(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
(51)【国際特許分類】
C03C 27/12 20060101AFI20220401BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20220401BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20220401BHJP
B32B 27/22 20060101ALI20220401BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20220401BHJP
C08K 5/10 20060101ALI20220401BHJP
C08K 5/3492 20060101ALI20220401BHJP
C08L 29/14 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C03C27/12 D
B32B17/10
B32B27/30 102
B32B27/22
B32B27/18 A
B32B27/18 G
C08K5/10
C08K5/3492
C08L29/14
(21)【出願番号】P 2018510537
(86)(22)【出願日】2018-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2018004630
(87)【国際公開番号】W WO2018147420
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2017023376
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊井 大三
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章吾
【審査官】須藤 英輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/018502(WO,A1)
【文献】特表2016-526190(JP,A)
【文献】特開2015-214692(JP,A)
【文献】特開2015-155376(JP,A)
【文献】特開2010-265170(JP,A)
【文献】特開2012-046748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/00-29/00
B32B 1/00-43/00
B60J 1/00-1/20
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1層の構造又は2層以上の構造を有する合わせガラス用中間膜であって、
前記合わせガラス用中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含み、
前記紫外線吸収剤が、トリアジン化合物とベンゾトリアゾール化合物とを含み、
前記合わせガラス用中間膜中、前記紫外線吸収剤の含有量が、0.2重量%以上、1重量%以下であり、
前記合わせガラス用中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、1重量%未満であり、
前記合わせガラス用中間膜中、前記ベンゾトリアゾール化合物の含有量が0重量%を超え、0.33重量%以下であり、
前記合わせガラス用中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス加工してプレス中間膜を得たときに、得られるプレス中間膜の分光透過率が、波長380nmで60%以上、波長350nmで40%以下、波長320nmで38%以下である、合わせガラス用中間膜。
【請求項2】
前記合わせガラス用中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層のみを備えるか、又は、
前記合わせガラス用中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層と、前記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第2の層とを備え、前記合わせガラス用中間膜が、前記第1の層の前記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第3の層を備えるか又は備えておらず、前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層の内の少なくとも1つの層が、紫外線吸収剤を含む、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項3】
前記トリアジン化合物が、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチロキシ)フェノールである、請求項
1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項4】
前記合わせガラス用中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、0.2重量%以下である、請求項
1~3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項5】
前記合わせガラス用中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.08重量%以上、1重量%以下である、請求項
1~3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項6】
前記ベンゾトリアゾール化合物が、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールである、請求項
1~5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
【請求項7】
第1の合わせガラス部材と、
第2の合わせガラス部材と、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、
前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
【0003】
上記合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、ポリビニルアセタール樹脂、紫外線吸収剤、可塑剤、接着力調整剤、及び、酸化防止剤を含有する合わせガラス用中間膜が開示されている。この中間膜で用いられている上記紫外線吸収剤は、マロン酸エステル系化合物及び/又はシュウ酸アニリド系化合物である。
【0004】
下記の特許文献2には、黄変傾向が低く、UV-A線及び可視光に対して高い透過率を有し、UV-B線に対して低い透過率を有する中間膜が開示されている。この中間膜は、ポリビニルアセタールと、可塑剤と、UV吸収剤であるオキサニリド型化合物とを含む。
【0005】
また、特許文献3では、発泡の発生及び発泡の成長を抑制できる合わせガラスが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-327454号公報
【文献】US2012/0052310A1
【文献】WO2012/043816A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の中間膜を用いた合わせガラスの端部において、空隙が生じることがある。この空隙は、合わせガラスに光及び熱等が付与されたときに特に生じやすい。この空隙は、合わせガラスの端部において中間膜が欠落した凹部である。この空隙は、特許文献3に記載されているような発泡に起因して生じる発泡生成物とは異なる。
【0008】
合わせガラスの端部において空隙が生じると、合わせガラスの外観が悪くなったり、中間膜とガラス板等との接着力が低くなったりする。
【0009】
また、従来の中間膜において、紫外線吸収剤等の添加量を増やして上記課題を解決することも考えられる。しかし、そのような中間膜を用いて合わせガラスを作製すると、合わせガラスの透明性が低下することがある。
【0010】
本発明の目的は、合わせガラスの端部において空隙を生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下を抑えることができる合わせガラス用中間膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の広い局面によれば、1層の構造又は2層以上の構造を有する合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)であって、前記中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含み、前記中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス加工してプレス中間膜を得たときに、得られるプレス中間膜の分光透過率が、波長380nmで60%以上、波長350nmで40%以下、波長320nmで38%以下である、合わせガラス用中間膜が提供される。
【0012】
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層のみを備えるか、又は、前記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層と、前記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第2の層とを備え、前記中間膜が、前記第1の層の前記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第3の層を備えるか又は備えておらず、前記第1の層、前記第2の層及び前記第3の層の内の少なくとも1つの層が、紫外線吸収剤を含む。
【0013】
前記紫外線吸収剤が、マロン酸エステル化合物又はトリアジン化合物を含むことが好ましい。前記紫外線吸収剤が、前記マロン酸エステル化合物を含むことが好ましい。前記マロン酸エステル化合物が、(p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチルであることが好ましい。前記紫外線吸収剤が、前記トリアジン化合物を含むことが好ましい。前記トリアジン化合物が、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチロキシ)フェノールであることが好ましい。前記中間膜中、前記マロン酸エステル化合物の含有量が0.14重量%以上、0.6重量%以下であることが好ましい。前記中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。前記中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、0.2重量%以下であることが好ましい。前記中間膜中、前記トリアジン化合物の含有量が0.08重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物を含むことが好ましい。前記ベンゾトリアゾール化合物が、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールであることが好ましい。前記中間膜中、ベンゾトリアゾール化合物の含有量が0重量%を超え、0.33重量%以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、1層の構造又は2層以上の構造を有する。本発明に係る合わせガラス用中間膜が、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含む。本発明に係る合わせガラス用中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス加工してプレス中間膜を得たときに、得られるプレス中間膜の分光透過率が、波長380nmで60%以上、波長350nmで40%以下、波長320nmで38%以下である。本発明に係る合わせガラス用中間膜は、上記の構成を備えているので、本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの端部において空隙を生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
(合わせガラス用中間膜)
本発明に係る合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)は、1層の構造又は2層以上の構造を有する。本発明に係る中間膜は、1層の構造を有していてもよく、2層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、2層の構造を有していてもよく、3層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、第1の層のみを備える1層の構造を有する中間膜(単層の中間膜)であってもよく、第1の層と他の層とを備える2層以上の構造を有する中間膜(多層の中間膜)であってもよい。
【0019】
本発明に係る中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含む。
【0020】
本発明に係る中間膜では、該中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス加工してプレス中間膜(以下、このようにして得られる中間膜を、プレス中間膜と記載することがある)を得たときに、得られるプレス中間膜の分光透過率が、波長380nmで60%以上、波長350nmで40%以下、波長320nmで38%以下である。
【0021】
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、上述した構成を備えているので、本発明に係る合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの端部において空隙を生じ難くすることができ、さらに合わせガラスの透明性の低下も抑えることができる。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
【0024】
図1に示す中間膜1は、2層以上の構造を有する多層の中間膜である。中間膜1は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜1は、合わせガラス用中間膜である。中間膜1は、第1の層2と、第1の層2の第1の表面2a側に配置された第2の層3と、第1の層2の第1の表面2aとは反対の第2の表面2b側に配置された第3の層4とを備える。第2の層3は、第1の層2の第1の表面2aに積層されている。第3の層4は、第1の層2の第2の表面2bに積層されている。第1の層2は、中間層である。第2の層3及び第3の層4は、例えば、保護層であり、本実施形態では表面層である。第1の層2は、第2の層3と第3の層4との間に配置されており、挟み込まれている。従って、中間膜1は、第2の層3と第1の層2と第3の層4とがこの順で並んで配置された多層構造を有する。中間膜1では、第2の層3と第1の層2と第3の層4とがこの順で並んで積層されている。
【0025】
第2の層3の第1の層2側とは反対側の外側の表面3aは、合わせガラス部材が積層される表面であることが好ましい。第3の層4の第1の層2側とは反対側の外側の表面4aは、合わせガラス部材が積層される表面であることが好ましい。
【0026】
なお、第1の層2と第2の層3との間、及び、第1の層2と第3の層4との間にはそれぞれ、他の層が配置されていてもよい。第1の層2と第2の層3、及び、第1の層2と第3の層4とはそれぞれ、直接積層されていることが好ましい。他の層として、ポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂を含む層、及びポリエチレンテレフタレート等を含む層が挙げられる。
【0027】
中間膜1は、中間膜1全体で、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含む。すなわち、第1の層2、第2の層3及び第3の層4の内の少なくとも1つの層が、ポリビニルアセタール樹脂を含み、可塑剤を含み、酸化防止剤を含み、紫外線吸収剤を含む。
【0028】
図2は、本発明の他の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
【0029】
図2に示す中間膜31は、1層の構造を有する単層の中間膜である。中間膜31は、第1の層である。中間膜31は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜31は、合わせガラス用中間膜である。中間膜31は、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含む。
【0030】
中間膜1,31では、上述した構成が備えられているので、中間膜1,31を用いた合わせガラスの端部において空隙を生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下を抑えることができる。中間膜1では、中間膜1を用いた合わせガラスに光が長期間照射されたり、合わせガラスが高温下に長期間晒されたりしても、合わせガラスの端部に空隙を生じ難くすることができる。さらに、中間膜1,31を用いた合わせガラスが高温下に長期間晒されても、合わせガラスの透明性を維持することができる。なお、上記空隙は、合わせガラスの端部において、中間膜が内側に向かって欠落した中間膜の凹部である。例えば、中間膜が内側に後退することで、上記凹部が形成される。
【0031】
上記中間膜は、上記第1の層のみの単層の中間膜であってもよく、上記第1の層を含む多層の合わせガラス用中間膜であってもよい。上記中間膜は、上記第1の層と上記第2の層とを少なくとも備える中間膜(この中間膜は上記第3の層を備えるか又は備えていない)であってもよい。上記中間膜は、上記第1の層と上記第2の層と上記第3の層とを備えていてもよい。
【0032】
中間膜1では、第1の層2の両面に第2の層3と第3の層4とが1層ずつ積層されている。多層の中間膜では、上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されていればよい。上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されており、かつ上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていなくてもよい。但し、上記第1の層の上記第1の表面側に上記第2の層が配置されており、かつ上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていることが好ましい。上記第1の層の上記第2の表面側に上記第3の層が配置されていることにより、中間膜の取扱い性、並びに合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。合わせガラスの端部において空隙がより一層生じ難くなり、合わせガラスの透明性を維持することができる。さらに、中間膜の両側の表面で、合わせガラス部材などに対する接着性を調整することができる。なお、上記第3の層が存在しない場合には、中間膜の上記第2の層の外側の表面の合わせガラス部材に対する接着性を調整することができる。
【0033】
上記中間膜は、以下の構成(1)又は構成(2)を備える。
【0034】
(構成(1))上記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤と、酸化防止剤と、紫外線吸収剤とを含む第1の層のみを備える。
【0035】
(構成(2))上記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤を含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤を含む第2の層とを備える。上記中間膜は、上記第1の層の上記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤を含む第3の層を備えるか又は備えていない。上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層の内の少なくとも1つの層が、紫外線吸収剤を含む。
【0036】
上記構成(2)は、下記の構成(2-1)及び下記の構成(2-2)を含み、下記の構成(2-1)又は下記の構成(2-2)であることが好ましい。上記中間膜は、上記構成(1)、下記構成(2-1)又は下記構成(2-2)を満足する。
【0037】
(構成(2-1))上記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第2の層とを備える。上記中間膜は、上記第1の層の上記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第3の層を備えていない。上記第1の層及び上記第2の層の内の少なくとも1つの層が、紫外線吸収剤を含む。この場合に、中間膜は、2層以上の構造を有する。
【0038】
(構成(2-2))上記中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第1の層と、上記第1の層の第1の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第2の層とを備える。上記中間膜は、上記第1の層の上記第1の表面側とは反対の第2の表面側に配置されており、かつポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含む第3の層とを備える。上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層の内の少なくとも1つの層が、紫外線吸収剤を含む。この場合に、中間膜は、3層以上の構造を有する。
【0039】
上記中間膜は、上記構成(1)を満足していてもよく、上記構成(2)を満足していてもよい。上記中間膜は、上記構成(2)を満足することが好ましい。上記中間膜は、上記構成(2-1)を満足していてもよく、上記構成(2-2)を満足していてもよい。上記中間膜は、上記構成(2-2)を満足することが好ましい。
【0040】
上記中間膜は、上記第2の層を、中間膜における表面層として備えることが好ましい。上記中間膜は、上記第3の層を、中間膜における表面層として備えることが好ましい。
【0041】
合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下を効果的に抑える観点からは、上記第2の層のガラス転移温度は、好ましくは上記第1の層のガラス転移温度よりも高い。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下を効果的に抑える観点からは、上記第2の層のガラス転移温度は、好ましくは25℃を超え、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは33℃以上、特に好ましくは35℃以上である。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難する観点からは、上記第3の層のガラス転移温度は、好ましくは上記第1の層のガラス転移温度よりも高い。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難する観点からは、上記第3の層のガラス転移温度は、好ましくは25℃を超え、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは33℃以上、特に好ましくは35℃以上である。上記第2の層及び上記第3の層のガラス転移温度の上限は特に限定されない。中間膜の遮音性をより一層高める観点から、上記第2の層及び上記第3の層のガラス転移温度は60℃以下であってもよい。
【0042】
中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第1の層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましく、可塑剤を含むことが好ましい。中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記第2の層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましく、可塑剤を含むことが好ましい。また、中間膜を用いた合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、中間膜が上記第3の層を備える場合に、上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましく、可塑剤を含むことが好ましい。また、上記第3の層がポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含むことにより、合わせガラスの端部において空隙がより一層生じ難くなり、かつ合わせガラスの透明性を維持することができる。
【0043】
上記第1の層と上記第2の層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含むことが好ましい。上記第1の層と上記第2の層と上記第3の層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含むことが好ましい。
【0044】
上記第1の層と上記第2の層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含むことが好ましい。上記第1の層と上記第2の層と上記第3の層とがそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤と酸化防止剤とを含むことが好ましい。
【0045】
以下、本発明に係る合わせガラス用中間膜を構成する上記第1の層(単層の中間膜を含む)、上記第2の層及び上記第3の層の詳細、並びに上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層に含まれる各成分の詳細を説明する。
【0046】
(ポリビニルアセタール樹脂)
上記第1の層(単層の中間膜を含む)は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)と上記ポリビニルアセタール樹脂(2)と上記ポリビニルアセタール樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0047】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70~99.9モル%である。なお、ポリオキシメチレン(又はポリアセタール)樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂に含まれる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
【0048】
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、より一層好ましくは1500以上、更に好ましくは1600以上、特に好ましくは2600以上、最も好ましくは2700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。特に、上記ポリビニルアルコールの平均重合度が1500以上であると、脱気不良によって合わせガラスの外観が悪くなることを防ぐことができる。
【0049】
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
【0050】
上記ポリビニルアセタール樹脂に含まれるアセタール基の炭素数は特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する際に用いるアルデヒドは特に限定されない。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は3~5であることが好ましく、3又は4であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が3以上であると、中間膜のガラス転移温度が充分に低くなる。
【0051】
上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられる。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド又はn-バレルアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドがより好ましく、アセトアルデヒド又はn-ブチルアルデヒドが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0052】
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは22モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは27モル%未満、更に好ましくは25モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の接着力がより一層高くなる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率が20モル%以上であると反応効率が高く生産性に優れ、また27モル%未満であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0053】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上、好ましくは35モル%以下、より好ましくは32モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の接着力がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
【0054】
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0055】
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より一層好ましくは7モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは15モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度が0.1モル%以上、25モル%以下であると、耐貫通性に優れる。
【0056】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセチル化度は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
【0057】
上記アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0058】
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは47モル%以上、より好ましくは60モル%以上、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0059】
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは55モル%以上、より好ましくは67モル%以上、好ましくは75モル%以下、より好ましくは71モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
【0060】
上記アセタール化度は、以下のようにして求める。先ず、主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を求める。得られた値を、主鎖の全エチレン基量で除算してモル分率を求める。このモル分率を百分率で示した値がアセタール化度である。
【0061】
なお、上記水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することが好ましい。但し、ASTM D1396-92による測定を用いてもよい。ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記水酸基の含有率(水酸基量)、上記アセタール化度(ブチラール化度)及び上記アセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
【0062】
合わせガラスの耐貫通性をより一層良好にする観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)は、アセチル化度(a)が8モル%以下であり、かつアセタール化度(a)が70モル%以上であるポリビニルアセタール樹脂(A)であるか、又はアセチル化度(b)が8モル%を超えるポリビニルアセタール樹脂(B)であることが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)は、上記ポリビニルアセタール樹脂(A)であってもよく、上記ポリビニルアセタール樹脂(B)であってもよい。
【0063】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)のアセチル化度(a)は8モル%以下、好ましくは7.5モル%以下、より好ましくは7モル%以下、更に好ましくは6.5モル%以下、特に好ましくは5モル%以下、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、更に好ましくは0.8モル%以上、特に好ましくは1モル%以上である。上記アセチル化度(a)が上記上限以下及び上記下限以上であると、可塑剤の移行を容易に制御でき、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。
【0064】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)のアセタール化度(a)は70モル%以上、好ましくは70.5モル%以上、より好ましくは71モル%以上、更に好ましくは71.5モル%以上、特に好ましくは72モル%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂(A)のアセタール化度(a)は好ましくは85モル%以下、より好ましくは83モル%以下、更に好ましくは81モル%以下、特に好ましくは79モル%以下である。上記アセタール化度(a)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。上記アセタール化度(a)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(A)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
【0065】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)の水酸基の含有率(a)は好ましくは18モル%以上、より好ましくは19モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、特に好ましくは21モル%以上、好ましくは31モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは29モル%以下、特に好ましくは28モル%以下である。上記水酸基の含有率(a)が上記下限以上であると、上記第1の層の接着力がより一層高くなる。上記水酸基の含有率(a)が上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。
【0066】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセチル化度(b)は、8モル%を超え、好ましくは9モル%以上、より好ましくは9.5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上、特に好ましくは10.5モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは28モル%以下、更に好ましくは26モル%以下、特に好ましくは24モル%以下である。上記アセチル化度(b)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。上記アセチル化度(b)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(B)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
【0067】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)のアセタール化度(b)は好ましくは50モル%以上、より好ましくは53モル%以上、更に好ましくは55モル%以上、特に好ましくは60モル%以上、好ましくは80モル%以下、より好ましくは78モル%以下、更に好ましくは76モル%以下、特に好ましくは74モル%以下である。上記アセタール化度(b)が上記下限以上であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。上記アセタール化度(b)が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂(B)を製造するために必要な反応時間を短縮できる。
【0068】
上記ポリビニルアセタール樹脂(B)の水酸基の含有率(b)は好ましくは18モル%以上、より好ましくは19モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、特に好ましくは21モル%以上、好ましくは31モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは29モル%以下、特に好ましくは28モル%以下である。上記水酸基の含有率(b)が上記下限以上であると、上記第1の層の接着力がより一層高くなる。上記水酸基の含有率(b)が上記上限以下であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。
【0069】
上記ポリビニルアセタール樹脂(A)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(B)はそれぞれ、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましい。
【0070】
(可塑剤)
上記第1の層(単層の中間膜を含む)は可塑剤(以下、可塑剤(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の層は可塑剤(以下、可塑剤(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は可塑剤(以下、可塑剤(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む層の合わせガラス部材又は他の層に対する接着力が適度に高くなる。上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤(1)と上記可塑剤(2)と上記可塑剤(3)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0071】
上記可塑剤としては、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などの有機リン酸可塑剤等が挙げられる。有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
【0072】
上記一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、n-ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
【0073】
上記多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4~8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
【0074】
上記有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
【0075】
上記有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0076】
上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
【0077】
【0078】
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数2~10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn-プロピレン基を表し、pは3~10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数5~10の有機基であることが好ましく、炭素数6~10の有機基であることがより好ましい。
【0079】
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)又はトリエチレングリコールジ-2-エチルプロパノエートを含むことが好ましい。上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート又はトリエチレングリコールジ-2-エチルブチレートを含むことがより好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートを含むことが更に好ましい。
【0080】
上記第1の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)100重量部に対する上記可塑剤(1)の含有量を、含有量(1)とする。上記含有量(1)は好ましくは40重量部以上、より好ましくは55重量部以上、好ましくは90重量部以下、より好ましくは85重量部以下である。上記含有量(1)が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(1)が上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層高くなる。
【0081】
上記第2の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)100重量部に対する上記可塑剤(2)の含有量を、含有量(2)とする。上記第3の層において、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)100重量部に対する上記可塑剤(3)の含有量を、含有量(1)とする。上記含有量(2)及び上記含有量(3)はそれぞれ、好ましくは30重量部以上、より好ましくは35重量部以上、好ましくは44重量部以下、より好ましくは42重量部以下である。上記含有量(2)及び上記含有量(3)がそれぞれ上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(2)及び上記含有量(3)がそれぞれ上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。
【0082】
合わせガラスの端部において空隙をより一層生じ難くする観点からは、上記含有量(1)は上記含有量(2)よりも多いことが好ましく、上記含有量(1)は上記含有量(3)よりも多いことが好ましい。
【0083】
合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記含有量(1)と上記含有量(2)との差の絶対値、並びに上記含有量(1)と上記含有量(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上である。上記含有量(1)と上記含有量(2)との差の絶対値、並びに上記含有量(1)と上記含有量(3)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは50重量部以下である。
【0084】
(紫外線吸収剤)
上記中間膜は、紫外線吸収剤を含む。上記第1の層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。上記第2の層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。上記第3の層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤の使用により、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。上記紫外線吸収剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0085】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、金属系紫外線吸収剤、金属酸化物系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物)、トリアジン系紫外線吸収剤(トリアジン化合物、トリアジン構造を有する化合物)、マロン酸エステル系紫外線吸収剤(マロン酸エステル化合物、マロン酸エステル構造を有する化合物)、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤(シュウ酸アニリド化合物、シュウ酸アニリド構造を有する化合物)及びベンゾエート系紫外線吸収剤(ベンゾエート化合物、ベンゾエート構造を有する化合物)等が挙げられる。
【0086】
上記金属系紫外線吸収剤としては、例えば、白金粒子、白金粒子の表面をシリカで被覆した粒子、パラジウム粒子及びパラジウム粒子の表面をシリカで被覆した粒子等が挙げられる。紫外線吸収剤は、遮熱粒子ではないことが好ましい。
【0087】
上記金属酸化物系紫外線吸収剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウム等が挙げられる。さらに、上記金属酸化物系紫外線吸収剤として、表面が被覆されていてもよい。上記金属酸化物系紫外線吸収剤の表面の被覆材料としては、絶縁性金属酸化物、加水分解性有機ケイ素化合物及びシリコーン化合物等が挙げられる。
【0088】
上記絶縁性金属酸化物としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。上記絶縁性金属酸化物は、例えば5.0eV以上のバンドギャップエネルギーを有する。
【0089】
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「TinuvinP」)、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin320」)、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)、及び2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin328」)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線を吸収する性能に優れることから、上記紫外線吸収剤はハロゲン原子を含むベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましく、塩素原子を含むベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることがより好ましい。
【0090】
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾン(BASF社製「Chimassorb81」)等が挙げられる。
【0091】
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチロキシ)フェノール(CYTEC社製「UV-1164」)、ADEKA社製「LA-F70」及び2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(BASF社製「Tinuvin1577FF」)等が挙げられる。
【0092】
上記マロン酸エステル系紫外線吸収剤としては、2-(p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、テトラエチル-2,2-(1,4-フェニレンジメチリデン)ビスマロネート、2-(p-メトキシベンジリデン)-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル4-ピペリジニル)マロネート等が挙げられる。
【0093】
上記マロン酸エステル系紫外線吸収剤の市販品としては、(p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル(クラリアント社製「Hostavin PR-25」)、Hostavin B-CAP、Hostavin PR-25、Hostavin PR-31(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
【0094】
上記シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-5-t-ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N-(2-エチルフェニル)-N’-(2-エトキシ-フェニル)シュウ酸ジアミド、2-エチル-2’-エトキシ-オキシアニリド(クラリアント社製「SanduvorVSU」)などの窒素原子上に置換されたアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
【0095】
上記ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート(BASF社製「Tinuvin120」)等が挙げられる。
【0096】
合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤が、マロン酸エステル化合物又はトリアジン化合物を含むことが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤が、上記マロン酸エステル化合物を含むことが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記マロン酸エステル化合物が、(p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチルであることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤が、上記トリアジン化合物を含むことが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記トリアジン化合物が、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチロキシ)フェノールであることが好ましい。
【0097】
紫外線の吸収効果を高め、合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物を含むことが好ましく、マロン酸エステル化合物又はトリアジン化合物と、ベンゾトリアゾール化合物とを含むことがより好ましい。上記紫外線吸収剤は、マロン酸エステル化合物とベンゾトリアゾール化合物とを含んでいてもよく、トリアジン化合物とベンゾトリアゾール化合物とを含んでいてもよい。紫外線の吸収効果を高め、合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記ベンゾトリアゾール化合物が、2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールであることが好ましい。
【0098】
上記中間膜100重量%中又は上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上である。上記中間膜100重量%中又は上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下である。上記紫外線吸収剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、期間経過後の可視光線透過率の低下をより一層抑制することができる。特に、上記紫外線吸収剤を含む層100重量%中、上記紫外線吸収剤の含有量が0.2重量%以上であることにより、中間膜及び合わせガラスの期間経過後の可視光線透過率の低下を顕著に抑制できる。
【0099】
合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、中間膜100重量%中、上記マロン酸エステル化合物の含有量が0.14重量%以上、0.6重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記マロン酸エステル化合物の含有量が0.14重量%以上、0.6重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、中間膜100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、中間膜100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、0.2重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.045重量%以上、0.2重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、中間膜100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.08重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記トリアジン化合物の含有量が0.08重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、中間膜100重量%中、ベンゾトリアゾール化合物の含有量が0重量%を超え、0.33重量%以下であることが好ましい。合わせガラスの端部において空隙を効果的に生じ難くする観点からは、上記紫外線吸収剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)ベンゾトリアゾール化合物の含有量が0重量%を超え、0.33重量%以下であることが好ましい。
【0100】
(酸化防止剤)
上記中間膜は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第1の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第2の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第3の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0101】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記硫黄系酸化防止剤は硫黄原子を含有する酸化防止剤である。上記リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。
【0102】
上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤であることが好ましい。
【0103】
上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’-t-ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0104】
上記リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、及び2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル-1-フェニルオキシ)(2-エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
【0105】
上記酸化防止剤の市販品としては、例えばBASF社製「IRGANOX 245」、BASF社製「IRGAFOS 168」、BASF社製「IRGAFOS 38」、住友化学工業社製「スミライザーBHT」、並びにBASF社製「IRGANOX 1010」等が挙げられる。
【0106】
中間膜及び合わせガラスの高い可視光線透過率を長期間に渡り維持するために、上記中間膜100重量%中又は酸化防止剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は0.1重量%以上であることが好ましい。また、酸化防止剤の添加効果が飽和するので、上記中間膜100重量%中又は上記酸化防止剤を含む層100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は2重量%以下であることが好ましい。
【0107】
(他の成分)
上記中間膜、上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層はそれぞれ、必要に応じて難燃剤、帯電防止剤、顔料、染料、接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0108】
(合わせガラス用中間膜の他の詳細)
上記中間膜の一端と他端との距離は、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、特に好ましくは1m以上であり、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下、特に好ましくは1.5m以下である。中間膜が長さ方向と幅方向とを有する場合には、一端と他端との距離は、中間膜の長さ方向の距離である。中間膜が正方形の平面形状を有する場合には、一端と他端との距離は、対向し合う一端と他端との距離である。
【0109】
2層以上の構造又は3層以上の構造を有する合わせガラス用中間膜である場合に、合わせガラスの遮音性能をより一層良好にする観点からは、上記第1の層のガラス転移温度は好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下である。上記第1の層のガラス転移温度は、好ましくは-15℃以上である。
【0110】
本発明に係る合わせガラス用中間膜の厚みは特に限定されない。実用面の観点、並びに遮熱性を充分に高める観点からは、中間膜の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。中間膜の厚みが上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性が高くなる。中間膜の厚みが上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層良好になる。
【0111】
中間膜の厚みをTとする。多層の中間膜の場合に、合わせガラスの端部において空隙をより一層生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下をより一層抑える観点からは、上記第1の層の厚みは、好ましくは0.0625T以上、より好ましくは0.1T以上、好ましくは0.375T以下、より好ましくは0.25T以下である。
【0112】
合わせガラスの端部において空隙をより一層生じ難くし、かつ合わせガラスの透明性の低下をより一層抑える観点からは、上記第2の層及び上記第3の層の各厚みは、好ましくは0.625T以上、より好ましくは0.75T以上、好ましくは0.9375T以下、より好ましくは0.9T以下である。また、上記第2の層及び上記第3の層の各厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
【0113】
合わせガラスの端部において空隙をより一層生じ難くする観点からは、中間膜が上記第2の層と上記第3の層とを備える場合に、上記第2の層と上記第3の層との合計の厚みは、好ましくは0.625T以上、より好ましくは0.75T以上、好ましくは0.9375T以下、より好ましくは0.9T以下である。また、上記第2の層と上記第3の層との合計の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制できる。
【0114】
上記中間膜は、厚みが均一な中間膜であってもよく、厚みが変化している中間膜であってもよい。上記中間膜の断面形状は矩形であってもよく、楔形であってもよい。
【0115】
本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法としては特に限定されない。本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法としては、単層の中間膜の場合に、樹脂組成物を押出機を用いて押出する方法が挙げられる。本発明に係る合わせガラス用中間膜の製造方法としては、多層の中間膜の場合に、例えば、各層を形成するための各樹脂組成物を用いて各層をそれぞれ形成した後に、得られた各層を積層する方法、並びに各層を形成するための各樹脂組成物を押出機を用いて共押出することにより、各層を積層する方法等が挙げられる。連続的な生産に適しているため、押出成形する製造方法が好ましい。
【0116】
中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とが同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。
【0117】
上記中間膜は、両側の表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有することが好ましい。上記中間膜は、両側の表面に凹凸形状を有することがより好ましい。上記の凹凸形状を形成する方法としては特に限定されず、例えば、リップエンボス法、エンボスロール法、カレンダーロール法、及び異形押出法等が挙げられる。定量的に一定の凹凸模様である多数の凹凸形状のエンボスを形成することができることから、エンボスロール法が好ましい。
【0118】
(プレス中間膜)
上記プレス中間膜は、上記中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス成型機にてプレス加工することより得られる。
【0119】
上記プレス中間膜の分光透過率は、JIS R3106(1998)に準拠して、分光光度計を用いて測定される。測定機としては、日立製作所社製「U4100」等が挙げられる。
【0120】
上記プレス中間膜の分光透過率は、波長380nmで60%以上あり、好ましくは62%以上、より好ましくは63%以上である。上記下限を満たすと、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの透明性を維持することができる。
【0121】
上記プレス中間膜の分光透過率は、波長350nmで40%以下あり、好ましくは35%以下、より好ましくは20%以下である。上記上限を満たすと、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの端部において空隙を生じ難くすることができる。
【0122】
上記プレス中間膜の分光透過率は、波長320nmで38%以下あり、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。上記上限をみたすと、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの端部において空隙を生じ難くすることができる。
【0123】
(合わせガラス)
図3は、
図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す部分切欠断面図である。
【0124】
図3に示す合わせガラス11は、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜1とを備える。中間膜1は、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。
【0125】
中間膜1の第1の表面1aに、第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜1の第1の表面1aとは反対の第2の表面1bに、第2の合わせガラス部材22が積層されている。中間膜1の第2の層3の外側の表面3aに第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜1の第3の層4の外側の表面4aに第2の合わせガラス部材22が積層されている。
【0126】
図4は、
図2に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す部分切欠断面図である。
【0127】
図4に示す合わせガラス41は、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜31とを備える。中間膜
31は、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。中間膜31の第1の表面31aに、第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜31の第1の表面31aとは反対の第2の表面31bに、第2の合わせガラス部材22が積層されている。
【0128】
このように、本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上記第1の合わせガラス部材と第2の合わせガラス部材との間に配置された中間膜とを備えており、該中間膜が、本発明の合わせガラス用中間膜である。
【0129】
上記合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。上記合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材がそれぞれ、ガラス板又はPETフィルムであり、上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材の内の少なくとも一方が、ガラス板であることが好ましい。
【0130】
上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、及び線入り板ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代わる合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
【0131】
上記合わせガラス部材の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、上記合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。上記合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.5mm以下である。
【0132】
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。先ず、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、中間膜を挟んで、積層体を得る。次に、例えば、得られた積層体を押圧ロールに通したり又はゴムバッグに入れて減圧吸引したりすることにより、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70~110℃で予備接着して予備圧着された積層体を得る。次に、予備圧着された積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120~150℃及び1~1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。
【0133】
上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、車両用又は建築用の中間膜及び合わせガラスであることが好ましく、車両用の中間膜及び合わせガラスであることがより好ましい。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車に好適に用いられる。上記中間膜は、自動車の合わせガラスを得るために用いられる。
【0134】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
【0135】
以下の実施例、参考例及び比較例で用いたポリビニルブチラール(PVB)樹脂に関しては、ブチラール化度(アセタール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はJIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定した。なお、ASTM D1396-92により測定した場合も、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法と同様の数値を示した。
【0136】
また、実施例、参考例及び比較例では、以下の紫外線吸収剤及び酸化防止剤を用いた。
【0137】
紫外線吸収剤:
Hostavin PR-25((p-メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、クラリアント社製「Hostavin PR-25」)
UV-1164(2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(オクチロキシ)フェノール、CYTEC社製「UV-1164」)
Tinuvin405(2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-3-(2-エチルヘキシル)オキシ-2-ヒドロキシプロポキシフェノール、BASF社製「Tinuvin405」)
Tinuvin326(2-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、BASF社製「Tinuvin326」)
【0138】
酸化防止剤:
BHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)
IRGANOX 1076(フェノール骨格を有する酸化防止剤、BASF社製)
IRGANOX 259(フェノール骨格を有する酸化防止剤、BASF社製)
【0139】
(実施例1)
中間膜を形成するための組成物Xの作製:
以下の成分を混合し、中間膜を形成するための組成物Xを得た。
【0140】
ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度1700、水酸基の含有率30モル%、アセチル化度1モル%、アセタール化度69モル%)100重量部
可塑剤であるトリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)40重量部
得られる中間膜中で下記の表1に示す量のUV-1164(CYTEC社製)
得られる中間膜中で下記の表1に示す量のBHT
【0141】
中間膜の作製:
中間膜を形成するための組成物Xを、押出機を用いて押出することにより、単層の中間膜(厚み800μm)を作製した。
【0142】
合わせガラスの作製:
得られた中間膜を、縦8cm×横8cmに切り出した。次に、2枚のクリアガラス(縦8cm×横8cm×厚み2.5mm)の間に中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。
【0143】
(実施例2,4~7,9~12,14及び15、参考例3,8及び13並びに比較例1~5)
中間膜に含まれる成分(紫外線吸収剤及び酸化防止剤)の種類及び成分(紫外線吸収剤及び酸化防止剤)の含有量を下記の表1,2に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0144】
(評価)
(1)プレス中間膜の分光透過率
縦8cm×横8cmに切り出した厚み800μmの上記中間膜をプレス前の厚みの3%の厚みまでプレス成型機でプレス加工して、プレス中間膜を得た。次に、2枚のクリアガラス(縦8cm×横8cm×厚み2.5mm)の間に上記プレス中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。分光光度計(日立製作所社製「U4100」)を用いて、JIS R3106(1998)に準拠して、プレス中間膜(合わせガラス)について、波長380nm、波長350nm、及び波長320nmでの分光透過率を評価した。
【0145】
(2)合わせガラスの端部における空隙の状態(エッジ発泡)
紫外線照射装置(スガ試験機社製「HLG-2S」)を用いて、JIS R3205に準拠して、紫外線(石英ガラス水銀灯(750W))を、合わせガラスに2000時間照射した。試験後に、合わせガラスの端部を観察し、合わせガラスの端部における空隙の状態を評価した。空隙の状態を下記の基準で判定した。
【0146】
[空隙の状態の判定基準]
○:合わせガラスの端部において、空隙がないか、又は、端部から該端部を有する端辺に直交する方向に内側に向かって1mm以下の距離までに空隙が留まっている
×:合わせガラスの端部において、端部から該端部を有する端辺に直交する方向に内側に向かって1mmを超える距離までに空隙が至っている
【0147】
結果を下記の表1,2に示す。
【0148】
なお、全ての実施例及び参考例において合わせガラスの透明性に問題が無いことを目視にて確認した。
【0149】
【0150】
【0151】
単層の中間膜を形成した実施例1,2,4~7,9~12,14及び15、参考例3,8及び13を示した。本発明者らの検討結果では、上記の構成(2)を備える中間膜を形成した場合でも、プレス中間膜の分光透過率が実施例1,2,4~7,9~12,14及び15、参考例3,8及び13と同程度であれば、合わせガラスの端部において空隙が生じ難くなり、かつ合わせガラスの透明性の低下が抑えられた。
【符号の説明】
【0152】
1…中間膜
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…第1の層
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…第2の層
3a…外側の表面
4…第3の層
4a…外側の表面
11…合わせガラス
21…第1の合わせガラス部材
22…第2の合わせガラス部材
31…中間膜
31a…第1の表面
31b…第2の表面
41…合わせガラス