(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】消火器箱
(51)【国際特許分類】
A62C 13/78 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
A62C13/78 A
(21)【出願番号】P 2020211400
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2021-10-04
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520503832
【氏名又は名称】株式会社渡辺建鉄工業
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 充
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 修
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3101235(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0322841(KR,Y1)
【文献】特開2001-353230(JP,A)
【文献】特開2002-224234(JP,A)
【文献】登録実用新案第3031315(JP,U)
【文献】特開2005-200077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の箱状に形成され、消火器を立てた状態に収納する収納部と、
前記収納部の上端部開口に開閉可能に取り付けられた蓋体と、
前記収納部の上端壁面に
設けられた切り欠きと前記蓋体の下端壁面に設けられた切り欠きが前記蓋体を閉じた状態で
連続することにより形成された開口部と、
前記収納部の上端部開口に前記蓋体が閉じた状態を保持するロック機構と、
前記蓋体の内部に
前記蓋体の内容積と略同様の大きさで設けられ、弾性変形可能な保持部材と、を備え、
前記消火器を前記収納部に収納し、前記蓋体を閉じた状態において、前記開口部から外部へ前記消火器のレバーが突出すると共に、前記蓋体の内部に設けられた前記保持部材が弾性変形することによって、前記消火器の安全栓及び、前記蓋体の下端壁面に設けられた切り欠きから突出する前記レバーの前記蓋体に内側に位置する部分の上側を保持することを可能とすることを特徴とする消火器箱。
【請求項2】
前記蓋体の上面に持ち運び用の取手が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の消火器箱。
【請求項3】
前記ロック機構がパッチン錠であって、該パッチン錠が前記開口部に隣接して設置されていることを特徴とする請求項1に記載の消火器箱。
【請求項4】
前記収納部に対して前記蓋体を開閉可能とするヒンジ部が前記収納部の内面と前記蓋体の内面にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項1に記載の消火器箱。
【請求項5】
前記収納部の前壁部及び両側壁部に多数の孔が一定間隔をおいて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の消火器箱。
【請求項6】
前記収納部は、その内部に前記消火器が嵌り込むように収納可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の消火器箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建設現場や工場等において、消火器を運搬するときや設置するときに用いられる消火器箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、消火器を設置する設置スタンドには、例えば特許文献1に記載されたものがある。この設置スタンドは、消火器を支持した支持部が下方に変位するだけの変位機能を備え、上記支持部の下方変位に伴って、側枠材のうち少なくともいずれかの枠部が内側に傾斜して、消火器の側部へ近接する方向に変位し、消火器を立てた状態で保持するように構成されている。このように構成することで、上記設置スタンドは、消火器が振動を受けた際に消火器の転倒を防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された設置スタンドは、消火器が外部に露出した状態で設置されているため、例えば建設現場や工場等に設置された場合、資材の運搬時に消火器に上記資材が衝突すると、消火器を部分的に損傷させてしまう問題がある。加えて、消火器の安全栓に資材が引っ掛かった場合には、安全栓が引き抜かれて内部の消火薬剤を噴出させてしまう不具合がある。
【0005】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、消火器の各部を保護することが可能な消火器箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、縦長の箱状に形成され、消火器を立てた状態に収納する収納部と、前記収納部の上端部開口に開閉可能に取り付けられた蓋体と、前記収納部の上端壁面に設けられた切り欠きと前記蓋体の下端壁面に設けられた切り欠きが前記蓋体を閉じた状態で連続することにより形成された開口部と、前記収納部の上端部開口に前記蓋体が閉じた状態を保持するロック機構と、前記蓋体の内部に前記蓋体の内容積と略同様の大きさで設けられ、弾性変形可能な保持部材と、を備え、前記消火器を前記収納部に収納し、前記蓋体を閉じた状態において、前記開口部から外部へ前記消火器のレバーが突出すると共に、前記蓋体の内部に設けられた前記保持部材が弾性変形することによって、前記消火器の安全栓及び、前記蓋体の下端壁面に設けられた切り欠きから突出する前記レバーの前記蓋体に内側に位置する部分の上側を保持することを可能とすることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記蓋体の上面に持ち運び用の取手が固定されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ロック機構がパッチン錠であって、該パッチン錠が前記開口部に隣接して設置されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記収納部に対して前記蓋体を開閉可能とするヒンジ部が前記収納部の内面と前記蓋体の内面にそれぞれ固定されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構成に加え、前記収納部の前壁部及び両側壁部に多数の孔が一定間隔をおいて形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構成に加え、前記収納部は、その内部に前記消火器が嵌り込むように収納可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、蓋体が閉じた状態で収納部に収納された消火器の安全栓及びレバーの上側を保持部材に食い込ませるように弾性変形することによって安全栓及びレバーの上側が保持され、蓋体が閉じた状態で消火器のレバーの一部を外部に突出させ、蓋体が開いた状態で消火器を取り出し可能とする開口部が設けれていることから、蓋体が閉じた状態では、消火器の各部を外部から保持すると共に、蓋体が開いた状態では、消火器を容易に取り出し可能とする効果が得られるため、使い勝手が良好になる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、蓋体の上面に持ち運び用の取手が固定されているので、消火器の持ち運びの利便性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、ロック機構がパッチン錠であって、このパッチン錠が開口部に隣接して設置されていることから、パッチン錠の操作部を上方に引き上げてロック状態を解除して蓋体を開け、消火器のレバーを握って消火器を収納部から取り出すことができるので、使い勝手が一段と良好になる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、収納部に対して蓋体を開閉可能とするヒンジ部が収納部の内面と蓋体の内面にそれぞれ固定されているので、ヒンジ部の固定部が外部に露出することがなくなり、見栄えが良くなる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明によれば、収納部の前壁部及び両側壁部に多数の孔が一定間隔をおいて形成されているので、収納部内に収納された消火器が目視可能となるとともに、収納部の軽量化が図れる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明によれば、収納部が内部に消火器が嵌り込むように収納可能に構成されているので、運搬時に収納部の内部で消火器ががたつくことがなくなり、消火器の各部を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る消火器箱の第1実施形態を示す正面図である。
【
図4】
図1の消火器箱に消火器を収納した状態を示す平面図である。
【
図5】
図4において消火器を収納した消火器箱を示すA-A線断面図である。
【
図6】
図5の消火器箱において蓋体を開けた状態を示す断面図である。
【
図7】本発明に係る消火器箱の第2実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る消火器箱の第1実施形態を示す正面図である。
図2は、
図1の消火器箱の背面図である。
図3は、
図1の消火器箱の平面図である。
図4は、
図1の消火器箱に消火器を収納した状態を示す平面図である。なお、本実施形態では。消火器箱を建設現場内に設置した場合について説明する。
【0021】
図1~
図4に示すように、消火器箱10は、縦長の箱状に形成されて消火器1を立てた状態に収納する収納部11と、この収納部11の上端部開口に開閉可能に取り付けられた蓋体20と、を有している。
【0022】
収納部11は、全体が板厚2~3mm程度の金属板から有底四角筒状に形成されている。収納部11は、
図3に示すように平面視略正方形に形成され、前壁部11a、後壁部11b、左右両側の側壁部11c、及び底壁部11dを備えている。
【0023】
蓋体20は、収納部11と同様に前壁部20a、後壁部20b、左右両側の側壁部20c、及び上壁部20dを備えている。蓋体20は、収納部11と比べて上下方向に対する長さが短いものの、収納部11と同様に板厚2~3mm程度の金属板から有底四角筒状に形成され、同一の大きさの平面視略正方形に形成されている。
【0024】
蓋体20の下端部開口は、収納部11の上端部開口と同一の形状であって、同一の大きさに形成されている。したがって、蓋体20を閉じたとき、蓋体20の下端部開口は、収納部11の上端部開口と当接するように構成されている。
【0025】
蓋体20は、収納部11にヒンジ部21を介して開閉可能に固定されている。具体的には、
図2に示すように蓋体20の後壁部20bの下端内面にヒンジ部21の一方の固定部21aが固定され、収納部11の後壁部11bの上端内面にヒンジ部21の他方の固定部21bが固定されている。したがって、蓋体20は、収納部11に対してヒンジ部21を中心として回動可能となり、収納部11に対して開閉することが可能となる。
【0026】
蓋体20の上面には、金属で正面視コ字状に形成された持ち運び用の取手22が固定されている。この取手22は、蓋体20上面の前後方向中央における一端から他端まで延びるように固定されている。なお、取手22は、上記のように持ち運びに用いる他、蓋体20を収納部11に対して開閉操作するときにも用いられる。
【0027】
収納部11の前壁部11aには、上端部から垂直方向下方にU字状の開口部12が形成されている。この開口部12は、上側が開放するように形成されている。また、蓋体20の前壁部20aには、下端部から垂直方向上方に逆U字状の開口部23が形成されている。この開口部23は、下側が開放するように形成されている。これら収納部11の開口部12と蓋体20の開口部23は、蓋体20を閉じたとき、連続するように形成されている。
【0028】
収納部11及び蓋体20は、それぞれの開口部12、23に隣接してロック機構としてのパッチン錠13が設置されている。このパッチン錠13は、蓋体20に被掛止部13aが固定される一方、収納部11に被掛止部13aに掛止する掛止部13bが設けられている。この掛止部13bを被掛止部13aに掛止させた後に、操作部13cを押し下げるように操作することで、蓋体201がロック状態となり、収納部11の上端部開口に蓋体20が閉じた状態を保持するように構成されている。
【0029】
また、蓋体20を開けるときには、操作部13cを上方に引き上げるようにして掛止部13bを被掛止部13aから離脱させるように操作することで、ロックが解除されて収納部11の上端部開口に対して蓋体20を開けることができるようになる。
【0030】
蓋体20の内部には、その内容積と略同様の大きさを有し、弾性変形可能な保持部材24が嵌め込まれている。保持部材24としては、例えばスポンジが用いられ、このスポンジの材質としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリウレタンフォーム等が挙げられる。
【0031】
次に、収納部11に消火器1を収納した状態の構成について
図5及び
図6に従って説明する。
【0032】
図5は、
図4において消火器を収納した消火器箱を示すA-A線断面図である。
図6は、
図5の消火器箱において蓋体を開けた状態を示す断面図である。
【0033】
図5及び
図6に示すように、収納部11に消火器1を収納した状態では、消火器1の全重量が収納部11の底壁部11dに加わるようになっており、収納部11の内部に消火器1が嵌り込むように収納される。すなわち、収納部11の前壁部11a、後壁部11b、左右両側の側壁部11c、及び底壁部11dで形成される内部空間は、消火器1が嵌り込むような寸法関係に設定されている。
【0034】
収納部11に対して蓋体20を閉じた状態では、
図5に示すように収納部11の開口部12と蓋体20の開口部23からレバー2が突出するように収納部11内に消火器1が収納されている。
【0035】
また、蓋体20を閉じた状態では、消火器1の下端部が収納部11の底壁部11dで支持される一方、消火器1の上端部は、蓋体20内の保持部材24が消火器1のレバー2の上側及び安全栓3を食い込ませるように弾性変形して保持することで、消火器1が消火器箱10内でがたつきのないように保持することができる。
【0036】
次に、本実施形態の消火器箱10の作用を説明する。
【0037】
まず、消火器箱10に消火器1を収納するには、
図6に示すように収納部11に対して蓋体20を開けた状態とし、収納部11内に消火器1を嵌め込むようにして収納する。このとき、消火器1のレバー2の下側が収納部11の開口部12に嵌まり込む。これにより、収納部11内に消火器1が位置決めされる。
【0038】
次いで、収納部11の上端部開口に蓋体20を閉じて、パッチン錠13の掛止部13bを被掛止部13aに掛止させた後に、操作部13cを押し下げるように操作することで、蓋体201がロック状態となり、収納部11の上端部開口に蓋体20が閉じた状態を保持する。
【0039】
このとき、消火器1のレバー2の上側が蓋体20の開口部22に嵌まり込んで位置決めされると同時に、収納部11に収納された消火器1のレバー2の上側及び安全栓3を保持部材24に食い込ませるように弾性変形することによってレバー2及び安全栓3が保持される。このようにして、収納部11内に消火器1が確実に保持される。
【0040】
したがって、消火器箱10を上下反転した場合でも、レバー2の上側が蓋体20の開口部22の上端部に支持され、安全栓3が保持部材24の弾性力で支持されるため、安全栓3を損傷させることがなくなる。よって、保持部材24は、安全栓3を損傷させないように支持する弾性力を備えている材質が選定される。
【0041】
そして、消火器1を収納した消火器箱10を運搬するときには、持ち運び用の取手22を持って移動させることができる。本実施形態の消火器箱10は、上記のように建設現場内に設置されている。この場合、消火器1は、収納部11に嵌り込むように収納されているので、消火器1が消火器箱10内でがたつくことがなくなる。
【0042】
さらに、消火器1を使用するには、まずパッチン錠13の操作部13cを上方に引き上げるようにして掛止部13bを被掛止部13aから離脱させるように操作することで、ロックが解除されて
図6に示すように収納部11の上端部開口に対して蓋体20を開けることができる。
【0043】
この場合、パッチン錠13が開口部12,23に隣接して設置されていることから、パッチン錠13の操作部13cを上方に引き上げてロック状態を解除して蓋体20を開け、そして、収納部11の開口部12の上側が開放するように形成されているので、消火器1のレバー2を握って消火器1を収納部11から容易に取り出すことができる。
【0044】
そして、レバー2を握って消火器1を収納部11から取り出した後、安全栓3を引き抜き、レバー2の上側と下側とが接近するように握ることで、ノズル4から消火薬剤を噴出させて火災箇所を消火する。
【0045】
このように本実施形態によれば、蓋体20が閉じた状態で収納部11に収納された消火器1の安全栓3を保持部材24に食い込ませるように弾性変形することによって安全栓3が保持され、蓋体20が閉じた状態で消火器1のレバー2を外部に突出させ、蓋体20が開いた状態で消火器1を取出し可能とする開口部12,23が設けられていることから、蓋体20が閉じた状態では、消火器1の各部を外部から保護する一方、蓋体20が開いた状態では、消火器1を容易に取出し可能であるため、使い勝手が良好になる。
【0046】
また、本実施形態によれば、蓋体20の上面に持ち運び用の取手22が固定されているので、消火器1の持ち運びの利便性を向上させることができる。
【0047】
さらに、本実施形態によれば、パッチン錠13が開口部12,22に隣接して設置されていることから、パッチン錠13の操作部13cを上方に上げてロック状態を解除して蓋体20を開け、消火器1のレバー2を握って消火器1を収納部11から取り出すことができるので、一段と使い勝手が良好になる。
【0048】
そして、本実施形態によれば、収納部11に対して蓋体20を開閉可能とするヒンジ部21が収納部11の内面と蓋体20の内面にそれぞれ固定されているので、ヒンジ部21の固定部21a,21bが外部に露出することがなくなる。その結果、固定部21a,21bに資材等が引っ掛かるのを未然に防止するとともに、見栄えも良くなる。
【0049】
また、本実施形態によれば、収納部11の内部に消火器1が嵌り込むように収納可能に構成されているので、運搬時に収納部11の内部で消火器1ががたつくことがなくなり、消火器1の各部を保護することが可能となる。
【0050】
[第2実施形態]
図7は、本発明に係る消火器箱の第2実施形態を示す正面図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して異なる構成及び作用について説明する。
【0051】
図7に示すように、本実施形態の消火器箱10Aは、収納部11の前壁部11a及び両側壁部11cにそれぞれ5つの円孔15が一定間隔をおいて形成されている。
【0052】
本実施形態では、収納部11の前壁部11a及び両側壁部11cにそれぞれ5つの円孔15が一定間隔をおいて形成されているので、収納部11内に収納された消火器1が目視可能となるとともに、収納部11の軽量化が図れる。その他の構成及び作用は、前記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0053】
[他の実施形態]
本発明の各実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0054】
例えば、上記各実施形態では、本発明の消火器箱を建設現場等に設置した例について説明したが、これらに限定することなく、生産工場等の各種資材が運搬される場所であれば、如何なる場所でも適用することができる。
【0055】
また、上記各実施形態では、収納部11の前壁部11aに上側が開放された開口部12を形成する一方、蓋体20の前壁部20aに下側が開放された開口部22を形成し、これらの開口部12,22が蓋体20を閉じた状態で連続するように構成したが、これに限らず例えば収納部11の前壁部11aだけに上側が開放された開口部を形成するか、あるいは蓋体20の前壁部20aだけに下側が開放された開口部を形成するようにしてもよい。要するに、収納部11の前壁部11aに上側が開放された開口部及び蓋体20の前壁部20aに下側が開放された開口部の少なくとも一方を形成すればよい。
【0056】
さらに、上記各実施形態では、ホースが設けられていない消火器1に適用した例について説明したが、これに限らずホースが設けられている消火器にも適用可能である。この場合には、収納部11の後壁部11bを上記ホースが収納されるように形成すればよい。
【0057】
そして、上記各実施形態では、収納部11及び蓋体20を平面視略正方形に形成した例について説明したが、これに限らず平面視略円形に形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 消火器
2 レバー
3 安全栓
4 ノズル
10 消火器箱
10A 消火器箱
11 収納部
11a 前壁部
11b 後壁部
11c 側壁部
11d 底壁部
12 開口部
13 パッチン錠(ロック機構)
13a 被掛止部
13b 掛止部
13c 操作部
15 円孔
20 蓋体
20a 前壁部
20b 後壁部
20c 側壁部
20d 上壁部
21 ヒンジ部
21a 固定部
21b 固定部
22 取手
23 開口部
24 保持部材
【要約】 (修正有)
【課題】消火器の各部を保護することが可能な消火器箱を提供する。
【解決手段】消火器箱は、縦長の箱状に形成され、消火器1を立てた状態に収納する収納部11と、収納部11の上端部開口に開閉可能に取り付けられた蓋体20とを備え、蓋体20が閉じた状態で収納部11に収納された消火器1の安全栓を保持部材24に食い込ませるように弾性変形することによって安全栓3が保持され、蓋体20が閉じた状態で消火器1のレバー2を外部に突出させ、蓋体20が開いた状態で消火器1を取出し可能とする開口部12を設ける。
【選択図】
図5