(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】災害対策ドア
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20220401BHJP
E06B 7/32 20060101ALI20220401BHJP
E05F 1/10 20060101ALI20220401BHJP
E05B 65/10 20060101ALI20220401BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
E06B5/00 E
E06B7/32 B
E05F1/10
E05B65/10 B
E06B7/28 A
E06B7/28 C
(21)【出願番号】P 2018131576
(22)【出願日】2018-07-11
【審査請求日】2020-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】718001458
【氏名又は名称】バルバート ジュニア エルメネジィルド
(72)【発明者】
【氏名】バルバート エルメネジィルド
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-068254(JP,A)
【文献】特表2017-511853(JP,A)
【文献】特開平08-199925(JP,A)
【文献】実開昭61-053491(JP,U)
【文献】特開2009-030388(JP,A)
【文献】特開2010-270538(JP,A)
【文献】特開2011-226164(JP,A)
【文献】特開2001-336326(JP,A)
【文献】実開昭62-007565(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E05C 1/00-21/02
E06B 5/00
E06B 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ドアと、
前記外側ドアの内側に設置される中ドア本体と、
前記外側ドアの上部に装着されるドア上部角部材と、
前記中ドア本体をロックするラッチと、
前記ドア上部角部材と前記ラッチを連結するコネクティングロッドと、
前記中ドア本体に設置されているドアダンパーと、を備え、
前記ドアダンパーは、前記中ドア本体を閉鎖状態から開放状態に開放し、
前記ラッチは、
前記閉鎖状態において、前記ドアダンパーが前記中ドア本体を開放するのを押さえるストッパーであり、
地震の揺れにより、前記ドア上部角部材が動き、連結されている前記コネクティングロッドが動き、ロックが解除されることを特徴とする災害対策ドア。
【請求項2】
請求項1において、
前記中ドア本体の接触面4面に斜めの角度を設けたことを特徴とする災害対
策ドア。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項において、
前記中ドア本体を前記外側ドアに開閉可能に支持する蝶番を備え、
前記蝶番は、1つであり、その設置位置は前記中ドア本体の縦方向真ん中であることを特徴とする災害対策ドア。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記中ドア本体に設置されるセンサーと、
前記センサーの検出信号に基づいて警告アナウンスを流す通知装置と、
電気点灯させる照明と、
を備えることを特徴とする災害対策ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、大きい地震の揺れの衝撃や災害時でも開けることができるドアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のドアは、特許文献1に示すように、地震などの災害発生時、建築物の建具開口部において、枠体に外部応力が加わり変形し、ドア本体がその圧縮力を受けることにより開放不可能となることを防止するための金具が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、つぎのような欠点があった。
従来、ドアは大きい地震の揺れの衝撃で家の重みなどから歪みが生じ開けることが困難になり外への非難が遅れてしまうなどの問題があった。
ドア上部にローラーの器具を埋め込ませるなどの例もあるが、元からの設置させているドアには蝶番が上下2つある。この場合、ドア周りに圧力がかかり蝶番に歪みが起きる場合がある。蝶番が外向きや内向きに開いてしまうと互いに不釣り合いな負担がかかりドアの開きを妨げてしまう。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の災害対策ドアは、
外側ドアと、
前記外側ドアの内側に設置される中ドア本体と、
前記外側ドアの上部に装着されるドア上部角部材と、
前記中ドア本体をロックするラッチと、
前記ドア上部角部材と前記ラッチを連結するコネクティングロッドと、
を備えることを特徴とする災害対策ドアである。
大きい地震の揺れで前記外側ドアに装着の鉄でできている前記ドア上部角部が動き出し、連結されている前記コネクティングロッドまで動かし前記ラッチのロックが解除される。前記ドア上部角部材が作動する揺れは装着時のネジの調節により設定することができる。
前記ラッチのロックが解除されることで、前記中ドア本体に設置されているドアダンパーにより前記中ドア本体は開放される。
前記ラッチのロック解除は緊急ボタンを設けることでも可能にさせる。前記緊急ボタンは押すことにより前記ラッチのロックが解除されることから大きい地震や災害時の時でも、避難口の確保ができる。
【0006】
さらに、本発明の災害対策ドアは、
前記中ドア本体の接触面4面に斜めの角度を設けたことを特徴とする災害対策ドアである。
前記中ドア本体の接触面4面の斜めの角度は、大きな地震の揺れの衝撃により家の動きで壁に重さがかかり前記外側ドアとドアフレームの接触面が全面になってしまうことで前記外側ドアが開放されなくなってしまう事がある。
しかし、前記ドア上部角部材が圧力を受けて作動することと前記中ドア本体の接触面4面に斜めの角度(例えば30度前後が好ましい。)を設けておくことで前記外側ドアと前記中ドア本体の接触面は全面密着を避けることができ、前記中ドア本体を開放することができる。
【0007】
さらに、本発明の災害対策ドアは、
前記中ドア本体を前記外側ドアに開閉可能に支持する蝶番を備え、
前記蝶番は、1つであり、その設置位置は前記中ドア本体の縦方向真ん中であることを特徴とする災害対策ドアである。
一般のドアには上下の位置に蝶番が設置されているが、この場合、大きな地震の揺れの衝撃でドア周りに圧力がかかり蝶番が別々の方向へ外向きや内向きに開いてしまう。互いに不釣り合いな負担がかかりそれによりドアの開放を妨げてしまう。
しかし、前記蝶番のように1つにすることで前記蝶番がどの角度に曲がってしまったとしても前記中ドア本体を開放することができる。
【0008】
さらに、本発明の災害対策ドアは、
前記中ドア本体に設置されるセンサーと、
前記センサーの検出信号に基づいて警告アナウンスを流す通知装置と、
電気点灯させる照明と、
を備えることを特徴とする災害対策ドアである。
【発明の効果】
【0009】
大震災などの緊急時には、一早く外への出口の確保ができることで少し
でも冷静さを保ちスムーズに避難することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のマンションタイプドアの実施例全体を示す図
【
図2】本発明の戸建スライドタイプドアの実施例全体を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態を説明する。
図1は本発明のマンションタイプドアの実施例を示すもので外側ドア11
と中ドア本体4の2段式からなる。
【0012】
外側ドア11に鉄でできているドア上部角部材1を装着する。ドア上部角部材1を鉄筋のコネクティングロット2とラッチ3まで繋げる。ラッチ3はドアダンパー5のストッパーとしての役割を果たしているものである。
中ドア本体4には、外側ドア11と繋がる蝶番8と、ドアダンパー5を設置する。蝶番8は、中ドア本体4の縦方向真ん中に1つ設置する。外側ドア11と中ドア本体4のドア接触面4面には斜めの角度(例えば約30度)を設ける。
【0013】
外側ドア11の上部には通知装置が設置されている。通知装置はランプ6とスピーカー7を備える。中ドア本体4が開くことによりセンサーが作動し、ランプ6が点灯する。同時にスピーカー7より警告アナウンスが流れる。
緊急ボタン9はいかなる場合でも瞬時にラッチ3のロックが解除されるボタンである。
外からの鍵10は全ての仕組みを施錠する鍵である。
【0014】
〔第2の実施の形態〕
次に第2の実施の形態を説明する。
図2は本発明の戸建スライドタイプドアの実施例を示すものである。
図1との違う点は外側ドア11が横にスライドされるドアである。
【0015】
〔第3の実施の形態〕
次に第3の実施の形態を説明する。
図3は本発明の窓の実施例を示すもので外側窓11と中窓本体4の2段式からなる。
【0016】
外側窓11に鉄でできている窓上部角部材1を装着する。窓上部角部材1を鉄筋のコネクティングロット2とラッチ3まで繋げる。ラッチ3は窓ダンパー5のストッパーとしての役割を果たしているものである。
中窓本体4には、外側窓11と繋がる蝶番8と、窓ダンパー5を設置する。蝶番8は、中窓本体4の縦方向真ん中に1つ設置する。外側窓11と中窓本体4の窓接触面4面には斜めの角度(例えば約30度)を設ける。
【0017】
外側窓11の上部には通知装置が設置されている。通知装置はランプ6とスピーカー7を備える。中窓本体4が開くことによりセンサーが作動し、ランプ6が点灯する。同時にスピーカー7より警告アナウンスが流れる。
緊急ボタン9はいかなる場合でも瞬時にラッチ3のロックが解除されるボタンである。
図1と
図2にある外からの鍵10を施錠することで、連動されている鍵10.1も施錠する。
【0018】
〔変形例〕
本発明は、上記実施の形態に限らず、例えば、新しいタイプのドアまたは窓に適用することもでき、古いタイプのドアまたは窓に適用することもできる。
【符号の説明】
【0019】
図1、
図2
1 ドア上部角部材
2 コネクティングロット
3 ラッチ
4 中ドア本体
5 ドアダンパー
6 ランプ
7 スピーカー
8 蝶番
9 緊急ボタン
10 外からの鍵
10.1 連動されている鍵
11 外側ドア
図3
1 窓上部角部材
2 コネクティングロット
3 ラッチ
4 中窓本体
5 窓ダンパー
6 ランプ
7 スピーカー
8 蝶番
9 緊急ボタン
10 外からの鍵
10.1 連動されている鍵
11 外側窓