記第1のギア及び前記第3のギアは前記第1の枢動軸及び前記第3の枢動軸に沿って異なる水平面にそれぞれ位置する、第1のギア列と、
互いに固定接続されるとともに、第4の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第2のコードドラム及び第4のギアであって、該第2のコードドラムは第2のサスペンションコードに接続される、第2のコードドラム及び第4のギアと、
前記第2のギア及び前記第4のギアのそれぞれ係合する第2のギア列であって、前記第2のギア及び前記第4のギアは前記第2の枢動軸及び前記第4の枢動軸に沿って異なる水平面にそれぞれ位置する、第2のギア列と、
を含むスプリング駆動システム。
【請求項2】
前記第1のコードドラムは、前記第1のコードドラムの軸対称に突出する2つの突出端部の間に広がる、前記第1のサスペンションコードを巻き取るための巻き取り面を有し、前記第1のギアは、前記2つの突出端部の間の巻き取り面の広がり内に位置する、請求項1に記載のスプリング駆動システム。
【請求項3】
前記第1のギア列は、互いに係合する第5のギア及び第6のギアを含み、該第5のギアは前記第1のギアとさらに係合し、該第6のギアは前記第3のギアとさらに係合する、請求項1又は2に記載のスプリング駆動システム。
【請求項4】
前記第5のギア及び前記第6のギアは異なる面幅を有する、請求項3に記載のスプリング駆動システム。
【請求項5】
前記第1のギア、前記第1のギア列及び前記第3のギアは、前記第1のコードドラムと、前記第1の巻き取りリール及び前記第2の巻き取りリールとが同じ回転速度を有するように構成されているか又は前記第1のコードドラムと、前記第1の巻き取りリール及び前記第2の巻き取りリールとの間に回転速度差を付与するように構成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項6】
第1のバネリール及び第2のバネリールをさらに含み、該第1のバネリール及び該第2のバネリールは前記第2のギアに対してそれぞれ回転することができるように、前記第2のギアの両側にそれぞれ枢結され、前記第1のバネリール及び前記第2のバネリールと、前記第2のギアとは同軸的に配置され、前記第1のバネが前記第1のバネリールの周りに組付けられ、前記第2のバネが前記第2のバネリールの周りに組付けられる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項7】
第5の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結されるガイドローラをさらに含み、前記第1のサスペンションコードは該ガイドローラの周りに少なくとも部分的に巻かれる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項8】
前記第1のサスペンションコードを前記第1のコードドラムの周りに巻くのを容易にするために、前記ガイドローラは前記第5の枢動軸に沿って摺動可能である、請求項7に記載のスプリング駆動システム。
【請求項9】
前記ハウジングに枢結されるとともに、前記第1のサスペンションコードと接触するローラを保持するロッドと、該ロッドに接続されるバネとをさらに含み、該バネは、前記第1のサスペンションコードを前記第1のコードドラムに対して押し付けるために該ロッドを所定の方向に付勢する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項10】
ヘッドレール及び底部と、
前記へッドレール及び前記底部にそれぞれ隣接して配置される第1の端部及び第2の端部を有する遮光構造と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスプリング駆動システムと、
を含むウィンドウシェードであって、
前記スプリング駆動システムのハウジングは、前記ヘッドレール及び前記底部のうちの一方に取り付けられ、前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードは、前記ヘッドレール及び前記底部のうちの他方に取り付けられる端部を有し、前記スプリング駆動システムの第1のバネ及び第2のバネは、前記底部を維持するために前記底部に加えられる重りに対抗するように動作可能である、ウィンドウシェード。
【請求項11】
ヘッドレール、底部及び該へッドレールと該底部との間にある中間レールと、
前記中間レール及び前記底部にそれぞれ隣接して配置される第1の端部及び第2の端部を有する遮光構造と、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスプリング駆動システムと、
を含むウィンドウシェードであって、
前記スプリング駆動システムのハウジングは前記ヘッドレールに取り付けられ、前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードは前記中間レールに取り付けられる端部を有し、
前記第1のバネ及び第2のバネは、前記中間レールが前記ヘッドレールから遠ざけられた場合に、それぞれ前記第1の巻き取りリール及び前記第2の巻き取りリールの周りに巻かれ、前記第1のバネ及び前記第2のバネは、前記中間レールが前記ヘッドレールの方に動かされた場合に、前記第1のコードドラム及び前記第2のコードドラムが前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードをそれぞれ巻き上げるよう回転させるために付勢する、ウィンドウシェード。
【請求項12】
ウィンドウシェードのためのスプリング駆動システムで、当該スプリング駆動システムは、
ハウジングと、
それぞれ第1の枢動軸及び第2の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のギア及び第2のギアであって、該第1のギア及び該第2のギアは互いに係合し、該第1のギアは、該第1のギアの両側で第1の巻き取りリール及び第2の巻き取りリールに固定接続される、第1のギア及び第2のギアと、
前記第2の枢動軸を中心に前記第2のギアの両側に組付けられる第1のバネ及び第2のバネであって、該第1のバネの一端は前記第1の巻き取りリールに固定され、該第2のバネの一端は前記第2の巻き取りリールに固定される、第1のバネ及び第2のバネと、
互いに固定接続されるとともに、第3の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のコードドラム及び第3のギアであって、該第1のコードドラムは第1のサスペンションコードに接続されるとともに、巻き取り面を有し、該第1のサスペンションコードは該巻き取り面に巻かれ、該巻き取り面は該第1のコードドラムの軸対称に突出する2つの突出端部の間で広がり、前記第1のギア及び前記第2のギアは、該2つの突出端部の間の巻き取り面の広がり内に位置する、第1のコードドラム及び第3のギアと、
前記第1のギア及び前記第3のギアのそれぞれ係合する第1のギア列と、
互いに固定接続されるとともに、第4の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第2のコードドラム及び第4のギアであって、該第2のコードドラムは第2のサスペンションコードに接続される、第2のコードドラム及び第4のギアと、
前記第2のギア及び前記第4のギアのそれぞれ係合する第2のギア列と、
を含むスプリング駆動システム。
【請求項13】
前記第1のギア列は、互いに係合する第5のギア及び第6のギアを含み、該第5のギアは前記第1のギアとさらに係合し、該第6のギアは前記第3のギアとさらに係合する、請求項12に記載のスプリング駆動システム。
【請求項14】
前記第1のギア、前記第1のギア列及び前記第3のギアは、前記第1のコードドラムと、前記第1の巻き取りリール及び第2の巻き取りリールとが同じ回転速度を有するように構成されているか又は前記第1のコードドラムと、前記第1の巻き取りリール及び前記第2の巻き取りリールとの間に回転速度差を付与するように構成されている、請求項12又は13に記載のスプリング駆動システム。
【請求項15】
第1のバネリール及び第2のバネリールをさらに含み、該第1のバネリール及び該第2のバネリールは前記第2のギアに対してそれぞれ回転することができるように、前記第2のギアの両側にそれぞれ枢結され、前記第1のバネリール及び前記第2のバネリールと、前記第2のギアとは同軸的に配置され、前記第1のバネが前記第1のバネリールの周りに組付けられ、前記第2のバネが前記第2のバネリールの周りに組付けられる、請求項12乃至14のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項16】
第5の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結されるガイドローラをさらに含み、前記第1のサスペンションコードは該ガイドローラの周りに少なくとも部分的に巻かれる、請求項12乃至15のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項17】
前記第1のサスペンションコードを前記第1のコードドラムの周りに巻くのを容易にするために、前記ガイドローラは前記第5の枢動軸に沿って摺動可能である、請求項16に記載のスプリング駆動システム。
【請求項18】
前記ハウジングに枢結されるとともに、前記第1のサスペンションコードと接触するローラを保持するロッドと、該ロッドに接続されるバネとをさらに含み、該バネは、前記第1のサスペンションコードを前記第1のコードドラムに対して押し付けるために該ロッドを所定の方向に付勢する、請求項12乃至17のいずれか一項に記載のスプリング駆動システム。
【請求項19】
ヘッドレール及び底部と、
前記へッドレール及び前記底部にそれぞれ隣接して配置される第1の端部及び第2の端部を有する遮光構造と、
請求項12乃至18のいずれか一項に記載のスプリング駆動システムと、
を含むウィンドウシェードであって、
前記スプリング駆動システムのハウジングは、前記ヘッドレール及び前記底部のうちの一方に取り付けられ、前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードは、前記ヘッドレール及び前記底部のうちの他方に取り付けられる端部を有し、前記スプリング駆動システムの第1のバネ及び第2のバネは、前記底部を維持するために前記底部に加えられる重りに対抗するように動作可能である、ウィンドウシェード。
【請求項20】
ヘッドレール、底部及び該へッドレールと該底部との間にある中間レールと、
前記中間レール及び前記底部にそれぞれ隣接して配置される第1の端部及び第2の端部を有する遮光構造と、
請求項12乃至18のいずれか一項に記載のスプリング駆動システムと、
を含むウィンドウシェードであって、
前記スプリング駆動システムのハウジングは前記ヘッドレールに取り付けられ、前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードは前記中間レールに取り付けられる端部を有し、
前記第1のバネ及び第2のバネは、前記中間レールが前記ヘッドレールから遠ざけられた場合に、それぞれ前記第1の巻き取りリール及び前記第2の巻き取りリールの周りに巻かれ、前記第1のバネ及び前記第2のバネは、前記中間レールが前記ヘッドレールの方に動かされた場合に、前記第1のコードドラム及び前記第2のコードドラムが前記第1のサスペンションコード及び前記第2のサスペンションコードをそれぞれ巻き上げるよう回転させるために付勢する、ウィンドウシェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第62/851992号の優先権を主張する。係る仮特許出願の開示は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ウインドウシェード及びウインドウシェードで用いられるスプリング駆動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ベネチアンブラインド、ローラーシェード及びハニカムシェード等の多くの種類のウインドウシェードが現在市販されている。シェードは下げられた場合に窓枠の領域を覆って窓から部屋に入る光の量を減らし、プライバシーを高めることができる。従来、ウィンドウシェードには、ウィンドウシェードの底部レールを上げるか又は下げるために手動で作動させることができる操作コードが設けられている。底部レールは、回転ドラムの周りに懸架部材を巻くことにより上げることができ、回転ドラムから懸架部材を巻き戻すことによって下げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウインドウシェードの操作コードによって子供の首が絞められる危険性について懸念されている。その結果、底部レールの上げ下げに電動モーターやスプリングモーターを用いるコードレスのウィンドウシェードが開発されてきた。一般的に、ウィンドウシェードで用いられるスプリングモータは、底部レールを所望の高さで維持するためにトルクを加えるように動作可能なバネで構成されている。しかしながら、異なるサイズ又は種類のウィンドウシェードへのスプリングモータの従来の構造の適合は容易でない場合がある。
【0005】
したがって、ウィンドウシェードで便利に用いることができ、少なくとも前述の問題に対処できる改善されたスプリング駆動システムに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、ウインドウシェード及び該ウインドウシェードと共に用いるスプリング駆動システムを記載する。一実施形態では、スプリング駆動システムは、ハウジングと、それぞれ第1の枢動軸及び第2の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のギア及び第2のギアであって、該第1のギア及び該第2のギアは互いに係合し、該第1のギアは、該第1のギアの両側で第1の巻き取りリール及び第2の巻き取りリールに固定接続される、第1のギア及び第2のギアと、前記第2の枢動軸を中心に前記第2のギアの両側に組付けられる第1のバネ及び第2のバネであって、該第1のバネの一端は前記第1の巻き取りリールに固定され、該第2のバネの一端は前記第2の巻き取りリールに固定される、第1のバネ及び第2のバネと、互いに固定接続されるとともに、第3の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のコードドラム及び第3のギアであって、該第1のコードドラムは第1のサスペンションコードに接続される、第1のコードドラム及び第3のギアと、前記第1のギア及び前記第3のギアのそれぞれ係合する第1のギア列であって、前記第1のギア及び前記第3のギアは前記第1の枢動軸及び前記第3の枢動軸に沿って異なる水平面にそれぞれ位置する、第1のギア列と、互いに固定接続されるとともに、第4の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第2のコードドラム及び第4のギアであって、該第2のコードドラムは第2のサスペンションコードに接続される、第2のコードドラム及び第4のギアと、前記第2のギア及び前記第4のギアのそれぞれ係合する第2のギア列であって、前記第2のギア及び前記第4のギアは前記第2の枢動軸及び前記第4の枢動軸に沿って異なる水平面にそれぞれ位置する、第2のギア列と、を含む
別の実施形態によれば、ウィンドウシェードのためのスプリング駆動システムはハウジングと、それぞれ第1の枢動軸及び第2の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のギア及び第2のギアであって、該第1のギア及び該第2のギアは互いに係合し、該第1のギアは、該第1のギアの両側で第1の巻き取りリール及び第2の巻き取りリールに固定接続される、第1のギア及び第2のギアと、前記第2の枢動軸を中心に前記第2のギアの両側に組付けられる第1のバネ及び第2のバネであって、該第1のバネの一端は前記第1の巻き取りリールに固定され、該第2のバネの一端は前記第2の巻き取りリールに固定される、第1のバネ及び第2のバネと、互いに固定接続されるとともに、第3の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第1のコードドラム及び第3のギアであって、該第1のコードドラムは第1のサスペンションコードに接続されるとともに、巻き取り面を有し、該第1のサスペンションコードは該巻き取り面に巻かれ、該巻き取り面は該第1のコードドラムの軸対称に突出する2つの突出端部の間で広がり、前記第1のギア及び前記第2のギアは、該2つの突出端部の間の巻き取り面の広がり内に位置する、第1のコードドラム及び第3のギアと、前記第1のギア及び前記第3のギアのそれぞれ係合する第1のギア列と、互いに固定接続されるとともに、第4の枢動軸を中心に前記ハウジングに枢結される第2のコードドラム及び第4のギアであって、該第2のコードドラムは第2のサスペンションコードに接続される、第2のコードドラム及び第4のギアと、前記第2のギア及び前記第4のギアのそれぞれ係合する第2のギア列と、を含む。
【0007】
さらに、本願は、スプリング駆動システムが組み込まれる異なる種類のウインドウシェードを記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ウィンドウシェードのためのスプリング駆動システムの実施形態を示す分解図である。
図2図2は、図1に示すスプリング駆動システムを示す断面図である。
図3図3は、図1に示すスプリング駆動システムの平面図である。
図4図4は、図1に示すスプリング駆動システムの一部を示す拡大図である。
図5図5は、図1に示すスプリング駆動システムの別の部分を示す拡大図である。
図6図6は、図1に示すスプリング駆動システムに設けられたガイドローラの例示の摺動を示す概略図である。
図7図7は、図1に示すスプリング駆動システムに設けられたガイドローラの例示の摺動を示す概略図である。
図8図8は、図1図5に示すスプリング駆動システムが組み込まれたウィンドウシェードの一実施形態を示す前面図である。
図9図9は、図8に示すウィンドウシェードの分解図である。
図10図10は、底部が完全に上げられた位置で保持されている図8のウィンドウシェードを示す斜視図である。
図11図11は、底部が下げられた位置で保持されている図8のウィンドウシェードを示す斜視図である。
図12図12は、図8に示すウィンドウシェードにおけるスプリング駆動システムの例示の動作を示す平面図である。
図13図13は、図1図5に示すスプリング駆動システムと同じ構造をそれぞれ有する2つのスプリング駆動システムが組み込まれたウィンドウシェードの一実施形態を示す前面図である。
図14図14は、図13に示すウインドウシェードの分解図である。
図15図15は、ヘッドレール及び中間レールに対して底部が下げられた図13に示すウィンドウシェードを示す斜視図である。
図16図16は、ヘッドレールに対して中間レールが下げれた図13に示すウィンドウシェードを示す斜視図である。
図17図17は、図13に示すウインドウシェード内の2つのスプリング駆動システムのうちの1つの例示の動作を示す平面図である。
図18図18は、図13に示すウインドウシェード内の2つのスプリング駆動システムのうちの他方の例示の動作を示す平面図である。
図19図19は、図13に示すウィンドウシェードの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、ウィンドウシェードのためのスプリング駆動システム100の一実施形態を示す分解図であり、図2は、スプリング駆動システム100の断面図であり、図3は、スプリング駆動システム100の平面図であり、図4及び図5は、図1に示すスプリング駆動システム100の2つの部分の拡大図である。図1図5を参照して、スプリング駆動システム100は、ハウジング102、4つのギア104、106、108、110、2つのバネ112、114、2つのコードドラム116、118、2つのサスペンションコード120、122及び2つのギア列124、126を含む。構造の一例によれば、ハウジング102は、複数のネジ132を介して互いに固定取り付け可能な2つのカバー128、130を含むことができる。ギア104、106、108、110、バネ112、114、コードドラム116、118、ギア列124、126は、2つのカバー128、130の間で少なくとも部分的に範囲が定められたハウジング102の内部に配置することができる。
【0010】
ギア104は、枢動軸134を中心にハウジング102に枢結され、その両側で2つの巻き取りリール136、138に固定接続されている。例えば、ハウジング102はシャフト部140に固定接続でき、ギア104は、シャフト部140においてハウジング102に枢結できる。ギア104及び2つの巻き取りリール136、138は、ギア104及び巻き取りリール136、138が枢動軸134を中心にハウジング102に対して一体的に回転することができるように、同軸に配置することができる。
【0011】
ギア106は、枢動軸142を中心にハウジング102に枢結され、ギア104と係合する。例えば、ハウジング102はシャフト部144に固定接続でき、ギア106は、シャフト部144においてハウジング102に枢結できる。それにより、ギア106はギア104と回転可能に連結でき、枢動軸142を中心にハウジング102に対していずれの方向にも回転できる。
【0012】
2つのバネ112、114は、コイル状のリボンバネであり得る。2つのバネ112、114は、それぞれギア106の両側で枢動軸142を中心に同軸的に組み付けられ、それぞれ巻き取りリール136、138に接続できる。構造の一例によれば、ギア106は、ギア106の両側から枢動軸142と同軸上に突出する2つのシャフト部106A、106Bに固定接続され、2つのバネリール146、148は、ギア106の両側で2つのシャフト部106A、106Bの周りにそれぞれ枢結するとができ、それによりギア106及びバネリール146、148は同軸上に配置される。そのため、2つのバネリール146、148は、ギア106及びハウジング102に対して、それぞれ独立して枢動軸142を中心に回転できる。バネ112は、バネリール146の周りに組み付けられ、バネ112の一端112Aはバネリール146に隣接して配置され(例えば、バネ112の一端112Aとバネリール146との間で接触あってもよいし、接触がなくてもよい)、バネ112の他端112Bは巻き取りリール136に固定される。同様に、バネ114はバネリール148の周りに組み付けられ、バネ114の一端114Aはバネリール148に隣接して配置され(例えば、バネ114の一端114Aとバネリール148との間には接触あってもよいし、接触がなくてもよい)、バネ114の他端114Bは巻き取りリール138に固定される。
【0013】
図1図5を参照して、コードドラム116はサスペンションコード120に接続され、コードドラム116の2つの軸対称の突出端部116A、116Bの間で広がるサスペンションコード120を巻き付けるための巻き上げ面150を有する。構造の一例によれば、コードドラム116の巻き上げ面150は、サスペンションコード120の配置及び巻き上げを容易にするために複数の溝を有し得る。コードドラム116はギア108と同軸的に固定接続され、コードドラム116及びギア108の双方は、枢動軸152を中心にハウジング102に枢結されている。例えば、ハウジング102はシャフト部154に固定接続でき、コードドラム116及びギア108は、シャフト部154においてハウジング102に枢結できる。それにより、コードドラム116及びギア108は、サスペンションコード120の巻き上げ及び巻き戻しのために、ハウジング102に対して枢動軸152を中心に一体的に回転できる。
【0014】
図1図4を参照して、巻き取りリール136、138は、ギア104、108とそれぞれ係合するギア列124を介してコードドラム116に回転可能に連結されるため、巻き取りリール136、138及びコードドラム116は異なる方向に回転する。構造の一例によれば、ギア104、108及びギア列124は、コードドラム116及び巻き取りリール136、138が同じ回転速度を有するように、すなわち、コードドラム116が1回転完了した場合に巻き取りリール136、138も1回転するように構成できる。構造の別の例によれば、ギア104、108及びギア列124は、コードドラム116と巻き取りリール136、138との間に回転速度差が付与されるように構成できる。例えば、ギア104、108及びギア列124は、コードドラム116が1回転完了した場合に巻き取りリール136、138の回転が1回転未満になるように、すなわち、巻き取りリール136、138がコードドラム116よりもゆっくり回転するように構成できる。構造の一例によれば、ギア列124は、互いに係合する2つのギア156、158を含むことができ、ギア156はギア104とさらに係合し、ギア158はギア108とさらに係合する。
【0015】
図1図5を参照して、コードドラム118はサスペンションコード122に接続され、コードドラム118の軸対称の突出端部118A及び118Bの間で広がるサスペンションコード122を巻き上げるための巻き上げ面160を有する。構造の一例によれば、コードドラム118の巻き上げ面160は、サスペンションコード122の配置及び巻き上げを容易にするために複数の溝を有し得る。コードドラム118は、構造的にコードドラム116と同一であり得る。コードドラム118はギア110と同軸的に固定接続され、コードドラム118及びギア110の双方は、枢動軸162を中心にハウジング102に枢結されている。例えば、ハウジング102はシャフト部164に固定接続でき、コードドラム118及びギア110は、シャフト部164においてハウジング102に枢結できる。それにより、コードドラム118及びギア110は、サスペンションコード122の巻き上げ及び巻き戻しのためにハウジング102に対して枢動軸162を中心に一体的に回転できる。
【0016】
図1図3及び図5を参照して、ギア列126は、巻き取りリール136、138もコードドラム116、118に回転可能に結合されるようにギア106、110のそれぞれと係合し、ギア106、110は異なる方向に回転する。ギア106、110及びギア列126の構成は、ギア104、108及びギア列124の構成と対称的なものとすることができる。構造の一例によれば、ギア106、110及びギア列126は、コードドラム116、118及び巻き取りリール136、138が同じ回転速度を有するように構成できる。構造の別の例によれば、ギア106、110及びギア列126は、コードドラム116、118が同じ回転速度を有し、コードドラム116、118と巻き取りリール136、138との間に回転速度差が付与されるように構成できる。例えば、ギア106、110及びギア列126は、コードドラム116、118がそれぞれ1回転完了した場合に、巻き取りリール136、138の回転が1回転未満になるように、すなわち、巻き取りリール136、138がコードドラム116、118よりもゆっくりと回転するように構成できる。構造の一例によれば、ギア列126は、互いに係合する2つのギア166、168を含むことができ、ギア166はギア106とさらに係合し、ギア168はギア110とさらに係合する。ギア列126のギア166はギア列124のギア156と同一とすることができ、ギア列126のギア168はギア列124のギア158と同一とすることができる。
【0017】
スプリング駆動システム100において、2つのバネ112、114は、2つのコードドラム116、118が2つのサスペンションコード120、122を巻き戻すために回転された場合に、2つのバネリール146、148からそれぞれ巻き戻されて、2つの巻き取りリール136、138の周りに巻くことができる。さらに、2つのバネ112、114は、2つの巻き取りリール136、138からそれぞれ巻き戻されて、2つのバネリール146、148の周りに巻かれて、2つのサスペンションコード120、122を巻き上げために2つのコードドラム116、118を回転させることができる。2つのバネリール146、148は、2つのバネ112、114の巻き戻し及び巻き取り動作を容易にでき、必ずしもバネ112、114と共に動かない。
【0018】
図1図5を参照して、枢動軸134、142、152、162は全て互い平行であり、実質的にスプリング駆動システム100の長手軸Lに沿うように揃えることができる。さらに、ギア104、108は、それぞれの枢動軸134、152に沿って異なる水平面(different levels)に位置し、互いに重ならない。より具体的には、ギア104は、コードドラム116の2つの突出端部116Aと116Bとの間の巻き上げ面150の広がりE内に位置することができ、ギア108は巻き上げ面150の広がりEの外であって且つコードドラム116の突出端部116Bに隣接するように配置できる。異なる水平面に位置するギア104、108を連結するために、ギア列124のギア156、158は異なる面幅を有し得る。ギアの面幅は、ギアの軸に沿って取られた歯の幅として定義される。例えば、ギア158の面幅はギア156の面幅よりも小さくてもよい。しかしながら、別の代替的な構造では、ギア158の面幅はギア156の面幅より大きくてもよい。
【0019】
同様に、ギア106、110は、それぞれの枢動軸142、162に沿って異なる水平面に位置し、互いに重ならない。より具体的には、ギア106は、コードドラム118の2つの突出端部118Aと118Bとの間の巻き上げ面160の広がりF内に位置することができ、ギア110は巻き上げ面160の広がりFの外にあtって且つコードドラム118の突出端部118Bに隣接するように配置できる。ギア104、106は互いに係合し、同じ水平面にあるため、ギア104、106は同様にコードドラム116の巻き上げ面150の広がりE内、コードドラム118の巻き上げ面160の広がりF内に位置することができる。異なる水平面にあるギア106、110を連結するために、ギア列126のギア166、168は異なる面幅を有し得る。例えば、ギア168の面幅はギア166の面幅より小さくてもよい。このように、スプリング駆動システム100はよりコンパクトなものにできる。
【0020】
図1図5を参照して、スプリング駆動システム100は、2つのサスペンションコード120、122にそれぞれ連結された2つのガイドローラ170、172をさらに含むことができる。ガイドローラ170は、枢動軸174を中心にハウジング102に枢結でき、枢動軸174に沿って滑動できるように配置できる。例えば、ハウジング102は、長手軸Lから外れたシャフト部176に固定接続されてもよく、ガイドローラ170は、シャフト部176を中心に回転可能であるとともに、シャフト部176に沿って摺動できるように組み付けることができる。サスペンションコード120は、長手軸Lから外れたガイドローラ170の周りに少なくとも部分的に巻かれるようにルーティングできる。サスペンションコード120を巻き上げるためにコードドラム116が回転されると、ガイドローラ170は、コードドラム116の巻き上げ面150にわたって2つの突出端部116A、116Bのうちの一方から2つの突出端部116A、116Bのうちの他方の方への均一な巻き上のためにサスペンションコード120を配置するために、枢動軸174を中心に同時に回転できるとともに、枢動軸174に沿って摺動できる。図6及び図7は、シャフト部176に沿ったガイドローラ170の例示の摺動を示す概略図である。
【0021】
同様に、ガイドローラ172は、枢動軸178を中心にハウジング102に枢結でき、枢動軸178に沿って滑動できるように配置できる。例えば、ハウジング102は、長手軸Lから外れたシャフト部180に固定接続されてもよく、ガイドローラ172は、シャフト部180を中心に回転可能であるとともに、シャフト部180に沿って摺動できるように組み付けることができる。サスペンションコード122は、長手軸Lから外れたガイドローラ172の周りに少なくとも部分的に巻かれるようにルーティングできる。サスペンションコード122を巻き上げるためにコードドラム118が回転されると、ガイドローラ170は、コードドラム118の巻き上げ面160にわたって2つの突出端部118A、118Bのうちの一方から2つの突出端部118A、118Bのうちの他方の方への均一な巻き上のためにサスペンションコード122を配置するために、枢動軸178を中心に同時に回転できるとともに、枢動軸178に沿って摺動できる。
【0022】
図1図5を参照して、スプリング駆動システム100は、ハウジング102に枢結されるとともに、一端でローラ184を保持するロッド182と、ロッド182及びハウジング102にそれぞれ接続されるバネ186とをさらに含むことができる。バネ186は、ローラ184がサスペンションコード120と接触してサスペンションコード120をコードドラム116に押し付ける方向にロッド182を付勢できる。同様に、サスペンションコード122をコードドラム118に押し付けるために、一端でローラ190を保持するロッド188を設けることができる。ロッド188はハウジング102に枢結でき、バネ192はロッド188及びハウジング102にそれぞれ接続できる。バネ192は、ローラ190がサスペンションコード22に接触して、サスペンションコード122をコードドラム118に押し付ける方向にロッド188を付勢できる。
【0023】
図1及び図3を参照して、スプリング駆動システム100は、ハウジング102内で2つのサスペンションコード120、122のルーティングを容易にできるコードガイド構造をさらに含むことができる。例えば、コードガイド構造は、サスペンションコード120のための複数のガイド部材193及びサスペンションコード122のための複数のガイド部材195を含むことができる。ガイド部材193、195はハウジング102に接続することができ、例えば固定シャフト部、プーリ等を含むことができる。サスペンションコード120はガイド部材193と接触するようにルーティングでき、サスペンションコード122はガイド部材195と接触するようにルーティングできる。2つのサスペンションコード120、122は、ハウジング102の両端から出るようにルーティングされ得る。
【0024】
図1図7に関連して、図8図11は、スプリング駆動システム100が組み込みこまれたウィンドウシェード200の一実施形態を示す概略図である。ウィンドウシェード200はコードレスウィンドウシェードであり得る。本明細書でいう「コードレスウィンドウシェード」とは、ユーザーの操作のために露出した操作コードを有さないウィンドウシェードを意味する。図8図11を参照して、ウィンドウシェード200は、ヘッドレール202、遮光構造204及び遮光構造204の底に配置される底部206を含むことができる。ヘッドレール202は任意の種類及び形状のものであってよい。ヘッドレール202は窓枠の頂部に取り付けられ、遮光構造204及び底部206はヘッドレール202から吊り下げることができる。
【0025】
遮光構造204は任意の好適な構造を有することができる。例えば、遮光構造204は(図示の)布材料で作られたハニカム構造、ベネチアンブラインド構造又は互いに垂直に且つ平行に分布された複数のスラットを含むことができる。遮光構造204は、ヘッドレール202及び底部206にそれぞれ隣接して配置される両端部204A、204Bを有することができる。例えば、遮光構造204はハニカム構造を有することができ、遮光構造204の端部204Aは、遮光構造204の端部204Aをヘッドレール202に取り付けるためにヘッドレール202と係合するストリップ208を備えていてもよい。2つのエンドキャップ210A、210Bは、ヘッドレール202内でストリップ208を動かないようにするためにヘッドレール202の両端をそれぞれ閉じ得る。同様に、遮光構造204の端部204Bは、遮光構造204の端部204Bを底部206に取り付けるために底部206と係合するストリップ212を備えていてもよい。2つのエンドキャップ214A、214Bは、底部206内でストリップ212を動かないようにするために底部206の両端をそれぞれ閉じ得る。
【0026】
底部206は、遮光構造204を広げ且つ折り畳むためにヘッドレール202に対して垂直方向に動かすことができる。構造の一例によれば、底部206は細長いレールとして形成され得る。底部206は、その操作を容易にするためにハンドル206Aに固定接続され得る。さらに、必要に応じて安定性を加えるために、重み付け要素216を底部206に取り付けてもよい。
【0027】
図8及び図9を参照して、スプリング駆動システム100は、ウィンドウシェード200のヘッドレール202又は底部206に配置でき、遮光構造204及び底部206を任意の望ましい高さで維持するために動作できる。図8図11に示す実施形態では、スプリング駆動システム100のハウジング102は、例えばヘッドレール202に取り付けることができ、2つのサスペンションコード120、122は、底部206に取り付けられる遠位端194、196をそれぞれ有することができる。しかしながら、スプリング駆動システム100のハウジング102は代わりに底部206に取り付けられてもよく、2つのサスペンションコード120、122のそれぞれの遠位端194、196はヘッドレール202に取り付けられてもよいことが分かる。遮光構造204はグロメット218を含んでもよく、グロメット218を介してサスペンションコード120、122が遮光構造204を通過するためにルーティングされる。
【0028】
上述のアセンブリでは、スプリング駆動システム100の2つのバネ112、114は、ヘッドレール202に対して任意の望ましい高さで底部206を静止した状態で維持するために底部206に加えられる重りに対抗するよう動作できる。例えば、図10は、遮光構造204を折り畳むために底部206が完全に上げられた位置で保持されたウィンドウシェード200を例示し、図11は、遮光構造204を広げるために底部206が下げられた位置で保持されたウィンドウシェード200を例示する。
【0029】
底部206が完全に上げられた位置にある場合、スプリング駆動システム100の2つのバネ112、114は、2つのバネリール146、148の周りに実質的に巻かれて、底部206を静止状態で維持する付勢力を加えることができる。さらに、2つのサスペンションコード120、122は、コードドラム116、118の周りにそれぞれ実質的に巻くことができる。これは、図3に示すスプリング駆動システム100の状態に対応し得る。
【0030】
底部206が下げられると(例えば、ユーザーによって引き下げられると)、2つのサスペンションコード120、122はそれぞれ、ギア104、106、108、110及び巻き取りリール136、138と共に回転するコードドラム116、118から巻き出すことができる。その結果、2つのバネ112、114は、2つのバネリール146、148からそれぞれ巻き出され、2つの巻き取りリール136、138の周りに巻かれる。これは、図12に示すスプリング駆動システム100の状態に対応し得る。
【0031】
底部206がヘッドレール202の方に動かされると(例えば、ユーザーによって上方に押される)、2つのバネ112、114は、2つの巻き取りリール136、138からそれぞれ巻き出され、2つのバネリール146、148の周りに巻かれ、2つのサスペンションコード120、122を巻き取るためにコードドラム116、118を回転させる付勢力を加えることができる。
【0032】
底部206がヘッドレール202の方に上げられると、ガイドローラ170、172は、それぞれの枢動軸174、178を中心に回転するとともに、それぞれの枢動軸174、178に沿って摺動し、バネ186、192はそれぞれロッド182、188を付勢することで、ローラ184、190がサスペンションコード120、122にそれぞれ接触し、サスペンションコード120、122をコードドラム116、118に押し付ける。これは、サスペンションコード120、122がコードドラム116、118の巻き取り面150、160にわたって適切に配置及び巻かれることを確かなものにし、望ましくない底部206の傾斜を防止できる。
【0033】
必要に応じて、本願に記載のスプリング駆動システム100が複数ウィンドウシェードに組み込まれ得る。図13図16は、図1図7に関連して、前述したスプリング駆動システム100と同じ構造をそれぞれが有する2つのスプリング駆動システム100A、100Bが組み込まれたウィンドウシェード200Aの実施形態を示す様々な概略図である。図13図16を参照して、ウィンドウシェード200Aはヘッドレール202、底部206、中間レール220及び2つの遮光構造224、226を含むことができる。中間レール220はヘッドレール202と底部206との間に配置され、底部206から独立してヘッドレール202に対してて動き得る。中間レール220は、その操作を容易にするためにハンドル220Aに固定接続され得る。
【0034】
図13及び図14を参照して、2つの遮光構造224、226は例えばハニカム構造を有し得る。遮光構造224は中間レール220と底部206との間に配置され、中間レール220及び底部206にそれぞれ隣接して配置される2つの両端部224A、224Bを有する。例えば、遮光構造224の端部224Aは、遮光構造224の端部224Aを中間レール220に取り付けるために中間レール220と係合するストリップ228を備えてもよく、遮光構造224の他端部224Bも同様に、ストリップ212を介して底部206に取り付けられ得る。
【0035】
遮光構造226はヘッドレール202と中間レール220との間に配置され、ヘッドレール202及び中間レール220にそれぞれ隣接して配置される2つの両端部226A、226Bを有する。例えば、遮光構造226の端部226Aは、遮光構造226の端部226Aをヘッドレール202に取り付けるためにヘッドレール202と係合するストリップ208を備えてもよく、遮光構造226の他端部226Bも同様に、ストリップ230を介して中間レール220に取り付けられ得る。中間レール220内でストリップ228、230が動かないようにするために、2つのエンドキャップ232A、232Bが中間レール220の両端部をそれぞれ閉じ得る。
【0036】
図13及び図14に関連して、図17及び図18は、ウィンドウシェード200Aに適用された2つのスプリング駆動システム100A、100Bを示す2つの平面図である。図13図14図17及び図18を参照して、スプリング駆動システム100A、100Bは、前述のスプリング駆動システム100と同じ構造を有する。参照番号120A、122Aは、スプリング駆動システム100A内の2つのコードドラム116、118にそれぞれ接続される2つのサスペンションコードを示し、参照番号120B、122Bは、スプリング駆動システム100B内の2つのコードドラム116、118にそれぞれ接続される2つのサスペンションコードを示す。スプリング駆動システム100A、100Bのそれぞれのハウジング102は互いに隣接して配置され、ウィンドウシェード200Aのヘッドレール202に取り付けられ、スプリング駆動システム100Aのサスペンションコード120A、122Aは底部206に連結でき、スプリング駆動システム100Bのサスペンションコード120B、122Bは中間レール220に連結できる。より具体的には、2つのサスペンションコード120A、122Aは、底部206に取り付けられる遠位端194A、196Aをそれぞれ有することができ、2つのサスペンションコード120B、122Bは、中間レール220に取り付けられる遠位端194B、196Bをそれぞれ有することができる。構造の一例によれば、スプリング駆動システム100Aの2つのサスペンションコード120A、122Aのうちの一方(例えば、サスペンションコード122A)は、スプリング駆動システム100Bのハウジング102を通してルーティングされ、スプリング駆動システム100Bの2つのサスペンションコード120B、122Bのうちの他方(例えば、サスペンションコード120B)は、スプリング駆動システム100Aのハウジング102を通してルーティングされ得る。2つのサスペンションコード120A、120Bは、スプリング駆動システム100Aのハウジング102の同じ端部から出ることができ、2つのサスペンションコード122A、122Bは、2つのサスペンションコード120A、120Bの側とは反対のスプリング駆動システム100Bのハウジング102の端部から出ることができる。
【0037】
図13図18を参照して、スプリング駆動システム100Aの2つのバネ112、114は、ヘッドレール202に対して底部206を任意の所望の位置で安定した状態で維持するために、ウィンドウシェード200Aの底部206に加えられる重りに対抗するように動作可能である。スプリング駆動システム100Bの2つのバネ112、114は、ヘッドレール202に対して中間レール220を任意の望ましい位置で静止した状態で維持するために中間レール220に加えられる重りに対抗するように動作可能である。さらに、スプリング駆動システム100Aの2つのバネ112、114及び2つのコードドラム116、118は、スプリング駆動システム100Bの2つのバネ112、114及び2つのコードドラム116、118とは独立して動作可能である。
【0038】
中間レール220が静止している間にウィンドウシェード200Aの底部206がヘッドレール202及び中間レール220に対して動かされると、スプリング駆動システム100Aの構成要素のみが動くのに対して、スプリング駆動システム100Bの構成要素は静止した状態で留まる。例えば、図15に示すように、遮光構造224を広げるために底部206がヘッドレール202及び中間レール220に対して下げられると、スプリング駆動システム100Aの2つのサスペンションコード120A、122Aは、スプリング駆動システム100Aのギア104、106、108、110及び巻き取りリール136、138と共に回転するスプリング駆動システム100Aの2つのコードドラム116、118から巻き出される。その結果、スプリング駆動システム100Aの2つのバネ112、114は、スプリング駆動システム100Aの2つのバネリール146、148からそれぞれ巻き出すことができ、スプリング駆動システム100Aの2つの巻き取りリール136、138の周りを巻くことができる。図17は、ウィンドウシェード200Aの底部206が下げられた位置にあり、中間レール220がヘッドレール202に近い初期位置にある状態に対応するスプリング駆動システム100A、100Bを例示する。
【0039】
遮光構造224を折り畳むために底部206が中間レール220の方に動かされると、スプリング駆動システム100Aの2つのバネ112、114は、スプリング駆動システム100Aの2つの巻き取りリール136、138から巻き出されて、スプリング駆動システム100Aの2つのバネリール146、148の周りに巻かれ、2つのサスペンションコード120A、122Aを巻き取るためにスプリング駆動システム100Aの2つコードドラム116、118を回転させる付勢力を加えることができる。一方、スプリング駆動システム100Bのコードドラム116、118、ギア104、106、108、110及びバネ112、114は、中間レール220がヘッドレール202に対して動かず、適所に留まるため、静止した状態で留まることができる。
【0040】
底部206が静止した状態で留まっている間に中間レール220がヘッドレール202及び底部206に対して動かされると、スプリング駆動システム100Bの構成要素のみが動かされるのに対して、スプリング駆動システム100Aの構成要素は静止した状態で留まる。例えば、図16に示すように遮光構造226を広げるために中間レール220がヘッドレール202から離れるように動かされて、下げられた位置に至ると、スプリング駆動システム100Bの2つのサスペンションコード120B、122Bは、スプリング駆動システム100Bのギア104、106、108、110及び巻き取りリール136、138と共に回転するスプリング駆動システム100Bの2つのコードドラム116、118からそれぞれ巻き出される。その結果、スプリング駆動システム100Bの2つのバネ112、114は、スプリング駆動システム100Bの2つのバネリール146、148からそれぞれから巻き出し、スプリング駆動システム100Bの2つの巻き取りリール136、138の周りに巻くことができる。図18は、ウィンドウシェード200Aの中間レール220が初期位置から下げられた位置に動かされた状態に対応するスプリング駆動システム100A、100Bを例示する。
【0041】
遮光構造226を折り畳むために中間レール220がヘッドレール202の方に動かされると、スプリング駆動システム100Bの2つのバネ112、114は、スプリング駆動システム100Bの2つの巻き取りリール136、138からそれぞれ巻き出されてスプリング駆動システム100Bの2つのバネリール146、148の周りに巻かれ、2つのサスペンションコード120B、122Bを巻き取るために2つのコードドラム116、118を回転させる付勢力を加えることができる。一方、スプリング駆動システム100Aのコードドラム116、118、ギア104、106、108、110及びバネ112、114は、底部206が動かず、ヘッドレール202に対して適所で留まるため、静止した状態で留まることができる。
【0042】
ウィンドウシェード200Aが2つの遮光構造224、226を含む構成を説明してきたが、他の実施形態は、2つの遮光構造224、226のうちの一方のみを有し得ることが分かる。例えば、図19は、ヘッドレール202と中間レール220との間の遮光構造226が省略されていることを除いて、前述したウインドウシェード200Aと同様のウィンドウシェード200A’の変形例を示す斜視図である。図19を参照して、ウィンドウシェード200A’の中間レール220は、光の通過のためにヘッドレール202と中間レール220との間に間隙240を形成するためにヘッドレール202に対して下方に動かすことができ、ヘッドレール202と中間レール220との間の間隙240を閉じるためにヘッドレール202に隣接する位置まで上方に動かすことができる。図19に示すウインドウシェード200A’は、同様の方法で動作可能な、前述の同一のスプリング駆動システム100A、100Bを組み込むことができる。
【0043】
本明細書で説明したスプリング駆動システムは構造が比較的簡素であり、サイズがコンパクトで、ウインドウシェードの種類又はサイズに従って便利に拡張又は組み合わせることができる。
【0044】
特定の実施形態の文脈でのみで構造の実現を説明してきた。これらの実施形態は例示であって限定を意図したものではない。多くの変更、修正、追加及び改良が可能である。したがって、単一のインスタンスとして本明細書に記載される構成要素に対して複数のインスタンスが提供され得る。例示の構成において個別の構成要素として示した構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実施され得る。これらの及び他の変更、修正、追加及び改良は、以下の特許請求の範囲に含まれ得る。
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