(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/50 20060101AFI20220401BHJP
B65G 19/02 20060101ALN20220401BHJP
【FI】
B65B35/50
B65G19/02 A
(21)【出願番号】P 2020017889
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000110125
【氏名又は名称】トキワ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】梁川 浩司
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-026111(JP,A)
【文献】実開昭62-108307(JP,U)
【文献】特公昭45-035227(JP,B1)
【文献】特公昭40-009719(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/50
B65G 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送方向に案内する案内部と、前記物品とは別の供給物品を前記物品の上側または下側に重なるように案内する供給部と、搬送方向に送られる押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記案内部で案内される前記物品と前記供給部で案内される前記供給物品とを、上下の配置で同時に搬送方向に押し、前記案内部または前記供給部の下流側で、前記物品と前記供給物品とを上下に重ねた状態で押して搬送するよう構成されており、
前記供給部における前記供給物品が載置される供給面に対して、前記供給物品の厚さ寸法に基づく所定長さだけ離間して配置される押え部が設けられ
、
前記供給部は前記案内部の上側に略平行に配置され、下流端が前記案内部の搬送方向途中位置となるよう構成され、
前記押え部の長さ方向における下流側押え端部は、前記供給面の下流側よりも、さらに下流側に延びたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
物品を搬送方向に案内する案内部と、前記物品とは別の供給物品を前記物品の上側または下側に重なるように案内する供給部と、搬送方向に送られる押圧部材とを備え、
前記供給部における前記供給物品が載置される供給面に対して、前記供給物品の厚さ寸法に基づく所定長さだけ離間して配置される押え部が設けられ、
前記押圧部材は、前記案内部で案内される前記物品と前記供給部で案内される前記供給物品とを、上下の配置で同時に搬送方向に押して前記供給物品を前記押え部に送るよう構成され、前記案内部または前記供給部の下流側で、前記物品と前記供給物品とを上下に重ねた状態で押して搬送するよう構成される搬送装置。
【請求項3】
前記供給面上に前記供給物品を送る供給シュートを備え、前記押え部は搬送方向に所定長さを有し、
前記押え部の長さ方向における上流側押え端部は、前記供給シュートから前記供給面上に落下した前記供給物品の前記供給面における落下位置の下流端に位置している請求項1
又は2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を物品包装部へ搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、この種の搬送装置が記載されている。特許文献1の搬送装置は、物品を案内する案内部と、案内部の上方に配置され、物品とは別の供給物品を物品に投下する供給物品投下装置と、押圧部材(アタッチメントともいう)と、脱落防止部材とを備え、案内部の下流側に設けられて物品を包装する物品包装部に、物品を搬送するように構成されている。
【0003】
案内部は、搬送方向に水平面内で直交する方向である幅方向に所定間隔をあけて配置された一対の案内板を備える。前記所定間隔の隙間には、押圧部材及び脱落防止部材が搬送方向の前後に入り込んで、供給物品投下装置から物品上に投下された供給物品が落下しないようにして、物品を物品包装部へ搬送する。
【0004】
特許文献1の構成では、物品を案内部で下流側に搬送される際に、物品が押圧部材で後押しされ、さらに、供給物品投下装置から物品上に投下された供給物品もまた、押圧部材により後押しされる。
【0005】
この場合では、物品として乾麺が挙げられ、供給物品としては、乾麺用のスープやスパイスを封入した小袋が挙げられている。小袋には、スープやスパイスなどの複数種が、封止手段(例えば溶着シール)を介して別々に封入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、供給物品として上記小袋を例示すれば、スープやスパイス等の複数種が、例えば溶着シールを介して別々に封入される。しかしながら、小袋は、溶着シールの部分で折曲げられることによって、程度の差こそあれ折癖が生ずることが考えられる。
【0008】
そして、乾麺の上に小袋があって、その小袋の後押しされるべき後端部が折癖によって起き上がっている場合には、これらが押圧部材で後押しされると、前記折癖で起き上がっている分だけ乾麺に対する小袋の位置が後方にずれてしまい、その結果、小袋が乾麺から落ちやすくなる。
【0009】
なお、このような問題は、物品に対する小袋に限らず、折癖がつくようなシート類や、紙類等も同様である。
【0010】
そこで本発明は、供給物品に折癖が生じていても、物品に対して供給物品を確実に供給できる搬送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、物品を搬送方向に案内する案内部と、前記物品とは別の供給物品を前記物品の上側または下側に重なるように案内する供給部と、搬送方向に送られる押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記案内部で案内される前記物品と前記供給部で案内される前記供給物品とを、上下の配置で同時に搬送方向に押し、前記案内部または前記供給部の下流側で、前記物品と前記供給物品とを上下に重ねた状態で押して搬送するよう構成されており、前記供給部における前記供給物品が載置される供給面に対して、前記供給物品の厚さ寸法に基づく所定長さだけ離間して配置される押え部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
上記構成を備えた本発明の搬送装置によれば、搬送方向に送られる押圧部材によって、物品が案内部によって搬送方向に送られるとともに、供給部によって供給物品が搬送方向に送られ、案内部または供給部の下流側で物品と供給物品とが上下に重なって押されて搬送される。ここで、供給部で案内される供給物品は、仮に折癖が生じていたとしても、該折癖によって立ち上がるように折れた部分が押え部で押えされるため、折癖が矯正された状態で供給物品を物品に対して重ねることができる。
【0013】
本発明は、前記供給面上に前記供給物品を送る供給シュートを備え、前記押え部は搬送方向に所定長さを有し、前記押え部の長さ方向における上流側押え端部は、前記供給シュートから前記供給面上に落下した前記供給物品の前記供給面における落下位置の下流端に位置している構成であってもよい。
【0014】
上記構成を備えた搬送装置によれば、供給物品が供給シュートから供給面に落下するとすぐに、押え部の上流側押え端部で、供給物品の折癖を矯正できるから、供給物品に仮に折癖が生じていたとしても、確実に折癖を矯正できる。
【0015】
本発明では、前記供給部は前記案内部の上側に略平行に配置され、前記下流端が前記案内部の搬送方向途中位置となるよう構成され、前記押え部の長さ方向における下流側押え端部は、前記供給面の下流側よりも、さらに下流側に延びた構成とすることもできる。
【0016】
上記構成を備えた搬送装置によれば、供給物品が供給部から送られて、その下流端から案内部上の物品に落下しようとするとき、押え部の下流端は、供給面の下流端よりも下流側に延びているので、供給物品の折癖を矯正しつつ落下をガイドできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる搬送装置によれば、供給物品に折癖が生じていても、物品に対して供給物品を確実に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の側面図である。
【
図2】同供給物品投下装置および供給物品矯正装置の側面図である。
【
図5】別な実施形態を示す
図3におけるY-Y線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る搬送装置について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、搬送装置1は、物品包装部10に対し、物品2と供給物品3とのセット(以後、セット物という)4を搬送する機能を有する。
【0020】
物品2としては、例えば乾麺が挙げられ、供給物品3としては、例えば乾麺用のスープや、スパイス等の内容物を、それぞれ別々に封入した小袋が挙げられる。小袋は、例えば、
図2、
図3に示すように、封止手段(例えば溶着シール)5を介して、スープやスパイス等の内容物が、別々に封入されている。本実施形態では、供給物品3は矩形に形成されている。
【0021】
図1に戻って、搬送装置1は、物品2を1個ずつ捌くようにした分割供給部6Bと、物品2を1個ずつ受け取る受取コンベヤ6と、物品2を下流側へ向けて案内する案内部7と、供給物品3を下流側へ向けて案内する供給物品投下装置8と、供給物品投下装置8の下流側に位置された供給物品矯正装置9とを備えている。
【0022】
分割供給部6Bと、受取コンベヤ6と、案内部7と、物品包装部10とは、この順で下流側に向けて配置されている。分割供給部6Bの分割面6b、受取コンベヤ6の受取面6a、案内部7の案内面7a、物品包装部10の包装面10aとは同一高さの面である。供給物品投下装置8は、案内部7(案内面7a)の上側に配置されている。
【0023】
搬送装置1は、物品2を下流側に送る、あるいは物品2と供給物品3を下流側に送る、複数のアタッチメント(押圧部材)21と、各アタッチメント21を搬送方向に駆動する駆動装置22とを、さらに備える。
【0024】
供給物品投下装置8の詳細について、
図2に基づいて説明する。供給物品投下装置8は、案内部7の案内面7aの上方における、搬送方向の途中に配置されている。
【0025】
供給物品投下装置8は、長尺に連続した供給物品3の所定位置をカットする切断部11と、案内面7aと切断部11との間にあって、小分けになった供給物品3を1つずつ落下させる供給シュート13とを備える。
【0026】
供給シュート13は、下流側斜め下方に傾斜した傾斜面13aと、傾斜面13aの下流側から下流側に向けて平行な排出口13bと、傾斜面13aおよび排出口13bにおいて幅方向へ供給物品3が送られることを防止する横ガイド14とを備えている。また、供給シュート13には、長尺の供給物品3が所定位置でカットされなかった場合に不良品として、供給シュート13とは別ルートで不良品の供給物品3として落下させるための、別シュート15を備えている。この別シュート15は、供給シュート13の上流側に隣接している。
【0027】
供給シュート13と別シュート15とは、搬送方向に移動自在となっている。すなわち、供給物品3のカット位置に対して、供給シュート13と別シュート15とが搬送方向に移動自在となっている。そして、通常では、供給シュート13は、カット位置の下側に配置されている。
【0028】
供給物品投下装置8は、供給物品3を下流側へ向けて案内するよりも前に、長尺とした供給物品3を加工するものである。この場合、供給物品投下装置8は、長尺に連続した供給物品3を、スープやスパイスの1組の内容物が封止された供給物品3に、切断部11によってカットして、該カットした供給物品3を供給シュート13の傾斜面13a上に落下させ、また、次の1組の内容物が封止された供給物品3を供給シュート13の傾斜面13a上に落下させるようにして、排出口13bから排出する。なお、排出口13bの幅方向の中心部には、アタッチメント21を下流側に送るための隙間が設置されている。そして、所定位置でカットされない供給物品3が検出された場合、別シュート15が下流側に移動するよう制御される。
【0029】
供給物品矯正装置9は、案内面7aの上方であって、供給シュート13の排出口13bの下流側に設けられている。供給物品矯正装置9は、下方に配置されて供給物品3が載る供給部としてのメインガイド部16と、上方に配置されて供給物品3の折れて立ち上がった部分を押圧する押え部17とを備える。
【0030】
図3、4に示すように、メインガイド部16は、案内面7aと略平行で、アタッチメント21が入る隙間を、幅方向中央にして配置された供給面18と、供給面18の幅方向両側に立設された側面ガイド19とを備えている。側面ガイド19は、搬送装置1の側板(図示せず)に固定されている。供給面18は水平方向の平面であり、幅方向中央に、アタッチメント21を下流側に送るための隙間δ2が設置されている。また、供給シュート13の排出口13bは、メインガイド部16の幅方向内に配置されて、排出口13bは供給面18の直上に配置されている。
【0031】
図1に戻って、メインガイド部16の上流端16aは、排出口13bよりも上流側であり、メインガイド部16の下流端16bは、排出口13bよりも下流側の配置となっている。メインガイド部16において、排出口13bよりも下流側を矯正部分20とすると、押え部17は、矯正部分20の上側に配置されている。
【0032】
図4に示すように、押え部17は、側面ガイド19と平行な2枚の板体と、板体と側面ガイド19とを連結する保持部材26とを備える。押え部17は、幅方向で離間して一対設けられており、本実施形態では、アタッチメント21を中央位置とするよう、幅方向一方側および他方側に対向して設けられている。また、押え部17は、板体が供給面18に対して立設するように配置されており、よって、板体の下流縁部が供給面18に対向して配置されている。
【0033】
各押え部17は、供給シュート13の排出口13bに対して下流側に配置されている。押え部17は、側面視すると、矩形の押え部本体27と、押え部本体27の上流側に配置された切欠部28とから一体的に構成されている。切欠部28は、下方に切欠28aが形成され、切欠28aは、前方側(上流側)の下方を切欠いて形成されており、押え部本体27の下面に連続するように、上流側へ向けて上傾斜している。
【0034】
すなわち、押え部17の下流縁部は、供給面18に搬送方向で平行となる平行縁部17cと、平行縁部17cの上流側に連続して、上流側へ向けて上傾斜する傾斜縁部28bとから構成される。そして、押え部本体27が平行縁部17cを有し、切欠部28aが傾斜縁部28bを有している。この平行縁部17cは、折癖のある供給物品3を押さえる押え縁部である。また、傾斜縁部28bは、供給物品3を押え縁部にガイドするガイド縁部である。
【0035】
図4に示すように、押え部17(押え部本体27および切欠部28)の下面17bは、下方に向けて凸となる円弧状に形成されている。押え部本体27の下面(押え縁部)と供給面18とは、供給物品3の厚みTよりわずかに大きく形成された隙間δ1が形成されている。
【0036】
この隙間δ1は、例えば、折癖のない平坦な供給物品3が搬送される場合には、押え部17が供給物品3に当接せず、供給物品3に折癖が生じており、部分的に立ち上がるように折られたものが搬送される場合には、該供給物品3における折れた部分に当接する程度の隙間が考えられる。
【0037】
保持部材26は、押え部17の外側面と側面ガイド19とを連結する杆状体29を備え、杆状体29の一端は押え部17の側面に取付けられ、杆状体29の他端は、側面ガイド19に形成された搬送方向に直角な長手方向の長孔部30に貫通されている。また、杆状体29の径は、長孔部30よりも小さい。杆状体29において側面ガイド19を貫通する部分には、ナット31が螺合されている。なお、杆状体29の軸心は、供給面18の幅方向に平行である。また、押え部17の下流端17aは、メインガイド部16の下流端16bよりも下流側に延びている。
【0038】
本実施形態では、押え部17の下流端17aは、メインガイド部16の下流端16bより、供給物品3の搬送方向長さよりも短い距離だけ下流側に延びている。つまり、押え部17の押え縁部の下流側端部(下流側押え端部)17dが、供給面18の下流端よりも下流側に延びている。
【0039】
前述のように、押え部17は、供給シュート13の排出口13bに対して下流側に配置されている。その、該下流側について述べる。すなわち、該下流側は、供給シュート13の排出口13bから供給面18に落下された供給物品3において、供給物品3の先端(供給物品3の下流側端)が、切欠部28の下面と押え部本体27の下面の境界近傍に到達する程度である。ここで、前記境界は、押え部17においては、供給物品3の折癖を矯正すべく供給物品3を押さえる部分(前記押え縁部)の上流側端部のことをいう。
【0040】
アタッチメント21、および駆動装置22は周知のものであるので、簡単に概要を述べる。
図1に示すように、アタッチメント21は、縦長の略直方体形状に形成されている。駆動装置22は、アタッチメント本体23の側方に、アタッチメント21を無端状に回動させる機構を備えている。すなわち、無端状に回転する一条の駆動チェーン25と、駆動チェーン25を巻くように、搬送装置1の側方に設けられたフレーム部材12,12に支持された複数のスプロケットSとを備える。なお、駆動チェーン25は、ローラーチェーンである。
【0041】
アタッチメント21は、ローラーチェーンである駆動チェーン25に対して所定間隔で配置されており、アタッチメント21と駆動チェーン25とを連繋するリンク機構(符号省略)を備えている。このようにアタッチメント21と駆動装置22とが連携してアタッチメント21が無端状に回転し、アタッチメント21は、案内部7の案内面7aに出退して、案内部7の案内面7aに至ると、アタッチメント21は起立する。したがって、案内面7aには、アタッチメント21を搬送方向に送るための隙間δ3(
図4参照)が形成されている。なお、アタッチメント21を下流側に送るために、供給面18には隙間δ2が設けられたことは、前述している。
【0042】
すなわち、案内部7とメインガイド部16(供給部)とは、搬送方向を一致させて上下に平行に配置されており、アタッチメント21は、案内部7の上方から案内面7aよりも上方および供給面18よりも上方に突出するよう設けられ、案内面7aの隙間δ3、供給面18の隙間δ2を介して搬送方向に移動し、物品2と供給物品3とを同時に押して搬送する。そして、メインガイド部16の下流端で供給物品3を落下させて、物品2の上に重ね、セット物4として押して搬送する。
【0043】
上記構成の搬送装置1において、駆動装置22が駆動して駆動チェーン25が無端状に回転すると、アタッチメント21が連続して案内部7の案内面7aに起立し、下流側に送られる。
【0044】
また、物品2は、分割供給部6Bで1個ずつ捌かれ、受取コンベヤ6で物品2を1個ずつ受け取られ、アタッチメント21の移動により、案内部7の案内面7aで、物品2を下流側へ向けて送られる。
【0045】
また、供給物品投下装置8でカットされた供給物品3は、供給シュート13によって下流側に送られて、メインガイド部16の供給面18上に載置され、アタッチメント21によって、物品2と供給物品3とが下流側に送られる。このとき、供給物品3は供給物品矯正装置9を通過する。そして、物品2と供給物品3とのセット物4が、物品包装部10へ送られて包装される。
【0046】
案内部7上の物品2と、メインガイド部16(供給部)上の供給物品3とが下流側に送られ、供給物品3は供給物品矯正装置9を通過する際の、供給物品3の動作を詳述する。例えば、供給物品3として、スープが封入されたスープ部32と、スパイスが封入されたスパイス部33を有し、スープ部32が下流側で、スパイス部33が上流側であり、封止手段5によって、スパイス部33とスープ部32とに折癖が形成されているものとする。このように、供給物品3としては、スープ部32が大面積(容量が大)であり、スパイス部33はスープ部32に比べて小面積(容量が小)である。
【0047】
そして、供給シュート13の排出口13bから送られた供給物品3は、スープ部32が大面積であるから、スパイス部33に折癖が付いてスパイス部33がやや立ち気味の傾向にある。このような供給物品3に対してアタッチメント21が当たると、いっそう折癖が強く付与される。
【0048】
図3、4で示すように、供給シュート13の排出口13bから排出された供給物品3は、スープ部32がメインガイド部16の供給面18に載置され、アタッチメント21で押されて、前記下流側に配置された押え部17の切欠部28、続いて押え部本体27に送られる。しかしながら、このとき、押え部17にはその上流側に切欠部28(ガイド縁部)が形成されているので、供給物品3が押え部17と供給面18との間に容易に入る。
【0049】
そして、押え部本体27の下面17b(押え縁部)と供給面18とは、供給物品3の厚みTよりわずかに大きく形成された隙間δ1が形成されているので、スープ部32は隙間δ1を通過する。さらに、スパイス部33が隙間δ1を通過するが、このとき、スパイス部33に折癖がついていたとしても、供給物品3が供給シュート13から供給面18に落下するとすぐに、押え部17の上流側領域の近傍、すなわち、押え縁部の上流側押え端部Pでスパイス部33が供給面18方向に押されて、折癖が矯正される。
【0050】
また、押え部17の下面は、押え部17の厚みT方向の両端が面取りされた円弧形状となっているため、押え部17と供給面18との間を通る供給物品3が抵抗を受けづらいので円滑に押え部17を通過し、しかも搬送に際し、供給物品3の上流側がアタッチメントによって持ち上げられることを防止できる。
【0051】
隙間δ1によって折癖が矯正された供給物品3は、さらに供給物品矯正装置9の下流側に送られて物品2に載せられるが、押え部17は、メインガイド部16の矯正部分20の上側に配置され、押え部17の下流端17a(押え縁部の下流側押え端部17d)は、メインガイド部16の下流端16bよりも下流側に延びている。このため、物品2に対して供給物品3の下流側への案内が円滑に行き、しかも折癖が矯正されていることにより、物品2に対して供給物品3を確実に供給できる。
【0052】
また、供給物品3が供給面18から送られて、物品2に対して落下しようとするとき、押え部17の下流端は供給面18よりも下流側に延びたことにより、物品2の上に重なっても供給物品3の折癖が矯正したまま、供給物品3を物品2に載せられる。
【0053】
ここで、仮に、供給シュート13から落下してした供給物品3において、スパイス部33が下流側でスープ部32が上流側であったとしても、スパイス部33は、押え部17の切欠部28によって、押え部17と供給面18との間に入ることができ、しかも折癖が矯正される結果、供給物品3は確実に下流側に送られる。
【0054】
また、仮に、供給シュート13から落下してした供給物品3において、スパイス部33およびスープ部32が、搬送方向に沿った封止手段5によって封止されていても、上記供給物品矯正装置9によれば、物品2に対して供給物品3を確実に供給できる。あるいは、封止手段5によって、三方が封止された供給物品3であっても、供給物品矯正装置9によれば、物品2に対して供給物品3を確実に供給できる。さらに供給物品3は、スパイスを封止したスパイス部33や、スープを封止したスープ部32に限るものではなく、物品2を調理した後の具材とすることもできる。
【0055】
ところで、供給物品3は上記実施形態では、その面積や厚みTに違いがある場合がある。この場合の押え部17については、ナット31を緩めて杆状体29を長孔部30の上下方向に沿って移動させることで対応できる。つまり、本実施形態では、押え部17の、供給面18に対する離間距離は調整可能である。
【0056】
その後、物品2と、矯正された供給物品3とのセット物4は、物品包装部10でセット物4ごとに包装される。
【0057】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。
【0058】
上記実施形態では、供給物品3は、その面積や厚みTに違いがある場合があることで、押え部17については、ナット31を緩めて杆状体29を長孔部30の上下方向に沿って移動させることで対応した。しかしながら、供給物品3の面積が同一ならば、
図5で示すように、押え部17については、側面ガイド19に、杆状体29のよって固定されるものであってもよい。
【0059】
例えば、上記実施形態では、供給物品3を物品2の上に載せる場合について説明したが、このような場合に限らず、供給物品3の上に物品2を載せるような搬送装置についても適用することができる。
【0060】
上記実施形態では、押え部17が板状であるとして説明したが、そのような場合に限らず、供給物品3を供給面18の方向に押えることができればよく、この場合では、押え部17が円柱状(幅方向を軸心とするローラ)であってもよい。また、押え部17はブロック状とすることもできる。
【0061】
上記実施形態では、供給物品投下装置8は1つだけ設けたが、搬送方向に2つ設けることもでき、この場合では、供給物品矯正装置9は、供給物品投下装置8ごとに設ける。
【0062】
上記実施形態では、押え部17がガイド縁部(切欠部28)を備える場合について説明したが、ガイド縁部を備えない場合であってよい。
【0063】
上記実施形態では、押え部17の押え縁部の下流側押え部が、供給面18の下流端より下流側に延びていたがこれに限らず、供給面18の下流端と同じ、あるいは上流側に位置していてもよい。
【0064】
上記実施形態では、押え部17の押え縁部における上流側押え端部Pが、供給シュート13から供給面18に落下した供給物品3の長さ方向下流側の近傍に配置される場合について説明したが、上流側押え端部Pの位置は、供給物品3の下流端より上流側または下流側に離して配置することもできる。
【0065】
また、上記実施形態では、案内部の上に供給部を配置したがこれに限らず、案内部と供給部とを左右に配置したり、案内部に対して交差するように供給部を配置したりすることもできる。何れにしても、案内部と供給部とが合流する領域が存在し、その領域でアタッチメントにより、物品と供給物品を同時に押して搬送し、これらを上下に重ねてセット物として搬送することができる構成であれば、供給物品矯正装置で矯正して重ねることができる。
【符号の説明】
【0066】
1…搬送装置、2…物品、3…供給物品、3b…排出口、4…セット物、5…封止手段、6…受取コンベヤ、7…案内部、7a…案内面、8…供給物品投下装置、9…供給物品矯正装置、10…物品包装部、13…供給シュート、13a…傾斜面、13b…排出口、14…横ガイド、16…メインガイド部、16a…上流端、16b…下流端、17…押え部、17a…下流端、17c…平行縁部、18…供給面、20…矯正部分、21…アタッチメント、23…アタッチメント本体、27…押え部部本体、28…切欠部、28a…切欠、28b…傾斜縁部、32…スープ部、33…スパイス部、T…厚み、δ1…隙間、P…上流側押え端部