(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】OLED表示装置、及びその感圧タッチ駆動方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220401BHJP
G06F 3/046 20060101ALI20220401BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20220401BHJP
G09G 3/30 20060101ALI20220401BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220401BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220401BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220401BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220401BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220401BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
G06F3/041 602
G06F3/041 412
G06F3/046 Z
G09G3/3233
G09G3/30 Z
G09G3/20 691D
H05B33/02
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/00 366A
(21)【出願番号】P 2017552130
(86)(22)【出願日】2017-04-01
(86)【国際出願番号】 CN2017079291
(87)【国際公開番号】W WO2018014590
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】201610585740.5
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Xihuanzhonglu, BDA, Beijing, 100176, P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】董 学
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小川
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲海▼生
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 英明
(72)【発明者】
【氏名】丁 小梁
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲ウェイ▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 盛▲際▼
(72)【発明者】
【氏名】李 昌峰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】高 健
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102340299(CN,A)
【文献】特開2009-198764(JP,A)
【文献】国際公開第2007/116823(WO,A1)
【文献】特開2010-197079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/047
H01L 27/22
H01L 27/32
H01L 29/82
H01L 43/00-43/14
H05B 33/00-33/28
G09G 3/00-3/38
G09F 9/00-9/46
G01R 33/00-33/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、
前記シリコン基板の一側に位置する画素ユニット及び磁気センサと、
前記磁気センサが位置する平面を貫通する磁界を前記磁気センサに提供するように配置された磁界発生装置と、を備える有機発光ダイオード(OLED)表示装置であって、
前記磁気センサが、前記磁界の変化を検出して、前記磁界の変化を電圧差に変換して出力するように配置され、
前記磁気センサが、画素ユニットのサブ画素とともにシリコン基板に集積され、画素ユニットと並列に設置される、有機発光ダイオード表示装置。
【請求項2】
前記磁界発生装置が、前記シリコン基板の他側及び/又はシリコン基板の内部に位置し、且つ、前記磁気センサと少なくとも部分的に重なる、請求項1に記載のOLED表示装置。
【請求項3】
前記磁気センサが、第1端子、第2端子、第3端子、及び第4端子を備え、前記第1端子と前記第3端子とが対向して設けられ第1対の端子を構成し、前記第2端子と前記第4端子とが対向して設けられ第2対の端子を構成し、
前記第1対の端子が入力信号を受信し、前記第2対の端子が誘導信号を出力するように、又は、前記第2対の端子が入力信号を受信し、前記第1対の端子が誘導信号を出力するように配置された、請求項1又は2に記載のOLED表示装置。
【請求項4】
前記磁気センサは、P型半導体基材と、前記P型半導体基材に設置されるN型半導体領域と、前記N型半導体領域に設置される第1n
+イオン注入領域、第2n
+イオン注入領域、第3n
+イオン注入領域、及び第4n
+イオン注入領域とを備え、
前記第1n
+イオン注入領域が前記磁気センサの第1端子、前記第2n
+イオン注入領域が前記磁気センサの第2端子、前記第3n
+イオン注入領域が前記磁気センサの第3端子、前記第4n
+イオン注入領域が前記磁気センサの第4端子である、請求項3に記載のOLED表示装置。
【請求項5】
前記N型半導体領域が正方形のN型半導体領域であり、且つ、
前記第1n
+イオン注入領域、前記第2n
+イオン注入領域、前記第3n
+イオン注入領域、及び前記第4n
+イオン注入領域がそれぞれ順次に前記正方形のN型半導体領域の四隅に設置される、請求項4に記載のOLED表示装置。
【請求項6】
前記N型半導体領域上にp
+イオン浅ドープ層をさらに備え、
前記p
+イオン浅ドープ層の面積が前記N型半導体領域の面積よりも小さく、且つ、前記p
+イオン浅ドープ層が前記N型半導体領域の中心領域を覆う、請求項5に記載のOLED表示装置。
【請求項7】
前記磁界発生装置が少なくとも1つの通電コイルを備える、請求項1又は2に記載のOLED表示装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通電コイルが、第1方向に設置される第1層コイルと、第2方向に設置される第2層コイルとを含み、
前記第1方向と前記第2方向が交差し、前記第1層コイルと前記第2層コイルが交差領域を有し、
前記シリコン基板上における前記交差領域の正投影が、前記シリコン基板上における前記磁気センサの正投影と少なくとも部分的に重なる、請求項7に記載のOLED表示装置。
【請求項9】
前記磁気センサ毎が、1つ又は複数の前記画素ユニットに対応して設置される、請求項1又は2に記載のOLED表示装置。
【請求項10】
前記磁気センサに接続される信号検出回路をさらに備える、請求項3に記載のOLED表示装置。
【請求項11】
前記信号検出回路は、電源端子、接地端子、第1信号検出端子、及び第2信号検出端子を備え、
前記電源端子が前記磁気センサの第1端子に接続され、
前記接地端子が前記磁気センサの第3端子に接続され、
前記第1信号検出端子が前記磁気センサの第2端子に接続され、
前記第2信号検出端子が前記磁気センサの第4端子に接続される、請求項10に記載のOLED表示装置。
【請求項12】
前記信号検出回路は、演算増幅器をさらに備え、
前記演算増幅器の非反転入力端子が前記第2信号検出端子に接続され、前記演算増幅器の反転入力端子が前記第1信号検出端子に接続される、請求項11に記載のOLED表示装置。
【請求項13】
前記信号検出回路は、電源スイッチング素子及び制御ラインをさらに備え、
前記電源スイッチング素子の一端が前記電源端子に接続され、前記電源スイッチング素子の他端が前記磁気センサの第1端子に接続され、前記電源スイッチング素子の制御端子が前記制御ラインに接続される、請求項11に記載のOLED表示装置。
【請求項14】
ゲート駆動回路をさらに備え、
前記制御ラインが、前記ゲート駆動回路から提供される制御信号を受信する、請求項13に記載のOLED表示装置。
【請求項15】
前記信号検出回路は、検出電圧入力サブ回路及び誘導信号出力サブ回路を備え、
前記検出電圧入力サブ回路が、前記第1対の端子と前記第2対の端子に接続され、
前記誘導信号出力サブ回路は、第1出力端子及び第2出力端子を備え、前記第1対の端子と前記第2対の端子に接続され、異なる期間に第1検出電圧と第2検出電圧をそれぞれに出力する、請求項10に記載のOLED表示装置。
【請求項16】
前記検出電圧入力サブ回路は、第1~第4スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子は、一端が電源電圧に結合され、他端が前記第1端子に結合され、制御端子が第2制御信号を受信するように配置され、
前記第2スイッチング素子は、一端が電源電圧に結合され、他端が前記第2端子に結合され、制御端子が第1制御信号を受信するように配置され、
前記第3スイッチング素子は、一端がグラウンドに結合され、他端が前記第3端子に結合され、制御端子が前記第2制御信号を受信するように配置され、
前記第4スイッチング素子は、一端がグラウンドに結合され、他端が前記第4端子に結合され、制御端子が前記第1制御信号を受信するように配置される、請求項15に記載のOLED表示装置。
【請求項17】
前記誘導信号出力サブ回路は、第5~第8スイッチング素子を備え、
前記第5スイッチング素子は、一端が前記第1端子に結合され、他端が前記第1出力端子に結合され、制御端子が前記第1制御信号を受信するように配置され、
前記第6スイッチング素子は、一端が前記第2端子に結合され、他端が前記第1出力端子に結合され、制御端子が前記第2制御信号を受信するように配置され、
前記第7スイッチング素子は、一端が前記第3端子に結合され、他端が前記第2出力端子に結合され、制御端子が前記第1制御信号を受信するように配置され、
前記第8スイッチング素子は、一端が前記第4端子に結合され、他端が前記第2出力端子に結合され、制御端子が前記第2制御信号を受信するように配置される、請求項16に記載のOLED表示装置。
【請求項18】
第1入力端子、第2入力端子、増幅サブ回路、選択サブ回路、第1コンデンサ、第2コンデンサ、及び出力サブ回路を含むオフセット電圧解消回路をさらに備え、
前記オフセット電圧解消回路の第1、第2入力端子が、前記誘導信号出力サブ回路の第1、第2出力端子に接続され、前記第1検出電圧と前記第2検出電圧をそれぞれに受信し、
前記増幅サブ回路が、それぞれに、前記第1検出電圧を増幅して第1増幅電圧として第2コンデンサに出力し、前記第2検出
電圧を反転増幅して第2増幅電圧として第1コンデンサに出力し、
前記選択サブ回路が、前記第1増幅電圧を前記第2コンデンサに貯蔵し、且つ、前記第2増幅電圧を前記第1コンデンサに貯蔵し、
前記第1コンデンサの第1端子と前記第2コンデンサの第1端子とが相互接続され、
前記出力サブ回路が、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを並列接続して電圧を出力する、請求項17に記載のOLED表示装置。
【請求項19】
請求項1に記載のOLED表示装置の感圧タッチ駆動方法であって、
磁界方向が前記磁気センサが位置する平面を貫通する磁界を磁気センサに提供するステップと、
磁気センサによって前記磁界の変化を検出するステップと、
磁界の変化を電圧に変換して出力するステップと、
磁界の変化によりタッチ位置を識別し、電圧により圧力値を識別するステップと、を含むOLED表示装置の感圧タッチ駆動方法。
【請求項20】
前記磁気センサは、第1端子、第2端子、第3端子、及び第4端子を備え、前記第1端子と前記第3端子とが対向して設けられ第1対の端子を構成し、前記第2端子と前記第4端子とが対向して設けられ第2対の端子を構成し、
第1検出期間において、前記磁気センサの第1対の端子が入力信号を受信し、第2対の端子が第1検出電圧を出力するように制御し、
第2検出期間において、前記磁気センサの第2対の端子が入力信号を受信し、第1対の端子が第2検出電圧を出力するように制御し、
前記第1検出電圧における誘導電圧成分と前記第2検出電圧における誘導電圧成分は、極性が反対である請求項19に記載の感圧タッチ駆動方法。
【請求項21】
前記OLED表示装置は、第1コンデンサ及び第2コンデンサをさらに備え、
前記第1検出電圧を増幅して第1増幅電圧として第2コンデンサに出力し、
前記第2検出信号を反転増幅して第2増幅電圧として第1コンデンサに出力し、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサを並列接続して電圧を出力する、請求項20に記載の感圧タッチ駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、OLED表示装置、及びその感圧タッチ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において感圧タッチを実現してより多様なタッチ操作を図るのは、業界研究及び市場開発の重点となっている。感圧タッチは、表示装置に感圧センサを集積することによって実現できる。従来、電磁誘導式のモジュール積層構造を用いた感圧センサは、矩形コイルで誘導を感知する方式を採用することが多い。しかしながら、このような矩形コイルは、磁気ペンからの強い信号を受信したり、或いは指のタッチによる弱い信号を辛うじて感知するように配置されるため、指の圧力に対する等級区分ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題を鑑みて、本発明の実施例は、OLED表示装置においてより優れる感圧タッチ操作を実現できる有機発光ダイオード(OLED)表示装置及び感圧タッチ駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例は、シリコン基板と、前記シリコン基板の一側に位置する画素ユニット及び磁気センサと、前記磁気センサが位置する平面を貫通する磁界を前記磁気センサに提供するように配置された磁界発生装置と、を備える有機発光ダイオード(OLED)表示装置であって、前記磁気センサが、前記磁界の変化を検出して、前記磁界の変化を電圧差に変換して出力するように配置された有機発光ダイオード表示装置を提供する。
【0005】
本発明の別の実施例は、磁界方向が前記磁気センサが位置する平面を貫通する磁界を磁気センサに提供するステップと、磁気センサによって前記磁界の変化を検出するステップと、磁界の変化を電圧に変換して出力するステップと、タッチ位置と圧力値を識別するステップと、を含むOLED表示装置の感圧タッチ駆動方法を提供する。
【0006】
本発明のさらなる別の実施例は、電気的に対称に設置された第1対の端子と第2対の端子とを備える被検出回路に用いられる、検出電圧入力サブ回路及び誘導信号出力サブ回路を備える信号検出回路であって、前記検出電圧入力サブ回路が、第1対の端子と前記第2対の端子に接続され、前記誘導信号出力サブ回路が、第1出力端子及び第2出力端子を備え、前記第1対の端子と前記第2対の端子とに接続され、異なる期間に第1検出電圧と第2検出電圧をそれぞれに出力する信号検出回路を提供する。
【0007】
本発明の実施例の技術案を明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明する。明らかなように、後述する図面は、本発明の実施例の一部に関し、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係る磁気センサの模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係る磁気センサの等価回路図である。
【
図3】本発明の実施例に係る表示装置のOLED画素ユニットの模式図である。
【
図4】本発明の実施例に係るOLED表示装置の平面図である。
【
図5】本発明の実施例に係るセンサ回路の模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係る別のセンサ回路の模式図である。
【
図7】
図7a及び
図7bは本発明の実施例に係るさらに別のセンサ回路の模式図である。
【
図8】本発明の実施例に係る第1~第5制御信号のタイミングを示す図である。
【
図9】OLED画素ユニットの駆動回路の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例の図面に基づいて、本発明の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに想到し得るほかの実施例は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【0010】
特に定義がない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する一般的な意味である。本開示で、「第1」、「第2」、及び類似する用語は、順番、数量、又は重要性を示すのではなく、異なる構成要素を区別するものに過ぎない。「備える」又は「含む」などのような用語は、該用語前に現れた素子又はデバイスが該用語後に挙げられた素子又はデバイス及びその同等物を含み、且つほかの素子又はデバイスを排除しないことを意味する。「接続」、「結合」又は「連結」などのような用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接に関わらず電気的結合を含む。「上方」、「下方」、「左方」、「右方」等は、相対位置関係を示すものに過ぎず、説明する対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係も変わる。
【0011】
圧力検出の精度を向上させるとともに、感圧タッチ機能を有する表示装置の価格を低減させるために、本発明の実施例は、磁気センサを集積したOLED表示装置を提供し、且つ磁気センサの検出回路を提供する。
【0012】
通常のアクティブ・マトリックスOLED(AMOLED)表示デバイスは、ガラス板を基板とし、薄膜トランジスタ(TFT)をスイッチング素子等とし、薄膜トランジスタはアモルファスシリコン、微結晶シリコン、低温多結晶シリコン、又は酸化物半導体を活性層とする。シリコン系有機発光ダイオード(OLED)表示デバイスは、これらAMOLEDとは異なる。シリコン系OLED表示デバイスは、単結晶シリコンシートを基板とし、該シリコン基板上に駆動回路、OLED等のデバイスを製造することで、画素サイズが通常のAMOLED表示デバイスの1/10に減少でき、解像度が通常のAMOLEDデバイスより遥かに高いため、マイクロディスプレイを実現できる。また、シリコン系OLED表示デバイスは、従来の成熟したシリコン基板集積回路プロセスを採用できるため、ディスプレイスクリーン画素のアクティブアドレッシングマトリックスだけはでなく、シリコーンチップ上に例えばSRAMメモリ、T-CON(タイミングコントローラ)等の複数の機能を有する制御回路を実現でき、表示デバイスの外部配線を大幅に減少させ、表示デバイスの信頼性を向上させるとともに、表示デバイスの軽量化を実現できる。
【0013】
図1は、本発明の一実施例に係るシリコン基板に形成された磁気センサ100の平面模式図である。本発明の実施例に係る磁気センサ100は、例えばシリコン系OLED表示装置に集積されると、ホール効果によって表示装置に印加される圧力を測定することで、タッチ検出を実現する。ホール効果とは、磁界発生装置の磁界が金属導体や半導体中のキャリアに作用する際、横方向電圧差が生じる物理現象である。磁界発生装置は、例えば通電するコイル、及び磁気インク、磁石(自然磁石又は人工磁石)等の磁性材料である。本発明の実施例で、磁界発生装置は通電するコイルであってもよい。通常、磁界発生装置は、磁気センサの下方(例えば、ユーザーとの反対側)に設置される。本発明の実施例で、磁気センサ用の磁界発生装置の例については、後で詳細に述べる。
【0014】
磁気センサ100が磁界発生装置による磁界の作用を受ける場合、磁気センサ100と磁界発生装置との距離dが変化すると(例えば、
図3のように押圧される)、磁界方向に垂直な平面上において磁気センサ100が感知する磁束も変化する。この時、ホール効果によると、磁気センサ100には誘導電流が生成し、すなわち電圧差が発生し、該電圧差は前記OLED表示装置に作用する圧力に対応する。該電圧差によって、磁気センサ100の磁界発生装置に対する変位を決定でき、つまり該磁気センサ100に印加される圧力を測定できる。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施例で、該磁気センサ100はシリコン基板上に形成される。磁気センサ100は、例えば正方形であるが、ほかの形状、例えば円形等であってもよい。該磁気センサ100は、正方形の1本の対角線上に位置する第1端子H1及び第3端子H3を含む第1対の端子と、正方形の別の1本の対角線上に位置する第2端子H2及び第4端子H4を含む第2対の端子を備える。
【0016】
上記磁気センサは、例えば、磁気センサの磁界が位置する平面に垂直な方向へ電圧Vddを印加、つまり第1端子H1と第3端子H3の間に電圧Vddを印加すると、磁界によって、運動する電子が磁界のローレンツ力を受けてオフセットされるため、第2端子H2と第4端子H4の間にホール電圧差UHが生じる。ホール効果によると、該ホール電圧差UHは、式1に示されたようになる。
UH=RH(IB/d)=KHIB (式1)
ここで、RHはホール係数、Iは電流の大きさ、Bは電流方向に垂直な磁界の強度、dは該磁気センサ100におけるホール素子の厚さ、IとBはいずれもベクトルである。
【0017】
上記式からわかるように、該ホール電圧差UHが磁界の強度Bに比例するため、出力される電圧差を算出することで磁界の変化を検出でき、更にデバイスに印加される圧力の大きさ又は変化量を取得できる。
【0018】
より具体的に、
図1の磁気センサ100の等価回路は、
図2に示すように、4個の抵抗器R1、R2、R3及びR4から構成されるウィーンブリッジを備える。
図2に示すように、例えば、第1端子H1が電源V
ddに接続され、第3端子H3がグラウンド(GND)される。
図2の例で、抵抗器R1、R2、R3及びR4の抵抗値が同じであり、すなわちイコールアームブリッジ回路(equal arm bridge circuit)である。第2端子H2と第4端子H4のグラウンド(GND)に対する電位がV
dd/2であり、第2端子H2と第4端子H4との電位差が0である。磁気センサ100が圧力を受けると、磁界発生装置に対して変位、すなわち磁気センサ100を通過する磁束が変化して、第2端子H2と第4端子H4との間で誘導電流が発生してホール電位差が生じる。上記式1によると、該ホール電位の方向は、磁界方向及び電流方向の両方によって決められる。本例で、磁気センサ100が水平に配置されるため、該磁気センサ100が位置する平面に垂直な磁界を感知でき、
図2に示すように、右下隅の原点は磁界の方向が磁気センサ100が位置する平面に垂直に手前側に出射することを示す。通電する導線コイルで生じる磁界方向はコイル平面にほぼ垂直、すなわち該磁気センサ100に垂直である。よって、第2端子H2と第4端子H4の間で生じた電位差、すなわち第4端子H4と第2端子H2の間の電圧差(つまり、V
o+-V
o-)を検出することで、磁気センサ100の変位を算出でき、さらに磁気センサ100が受ける圧力を算出できる。
【0019】
本発明の実施例に係る磁気センサがシリコン系OLED表示装置に集積される場合、各磁気センサは、表示装置における1つ又は複数の画素ユニットのサブ画素に対応して表示装置に設置される。例えば、各磁気センサは、1つ又は複数の画素ユニットと隣接して設置され、アレイ配置における1つの繰り返し単位を構成する。以下、OLED表示装置を例として、表示装置に集積された磁気センサを説明する。
【0020】
図3は、本発明の一実施例に係るシリコン系OLED表示装置の画素ユニット300の断面模式図である。画素ユニット300は、画素駆動回路、1つ又は複数の電気接続層、及びOLED等を備え、OLEDは電気接続層を介して画素駆動回路に接続され、磁気センサは前記電気接続層を介して検出回路に接続される。
【0021】
画素ユニット300は、白色画素ユニットであってもよく、ほかの色の光を発光するサブ画素ユニットであってもよい。
図3に示すように、該画素ユニット300は白色画素ユニットであり、紅色、青色、及び緑色のフィルタユニット(フィルタ樹脂層)を備え、それぞれに紅色サブ画素(R)、青色サブ画素(B)、及び緑色サブ画素(G)を形成し、これらサブ画素が動作時にそれぞれに紅色光、青色光、及び緑色光を発光することで、カラー表示を実現する。白色画素ユニットは、白色光を発光するOLEDデバイスを備え、該OLEDデバイスは順次に積層された陰極、有機発光機能層(EL)及び陽極を備える。また、OLEDデバイスは、必要に応じて、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、正孔注入層のうちの1つ又は複数の有機機能層を備えてもよい。
【0022】
図3に示すように、該画素ユニット300は、シリコン基板302と、該シリコン基板302に設置されたP型半導体基材303と、P型半導体基材303に形成され1つ又は複数のMOSトランジスタを含む画素駆動回路304と、該シリコン基板302に位置する磁気センサ305と、を備える。また、例えば、磁界を発生させる磁界発生装置306(
図3では、例えば通電コイル)をさらに備えてもよい。シリコン基板302は、単結晶シリコン基板であってもよく、エピタキシャル成長方法によってサファイア基板等の上に製造された単結晶シリコン層等、例えばSOI基板であってもよい。
【0023】
例えば、磁界発生装置306は基板302の下方に設置されるが、本発明の実施例はそれに限らない。例えば、該磁界発生装置306はシリコン基板302内に形成されてもよい。つまり、該磁界発生装置は、シリコン基板302の一側に設けられてもよく、シリコン基板302内に形成されてもよい。該磁界発生装置の動作時に形成する磁界は、磁気センサが位置する平面を貫通する(例えば、垂直に貫通)ことで、検出可能になる。通電可能な通電コイルを除き、該磁界発生装置306は、例えば永久磁石材料コーティング30(例えば磁気インクコーティング)等のような、磁界を発生可能なほかの装置又は構造を採用できる。
図3に示すように、磁気センサ305は、画素ユニット300のサブ画素とともにシリコン基板に集積され、画素ユニットと並列に設置される。
【0024】
駆動回路304は、例えば、OLEDを制御するトランジスタ3041、3042及び3043と、磁気センサ305を制御するトランジスタ3044とを備える。上記トランジスタ3041-3044は、スイッチング素子又は駆動素子としてのMOSトランジスタ(NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタ)であってもよい。これらのトランジスタ同士は、お互いに間隔を空けて、例えば絶縁材料フィールド酸化物(FOX)又はシャロートレンチ等の方式で絶縁される。
【0025】
例えば、該磁気センサ305は、P型半導体基材303に形成された低ドープのN型半導体領域(例えばnウェル)3021を備える。例えば、P型半導体基材303にリン又はほかの五価元素を注入することで、該N型半導体領域3021が作製される。例えば、該N型半導体領域3021は、該磁気センサ305と同様に正方形や円形等になる。該N型半導体領域3021の4つの頂点にn+注入を行い、第1~第4n+イオン注入領域を形成して、磁気センサの第1~第4端子H1~H4を形成する。
【0026】
例えば、該実施例の一例で、n
+注入を行う前に、N型半導体領域3021上に1層のp
+イオン浅ドープ層3022をさらに形成する。
図1に示すように、該p
+イオン浅ドープ層3022は、通常にN型半導体領域3021の中心領域上に設置され、その周辺がN型半導体領域3021のほかの部分に囲まれ、前記p
+イオン浅ドープ層の面積が前記N型半導体領域の面積よりも小さい。該p
+イオン浅ドープ層3022は、磁気センサの平均抵抗率を増加させるとともに、磁気センサ305の厚さを減少させ、磁気センサ305の感度を更に向上させる。また、製造プロセスによると、通常に、各層の構造上に1層のシリカ層を被覆できるため、該p+イオン浅ドープ層3022は、さらにN型半導体領域とシリカ層の間で静電遮蔽層として、該磁気センサ305の安定性を向上させる。
【0027】
図3に示すように、シリコン基板上には1つ又は複数の電気接続層が形成され、これら電気接続層は絶縁層330上に形成された導電性パターン(例えば、図中の金属層3201、3202等)を含み、異なる絶縁層330上の導電性パターンはビアホール3203を介して電気的に接続される。
【0028】
磁気センサ305の作製は、OLED表示装置のMOSトランジスタの作製と同一の半導体製造プロセスによって行われてもよい。例えば、PMOSトランジスタを作製する際に、まずN型半導体領域を作製する必要がある。PMOSトランジスタのN型半導体領域を作製する同時に、磁気センサ305のN型半導体領域3021を作製することができる。同様に、例えば、PMOSを作製するためにp+注入を行う際、同時に、p+イオン浅ドープ層3022を作製できる。また、MOSトランジスタを引き出するためにn+注入を行う際、同時に、該N型半導体領域3021の4つの頂点にn+イオン注入を行ってn+イオン注入領域を得て、磁気センサの4つの端点を形成できる。磁気センサ305の製造プロセスをMOSトランジスタの製造プロセスと合わせることで、パネルの製造コストを削減できる。
【0029】
磁気センサ305の作製プロセスは様々であり、以上の説明に限定されない。例えば、より良好な性能を図るために、別度のプロセスで磁気センサを作製してもよい。磁気センサが別度のプロセスによって作製できるため、本発明の実施例に係る磁気センサはさらにほかのタイプの表示装置、例えば、LCD表示装置にも設置できる。当業者なら、
図3に示したのは磁気センサの作製プロセスがOLED表示装置の作製プロセスと同一になれることを説明するための例であり、本発明の実施例に係る磁気センサをOLED表示装置のみへの応用に制限するのではないことを理解できる。
【0030】
上記のように、磁気センサ305は、磁界中にある場合のみに受ける圧力を感知して、電圧に変換して出力できる。
図3の実施例で、磁界発生装置であるコイル306は磁気センサ100の一側に設置される。例えば、該コイル306は基板302の下方に設置される。コイルと表示装置との関係をよりよく説明するために、
図4は本発明の実施例に係る
図3に示された画素ユニット300(磁気センサを含む)を複数備えたOLED表示装置400の平面図を示す。
図4に示すように、OLED表示装置400は、
図3に示された実施例のOLED画素ユニットを複数備え、これらの画素ユニットはアレイ状に配列され、複数の磁気センサ401は複数の画素ユニットと並列に設置される。たが、本発明の実施例は、
図4に示す場合よりも少ない又は多い磁気センサ401を備えてもよい。
【0031】
OLED表示装置400は、少なくとも1つのコイルを磁界発生装置として備える。
図4に示す例で、例えば、該少なくとも1つのコイルは矩形コイルである。例えば、該例で、該矩形コイルは第1層において第1方向(例えば横方向)に延伸する第1コイル402、及び第2層において第2方向(例えば縦方向)に延伸する第2コイル403を含み、第1方向と第2方向が交差し、例えばお互いに直交する。第1コイル402と第2コイル403が相互に交差して(且つ絶縁して)、交差領域で1つの矩形領域を画定する。矩形領域ごとが磁気センサに対応し、例えば1つ又は複数の画素ユニット、及び1つ又は複数の磁気センサをカバーする。
図4に示された矩形領域404は、4個の画素ユニットを備える。当業者なら、
図4の例が例示的なものであり、矩形領域が含む画素ユニットは設計の必要に応じて増減できることを理解できるべきである。このような構成で、1つ又は複数の第1層コイル402、及び1つ又は複数の第2層コイル403に通電することで、特定の領域に磁界を印加できる。例えば、コイルL1とコイルC5を選んで電流を印加することによって、右上隅の矩形領域404のみに磁界を印加できる。また、例えば、コイルL4とコイルC4-C5を選んで電流を印加することによって、右下隅の矩形領域405のみに磁界を印加できる。また、上記矩形コイルは、検出時のみに通電して、特定の領域において圧力を検出できるとともに、消費電力をできるだけ低減させるようにしてもよい。また、コイルの位置を特定することで、表示装置への圧力の印加位置を測定してタッチ位置の検出できる。
【0032】
当業者なら、本発明の実施例に係る矩形コイルが十分に強い磁界を提供できれば、横方向に設置されたコイル又は縦方向に設置されるコイルのみを含んでもよく、さらにほかの任意の形状の磁界発生装置を用いてもよいと理解できるべきである。
【0033】
表示装置が受ける圧力の位置及びその大きさを検出するために、磁気センサをサブ画素として表示装置全体に均等に配置してもよい。
図2に示すように、各磁気センサの第2端子H2と第4端子H4の間で生じる電位差を検出することで、磁界発生装置に対する磁気センサの変位を取得できる。従って、第2端子H2と第4端子H4を信号検出回路に接続して検出を行う必要がある。
【0034】
図5は、本発明の一実施例に係る、OLED表示装置のセンサ回路500の模式図である。該センサ回路500は、磁気センサ501及び信号検出回路502を備える。磁気センサ501は、第1端子H1、第2端子H2、第3端子H3、及び第4端子H4を備える。信号検出回路502は、電源端子(V
dd)、接地端子(GND)、第1信号検出端子、及び第2信号検出端子を備える。
図5に示すように、磁気センサ501の第1端子H1が電源端子に接続され、磁気センサ501の第3端子H3が接地端子(GND)に接続される。磁気センサ501の第2端子H2と第4端子H4は、それぞれに信号検出回路502の第1信号検出端子と第2信号検出端子に接続され増幅されて、増幅後の信号を出力する。例えば、該信号検出回路502は例えば演算増幅器を備え、演算増幅器の非反転入力端子(+)が第220信号検出端子に接続され、演算増幅器の反転入力端子(-)が第1信号検出端子に接続され、演算増幅器の出力端子(Vout)が増幅後の電圧信号を出力する。該演算増幅器には抵抗器R4、R5、R6及びR7が対応して設置され、抵抗器R4が第1信号検出端子と演算増幅器の反転入力端子を接続し、抵抗器R5が第2信号検出端子と演算増幅器の非反転入力端子を接続する。抵抗器R7は、参照電圧と演算増幅器の非反転入力端子に接続する。抵抗器R6は演算増幅器の反転入力端子と出力端子に接続する。
【0035】
磁気センサ501の第2端子H2と第4端子H4は、電気接続層(金属層)によって検出回路502(例えば、
図3に示されたトランジスタ3034等を備える)まで引き出される。
図3に示すように、磁気センサは、OLED画素ユニット用の画素駆動回路とともに、少なくとも部分的に同一層に形成される。
図5の例で、信号検出回路502は、演算増幅器を含んで差動増幅器回路を構成する。信号検出回路502により増幅された信号は、さらに周辺回路によって読み取られ、磁気センサ501を通過する磁界の変化を検出し、更に磁気センサ501が受ける圧力の位置及びその大きさを算出して表示する。
【0036】
図6は、本発明の別の実施例に係るOLED表示装置のセンサ回路600の模式図である。センサ回路600は、磁気センサ601、信号検出回路602、及び電源スイッチング素子603を備える。例えば、該電源スイッチング素子603は、PMOSトランジスタである。
図5の実施例に対して、磁気センサ601の第1端子H1は、電源スイッチング素子603を介して電源端子V
ddに接続されている。該電源スイッチング素子603の制御端子は制御ラインに接続される。OLED表示装置は、複数のゲートライン及び複数のデータラインとともに、複数の電源ラインをさらに含み、これらゲートラインはゲート駆動回路(例えばゲートドライバ又はゲート駆動チップ)に接続され、これらデータラインはデータ駆動回路に接続され、これら電源ラインは電源に接続され画素ユニットに電力を供給する。例えば、ゲートラインとデータラインとが互いに交差してサブ画素ユニットを画定する。該電源スイッチング素子603の制御端子に接続される制御ラインは、例えばゲートラインのうちの1つであり、ゲートラインはゲート駆動回路に接続されるため、ゲート駆動信号を印加できる。該電源スイッチング素子603の制御ラインがゲートラインのうちの1つ又はゲート駆動回路によって制御されると、例えば、制御ラインに印加されるゲート信号が高レベルである時に、圧力の検出を行う。該例で、画素ユニットと磁気センサはゲートライン及びゲート信号を共有できるため、製造プロセスが簡単で、感圧タッチ駆動方法も簡単になり、コストが削減できる。
【0037】
図9は、OLED画素ユニットの駆動回路の模式図である。
図9に示すように、該OLED画素ユニットの駆動回路は、2つのトランジスタT1、T2、及び1つの蓄電コンデンサCsを備える。トランジスタT1の制御端子は、ゲートラインに接続され(すなわち、選択電圧Vselが印加され)、トランジスタT1の第1端子はデータラインに接続されてグレースケールデータ電圧が印加され、トランジスタT1の第2端子は蓄電コンデンサCsの第1端子に接続される。トランジスタT2の制御端子はトランジスタT1の第2端子と蓄電コンデンサCsの第1端子に接続され、トランジスタT2の第1端子はOLEDデバイスに接続され、トランジスタT2の第2端子は蓄電コンデンサCsの第2端子に接続され且つグランドされる。OLEDデバイスは、一端が電源ラインを介して電源に接続され、他端がトランジスタT2の第1端子に接続される。当業者なら、本発明の実施例が
図9に示されたOLED画素ユニットの駆動回路に限定されず、任意の公知のOLED画素ユニットの駆動回路を使用でき、例えばより多いトランジスタ及び/又はコンデンサ等を使用してもよい。
【0038】
図5及び
図6に示される実施例のセンサ回路は、表示装置に印加される圧力をサンプリングし、増幅して出力することで、圧力の大きさ又は変化量等を検出できる。しかし、センサ(例えば、本発明の実施例に係る磁気センサ)の動作中に、オフセット電圧が存在する可能性がある。オフセット電圧は、通常に、材料の異方性、不純物の拡散の不均一性、幾何構造の非対称性等の製造プロセス要素に起因する。したがって、
図5及び
図6に示されたセンサ回路は、検出電圧を増幅すると同時に、そのうちに含まれているオフセット電圧成分も増幅してしまい、このような検出電圧によって圧力検知の精度が低くなる。従って、検出電圧中のオフセット電圧成分を除去する必要がある。
【0039】
例えば、オフセット電圧を除去するために、本発明の実施例において、2つの完全に同じ磁気センサを製造し、これら2つの磁気センサの出力信号を同時に検出してから、例えば2つの出力信号を平均して補償を行う手法が考えられる。しかし、プロセスの観点から見ると、2つの完全に同じ磁気センサを製造することが難しく、且つ画素ユニット内に2つの磁気センサを設置するスペースがない。そのため、本発明の実施例は、OLED表示装置内に1つの磁気センサのみを提供するだけでオフセット電圧を除去する技術手段を提供する。
【0040】
図7aは本発明の一実施例に係るセンサ回路の模式図、
図7bは
図7aに示された実施例にオフセット電圧解消回路が追加された模式図である。
図7及び
図7bの例で、検出電圧を入力するチャネルを交互に変更することで、磁気センサで検出された検出信号を、対称的な2対のポートから周期的かつ交互に出力して、検出電圧中の誘導電圧成分とオフセット電圧成分の極性を利用してオフセット電圧成分を補償する。
【0041】
以下、本発明の一実施例に係るOLED表示装置のセンサ回路700の構造及び感圧タッチ駆動方法を具体的に説明する。
【0042】
図7aに示すように、該実施例の一例として、センサ回路700は、センサ701と、該センサ701に接続された信号検出回路702とを備える。
図7bに示すように、該実施例の別の一例として、
図7aに示されるセンサ回路700にさらにオフセット電圧解消回路703が追加されている。オフセット電圧解消回路703は、信号検出回路702からの信号に増幅とオフセット電圧除去を行う。
【0043】
図7aに示すように、センサ回路700は、センサ701及び信号検出回路702を備える。本例では、例えばセンサ701は本発明の実施例でシリコン基板上に形成された磁気センサであるが、ほかのタイプのセンサであってもよい。
【0044】
図7aに示すように、該信号検出回路702は、検出電圧入力サブ回路7021及び誘導信号出力サブ回路7022を備える。上記のように、センサ701は、第1対の端子(H1、H3)、及び第2対の端子(H2、H4)を備える。検出電圧入力サブ回路7021は、第1期間P1に第1対の端子に接続され、第2期間P2に第2対の端子に接続されるように配置される。第1期間P1と第2期間P2との関係は、例えば
図8に示されている。誘導信号出力サブ回路7022は、第1出力端子7023及び第2出力端子7024を備え、第1期間P1に第1及び第2出力端子をそれぞれセンサ701の第2対の端子に接続させ第1検出電圧を出力し、第2期間P2に第1及び第2出力端子をそれぞれにセンサ701の第1対の端子に接続させ第2検出電圧を出力し、第1期間P1と第2期間P2は異なる期間である。
【0045】
一部の実施例で、検出電圧入力サブ回路7021は、センサ701の第1端子H1、第2端子H2、第3端子H3、及び第4端子H4にそれぞれに接続される第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3、及び第4スイッチング素子M4を備えてもよい。誘導信号出力サブ回路7022は、第5スイッチング素子T1、第6スイッチング素子T2、第7スイッチング素子T3、及び第8スイッチング素子T4を備えてもよい。
【0046】
図7aの例で、センサ701は、正方形の磁気センサである。従って、第1端子H1、第2端子H2、第3端子H3、及び第4端子H4は、構造的に実質に同じ端子である。
【0047】
以下、検出電圧入力サブ回路7021における第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3、及び第4スイッチング素子M4の例に対して説明する。
【0048】
第1スイッチング素子M1は、一端が電源電圧V
ddに結合され、他端がセンサ701の第1端子H1に結合され、制御端子がタイミングコントローラ(図示せず)に接続され第2制御信号CK2に基づいて導通又は遮断される。
図6aの例で、第1スイッチング素子M1は、PMOSトランジスタであり、第2制御信号CK2が低レベルである時に導通される。
【0049】
第2スイッチング素子M2は、一端が電源電圧Vddに結合され、他端がセンサ701の第2端子H2に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第1制御信号CK1に基づいて導通又は遮断される。
図6aの例で、第2スイッチング素子M2は、PMOSトランジスタであり、第2制御信号CK2が低レベルである時に導通される。ここで、電源電圧V
ddは必要に応じて設定できる。
【0050】
第3スイッチング素子M3は、一端がグラウンドに結合され、他端がセンサ701の第3端子H3に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第2制御信号CK2に基づいて導通又は遮断される。
図6aの例で、第3スイッチング素子M3は、NMOSトランジスタであり、第2制御信号CK2の反転信号が高レベルである時に導通される。
【0051】
第4スイッチング素子M4は、一端がグラウンドに結合され、他端がセンサ701の第4端子H4に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第1制御信号CK1に基づいて導通又は遮断される。
図6aの例で、第4スイッチング素子M4は、NMOSトランジスタであり、第1制御信号CK1の反転信号が高レベルである時に導通される。
【0052】
以下、誘導信号出力サブ回路7022における第5スイッチング素子T1、第6スイッチング素子T2、第7スイッチング素子T3、及び第8スイッチング素子T4の例に対して説明する。
【0053】
第5スイッチング素子T1は、一端がセンサ701の第1端子H1に結合され、他端が第1出力端子7023に結合され、制御端子がタイミングコントローラ(図示せず)に接続され第1制御信号CK1に基づいて導通又は遮断される。
【0054】
第6スイッチング素子T2は、一端がセンサ701の第2端子H2に結合され、他端が第1出力端子7023に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第2制御信号CK2に基づいて導通又は遮断される。
【0055】
第7スイッチング素子T3は、一端が第3端子H3に結合され、他端が第2出力端子7024に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第1制御信号CK1に基づいて導通又は遮断される。
【0056】
第8スイッチング素子T4は、一端が第4端子H4に結合され、他端が第2出力端子7024に結合され、制御端子がタイミングコントローラに接続され第2制御信号CK2に基づいて導通又は遮断される。
【0057】
図7aで、例えば、第5スイッチング素子T1と第7スイッチング素子T3は、第1制御信号CK1が低レベルなると導通し、第6スイッチング素子T2と第8スイッチング素子T410は、第2制御信号CK2が低レベルになると導通する。例えば、上記第5~第8スイッチング素子は伝送ゲートであるが、本発明の実施例は上記スイッチング素子の具体的なタイプに対して限定しない。
【0058】
第1制御信号CK1と第2制御信号CK2とのレベル関係、及びタイミング関係の例は
図8に示されている。
図8で、好適な一形態として、第1制御信号CK1と第2制御信号CK2とは、周波数が同一になるものの、互いに反転信号である。すなわち、第1制御信号CK1が高レベルである時、第2制御信号CK2は低レベルである。従って、第1制御信号CK1が高レベル、第2制御信号CK2が低レベルである第1期間P1において、検出電圧入力サブ回路7021が第1期間P1にセンサ701の第1対の端子(H1、H3)に接続されるとともに、誘導信号出力サブ回路7022が第2対の端子(H2、H4)に接続されて、該第1期間P1に第1検出電圧を出力する。第1制御信号CK1が低レベル、第2制御信号CK2が高レベルである第2期間P2において、検出電圧入力サブ回路7021が第2期間P2にセンサの第2対の端子に接続されるとともに、誘導信号出力サブ回路7022が第1対の端子に接続されて、該第2期間P2に第2検出電圧を出力する。
【0059】
第1制御信号CK1と第2制御信号CK2のタイミングを設定することで、信号検出回路702はセンサ701の第1対、第2対の端子に交互に検出電圧を印加し、誘導信号出力サブ回路7022はセンサ701の第2対、第1対の端子から第1検出電圧と第2検出電圧を交互に読み取り、第1期間P1に該第1検出電圧を出力し、第2期間P2に該第2検出電圧を出力する。該第1検出電圧は誘導電圧成分及びオフセット電圧成分を含み、第2検出電圧は誘導電圧成分及びオフセット電圧成分を含み、第1検出電圧の誘導電圧成分と第2検出電圧の誘導電圧成分とはその極性が反対であるが、両方のオフセット電圧成分が非反転である。当業者なら、第1制御信号CK1と第2制御信号CK2のタイミング関係、及びレベル関係等が
図8に示される例に限定されず、センサ701から第1検出電圧と第2検出電圧を交互に読み取って出力できればよいことを理解できるべきである。
【0060】
信号検出回路702によって検出された第1検出電圧と第2検出電圧は、オフセット電圧解消回路703に入力される。
図7bに示すように、該オフセット電圧解消回路703は、第1入力端子Vi1、第2入力端子Vi2、増幅サブ回路7031、選択サブ回路7032、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、及び出力サブ回路7033を備える。誘導信号出力サブ回路7022の第1出力端子7023と第2出力端子7024は、オフセット電圧解消回路703の第1入力端子Vi1、第2入力端子Vi2にそれぞれに接続される。
【0061】
増幅サブ回路7031は、第1検出電圧を増幅して第1増幅電圧として出力し、第2検出電圧を反転増幅して第2増幅電圧として出力する。
【0062】
図7bの例で、増幅サブ回路7031は、第1段増幅サブ回路7031aと、第2段増幅サブ回路7031bと、それらの間に設置された制御回路7031cとを備える。第1段増幅サブ回路7031aは、第1演算増幅器A1及び第2演算増幅器A2を備える。制御回路7031cは4個のスイッチング素子(すなわち、第9~第12スイッチング素子)を備え、
図7bでそれぞれにT5、T6、T7、及びT8と標記されている。第2段増幅サブ回路は、第3演算増幅器A3を備える。
【0063】
第1演算増幅器A1の非反転入力端子(+)が信号検出回路702の第1出力端子7023に接続され、第1演算増幅器A1の出力端子が第9スイッチング素子T5の第1端子と第10スイッチング素子T6の第1端子に接続される。第2演算増幅器A2の非反転入力端子(+)が信号検出回路702の第2出力端子7024に接続され、第2演算増幅器A2の出力端子が第11スイッチング素子T7の第1端子と第12スイッチング素子T8の第1端子に接続される。第1演算増幅器A1の反転入力端子(-)と第2演算増幅器A2の反転入力端子(-)は相互に、例えば抵抗器R1を介して接続される。
【0064】
また、
図7bで、抵抗器R2は、一端が第1演算増幅器A1の反転入力端子(-)に接続され、他端が第1演算増幅器A1の出力端子に接続されさらに第9スイッチング素子T5の第1端子と第10スイッチング素子T6の第1端子に接続される。抵抗器R3は、一端が第2演算増幅器A2の反転入力端子(-)に接続され、他端が第2演算増幅器A2の出力端子に接続されさらに第11スイッチング素子T7の第1端子と第12スイッチング素子T8の第1端子に接続される。第9スイッチング素子T5の第2端子と第12スイッチング素子T8の第2端子は、抵抗器R5を介して第3演算増幅器A3の非反転入力端子(+)に接続される。第10スイッチング素子T6の第2端子と第11スイッチング素子T7の第2端子は、抵抗器R4を介して第3演算増幅器A3の反転入力端子(-)に接続される。第3演算増幅器A3の出力は、選択サブ回路7032の入力端子に接続される。
【0065】
第9スイッチング素子T5~第12スイッチング素子T3の制御端子は、それぞれにタイミング制御コントローラ(図示せず)に接続される。動作中において、例えば、第9スイッチング素子T5と第11スイッチング素子T7には第3制御信号CK3が印加されて第3期間P3に導通され、例えば、第10スイッチング素子T6と第12スイッチング素子T8には第4制御信号CK4が印加されて第4期間P4に導通される。
【0066】
従って、第1検出電圧と第2検出電圧は、第1段増幅サブ回路における第1演算増幅器A1と第2演算増幅器A2によってそれぞれに増幅される。増幅後の第1検出電圧と第2検出電圧は、それぞれに第2段増幅サブ回路(例えば、第3演算増幅器A3)の非反転入力端子と反転入力端子に接続され、それぞれに第1増幅電圧と第2増幅電圧を出力する。
【0067】
当業者なら、増幅能力が十分であると、増幅サブ回路7031は、第1段増幅サブ回路を設置することなく、第2段増幅サブ回路(例えば、第3演算増幅器A3)のみを備えてよいことを理解できるべきである。第1検出電圧を非反転増幅して第1増幅電圧として出力し、第2検出電圧を反転増幅して第2増幅電圧として出力することができれば、任意の増幅サブ回路を増幅サブ回路7031として用いてよい。
【0068】
該選択サブ回路7032は、第13スイッチング素子T9及び第14スイッチング素子T10を備える。スイッチング素子T9とT10の出力端子(すなわち、選択サブ回路7032の出力端子)は、それぞれに第2コンデンサC1の第2端子と第1コンデンサC2の第2端子に接続され、スイッチング素子T9とT10の入力端子はいずれも増幅サブ回路7031の出力端子に接続され、スイッチング素子T9とT10の制御端子はいずれもタイミングコントローラに接続される。第1コンデンサC1の第1端子と第2コンデンサC2の第1端子はいずれもグラウンドに接続されることで、相互に接続される。演算増幅器の特性によって、非反転入力端子に入力される信号は非反転増幅され、反転入力端子に入力される信号は反転増幅される。
【0069】
取得した第1増幅電圧と第2増幅電圧をそれぞれに第1コンデンサC1と第2コンデンサC2に貯蔵するために、選択サブ回路7032は、第3制御信号CK3に基づいて第3期間P3に導通して第1増幅電圧を第2コンデンサC2に貯蔵し、第4制御信号CK4に基づいて第4期間P4に導通して第2増幅電圧の反転電圧を第1コンデンサC1に貯蔵する。例えば、
図6b及び
図7に示すように、第3期間P3において、第3制御信号CK3が低レベルであり、第3制御信号CK3に応じてスイッチング素子T9が導通して(例えば、スイッチング素子T9は第3制御信号CK3が制御ゲートに接続されたPMOSトランジスタである)、第1増幅電圧が第3期間P3(すなわち、第3制御信号CK3が低レベルである)に第2コンデンサC2に貯蔵される。同様に、第4期間P4において、第4制御信号CK4が低レベルであり、第4制御信号CK4に応じてスイッチング素子T10が導通して(例えば、スイッチング素子T10は伝送ゲートである)、第2増幅電圧が第4期間P4に(すなわち、第4制御信号CK4が低レベルである)第2コンデンサC2に貯蔵される。
【0070】
上記のように、第1検出電圧は誘導電圧成分及びオフセット電圧成分を含み、第2検出電圧は誘導電圧成分及びオフセット電圧成分を含み、第1検出電圧の誘導電圧成分と第2検出電圧の誘導電圧成分は、その極性が反対であるが、両方のオフセット電圧成分は非反転である。第1増幅電圧が第1検出電圧の反転増幅信号であり、第2増幅電圧が第2検出電圧の非反転増幅信号であるため、第1増幅電圧と第2増幅電圧は反する誘導電圧成分及び同じオフセット電圧成分を有する。
【0071】
従って、第1コンデンサC1の第1端子が第2コンデンサC2の第1端子に接続される時、第1増幅電圧と第2増幅電圧が反する誘導電圧成分及び同じオフセット電圧成分を有するため、コンデンサC1とコンデンサC2が電力を再配分すると、オフセット電圧がちょうど除去され、第1検出電圧の誘導電圧成分及び第2検出電圧の誘導電圧成分のみを保留して、オフセット電圧を除去した正確な誘導電圧成分を得る。
【0072】
従って、出力サブ回路7033は、第15スイッチング素子T11及び第16スイッチング素子T12を備えてもよい。第1コンデンサC1の一端がさらに第16スイッチング素子T12に接続され、第2コンデンサC2の一端がさらに第15スイッチング素子T11に接続され、第15スイッチング素子T11と第16スイッチング素子T12との出力端子が相互に接続され、且つ第15スイッチング素子T11と第16スイッチング素子T12との制御端子がタイミングコントローラに接続される。例えば、出力サブ回路7033は、第5制御信号CK5に基づいて、第5期間P5に第1コンデンサC1の第1端子と第2コンデンサC2の第1端子を接続する。つまり、第5期間P5において、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2とが出力サブ回路7033を介して並列接続され、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2で振幅が同じで極性が反するオフセット電圧成分が相殺される。
【0073】
上記第1~第5制御信号のタイミング関係は、例えば
図8に示されている。
図8からわかるように、センサ回路の効率を向上させるために、第3期間P3~第5期間P5は、次の周期における第1期間P1及び第2期間P2と部分的に重なっている。たが、当業者なら、第3期間P3~第5期間P5が次の周期における第1期間P1及び第2期間P2と重ならなくてもよいことを理解できるべきである。
【0074】
上記のように、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2を設定することで、異なる期間に検出信号を伝送し、非反転・反転増幅を行うことで、1つのセンサだけでセンサ固有のオフセット電圧を除去する。
【0075】
電力を節約し信号クロストークを回避するために、表示装置の操作は、表示段階及び圧力検出段階に分けられる。表示段階において、表示装置は画面表示操作を行い(例えば順次走査又は飛越走査)、磁界を発生させる磁界発生装置(本発明の実施例で金属コイル)に通電せず、センサ及びセンサの信号検出回路も動作しない。圧力検出段階において、表示装置が画面表示操作を行わず、磁界発生装置に通電し、センサ及びセンサの信号検出回路が動作する。
【0076】
従って、本発明の実施例に係る磁気センサは、表示装置内部からの磁界の微細な変化を検出でき、該磁界の微細な変化に基づいて磁気センサが受ける圧力を検出できる。それに加えて、本発明の実施例に係る磁気センサは、さらに表示装置外部からの磁界、例えば磁気ペンを検出できる。例えば、外部からの磁界、例えば表示装置10での基板と対向する他側からの磁界を一層よく検出するために、レーザーアブレーションによって磁気センサの上方に位置する陰極層を切り開いてウィンドウを形成したり、又は磁気センサの真上の領域内に陰極層を形成しない。
【0077】
本発明の一実施例は、さらに、センサと、前記センサに接続される信号検出回路とを備えるセンサ回路を提供する。前記センサは第1対の端子及び第2対の端子を備え、前記第1対の端子と前記第2対の端子とが電気的に対称であり、例えば第1対の端子が入力信号を受信し、第2対の端子が誘導信号を出力したり、又は第2対の端子は入力信号を受信し、第1対の端子は誘導信号を出力し、前記第1対の端子が第1端子及び第3端子を含み、前記第2対の端子が第2端子及び第4端子を含む。前記信号検出回路は、検出電圧入力サブ回路と、誘導信号出力サブ回路とを備える。前記検出電圧入力サブ回路は、第1期間に前記第1対の端子に接続され、第2期間に前記第2対の端子に接続される。前記誘導信号出力サブ回路は、第1出力端子と第2出力端子とを備え、第1期間に前記第1、第2出力端子をそれぞれに前記第2対の端子に接続させ第1検出電圧を出力し、第2期間に前記第1、第2出力端子をそれぞれに前記第1対の端子に接続させ第2検出電圧を出力し、前記第1期間と前記第2期間が異なる期間である。
【0078】
前記センサ回路の一例として、前記第2対の端子が出力する第1検出電圧中の誘導電圧成分と前記第1対の端子が出力する第2検出電圧中の誘導電圧成分とは、その極性が反対である。
【0079】
前記センサ回路の一例として、前記センサは磁気センサである。
【0080】
前記センサ回路の一例として、前記検出電圧入力サブ回路は第1~第4スイッチング素子を備える。前記第1スイッチング素子は、一端が電源電圧に結合され、他端が前記第1端子に結合され、前記第2期間に導通する。前記第2スイッチング素子は、一端が前記電源電圧に結合され、他端が前記第2端子に結合され、前記第1期間に導通する。前記第3スイッチング素子は、一端がグラウンドに結合され、他端が前記第3端子に結合され、前記第2期間に導通する。第4スイッチング素子は、一端がグラウンドに結合され、他端が前記第4端子に結合され、前記第1期間に導通する。
【0081】
前記センサ回路の一例として、前記誘導信号出力サブ回路は、さらに第5~第8スイッチング素子を備える。前記第5スイッチング素子は、一端が前記第1端子に結合され、他端が前記第1出力端子に結合され、前記第1期間に導通する。前記第6スイッチング素子は、一端が前記第2端子に結合され、他端が前記第1出力端子に結合され、前記第2期間に導通する。前記第7スイッチング素子は、一端が前記第3端子に結合され、他端が前記第2出力端子に結合され、前記第1期間に導通する。前記第8スイッチング素子は、一端が前記第4端子に結合され、他端が前記第2出力端子に結合され、前記第2期間に導通する。
【0082】
前記センサ回路の一例として、上記第1~第8スイッチング素子は、NMOSトランジスタ及び/又はPMOSトランジスタである。
【0083】
前記センサ回路の一例として、前記センサ回路はさらにオフセット電圧解消回路を備える。前記オフセット電圧解消回路は、第1入力端子、第2入力端子、増幅サブ回路、選択サブ回路、第1コンデンサ、第2コンデンサ、及び出力サブ回路を備え、前記オフセット電圧解消回路の第1入力端子と第2入力端子は、前記誘導信号出力サブ回路の第1出力端子と第2出力端子に対応し、それぞれに前記第1検出電圧と前記第2検出電圧を受信する。前記増幅サブ回路は、それぞれに、前記第1検出電圧を増幅して第1増幅電圧とし、前記第2検出信号を反転増幅して第2増幅電圧とする。前記選択サブ回路は、第3期間に前記第1増幅電圧を前記第2コンデンサに貯蔵し、第4期間に前記第2増幅電圧を前記第1コンデンサに貯蔵し、前記第3期間と前記第4期間が異なる期間である。前記第1コンデンサの第1端子と前記第2コンデンサの第1端子は、相互に接続される。前記出力サブ回路は、第5期間に前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを並列接続して電圧を出力する。
【0084】
前記センサ回路の一例として、前記増幅サブ回路は、第1増幅サブ回路と、前記第1増幅サブ回路に直列接続された第2増幅サブ回路とを備える。前記第1増幅サブ回路は、前記第1検出電圧と前記第2検出電圧を増幅して前記第2増幅サブ回路に入力する。前記第2増幅サブ回路は、増幅済みの第1検出電圧を更に非反転増幅し、増幅済みの第2検出電圧を更に反転増幅する。
【0085】
前記センサ回路の一例として、前記第1増幅サブ回路は、第1演算増幅器、第2演算増幅器、及び第9~第12スイッチング素子を備え、前記第2増幅サブ回路が第3演算増幅器を備える。前記第1演算増幅器の非反転入力端子が前記オフセット電圧解消回路の第1入力端子に接続され、前記第2演算増幅器の非反転入力端子が前記オフセット電圧解消回路の第2入力端子に接続され、前記第1演算増幅器の反転入力端子と前記第2演算増幅器の反転入力端子が相互に接続される。前記第9スイッチング素子は、一端が前記第1演算増幅器の出力端子と反転入力端子に接続され、他端が前記第3演算増幅器の非反転入力端子に接続され、前記第3期間に導通する。前記第10スイッチング素子は、一端が前記第1演算増幅器の出力端子と反転入力端子に接続され、他端が前記第3演算増幅器の反転入力端子に接続され、前記第4期間に導通する。前記第11スイッチング素子は、一端が前記第2演算増幅器の出力端子と反転入力端子に接続され、他端が前記第3演算増幅器の反転入力端子に接続され、前記第3期間に導通する。前記第12スイッチング素子は、一端が前記第2演算増幅器の出力端子と反転入力端子に接続され、他端が前記第3演算増幅器の非反転入力端子に接続され、前記第4期間に導通する。
【0086】
前記センサ回路の一例として、前記選択サブ回路は、第13、第14スイッチング素子を備え、前記第13スイッチング素子は、一端が前記増幅サブ回路の出力端子に接続され、他端が前記第2コンデンサの第2端子に接続され、前記第3期間に導通する。前記第14スイッチング素子は、一端が前記増幅サブ回路の出力端子に接続され、他端が前記第1コンデンサの第2端子に接続され、前記第4期間に導通する。
【0087】
前記センサ回路の一例として、前記出力サブ回路は、第15、第16スイッチング素子を備え、前記第15スイッチング素子は、一端が前記出力サブ回路の出力端子に接続され、他端が前記第2コンデンサの第2端子に接続され、前記第5期間に導通する。前記第16スイッチング素子は、一端が前記出力サブ回路の出力端子に接続され、他端が前記第2コンデンサの第2端子に接続され、前記第5期間に導通する。
【0088】
本発明の実施例に係るセンサ回路は、表示装置に印加される圧力の大きさを検出でき、1つのセンサだけで関する信号検出回路によって該センサ固有のオフセット電圧を除去できる。
【0089】
以上、本発明の例示的な実施形態を説明したが、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に決定される。
【0090】
本願は、2016年7月22日に提出した中国特許出願第201610585740.5号の優先権を主張し、該中国特許出願の全部内容は援用により本願の一部として組み込まれる。
【符号の説明】
【0091】
100 磁気センサ
300 画素ユニット
302 シリコン基板
303 P型半導体基材
304 画素駆動回路
305 磁気センサ
306 磁界発生装置
330 絶縁層
400 OLED表示装置
402 第1コイル
403 第2コイル
3021 N型半導体領域
3022 p+イオン浅ドープ層