(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】シャッタースラット用緩衝材
(51)【国際特許分類】
E06B 9/15 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
E06B9/15 Z
E06B9/15 B
(21)【出願番号】P 2018141400
(22)【出願日】2018-07-27
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006910
【氏名又は名称】株式会社淀川製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 恵一
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4630664(US,A)
【文献】特開2002-161683(JP,A)
【文献】特開2004-176467(JP,A)
【文献】米国特許第5419386(US,A)
【文献】特開2006-316426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
9/02
9/06- 9/18
9/40- 9/50
9/56- 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連なっている少なくとも3枚のスラットを備える所定のシャッターのうち隣接する前記スラットの対が互いに連結するための部分かつ前記シャッターの一方の面に突出する部分であるスラット連結部に取り付けられるシャッタースラット用緩衝材であって、
複数の前記スラット連結部のうち隣接する前記スラット連結部の対の一方である一方連結部を覆うための一方連結カバー部と、
複数の前記スラット連結部のうち隣接する前記スラット連結部の対の他方である他方連結部を覆うための他方連結カバー部と、
前記一方連結カバー部と前記他方連結カバー部とを連結するカバー連結部とを備え、
前記一方連結カバー部が、
前記一方連結部に引っ掛かるための一方引掛部と、
前記一方引掛部に連なり前記一方連結部が嵌まるための凹部を形成する一方凹形成部とを有しており、
前記他方連結カバー部が、
前記他方連結部に引っ掛かるための他方引掛部と、
前記他方引掛部に連なり前記他方連結部が嵌まるための凹部を形成する他方凹形成部とを有しており、
前記カバー連結部が、前記一方凹形成部と前記他方引掛部とを連結
し、
前記カバー連結部が、
前記一方引掛部が前記一方連結部に引っ掛かり前記他方引掛部が前記他方連結部に引っ掛かる場合前記一方連結部と前記他方連結部とに挟まれる前記スラットに前記他方引掛部以上に近い位置で対向するよう配置される対向部と、
前記対向部のうち前記他方連結カバー部側の端と前記他方引掛部とに連なる他方側端部とを有しており、
前記対向部が、前記スラット連結部の突出方向に突出するように曲がっている
ことを特徴とするシャッタースラット用緩衝材。
【請求項2】
前記一方連結カバー部が、前記一方引掛部に連なり前記一方連結部が嵌まるための凹部から見て前記一方連結カバー部の裏側へ突出する一方突出部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載のシャッタースラット用緩衝材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタースラット用緩衝材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シャッタースラット用緩衝材を開示する。このシャッタースラット用緩衝材は、シャッタースラットの連結部に取り付けられる。この連結部は、巻き取り時に内側面となるスラット本体の一方の面に突出する。この連結部は、隣接する他のシャッタースラットの連結部の外側を覆う。このシャッタースラット用緩衝材は、断面略C字形状である。このシャッタースラット用緩衝材は、一方の連結部とほぼ同形状の一側に開口を有する断面略C字形状に形成される。このシャッタースラット用緩衝材は合成樹脂製部材よりなる。
【0003】
特許文献1に開示された発明によると、シャッターカーテンを繰り出す際や巻き取り収納する際などの動作中や巻回状態となった停止中の際に、各シャッタースラット同士で傷や変形を起こすことやシャッターとしての外観を損ねることを抑止できる。さらに、特許文献1に開示された発明によると、シャッターのスラットに対し、簡単に取り付けることを可能とする。さらに、特許文献1に開示された発明によると、その取り付け、取外しを容易とし、メンテナンス性を向上させることを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発明には、成形が難しいという問題点がある。成形が難しい原因は、係合片と指掛け片とが設けられている点にある。係合片と指掛け片とが設けられているのは、それらを押すことによって取り付けと取り外しとを容易にしているためである。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するものである。その目的は、取り付けと取り外しとが容易であり、かつ、容易に成形できるシャッタースラット用緩衝材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図面を参照して本発明のシャッタースラット用緩衝材を説明する。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、シャッタースラット用緩衝材30は、スラット連結部22,24に取り付けられる。スラット連結部22,24は、所定のシャッター10のうち隣接するスラット20の対が互いに連結するための部分である。スラット連結部22,24は、シャッター10の一方の面に突出する部分でもある。シャッター10は少なくとも3枚のスラット20を備える。シャッタースラット用緩衝材30は、一方連結カバー部40と、他方連結カバー部42と、カバー連結部44とを備える。一方連結カバー部40は一方連結部22を覆うためのものである。一方連結部22は、複数のスラット連結部22,24のうち隣接するスラット連結部22,24の対の一方である。他方連結カバー部42は他方連結部24を覆うためのものである。他方連結部24は、複数のスラット連結部22,24のうち隣接するスラット連結部22,24の対の他方である。カバー連結部44は、一方連結カバー部40と他方連結カバー部42とを連結する。一方連結カバー部40が、一方引掛部60と、一方凹形成部62とを有している。一方引掛部60は、一方連結部22に引っ掛かるためのものである。一方凹形成部62は、一方引掛部60に連なる。一方凹形成部62は、一方連結部22が嵌まるための凹部70を形成する。他方連結カバー部42が、他方引掛部80と、他方凹形成部82とを有している。他方引掛部80は、他方連結部24に引っ掛かるためのものである。他方凹形成部82は、他方引掛部80に連なる。他方凹形成部82は、他方連結部24が嵌まるための凹部90を形成する。カバー連結部44が、一方凹形成部62と他方引掛部80とを連結する。
【0009】
他方引掛部80が他方連結部24に引っ掛かり、かつ、他方凹形成部82が形成する凹部が他方連結部24に嵌まることで、他方連結部24への他方連結カバー部42の取付が完了する。他方連結部24への他方連結カバー部42の取付が完了すると同時に、所定のシャッター10に対する一方連結カバー部40の位置決めが完了する。カバー連結部44が一方凹形成部62と他方引掛部80とを連結するためである。位置決めが完了した状態で、一方引掛部60が一方連結部22に引っ掛かり、かつ、一方凹形成部62が形成する凹部が一方連結部22に嵌まることで、一方連結部22への一方連結カバー部40の取付が完了する。他方連結カバー部42の取付が完了すると同時に一方連結カバー部40の位置決めが完了することで、他方連結カバー部42の取付完了後に改めて位置決めが必要な場合に比べて、取り付けは容易なものとなる。シャッタースラット用緩衝材30の取り外しにあたり、一方連結カバー部40が取り外された後にカバー連結部44を介して他方連結カバー部42に力を加えることが可能である。カバー連結部44を介して他方連結カバー部42に力を加えることが可能なので、他方連結カバー部42を他方連結部24から取り外すために他方連結カバー部42自体に力を加える必要がある場合に比べ、他方連結カバー部42を他方連結部24から取り外すことが容易である。カバー連結部44が備えられるので、一方連結カバー部40および他方連結カバー部42に個別に係合片と指掛け片とが設けられる場合に比べて、本発明のある局面にかかるシャッタースラット用緩衝材30の形状は単純となる。その結果、取り付けと取り外しとが容易であり、かつ、容易に成形できるシャッタースラット用緩衝材30を提供できる。
【0010】
また、上述したカバー連結部44が、対向部100と、他方側端部104とを有している。対向部100は、スラット20に他方引掛部80以上に近い位置で対向するよう配置される。そのスラット20は、次に述べられる場合に一方連結部22と他方連結部24とに挟まれるよう配置されるスラット20である。その場合は、一方引掛部60が一方連結部22に引っ掛かり、かつ、他方引掛部80が他方連結部24に引っ掛かる場合である。他方側端部104は、対向部100のうち他方連結カバー部42側の端と他方引掛部80とに連なる。
【0011】
対向部100がスラット20に他方引掛部80以上に近い位置で対向するよう配置され、他方側端部104が対向部100のうち他方連結カバー部42側の端と他方引掛部80とに連なる。これにより、対向部100を介して他方側端部104を押す力が加わるとき、その力は他方引掛部80を他方連結部24に押し付ける方向に作用する。その結果、そのように力が作用しない場合に比べて外れ難いシャッタースラット用緩衝材30を提供できる。
【0012】
また、上述した対向部100が、スラット連結部22,24の突出方向に突出するように曲がっている。
【0013】
対向部100がスラット連結部22,24の突出方向に突出するように曲がっていると、対向部100が真っ直ぐな場合に比べ、一方連結カバー部40と他方連結カバー部42との間隔が広がったり狭まったりする方向へのシャッタースラット用緩衝材30の伸縮が容易になる。その伸縮が容易であると、そうでない場合に比べ、一方連結部22および他方連結部24への一方連結カバー部40および他方連結カバー部42の取付が容易となる。しかも、対向部100はスラット20に他方引掛部80以上に近い位置で対向するよう配置される。これにより、他方引掛部80が対向部100よりもスラット20に近い場合に比べて、対向部100の伸縮の影響でシャッタースラット用緩衝材30がスラット連結部22,24から外れる可能性が低くなる。その結果、取付が容易で外れ難いシャッタースラット用緩衝材30を提供できる。
【0014】
また、上述した一方連結カバー部40が、一方突出部64をさらに有していることが望ましい。一方突出部64は、一方引掛部60に連なる。一方突出部64は、一方連結部22が嵌まるための凹部70から見て一方連結カバー部40の裏側へ突出する。
【0015】
一方突出部64は、一方連結部22が嵌まるための凹部から見て一方連結カバー部40の裏側へ突出する。一方突出部64は、一方引掛部60に連なる。一方引掛部60は一方凹形成部62に連なる。これにより、一方突出部64に力を加えるとてこの原理によって一方引掛部60に力を作用させることができる。一方引掛部60に力を作用させることができると、それができない場合に比べて、一方連結カバー部40を一方連結部22から取り外すことが容易となる。その結果、取り外しが容易なシャッタースラット用緩衝材30を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るシャッタースラット用緩衝材は、取り付けと取り外しとが容易であり、かつ、容易に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材がシャッターに取り付けられている状況を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材の正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材の平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材の取付手順を示す第1の図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材の取付手順を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
〈第1実施形態〉
[取付対象]
図1は、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30がシャッター10に取り付けられている状況を示す概念図である。
図1に基づいて、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の取付対象が説明される。
図1に示されるシャッター10は、巻かれている状態である。このシャッター10は、多数のスラット20を有する。それらのスラット20は連なっている。スラット20が連なっているので、シャッター10を巻き取ることが可能である。このシャッター10において、連なっている3枚のスラット20が、一方連結部22と、他方連結部24とを形成する。一方連結部22は、3枚のスラット20のうち真ん中のスラット20とこれに隣接する一方のスラット20とが互いに連結するための部分である。他方連結部24は3枚のスラット20のうち真ん中のスラット20とこれに隣接する他方のスラット20とが互いに連結するための部分である。本実施形態においては、一方連結部22と他方連結部24とを「スラット連結部」と総称する。これにより、一方連結部22はスラット20が形成するスラット連結部22,24の対の一方ということになる。他方連結部24はスラット20が形成するスラット連結部22,24の対の他方ということになる。その結果、シャッター10は、スラット連結部22,24を有することとなる。スラット連結部22,24の具体的な構造は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、シャッター10のスラット連結部22,24に取り付けられる。
【0020】
[シャッタースラット用緩衝材の構成]
図2は、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の正面図である。
図3は、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の平面図である。
図2と
図3とに基づいて、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の構成が説明される。
【0021】
本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の素材は合成樹脂である。本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、一方連結カバー部40と、他方連結カバー部42と、カバー連結部44とを備える。一方連結カバー部40は一方連結部22を覆うためのものである。他方連結カバー部42は他方連結部24を覆うためのものである。カバー連結部44は、一方連結カバー部40と他方連結カバー部42とを連結する。
【0022】
一方連結カバー部40が、一方引掛部60と、一方凹形成部62と、一方突出部64とを有している。一方引掛部60は、一方連結部22に引っ掛かるためのものである。一方凹形成部62は、一方引掛部60に連なる。一方凹形成部62は、一方連結部22が嵌まるための凹部70を形成する。一方突出部64は、一方引掛部60に連なる。一方突出部64は、一方連結部22が嵌まるための凹部70から見て一方連結カバー部40の裏側へ突出する。
【0023】
他方連結カバー部42が、他方引掛部80と、他方凹形成部82と、他方誘導部84とを有している。他方引掛部80は、他方連結部24に引っ掛かるためのものである。他方凹形成部82は、他方引掛部80に連なる。他方凹形成部82は、他方連結部24が嵌まるための凹部90を形成する。他方誘導部84は、他方凹形成部82に連なる。本実施形態の場合、他方誘導部84のうち他方連結部24が嵌まるための凹部90に連なる面は、その凹部90の内周面に連なる曲面となっている。これにより、背面(
図2に示された面から見て裏側にあたる面)から見た他方連結カバー部42の形状は「J」字に近い形状となっている。
【0024】
カバー連結部44が、対向部100と、一方側端部102と、他方側端部104とを有している。対向部100は、スラット20に対向するよう配置される。対向部100は曲面を形成するように曲がっている。一方側端部102は、対向部100のうち一方連結カバー部40側の端に連なり一方凹形成部62の端に接続される。他方側端部104は、対向部100のうち他方連結カバー部42側の端と他方引掛部80とに連なることで、対向部100と共に屈曲箇所を形成している。
【0025】
[シャッタースラット用緩衝材の取付手順]
図4は、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の取付手順を示す第1の図である。
図5は、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30の取付手順を示す第2の図である。
図1と
図4と
図5とに基づいて、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30のスラット連結部22,24への取付手順が説明される。
【0026】
まず、シャッタースラット用緩衝材30をスラット連結部22,24へ取付ようとする者すなわち作業者は、シャッタースラット用緩衝材30の他方誘導部84を、他方連結部24に接触させる。他方誘導部84が他方連結部24に接触すると、作業者は他方誘導部84を他方連結部24の表面に沿って滑らせる。これにより、他方凹形成部82が形成する凹部90は他方連結部24に対向する。作業者は、他方凹形成部82を他方連結部24に嵌める。他方連結部24に嵌まる際、他方連結カバー部42はいったん弾性変形をする。これにより他方引掛部80と他方凹形成部82との隙間がいったん広がる。他方連結カバー部42が他方連結部24に嵌まると、シャッタースラット用緩衝材30は他方連結部24の周りに沿って回り得る。これを利用して、作業者は、シャッタースラット用緩衝材30の一方連結カバー部40を一方連結部22に近づける。
【0027】
本実施形態の場合、一方連結カバー部40が一方連結部22に近づくと、一方連結カバー部40の一方引掛部60が一方連結部22に接触することとなる。一方引掛部60が一方連結部22に接触すると作業者は一方突出部64を指で倒す。これにより、一方凹形成部62は凹部70の開口が開くようにいったん弾性変形する。これに伴い、シャッタースラット用緩衝材30の各部も弾性変形する。その開口が開くと、作業者は一方引掛部60を一方連結部22の付け根に挿入する。その挿入後、作業者は一方突出部64から指を離す。
【0028】
一方突出部64から指が離れると、シャッタースラット用緩衝材30のうち弾性変形していた部分が元の形状に戻ろうとする。しかしながら、その部分の元の形状に戻ろうとする動きはスラット20およびスラット連結部22,24のいずれかの箇所に妨げられる。これにより、スラット連結部22,24間の一方から他方へ向かう方向についてのカバー連結部44の長さは元の長さより伸びる。一方連結カバー部40は一方連結部22に引っ掛かる。他方連結カバー部42は他方連結部24に引っ掛かる。一方凹形成部62と他方凹形成部82とが一方連結部22と他方連結部24とを介してスラット20を挟むこととなる。その結果、シャッタースラット用緩衝材30は、スラット連結部22,24に取り付けられる。このとき、すなわち、一方引掛部60が一方連結部22に引っ掛かり、かつ、他方引掛部80が他方連結部24に引っ掛かるとき、対向部100は、スラット20に他方引掛部80以上に近い位置で対向するよう配置されることとなる。そのスラット20は、一方連結部22と他方連結部24とに挟まれるよう配置されるスラット20である。なお、対向部100が形成する曲面は、スラット連結部22,24の突出方向に突出するように配置される。これにより、一方凹形成部62が形成する凹部70の開口が開くようシャッタースラット用緩衝材30が弾性変形した際に変形していた対向部100は、元の形状に戻ろうとする。元に戻ろうとするので、対向部100は一方連結カバー部40と他方連結カバー部42とに互いに引き寄せる方向の力を加えることとなる。
【0029】
1個のシャッタースラット用緩衝材30がスラット連結部22,24に取り付けられると、作業者は同様の手順により他のシャッタースラット用緩衝材30を他のスラット連結部22,24に取り付ける。
【0030】
[シャッタースラット用緩衝材の取外し手順]
作業者は、スラット20のスラット連結部22,24に取り付けられているシャッタースラット用緩衝材30の一方突出部64を指で倒す。これにより、一方凹形成部62は凹部70の開口が開くようにいったん弾性変形する。その開口が開くと、作業者は一方引掛部60を一方連結部22から外す。
【0031】
一方引掛部60が一方連結部22から外れると、シャッタースラット用緩衝材30は他方連結部24を軸にして傾くことができる。シャッタースラット用緩衝材30が傾くと、作業者は、シャッタースラット用緩衝材30の他方連結カバー部42を他方連結部24から外す。これにより、シャッタースラット用緩衝材30はスラット連結部22,24から外れることとなる。
【0032】
[使用方法の説明]
シャッタースラット用緩衝材30が取り付けられたシャッター10の使用方法は周知のシャッターと同様である。シャッター10が巻き上げられる際、あるスラット20のスラット連結部22,24に取り付けられたシャッタースラット用緩衝材30はそのスラット20と他のスラット20とが擦れ合うことを防止する。これにより、それらのスラット20における摩耗の発生が抑制される。
【0033】
[効果の説明]
以上のようにして、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、シャッター10が備えるあるスラット20と他のスラット20とが擦れ合うことを防止する。
【0034】
本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、取り付けと取り外しとが容易である。しかも、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、次に述べられる従来のシャッタースラット用緩衝材に比べて形状が単純である。そのシャッタースラット用緩衝材は、取り付けのために用いられる突起と取り外しのために用いられる突起とを有するものである。それらの突起の位置は別である。上述された従来のシャッタースラット用緩衝材に比べて形状が単純なので、本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、上述された従来のシャッタースラット用緩衝材に比べて容易に成形できる。
【0035】
本施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30において、対向部100を介して他方側端部104を押す力が加わるとき、その力は他方引掛部80を他方連結部24に押し付ける方向に作用する。その結果、そのように力が作用しない場合に比べて本施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は外れ難い。
【0036】
本施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、所定のシャッター10のスラット連結部22,24に取り付けられるとカバー連結部44が弾性変形により伸びる。カバー連結部44が弾性変形により伸びるので、本施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、カバー連結部44が伸びない場合に比べてスラット連結部22,24にしっかりと取り付けられることとなる。
【0037】
本実施形態に係るシャッタースラット用緩衝材30は、一方突出部64に力を加えるとてこの原理によって一方引掛部60に力を作用させることができる。一方引掛部60に力を作用させることができると、それができない場合に比べて、一方連結カバー部40を一方連結部22から取り外すことが容易となる。
【0038】
[変形例の説明]
上述したシャッタースラット用緩衝材は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。各部材の形状、構造、配置などをこれらの実施形態のものに限定するものではない。各部材の形状、構造、配置は、種々の変更を加え得るものである。
【0039】
例えば、シャッタースラット用緩衝材の形態は上述したものに限定されない。例えば、一方突出部64は設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10…シャッター
20…スラット
22…一方連結部
24…他方連結部
30…シャッタースラット用緩衝材
40…一方連結カバー部
42…他方連結カバー部
44…カバー連結部
60…一方引掛部
62…一方凹形成部
64…一方突出部
70,90…凹部
80…他方引掛部
82…他方凹形成部
84…他方誘導部
100…対向部
102…一方側端部
104…他方側端部