(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】データ値を受信し、車両を動作させるための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20220401BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220401BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220401BHJP
B60W 30/182 20200101ALI20220401BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20220401BHJP
【FI】
G08G1/09 H
G08G1/00 X ZIT
G08G1/09 F
B60W30/10
B60W30/182
B60W50/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016242160
(22)【出願日】2016-12-14
【審査請求日】2019-08-30
(31)【優先権主張番号】10 2015 225 161.6
(32)【優先日】2015-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ ミヒャエル クノル
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ジェラルディ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン スクーピン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ツァウン
(72)【発明者】
【氏名】エムレ チャカール
(72)【発明者】
【氏名】ハノ ホーマン
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ミーレンツ
(72)【発明者】
【氏名】イザベラ ヒンターライトナー
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス クライノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】マークス ランゲンベルク
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル パーゲル
【審査官】久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-141478(JP,A)
【文献】特開2004-102414(JP,A)
【文献】特開2015-141560(JP,A)
【文献】特開2015-152386(JP,A)
【文献】特開2015-135247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G08G 1/00
B60W 30/10
B60W 30/182
B60W 50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるための方法であって、
・少なくとも1つの第2自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第2自動走行車両の手動運転への少なくとも1回の切り替えを表すデータ値を受信するステップと、
・受信した前記データ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるステップと、
を有し、
前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への起こり得る切り替えが検出され、少なくとも1つの信号が形成されるように、前記動作を実施し、
前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの信号が、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)のさらなる動作に対する選択肢を指示するように、前記動作を実施
し、
前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)のための少なくとも1つの軌跡が計算されるように、前記動作を実施し、
前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への切り替えの回数に前記少なくとも1つの軌跡が適合するように、前記少なくとも1つの軌跡を計算し、
前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車(100)の手動運転への切り替えの回数が最小化されるように、前記少なくとも1つの軌跡を計算する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記データ値は、前記少なくとも1回の切り替え時における前記少なくとも1つの第2自動走行車両の位置を表す位置特定データを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データ値を、デジタルマップとして受信する、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記データ値の受信を、外部のデータクラウドから、衛星通信及び/又は移動無線通信及び/又は車両間(Car-2-Car)通信及び/又は他のデータ値伝送通信によって、直接的に実施する、
及び/又は、
前記データの受信を、外部のデータクラウドから、少なくとも1つの第3車両を介した車両間(Car-2-Car)通信によって、及び/又は、データ値伝送媒体によって、及び/又は、車両インフラ間(Car-2-Infrastructure)通信によって、間接的に実施する、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるための装置(110)において、
・少なくとも1つの第2自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第2自動走行車両の手動運転への少なくとも1回の切り替えを表すデータ値を受信するための受信手段(111)と、
・受信した前記データ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるための動作手段(112)と、
を有し、
前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるための前記動作手段(112)は、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への起こり得る切り替えが検出され、少なくとも1つの信号が形成されるように構成されており、
前記少なくとも1つの信号は、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)のさらなる動作に対する選択肢を指示し
、
前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)を動作させるための前記動作手段(112)は、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)のための少なくとも1つの軌跡が計算されるように構成されており、
前記少なくとも1つの軌跡は、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への切り替えの回数に前記少なくとも1つの軌跡が適合するように、計算され、
前記少なくとも1つの軌跡は、前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への切り替えの回数が最小化されるように計算される、
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
前記受信手段(111)は、
前記データ値を、外部のデータクラウドから、衛星通信及び/又は移動無線通信及び/又は車両間(Car-2-Car)通信及び/又は他のデータ値伝送通信によって、直接的に受信するように構成されている、
及び/又は、
前記データ値を、外部のデータクラウドから、少なくとも1つの第3車両を介した車両間(Car-2-Car)通信によって、及び/又は、データ値伝送媒体によって、間接的に受信するように構成されている、
請求項
5記載の装置(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行時における制御の遷移に関連したデータ値を受信して処理するための方法に関する。本発明はさらに、受信ユニットと、自動走行車両を動作させるための装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
独国特許出願公開第102012112802号明細書(DE 10 2012 112 802A1)は、車両を制御するための方法を開示しており、前記車両は、自動運転と、部分自動運転と、手動運転とを可能にする運転者支援システムと、周囲検出ユニットと、前記周囲検出ユニットによって生成された周囲データを分析して、前記車両の周囲状況を評価する評価ユニットと、自動運転中又は部分自動運転中に前記運転者支援システムによって制御可能であり、前記車両の周囲状況の評価に依存して、引き受け要請である警告信号を運転者に出力する危険警告装置と、を含む。ここでは、危険性推定ユニットを用いて、前記周囲データと、自動運転中又は部分自動運転中における車両の走行ダイナミクスデータとに基づいて、まもなく運転者介入が必要となることが予想される引き受け確率が求められる。さらには、注意推定ユニットを用いて運転者の注意レベルが推定され、最後に、前記引き受け確率から、前記運転者の注意レベルに依存して、前記警告信号が形成されるまでの期間が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102012112802号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の開示
少なくとも1つの第1自動走行車両を動作させるための本発明に係る方法、又は、このために設けられた装置は、少なくとも1つの第2自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第2自動走行車両の手動運転への少なくとも1回の切り替えを表すデータ値が受信されることから出発する。さらには、受信した前記データ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両が動作される。
【0005】
上述した第1車両は、手動で、すなわち例えば運転者によって、又は、遠隔操作によっても動作させることが可能であるのと同様に、部分自動運転又は高度自動運転によっても動作させることが可能な車両である。車両の部分自動運転又は高度自動運転とは、例えば駐車支援のような個別の運転者支援機能であると解釈することができるのと同様に、高速道路上、郊外道路上又は市街地領域での比較的長距離の走行のような、完全に自動化されたプロセスであると解釈することもできる。
【0006】
車両の自動運転から手動運転への切り替えとは、車両の動作に関する制御が人によって引き受けられることであると解釈すべきであり、以前に行われていた自動運転の形式、期間、理由及び範囲とは無関係である。
【0007】
受信したデータ値に依存して自動走行車両を動作させる利点は、特に車両に対する安全性、ひいては乗員及び/又は積荷に対する安全性が増加するのと同様に、車両の利用時又は動作時における快適性も増加するということにある。このことは例えば、多くの場合において計算コストや大量のデータ量と結びついている自動化された運転者支援機能が、差し迫った切り替えに対して早期に反応可能となること、ひいては計算能力の消費が最適化されることにおいて証明される。このことは一方では、このような運転者支援機能が実行される速度に関する利点を有しており、このことは最終的に、安全性に関する利点を意味している。なぜなら、運転者支援機能がより迅速に実行されるということは、非常事態において車両がより迅速に反応するということを常に意味しているからである。また他方では、(電気)エネルギの消費量に関する利点を有する。なぜなら、(電気)エネルギの消費量を削減することができるからである。このことは、一般的な車両にとって、特に電気車両にとっては極めて重要である。好ましくは、前記データ値は、前記少なくとも1回の切り替え時における前記少なくとも1つの第2自動走行車両の位置を表す位置特定データを含む。
【0008】
例えば気象条件、暗闇、建設現場、交通状況、又は、通常の交通往来を不可能にするイベントのような周囲環境の非持続的な状況に依存している一般的な切り替えに加えて、自動運転から手動運転への切り替えが必要となる持続的な周囲状況を把握することも重要である。これは例えば、手動運転を必要とする、交通インフラストラクチャの種々の構成要素とすることができる。その他の例には、例えば幅狭の道路に非常に近接した海のような特定の景観特徴、又は、断崖を有する山道での走行があり、これらの場合にも、走行時に特別の注意が必要であり、また、道路及び海又は断崖に対する車両の相対位置の正確な把握が必要である。従って、できるだけ毎回の切り替え時に、切り替えの必要性が判明したときの車両の位置を把握して、正確な周囲環境の側面を一緒に分析できるようにすることが非常に重要である。
【0009】
好ましくは、前記データ値は、デジタルマップとして受信される。
【0010】
このことは、特に切り替えを含むこのようなマップを、車両に既存のマップ又はナビゲーションシステムに組み込むことができ、且つ、車両に既存のマップ又はナビゲーションシステムによって利用することができるという大きな利点を有する。
【0011】
好ましくは、前記データ値の受信は、外部のデータクラウドから、特に衛星通信及び/又は移動無線通信及び/又は車両間(Car-2-Car)通信及び/又は他のデータ値伝送通信によって、直接的に実施される、及び/又は、前記データ値の受信は、外部のデータクラウドから、特に少なくとも1つの第3車両を介した車両間(Car-2-Car)通信によって、及び/又は、データ値伝送媒体によって、及び/又は、車両インフラ間(Car-2-Infrastructure)通信によって、間接的に実施される。
【0012】
車両インフラ間(Car-2-Infrastructure, C2X)通信とは、他の車両以外のあらゆる任意の場所からのデータの受信を意味する。この場合には例えば伝送場所として、対応する送信器を備える橋を意味することができ、又は、ラジオ局、無線塔、又は、設置型でも非設置型でもよい他の設備を意味することができる。直接的な通信の利点は、データ値を伝送及び受信することができる速さである。間接的な通信は、例えば渓谷走行時、トンネル走行時、又は、伝送手段の機能不全時のような外部状況のせいでデータ伝送を直接的に実施できない場合に有利である。
【0013】
特に好ましい1つの実施形態では、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両の手動運転への起こり得る切り替えが検出され、少なくとも1つの信号が形成されるように、前記動作が実施される。
【0014】
受信したデータ値に依存して信号を形成することにより、有利には、運転者支援機能を制御することができるのと同様に、可能性のある車両の操作者に通知を行うこともできる。このことにより、受信したデータ値を、車両の動作のために多岐に亘って利用することが可能となり、例えば、個々の機能及び/又は車両そのものの安全性、及び/又は、安定性、及び/又は、車両の操作時の快適性、及び/又は、車両の出力を改善することが可能となる。
【0015】
好ましくは、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの信号が、前記少なくとも1つの第1自動走行車両のさらなる動作に対する選択肢を指示するように、前記動作が実施される。
【0016】
選択肢の指示又は提供とは、1つには、一般的にパラメータ又はデータの形態での選択肢の提供を意味しており、他方では、自動走行車両の1人又は複数人の操作者に対する選択肢の提供を意味している。この場合、パラメータ又はデータの形態での指示とは、これらのパラメータ又はデータが、例えば任意の運転者支援機能によって処理可能又は利用可能であることを意味していると解釈すべきである。1人又は複数人の操作者に対する提供とは、例えばこれらの操作者に供給される、複数の選択肢を備えるリストであると解釈すべきである。これ自体は、例えば視覚的な表示によって実施することができ、対応する入力装置によって選択肢を選択することができる。
【0017】
選択肢を提供することにより、手順のアクセプタンスだけでなく自動運転そのもののアクセプタンスも増加する。なぜなら、既に説明したように、場合によって差し迫った切り替えを把握することは、安全性の側面と、快適性の側面とを含むからである。
【0018】
好ましくは、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両のための少なくとも1つの軌跡が計算されるように、前記動作が実施される。
【0019】
自動走行車両のための軌跡とは、比較的長距離の経路と、例えば駐車過程時のような比較的短距離の区間の双方を意味すると解釈することができる。この場合には例えば、実行時に軌跡そのものを計算するか、若しくは、計算された又は予め定められた軌跡を使用する任意の運転者支援機能により、これらの軌跡を、受信したデータ値に基づいて再計算又は最適化することも可能である。
【0020】
有利には、受信したデータ値に依存して軌跡を計算及び計画し、起こり得る切り替えを既に所定の経路の計画のために考慮しておくことによって、これらの切り替えに対して既に早期に反応することが可能となる。これにより、例えば起こり得る反応を、これが自動走行車両の操作者によるものであっても運転者支援機能によるものであっても、相応にして非常に早期に、特に安全性及び/又は快適性及び/又は出力に関してより大きな関連性を以て、計算又は計画することが可能となる。
【0021】
特に好ましい1つの実施形態では、前記少なくとも1つの第1自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両の手動運転への切り替えの回数が考慮されるように、特に最小化されるように、前記少なくとも1つの軌跡が計算される。
【0022】
ここでは、計算すべき軌跡を、起こり得る切り替えの回数に適合させることにより、軌跡を選択するための追加的な選択肢を提供することが可能となるという利点が示される。これにより、この軌跡の選択を、自動走行車両の操作者の要求により良好に適合させることが可能となる。この場合に重要な側面は、自動運転から手動運転への切り替えができるだけ実施されない経路を計画することであろう。このことによって例えばトラックの操作者は、比較的長い走行を一気に進むことが可能となろう。なぜなら連続的に走行しているにも拘わらず、充分な休息時間を計画に入れることができるからである。これによって概して、走行時に追加的に利用できる時間と、生産性と、最後に、可能性のある操作者における自動走行車両のアクセプタンスとを著しく増加させることができる。
【0023】
少なくとも1つの第1自動走行車両を動作させるための本発明に係る装置は、1つには、少なくとも1つの第2自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第2自動走行車両の手動運転への少なくとも1回の切り替えを表すデータ値を受信するための受信手段を含み、他方では、受信した前記データ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両を動作させるための動作手段を含む。
【0024】
好ましくは、前記受信手段は、前記データ値を、外部のデータクラウドから、特に衛星通信及び/又は移動無線通信及び/又は車両間(Car-2-Car)通信及び/又は他のデータ値伝送通信によって直接的に受信するように構成されている、及び/又は、前記データ値を、外部のデータクラウドから、特に少なくとも1つの第3車両を介した車両間(Car-2-Car)通信によって、及び/又は、データ値伝送媒体によって間接的に受信するように構成されている。
【0025】
特に好ましい1つの実施形態では、前記少なくとも1つの第1自動走行車両を動作させるための前記動作手段は、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両の手動運転への起こり得る切り替えに関して少なくとも1つの信号が形成されるように構成されており、前記少なくとも1つの信号は、前記少なくとも1つの第1自動走行車両のさらなる動作に対する選択肢を指示し得る。
【0026】
好ましくは、前記少なくとも1つの第1自動走行車両を動作させるための前記動作手段は、前記受信したデータ値に依存して、前記少なくとも1つの第1自動走行車両のための少なくとも1つの軌跡が計算されるように構成されており、前記軌跡は、前記少なくとも1つの第1自動走行車両の自動運転から前記少なくとも1つの第1自動走行車両の手動運転への切り替えの回数が考慮されるように、特に最小化されるように計算され得る。
【0027】
本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されており、明細書において説明される。
【0028】
図面
本発明の実施例は、図面に図示されており、以下の記載においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に係る方法を実施するための本発明に係る装置を有する車両を単に例示した図である。
【
図2】本発明に係る装置を使用した本発明に係る方法の実施例を、フローチャートの形態で単に例示した図である。
【
図3】本発明に係る装置を使用した本発明に係る方法の実施例を、フローチャートの形態で単に例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明を実施する形態
図1は、考え得る本発明に係る装置(110)を有する自動走行車両(100)を示し、この装置(110)は、データ値を受信し、自動走行車両(100)を動作させるために使用される。この場合、装置(110)は、データ値を受信するように構成された受信手段(111)を含む。
【0031】
これらのデータ値は、自動走行車両の自動運転から手動運転への起こり得る切り替えに関する情報を含む。この情報は、少なくとも1つの別の車両から既に事前に収集された情報である。この少なくとも1つの別の車両には、例えば、切り替えを検出してデータ値として保存することができる相応のシステムが設けられている。このデータ値そのものは、例えば外部のデータソースに送信され、従って、このデータ値を、自動走行車両(100)が受信手段(111)を用いて受信することが可能となっている。
【0032】
根本的な着想は、これらのデータ値に、例えば自動走行車両(100)のような別の車両がアクセスすることが可能であり、このデータ値に含まれた情報から利益が得られるということである。この情報は、経路を計画するために利用可能であるのと同様に、例えば、自動走行車両(100)の運転者に対して、差し迫った切り替えに用心するよう適時に警告するために利用することも可能である。
【0033】
データ値の受信とは、外部のデータソースからの受信であると解釈することができるのと同様に、場合によって必要とされるデータ値の処理と、例えば以下では動作手段と呼ばれる、少なくとも1つの自動走行車両を動作させるための動作手段(112)のような、データ値の処理のために設けられた手段への転送とを意味していると解釈することもできる。
【0034】
動作手段(112)は、受信したデータ値に基づいて、自動走行車両(100)を動作させることを可能にするように構成されている。この場合には、この動作手段(112)を別の手段又は制御装置(105)に接続させることにより、別の運転者支援機能を、受信したデータ値に基づいて実施することを支援することも可能である。この別の運転者支援機能は、例えばナビゲーションシステムによる軌跡の計算とすることができ、この場合には、ナビゲーションシステムによって計算された経路を、データ値に含まれている切り替えが考慮されるように、データ値に基づいて適合させることができる。
【0035】
自動走行車両(100)の動作手段(112)はさらに、自動走行車両(100)の制御を一時的に当該車両(100)に移譲している自動走行車両(100)の運転者に対し、当該自動走行車両(100)の自動運転から当該自動走行車両(100)の手動運転への差し迫った切り替えに関して一般的に通知がなされるように構成されている。切り替えを非常に迅速に実施しなければならない場合にはさらに、自動走行車両(100)の運転者に対して警告を発することができる。例えばこの警告は、例えば触覚信号及び/又は視覚信号及び/又は音響信号の形態の信号を非常に執拗に発生することによって実施することができ、これに対して、通知用の信号は、さほど執拗にではなく例えば静かに実施される。車両(100)及び存在し得る乗員の安全性を危険にさらさないために、例えば、切り替えが非常に近い未来に実施される場合、及び/又は、1つ又は複数の運転者支援機能が故障し、運転者による手動運転が必要となって切り替えが実施される場合に、警告を実施することができる。
【0036】
さらには、自動走行車両(100)の運転者に対し、差し迫った切り替えに基づいて生じるさらなる行動に関して選択肢を提供することも可能である。この場合には、対応する選択肢を例えばマンマシンインタフェースを用いて表示し、これに関する入力を実施することができる。マンマシンインタフェースは、例えばタッチスクリーンを備えるディスプレイとすることができる。
【0037】
マンマシンインタフェースを用いて、例えばタッチスクリーンを備えるディスプレイの操作によって、自動走行車両(100)を動作させる場合には、例えばステアリングホイール及びアクセルペダルを用いるような従来の操作方法に代わる操作方法を提供するために、受信したデータ値を使用することもできる。この場合、自動走行車両(100)の操作又は制御は、例えば「次の交差点で右折して下さい」又は「速度を50km/hに減速する」という選択肢を選択するなどといった入力によって実施される。この場合には、自動走行車両(100)及びその乗員の安全性を危険にさらさないために、受信したデータ値を使用して、例えば選択された選択肢による動作がいつその限界に達するか、及び、自動走行車両(100)の自動運転から例えばステアリングホイール及びアクセルペダルを用いた従来の操作方法の形態による手動運転への切り替えがいつ必要となるかが検出される。
【0038】
図2は、本発明に係る方法の考え得る実施例のフローチャート、又は、自動走行車両(100)のための装置(110)の考え得る使用方法を説明している。
【0039】
自動走行車両(100)の自動運転から手動運転への切り替えを、受信したデータ値に基づいて適時に検出可能にするために、ステップ201において本方法が開始され、この開始は、例えば自動走行車両(100)の自動運転を行い、これにより、データ値を受信して少なくとも1つの自動走行車両(100)を動作させるための装置(110)を動作させることによって実施される。これらのデータ値は、少なくとも1つの別の車両によって事前に収集されたものであり、この収集は、当該少なくとも1つの別の車両そのものにおいて切り替えを実施し、対応する情報をデータ値の形態で保存し、例えば外部のデータメモリに伝送することによって実施される。今では、この外部のデータメモリから、自動走行車両(100)によってこれらのデータ値を受信することが可能となっている。
【0040】
ステップ202では、受信手段(111)によってデータ値が受信される。この受信したデータ値は、切り替えを含み、且つ、データ値に含まれた切り替え時における位置特定情報を含む。
【0041】
ステップ203では、受信したデータ値に基づいて、以下では運転者と呼ばれる自動走行車両(100)の利用者に対し、当該自動走行車両(100)の自動運転から当該自動走行車両(100)の手動運転への切り替えが必要となることを通知する信号が、自動走行車両(100)の動作手段(112)によって形成される。
【0042】
ステップ204において自動走行車両(100)は、当該自動走行車両(100)の操作者又は運転者に対し、自動走行車両(100)の制御の受け渡しをシグナリングする。車両(100)の引き受けは、例えば運転者の所定の走行行動に基づいて実施することができる。これは例えば、ステアリングホイール及び/又はアクセルペダル又はクラッチペダルへの接触とすることができる。
【0043】
ステップ205では、自動走行車両(100)側での自動走行車両(100)の制御が引き渡されたことによって本方法が終了する。
【0044】
図3は、本発明に係る方法の考え得る実施例のフローチャート、又は、自動走行車両(100)のための装置(110)の考え得る使用方法を説明している。
【0045】
ステップ301において本方法が開始され、この開始は例えば、データ値を受信し、少なくとも1つの自動走行車両(100)を動作させるための装置(110)に対する、ナビゲーション装置(105)の問い合わせが確認されることによって実施される。
【0046】
ステップ302では、受信手段(111)によってデータ値が受信される。この受信したデータ値は、自動走行車両(100)の自動運転から手動運転への切り替えを含み、且つ、データ値に含まれた切り替え時における位置特定情報を含む。これらのデータ値は、例えばマップの形態で受信することができ、このマップは、例えばナビゲーションシステム(105)の既存のマップに統合され、保存される。
【0047】
この場合のマップとは、視覚的な媒体であると解釈することができるのと同様に、(デジタル)マップを作成するため、又は、例えば経路計算のようなマップを利用した算術演算を実施するための、例えば演算装置のメモリ内に存在するデータであると解釈することもできる。
【0048】
ステップ303では、自動走行車両(100)に搭載されたナビゲーションシステム(105)を用いて、受信したデータ値に依存して、経路が計算される。
【0049】
この場合には、少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の自動運転から少なくとも1つの第1自動走行車両(100)の手動運転への切り替えの回数が最小化されるように、経路が計算される。
【0050】
ステップ304では、対応するステップ303で計算された経路がナビゲーションシステム(105)に伝送される。
【0051】
ステップ305において、本方法が終了する。