IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テーザ・ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

特許7050728長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法
<>
  • 特許-長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法 図1
  • 特許-長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法 図2
  • 特許-長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法 図3
  • 特許-長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法 図4
  • 特許-長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/21 20180101AFI20220401BHJP
   B32B 3/14 20060101ALI20220401BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220401BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220401BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C09J7/21
B32B3/14
B32B27/00 M
B60R16/02 620Z
H01B7/00 301
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019149539
(22)【出願日】2019-08-19
(65)【公開番号】P2020063414
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2019-12-06
(31)【優先権主張番号】10 2018 213 969.5
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509120403
【氏名又は名称】テーザ・ソシエタス・ヨーロピア
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・クッター
(72)【発明者】
【氏名】ラース・グルトブランゼン
(72)【発明者】
【氏名】ラース・マッケタンツ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ケレプ
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-335756(JP,A)
【文献】特開平08-259911(JP,A)
【文献】独国実用新案第202017107748(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0162595(US,A1)
【文献】特開2012-122027(JP,A)
【文献】国際公開第2017/055334(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/103783(WO,A1)
【文献】特開2009-137296(JP,A)
【文献】特表2012-505930(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104299726(CN,A)
【文献】特開2014-185252(JP,A)
【文献】特開2005-224285(JP,A)
【文献】特開平09-078041(JP,A)
【文献】特開2010-100038(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1119996(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/21
B32B 3/14
B32B 27/00
B60R 16/02
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面を備えた支持体を有する接着テープであって、
支持体が横方向に対して幅Bを有し、
支持体の下面の少なくとも1つの縦エッジに、3mm以上かつ幅Bの30%以下の幅Bを有する接着材料ストリップが設けられている、接着テープにおいて、
接着材料ストリップに隣接して、支持体の下面には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの60%以上の幅Bにわたって延在する少なくとも1つのポリマーストリップが存在し、
前記支持体として布地、不織布、またはニット布が使用され、
前記ポリマーストリップが、ポリアクリレート、ポリエステル、天然ゴム、または、合成ゴムからなる非接着性ポリマー材料であることを特徴とする、接着テープ。
【請求項2】
支持体の下面の縦エッジの両方には、それぞれ、3mm以上かつ幅Bの30%以下の幅Bを有する接着材料ストリップが設けられており、
支持体の下面の接着材料ストリップの間には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの60%以上の幅Bにわたって延在する少なくとも1つのポリマーストリップが存在することを特徴とする、請求項1に記載の接着テープ。
【請求項3】
1つまたは複数の接着材料ストリップが、それぞれ支持体の1つまたは複数の縦エッジと同一面で終端することを特徴とする、請求項1または2に記載の接着テープ。
【請求項4】
接着材料ストリップの幅Bが、10mm以上、および/または幅Bの最大25%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項5】
接着材料ストリップの幅Bが、5から40mmの間であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項6】
一方の接着材料ストリップの幅BK1が、他方の接着材料ストリップBK2の幅の0.5から0.8倍であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項7】
1つまたは複数の接着材料ストリップが、40から300μmの厚さを有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項8】
一方の接着材料ストリップ、より狭い接着材料ストリップの厚さまたは塗布重量が、他方の接着材料ストリップの厚さまたは塗布重量の0.5から0.8倍であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項9】
支持体の幅Bが20から200mmの間であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項10】
支持体が30から250g/mの目付け量を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項11】
接着テープが自動車のケーブルハーネスである長尺材料をジャケッティングするための接着テープであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項12】
自動車のケーブルである長尺材料をジャケッティングするための、請求項1~11のいずれか一つに記載の接着テープの使用であって、長尺材料が接着テープによって軸方向にラッピングされる、使用。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一つに記載の接着テープによってジャケッティングされたケーブルハーネス。
【請求項14】
接着材料ストリップに隣接して、支持体の下面には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの75%の幅Bにわたって延在する少なくとも1つのポリマーストリップが存在することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項15】
接着材料ストリップに隣接して、支持体の下面には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの90%の幅Bにわたって延在する少なくとも1つのポリマーストリップが存在することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項16】
接着材料ストリップに隣接して、支持体の下面には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%の幅Bにわたって延在する少なくとも1つのポリマーストリップが存在することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一つに記載の接着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺材料、特に自動車のケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープおよびジャケッティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺材料をジャケッティングするための被覆物は、例えば、特にケーブル、電線、および場合によっては自動車のプラグを覆うため、ならびに例えば、摺擦応力から守るために使用される。実際、そのような被覆物および被覆物によって製造されたジャケット、または長尺ジャケットにより、電気ケーブルだけでなく、一般的な管やパイプを巻くこともできる。
【0003】
独国特許出願公開第19732958号(特許文献1)には、少なくとも一方の面に感圧接着材料からなる自己接着性接着層を備えた、2つの横エッジによって画定されたテープ状の支持体を有するケーブルハーネス(ケーブルセット)またはプラスチックプロファイルなどの長尺材料をジャケッティングするための接着テープが開示されている。感圧接着材料は、上下に重なって位置付けられた2つの接着層に対し、わずかな接触圧の存在下で接着層の界面の溶解および合体により均一な感圧接着料を形成するような化学組成を有する。
さらには、ここで述べた発明は、長尺材料をジャケッティングする方法を含む。それに従い長尺材料は、接着テープの断片の領域の長手方向において、自己接着性接着層を備えた接着テープのテープ状の支持体の面上に位置付けられ、それにより接着層の界面の溶解により均一な感圧接着料を生じるように、テープ状の支持体の少なくとも2つの接着領域が接着層を備えた面で相互に貼り付けられるように、接着テープを貼り付ける。
それとともに、狭い限られた空間条件下で自動車産業において非常に好ましくない突起(Faehnchen)がジャケッティングされた材料から突き出し、ケーブルハーネスを限定的な開口部を通り抜けさせる場合、または例えば車体の中で実施する場合に、ジャケッティングを引っかけたり、剥がしたり、少なくともラッピングを損傷させたりする危険性を有する。これらは回避する必要がある。
【0004】
独国特許出願公開第10036805号(特許文献2)には、好ましい織物被覆物を有する長尺材料をジャケッティングするためのジャケッティングであって、被覆物の幅と比較して被覆物の少なくとも1つの狭いエッジ範囲に自己接着性加工が施された1つの接着テープが存在し、その接着テープは、被覆物の縦エッジにわたって延在するように被覆物に貼り付けられるジャケッティングが開示されている。
本発明の第1の有利な実施形態では、ジャケッティングは、被覆物の幅と比較して被覆物の1つの狭いエッジ範囲に、自己接着性加工が施された第2の接着テープを有し、その接着テープは、被覆物の両方の縦エッジのうちの他方にわたって延在するように被覆物に貼り付けられる。
その最適化された実施形態は、欧州特許出願公開第1312097号(特許文献3)に開示されている。同じく欧州特許出願公開第1300452号(特許文献4)、独国特許出願公開第10229527号(特許文献5)、および国際公開第2006108871号(特許文献6)には、変形形態が述べられている。
【0005】
例えば、独国特許出願公開第10036805号(特許文献2)から公知のように、製品を含むケーブルハーネスがジャケッティングされる場合、製品の縦エッジの1つを、例えば、製品の一部である接着ストリップまたは接着テープによってケーブルハーネスに軸方向に固定する。続いて製品を円形の移動でケーブルハーネスの周りに案内することで、ケーブルハーネスが製品によって巻かれる。最後に、例えば、再び接着テープを利用して、製品の他方の縦エッジをケーブルハーネスの上に固定する。ケーブルハーネスが完全に巻かれると、第2の縦エッジが製品それ自体に固定される。
ケーブルハーネスの保護のさらなる改善、またはケーブルハーネスのより良好な抑制が望まれる場合、製品がケーブルハーネスの周りに2回円形に案内されることで、ケーブルハーネスも二重に巻かれることができる。このやり方で、ケーブルハーネスをジャケッティングする、製品の2つの層がもたらされる。
【0006】
独国実用新案第202017107748号(特許文献7)からは、1つの支持体と、少なくとも2つの、支持体の上面および/または下面のうちの1つに配置された接着料からなる密封ストリップとを備えた長尺材料をジャケッティングするための、特に自動車のケーブル用長尺ラッピングを製造するための被覆物が公知である。密封ストリップは、延び、支持体のそれぞれの縦エッジに沿って延び、密封ストリップの間および/または密封ストリップの隣に定める、コーティングされない空き領域を定める。
【0007】
ケーブルジャケッティング用の接着テープの試験および分類は、自動車産業において、広範囲な規格、例えば、Daimler社、Audi社、BMW社、およびVolkswagen社の共通規格であるLV 312-1「自動車のワイヤハーネス用保護システム、接着テープ、テストガイドライン」(10/2009)、またはFord仕様のES-XU5T-1A303-aa(09/2009改訂版)「Harness Tape Performance Specification」に準拠して行われる。以下では、これらの規格を略して、LV 312ないしはFord仕様と呼ぶ。
【0008】
接着テープのノイズ抑制、耐摩耗性、ならびに温度安定性は、LV 312において詳細に記載されるような定義された試験構成物および試験方法を手がかりに測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】独国特許出願公開第19732958号
【文献】独国特許出願公開第10036805号
【文献】欧州特許出願公開第1312097号
【文献】欧州特許出願公開第1300452号
【文献】独国特許出願公開第10229527号
【文献】国際公開第2006108871号
【文献】独国実用新案第202017107748号
【文献】欧州特許出願公開第1448744号
【文献】欧州特許出願公開第2520627号
【文献】欧州特許出願公開第2522705号
【文献】欧州特許出願公開第2520628号
【文献】欧州特許出願公開第2695926号
【文献】欧州特許出願公開第2520629号
【文献】欧州特許第1378527号
【文献】独国特許出願公開第19807752号
【文献】独国特許出願公開第10011788号
【文献】独国特許第4313008号
【文献】欧州特許出願公開第0578151号
【非特許文献】
【0010】
【文献】「不織布」(Georg Thieme出版、シュトゥットガルト、1982年)
【文献】「織物技術-不織布製造」(Arbeitgeberkreis Gesamttextil、エシュボルン、1996年)
【文献】Peter A. LovellとMohamed S. El-Aasser「Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers」、Wiley-VCH、1997年、ISBN 0-471-96746-7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、特に簡単、安価で迅速な、長尺材料、例えば自動車のケーブルハーネスのジャケッティングを可能にし、かつ低い製造コストと同時に特に高い耐摩耗性を達成する接着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、主請求項において記載される接着テープによって解決される。その際、従属請求項の主題は、接着テープの有利な変形形態、接着テープの使用方法、および本発明による接着テープでジャケッティングされた材料である。
【0013】
それによると、本発明は、上面および下面を備えた支持体を有する、特に自動車のケーブルハーネスなどの長尺材料をジャケッティングするための接着テープであって、支持体が横方向に対して幅Bを有し、支持体の下面の少なくとも1つの縦エッジに、3mm以上かつ幅Bの30%以下の幅Bを有する接着材料ストリップが設けられている、接着テープに関する。
接着材料ストリップに隣接して、支持体の下面には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの60%以上、好ましくは75%、特に好ましくは90%、最も特に好ましくは100%である幅Bにわたって延在する、少なくとも1つのポリマーストリップが存在する。
【0014】
支持体において、どちらが上面であるか下面であるかは、基本的に任意に選択可能である。
【0015】
第1の好ましい実施形態によると、支持体の下面の縦エッジの両方には、それぞれ、3mm以上かつ幅Bの30%以下の幅Bを有する接着材料ストリップが設けられており、支持体の下面の接着材料ストリップの間には、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの60%以上、好ましくは75%、特に好ましくは90%、最も特に好ましくは100%である幅Bにわたって延在する、少なくとも1つのポリマーストリップが存在する。
【0016】
第1のさらなる好ましい実施形態によると、1つまたは複数の接着材料ストリップは、3mm以上かつ幅Bの10%以下、好ましくは20%以下、特に好ましくは25%以下の幅Bを有する。
【0017】
好ましくは、1つまたは複数の接着材料ストリップは、それぞれ支持体の1つまたは複数の縦エッジと同一面で終端する。
【0018】
1つまたは複数の接着材料ストリップの幅Bとポリマーストリップの幅Bとの合計が支持体の幅Bに相当する変形形態が特に好ましい。
【0019】
1つまたは複数の接着材料ストリップはまた、横方向に5mmまでの幅BVSを有するオフセット付きで支持体に塗布されてもよい。有利には、オフセットは、接着材料ストリップそれ自体よりも狭い。
【0020】
接着テープの特に有利な一実施形態によると、接着材料ストリップの幅Bは、10mm以上、好ましくは15mm以上および/または幅Bの最大25%以下、好ましくは幅Bの10%以下である。
さらに好ましくは、接着材料ストリップの幅Bは、5から40mmの間であり、さらに好ましくは10から30mmの間である。
【0021】
さらに好ましくは、接着材料ストリップBK1の幅は、他方の接着材料ストリップBK2の幅の0.5から0.8倍、好ましくは0.6から0.75倍である。
【0022】
本発明のさらなる有利な一実施形態によると、1つまたは複数の接着材料ストリップは、40から300μm、好ましくは60から200μm、さらに好ましくは60から140μmの厚さを有する。
本発明のさらなる有利な一実施形態によると、1つまたは複数の接着材料ストリップは、40から300g/m、好ましくは60から200g/m、さらに好ましくは60から140g/mの塗布重量を有する。
【0023】
さらに好ましくは、一方の接着材料ストリップ、特により狭い接着材料ストリップの厚さまたは塗布重量は、他方の接着材料ストリップの厚さまたは塗布重量の0.5から0.8倍、好ましくは0.6から0.75倍である。
【0024】
本発明の特に好ましい一変形形態によると、ポリマーストリップは、接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%以上にわたって延在する。
この場合、ポリマーストリップのエッジは、1つまたは複数の接着材料ストリップの1つまたはそれぞれ1つのエッジと、(隙間もなく)同一面にある。
本発明のさらなる有利な一実施形態によると、ポリマーストリップは、接着材料ストリップと同じく、40から300μm、好ましくは60から200μm、さらに好ましくは60から140μmの厚さを有する。
本発明のさらなる有利な一実施形態によると、ポリマーストリップは、接着材料ストリップと同じく、10から300g/m、好ましくは40から200g/m、さらに好ましくは60から140g/mの(単位面積当たりの)塗布重量を有する。
ポリマーストリップの厚さまたは(単位面積当たりの)塗布重量が、1つまたは複数の接着材料ストリップの厚さまたは(単位面積当たりの)塗布重量を最大20%超えるとさらに好ましく、ポリマーストリップの厚さまたは(単位面積当たりの)塗布重量と1つまたは複数の接着材料ストリップの厚さまたは(単位面積当たりの)塗布重量が同一であると、特に好ましい。
【0025】
さらに好ましくは、両方の接着材料ストリップの厚さとポリマーストリップの厚さは、同一である。
【0026】
好ましい一実施形態によると、ポリマーストリップは、非接着性であり、また好ましくは、付着から30分後に0.7N/cm未満の鋼に対する接着力を有する。
好ましい一実施形態によると、ガラス転移点Tは0℃未満である。
好ましい一実施形態によると、ポリマーストリップの分子量Mは、10,000g/molよりも大きい。
さらに好ましくは、3つすべてのパラメータは、同時に満たされる。
【0027】
さらに好ましくは、ポリマーストリップは、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、天然ゴム、合成ゴム、またはポリウレタンからなる非接着性ポリマー材料である。
公知の充填剤、例えば、二酸化ケイ素、ガラス(粉砕物、または中実球もしくは中空球としての球状物)、マイクロバルーン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ケイ酸塩、チョーク、および特に難燃剤をポリマーストリップに使用することができる。
ポリマーストリップの製造および加工は、溶液、分散液および溶融液から行うことができる。好ましい製造および加工方法は、ポリマーストリップの支持体への積層を回避する。
【0028】
支持体の幅Bは、好ましくは20から500mmの間、さらに好ましくは40から200mmの間、さらに好ましくは60から130mmの間である。
また、支持体が30から250g/m、好ましくは50から200g/m、さらに好ましくは60から150g/mの目付け量を有すると有利である。
【0029】
以下では、本発明のいくつかの実施形態に対する、好ましいパラメータ組合せを記載するが、これにより本発明を制限しようとするものではない。
【0030】
布地ベースの支持体において、支持体および2つの接着材料ストリップは、好ましくは以下の値を有する:
- 支持体の目付け量:50から200g/m、好ましくは50から150g/m
- 接着材料ストリップの厚さ:40から200μm、好ましくは60から140μm
- 接着材料ストリップの幅B:5から40mm、好ましくは10から30mm
- 接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅B
- 接着材料ストリップの厚さと同一の厚さのポリマーストリップ
【0031】
不織布ベースの支持体において、支持体および2つの接着材料ストリップは、好ましくは以下の値を有する:
- 支持体の目付け量:30から250g/m、好ましくは45から200g/m、さらに好ましくは60から200g/m
- 接着材料ストリップの厚さ:60から300μm、好ましくは120から280μm
- 接着材料ストリップの幅B:5から40mm、好ましくは10から30mm
- 接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅B
- 接着材料ストリップの厚さと同一の厚さのポリマーストリップ
【0032】
ニット布ベースの支持体において、支持体および2つの接着材料ストリップは、好ましくは以下の値を有する:
- 支持体の目付け量:50から250g/m、好ましくは50から200g/m
- 接着材料ストリップの厚さ:40から200μm、好ましくは60から140μm
- 接着材料ストリップの幅B:5から40mm、好ましくは10から30mm
- 接着材料ストリップによってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅B
- 接着材料ストリップの厚さと同一の厚さのポリマーストリップ
【0033】
上述した値の場合、接着テープから生じる、好ましいものとして必要とされる管の直径は、5から50mm、さらに好ましくは10から30mmという結果になる。
【0034】
本発明のさらなる好ましい一変形形態によると、支持体の下面の少なくとも1つの接着材料ストリップに加え、支持体の上面にさらなる(第3の)接着材料ストリップが設けられる。この第3の接着ストリップは、一般的に固定ストリップとしての機能を果たす。さらに、第3の接着ストリップは、支持体の横断面図から見て、支持体の下面の1つまたは両方の接着材料ストリップの間および/または隣のポリマーストリップの範囲内である。
【0035】
好ましくは、長尺材料、特にケーブルハーネスをジャケッティングするための接着テープが使用され、長尺材料は、接着テープによって軸方向にラッピングされる。
【0036】
本発明による接着テープによってケーブルハーネスをジャケッティングする場合、そのために、例えば第1の接着材料ストリップによって、接着テープの縦エッジのうちの1つをケーブルハーネスの上に軸方向に固定する。続いて製品を円形の移動でケーブルハーネスの周りに案内することで、ケーブルハーネスが接着テープによって巻かれる。最後に、例えば第2の接着材料ストリップを利用して、接着テープの他方の縦エッジをケーブルハーネスの上に固定する。ケーブルハーネスが完全に巻かれると、第2の縦エッジが接着テープそれ自体に固定される。
ケーブルハーネスの保護のさらなる改善、またはケーブルハーネスのより良好な抑制が望まれる場合、接着テープがケーブルハーネスの周りに2回円形に案内されることで、ケーブルハーネスも二重に巻かれることができる。このやり方で、ケーブルハーネスをジャケッティングする製品の2つの層がもたらされる。
【0037】
最終的には、発明着想は、本発明による接着テープでジャケッティングされた長尺材料、特にケーブルハーネス、および本発明によってジャケッティングされたケーブルハーネスを含む車両も含む。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によると、支持体は、1つの層で作製される。さらに好ましくは、支持体の上面は、コーティングされない。
支持体としては、原則的にすべての支持体材料が適切であり、好ましいのは織物支持体であり、特に好ましいのは布地、特にポリエステル布である。
【0039】
基本的には、公知のすべての織物支持体、例えば、編物、スクリム、テープ、ブレード編み、タフテッド織物、フェルト、布地(平織、綾織、朱子織を含む)、ニット布(経編製品およびニット製品を含む)または不織布を使用でき、「不織布」とは、少なくとも、EN 29092(1988)に準拠する織物面状体(Flaechengebilde)ならびにステッチ式不織布および類似の系と理解される。
同じく、ラミネートされたスペーサ布およびスペーサニット布も使用できる。スペーサ布は、繊維不織布またはフィラメント不織布製の上層、下層、およびそれらの層間に存在する個々の保持繊維または保持繊維束を有するマット状の層構造体であり、保持繊維は、層構造体の平面にわたって分布し、粒子層を貫いてニードリングされ、上層と下層とを互いに結合する。
粒子層を貫いてニードリングされた保持繊維は、上層と下層との互いの間隔を保ち、自身は、上層および下層と結合している。
【0040】
不織布としては、特に、結合強化された短繊維不織布が考慮の対象になるが、たいていは追加的に結合強化する必要のあるフィラメント不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布も考慮の対象になる。可能な結合強化法としては、不織布の場合、機械的結合強化、熱的結合強化、ならびに化学的結合強化が公知である。機械的結合強化においてたいていは、単繊維の乱雑な絡み合わせ、繊維束のステッチ、または追加の糸の縫付けにより繊維を純粋に機械的に結合するが、熱的方法と同様に化学的方法によっても、接着性(バインダ使用)または凝集性(バインダ不使用)の繊維/繊維間結合が達成される。これらの結合は、処方および実施方法を適切にすれば、例外なく、または少なくとも大部分が、繊維の結節点に限定されるので、不織布内にゆるやかな開放的な構造を維持しながら、安定的な3次元網目構造が形成される。
【0041】
特に、別の糸での仕上げ縫いか、またはステッチにより結合強化された不織布が特に有利であると判明した。
【0042】
この種の結合強化した不織布は、例えば、Karl Mayer(前Malimo)社の型式「Malimo」のステッチボンド機で製造され、とりわけTechtex GmbH社から入手できる。マリフリースは、横配向繊維不織布を、不織布の繊維でステッチを形成することによって結合強化することを特徴とする。支持体としてさらに、クニット(Kunit)型不織布あるいはマルチニット(Multiknit)型不織布を使用できる。クニット型不織布は、縦方向に配向した繊維不織布を加工して、一方の面にはステッチが、他方の面にはステッチの結合部またはパイル繊維の折り目があるが、糸も既成の面状体も有さない面状体をもたらすことを特徴とする。その種の不織布も、例えばKarl Mayer社の型式「Malimo」のステッチボンド機で、すでに長年にわたり製造されている。この不織布のもう1つの識別的特徴は、縦配向繊維不織布として、縦方向の大きな引張り力を吸収できることにある。マルチニット型不織布は、クニット型不織布に比べ、両面から針を刺すことで、上面も下面も結合強化されることを特徴とする。マルチニット用の出発生成物として利用されるのは、通常、クニット法により製造された、片面にステッチされた、1つないしは2つのパイル繊維不織布である。最終製品では、両方ともの不織布上面が、繊維ステッチによって閉鎖表面を形成し、ほぼ垂直に並ぶ繊維によって互いに結合されている。さらなる刺通し可能な面状体および/または散布可能な媒体を追加的に導入する可能性が存在する。最後に、糸縫い不織布も、本発明による被覆および本発明による接着テープを形成する中間製品として適切である。糸縫い不織布は、多数の互いに平行に並んだ縫い目を有する不織布材料から形成される。この縫い目は、連続した繊維の糸による縫込みまたはステッチボンドで作られる。この型の不織布に対しては、Karl Mayer社の型式「Malimo」のステッチボンド機が公知である。
【0043】
ニードルパンチ不織布も特に適切である。ニードルパンチ不織布では、鉤付きの針を使って、繊維ウェブを面状体にする。交互する針の突刺しと引抜きにより、材料が針棒上で結合強化され、単繊維が、じょうぶな面状体へと絡み合う。ニードリング点の数および実施形態(針形状、侵入深さ、両面ニードリング)が、通常は軽く、通気性および弾性である繊維構造体の厚さおよび強度を決定する。
【0044】
さらに、第1の工程で機械的加工により予備的に結合強化される短繊維不織布か、または水力学的に製反された湿式不織布である短繊維不織布が特に有利であって、不織布の繊維の2重量%から50重量%の間、特に不織布の繊維の5重量%から40重量%の間が溶融性繊維である。
この種の不織布は、繊維が湿式で製反されるか、または、例えば、不織布の繊維でのステッチ形成、ニードリング、縫付け、空気噴射処理および/または水噴射処理により、短繊維不織布を予備的結合強化することを特徴とする。
第2の工程で、熱的固定を行い、溶融性繊維を溶着するか、または部分溶融し、不織布の強度を再度高める。
【0045】
不織布の本発明による利用にとっては、特に、機械的に予備的結合強化された不織布または湿式製反された不織布の接着性結合強化が興味を引き、それは、固体形態、液状、発泡形態、またはペースト形態のバインダの添加により行い得る。原則的な表示形は多彩に可能であり、例えば、さらさらと流し込むための粉末として、フィルムとして、またはグリッドとして、または結合繊維形態での固体バインダである。液状バインダは、水中もしくは有機液体中に溶解するか、または分散液として塗布できる。主に、接着性結合強化のために結合分散液(Bindedispersion)を選択する。つまり、フェノール樹脂分散液もしくはメラミン樹脂分散液の形態のDuroplast(熱硬化性樹脂)、天然ゴムもしくは合成ゴムの分散液としてのエラストマー、またはたいていの場合、熱可塑性物質、例えば、アクリレート、酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエン系、PVC等々、ならびにそれらのコポリマーの分散液である。通常は、アニオン性分散液または非イオン形成性に安定化させた分散液であるが、特殊な場合にはカチオン性分散液も有利であるかもしれない。
【0046】
バインダ塗布方式は、従来技術によって行うことが可能であり、例えば、コーティングまたは不織布技術の定評ある参考文献、例えば、「不織布」(Georg Thieme出版、シュトゥットガルト、1982年)(非特許文献1)または「織物技術-不織布製造」(Arbeitgeberkreis Gesamttextil、エシュボルン、1996年)(非特許文献2)を読み返せる。
【0047】
すでに十分な複合材強度を有する、機械的に予備的結合強化された不織布の場合、表面特性を適切に変化させるためには、バインダの片側噴霧散布が考慮に値する。
バインダの経済的な取扱いに加えて、その種の作業方式では、乾燥に必要なエネルギー量も明らかに低下する。スクイズロールが必要とされず、分散液は主に不織布の上側領域にとどまるため、不織布の望ましくない硬化およびこわばりが大幅に妨げられる。
不織布支持体の十分な接着性結合強化のためには、一般的には、繊維不織布の重量に対して、1%から50%、特に3%から20%の範囲でバインダを添加すべきである。
【0048】
バインダの添加は、すでに不織布製造時に、機械的な予備的結合強化時に、さらには別個の工程ステップにおいて行うことができ、そのステップは、インラインまたはオフラインで実施できる。バインダ添加後に、一時的に、バインダが粘着性になり繊維を接着結合する状態が生み出される必要があり、それは、例えば分散液が乾燥中に、さらには加熱によって達成可能であり、平面的または部分的な加圧により、さらなる変形形態の可能性が存在する。バインダの活性化は、公知の乾燥路で行えるが、バインダを適切に選択すると、赤外線放射、UV放射、超音波、高周波放射等々を利用しても行える。後の最終用途にとっては、不織布製造工程の終了後にバインダがその接着性を失うと有効であるが、必ずしも必要ではない。有利であるのは、熱処理によって揮発性成分、例えば、繊維助剤を除去することにより好都合なフォギング値を有する不織布が生じることであり、その結果、低フォギング接着料を使用した場合、特に好都合なフォギング値を有する接着テープが生産可能となり、それゆえ、被覆も同じく極めて低いフォギング値を示す。
フォギング(DIN 75201 Aを参照)とは、不都合な状況下に低分子化合物が接着テープからガス放出することがあり低温部分で凝縮する作用と理解される。それにより、例えば、フロントガラスを通す視界が損なわれかねない。
【0049】
接着性結合強化のさらなる一特殊形態は、バインダの活性化が、部分的溶解または部分的膨潤によって起こることにある。原則的には、その際、繊維それ自体または混合された特殊繊維も、バインダの機能を担い得る。しかしながら、たいていのポリマー繊維にとっては、その種の溶媒は、環境の観点から、その取扱いの点で懸念すべきであるないしは問題を抱えるため、この方法は、むしろまれに使用される。
【0050】
有利かつ少なくとも部分的には、支持体の片面または両面が平滑研磨面を有してもよく、それぞれ1つの全面的な平滑研磨面が好ましい。平滑研磨面は、例えば、欧州特許出願公開第1448744号(特許文献8)に詳細に述べられるように、チンツ加工されていてもよい。
【0051】
さらに、支持体を圧縮するために圧延機でカレンダ加工してもよい。好ましくは、2つのロールが、逆方向に同一周速度で走行するため、支持体が加圧され圧縮されることになる。
ロールの周速度が異なる場合、支持体が付加的に平滑研磨される。
【0052】
支持体は、好ましくは布地である。
特に好ましい布地は、次のように構成されている。
・ 経糸のスレッド数が10から60/cmである
・ 緯糸のスレッド数が10から40/cmである
・ 経糸が、40から400dtexの間、特に44から330dtexの間、特に好ましくは167dtexの糸重量を有する
・ 緯糸が、40から660dtexの間、特に44から400dtexの間、特に好ましくは167dtexの糸重量を有する
【0053】
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、経糸のスレッド数が、40から50/cm、好ましくは44/cmである。
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、緯糸のスレッド数が、18から22/cm、好ましくは20/cmである。
【0054】
本発明のさらなる好ましい一実施形態によると、布地がポリエステル布である。さらなる可能性は、ポリアミド布、ビスコース布、および/または挙げた材料の混紡布である。
【0055】
さらに好ましくは、布地の厚さが、最大限300μm、特に好ましくは170から230μm、とりわけ好ましくは190から210μmである。
支持体は、本発明のさらなる有利な一実施形態によると、200g/mまで、好ましくは100から150g/mの目付け量を有する。
【0056】
記載された用途および特に、自動車のケーブルを束ねてラッピングテープとして好ましい加工をするのに同じく特に重要である、(比較的容易に)手で引き裂くことができる接着テープをもたらす支持体が好ましい。
AFERA規格4007に準拠して測定され、接着テープの手切れ性の基準として用いられる横方向の引裂強度は、10N未満である。
【0057】
使用される支持体の目付け量または厚さが非常に高い場合にのみ、手切れ性は与えられない、または限定的にしか与えられないことがあり得る。しかしこの場合、手切れ性を最適化するために、ミシン目(Perforation)が存在し得る。ミシン目は、それ自体が手で引き裂くことができる接着テープの場合にも、取り扱い性を再度改善するために設けられ得、それにより長さに合わせて予めミシン目を入れた(vorperforiert)部分の接着テープを快適に切断することができる。
このやり方で、糸くずのない個々の部分の間にエッジを達成することができ、望ましくないすり切れも防止できる。
【0058】
ユーザが特に簡単に作業できるようにするために、ミシン目は接着テープの進行方向に直交する方向に向けられている、および/または一定の間隔で配置されている。
【0059】
特に有利には、ミシン目は、平盤打抜き機(Flachstanzen)または横ミシン刃(querlaufende Perforationsraeder)によって非連続的に、およびスパイクローラーまたはパンチローラーなどの回転系の使用によって連続的に作製され、場合によっては、切断の際に対向刃を構成する対向ローラー(Gegenwalze)(Vulkollanローラー(Vulkollanwalze))の使用によって作製される。
さらなる可能性としては、制御され、断続的に作動する切断技術、例えば、レーザー、超音波、高圧水ジェット加工などの使用である。レーザーまたは超音波切断の際に、エネルギーの一部が熱として支持体材料にもたらされると、繊維は切断領域において溶融し、その結果不快なほつれが大幅に回避され、また鋭利な切断エッジが得られる。後者の方法は、例えば、凹状または凸状に成形された切断エッジのような、特殊な切断エッジ形状を達成するのにも適している。
【0060】
接着テープ用の支持体材料の出発原料としては、特に、合成繊維とも呼ばれる、合成ポリマー製の(化学)繊維(短繊維または連続フィラメント)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル製の繊維、またはガラス、天然ポリマー製の(化学)繊維、例えば、セルロース系繊維(ビスコース、モダール、リヨセル、キュプラ、アセテート、トリアセテート、セルロン)、例えばゴム繊維、例えば植物タンパク質繊維、および/または例えば動物タンパク質繊維、および/または木綿、サイザル麻、フラックス、絹、大麻、リネン、ココヤシ、または羊毛製の天然繊維が想定される。しかしながら本発明は上記の材料に限定されることはなく、当業者が発明活動を必要とすることなく知り得る、他の多くの繊維を、支持体の製造に使用することが可能である。
さらに、前記の繊維から製作された紡ぎ糸も同じく適切である。
【0061】
布地またはスクリムの場合、個々の糸を、混紡糸から製造することができ、つまり合成成分と天然成分とを有し得る。しかしながら、通常、経糸および緯糸は、それぞれ単一種類から形成されている。
その際、経糸および/または緯糸は、それぞれ合成糸のみからなるか、または天然原料製の糸のみからなり得る、つまり単一種類であり得る。
【0062】
布地の紡ぎ糸または糸は、フィラメントとして存在してもよい。本発明の趣旨で、フィラメントとは、平行な、直線の単繊維/単フィラメントの束と理解され、文献中ではよくマルチフィラメントとも呼ばれる。場合によっては、この繊維束を、ねじって、内在性に結合強化してもよく、その場合、延伸フィラメントまたは撚り合わせ(gezwirnt)フィラメントと呼ぶ。別法として、繊維束を、圧縮空気または水噴射を用いて絡み合わせることで内在性に結合強化させてもよい。以下では、これらすべての実施形態に対して、一般化して、フィラメントという用語のみを使用する。
フィラメントは、特有の質感をつけるか、または平滑であってもよく、点状に結合強化された状態または結合強化されずに存在してもよい。
一般的にテクスチャリングとは、糸が永続的に捲縮される工程を意味する。捲縮により、弾性伸縮性および耐摩耗性を高めるループが作製される。
【0063】
支持体の材料としては、ポリアミドが好ましく、極めて良好なエージング耐性ならびに化学物質および作業物質、例えば油、ガソリン、不凍液等々に対する極めて良好な媒体耐性ゆえ、ポリエステルが特に好ましい。その上、ポリエステルには、自動車および例えば、エンジン室のケーブルを束ねるという特殊な用途にとって特に重要である、非常に高い耐摩耗性および温度安定性を有する支持体をもたらすという利点がある。
【0064】
紙、ラミネート、フィルム(例えば、PP、PE、PET、PA、PU)、発泡体、または発泡フィルムからなる支持体材料も接着テープ用に適切である。
【0065】
それらの非織物平面材料は、特に、特殊な要件が、本発明のそのような修飾を要求する場合に考慮に値する。フィルムは、例えば、織物と比べてたいていの場合は薄く、閉鎖層ゆえ、化学物質および作業物質、例えば、油、ガソリン、不凍液等々の、本来のケーブル領域への侵入に対する追加的な保護を提供し、材料の適切な選択によって、要件に対して十分に適合させることができる。ポリウレタン、ポリオレフィンコポリマーによって、例えば、可撓性かつ弾性の支持体を作製することができ、ポリエステルおよびポリアミドによって、優れた耐摩耗性および温度安定性を達成する。
【0066】
それに対して、発泡体または発泡フィルムは、より大きな空間充填および優れたノイズ抑制の特性を含み、ケーブルハーネスを、例えば、車両内のダクト状またはトンネル状の領域に敷設する場合、厚さおよび抑制の点で適切なジャケッティングテープにより、不快なガタガタ音および振動を最初から妨げることができる。
【0067】
織物支持体とその織物支持体の少なくとも片面に塗布されたフィルムまたはプラスチック層とからなるラミネートが好ましい。さらに、織物支持体の上面および下面には、フィルムないしはプラスチック層が塗布されていてもよい。
塗布は、ラミネート加工または押出成形によって行うことができる。
不織布の下面にフィルムが施されており、そのフィルムの他方の面に感圧接着料が施されている一変形形態が好ましい。
【0068】
フィルム材料ないしはプラスチック材料として適切であるのは、例えば、PP、PE、ポリエステル、PA、PUまたはPVCのようなフィルムである。フィルムそれ自体は、他方で、複数の単層からなり得て、例えば、フィルムへと共押出成形された層からなり得る。
ポリオレフィンが好ましいが、エチレンと極性モノマー、例えば、スチレン、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、またはアクリル酸とからなるコポリマーも含まれる。ホモポリマー、例えば、HDPE、LDPE、MDPE、またはエチレンさらなるオレフィン、例えば、プロペン、ブテン、ヘキセン、またはオクテンとからなるコポリマー(例えば、LLDPE、VLDPE)であり得る。ポリプロピレン(例えば、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、またはポリプロピレンブロックコポリマー)も適切である。
【0069】
フィルムは、好ましくは12μmから100μm、さらに好ましくは28から50μm、特に35μmの厚さを有する。
フィルムは、多色および/または透明であってもよい。
【0070】
1つまたは複数の接着材料ストリップは、ラッピング工程中の接着テープの固定に利用される。
1つまたは複数の接着材料ストリップは、純接着料からなるストリップからなり得る。1つまたは複数の接着材料ストリップはまた、両面自己接着性接着テープからなり得る。
【0071】
支持体から接着テープを製造するためには、すべての公知の接着料系が採用され得る。天然または合成ゴムベースの接着料に加えて、特にシリコーン接着料およびポリアクリレート接着料が使用可能である。
【0072】
好ましくは、支持体材料の上に塗布された接着料は、感圧接着料、つまり、比較的弱い加圧下にすでに、ほぼすべての被着材との永続的な結合を可能にし、かつ使用後には本質的に糊残りなく被着材から再び剥離できる接着料である。感圧接着料は、室温において持続的に感圧接着性に作用し、つまり、十分に低い粘性、および高い初期接着性を有するため、わずかな加圧ですでに各接着基材の表面を濡らす。接着料の接着性は、その接着特性に基づき、再剥離性はその凝集特性に基づく。
【0073】
感圧接着材料は、弾性部分を有する極めて高粘度の液体と考えることができる。それゆえ感圧接着材料は、永続的な自己接着性および接着能をもたらす、特に特徴的な粘弾性の特性を有する。
【0074】
感圧接着材料の特徴としては、機械的に変形された場合、粘性流プロセスだけでなく、弾性復元力の構築も起こることである。両方のプロセスは、正確な組成、各感圧接着材料の構造および架橋度だけでなく、変形の速度および期間、ならびに温度に依存して、各部分に関して特定の比率で相互に関連している。
【0075】
粘性流の部分は、付着を達成するのに必要である。比較的高い流動性を有する高分子から生じる粘性部分だけが、接着する基材上への良好な濡れおよび良好な流動を可能にする。高粘性流部分によって、高い感圧接着性(タックまたは表面接着性とも呼ばれる)がもたらされ、それにより高い接着力もしばしばもたらされる。高度に架橋した系、結晶性ポリマーまたはガラス状固化ポリマーは、流動性部分がないため、通常は全く、または少なくともほんのわずかしか感圧接着性ではない。
【0076】
弾性復元力の部分は、凝集を達成するのに必要である。弾性復元力の部分は例えば、非常に長鎖の、強く絡み合った、物理的または化学的に架橋された高分子によって生じ、かつ接着結合を攻撃力に変化させるのを可能にする。弾性復元力の部分は、接着結合が、例えば永続的なせん断負荷の形で接着結合に作用する持続負荷に対して、より長期間にわたって十分耐えることができるようにする。
【0077】
特に適切であることが判明した接着料は、低分子アクリレート溶融型接着料、例えば、acResin UVの商品名でBASFから入手可能なものである。低いK値を有するこれらの接着料は、最終的に放射線化学的に誘発される架橋反応の結果として、その用途にふさわしい特性が得られる。
【0078】
さらなる極めて適切な接着料は、欧州特許出願公開第2520627号(特許文献9)、欧州特許出願公開第2522705号(特許文献10)、欧州特許出願公開第2520628号(特許文献11)、欧州特許出願公開第2695926号(特許文献12)、および欧州特許出願公開第2520629号(特許文献13)に記載されている。
特に好ましくは、乾燥させたポリマー分散液の形態の感圧接着料であって、ポリマーが、
(a)95.0から100.0重量%のn-ブチルアクリレートおよび/または2-エチルへキシルアクリレート
(b)0.0から5.0重量%の、酸官能基または酸無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマー
から構成されている、感圧接着料である。
【0079】
好ましくは、ポリマーは、95.0から99.5重量%のn-ブチルアクリレートおよび/または2-エチルへキシルアクリレート、ならびに0.5から5重量%の、酸官能基または酸無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマー、さらに好ましくは、97.0または98.0重量%から99.0重量%のn-ブチルアクリレートおよび/または2-エチルへキシルアクリレート、ならびに1.0から2.0重量%または3重量%の、酸官能基または酸無水物官能基を有するエチレン性不飽和モノマーからなる。
【0080】
列挙したアクリレートポリマーに加えて、感圧接着料には、場合によっては存在する残留モノマーの他に、さらに、粘着付与剤および/または添加剤、例えば、遮光剤または老朽化防止剤を添加してもよい。
特に、感圧接着料中にはさらなるポリマー、例えばエラストマーが含有されず、つまり、感圧接着料のポリマーは、記載した量比のモノマー(a)および(b)のみからなる。
【0081】
好ましくは、n-ブチルアクリレートはモノマー(a)を形成する。
【0082】
モノマー(b)として有利に考慮に値するのは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、および/または無水マレイン酸である。
好ましいのは、式I
【0083】
【化1】
の(メタ)アクリル酸であり、ただし、R=HまたはCHであり、場合によっては、アクリル酸またはメタクリル酸からなる混合物を使用するのが好ましい。特に好ましいのはアクリル酸である。
【0084】
特に好ましい一変形形態によると、ポリマーは、以下の組成
(a)95.0から100.0重量%の、好ましくは95.0から99.5重量%の、さらに好ましくは98.0から99.0重量%のn-ブチルアクリレート、および
(b)0.0から5.0重量%の、好ましくは0.5から5.0重量%の、さらに好ましくは1.0から2.0重量%のアクリル酸
を有する。
【0085】
ポリマー分散液は、前記の成分の乳化重合法によって製造される。その方法の記載は、例えば、Peter A. LovellとMohamed S. El-Aasser「Emulsion Polymerization and Emulsion Polymers」、Wiley-VCH、1997年、ISBN 0-471-96746-7(非特許文献3)または欧州特許第1378527号(特許文献14)に見られる。
【0086】
重合の際、すべてのモノマーがポリマーに変換されるのではないことを排除できない。その際、残留モノマー含有量はできるだけ少量であるべきことが自明である。
好ましくは、(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)1重量%以下、特に0.5重量%以下の残留モノマー含有量を有するポリマー分散液を含む接着料を提供する。
【0087】
「接着樹脂」とは、一般的な当業者の理解に相応して、接着樹脂を含有しないが、その他の点では同一の感圧接着料と比べて、感圧接着料の自己接着(タック、自己接着性)を高めるオリゴマー樹脂またはポリマー樹脂と理解される。
【0088】
感圧接着料の接着力を高めるための粘着付与剤の使用は、基本的に公知である。その効果は、接着料に、15重量部まで(<15重量部に相当)、ないしは5から15重量部の粘着付与剤(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)を添加した場合も生じる。好ましくは5から12、さらに好ましくは6から10重量部の粘着付与剤(乾燥させたポリマー分散液の質量に対して)を添加する。
【0089】
接着樹脂とも呼ばれる粘着付与剤としては、原則的にすべての公知の物質群が適切である。粘着付与剤は、いくつかを挙げるのみだが、例えば、炭化水素樹脂(例えば、不飽和C-またはC-モノマーベースのポリマー)、テルペンフェノール樹脂、原料、例えばα-ピネンまたはβ-ピネンをベースとするポリテルペン樹脂、芳香族樹脂、例えばクマロン・インデン樹脂、またはスチレンもしくはα-メチルスチレンベースの樹脂、例えばコロホニウムおよびその反応生成物、例えば、不均化コロホニウム、二量化コロホニウム、またはエステル化コロホニウム、例えば、グリコール、グリセロール、もしくはペンタエリトリトールとの反応生成物である。好ましいのは、易酸化性の二重結合を有さない樹脂、例えば、テルペンフェノール樹脂、芳香族樹脂であり、特に好ましいのは、水素化によって製造される樹脂、例えば、水素化芳香族樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化コロホニウム誘導体、または水素化ポリテルペン樹脂である。
テルペンフェノールおよびコロホニウムエステルをベースとする樹脂が好ましい。ASTM E28-99(2009)に準拠して、80℃を上回る軟化温度を有する接着樹脂も同じく好ましい。特に好ましいのは、ASTM E28-99(2009)に準拠して、90℃を上回る軟化温度を有する、テルペンフェノールおよびコロホニウムエステルをベースとする樹脂である。実用的には、樹脂を、分散液形態で使用する。それにより、その樹脂を、問題なく、微細分散された状態でポリマー分散液と混合できる。
【0090】
感圧接着料にいかなる接着樹脂も添加しない変形形態が、特に好ましい。
当業者にとっては驚くべきかつ予測できなかったことに、接着樹脂の不在は、接着テープにおいて、当業者が期待したであろうような、不十分な接着力をもたらすことはない。その上、驚くべきことにフラッギング挙動も悪化しない。
【0091】
特に、感圧接着料に添加されないのは、次の物質である。
・ 炭化水素樹脂(例えば、不飽和C-モノマーまたはC-モノマーベースのポリマー)
・ テルペンフェノール樹脂
・ 原料、例えばα-ピネンまたはβ-ピネンをベースとするポリテルペン樹脂
・ 芳香族樹脂、例えばクマロン・インデン樹脂、またはスチレンもしくはα-メチルスチレンベースの樹脂、例えばコロホニウムおよびその反応生成物、例えば、不均化コロホニウム、二量化コロホニウム、またはエステル化コロホニウム、例えば、グリコール、グリセロール、もしくはペンタエリトリトールとの反応生成物
【0092】
自動車のケーブルハーネスの接着テープのための接着料として特に適性があるため、曇りの不存在(Foggingfreiheit)ならびにPVCコア絶縁体(Aderisolierung)およびPVC不含のコア絶縁体との極めて良好な適合性を顧慮すると、独国特許出願公開第19807752号(特許文献15)および独国特許出願公開第10011788号(特許文献16)により詳細に記載されているような、無溶媒アクリレートホットメルトが好まれる。
【0093】
接着料としては、ホットメルトとして加工できる系を形成する接着剤の溶液を濃縮することによって得られる、20以上、特に30より大きいK値を有するアクリレートホットメルトベースの接着料が適切である(それぞれ1重量%のトルエン溶液、25℃にて測定した)。
濃縮は、これに対応して加工が施された槽または押出機にて行われ得、特に濃縮に伴って行われる脱気には、脱気用押出機が好ましい。
その種の接着料は、独国特許第4313008号(特許文献17)に詳述されている。このような方法で製造されたアクリレート接着料からは、中間ステップにおいて、溶媒は完全に取り除かれる。
その際K値は、特にDIN53726と同様に測定される。
【0094】
さらにその際、さらなる易揮発性成分が除去される。溶融液からコーティングした後、これらの接着料は、わずかな量の揮発性成分しか有していない。したがって、上記の特許に記載のすべてのモノマー/配合は採用することができる。
接着料の溶液は、5から80重量%、特に30から70重量%の溶媒を含有し得る。
好ましくは、市販の溶媒、特に低沸点の炭化水素、ケトン、アルコールおよび/またはエステルが使用される。
さらに好ましくは1つまたは特に2つ以上の脱気ユニットを備えた単軸押出機、二軸押出機、または多軸押出機が使用される。
アクリレートホットメルトベースの接着料において、ベンゾイン誘導体、例えば、ベンゾインアクリレートまたはベンゾインメタクリレート、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは、共重合され得る。その種のベンゾイン誘導体は、欧州特許出願公開第0578151号(特許文献18)に記載されている。
アクリレートホットメルトベースの接着料は、UV架橋され得る。しかし、その他の種類の架橋、例えば電子線架橋も可能である。
【0095】
さらなる好ましい一実施形態では、自己接着料として、(メタ)アクリル酸および1から25個のC原子を有するそのエステルから、マレイン酸、フマル酸、および/もしくはイタコン酸ならびに/またはそのエステルから、置換(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸ならびにその他のビニル化合物、例えばビニルエステル、特にビニルアセテート、ビニルアルコールおよび/またはビニルエーテルからなる共重合体が使用される。
残留溶媒の含有量は、1重量%未満であるとよい。
【0096】
特に適切であることが判明した接着料は、低分子アクリレート溶融型接着料、例えば、acResin UVまたはAcronal(登録商標)、特にacResin 258UVの商品名でBASFから入手可能なものである。低いK値を有するこれらの接着料は、最終的に放射線化学的に誘発される架橋反応の結果として、その用途にふさわしい特性が得られる。
【0097】
同様に好ましくは、接着コーティングは、合成ゴムベースの接着料、すなわち特に少なくとも1つのビニル芳香族ブロックコポリマーおよび少なくとも1つの接着樹脂からなる接着料からなる。ブロックコポリマーの典型的な使用濃度は、30重量%から70重量%の間の範囲、特に35重量%から55重量%の間の範囲の濃度にある。
【0098】
さらなるポリマーとしては、純粋な炭化水素、例えば、不飽和ポリジエン、例えば天然または合成に生成されるポリイソプレンまたはポリブタジエン、本質的に化学的に飽和されたエラストマー、例えば、飽和エチレン-プロピレンコポリマー、α-オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムおよび化学的に官能化された炭化水素、例えば、ハロゲン含有、アクリレート含有、またはビニルエーテル含有ポリオレフィンベースのポリマーが存在することができ、これらのポリマーは、ビニル芳香族含有ブロックコポリマーの半分までと置き換えることができる。
【0099】
粘着付与剤としては、スチレンブロックコポリマーのエラストマーブロックと相容性がある接着樹脂が利用される。
【0100】
可塑剤、例えば、液状樹脂、可塑化油、または低分子量液状ポリマー、例えば、<1500g/molの(数平均)分子量を有する低分子量ポリイソブチレン、または液状EPDM型が典型的に使用される。
さらなる添加物としては、上述したすべての型の接着料に、遮光剤、例えば、UV吸収剤、立体障害アミン、オゾン劣化防止剤、金属不活性化剤、加工助剤、末端ブロック強化用樹脂を添加することができる。
【0101】
充填剤、幾つか例を挙げると、例えば二酸化ケイ素、ガラス(粉砕物、または中実球もしくは中空球としての球状物)、マイクロバルーン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ケイ酸塩、およびチョーク、同様に、着色顔料および染料ならびに光増白剤も同じく使用することができる。
【0102】
通常感圧接着料には、感圧接着料の経時安定性を改善するために、一次酸化防止剤および二次酸化防止剤が添加される。その際一次酸化防止剤は、酸素の存在下で形成され得る酸および過酸化ラジカルと反応し、これらと反応して反応性の低い化合物が得られる。二次酸化防止剤は例えば、ヒドロペルオキシドをアルコールに還元する。一次老朽化防止剤と二次老朽化防止剤の間の相乗効果は公知であり、2つの単独の効果を合わせたよりも混合物の保護効果はより大きいことが多い。
【0103】
記載の接着テープの難燃性が望ましければ、それは、支持体および/または接着料に難燃剤を添加することで達成できる。その難燃剤は、必要に応じて相乗剤、例えば、三酸化アンチモンを加えた有機臭素化合物であり得て、接着テープのハロゲンフリー性を顧慮すると、好ましくは、赤リン、有機リン化合物、ミネラル化合物、または膨張性化合物、例えば、ポリリン酸アンモニウムを、単独または相乗剤と共に使用する。
【0104】
感圧接着料の製造および加工は、溶液、分散液、および溶融液から行うことができる。好ましくは、製造および加工方法は、溶融液から行われる。後者の場合、適切な製造プロセスには、バッチ法も連続法も含まれる。
【0105】
以下では、複数の図および例を手がかりに、本発明を詳細に説明するが、それにより本発明を制限しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】本発明による接着材料ストリップを有する接着テープを示す図である。
図2】本発明によるオフセット付きで塗布された接着材料ストリップを備えた接着テープを示す図である。
図3】本発明による2つの接着材料ストリップを有する第3の接着テープを示す図である。
図4図1の本発明による接着テープでジャケッティングした材料を示す図である。
図5】本発明による第4の接着テープを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1は、幅B(例えば、45mm)を有する支持体10を本発明による接着テープを示す横断面図である。支持体10の下面には、10mm、したがって幅Bのおよそ22%の幅Bを有する接着材料ストリップ11が存在する。
支持体の下面の接着材料ストリップ11に隣接して、接着材料ストリップ11によってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅Bにわたって延在するポリマーストリップ15が存在する。すなわち、BとBRBは等しい。
【0108】
幅BVSを有するオフセット付きのストリップが塗布された図2の接着テープとは異なり、接着ストリップ11は、支持体10の縦エッジと同一面で終端する。
支持体の下面の接着材料ストリップ11に隣接して、接着材料ストリップ11によってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの95%である幅Bにわたって延在するポリマーストリップ15が存在する。すなわち、BとBRBは等しくない。
【0109】
図3は、本発明による2つの接着材料ストリップ11、12を有する第3の接着テープを示す。支持体10の下面には、第1の接着材料ストリップ11および第2の接着材料ストリップ12が存在する。接着材料ストリップ11、12は、機械方向とも呼ばれる、支持体10の長手方向に延び、かつ両方とも支持体10の縦エッジと同一面で終端する。
支持体の下面の接着材料ストリップ11、12の間には、接着材料ストリップ11、12によってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅Bにわたって延在するポリマーストリップ15が存在する。すなわち、BとBRBは等しい。
【0110】
支持体10の上面には、第3の接着材料ストリップ14が設けられている。第3の接着材料ストリップ14は、支持体10の横断面図から見て、支持体の下面の接着材料ストリップ11、12の両方の間にあるポリマーストリップ15の範囲にある。
【0111】
図4は、図1の本発明による接着テープでジャケッティングした材料を示し、ここでケーブル7は、自動車分野におけるケーブルハーネスである。
接着テープによるケーブル7のラッピングは、接着ストリップ11を支持体10の接着ストリップがない末端部の上に重ねることによって行われる。
【0112】
図5は、本発明による2つの接着材料ストリップ11、13を有する第4の接着テープを示す。支持体10の下面には、第1の接着材料ストリップ11および第2の接着材料ストリップ13が存在し、第2の接着材料ストリップ13は、幅BK1を有する第1の接着材料ストリップ11よりも小さい幅BK2を有する。
接着材料ストリップ11、13は、機械方向とも呼ばれる、支持体10の長手方向に延び、かつ両方とも支持体10の縦エッジと同一面で終端する。
支持体の下面の接着材料ストリップ11、13の間には、接着材料ストリップ11、13によってコーティングされていない、支持体の残幅BRBの100%である幅Bにわたって延在するポリマーストリップ15が存在する。すなわち、BとBRBは等しい。
【0113】
本発明を、例を挙げて具体的に説明する前に、使用する測定方法について記載する。
【0114】
試験方法
測定は、他に明示されない限り、23±1℃および50±5%の相対湿度という試験環境において行う。
【0115】
剥離強度(接着力、KK)
接着力を測定するため、19mm幅の試験片を気泡のない(FEPA粒度240のサンドペーパーで)細かく研磨したステンレス鋼からなる鋼プレートに接着させ、ゴムを巻いた2kgのロールに10m/分の速度で圧延した。次いで鋼プレートおよび接着テープの突出端は、180°の引き剥がし角度が生じる方法で引張試験機の端に張って固定した。所定の貼り付け時間が経過した後(特に記載のない限り30分)、接着テープを300mm/分の速度で鋼プレートから引き剥がした。接着力の単位はN/cmである。
【0116】
静的ガラス転移温度T
静的ガラス転移温度の測定は、DIN53765に準拠し、示差走査熱量測定で行う。個別に特に記載のない限り、ガラス転移温度Tの単位は、DIN 53765:1994-03、特に7.1章および8.1章に準拠するガラス転移温度値Tに基づいており、ただしすべての加熱ステップおよび冷却ステップにおいて10K/分の統一された加熱速度および冷却速度である(DIN 53765;7.1章;注1を参照)。
【0117】
分子量
その際重量平均分子量Mは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を利用して測定される。溶離液として、0.1重量%のトリフルオロ酢酸を含むTHFを使用する。測定は25°Cで行われる。プレカラムとしては、PSS-SDV、5μ、10Å、ID8.0mm×50mmを使用する。分離には、カラムPSS-SDV、5μ、それぞれID8.0mm×300mmの10Å、10Å、および10Åを使用する。試料濃度は、4g/l、流量は1分当たり1.0mlであった。測定はPMMA規格に対して行われる。(μ=μm;1Å=10-10m)。
【0118】
耐摩耗性
耐摩耗性は、LV312-1に準拠し、同じく定義された試験方法を手がかりに測定される。接着テープの分類を、5mmのマンドレル直径の場合の接着テープの耐摩耗性に関しては、表2に示す:これに加えて、検査しようとする接着テープをまず直径5mmのマンドレルまたは金属棒の上に貼り付ける。次いで、針径0.45mmのシェービング工具を用いて、7Nの重力を考慮し、接着テープがすり切れるのに必要とされる回数を測定する。
当該接着テープは、回数が増えるほどより耐摩耗性があると解釈される。
【0119】
【表1】
【0120】
以下の例は、本発明を説明するために利用するものであり、本発明を制限しようとするものではない。
【0121】

合計6つの異なる接着テープを製造した。例1は、ポリマー層を含まない接着テープ、例2から例6は、それぞれ異なるポリマーベースのポリマー層を有する。
【0122】
支持体としては、それぞれ45mm幅、130g/mの平織のPET布地を採用し、それぞれ同一面にあるこの布地の2つの縦エッジには、10mm幅の接着材料ストリップを塗布した。
【0123】
接着材料ストリップの間には、25mm幅のポリマーストリップが塗布され、詳細には、同じく70g/mの塗布量であった。
支持体:45mm幅のPET布地、平織、130g/m
接着材料ストリップ:支持体の縦エッジと最終的に同一面で終端する
幅10mm、塗布量70g/m
アクリレートベース接着剤
ポリマーストリップ:最終的に接着材料ストリップと同一面;
幅25mm、塗布量70g/m
異なるポリマーベース
【0124】
【表2】
【0125】
異なるポリマーストリップにより、裸の支持体と比較して、耐摩耗性は顕著に増加する。
さらには、ポリマーストリップのロールは、支持体の全幅にわたる均一な厚さの存在ゆえ、より良好な巻き取り性能を示す。巻き取られたロールは、明らかにクリーンなエッジを提供し、隙間がなく、また接着テープロール内の支持体層の間のコーティング内には、穴も裂け目も示さない。
図1
図2
図3
図4
図5