(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/398 20200101AFI20220401BHJP
G06F 30/33 20200101ALI20220401BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20220401BHJP
G06F 111/12 20200101ALN20220401BHJP
【FI】
G06F30/398
G06F30/33
H05K3/00 V
H05K3/00 P
G06F111:12
(21)【出願番号】P 2018051498
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390015587
【氏名又は名称】株式会社図研
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】林 茂
(72)【発明者】
【氏名】小池 明子
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-003892(JP,A)
【文献】特開平05-061927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/398
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査装置であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記検査装置は、
前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果を表示部に表示させる表示制御部と、
エラーの検出対象を限定する限定部と、を備え、
前記検出部は、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出
し、
前記限定部は、
前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
の少なくとも1つを行う、
ことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査装置であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記検査装置は、
前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果を表示部に表示させる表示制御部と、
前記検出部によって検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外部
と、を備え
、
前記検出部は、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する、
ことを特徴とす
る検査装置。
【請求項3】
前記エラーを有する組を構成する少なくとも2つの部品情報を修正する修正部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記修正部は、前記エラーを有する組を構成する少なくとも2つの部品情報のそれぞれの前記参照符号の位置を修正する、
ことを特徴とする請求項
3に記載の検査装置。
【請求項5】
複数の部品情報を含む設計情報を
コンピュータプログラムに従ってコンピュータによって検査する検査方法であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記コンピュータプログラムに従って動作する前記コンピュータによって検出部、表示制御部および限定部が構成され、
前記検査方法は、
前記検出部によって、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、
前記表示制御部によって、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記限定部によって、エラーの検出対象を限定する限定工程と、を含み、
前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出
し、
前記限定工程では、
前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
の少なくとも1つが行われる、
ことを特徴とする検査方法。
【請求項6】
複数の部品情報を含む設計情報を
コンピュータプログラムに従ってコンピュータによって検査する検査方法であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記コンピュータプログラムに従って動作する前記コンピュータによって検出部、表示制御部および除外部が構成され、
前記検査方法は、
前記検出部によって、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、
前記表示制御部によって、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記除外部によって、前記検出工程において検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外工程と、を含み、
前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する、
ことを特徴とする検査方法。
【請求項7】
複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記検査方法は、
前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、
前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、
エラーの検出対象を限定する限定工程と、を含み、
前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出
し、
前記限定工程では、
前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、
の少なくとも1つが行われる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、
前記検査方法は、
前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、
前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、
前記検出工程において検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外工程と、を含み、
前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、検査方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板には、複数の部品が搭載されうる。部品の近傍には、その部品に割り当てられた参照符号がシルク印刷等によってプリントされうる。参照符号は、例えば、複数の部品が搭載されたプリント基板の動作に不良がある場合に、その不良の原因を究明するべくプリント基板上の部品を特定するために使われうる。部品と参照符号との対応に誤りがあると、動作不良の原因の究明に多大な時間が費やされうる。通常、回路設計が暫定的に終了した段階でプリント基板が設計され、この際に部品とともに参照符号も配置されうる。その後に、部品の配置が変更されなければ問題は生じないが、通常は、手直しのために、部品の配置が変更されうる。その部品の配置の変更とともに参照符号も適切にその配置が変更されれば、部品とそれに割り当てられた参照符号との対応関係は維持される。しかし、設計者は、部品の配置を変更したときに、それに割り当てられた参照符号の配置の変更を忘れたり、その参照番号を不適切な位置に誤って移動させたりしうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、部品とそれに割り当てられた参照符号との位置関係にエラーがないことを検査するために有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面は、複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査装置に係り、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記検査装置は、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を表示部に表示させる表示制御部と、エラーの検出対象を限定する限定部と、を備え、前記検出部は、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出し、前記限定部は、前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、の少なくとも1つを行う。
本発明の第2の側面は、複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査装置に係り、複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査装置であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記検査装置は、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出部と、前記検出部による検出結果を表示部に表示させる表示制御部と、前記検出部によって検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外部と、を備え、前記検出部は、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する。
【0006】
本発明の第3の側面は、複数の部品情報を含む設計情報をコンピュータプログラムに従ってコンピュータによって検査する検査方法に係り、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記コンピュータプログラムに従って動作する前記コンピュータによって検出部、表示制御部および限定部が構成され、前記検査方法は、前記検出部によって、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、前記表示制御部によって、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、前記限定部によって、エラーの検出対象を限定する限定工程と、を含み、
前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出し、前記限定工程では、前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、の少なくとも1つが行われる。
本発明の第4の側面は、複数の部品情報を含む設計情報をコンピュータプログラムに従ってコンピュータによって検査する検査方法であって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記コンピュータプログラムに従って動作する前記コンピュータによって検出部、表示制御部および除外部が構成され、前記検査方法は、前記検出部によって、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、前記表示制御部によって、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、前記除外部によって、前記検出工程において検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外工程と、を含み、前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する。
【0007】
本発明の第5の側面は、複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記検査方法は、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、エラーの検出対象を限定する限定工程と、を含み、前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出し、前記限定工程では、前記検出対象の組を、部品間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、引出線の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、互いの引出線の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、前記検出対象を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定すること、の少なくとも1つが行われる。
本発明の第6の側面は、複数の部品情報を含む設計情報を検査する検査方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記複数の部品情報の各々は、部品の位置を示す部品位置情報と、前記部品に割り当てられた参照符号の位置を示す参照符号位置情報とを含み、前記検査方法は、前記設計情報から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報からなる組を検出する検出工程と、前記検出工程における検出結果を表示部に表示させる表示制御工程と、前記検出工程において検出された前記エラーを有する組からユーザによって除外することが指定された組を除外する除外工程と、を含み、前記検出工程では、前記少なくとも2つの部品情報のうちの1つの部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線と前記少なくとも2つの部品情報のうちの他の部品情報で特定される前記部品および前記参照符号が相互に対応関係を有することを示す引出線とが交差することに基づいて、前記設計情報からエラーを有する組を検出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品とそれに割り当てられた参照符号との位置関係にエラーがないことを検査するために有利な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の好適な実施形態の検査装置の構成を例示的に示す図。
【
図3】限定部によって表示部の表示画面に提供されるユーザインターフェースを例示する図。
【
図4】表示制御部によって表示部の表示画面に表示される検出結果を例示する図。
【
図5】検出対象の組を部品間の距離が所定距離以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定した場合におけるエラーを例示する図。
【
図6】検出対象を部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定した場合におけるエラーを例示する図。
【
図7】
図5または
図6のエラー表示に基づいてエラーが除去されるように設計情報が編集された後に再び検出部によって検査が実施された結果を例示する図。
【
図8】検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報の引出線の長さと該組を構成する他の部品情報の引出線の長さの比率が所定範囲内である組に限定した例を示す図。
【
図9】検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報の引出線の長さと該組を構成する他の部品情報の引出線の長さの比率が所定範囲内である組に限定した例を示す図。
【
図10】検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報の引出線と該組を構成する他の部品情報の引出線との角度が所定角度以内である組に限定した例を示す図。
【
図11】検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報の引出線と該組を構成する他の部品情報の引出線との角度が所定角度以内である組に限定した例を示す図。
【
図13】部品名R001を有する部品情報に係る部品を基準として、部品名R002、R003、R004、R005を有する部品情報に係る部品の相対位置を決定する例を示す図。
【
図14】部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが異なる場合に、そのような部品および参照符号を有する少なくとも2つの部品情報からなる組を検出対象とする例を示す図。
【
図15】除外部によって表示部の表示画面に提供されるユーザインターフェースを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
プリント基板の設計を支援する支援ツール(CADツール)の表示画面には、抵抗、キャパシタ、トランジスタ、IC等の部品(電子部品)とその部品に割り当てられた参照符号とが相互に対応関係を有することを示す引出線が表示されうる。参照番号が誤った位置に配置されている場合、表示画面上で引出線同士が交差しうる。したがって、設計者は、引出線同士に交差がないことを確認することによって参照符号に誤りがないことを確認することができる。
【0011】
しかしながら、通常、プリント基板に搭載される部品の数は膨大であり、参照符号の数も膨大である。しかも、参照符号に誤りがないことを確認する作業は、単調な作業であり、集中力を持って作業を続けることは難しい。厄介なことに、引出線と引出線とが交差している場合においても参照符号に誤りがないことも多く、これが集中力を途切れさせる原因となりうる。更に、引出線と引出線との交差が明確である場合には良いが、引出線と引出線とが小さい角度(例えば、10°以下)で交差するような場合、その交差を見つけることは容易ではない。
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の好適な実施形態の検査装置100の構成が例示的に示されている。
図2(a)には、プリント基板の設計情報300の一例が視覚化されて示されている。
図2(b)には、設計情報300を構成する複数の部品情報310のデータ構造の一例が示されている。
【0013】
検査装置100は、複数の部品情報310を含む設計情報300を検査するように構成されうる。検査装置100は、例えば、検査プログラム110が組み込まれた又は検査プログラム110が一時的又は不揮発に格納されるメモリ120と、検査プログラム110を実行するCPU130と、表示部140とを備えうる。図示されていないが、検査装置100は、その他、キーボード、マウス等の入力部を備えうる。検査装置100は、汎用または専用のコンピュータに検査プログラム110を組み込むことによって構成されうる。検査プログラム110は、コンピュータを検査装置100として特徴付けるコンピュータプログラムであり、例えば、メモリ媒体に格納されて、又は、電気通信回線等の伝送路を介してコンピュータに提供されうる。
【0014】
複数の部品情報310の各々は、抵抗、キャパシタ、トランジスタ、IC等の部品(電子部品)311の位置を示す部品位置情報323と、部品311に割り当てられた参照符号312の位置を示す参照符号位置情報325とを含みうる。また、複数の部品情報310の各々は、部品311の名称を示す部品名情報321、部品311の種類を示す部品種類情報322、参照符号312の名称を示す参照符号名情報324、引出線313を表示部140の表示画面に表示するための情報である引出線情報326を含みうる。
【0015】
引出線313は、部品311およびそれに割り当てられた参照符号312が相互に対応関係を有することを示す線であり、表示部140の表示画面に表示される。引出線313の全部または一部は、設計情報300に従って製造されるプリント基板にプリントされてもよいし、プリントされなくてもよい。また、設計情報300に従って製造されるプリント基板には、引出線313とは異なる位置に、部品311と参照符号312との対応関係を示す引出線がプリントされてもよい。
【0016】
検査プログラム110は、設計情報300から、エラーを有する、少なくとも2つの部品情報310からなる組を検出する検出部111(を構成するプログラムモジュール)を含みうる。ここで、検出部111は、組を構成する少なくとも2つの部品情報310のうちの1つの部品情報310で特定される部品311および参照符号312が相互に対応関係を有することを示す引出線313と、該組を構成する該少なくとも2つの部品情報310のうちの他の部品情報310で特定される部品311および参照符号312が相互に対応関係を有することを示す引出線313とが交差することに基づいて、設計情報300からエラーを有する組を検出しうる。
【0017】
任意の部品情報310である第1部品情報の引出線313と他の任意の部品情報310である第2部品情報の引出線313とが交差する場合、第1部品情報の参照符号および/または第2部品情報の参照符号の位置にエラーが存在する可能性がある。エラーが存在する可能性がある情報は、検出部111によって、エラーとして、機械的に(換言すると、アルゴリズムに従って)検出される。現実にエラーが存在するか否かは、検査装置100を操作する設計者によって判断されうる。第1部品情報および第2部品情報を含む組は、エラーを確実に有する組ではないが、設計者によって否定されない限り、エラーを有する組として扱われうる。
【0018】
以下で参照される図面に示された例は、1つの組が2つの部品情報310で構成されているが、3以上の引出線が互いに交差する場合、1つの組は該3以上の引出線をそれぞれ有する3以上の部品情報310によって構成されるものとして扱われてもよい。換言すると、1つの組は、少なくとも2つの部品情報310によって構成されうる。
【0019】
検査プログラムは、検出部111による検出結果を表示部140に表示させる表示制御部115(を構成するプログラムモジュール)を含みうる。
図4には、表示制御部115によって表示部140の表示画面141に表示される検出結果が例示されている。検出部111は、部品名R002を有する部品情報の引出線313bと部品名R003を有する部品情報の引出線313cとの交差に基づいて、部品名R002を有する部品情報の参照符号および/または部品名R003を有する部品情報の参照符号の位置にエラーが存在することを検出しうる。このエラーは、「ERROR1(R002-R003)」として表示されうる。また、検出部111は、部品名R005を有する部品情報の引出線313eと部品名IC001を有する部品情報の引出線313fとの交差に基づいて、部品名R005を有する部品情報の参照符号および/または部品名IC001を有する部品情報の参照符号の位置にエラーが存在することを検しうる。このエラーは、「ERROR2(R005-IC001)」として表示されうる。
【0020】
その他、検査プログラム110は、限定部112、除外部113および修正部114の少なくとも1つを含みうる。限定部112は、設計情報300を構成する複数の部品情報310の任意の組む合わせ(以下では、任意の2つの部品情報310の組み合わせ)で各々構成される複数の組のうち、エラーの検出対象を、予め設定された検出条件に従って限定するように構成されうる。除外部113は、検出部111によって検出された、エラーを有する組から、ユーザによって除外することが指定された組を除外するように構成されうる。修正部114は、エラーを有する組を構成する少なくとも2つの部品情報310をエラーが除去されるように修正するように構成されうる。
【0021】
図3には、限定部112によって表示部140の表示画面141に提供されるユーザインターフェース1120が例示されている。ユーザインターフェース1120は、例えば、チェックボックス1121および入力フィールド1122を含みうる。チェックボックス1121は、それに対応して表示された機能(
図3では、チェックボックス1121の右側に表示された機能)を有効状態または無効状態に設定するためのボックスである。この設定は、設計者(ユーザ)によってなされうる。
【0022】
限定部112は、検出対象の組を部品311間の距離が設定距離以内である少なくとも2つの部品情報310からなる組に限定する機能201を含みうる。機能201は、それに対応するチェックボックス1121が設計者によって有効状態に設定されることによって有効化されうる。部品311間の距離は、部品311間の最小距離であってもよいし、部品311間の引出線313上の距離であってもよいし、他の規則に従って計測あるいは計算される距離であってもよい。
図5には、検出対象の組を部品間の距離が3.0mm以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定する例が示されている。
【0023】
図5には、部品間の距離が矢印とともに例示されている。
図5の例において、部品名R001~R005をそれぞれ有する複数の部品における互いに隣り合う部品間の距離は、2.5mmであり、部品名R002~R005を有する部品と部品名IC001を有する部品との距離は、3.5mmである。よって、部品名R001~R005を有する複数の部品から選択される少なくとも2つの部品の部品情報310からなる組は、検出対象の組である。また、部品名IC001を有する部品を1つの構成要素とする組は、検出対象外の組である。
【0024】
図5の例において、部品名R002を有する部品情報の引出線と部品名R003を有する部品情報の引出線との交差に基づいて、部品名R002を有する部品情報の参照符号および/または部品名R003を有する部品情報の参照符号の位置にエラーがあることが検出されうる。このエラーは、「ERROR1(R002-R003)として表示されている。
図7には、このエラー表示に基づいて、エラーが除去されるように設計情報300が編集された後に再び検出部111によって検査が実施された結果が例示されている。
【0025】
限定部112は、検出対象を部品311の種類が同一である少なくとも2つの部品情報310からなる組に限定する機能202を含みうる。機能202は、それに対応するチェックボックス1121が設計者によって有効状態に設定されることによって有効化される。何が同種部品であり、何が異種部品であるかは、前述の部品種類情報322に従って判断されうる。一例において、抵抗と抵抗は、仮に抵抗値が異なっていても、同種部品であると判断されうる。他の例において、互いに寸法が異なる抵抗と抵抗は、同種部品として判断されてもよいし、異種部品として判断されてもよい。更に他の例において、抵抗とICとは、異種部品として判断されうる。
【0026】
図6には、同種部品および異種部品の例が示されている。また、
図6には、検出対象を部品の種類が同一である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定する例が示されている。
図6の例では、部品名R001~R005を有する部品は、抵抗であり、同種部品として扱われ、部品名IC001を有する部品は、ICであり、抵抗とICとは異種部品として扱われている。
【0027】
図6の例において、部品名R002を有する部品情報の引出線と部品名R003を有する部品情報の引出線との交差に基づいて、部品名R002を有する部品情報の参照符号および/または部品名R003を有する部品情報の参照符号の位置にエラーがあることが検出されうる。このエラーは、「ERROR1(R002-R003)として表示されている。
図7には、このエラー表示に基づいて、エラーが除去されるように設計情報300が編集された後に再び検出部111によって検査が実施された結果が例示されている。
【0028】
限定部112は、検出対象を引出線313の長さの比率が予め設定された範囲内である少なくとも2つの部品情報310からなる組に限定する機能203を含みうる。機能203は、それに対応するチェックボックス1121が設計者によって有効状態に設定されることによって有効化されうる。
図8、
図9には、検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報310の引出線313の長さと該組を構成する他の部品情報310の引出線313の長さとの比率が1±0.3の範囲内である組に限定する例が示されている。
【0029】
図8の例では、部品名A001を有する部品情報310の引出線の長さが10.0mmであり、部品名B001を有する部品情報310の引出線の長さが8.0mmである。部品名A001を有する部品情報310の引出線の長さ(10.0mm)と部品名B001を有する部品情報310の引出線の長さ(8.0mm)との比率が1:0.8であるので、この例では、部品名A001を有する部品情報310と部品名B001を有する部品情報310との組は、検出対象とされる。
【0030】
図9の例では、部品名A001を有する部品情報310の引出線の長さが10.0mmであり、部品名B001を有する部品情報310の引出線の長さが6.0mmである。部品名A001を有する部品情報310の引出線の長さ(10.0mm)と部品名B001を有する部品情報310の引出線の長さ(6.0mm)との比率が1:0.6であるので、この例では、部品名A001を有する部品情報310と部品名B001を有する部品情報310との組は、検出対象外である。
【0031】
限定部112は、検出対象を互いの引出線313の交差角度が予め設定された角度以内である少なくとも2つの部品情報からなる組に限定する機能204を含みうる。機能204は、それに対応するチェックボックス1121が設計者によって有効状態に設定されることによって有効化されうる。
図10、
図11には、検出対象の組を、組を構成する1つの部品情報310の引出線313と該組を構成する他の部品情報310の引出線313との角度が90°以内である組に限定する例が示されている。
【0032】
図10の例では、部品名A001を有する部品情報310の引出線と部品名B001を有する部品情報310の引出線とが40°で交差しているので、部品名A001を有する部品情報310と部品名B001を有する部品情報310との組は、検出対象とされる。
図11の例では、部品名A001を有する部品情報310の引出線と部品名B001を有する部品情報310の引出線とが110°で交差しているので、部品名A001を有する部品情報310と部品名B001を有する部品情報310との組は、検出対象外とされる。
【0033】
限定部112は、検出対象を部品間の相対位置と参照符号間の相対位置との関係が条件を満たす、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定する機能205を含みうる。機能205は、それに対応するチェックボックス1121が設計者によって有効状態に設定されることによって有効化されうる。
【0034】
図12には、相対位置の決定方法の一例が示されている。この例では、ある部品または参照符号を基準として、他の部品または参照符号の相対位置は、左、上、右、下、左上、右上、右下、左下のいずれかの方向に存在するものとして決定される。ここで、他の部品または参照符号が存在する領域が左、上、右、下、左上、右上、右下、左下の方向のうちの2以上の方向に存在する場合には、例えば、基準に対する、他の部品または参照符号を取り囲む最小矩形領域の重心の方向が、基準に対する他の部品または参照符号の相対位置として決定されうる。たたし、他の規則に従って相対位置が決定されてもよい。
【0035】
図13には、部品名R001を有する部品情報に係る部品を基準として、部品名R002、R003、R004、R005を有する部品情報に係る部品の相対位置が決定される例が示されている。部品名R001を有する部品情報に係る部品を基準として、部品名R002、R003、R004、R005を有する部品情報に係る部品の相対位置は、上、左、左下、下として決定されている。
【0036】
一例において、限定部112は、検出対象の組を、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが異なる、少なくとも2つの部品情報からなる組に限定する。この例では、検出対象として決定されるための条件は、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが異なることである。
図14には、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが異なる場合に、そのような部品および参照符号を有する少なくとも2つの部品情報からなる組を検出対象とする例が示されている。
【0037】
例1では、部品名R001を有する部品情報に係る部品を基準として、部品名R002を有する部品情報に係る部品は、下に存在する。また、例1では、部品名R001を有する部品情報の参照符号を基準として、部品名R002を有する部品情報の参照符号は、上に存在する。よって、例1では、部品名R001を有する部品情報と部品名R002を有する部品情報とにおいて、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが互いに異なる。したがって、例1では、部品名R001を有する部品情報と部品名R002を有する部品情報からなる組が検出対象の組とされる。
【0038】
例2では、部品名R001を有する部品情報に係る部品を基準として、部品名R002を有する部品情報に係る部品は、左に存在する。また、例2では、部品名R001を有する部品情報の参照符号を基準として、部品名R002を有する部品情報の参照符号は、左に存在する。よって、例2では、部品名R001を有する部品情報と部品名R002を有する部品情報とにおいて、部品間の相対位置と参照符号間の相対位置とが同じである。したがって、例2では、部品名R001を有する部品情報と部品名R002を有する部品情報からなる組が検出対象外とされる。
【0039】
図15には、除外部113によって表示部140の表示画面141に提供されるユーザインターフェース1130が例示されている。ユーザインターフェース1130は、例えば、検出部111によって検出された、エラーを有する組から、ユーザが除外することを希望(指定)する組を除外するためのチェックボックス1131を有する。例えば、エラーERROR2を除外することをユーザが希望する場合、エラーERROR2に対応するチェックボックス1131がチェックされる。これにより、エラーERROR2がエラーのリストから除外される。また、エラーERROR2は、以後の再度実施されうる検査において、エラーの検出対象から除外されうる。
【0040】
修正部114は、エラーを有する組を構成する少なくとも2つの部品情報310の少なくとも一部を修正するように構成されうる。
図16には、部品名R002を有する部品情報と部品名R003を有する部品情報とからなる組が、それらの引出線が交差していることに基づいて、エラーを有することが検出部111によって検出された後に、修正部114によって該エラーが修正(除去)される例が示されている。修正部114は、例えば、引出線の交差がなくなるように、部品名R002を有する部品情報の参照符号の位置と部品名R003を有する部品情報の参照符号の位置とを交換するように構成されうる。これにより、エラーが修正(除去)されうる。
【0041】
図17には、検査装置100の動作、即ち、検査プログラム110に従って実行されうる検査方法が例示的に示されている。工程S1611では、検査プログラム110(に従って動作する検査装置100)は、プリント基板の設計情報300を検査装置100に読み込む。工程S1612では、検査プログラム110(に従って動作する検査装置100)は、設計情報300に基づいて、検査対象リストを生成する。検査対象リストは、検出対象の組の集合体であり、各組は、少なくとも2つの部品情報310で構成されうる。
【0042】
工程S1613では、検査プログラム110(に従って動作する検査装置100)は、検出条件を設定する。検出条件の設定は、限定部112によって検出対象の組を限定するための設定を含みうる。より具体的には、検出条件の設定は、例えば、ユーザによる操作に応答して
図3に例示されるようなユーザインターフェース1120を表示部140の表示画面141に提供し、ユーザインターフェース1120に対するユーザによる操作を取込むことによって限定部112が検出対象の組を限定する処理を含みうる。
【0043】
工程S1614では、検査プログラム110(に従って動作する検査装置100)は、工程S1612で生成された検出対象リストに含まれる複数の組から工程S1613で設定された検出条件に従う組を選択して、選択された組を新たな検出対象リストとする。即ち、工程S1614では、工程S1612で生成された検出対象リストが工程S1613で設定された検出条件に従って更新される。
【0044】
工程S1615では、検査プログラム110の検出部111(に従って動作する検査装置100)は、工程S1614で更新された検出対象リストから、引出線同士の交差に基づいて、エラーを有する組を検出する。工程S1616では、検査プログラム110の表示制御部115(に従って動作する検査装置100)は、工程S1615で実行されたエラー検出の結果を表示部140の表示画面141に表示する。この表示は、例えば、
図15に示されるような形式でなされうるが、他の形式でなされてもよい。
【0045】
工程S1617では、検査プログラム110の除外部113(に従って動作する検査装置100)は、工程S1615で検出部111によって検出された、エラーを有する組から、ユーザが除外することを希望する組を除外する。この処理は、例えば、
図15に示されるようなユーザインターフェース1130を介して実行されうる。
【0046】
工程S1618では、ユーザによる設計情報300の編集がなされうる。この編集は、検査プログラム110が組み込まれた編集プログラムによってなされうる。また、この編集は、修正部114によって、エラーを有する組を構成する少なくとも2つの部品情報310を修正する処理を含みうる。
【0047】
工程S1619では、検査を再実行するかどうかが判断され、検査を再実行する場合には、工程S1601に戻り、検査を再実行しない場合には、検査プログラム110による検査が終了する。