(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム、登録装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20220401BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301C
(21)【出願番号】P 2017254549
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-138920(JP,A)
【文献】特開2017-004244(JP,A)
【文献】特開2017-102728(JP,A)
【文献】特開2016-091104(JP,A)
【文献】特開2001-338035(JP,A)
【文献】特開2019-021242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する複数の精算装置とを備える商品販売データ処理システムであって、
前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段と
、
商品登録処理が実行されている登録装置に対応する所定の撮像範囲を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を、前記精算装置指定手段により指定された精算装置に対応する表示部において表示させる表示制御部とを備える
商品販売データ処理システム。
【請求項2】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する複数の精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて備えられる所定の装置としてのコンピュータを、
前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段
、
商品登録処理が実行されている登録装置に対応する所定の撮像範囲を撮像する撮像手段により撮像された画像を、前記精算装置指定手段により指定された精算装置に対応する表示部において表示させる表示制御部
として機能させるためのプログラム。
【請求項3】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置であって、
一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段
と、
商品登録処理が実行されている登録装置に対応する所定の撮像範囲を撮像する撮像手段により撮像された画像を前記精算装置指定手段により指定された精算装置に対応する表示部において表示させるため、前記撮像された画像を前記指定された精算装置に送信する送信手段とを備える
登録装置。
【請求項4】
店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置としてのコンピュータを、
一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段
、
商品登録処理が実行されている登録装置に対応する所定の撮像範囲を撮像する撮像手段により撮像された画像を前記精算装置指定手段により指定された精算装置に対応する表示部において表示させるため、前記撮像された画像を前記指定された精算装置に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システム、登録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店員が行う操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、客の操作に応じて登録装置にて実行された商品登録処理に応じた精算処理を実行する精算装置とをそれぞれ個別に備えたチェックアウトシステム(商品販売データ処理システム)が知られている。このような商品販売データ処理システムでは、登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が例えば小計操作により完了されたことに応じて、精算装置にて同じ一取引についての精算処理を開始させるようにされている(例えば、特許文献1参照)。
このような商品販売データ処理システムでは、登録装置にて商品登録処理が完了した後は、精算装置にて客により精算が行われる。つまり、登録装置側では、店員は、一取引ごとに応じて順次、商品登録に応じた操作を行っていけばよく、精算に応じた操作を行わなくともよい。これにより、例えば1台のPOSレジスタなどで店員が一取引ごとに商品登録と精算とに応じた操作を行う場合と比較して客捌きの効率化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいては、例えば一取引において購入対象とされる商品が多いような場合、登録装置での商品登録に時間がかかることになる。このため、例えば客により使用されていない精算装置があるのにかかわらず、登録装置において客が滞っているといった状態となる場合がある。登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいては、客捌きの効率化を向上させる余地が残っている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおける客捌きの効率の向上が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムであって、前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段を備える商品販売データ処理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置であって、一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段を備える登録装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて備えられる所定の装置としてのコンピュータを、前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段として機能させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置としてのコンピュータを、一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、登録装置と精算装置とを備える商品販売データ処理システムについて客捌きの効率の向上が図られるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における登録装置と精算装置の外観例を示す図である。
【
図3】本実施形態における登録装置の構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における精算装置指定画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における精算画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態における精算装置指定画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態における登録装置と精算装置とが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステム1は、管理装置10と、2台の登録装置20-1、20-2と、3台の精算装置30-1、30-2、30-3とを備える。
なお、以降の説明にあたり、登録装置20-1、20-2について特に区別しない場合には、登録装置20と記載する。また、精算装置30-1、30-2、30-3について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
管理装置10と登録装置20と精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に接続されている。
【0013】
なお、同図に示したPOSシステム1の構成は一例である。例えば、POSシステム1において、登録装置20と精算装置30との設置数は特に限定されるものではなく、それぞれ1台以上であればよい。また、本実施形態のPOSシステム1は、管理装置10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステム1の構成として、管理装置10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、複数の登録装置20のうち代表となる1台の登録装置20)に、管理装置10としての機能を兼用させてもよい。
【0014】
管理装置10は、POSシステム1を管理する情報処理装置であり、POSシステム1において登録装置20や精算装置30などを管理し、商品マスタなどの種々の情報を管理する。管理装置10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
管理装置10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0015】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。商品を登録する操作(商品登録操作)は、例えば、スキャナを用いて商品に付されているバーコードを読み取らせる操作、あるいは商品登録画面に表示されたプリセットボタン等に対する操作等として行われる。このような商品登録操作によって、登録装置20には例えば商品識別情報が入力され、登録装置20は、入力された商品識別情報に対応する商品情報を取得する。
また、登録装置20は、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる情報(以下、精算情報という)を生成し、記憶する。
【0016】
精算情報は、対応の取引を識別する取引識別情報、当該精算情報を識別する精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含んでよい。また、精算情報は、当該精算情報を生成した登録装置20(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。このように、精算情報は、一取引に応じた商品登録処理結果が反映された内容を有する。
【0017】
精算情報は、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0018】
本実施形態では、複数の精算装置30が設置され、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された精算情報を用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0019】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0020】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された精算情報が、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、商品登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該商品登録処理の結果が反映された精算情報を送信する。
なお、本実施形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に精算情報を送信するが、管理装置10を経由して、精算装置30に精算情報を送信してもよい。
【0021】
また、第2の指定態様は、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、発行元の登録装置20を示す登録装置識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または二次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置30は、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報を取得する。
【0022】
精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0023】
次に、
図2~
図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
図3は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図4は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
【0024】
登録装置20は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210を備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0025】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0026】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、管理装置10から取得した商品マスタや、商品登録処理後に生成された精算情報などを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0027】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0028】
客用表示部205aは、客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0029】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0030】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行することができる。
【0031】
カードリーダ210は、例えばIC(Integrated Circuit)カード形式のRFID(Radio Frequency Identifier)タグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0032】
図2においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0033】
精算装置30は、
図4に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、カードリーダ313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0034】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0035】
RAM303は、CPU301の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、管理装置10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した精算情報に基づいて精算処理を実行した結果が反映された精算処理情報を記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷されたコード(バーコードまたは2次元コード)や、会員カード等に付されているコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0036】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0037】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0038】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち、商品の買上金額の決済)が終了した場合、客が持ち帰る精算済みレシートを印刷して発行する。
【0039】
決済部310は、決済(精算)に関する処理を行う。本実施形態における決済部310が対応可能な決済の種別としては、現金による決済と、クレジットカードの使用による決済と、電子マネーの使用による決済とのうちの少なくともいずれか1つである場合を例に挙げる。
現金による決済に対応するため、決済部310は、釣銭機を備える。釣銭機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。決済部310は、釣銭機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。
また、クレジットカードの使用による決済に対応する場合、決済部310は、クレジットカードリーダを備え、クレジットカードリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
また、電子マネーの使用による決済に対応する場合、決済部310は、電子マネーリーダを備え、電子マネーリーダにより読み込まれた情報を利用して精算処理を行う。
【0040】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(客)がいることを検知するセンサである。
なお、人感知センサ312の検知出力は、例えば精算装置30が、人が自機に近づいたことに応じて、自動的に精算画面を表示させる際に、人が自機に近づいたか否かを判定するのに用いられる。しかしながら、精算装置30は、例えば精算画面は、例えば精算情報の受信や、お会計券に印刷されたバーコードの読み取りなどに応じて表示されるようにしてもよく、この場合には、人感知センサ312は、省略されてよい。
【0041】
カードリーダ313は、例えばICカード形式のRFIDタグに対する情報の読み出しを行うデバイスである。
【0042】
図2においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、サインポール311及びカードリーダ313などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0043】
本実施形態のPOSシステム1では、登録装置20にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、同じ一取引についての精算処理を実行させる精算装置30を指定する、登録完了前精算指定が可能とされている。以下、本実施形態における登録完了前精算指定について説明する。以降の説明にあたり、精算処理を実行させる精算装置30の指定は、前述の第1の指定態様に応じて行われる場合を例に挙げる。
【0044】
登録装置20を操作する店員は、一取引に応じた買上商品の全てについての登録の操作を終えると、小計操作を行う。小計操作に応じて、登録装置20は、一取引に応じた商品登録処理を完了させる。
このように、一取引に応じた商品登録処理が完了すると、登録装置20は、店員用表示部205に、精算装置指定画面を表示させる。このように表示される精算装置指定画面は、次に実行される商品登録処理に応じた精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作が行われる画面である。以降において、精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作については精算装置指定操作とも記載する。
【0045】
図5は、一取引に応じた商品登録処理の完了後において店員用表示部205に表示される精算装置指定画面の一例を示している。
精算装置指定画面WD1は、例えば、次の一取引に応じた商品登録操作に対応する商品登録画面の上に重畳されるように配置されたウィンドウの態様で表示される。
まず、同図において精算装置指定画面WD1の背景に表示される商品登録画面について説明する。
同図の商品登録画面は、1取引ごとに対応する商品登録内容を示すシート(商品登録シート)が重ねられた構造を有する。各商品登録シートにはタブ(商品登録タブ:見出し領域の一例)が付されている。同図においては、3つの商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3が表示されている。同図の商品登録画面は、これら3つの商品登録シートが重ねられた状態の構造を有する。
商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3には、登録順番号を示す数字が表示されている。登録順番号は、商品の登録が開始された順番を示す。同図においては、商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3のそれぞれに登録順番号「1」、「2」、「3」が表示されている。これは、商品の登録が開始された順番が、商品登録タブTAB1-1に対応する取引、商品登録タブTAB1-2に対応する取引、商品登録タブTAB1-3に対応する取引の順であることを示す。
なお、以降の説明にあたり、個々の商品登録タブTAB1-1、TAB1-2、TAB1-3等について特に区別しない場合には、商品登録タブTAB1と記載する。
【0046】
同図のように3つの商品登録タブTAB1が表示されているということは、登録装置20にて未だ商品登録が完了していない(商品登録中の)取引が3つあることを示している。店員は、これら3つの商品登録シートのうちで、最前面に配置される商品登録シートに対する操作を行って対応の取引についての商品登録を行うことができる。最前面よりも下に配置される商品登録シートが対応する取引については、商品登録が保留された状態である。
店員は、商品登録タブTAB1に対する操作(タッチ操作)を行うことで、操作された商品登録タブTAB1の付された商品登録シートを最前面に移動させ、最前面に移動された商品登録シートに対応する取引の商品登録を行うことができる。つまり、店員は、商品登録タブTAB1に対する操作によって複数の商品登録中の取引のうちから任意の1つの取引に対応する商品登録シートをアクティブとなるように選択し、アクティブの商品登録シートに対応する取引における商品登録操作を行うことができる。
【0047】
同図においては、商品登録タブTAB1-1の付された商品登録シートが最前面で表示された状態が示されている。最前面で表示された商品登録シートにおいては、商品ボタンエリアAR10が配置されている。商品ボタンエリアAR10においては、商品ごとに対応する商品ボタンが配置される。商品ボタンには、例えば対応の商品を示す商品名が表示されている。
店員は、商品登録操作において、商品ボタンに対する操作を行うことで、登録対象の商品の指定を行うことができる。店員は、買上商品ごとに対応する商品ボタンに対する操作を行っていくことで、順次、商品の登録を行っていくことができる。
【0048】
商品登録画面においては、登録商品リスト領域AR11、登録商品領域AR12、合計金額領域AR13が配置される。登録商品リスト領域AR11は、一取引において現時点までに登録された商品の内訳を示す領域である。登録商品領域AR12は、一取引において最後に登録された商品についての情報を示す領域である。合計金額領域AR13は、一取引においてこれまでに登録された商品の総数と合計金額とを示す領域である。
【0049】
同図の商品登録シートに対応する商品登録の操作は未だ開始されていない。このため、登録商品リスト領域AR11には、登録された商品に関する情報は示されていない。登録商品領域AR12においても、最後に登録された商品に関する情報は示されておらず、商品の価格は0円として示される。合計金額領域AR13においては、これまでに登録された商品の総数は「0」であり、合計金額も0円として示される。
【0050】
また、商品登録画面においては、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2、BT1-3が配置される。精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2、BT1-3は、それぞれ、精算装置30-1、30-2、30-3に対応し、精算装置指定操作が行われるボタンである。本実施形態の場合、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2、BT1-3は、一取引に応じた商品登録処理が完了した段階で精算装置指定操作を行う場合に使用される。
なお、精算装置指定ボタンBT1-1、BT1-2、BT1-3について特に区別しない場合には、精算装置指定ボタンBT1と記載する。
【0051】
また、精算装置指定ボタンBT1においては、対応の精算装置30についての現在の状態を示す精算装置状態表示が行われる。同図では、精算装置状態表示は、精算装置指定ボタンBT1ごとに配置されたバッジBGにより行われる例が示される。
具体的に、同図の精算装置指定ボタンBT1-1には、「待機」と表示されたバッジBGが配置された例が示されている。この精算装置指定ボタンBT1-1の状態は、精算装置30-1が精算処理の開始を待機している待機状態にあることを示す。つまり、この際の精算装置30-1は、精算関連操作も開始されておらず、精算指示情報も受信していない状態である。
同図においては、精算装置指定ボタンBT1-2においても「待機」と表示されたバッジBGが配置されており、精算装置30-1が待機状態にあることを示している。
また、精算装置指定ボタンBT1-3には、「使用中」と表示されたバッジBGが配置された例が示されている。さらに、精算装置指定ボタンBT1-3における「精算機3」の文字に対して斜線が引かれた状態となっている。この精算装置指定ボタンBT1-3の状態は、精算装置30-3が、精算指示情報の受信により取得された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行中であることを示す。
なお、上記のような精算装置30の状態ごとに応じて、例えば精算装置指定ボタンBT1自体の色、柄などが変更されるように表示されてもよい。
【0052】
なお、精算装置状態表示によっては、例えばニアエンド、ニアフル、故障など、上記の「待機」、「使用中」以外の各種の状態も示されてよい。精算装置状態表示は、精算装置指定ボタンBT1内に収まるように文字やアイコン等により表示したり、精算装置指定ボタンBT1とは別の領域にて表示したりするなど、バッジBG以外の態様によって表示されてもよい。
【0053】
上記のような登録装置20における精算装置30ごとの状態に関する表示は、POSシステム1において、精算装置30が自己の状態についての通知を、定期的あるいは登録装置20や管理装置10からの問合せに応答して行うことにより実現される。
【0054】
次に、上記の商品登録画面上に配置される精算装置指定画面WD1について説明する。精算装置指定画面WD1においては、商品登録操作を開始する前に精算装置指定操作を行うことを店員に案内するメッセージの表示とともに、精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-2、BT2-3が配置されている。
精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-2、BT2-3は、精算装置指定操作として、次に開始される一取引に対応の商品登録処理に応じて精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作が行われるホタンである。同図の精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-2、BT2-3は、それぞれ精算装置30-1、30-2、30-3に対応する。以降の説明にあたり、精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-2、BT2-3について特に区別しない場合には、精算装置指定ボタンBT2と記載する。
【0055】
精算装置指定ボタンBT2は、対応の精算装置30が待機中とされて指定可能な状態である場合には操作可能なアクティブな状態で表示される。一方、精算装置指定ボタンBT2は、対応の精算装置30が使用中や故障などであって指定不可の状態である場合には、操作が不可とされ、例えばグレーアウトなどの態様により表示される。
同図の例では、精算装置30-1、30-2が待機状態であることに応じて、対応の精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-2については操作可能なアクティブの状態で表示されている。一方、精算装置30-3が使用中とされていることで、対応の精算装置指定ボタンBT2-3についてはグレーアウトで表示され、操作が不可の状態である。
【0056】
上記のように精算装置指定画面WD1が表示された状態のもとで、店員は、次に商品登録を受けるために登録装置20に来る客を待つ。そして、登録装置20に客が来るタイミングで、店員は、例えば登録装置20から精算装置30までの距離や、店舗の状況などを確認しつつ、次の取引に対応して、精算装置30-1、30-2のうちのいずれにより精算処理を実行させるべきかを判断する。例えば、ここで精算装置30-1により精算処理を実行させるべきであると判断した場合、店員は、精算装置30-1に対応する精算装置指定ボタンBT2-1に対する操作を行う。
この場合、店員は、登録装置20に来た客から買上商品を預かったうえで、客には、商品登録処理の完了を待たずに、このまま精算装置30-1に赴いてもらい、精算装置30-1にて精算の操作を開始してもらうように伝える。
この後、店員は、客から預かった買上商品を登録する操作を順次行っていく。また、客は、精算装置30-1に赴く。
【0057】
登録装置20は、上記のように精算装置指定画面WD1における精算装置指定ボタンBT2-1に対する操作が行われたことに応じて、精算装置指定ボタンBT2-1に対応する精算装置30-1に対して精算指示情報を送信する。この場合、商品登録処理は開始されていないことから、精算指示情報には商品登録結果が反映された精算情報は含まれない。
【0058】
待機状態であった精算装置30-1は、上記のようにして登録装置20から送信された精算指示情報を受信すると、精算処理モードに移行する。これにより、精算装置30-1は、客による精算の操作を受付可能な状態となり、また、登録装置20から送信される商品登録情報の受信を受付可能な状態となる。
これにより、本実施形態においては、同じ一取引に対応して、登録装置20に対する店員の商品登録操作と、精算装置30に対する客の精算の操作とを並行して行うことができる。
【0059】
この場合の登録装置20は、店員により商品ごとに対応して商品登録操作が行われると、登録された商品ごとに対応する商品登録情報を、逐次、精算装置30-1に送信する。精算装置30-1は、受信された商品登録情報を利用して、これまでに登録装置側にて実行されている商品登録処理の結果が反映された精算情報を生成する。この際、精算装置30-1は、商品登録情報が受信されるごとに、受信された商品登録情報の内容が追加的に反映されるように精算情報を更新する。
【0060】
精算装置30-1は、客による精算に対応の操作を受け付けて精算処理を実行する。また、精算装置30-1は、精算処理に対応する精算画面を表示部305に表示させる。
図6は、精算装置30-1にて表示される精算画面の一例を示している。同図においては、現金による支払いが行われる場合の精算画面の例を示している。
同図の精算画面においては、登録数エリアAR31、合計金額エリアAR32、預かり金額エリアAR33、釣銭金額エリアAR34、及び登録商品リストエリアAR35が配置されている。
登録数エリアAR31は、現時点までに登録装置20にて登録された商品の個数を示すエリアである。
合計金額エリアAR32は、現時点までに登録装置20にて登録された商品の価格の合計金額を示すエリアである。
【0061】
客は、現金による支払いを行う場合の精算操作として、支払いのための貨幣を精算装置30に投入する操作行うことができる。投入された貨幣は、精算装置30にて預かり金として管理される。預かり金額エリアAR33は、現時点までに預かり金として投入された貨幣の金額(預かり金額)を示すエリアである。
【0062】
釣銭金額エリアAR34は、現時点において算出される釣銭の金額(釣銭金額)を示すエリアである。釣銭金額は、預かり金額から合計金額を減算することにより算出される。
登録商品リストエリアAR35は、現時点までに登録装置20にて登録された商品リストが表示されるエリアである。登録商品リストエリアAR35により、現時点までに登録装置20にて登録された商品の内訳が把握される。登録商品リストエリアAR35のリスト項目においては、登録順、商品名、商品の購入個数、価格が示される。
【0063】
同図の例では、登録商品リストエリアAR35により、現時点までに、1つの「商品A」、1つの「商品B」の順で、登録装置20にて商品が登録されていることが示されている。また、登録商品リストエリアAR35においては、各1つの「商品A」、「商品B」の価格が、それぞれ800円、1100円であることが示されている。登録商品リストエリアAR35を見ることで、客は、現時点までにおいて登録装置20にて登録された商品の内訳を把握できる。
また、登録数エリアAR31においては、現時点までに2個の商品が登録されていることが示されている。合計金額エリアAR32においては、合計金額が1900円であることが示されている。
預かり金額エリアAR33においては、現時点までに投入された預かり金額が1000円であることが示されている。
釣銭金額エリアAR34においては、現時点において算出される釣銭金額が-900円であることが示されている。このように、現時点において投入された預かり金額が合計金額よりも少ない場合には、釣銭金額については負の値により表されるようになっている。これにより、客としては不足金額を把握しやすくなる。
【0064】
ここで、登録商品リストエリアAR35は、登録装置20にて次の商品が登録されたことに応じて、登録装置20から商品登録情報が送信されることで、送信された商品登録情報の内容が反映されるように変化する。つまり、登録商品リストエリアAR35は、登録装置20にて次の商品が登録されるごとに、登録された商品のリスト項目が新たに表示されるように変化していく。
上記のように登録商品リストエリアAR35が変化することに伴い、登録数エリアAR31において示される商品の個数が増加するように変化する。また、合計金額エリアAR32においては、これまで表示されていた金額に、新たに登録された商品の価格が加算されるようにして合計金額が変化する。また、釣銭金額エリアAR34において表示される預かり金額も、新たに登録された商品の価格が加算された合計金額と現在の預かり金額とにより算出された金額に変化する。
【0065】
登録装置20にて商品登録を終えた店員は小計操作を行う。小計操作が行われたことに応じて、登録装置20は、商品登録処理が完了したことの通知(商品登録完了通知)を精算装置30-1に送信する。
精算装置30-1は、商品登録完了通知の受信により、登録装置20にて商品登録が完了したことを認識する。登録装置20にて商品登録が完了したということは、登録装置20から精算装置30-1に対して、これ以上の商品登録情報は送信されないことである。
そこで、精算装置30-1は、客に対して、表示あるいは音声等により商品登録が完了したことの報知を行ったうえで、客により投入される預かり金額が合計金額以上となるのを待機する。そして預かり金額が合計金額以上となったことに応じて、精算装置30-1は、釣銭が発生している場合には、釣銭としての貨幣を排出する。また、精算装置30-1は、これまでの精算処理の結果を示すレシートを発行する。このようにして、精算装置30-1にて精算処理が終了する。
【0066】
商品登録を終えた店員は、商品登録を済ませた商品を例えばカゴなどに容れたうえで、登録装置20の近傍の商品置き場に置いておくようにする。精算を終えた客は、商品置き場に置かれたカゴを受け取り、必要に応じて買い物袋等に入れ替える。
【0067】
このように、本実施形態においては、同じ一取引に対応して、店員が登録装置20を操作して行う商品登録と、客が精算装置30を操作して行う精算とを並行させることができる。即ち、本実施形態においては、客は、登録装置20にて商品登録が完了するのを待って精算装置30にて精算を行わなくともよい。これにより、一取引において商品登録から精算までの会計に要する時間を短縮することが可能となり、客捌きの効率の向上を図ることができる。
【0068】
上記説明は、先の一取引に応じた商品登録処理が完了したタイミングにおいて、待機状態とされて指定可能な精算装置30があった場合に対応している。しかしながら、一取引に応じた商品登録処理が完了したタイミングにおいて、精算装置30のいずれもが使用中(精算処理中)あるいは故障などとされて指定不可の状態となっている可能性がある。
このような場合、登録装置20は、先の一取引に応じた商品登録処理が完了したタイミングで
図5のように精算装置指定画面WD1を表示させずに、そのまま次の取引に対応する商品登録画面を表示させた状態で、商品登録操作が開始されるのを待機する。なお、この際には、例えば、現在において精算処理を実行させることのできる精算装置30がない旨を店員に報知する表示が行われるようにされてよい。
【0069】
この場合、店員は、次に来た客に対応して次の一取引に応じた商品登録操作を開始してよい。登録装置20は、商品登録操作に応じて商品登録処理を開始する。
そして、上記のように商品登録処理が開始されて後、商品登録処理が終了する前のタイミングで、いずれかの精算装置30で精算処理が可能な状態になると、このタイミングで登録装置20は、精算装置指定画面WD1を表示させる。即ち、この場合には、商品登録処理中において精算装置指定画面WD1の表示が行われる。
【0070】
図7は、上記のように商品登録処理中において表示される精算装置指定画面WD1の態様例を示している。
同図に示されるように、精算装置指定画面WD1は、商品登録処理中に表示される場合においても、商品登録画面の上に重畳されるように表示される。この場合の商品登録画面においては、これまでの商品登録結果が反映された内容が示された状態となっている。同図では、価格が800円の「商品A」が1つ、登録済みとされた状態であることが示されている。
【0071】
また、同図の商品登録画面における精算装置指定ボタンBT1は以下のような表示となっている。
即ち、精算装置指定ボタンBT1-1は、「使用中」のバッジBGが配置されたうえで、「精算機1」の文字に対して斜線が引かれた状態となっている。精算装置指定ボタンBT1-2は、「待機」のバッジBGが配置されている。精算装置指定ボタンBT1-3は、「使用中」のバッジBGが配置されたうえで、「精算機3」の文字に対して斜線が引かれた状態となっている。
上記の各精算装置指定ボタンBT1の表示は、精算装置30-1、30-3が使用中(精算処理中)であるが、精算装置30-2が待機状態であることを示している。
【0072】
上記の精算装置30の状態に応じて、同図の精算装置指定画面WD1においては、以下のように精算装置指定ボタンBT2が表示されている。即ち、精算装置30-2に対応する精算装置指定ボタンBT2-2は操作可能なアクティブな状態で表示されているが、精算装置30-1、30-3に対応する精算装置指定ボタンBT2-1、BT2-3は、いずれもグレーアウトで表示され、操作が不可の状態である。
【0073】
そこで、この場合の店員は、精算装置指定ボタンBT2-2に対する操作を行う。精算装置指定ボタンBT2-2が操作されたことに応じて、精算装置指定画面WD1が消去されて商品登録画面がアクティブとなり、商品登録操作を受付可能となる。
また、登録装置20は、精算装置指定ボタンBT2-2に対する操作が行われたことに応じて、精算装置30-2に対して精算指示情報を送信する。このように商品登録処理中に送信される精算指示情報には、これまでに登録された商品ごとについての商品登録情報が含まれる。
【0074】
精算指示情報を受信した精算装置30-2は、精算処理モードに移行し、客からの精算に関する操作を受付可能な状態となる。また、この際、精算装置30-2は受信された精算指示情報に含まれていた商品登録情報により生成した精算情報の内容が反映された精算画面を表示する。
図7の例との対応では、精算指示情報を受信した直後のタイミングで精算装置30-2にて表示される精算画面は、1つの「商品A」が登録されたことに応じた内容が表示された状態となる。
【0075】
また、精算装置30-2は、POSシステム1において精算処理モードに移行したことの通知を行う。この通知に応じて、商品登録画面において配置される精算装置指定ボタンBT1-2は、同図の待機状態を示す態様から、使用中(精算処理中)を示す態様に変化する。
【0076】
店員は、上記のように精算装置指定ボタンBT2-2に対する操作を行うと、客に、30-1に赴いて、精算装置30-1にて精算の操作を開始してもらうように案内する。また、店員は、残りの商品についての商品登録操作を行っていく。
このように、本実施形態においては、商品登録処理の開始前のタイミングで待機状態の精算装置30がなかった状態であっても、商品登録処理中に1以上の精算装置30が待機状態となったタイミングで精算装置指定操作を行うことができる。
この場合にも、精算装置指定操作が行われて以降は、店員が登録装置20を操作して行う商品登録と、客が精算装置30を操作して行う精算処理とを並行して行っていくことができる。
【0077】
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の登録装置20と精算装置30とが実行する処理手順例について説明する。
先に、登録装置20が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:登録装置20は、先の客の取引に対応する商品登録処理が完了するのを待機している。
ステップS102:先の客に対応する取引の商品登録処理が完了すると、登録装置20は、現在において待機状態の精算装置30があるか否かについて判定する。待機状態の精算装置30が無い場合、即ち全ての精算装置30が指定不可の状態である場合には、後述のステップS106の処理に移行する。
【0078】
ステップS103:待機状態の精算装置30がある場合、登録装置20は、ステップS101にて商品登録処理が完了した取引の、次の取引(以下、「現取引」ともいう)に対応する、精算装置指定操作のための精算装置指定画面WD1を表示させる。精算装置指定画面WD1においては、待機状態に対応する精算装置30の精算装置指定ボタンBT2についてはアクティブな状態で表示され、待機状態ではない精算装置30の精算装置指定ボタンBT2についてグレーアウトなどによりアクティブでない状態で表示される。
ステップS104:登録装置20は、ステップS103により表示させた精算装置指定画面WD1におけるアクティブな状態の精算装置指定ボタンBT2に対して行われる操作(精算装置指定操作)を受け付ける。
ステップS105:登録装置20は、精算装置指定ボタンBT2に対して行われた操作を受け付けると、操作された精算装置指定ボタンBT2に対応する精算装置30に対して精算指示情報を送信する。
ステップS105により精算指示情報を送信する以前のタイミングで、現取引に対応する商品登録処理が開始されていない場合には、精算指示情報には商品登録情報は含まれない。一方、ステップS105により精算指示情報を送信する以前のタイミングで、既に現取引に対応する商品登録処理が開始されていた場合には、精算指示情報に商品登録情報が含まれる。
【0079】
ステップS106:ステップS102にて待機状態の精算装置30のないことが判定された場合、あるいはステップS111にて小計操作が行われないことが判定された場合、あるいはステップS105の処理の後、登録装置20は、以下の処理を実行する。
つまり、登録装置20は、ステップS101にて商品登録処理が完了した取引の、次の取引(以下、「現取引」ともいう)に対応する商品登録操作が行われたか否かについて判定する。
【0080】
ステップS107:商品登録操作が行われた場合、登録装置20は、商品登録操作に応じた商品登録処理を実行する。
ステップS108:登録装置20は、現時点において、現取引に対応する精算指示情報を送信済みであるか否かについて判定する。現取引に対応する精算指示情報を送信済みである場合、ステップS101に対応する商品登録処理が完了してから現在までの間に、
図5または
図7のように表示された精算装置指定画面WD1に対する精算装置指定操作を行っている。
ステップS109:現取引に対応する精算指示情報を送信済みである場合、登録装置20は、今回のステップS107の商品登録処理に対応する商品登録情報を精算装置30に送信する。
【0081】
ステップS110:ステップS106にて商品登録操作が行われていないと判定された場合、あるいはステップS108にて精算指示情報が送信済みでないと判定された場合、あるいはステップS109の処理の後、登録装置20は、以下の処理を実行する。
つまり、登録装置20は、未だ精算指示情報を送信していない(即ち、現取引における精算装置指定操作が行われてない)状態のもとで、これまで指定不可の状態だった精算装置30が待機状態に変化する、という状況(以下、「精算装置指定可能状況」ともいう)となったか否かについて判定する。
精算装置指定可能状況とならない状況としては、未だ精算指示情報を送信していないが、全ての精算装置30が指定不可の状態から変化していない状況が含まれる。また、既に精算指示情報を送信している状況は、精算装置30の状態の変化にかかわらず、精算装置指定可能状況とはならない状況に該当する。
精算装置指定可能状況となったことが判定された場合には、ステップS103に処理が戻される。これにより、
図7に示したように、商品登録処理中において、精算装置指定画面WD1が表示され、店員による精算装置指定操作が可能となる。
【0082】
ステップS111:一方、精算装置指定可能状況とならなかったことが判定された場合、登録装置20は、現取引に対応する小計操作が行われたか否かについて判定する。小計操作が行われていないことが判定された場合には、ステップS106に処理が戻される。
ステップS112:現取引に対応する小計操作が行われた場合、現取引についての商品登録処理が完了したことになる。この場合、登録装置20は、現取引に対応する商品登録処理が完了したことを示す商品登録完了通知を精算装置30に送信する。
【0083】
続いて、精算装置30が実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:精算装置30は、ステップS105により登録装置20から送信される精算指示情報が受信されるのを待機する。
ステップS202:精算指示情報が受信されると、精算装置30は、待機状態から精算処理モードに遷移し、表示部305にて精算画面の表示を開始させる。精算画面の表示の開始にあたり、受信された精算指示情報に商品登録情報が含まれていた場合、精算装置30は、自己の精算処理に利用する精算情報を、受信された精算指示情報に含まれていた商品登録情報により生成する。精算装置30は、
図6のように、生成された精算情報の内容を反映した精算画面を表示させる。
【0084】
ステップS203:精算装置30は、ステップS112により登録装置20から送信される商品登録完了通知が受信されたか否かについて判定する。
ステップS204:商品登録完了通知が受信されない場合、登録装置20は、さらに、ステップS109により登録装置20から送信される商品登録情報が受信されたか否かについて判定する。
ステップS205:商品登録情報が受信された場合、精算装置30は、ステップS204に対応して受信された商品登録情報を精算情報に含める。そのうえで、精算装置30は、ステップS204に対応して受信された商品登録情報が示す商品の価格を、これまでの合計金額に加算するようにして、現時点の合計金額(現合計金額)を算出する。精算装置30は、算出された現合計金額と現時点の預かり金額とにより、現時点の釣銭金額についても算出する。
【0085】
ステップS206:精算装置30は、ステップS204による商品登録情報の受信に応じて、精算画面における表示を変更する。
具体的に、精算装置30は、ステップS204により受信した商品登録情報が示す商品の個数に応じて、精算画面の登録数エリアAR31において表示される商品の個数を変更する。また、精算装置30は、ステップS205により算出された現合計金額と現釣銭金額とを、それぞれ合計金額エリアAR32と釣銭金額エリアAR34とに表示させる。また、精算装置30は、登録商品リストエリアAR35においてステップS204により受信した商品登録情報が示す商品のリスト項目が追加されるようにする。
【0086】
ステップS207:ステップS203において商品登録完了通知の受信されたことが判定された場合、あるいはステップS204にて商品登録情報の受信されたことが判定された場合、あるいはステップS206の処理の後、精算装置30は、以下の処理を実行する。
つまり、精算装置30は、客による預かり金の入金としての貨幣の投入が検出されたか否かについて判定する。
貨幣の投入が検出されない場合、ステップS203に処理が戻される。
【0087】
ステップS208:貨幣の投入が検出された場合、精算装置30は、投入された貨幣の金額に対し、これまでの預かり金額に加算するようにして、現時点における預かり金額(現預かり金額)を算出する。また、現預かり金額の変化に伴い、現釣銭金額も変化する。そこで、精算装置30は、算出された現預かり金額と現合計金額とを用いて、現釣銭金額を算出する。
【0088】
ステップS209:精算装置30は、ステップS207にて検出された貨幣の投入に応じて、精算画面における表示を変更する。
具体的に、精算装置30は、ステップS208により算出された現預かり金額を預かり金額エリアAR33に表示させる。また、精算装置30は、ステップS208により算出された現預かり金額と現釣銭金額とを、それぞれ預かり金額エリアAR33と釣銭金額エリアAR34とに表示させる。
【0089】
ステップS210:ステップS209の処理の後、精算装置30は、預かり金の入金が完了したか否かについて判定する。預かり金の入金は、商品登録完了通知が受信されており、かつ、現預かり金額が現合計金額以上となることを条件として完了する。
未だ、預かり金の入金が完了していない場合、ステップS203に処理が戻される。
ステップS211:預かり金の入金が完了した場合、精算装置30は、決済処理を実行する。ここでの決済処理は、預かり金の入金が完了した時点での現預かり金額と現合計金額とにより算出される釣銭金額の貨幣を、釣銭として排出させる処理を含む。また、決済処理これまでの精算処理結果が反映された内容のレシートを発行する処理を含む。
【0090】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
上記実施形態では、同じ取引について、店員が登録装置20に対して商品登録操作を行っているのと並行して、客が精算装置30に対して精算の操作を行うことができる。この場合、客は、精算画面における登録商品リストエリアAR35の表示を見ることで、登録装置20での店員がどこまで商品を登録しているのかを把握することができる。しかしながら、例えば客が登録装置20にて商品の登録を受けている場合のように、店員により商品の登録が行われている状況を視覚的に把握することはできない。
【0091】
そこで、本変形例のPOSシステム1は、登録装置20にて店員が商品登録操作を行っている様子を撮像可能なように撮像装置を備える。そして、登録装置20から精算装置30に精算指示情報を送信した後において、精算指示情報の送信先の精算装置30に対して撮像装置により撮像された撮像画像が送信されるようにする。
撮像画像の送信の態様は、例えば撮像装置が、登録装置20の制御に応じて、指定された精算装置30に送信するようにされてもよい。あるいは、登録装置20(管理装置10でもよい)が、撮像装置により撮像された撮像画像を入力し、入力した撮像画像を、精算指示情報の送信後において、精算指示情報の送信先の精算装置30に対して送信するようにしてよい。
【0092】
撮像画像を受信した精算装置30は、図示は省略するが、精算画面において、登録数エリアAR31、合計金額エリアAR32、預かり金額エリアAR33、釣銭金額エリアAR34、登録商品リストエリアAR35とともに、受信された撮像画像を表示させる。
このように精算画面において撮像画像が表示されることで、客は、登録装置20にて客が行っている商品登録操作の様子を視覚的に把握することができる。
精算装置30での撮像画像の表示は、例えば登録装置20にて商品登録処理が完了したことに伴って停止されればよい。
【0093】
また、さらに本変形例においては、精算を行っている客の様子を撮像可能なように撮像装置を設け、撮像された画像が精算指示情報の送信元の登録装置20に送信されるようにしてよい。この場合、登録装置20は、受信された撮像画像を商品登録画面とともに表示させる。これにより、店員も、精算装置30にて精算を行っている客の様子を視覚的に把握できる。
【0094】
[第2変形例]
登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムでは、品券の使用による支払いに対応する精算処理に関しては、登録装置が行うようにされ、精算装置では行えないようにされていることが一般的である。品券の使用による支払いに対応する精算処理を登録装置にて行うようにしている理由の1つに、使用された品券については不正に再使用されないように店員が回収する必要があることが挙げられる。
しかしながら、本実施形態において、精算装置が、品券の使用による支払いに対応する精算処理を行えないようにされている場合、品券を使用する客は、商品登録処理が完了するまで待たなければならない。
そこで、本変形例では、精算装置30が品券の使用による支払いに対応して精算処理を行えるようにする。
ただし、精算装置30は客により操作が行われるものであることから、精算装置30の近傍に店員は常駐していない。このため、支払いに使用された品券が回収されることなく客によって不正に再使用されてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の精算装置30は、品券の使用による精算処理を実行するにあたり、店員に対して報知を行う。報知の態様としては、例えばサインポール311を所定の色、パターンで点灯させてよい。あるいは、登録装置20や管理装置10にて表示や音声による報知が行われるようにされてもよい。
このように報知が行われるようにすれば、店舗における店員が即座に精算装置30にまで赴いて使用済みの品券を回収できる。
【0095】
[第3変形例]
上記実施形態においては、登録装置20が
図5または
図7に示される精算装置指定画面WD1を表示し、店員が精算装置指定画面WD1に対して精算装置指定操作を行うようにされていた。つまり、上記実施形態においては、精算処理を実行させるべき精算装置30が店員の操作によって指定される。
これに対して、本変形例では、精算装置指定画面WD1の表示に代えて、登録装置20が精算処理を実行させるべき精算装置30を決定し、決定された精算装置30に精算指示情報を送信するようにされてよい。このような本変形例の場合には、精算装置指定画面WD1の表示に代えて、例えばいずれの精算装置30を指定したのかを店員に報知する画面を表示させる。
また、本変形例において、精算処理を実行させるべき精算装置30を決定するにあたっては、例えば、以下の第4変形例における第3の指定態様、第5の指定態様、及び第7の指定態様のいずれかの指定態様が適用されてよい。
【0096】
[第4変形例]
なお、上記実施形態において、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、精算装置30を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下の第3の指定態様から第7の指定態様のように精算装置30が指定されてもよい。
【0097】
第3の指定態様として、商品登録の完了に応じて店員用表示部205に表示された精算装置指定ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置20が、例えば精算装置30に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置30を認識し、使用中でない精算装置30のうちから所定の規則に従って、1つの精算装置30を決定する。そして、登録装置20は、決定した精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0098】
第4の指定態様として、予め精算装置30について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、店員用表示部205に精算装置30への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置20は、設定された優先順位に従った順で精算装置30の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置30について確認するようにする。そのうえで、登録装置20は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0099】
なお、上記の第3の指定態様における所定規則に従った精算装置30、あるいは第4の指定態様における精算装置30の優先順位としては、例えば、精算装置30に割り当てられた番号に基づいて決定されてよい。あるいは、登録装置20から精算装置30までの距離に基づいて決定されてよい。あるいは、合計金額に基づいて予測される釣銭の金種の内訳と精算装置30の釣銭機に収納されている貨幣の金種ごとの枚数との関係に基づいて決定されてよい。
【0100】
第5の指定態様として、登録装置20は、全ての精算装置30に精算情報を送信する。精算情報を受信した精算装置30は、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置20に送信する。
登録装置20は、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先の精算装置30を示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行する精算装置30がいずれであるのかを客に伝えればよい。
この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信した精算装置30のサインポール311を所定のパターンで点灯させたり、精算装置30から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0101】
上記の第3~第5の指定態様による精算装置30の指定によれば、精算処理を実行させるべき精算装置30をいずれとするのかを判断しなくともよい。
【0102】
第6の指定態様として、登録装置20にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、精算装置30ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。
カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサ(重量センサ、あるいは光センサ等)が備えられる。センサによりカゴ置き場買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応の精算装置30が要求を行って、登録装置20から対応の精算情報を取得し、精算処理を実行するようにされる。
この場合にも、精算処理を実行することとなった精算装置30が、サインポール311の点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
なお、載置された買い物カゴを検出するセンサに代えて、例えば店員に対応して人感センサや撮像装置を設けてよい。そして、登録装置20は、人感センサの検出出力や撮像装置により撮像して得られた画像等に基づいて、店員の動きを判断し、判断された結果に基づいて、店員が精算装置30ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれに買い物カゴを設置したのかを判定する。そして、判定されたカゴ置き場に対応する精算装置30を、精算処理を実行すべき精算装置30として決定するようにしてよい。
【0103】
第7の指定態様として、登録装置20は、精算情報と、複数の精算装置30間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、或る1つの精算装置30に送信する。転送順情報は、精算装置30間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の登録装置20に対して、精算処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行する。
一方、精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行不可である場合、受信された精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の精算装置30に対して、受信された精算指示情報を転送する。このようにして、精算装置30間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、精算処理を実行させるべき精算装置30の指定に相当する手順が実現される。
【0104】
上記の各指定態様において、精算処理を実行させる精算装置30の決定に関する処理は、例えば管理装置10などのように、登録装置20及び精算装置30以外の所定の装置が、登録装置20による商品登録処理の終了に応じて実行するようにされてよい。登録装置20及び精算装置30以外の所定の装置としては、例えば精算装置30の状態をモニタリングするために設けられた装置等であってもよい。
【0105】
[第5変形例]
先の実施形態では、店員の操作に応じて商品登録処理を行う商品登録装置と、客の操作に応じて精算処理を実行する精算装置とを備えるPOSシステム1を例に挙げた。
しかしながら、上記実施形態のように、商品登録処理が完了する以前のタイミングで精算処理が開始されるようにする構成は、以下のようなPOSシステムにも適用してよい。
即ち、商品登録処理が完了する以前のタイミングで精算処理が開始されるようにする構成は、店員が商品登録操作を行い、店員の対面にて客が精算に対応する操作を行うようにされたPOSレジスタを複数備えるPOSシステムにも適用されてよい。このようなPOSシステムの場合には1つのPOSレジスタにおいて商品登録処理が完了する以前のタイミングで、他の複数のPOSレジスタのうちのいずれかにて精算処理が実行されるように指示(精算指示情報の送信)が行われるようにされればよい。
また、商品登録処理が完了する以前のタイミングで精算処理が開始されるようにする構成は、店員が商品登録操作と精算に対応する操作とを行うようにされる第1会計モードと、店員が商品登録操作を行い、客が精算に対応する操作を行うようにされる第2会計モードと、客が商品登録操作と精算に対応する操作とを行うようにされる第3会計モードとで切り替えが可能なようにされたPOSレジスタを複数備えるPOSシステムにも適用できる。このようなPOSシステムの場合には、例えば第1会計モードまたは第2会計モードの1つのPOSレジスタにおいて店員の操作による商品登録処理が完了する以前のタイミングで、第2会計モードまたは第3会計モードの状態にある他のPOSレジスタのうちのいずれかにて精算処理が実行されるように指示(精算指示情報の送信)が行われるようにされればよい。
【0106】
[第6変形例]
また、例えば、客が登録装置20にて商品登録を受けている際に、商品登録処理が完了する以前の段階で、客用表示部205aに対する操作によって、決済種別(現金、クレジットカード、電子マネー、プリペイドカード、品券、コード決済等)や自分が精算を行う精算装置30を指定できるようにしてもよい。このような構成では、商品登録処理が完了していない状態であっても、客は、指定した精算装置30に移動して精算のための操作を開始できる。
なお、コード決済は、以下のように行われる。一例として、客の所持する端末にインストールされた決済アプリケーションに客のクレジットカード等を登録させておく。精算に際しては端末のアプリケーションにより、登録されたクレジットカード等に対応する情報を示す一次元または二次元によるコードを表示させ、表示されたコードを精算装置30に読み取らせる。これにより、精算装置30は、読み取られたコードに対応するクレジットカード等を使用した精算処理を実行する。
また、コード決済の一例として、精算処理に際して、精算装置30が一次元または二次元によるコードを表示部305に表示させる。表示されるコードは、精算装置30が登録装置20から受信した精算情報に基づく決済に関連する情報(決済情報)を示す。客は、自分が所持する端末のコードリーダー機能により、表示されたコードを端末に読み取らせる操作を行う。端末には、例えば決済に対応する決済アプリケーションがインストールされている。端末の決済アプリケーションは、コードの読み取りに応じて例えば決済サーバと通信を行い、読み取られたコードが示す決済情報を利用して、決済サーバと決済に応じたトランザクションを実行する。
【0107】
[第7変形例]
例えば、上記実施形態における精算装置30は、客が精算を行う際に行う決済種別を指定する操作に応じて、指定された決済種別に対応する精算処理を実行することが可能とされている。
一方で、本変形例として、登録装置20にて店員が商品登録の操作を行っているときに、客から伝えられた決済種別を指定する操作が行えるようにされてよい。この場合、登録装置20は、精算処理の指示にあたり、指定された決済種別に対応する精算処理が可能な精算装置30から選択された精算装置30に対して精算処理の指示を行うようにされてもよい。
【0108】
[第8変形例]
また、例えば、前述の第1の指定態様により店員が精算処理を実行させる精算装置30を指定する操作を行うようにされている場合には、
図5及び
図7等に示される精算装置指定ボタンBT2のそれぞれにおいて、該当の精算装置30が対応して精算処理が可能な決済種別が表示されるようにしてよい。これにより、店員は、例えば指定した決済種別に対応して精算処理が可能な精算装置30を的確に把握したうえで、精算装置指定操作を行うことができる。
【0109】
[第9変形例]
また、商品登録画面にて配置される精算装置指定ボタンBT1については、
図5及び
図7等に例示したバッジBGによる「使用中」、「待機」等の状態のほか、例えば、精算処理を実行中である場合には、指定された決済種別により精算処理を実行していることを示す表示が行われてよい。例えば、決済種別が現金である場合には、現在入金中の金額を示す表示が行われてよい。また、決済種別がクレジットカード、電子マネー、品券、コード決済等である場合には、これらの決済種別に対応させて、例えば「カード決済中」、「電子マネー決済中」、「品券利用決済中」、「コード決済中」等といった表示が行われるようにされてよい。
同様に、精算装置指定画面WD1において配置される精算装置指定ボタンBT2についても、いずれの決済種別により精算処理を実行しているのかを示す表示等が行われるようにされてよい。
【0110】
なお、上述の登録装置20、精算装置30などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録装置20、精算装置30などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0111】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置(20)と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する精算装置(30)とを備える商品販売データ処理システム(例えば、POSシステム1)であって、前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段を備える。
【0112】
上記構成によれば、同じ一取引に対応して、登録装置20に対する店員の商品登録操作と、精算装置30に対する客の精算の操作とを並行して行うことができる期間が得られる。これにより、登録装置と精算装置とを備えるPOSシステム1における客捌きの効率の向上が図られる。
【0113】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算装置指定手段は、前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が開始される以前のタイミングで精算装置を指定する。
【0114】
上記構成によれば、店員による登録装置20に対する商品登録操作が開始されるのとほぼ同じタイミングで、客による精算装置30に対する精算の操作も開始できる。これにより、一取引における商品登録から精算までの会計に要する時間を極力短くすることが可能となり、客捌きの効率をさらに向上させることが可能になる。
【0115】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算装置指定手段は、全ての前記精算装置について精算処理が不可の状態であった状態から、精算処理が可能な状態に遷移した精算装置を、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置として指定する。
【0116】
上記構成によれば、商品登録処理中において、精算処理が可能な状態に遷移した精算装置30を、精算処理を実行させるべき精算装置として指定できる。つまり、全ての精算装置30の精算処理が不可の状態で商品登録処理が開始されたとしても、商品登録処理の途中から、精算装置30に対する精算の操作を客に行ってもらうようにできる。
【0117】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算装置指定手段により指定された精算装置の表示部(305)において、現時点までに登録装置にて登録された商品に関する情報を表示させる表示制御部をさらに備える。
【0118】
上記構成によれば、精算装置30にて精算の操作を行っている客が、表示部305を見ることで、登録装置20にてこれまでに登録された商品を把握できる。
【0119】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記精算装置は、前記精算装置指定手段による指定に応じて、前記登録装置において前記一取引に応じた商品登録処理が完了する以前の段階から精算処理を開始する精算処理手段をさらに備える。
【0120】
上記構成によれば、登録装置20にて商品登録処理が完了していない状態のもとであっても、精算装置30は、客の操作に応じて精算処理を実行していくことが可能になる。これにより、客捌きの効率をさらに向上させることが可能になる。
【0121】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、商品登録処理が実行されている登録装置に対応する所定の撮像範囲を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を、前記精算装置指定手段により指定された精算装置に対応する表示部305において表示させる表示制御部をさらに備える。
【0122】
上記構成によれば、精算装置30にて精算の操作を行っている客は、表示部305を見ることで、登録装置20にて店員より行われている商品登録操作の状況を視覚的に把握できる。
【0123】
(7)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置であって、一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段である。
【0124】
(8)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置と、前記登録装置による商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を客の操作に応じて実行する精算装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて備えられる所定の装置としてのコンピュータを、前記登録装置にて一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた精算処理を実行させるべき精算装置を指定する精算装置指定手段として機能させるためのプログラムである。
【0125】
(9)本実施形態の一態様は、店員の操作に応じて商品登録処理を実行する登録装置としてのコンピュータを、一取引に応じた商品登録処理が完了する以前のタイミングで、前記一取引に応じた商品の登録結果が反映された精算情報に基づく精算処理を実行させるべき精算装置を、複数の精算装置のうちから指定する精算装置指定手段として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0126】
1 POSシステム、10 管理装置、11 LAN、20(20-1、20-2) 登録装置、30(30-1~30-3) 精算装置、201 CPU、202 記憶部、203 RAM、204 スキャナ部、205 店員用表示部、205a 客用表示部、206 操作部、207 通信部、208 ブザー、209 印刷部、210 カードリーダ、301 CPU、302 記憶部、303 RAM、304 スキャナ部、305 表示部、306 操作部、307 通信部、308 ブザー、309 印刷部、310 決済部、311 サインポール、312 人感知センサ、313 カードリーダ