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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】皮膚を照射する装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/067 20060101AFI20220401BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20220401BHJP
   G02B 17/00 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A61N5/067
A61B18/20
G02B17/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018562700
(86)(22)【出願日】2017-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2017053589
(87)【国際公開番号】W WO2017140829
(87)【国際公開日】2017-08-24
【審査請求日】2020-01-27
(31)【優先権主張番号】16156270.7
(32)【優先日】2016-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518294557
【氏名又は名称】ファテミ,アフシン
【氏名又は名称原語表記】FATEMI,Afschin
【住所又は居所原語表記】Leuchtenberger Kirchweg 75d, 40474 Dusseldorf Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ファテミ,アフシン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-218798(JP,A)
【文献】特開2000-316998(JP,A)
【文献】特表2005-500108(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0230863(US,A1)
【文献】特開2010-185664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06 - A61N 5/067
A61B 18/20 - A61B 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間または動物の皮膚または組織内に存在する対象構造物(1)を照射する装置であって、
少なくとも1つのレーザ光源(2)と、
少なくとも1つの光学素子(3)であって、光出射開口(5)を通してレーザ放射(4)を案内し、前記光出射開口(5)外の焦点(6)に集光する光学素子(3)と、
少なくとも1つの調整要素(7)であって、皮膚表面(8)と、前記対象構造物(1)の領域に位置決めされる前記焦点(6)との間の間隔を調整可能な調整要素(7)と、
少なくとも一時的に制御信号を前記レーザ光源(2)、前記光学素子(3)および/または前記調整要素(7)に伝送する制御ユニット(14)と、
を備える、装置において、
前記光学素子(3)は、凸面の鏡(9)を凹面鏡(10)内に配置したアレンジメントを有し、
前記凸面の鏡および凹面鏡は、前記レーザ光源(2)から発せられたレーザ放射(4)の少なくとも一部が、前記凹面鏡(10)内に設けられた開口(11)を通過し、前記開口(11)を通過した前記レーザ放射(4)が、前記凸面の鏡(9)に当たって、前記凸面の鏡(9)により前記凹面鏡(10)に向けて偏向され、前記凹面鏡(10)から前記光出射開口(5)を通り抜けるように配置されている、
前記制御ユニット(14)内または前記制御ユニット(14)に接続されたデータ記憶装置(15)内に、照射または透過すべき皮膚または組織の特性が格納され
前記調整要素(7)は、前記光出射開口(5)と前記皮膚との間の間隔が調整可能であるように前記皮膚表面(8)に載置可能なスペーサ(12)を有し、
前記スペーサ(12)は、前記光出射開口(5)と前記皮膚表面(8)との間に少なくとも2つの異なる間隔を調整することができるように、前記スペーサ(12)を少なくとも部分的に動かすことが可能なアクチュエータを有し、
前記制御ユニット(14)は、前記特性に基づいて、前記レーザ光源(2)、前記光学素子(3)、および前記調整要素(7)を制御する
ことを特徴とする、人間または動物の皮膚または組織内に存在する対象構造物を照射する装置。
【請求項2】
前記調整要素(7)は、前記光学素子(3)の少なくとも1つの構成要素を動かすことが可能な少なくとも1つの運動手段(13)であって、前記光出射開口(5)と前記焦点(6)との間の間隔がこの運動に基づいて調節されるように前記構成要素を動かす運動手段(13)を有することを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
皮膚表面(8)、特に角質層の表面を冷却可能な少なくとも1つの冷却要素を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニット(14)内または前記制御ユニット(14)に連結したデータ記憶装置(15)内に、少なくとも1つの皮膚層および/または組織タイプの特性が格納されていることを特徴とする、請求項記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニット(14)内または前記制御ユニット(14)に連結したデータ記憶装置(15)内に、少なくとも1つの光学特性、特に少なくとも1つの皮膚領域および/または組織領域の屈折率および/または吸収率についての値が格納されていることを特徴とする、請求項または記載の装置。
【請求項6】
前記レーザ光源(2)は、He-Ne-レーザ、Nd-YAG-レーザおよび/またはEr-YAG-レーザを有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記レーザ光源(2)、前記光学素子(3)および前記調整要素(7)は、単数または複数のパーツからなるハウジング(16)により包囲されており、前記ハウジング(16)内には、前記光出射開口(5)が存在し、前記ハウジング(16)には、手動でのガイド用の把手(17)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記レーザ光源(2)と前記凸面の鏡(9)との間には、前記レーザ光放射(4)がビーム中心部に縁部領域よりも低い強度を有するように、前記レーザ光放射(4)の強度分布を変更する拡散光学系(20)が配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか1項記載の装置を少なくとも2つ備える、人間または動物の皮膚または組織内に存在する対象構造物(1)を照射するアレンジメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ放射を用いて対象構造物を照射する装置および方法ならびにレーザ放射により生じさせたフォーカルポイントの好適な使用に関する。この種の装置には、レーザ放射が様々な光路を経て対象構造物に到達し、照射に起因したエネルギの入力に基づいて、少なくとも部分的に、対象構造物の特性変化が行われるように構成した、少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つの光偏向手段とが設けられている。
【背景技術】
【0002】
レーザから送出されるビームは、とりわけ、その高い強度と、放射の極めて狭い周波数範囲と、これに伴うターゲット固有の選択性と、ビームのシャープな集束と、長いコヒーレンス長とを特徴とする。技術分野における多くの公知の用途に加え、レーザは、医学技術においても多用されている。而して、例えば皮膚科学では、レーザビームを用いた切除および硬化が行われる。同じく血管は、所定の波長のレーザにより凝固され、そして色素斑は、アブレーションレーザあるいはいわゆるピーリングレーザを用いて除去または選択的に破壊され得る。さらに皮下の色素は、超短波パルスレーザ源を用いて、皮膚表面に損傷を残すことなく破壊され、ひいては取り除かれる。また、毛根は、ロングパルスレーザを用いて破壊され、永久脱毛される。さらにレーザは、一部において、炎症性の皮膚疾患、例えば乾癬(鱗屑)を集中的に処置するために使用されるか、または皮膚の状態を美容改善するために、皮膚の表面の凹凸、例えば丘疹または小じわを平滑化する(リサーフェシング)。皮膚科学における別の用途では、選択的に皮膚の一部を加熱して、コラーゲン生成を促し、この領域の皮膚にハリをもたせるために、レーザが使用される(サブサーフェシング)。
【0003】
使用するレーザの種類に応じて、種々異なる相互作用が、皮膚あるいは組織と、レーザから送出された光との間で生じる。この相互作用の種類は、一方では、皮膚あるいは組織の光学特性、特に散乱係数および吸収係数および密度に依存し、他方では、レーザ光の物理的パラメータ、特に波長、エネルギ密度、繰り返し率、照射持続時間およびスポットサイズに依存している。
【0004】
レーザ-組織-相互作用は、それぞれ異なるメカニズムに分類される。レーザ-組織-相互作用には、光熱的、光機械的あるいは光音響的および光化学的相互作用がある。さらに一部において、光によるアブレーション、いわゆるフォトアブレーションの現象も利用される。これらの効果の中には、高いエネルギが持ち込まれ、これにより組織中に含まれる水の蒸散が引き起こされることで達成される光熱的効果の、大抵は定量化可能であって、大抵は観察を行っている反応がある。照射される媒体および相応の構造物の性状と、照射パラメータとに応じて、種々異なる効果が様々な強さで現れる。このとき、吸収されたエネルギと、照射時間とは、組織作用に影響を及ぼす最大の部分であると仮定される。相応の相互作用は、『C.Raulin,S.Kasei(Hrsg.),Lasertherapie der Haut,Springer-Verlag Berlin,Heidelberg 2013』に詳しく記載されている。
【0005】
この関連で、米国特許出願公開第2011/0313408号明細書には、皮膚を処置するレーザが記載されている。記載された技術的解決手段において重要であるのは、照射のために、長いパルス持続時間を有する第1のレーザビームと、短いパルス持続時間を有する第2のレーザビームとを、皮膚の表面領域を冷却する冷却要素を同時に使用しながら、使用することである。第1のレーザビームにより、皮膚組織の所定の体積が、冷却された表面領域の下で加熱され、これにより、まだ皮膚組織に損傷が現れる限界下で皮膚組織を変性させることができる。第2のレーザビームは、分割された光ファイバを用いて、分割された多数のレーザビームに分けられ、分割された経路を経て皮膚組織を通して、予熱された皮膚組織内へ偏向され、これにより、この予熱された皮膚組織内の、標的を定めて選択した小さな体積内に機械的損傷を引き起こすことができる。
【0006】
さらに米国特許出願公開第2007/0239147号明細書において、対象構造物の熱損傷に基づいた、皮膚科学的疾患を処置するシステムが公知である。この場合、ビームの光束は、皮膚表面上の目標点に向けて標的を定めて方向付けられ、これにより、この目標位置の下の組織内の対象構造物を損傷させることができる。特に、第2の光線を同じ目標位置に偏向させる光偏向手段が設けられており、これにより、目標部位の下の別の組織体積を熱損傷させることができる。
【0007】
さらに米国特許第7066929号明細書において、狭帯域の電磁波の複数のビームを使用して皮下の組織を破壊する選択的光熱融解が公知である。ビームの各々は、組織を必要な温度に加熱し、過熱により破壊するに十分なエネルギを提供しないので、個々のビームは、目標点において重ねられ、その結果、目的とする組織を破壊するに十分な熱が発生される。記載された技術的解決手段によれば、このために、ビームの各々が放射装置から出る際に別々の角度で出射するように個々の光線を偏向させるビーム偏向装置が設けられている。レーザの好適な制御により、個々の様々なビームは、最終的に1点に集光される。
【0008】
さらに国際公開第2013/156421号は、同じく、レーザ光を用いて皮膚層および/または組織層を処置する装置を記載している。記載された装置において重要であるのは、同時にまたは交互に、対象構造物をそれぞれ異なる方向から照射すべく、多数のレーザ光源を使用することである。レーザ光源および/または好適な光偏向手段は、レーザ光が様々な経路で、処置すべき皮膚層または組織層内に、かつ対象構造物の領域に点状に集光されるように配置されている。
【0009】
これらの公知の、現在使用されている、皮膚を処置する技術的解決手段においてしばしば問題となるのは、レーザ放射が当たる皮膚領域が、そこからさらに皮膚あるいは皮下の組織内に侵達するために、損傷されてしまうことである。この種の損傷は、通常、所望されておらず、一部においては重篤な合併症に至らしめるおそれがある。さらに、隣接する組織領域、腺または皮膚もしくは組織のその他の部分に損傷を起こすことなく、より大きな、特に皮下の、比較的大深度にある対象構造物を集中的に破壊することは、多くの場合、かなりの問題となる。このことは、とりわけ、公知の技術的解決手段では、皮膚または皮下の組織内にある広範囲の対象構造物内への、十分な、それにも関わらず局所的に制限されたエネルギの入力を実現することが、十分には可能でないことに起因している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2011/0313408号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0239147号明細書
【文献】米国特許第7066929号明細書
【文献】国際公開第2013/156421号
【非特許文献】
【0011】
【文献】C.Raulin,S.Kasei(Hrsg.),Lasertherapie der Haut,Springer-Verlag Berlin,Heidelberg 2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術において公知の技術的解決手段と、上述の問題とから出発して、本発明の根底にある課題は、レーザを用いて人間または動物の皮膚を処置する装置を発展させ、必要なエネルギの入力が、少なくともほぼ、損傷させるべき対象構造物内でのみ行われるようにすることである。このとき、特に、レーザ放射が当たる皮膚の表皮の損傷は、回避されるとともに、全体として、皮膚あるいは組織内へのエネルギの入力は、その都度、必要最低限に減少されることが望ましい。ここで述べるシステムは、さらに、コンパクトな器械内に比較的簡単に組み込まれることが望ましく、かつ日々の運用に際し、経済的な使用を実現することが望ましい。さらに、提示するシステムは、柔軟な使用、特に皮膚およびその下に位置する組織の多種多様な処置の実施が可能であるように構成されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題は、請求項1記載の装置により解決される。焦点またはフォーカルポイントを対象構造物内に発生させる好適な方法は、請求項12に提示し、相応に発生されたレーザビームの、本発明に基づく使用は、請求項13に提示している。本発明の有利な実施の形態は、従属請求項に提示しており、これらについては、以下の説明中、一部において図面を参照しながら詳述する。
【0014】
本発明は、人間または動物の皮膚または組織、特に皮下の組織内に存在する対象構造物を照射する装置に関する。当該装置は、少なくとも1つのレーザ光源と、少なくとも1つの光学素子であって、光出射開口を通してレーザ放射を案内し、光出射開口外の焦点に集光する光学素子とを備えている。さらに、少なくとも1つの調整要素であって、皮膚表面と、対象構造物の領域に位置決めされる焦点との間の間隔を調整可能な調整要素が設けられている。当該装置は、本発明により発展され、光学素子は、凸面の鏡を凹面鏡内に配置したアレンジメント(Anordnung、arrangement)を有し、アレンジメント(凸面の鏡および凹面鏡)は、レーザ光源から発せられたレーザ放射の少なくとも一部が、凹面鏡内に設けられた開口を通過し、開口を通過したレーザ放射が、凸面の鏡に当たって、凸面の鏡により凹面鏡に向けて偏向され、凹面鏡から光出射開口を通り抜けるように配置されているようにしてある。
【0015】
本発明による凹面鏡内での凸面の鏡の配置は、実質的にシュヴァルツシルト型対物レンズの構成に相当するが、レーザビームの光路は、レーザ光源から出射開口まで、そしてさらには凹面鏡の焦点まで延びている。これにより、本発明により使用される光学素子は、互いに対向するように中心に配置された2つの鏡あるいはリフレクタ要素を有している。主鏡は、凹面を有する凹面鏡として構成されており、凹面鏡の鏡面は、光出射開口に向かって方向付けられている。それよりも明らかに小型の、凸面を有して成形された鏡(捕集鏡あるいは捕集リフレクタともいう)は、ドームミラーとして光出射開口近傍の位置にあり、その鏡面は、主鏡に面している。
【0016】
これにより、レーザ光源から送出されたレーザ光は、凹面鏡内に設けられた開口を通して小さな捕集鏡に入り、捕集鏡から半径方向あるいは球形または半球形の方向で凹面鏡に向けて偏向され、凹面鏡は、レーザ放射を最終的に出射開口を通して装置の周囲へ案内する。
【0017】
この関連で凹面鏡は、放物面鏡または球面の凹面鏡として構成されていることが可能である。ここで、放物面鏡は、光軸に対して平行に鏡に当たるすべての光線が正確に焦点に集束されることを特徴とする。これに対して、球扇形の形状を呈する球面の凹面鏡は、比較的単純であり、ひいては低コストに製造可能である。原則、凹面鏡を1ピースに構成するのが有利である。しかし、概して、複数のパーツ、特に2つのパーツから構成することも可能であって、いずれにしても、好ましくは中央に開口を設けて、この開口を通して、レーザ光源から到来した放射を通過させる。これにより放射を凸面の鏡に当てることができる。
【0018】
凸面の鏡の中心、特にレーザ光源に最も近いところに位置する箇所は、好ましくは、レーザ光源から発せられたレーザビームの光軸上に存在する。
【0019】
対象構造物内に焦点を位置決めするためには、レーザ光源は、光学素子とともに、対象構造物に対して相応の間隔を置いているように移動される必要がある。往々にして、対象構造物は、直に皮膚表面上になく、皮膚表面の下、例えば皮下の組織内に位置している。対象構造物の位置に応じて、処置のために予定されたレーザ放射の侵達深さ、ここでは特に皮膚表面からの焦点の間隔が調整されねばならない。放射の侵達深さとは、この関連で、通常、患者の身体内の焦点の深さ、つまり、皮膚表面からの焦点の間隔と解される。
【0020】
対象構造物が、直接、皮膚表面上にない場合、このことは、皮膚表面に当たるレーザ放射に関して、皮膚表面上の、レーザ放射が当たる面が、円環形または楕円形を有する一方、放射が、皮膚表面の下の対象構造物内に存在する焦点に集光されるという効果を有している。これにより、処置されるべきでなく、後に残る損傷は防止されるべき皮膚表面へのエネルギの入力は、最小化される。これに対して、対象構造物内、すなわち、焦点では、最大のエネルギの入力が達成される。この関連で附言すると、本発明による放射は、通常、正確に一点の焦点に集光されるのではなく、むしろフォーカルエリアまたはフォーカルボリュームに集光され、この領域において、入射されるレーザ放射の強度は、最大である。
【0021】
これにより、対象構造物における焦点あるいはフォーカルエリアの位置決めにとって重要であるのは、本発明において設けられる、皮膚表面と、対象構造物の領域に位置決めされる焦点との間の間隔を適切に調整可能な調整要素である。最も簡単な構成では、この調整は、レーザ光源が、光学素子と、好ましくは器械ハウジング内にかつ/または器械ハウジングに配置された出射開口とともに手動で、またはロボットアームにより、所定の位置に移動され、その結果、焦点あるいはフォーカルエリアが、対象構造物内に位置することにより達成される。皮膚表面に対する必要な間隔を調整することができるように、皮膚表面と、対象構造物の領域に位置決めされる焦点との間の間隔を適切に調整可能な調整要素が設けられている。
【0022】
本発明の特別な一発展形において、調整要素は、皮膚表面と光出射開口との間のその都度必要な間隔を調整するスペーサとして形成されている。これについて重要であるのは、少なくとも光学系の調整は変更せずとも、光出射開口と皮膚表面との間の間隔の変更により、同時に皮膚表面と焦点との間の間隔が変更されることである。こうして、好適なスペーサの選択により、皮膚内、あるいは皮膚の下にある組織内の、放射の焦点の侵達深さが変更され得る。原則、この関連で、例えば本発明により構成される装置のハウジングに交換可能に取り付けられる様々な大きさ、特に様々な長さの複数のスペーサを設けることが可能である。
【0023】
本発明の別の一実施の形態において、スペーサは、光出射開口と皮膚との間に少なくとも2つの異なる間隔を調整することができるように、スペーサを少なくとも部分的に動かすことが可能なアクチュエータを有している。この種のアクチュエータは、例えばレバーまたは調整ホイールの形態で、そこに連結される可動の要素を伴って構成されていることができ、その結果、スペーサの長さは、光出射開口と皮膚表面との間の所望の間隔に合わせて調整可能である。これとは異なりまたはこれに加えて、アクチュエータは、好ましくは電気的に駆動される要素、例えば、必要であれば伝動機構と組み合わされてもよい電気モータを有していてもよく、電気的に駆動される要素を介して、スペーサを相応の長さに進出させたり、あるいは電気的に駆動される要素を用いて、光出射開口と皮膚表面との間の必要な間隔を調整したりすることができる。
【0024】
本発明の別の一実施の形態において、調整要素は、光学素子の少なくとも1つの構成要素を動かすことが可能な少なくとも1つの運動手段であって、出射開口と焦点との間の間隔がこの運動に基づいて調節されるように構成要素を動かす運動手段を有する。本実施の形態は、装置が、一定の間隔を置いて皮膚表面に載置されることができ、皮膚内の焦点の侵達深さが、光学素子の少なくとも1つの構成要素の調節により調節可能であるという利点を提供する。好ましくは、運動手段は、光学素子の両鏡の少なくとも一方に機械的に結合されており、これらの鏡の少なくとも一方を、レーザ放射の侵達深さが必要な値に調整され得るように動かすことが可能である。自明ではあるが、空気圧式または電磁式に駆動される運動手段の使用も可能である。
【0025】
特別な一実施の形態において、さらに、皮膚表面、特に角質層の表面を冷却可能な少なくとも1つの冷却要素が設けられている。レーザ放射が当たる皮膚表面を集中的に冷却するこの種の冷却要素の使用は、レーザ放射が当たって皮膚が加熱されてしまわないように作用することができるという利点を提供する。この関連で、有利には、皮膚の冷却を制御して実施してもよく、冷却の制御のために、レーザ光源から送出されるレーザ光のその都度の出力が考慮される。
【0026】
さらに好ましくは、少なくとも一時的に制御信号をレーザ光源および/または調整要素に伝送する制御ユニットが設けられている。この種の制御ユニットにより、一方では、レーザ光源から送出されるレーザ放射の強度を、他方では、皮膚あるいは皮下の組織内へのレーザ放射の侵達深さを、適切に変更し、而して患者固有の要求あるいは計画された処置に適合させることができる。
【0027】
さらに好ましくは、データ記憶装置が設けられており、データ記憶装置は、制御ユニット内に存在するか、または少なくとも制御ユニットに接続されており、データ記憶装置内には、処置すべきあるいは照射または透過すべき組織の特性が収められている。ここには、特に、それぞれ異なる皮膚領域および/もしくは組織領域または相応の皮膚タイプおよび/もしくは組織タイプの光学特性が収められているので、レーザ光源および/または光学素子は、制御ユニットにより生成される制御信号により、処置すべきでない周囲の組織に損傷を残すことなく、対象構造物の集中的な処置が実施されるように調整され得る。
【0028】
好ましくは、特別な光学特性の値、例えば異種の皮膚タイプまたは組織タイプの屈折率および/または吸収率が、データ記憶装置内に収められる。有利には、必要な値が、処置開始前に使用者により選択され、自動的にレーザ光源および/または光学素子の動作制御の基礎とされ得る。
【0029】
本発明の特別な一発展形において、レーザ光源は、強度および/または発せられる光の波長に関して制御可能な光源である。好ましくは、レーザ光源は、He-Ne-レーザ、Nd-YAG-レーザおよび/またはEr-YAG-レーザを有している。
【0030】
本発明の特別な一構成によれば、一方では、処置すべき領域を拡大すべく、かつ/または他方では、レーザ光放射が患者の皮膚と身体とを通って処置すべき領域へ至る道筋の様々な可能性を提供すべく、少なくとも2つ、好ましくはさらに多数のレーザ源が使用される。この関連で、これらの相応のレーザ光源に、上述の両鏡を有する本発明により構成された光学素子が割り当てられていると、有利である。さらに、レーザ光源の少なくとも1つおよび/またはそれぞれに割り当てられた光学素子が可動に構成されていると、有利である。運動は、例えば好適なサーボモータにより実施され、サーボモータの動作は、制御ユニットにより処置の種類および進捗に合わせて制御される。殊に特別な発展形では、光学素子が取り付けられた複数のレーザ光源を設け、これらを1つの円または弓形の上に配置し、相応のフレームに取り付けている。この場合、フレームおよび/またはこのフレームに取り付けられた少なくともレーザ光源と光学素子とからなる構成群は、選択的に可動に構成されていることができる。
【0031】
好ましくは、本発明により構成された装置の上述の構成要素は、器械ハウジング内に存在し、器械ハウジングは、装置を手動でガイドし、操作する少なくとも1つの把手を有している。好ましくは、把手の領域に、少なくとも1つのスイッチ素子が設けられており、スイッチ素子により、レーザ光源をオンにし、かつ/または所望のパラメータを特にガイド値または目標値として入力することができる。本発明の特別な一発展形によれば、このスイッチ素子または別のスイッチ素子により、調整要素および/または光学素子の調整も適切に変更することができ、その結果、光出射開口と焦点との間の間隔は、必要な値に調整可能である。
【0032】
さらに好ましくは、器械ハウジングは、データ記憶装置内に収められた選択可能なパラメータ、装置の使用中に生じる実際値および/または前調整もしくは入力した目標値を表示する少なくとも1つの表示ユニット、特にディスプレイを有している。
【0033】
装置に加え、本発明は、対象構造物内の構成要素の少なくとも1つの物質特性を集中的に変更するようにフォーカルポイントまたは焦点を発生させる方法にも関する。本発明に係る方法を具現化するにあたり、以下に提示する順序の方法ステップが生じる:
-レーザ光源によりレーザ放射を発生させ、光学素子によりレーザ放射を光出射開口に向けて偏向し、放射を光出射開口外で焦点またはフォーカルポイントに集光し、かつ
-構成要素表面と、対象構造物の領域に位置決めされるフォーカルポイントまたは焦点との間の間隔を調整要素により調整する。
【0034】
本発明に係る方法は、レーザ光源が発したレーザ放射の少なくとも一部を、凹面鏡内に設けられた開口を通して、鏡面とは反対側に位置する背面より通過させ、開口を通過したレーザ放射を凸面の鏡へ向かわせ、凸面の鏡により凹面鏡の鏡面に向けて案内し、凹面鏡から光出射開口を通してフォーカルポイントへ偏向させることを特徴とする。
【0035】
上述の装置および方法を用いて、好ましい形式で、対象構造物内、特に人間または動物の皮膚および/または皮下の組織内に位置する対象構造物内の物質の特性が変更され得る。この関連で、本発明に係る装置、特にこの装置により焦点またはフォーカルポイントの領域に発生されるレーザ放射は、ざ瘡(Akne、Acne)、皮膚汚れ(Hautverunreinigungen、Skin Impurities)、血管腫(Hamangiomen、Haemangiomas)、セルライト(Zellulitis、Cellulitis)、多汗症(Hyperhidrosis)、皮膚癌(Hautkrebs、Skin Cancer)、皮膚しわ(Hautfalten、Wrinkles)、静脈瘤(Varicosis,)、椎間板ヘルニア(Bandscheibenprolaps 、Disc Prolapse)および/または脂肪を処置するために使用される。
【0036】
以下に、本発明について一実施例を基に図面を参照しながら詳述するが、これは、一般的発明思想を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】対象構造物内に方向付けられたレーザビームを発生させる本発明により構成される装置を有するハンドガイド可能な器械を示す図である。
図2】レーザ光源を、本発明によるビームガイドを実現する光学素子とともに示す概略図である。
図3】レーザ光源と光学素子と有する複数の構成群を備える、皮膚科学的処置を行うアレンジメント(装置)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、レーザ光4を用いて皮膚科学的処置を行うハンドガイド可能な器械18として形成された本発明に係る装置を示している。照射器械18は、手で操作、ガイドすることができ、処置のために、対象構造物1を含む照射すべき領域の上方に保持される。図示の照射器械18は、主として、内部にレーザ光源2、光学素子3および光出射開口5が配置されたハウジング本体16、ならびにこの器械をガイドする把手17および調整要素7を備え、把手17および調整要素7は、ハウジング16に取り付けられている。把手17の領域には、レーザ光源2をオン/オフ可能なスイッチ素子19として、ハンドスイッチが設けられている。
【0039】
図示の手持ち式照射器械18により、疾患のある皮膚または皮下の組織の処置を簡単に実施することができる。器械ハウジング16内には、レーザ放射4を発生させるレーザ光源2が設けられている。レーザビーム4は、凹面鏡10内に設けられた開口11を通して、凹面鏡10の背面から入り、凸面の鏡9へと案内される。凸面の鏡9は、凹面鏡10の内部でレーザ放射4の光軸上に配置されている。この凸面の鏡9により、レーザ放射4は、凹面鏡10の鏡面に向けて偏向され、そこから、ハウジング16の壁内に設けられた光出射開口5を通るように偏向されるので、放射4は、焦点またはフォーカルポイント6の領域に集光される。
【0040】
調整要素7として、交換可能にハウジングに取り付けられるスペーサ12が設けられており、スペーサ12は、対象構造物1の上方にあるように患者の皮膚表面8に載置され、固定の間隔を光出射開口5と皮膚表面8との間に確定するので、皮膚表面8と焦点またはフォーカルポイント6との間の間隔も、ユーザにとって既知の、ある特定の間隔を有している。このとき、必要に応じて、特に、皮膚またはその下に存在する組織内への必要な侵達深さに応じて、代わる代わる照射器械18のハウジング16に取り付けることができ、それぞれ、所定の間隔を光出射開口5と皮膚表面8との間に調整する種々異なるスペーサ12が用意されていると、有利である。また、照射器械18のハウジング16に取り付けられていて、可動の構成要素を有し、それゆえ、光出射開口5と皮膚表面8との間の間隔を必要に合わせて適当に調整することが可能な調整要素7が設けられていてもよい。この調節は、手動式に、例えばねじ機構により実施されても、駆動要素、例えば電気モータにより実施されてもよい。
【0041】
ハウジング本体16の領域における手持ち式照射器械18の最大の外径(直径)は、約6cmである。構造的に特別に構成した場合、この直径は、約3.5~5cmである。
【0042】
レーザ光源2を運転する制御信号を生成する制御部14内では、データ記憶装置15内に、照射すべきかつ透過すべき組織および皮膚の光学特性が格納されている。処置開始前に、使用者によって、皮膚または皮下の組織内の処置範囲の位置が特定され、照射すべき3次元の好適な対象構造物1が確定される。さらに照射のために、レーザ放射4の確定された放射パラメータと、透過される領域、とりわけ、一方では皮膚表面8の、そして他方では対象構造物1の、制御部14内に格納された光学特性とが考慮される。こうして、処置中、皮膚あるいは皮下の組織内に、所望の特性変化が引き起こされる少なくとも1つの空間的なフォーカルポイント6を形成することが保証される。
【0043】
図2は、レーザ光源2を、本発明によるビームガイドを実現する光学素子3とともに示す概略図である。図示の装置により、対象構造物1内に、空間的な拡がりをもった焦点またはフォーカルポイント6が発生される。この場合、重要であるのは、少なくとも1つのレーザ光源2から送出された放射4が、シュヴァルツシルト型対物レンズと同様に配置された凹面鏡10と、この凹面鏡の中央に配置された凸面鏡9とにより、処置すべき領域、特に対象構造物1に向けて偏向されることである。
【0044】
この場合、光学素子のために使用される凹面鏡10と凸面鏡9とからなるアレンジメントは、とりわけ、例えばエキシマレーザにより発せられた光線の場合にそうであるように、ビーム中心部にビーム縁部よりも高い強度を有する不均一な強度分布を示す光線4が、縮小結像されることを特徴とする。エキシマレーザは、高い強度のコヒーレントなUV光線を発し、ゆえに医学において多用される。
【0045】
光学素子3の鏡9,10の本発明によるアレンジメントにとって特に重要であるのは、互いに対向するように中心に配置された両鏡9,10である。主鏡は、凹面鏡10として構成されており、凹面鏡10の鏡面は、光出射開口5あるいは皮膚表面8に向かって方向付けられている。それよりも明らかに小型の捕集鏡9は、ドームミラーあるいは凸面鏡として光出射開口5寄りに位置し、捕集鏡9の鏡面は、主鏡10に面している。
【0046】
レーザ光源2から発せられた光線4は、まず、拡散光学系20に到達する。拡散光学系20により、光線4の強度分布は、凹面鏡10と凸面鏡9とからなるアレンジメントに入射する前に、光線4が中央部において縁部領域よりも低い強度を有するように変更される。このために拡散光学系20は、例えば複プリズムおよびホモジナイザを有していることができる。続いて光線4は、凸面の捕集鏡9と、凹面鏡10とにより、確定された対象構造物1に向けて集光される。
【0047】
図示の技術的解決手段にとって重要であるのは、レーザ放射4が対象構造物1の領域に集光され、その結果、放射強度が、対象構造物1内に位置するフォーカルポイント6の領域で最大値をとり、これに対して、影響が残る形で変更されるべきではない皮膚領域および組織領域は、比較的低い放射束あるいは線量にしか曝されないことである。このことは、放射4が特に皮膚表面8の領域で比較的大きな円環面に分配される特別なビームガイドに起因する。これによりレーザ放射4の集光は、対象構造物1内で正確に標的を定めて実施可能である。
【0048】
特別な場合には、少なくとも一時的にレーザ放射の一部が当たる皮膚を保護する付加的な措置を講じるために、選択した処置に応じて、冷却要素が設けられている。冷却要素は、皮膚表面8を冷却し、こうして付加的に、レーザ処置による所望されない損傷から皮膚表面8を保護する。
【0049】
図3は、それぞれが、1つのレーザ光源2と、シュヴァルツシルト型対物レンズにおいて公知であるように配置された2つの鏡を有する1つの光学素子3とを有する複数の構成群の特別なアレンジメントを示している。光学素子3が下流に接続されている複数のレーザ光源2は、1つの器械支持体21に取り付けられており、それぞれ、サーボモータを有する運動手段13が設けられており、運動手段13は、中央の制御ユニット14により生成された制御信号に基づいてレーザ光源2を光学素子3とともに必要に合わせて動かす。図3に示した実施例に示したように配置した複数の光源2のこの種のアレンジメントにより、一方では、1回の処置期間中に特に大面積の照射を行うことが可能であり、他方では、レーザ光線4を様々な放射経路で身体に入射させることが可能となる。この手段により、選択的に照射の強度を処置中に大きな範囲にわたって変化させ得ると同時に、対象構造物の様々な領域を照射することができ、かつ/または処置に遅れを生じさせることなく、上側の皮膚層の放射被爆を好適に制限することができる。
【0050】
図3は、それぞれレーザ光源2と光学ユニット3とを有する複数の可動の構成群からなるアレンジメント(装置)の概略図である。光学ユニット3は、図1および図2との関連で既に説明したように、1つの凹面鏡10と1つの凸面の捕集鏡9とを有し、凹面鏡10および捕集鏡9の鏡表面は、向かい合っており、凹面鏡10および捕集鏡9は、例えばシュヴァルツシルト型対物レンズにおいて公知であるようなビームガイドを可能にする。このために設けられた制御ユニット14は、使用者により入力されたデータおよび/またはパラメータであって、データ記憶装置15内に収められていて、皮膚、組織およびビーム特性についての情報を含んでいてよいデータおよび/またはパラメータに基づいて、制御信号を生成し、これにより、レーザ光源2、光学素子3および/または運動手段13を好適に調整し、健康な組織および健康な皮膚の損傷は最小限に抑えながら、処置の成功を保証することができる。この関連で、中央の制御ユニット14により、光出射開口5と皮膚表面8との間の必要な間隔も調整される。好適な調整を行うべく、制御ユニット14は、器械支持体21、レーザ光源2および/または光学素子3、特に鏡9,10を、制御して動かす相応に好適な運動手段13とともに、調整手段7の機能を担っている。対象構造物1内に焦点またはフォーカルポイントを発生させるための、様々なコンポーネントのこの種の自動化された調整、ひいては光出射開口5と皮膚表面8との間の間隔、さらには皮膚表面8と対象構造物1との間の間隔のこの種の自動化された調整が、好ましくは据え置き型の照射器械により実施される。
【0051】
この種のアレンジメントを小型化し、ハンドガイド可能な器械18内に収めることも可能である。重要であるのは、その都度、相応のアレンジメントにより、その寸法にかかわらず、同時にまたは時間的に重なってまたは時間的に互いに間隔を置いて、少なくとも2つのレーザビーム4が発生され、これらのレーザビーム4が、少なくとも部分的に様々な経路でまたは様々な時点で患者の身体を通って対象構造物1へ向かうことである。相応のアレンジメントが、ハンドガイド可能な器械内に組み付けられる場合、処置者に対して、特に外部のディスプレイまたは手持ち形器械に内蔵されたディスプレイを介して、器械が対象構造物1に対して正しい位置、特に皮膚表面8に対して正しい間隔にあるか否かについて、情報が出力されるようになっていると、有利である。情報は、器械を動かさなければならないか否か、そしてどの方向に動かさなければならないかを利用者に簡単に認識させることができるように出力される。
【符号の説明】
【0052】
1 対象構造物
2 レーザ光源
3 光学素子
4 レーザ光放射
5 光出射開口
6 焦点/フォーカルポイント
7 調整要素
8 皮膚表面
9 凸面の鏡
10 凹面鏡
11 凹面鏡内に設けられた開口
12 スペーサ
13 運動手段
14 制御ユニット
15 データ記憶装置
16 ハウジング
17 把手
18 照射器械
19 スイッチ素子
20 拡散要素
21 器械支持体
図1
図2
図3