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特許7050788複数のパッケージを整列させるための装置
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】複数のパッケージを整列させるための装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/24 20060101AFI20220401BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20220401BHJP
   B65G 47/31 20060101ALI20220401BHJP
   B65G 27/20 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
B65G47/24 E
B65G47/28 L
B65G47/31 L
B65G27/20
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019533315
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017081406
(87)【国際公開番号】W WO2018114311
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】16205927.3
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・ノーディン
(72)【発明者】
【氏名】スタッファン・リンデン
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-088932(JP,A)
【文献】特開2011-037620(JP,A)
【文献】特開平11-334861(JP,A)
【文献】実開昭49-140866(JP,U)
【文献】特開平08-301436(JP,A)
【文献】特開平09-220538(JP,A)
【文献】特開平09-150940(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01655246(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
B65G 27/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパッケージを整列させるための装置であって、第1の端部でパッケージを受け取り、かつ第2の端部でパッケージを送り出すための少なくとも1つの底部ベルトを含み、
前記底部ベルトは、前記底部ベルトの1つの側部に沿って配置される支持面に対向する横方向傾斜部を含み、それにより、使用中、前記底部ベルトによって搬送されるパッケージは、前記横方向傾斜部のためにかつ重力により、前記支持面への整列のために前記支持面に向けて横方向に移動し、
前記支持面は、支持ベルトであり、
前記支持ベルトの搬送速度は、前記少なくとも1つの底部ベルトの対応する搬送速度より高く設定される、装置。
【請求項2】
前記第1の端部および/または第2の端部の位置における前記少なくとも1つの底部ベルトのそれぞれの頂面は、水平に整列される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記底部ベルトは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置される中間部をさらに含み、前記横方向傾斜部は、前記中間部の頂面によって形成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
動を発生させるために前記底部ベルトの少なくとも1つと接触している振動ローラをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記振動ローラは、回転している間、前記関連する底部ベルトにおいて振動を発生させる、前記底部ベルトの少なくとも1つに接続する少なくとも1つの扁平な外面を有する円筒ローラである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記支持面は、支持壁を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記支持ベルトの前記搬送速度は、前記少なくとも1つの底部ベルトの前記搬送速度に対する速度係数で設定される、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの底部ベルトの第1の底部ベルトの搬送速度は、前記少なくとも1つの底部ベルトの第2の底部ベルトの対応する搬送速度より高く設定される、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの底部ベルトを含むコンベヤシステムにおいて複数のパッケージを整列させるための方法であって、
少なくとも1つの底部ベルトの第1の端部でパッケージを受け取ることと、
支持面に対して傾けられる前記少なくとも1つの底部ベルトの少なくとも中間部によって前記パッケージを整列させることであって、それにより、運搬中、前記中間部において前記底部ベルトによって搬送される前記パッケージは、傾斜部のためにかつ重力により、前記支持面への整列のために前記支持面に向けて横方向に移動する、整列させることと、
前記少なくとも1つの底部ベルトの第2の端部の下流に細長いガイド部材を提供することであって、前記細長いガイド部材は、前記底部ベルトに対して横方向に位置付けられ、前記ガイド部材は、第1のタイプのパッケージの第1の横方向位置と交差する第1の長手方向線と、第2のタイプのパッケージの第2の横方向位置と交差する第2の長手方向線との間に少なくとも延在している幅を含む、提供することと
前記少なくとも1つの底部ベルトを動作させ、それにより、
前記第1の横方向位置に質量中心を有する第1のタイプのパッケージが摺動し、かつ前記ガイド部材の第1の側に傾き、および
前記第2の横方向位置に質量中心を有する第2のタイプのパッケージが摺動し、かつ前記ガイド部材の第2の側に傾く
ように、整列されたパッケージを前記細長いガイド部材上に運搬することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記整列させるステップは、振動ローラを使用して、パッケージを搬送する前記少なくとも1つの底部ベルトに振動を加えることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
分類装置であって、コンベヤベルトの下流に配置される細長いガイド部材であって、
第1の横方向位置に質量中心を有する第1のタイプのパッケージが摺動し、かつ前記ガイド部材の第1の側に傾くこと、および
第2の横方向位置に質量中心を有する第2のタイプのパッケージが摺動し、かつ前記ガイド部材の第2の側に傾くこと
を可能にするように前記コンベヤベルトに対して横方向に位置付けられる、細長いガイド部材を含み、
前記ガイド部材は、前記第1のタイプの前記第1の横方向位置と交差する第1の長手方向線と、前記第2のタイプの前記第2の横方向位置と交差する第2の長手方向線との間に少なくとも延在している幅を含む、分類装置。
【請求項12】
前記細長いガイド部材は、前記細長いガイド部材の下流端部に向けて長方形の断面に段階的に切り替わる、その長手方向の延伸に沿った三角形の断面を有する、請求項11に記載の分類装置。
【請求項13】
第1のコンベヤベルトは、前記細長いガイド部材の前記第1の側に沿って提供され、および第2のコンベヤベルトは、前記細長いガイド部材の前記第2の側に沿って提供される、請求項11または12に記載の分類装置。
【請求項14】
前記第1のコンベヤベルトおよび前記第2のコンベヤベルトは、前記パッケージが落下しかつ搬送されるためのポケットが作成されるように前記細長いガイド部材に対して傾けられる、請求項13に記載の分類装置。
【請求項15】
前記第1のコンベヤベルトおよび前記第2のコンベヤベルトは、パッケージが同時に前記コンベヤベルトから出ることを可能にするように異なる速度で駆動される、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記細長いガイド部材は、前記パッケージが前記細長いガイド部材の前記延伸に沿って互いから離れて横方向に導かれるように、その延伸に沿って増加する幅を有する長手方向に延在する頂面を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記細長いガイド部材の上流に配置される、請求項1~のいずれか一項に記載の複数のパッケージを整列させるための装置をさらに含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後続の処理のためにパッケージを整列させるための装置に関する。より詳細には、装置は、後続の処理のために、充填されたパッケージを整列させるためのパッケージ整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不規則な四面体パッケージは、本出願人により、たとえば、国際公開第2014/154623号パンフレットで提案されている。簡単に言うと、不規則な四面体パッケージは、パッケージ材料のチューブから製造され、好ましくは流動食品を収容するように構成される。チューブは、パッケージ材料の平坦なウェブを円筒チューブに矯正すること、製品をチューブに充填すること、チューブを均等な間隔で横方向にシールおよび切断して個別のパッケージにすること、によって形成される。
【0003】
このタイプのパッケージについて、上記の先行技術文献に記載されているように、横方向シールは、シールジョーの2つの個別の対によって提供される。共通の平面において互いに対して垂直に動作するシールジョーのこれらの対は、横方向シールが水平面に対してある角度で提供されるようにわずかに傾けられる。水平面に対して角度が付けられたシールジョー対を有する目的は、2種類の不規則な四面体パッケージを交互に製造することであり、1つのパッケージは、そのパッケージの上方及び下方にあるパッケージの鏡像である。各タイプに3つずつで6つのパッケージを組み合わせることにより、6つのパッケージのすべてを長方形の箱の形状に配置することが可能であることが証明されており、すなわち、その6つの面の形状は、すべて長方形であり、その隣接する面の各対は、直角に接触する。
【0004】
明らかであるように、パッケージは、長方形の箱内のほとんどすべての空間を満たすため、このタイプのパッケージは、非常に効率的に保管および輸送することができる。
【0005】
しかしながら、このようなパッケージを効率的に保管するために個々のパッケージのタイプを保管前に知ることが重要である。異なるパッケージタイプ間の視覚的な類似点も各パッケージのタイプの識別をより難しくする。したがって、特定のパッケージのタイプを識別するための改良された装置が有益であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特定のパッケージのタイプの改善された識別を可能にする装置を提供することである。これは、パッケージを支持および運搬するための少なくとも1つの底部ベルトと、それぞれのパッケージが整列される支持面とを使用してパッケージを整列させるための装置によって達成される。少なくとも1つの底部ベルトは、傾斜部を含み、かつ/または搬送中にパッケージが支持面の方へ横方向に移動できるように傾けられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある態様により、複数のパッケージを整列させるための装置が提供される。装置は、第1の端部でパッケージを受け取り、かつ第2の端部でパッケージを送り出すための少なくとも1つの底部ベルトを含み、前記底部ベルトは、底部ベルトの1つの側部に沿って配置される支持面に対向する横方向傾斜部を含む。使用中、底部ベルトによって搬送されるパッケージは、傾斜部のためにかつ重力により、支持面への整列のために支持面に向けて横方向に移動する。
【0008】
第1の端部および/または第2の端部の位置における少なくとも1つの底部ベルトのそれぞれの頂面は、水平に整列され得る。
【0009】
底部ベルトは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置される中間部をさらに含み得、前記横方向傾斜部は、前記中間部の頂面によって形成され得る。
【0010】
装置は、パッケージを搬送する関連する底部ベルトにおいて振動を発生させるために底部ベルトの少なくとも1つと接触している振動ローラをさらに含み得る。
【0011】
振動ローラは、回転している間、関連する底部ベルトにおいて振動を発生させる、底部ベルトの少なくとも1つに接続する少なくとも1つの扁平な外面を有する円筒ローラであり得る。
【0012】
支持面は、支持壁および/または支持ベルトであり得る。
【0013】
支持ベルトの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトの対応する搬送速度より高く設定され得る。
【0014】
支持ベルトの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトの搬送速度に対する速度係数で設定され得る。一例として、支持ベルトの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトの搬送速度の1.0~1.5倍の範囲であり得る。
【0015】
少なくとも1つの底部ベルトの第1の底部ベルトの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトの第2の底部ベルトの対応する搬送速度より高く設定され得る。
【0016】
各底部ベルトの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトが支持面に近いほど、パッケージの回転が実現されるようにその底部ベルトの搬送速度が高いように設定され得る。
【0017】
第2の態様により、分類装置が提供される。分類装置は、コンベヤベルトの下流に配置される細長いガイド部材であって、第1の横方向位置に質量中心を有する第1のタイプのパッケージが摺動し、かつガイド部材の第1の側に傾くこと、および第2の横方向位置に質量中心を有する第2のタイプのパッケージが摺動し、かつガイド部材の第2の側に傾くことを可能にするようにコンベヤベルトに対して横方向に位置付けられる、細長いガイド部材を含み、ガイド部材は、第1のタイプの第1の横方向位置と交差する第1の長手方向線と、第2のタイプの第2の横方向位置と交差する第2の長手方向線との間に少なくとも延在している幅を含む。
【0018】
細長いガイド部材は、細長いガイド部材の下流端部に向けて長方形の断面に段階的に切り替わる、その長手方向の延伸に沿った三角形の断面を有し得る。
【0019】
ある例において、第1のコンベヤベルトは、細長いガイド部材の第1の側に沿って提供され、および第2のコンベヤベルトは、細長いガイド部材の第2の側に沿って提供される。
【0020】
ある例において、第1のコンベヤベルトおよび第2のコンベヤベルトは、パッケージが落下しかつ搬送されるためのポケットが作成されるように細長いガイド部材に対して傾けられる。
【0021】
第1の底部ベルトおよび第2の底部ベルトは、パッケージが互いに並んで前記底部ベルトから出ることを可能にするように異なる速度で駆動され得る。
【0022】
細長いガイド部材は、パッケージが細長いガイド部材の延伸に沿って互いから離れて横方向に導かれるように、その延伸に沿って増加する幅を有する長手方向に延在する頂面を有し得る。
【0023】
装置は、前記細長いガイド部材の上流に配置される、第1の態様による複数のパッケージを整列させるための装置をさらに含み得る。
【0024】
第3の態様により、少なくとも1つの底部ベルトを含むコンベヤシステムにおいて複数のパッケージを整列させるための方法が提供される。方法は、少なくとも1つの底部ベルトの第1の端部でパッケージを受け取ること、支持面に対して傾けられる少なくとも1つの底部ベルトの少なくとも中間部によってパッケージを整列させることであって、それにより、運搬中、中間部において底部ベルトによって搬送されるパッケージは、傾斜部のためにかつ重力により、支持面への整列のために支持面に向けて横方向に移動する、整列させること、を含む。
【0025】
整列させるステップは、振動ローラを使用して、パッケージを搬送する少なくとも1つの底部ベルトに振動を加えることを含み得る。
【0026】
方法は、少なくとも1つの底部ベルトの第2の端部の下流に細長いガイド部材を提供することであって、前記細長いガイド部材は、底部ベルトに対して横方向に位置付けられ、ガイド部材は、第1のタイプのパッケージの第1の横方向位置と交差する第1の長手方向線と、第2のタイプのパッケージの第2の横方向位置と交差する第2の長手方向線との間に少なくとも延在している幅を含む、提供すること、少なくとも1つの底部ベルトを動作させ、それにより、第1の横方向位置に質量中心を有する第1のタイプのパッケージが摺動し、かつガイド部材の第1の側に傾き、および第2の横方向位置に質量中心を有する第2のタイプのパッケージが摺動し、かつガイド部材の第2の側に傾くように、整列されたパッケージを細長いガイド部材上に運搬すること、をさらに含む。
【0027】
本発明の記載は、添付図とともに読んだ場合により容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】パッケージを支持および運搬するための1つまたは複数の底部ベルトを形成する、底部ベルトを使用したパッケージを整列させるための装置を概略的に示す。
図2】2つ以上の底部ベルトを有する、パッケージを整列させるための装置を概略的に示す。
図3】振動ローラが設けられた図1の装置の断面を示す。
図4】振動ローラが設けられた図2の装置の断面を示す。
図5-6】振動ローラの断面をそれぞれ示す。
図7】細長いガイド部材が設けられている図2の装置を概略的に示す。
図8】代替的な細長いガイド部材が設けられている図2の装置を概略的に示す。
図9】異なるタイプの2つのパッケージの側面図および頂部ガイド部材への係合に影響を与えるそれらのそれぞれの傾斜角を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、複数のパッケージP1、P2を整列させるための装置10を概略的に示す。図1の左側は、装置の上面図を示す一方、図1の右側は、装置の長手方向の延伸に沿った装置の3つの断面図を示す。
【0030】
装置10は、第1の端部12aでパッケージP1、P2を受け取り、かつ第2の端部12cでパッケージP1、P2を送り出すための少なくとも1つの底部ベルト11aを含む。少なくとも1つの底部ベルト11aは、パッケージP1、P2を支持および運搬するための1つまたは複数の底部ベルトを形成する。第1の端部12aおよび第2の端部12cの位置における少なくとも1つの底部ベルト11aのそれぞれの頂面14a、14bは、水平に整列され得る。これは、第1の端部12aおよび第2の端部12cにおける底部ベルトがパッケージ取扱処理を容易にするために実質的に平坦であり得ることを意味する。中間部12bは、第1の端部12aと第2の端部12cとの間に配置される。中間部12bにおいて、少なくとも1つの底部ベルトのそれぞれの頂面14cは、底部ベルト11aの側部に沿って長手方向に配置される支持面15に対向する横方向傾斜部13を形成する。これにより、傾斜部13は、パッケージP1、P2がそのより低いレベルに向けて摺動できる傾けられた平面を形成する。したがって、使用中、中間部12bにおいて少なくとも1つの底部ベルト11aによって搬送されるパッケージP1、P2は、傾斜部13のためにかつ重力により、支持面への整列のために支持面15に向けて横方向に移動する。図1の矢印は、底部ベルト11aの進行の順方向を示す。
【0031】
図2は、2つのさらなる底部ベルト11b、11cを有する図1の装置を示す。底部ベルト11a~cは、並列に配置される。任意の数の底部ベルトが使用され得る。図1と同様に、矢印は、底部ベルトの進行の順方向を示す。好ましくは、各底部ベルト11a~cの幅は、パッケージP1、P2の最大幅より小さい。
【0032】
図3~6に関して示されるような振動ローラ21は、関連する底部ベルトにおいて振動を発生させるために底部ベルト11a、11b、11cの少なくとも1つと接触しているように配置され、それにより、特に中間部12bにおいて、パッケージとそれぞれの底部ベルトとの間の摩擦の影響を減少させる。これにより、パッケージが支持面15の方へ横方向に震えるため、パッケージP1、P2を支持面15に向けて横方向により簡単に移動させることができる。
【0033】
図3は、単一の底部ベルト11aの下に設けられて、単一の底部ベルト11aに動作可能に結合された振動ローラ21を示す一方、図4は、振動ローラ21が底部ベルト11a、11b、11cの幅全体にわたって延在するように各底部ベルト11a、11b、11cの下に設けられた振動ローラ21を示す。任意選択的に、任意の数の振動ローラ21が各底部ベルト11a~cの延伸に沿って配置され得る。好ましくは、振動ローラ21は、傾斜部13に配置される。
【0034】
図5および6は、振動ローラ21の2つの代替的な断面図を示す。振動ローラ21の重要な態様は、その回転軸52から、底部ベルトが動作可能に結合される外面51までのその半径が、1回転する間に変化するようにそれを配置させることである。したがって、振動ローラ21は、その一方側で扁平な部分を有する、図5に示されるような半円形断面形状を有し得る。図6は、等距離を隔てて離間した直線状の外部分51形状を有する半円形振動ローラ21の異なるバージョンを示す。1つの例において、ローラ21は、振動を提供するための複数の扁平または不規則な領域を含む。
【0035】
しかしながら、振動ローラ21の断面形状は、中心位置から半径方向位置まで回転軸をオフセットすることによって円形であってもよく、それにより、振動ローラ21の回転時、回転軸52から外面51への半径が各回転にわたって変化することが認識されるべきである。
【0036】
振動ローラは、円筒形の延伸を有し、それにより円筒ローラを形成する。
【0037】
支持面15は、図1、2および7に示されるような、中間部12bでのそれらの横方向移動時にパッケージP1、P2を受けて整列させるための支持壁であり得る。
【0038】
代わりにまたは組み合わせて、支持面15は、底部ベルト11a、11b、11cと同じ進行の順方向を有する支持底部ベルトを含み得る。したがって、支持底部ベルト15は、底部ベルト11a、11b、11cの少なくとも1つの頂面14a、14b、14cに対して90度以下の角度で面する頂面を有し得る。
【0039】
ある例において、支持ベルト15および底部ベルト11aは、同じ底部ベルトであり得る。
【0040】
ある例において、支持ベルト15の搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルト11a、11b、11cの対応する搬送速度より高く設定される。パッケージは、より高い相対速度を有する底部ベルトに向けて横方向に移動する傾向があるため、これにより、各パッケージの望ましい横方向移動が改善される。このように、より高速の底部ベルトは、パッケージと接触すると、より低速の底部ベルトからパッケージを引っ張る。
【0041】
支持ベルト15の搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルト11a、11b、11cの搬送速度に対する速度係数で設定され得る。一例として、支持ベルト15の搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルト11a、11b、11cの搬送速度の1.0~1.5倍の範囲であり得る。
【0042】
少なくとも1つの底部ベルトの第1の底部ベルト11aの搬送速度は、少なくとも1つの底部ベルトの第2の底部ベルト11bの対応する搬送速度より高く設定することができ、第2の底部ベルト11bから第1の底部ベルト11aへのパッケージP1、P2の横方向移動を容易にする。これにより、パッケージが支持面15の方に整列されるようにパッケージの回転を提供することも可能になる。
【0043】
ある例において、分類装置50は、2つのタイプのパッケージP1およびP2をそれぞれ受けかつ分類するように配置され、各タイプは、他方の鏡像バージョンである。第1のタイプP1は、その中の第1の位置に質量中心CM1を有する一方、第2のタイプP2は、その中の第2の位置に質量中心CM2を有する。支持面15に対して整列されるとき、図7に示されるように、パッケージタイプP1は、支持面から第1の横方向距離D1において質量中心CM1を有する一方、パッケージタイプP2は、支持面から第2の横方向距離D2において質量中心CM2を有する。パッケージの質量中心は、たとえば、パッケージの中心とすることができ、またはパッケージの中心を外れているようにすることができる。分類装置50は、パッケージP1、P2を整列させるための装置10の下流に配置される。それにより、それぞれのパッケージP1、P2の質量中心は、パッケージP1、P2が装置10の端部に到達すると、長手方向に延在する軸線と一致する。
【0044】
図7を参照すると、分類装置50は、底部ベルト11a、11b、11c上で搬送される2つの異なるパッケージP1およびP2を分別するために、第2の端部12cの下流に長手方向に配置される細長いガイド部材30を含む。ガイド部材30は、少なくとも第1の横方向質量中心距離D1および第2の横方向質量中心位置D2と同じ幅を有する。したがって、ガイド部材は、第1の横方向位置、すなわち第1のタイプのパッケージP1の質量中心CM1と交差する第1の長手方向線と、第2の横方向位置、すなわち第2のタイプのパッケージP2の質量中心CM2と交差する第2の長手方向線との間に少なくとも延在している幅を有する。このように、第1の横方向位置D1に質量中心CM1を有する第1のタイプP1の整列されたパッケージは、摺動してガイド部材30の第1の側に傾くことが可能になる一方、第2の横方向位置D2に質量中心CM2を有する第2のタイプP2の整列されたパッケージは、摺動してガイド部材30の反対側に傾くことが可能になる。
【0045】
したがって、ガイド部材30の幅は、図7に示されるように、第1の横方向質量中心位置D1と交差する第1の長手方向線L1と、第2の横方向質量中心位置D2と交差する第2の長手方向線L2との間に配置される。
【0046】
図7におけるパッケージの点線は、それらの横方向質量中心位置に基づいてガイド部材のそれぞれの側に傾く各パッケージタイプP1、P2のプロセスを示す。細長いガイド部材30の各側において、分別されたパッケージP1、P2を梱包および保管ステーションなどの下流側機器に運搬するために個別の底部ベルトが設けられ得る。
【0047】
細長いガイド部材30の設備は、装置に配置される底部ベルトの任意の特定の数に依存しないかまたは限定されないことが理解されるべきである。したがって、細長いガイド部材30は、単一の底部ベルト11aを有する図1の装置50にも設けられ得る。
【0048】
図8は、細長いガイド部材81を含む装置50の例を示す。細長いガイド部材81は、(たとえば、横方向および高さにおいて)図7の細長いガイド部材と同様に位置付けられる。図8から分かるように、パッケージは、順方向に面する底部ベルト11aの頂面14a上にあるそれらのシール端縁の1つで細長いガイド部材81に到達する。図7の例と同様に、パッケージP1、P2は、支持面15に対して整列され、第1のタイプP1のパッケージの後に第2のタイプP2のパッケージが続き、同じように、その後に第1のタイプP1のパッケージが続くように細長いガイド部材81に1つずつ順番に到達する。図7の細長いガイド部材と同様に、図8の細長いガイド部材81も、細長いガイド部材81の一方側への第1のタイプP1のパッケージと、ガイド部材81の他方側への第2のタイプP2のパッケージとに分別するように機能する。細長いガイド部材81の受入端部82は、その長手方向の延伸に沿って三角形の断面を有する。この三角形の断面は、細長いガイド部材81の下流端部83に向けて長方形の断面に段階的に変化する。細長いガイド部材81の両側に底部ベルト84および85が提供される。パッケージ質量中心位置CM1、CM2のために、各パッケージは、底部ベルト84または底部ベルト85のいずれかの上に落下する。図8で分かるように、質量中心位置CM1を有する第1のタイプP1のパッケージは、底部ベルト85上に落下する一方、第2のタイプの質量中心位置CM2を有するパッケージは、底部ベルト84上に落下する。底部ベルト84および85は、それらのそれぞれの頂面が細長いガイド部材81の三角形の側面に対して90度の角度を形成するように配置され得る。これは、細長いガイド部材81の上側隆起上に落下したときに、パッケージが関連するベルト84、85から落下するリスクを減少させ、同時にパッケージにより良好な安定性を提供する。
【0049】
一例において、ベルト84、85は、傾けられたときにパッケージP1、P2をベルト84または85上に捕らえるためのポケットをベルト84または85が形成するようにガイド部材81または30に対して傾けられる。こうして、コンベヤベルト84、85は、パッケージP1、P2が落下しかつ搬送されるためのポケットを形成する。これは、それらの側部の1つにパッケージP1、P2を整列させるが、パッケージP1、P2がベルトから滑り落ちるようなパッケージP1、P2の過剰な回転も防止する。それは、ガイド部材30または81によって傾けられたとき、パッケージの任意の端縁の代わりに大きい側部上に落下するように、ベルト84、85上へのパッケージP1、P2のより滑らかな移行も可能にする。ある例において、ガイド部材81またはガイド部材の一部およびベルト84、85は、2つの間の移行をさらに滑らかにするために相補的な方法で傾けられる。
【0050】
細長いガイド部材81の受入端部の三角形の断面は、それぞれの底部ベルト84、85とともにそれぞれのパッケージP1、P2を傾斜運動させる。これは、もともと底部ベルト11a上で平らになっている各パッケージの前方シール端縁が傾けられて立位姿勢になる、すなわちそれぞれの底部ベルト84、85に対して平らにならないことを意味する。底部ベルト84、85の頂面は、細長いガイド部材81の延伸に沿って水平面に対して段階的に傾き得る。細長いガイド部材81の長手方向の断面は、その延伸に沿って三角形の形状から長方形の形状へ変化するため、これは、それぞれの底部ベルト84、85の頂面が細長いガイド部材81の側面に対して実質的に90度の角度のままであり得ることを意味する。
【0051】
底部ベルト84および85を異なる速度で駆動する理由は、底部ベルト84で搬送されている第2のタイプP2のパッケージと一緒に第1のタイプP1のパッケージを底部ベルト85から出す可能性を考慮に入れるためである。異なる種類のパッケージの対となるグルーピングによって、後続のパッケージングプロセスを改善できる。
【0052】
細長いガイド部材81に加えて、頂部ガイド部材86が細長いガイド部材81より上の距離Dに提供され得る。頂部ガイド部材86の目的は、第1および第2のタイプP1、P2のパッケージが底部ベルト84、85上に制御可能に落下することを容易にすることである。第2のタイプP2のパッケージの横断面は、図9で見ることができるように、その上部T2の方へ第1のタイプP1のパッケージより急な勾配α2を有する。図9から、第1のパッケージタイプP1の傾斜α1がα2より小さいことを観察することができ、それは、第1のタイプのパッケージが、頂部ガイド部材86に遭遇する前に細長いガイド部材81上を距離d1だけ進み、距離d1が、第2のタイプのパッケージが頂部ガイド部材86に遭遇する前に進むことができる対応する距離d2より長いことを意味する。第1のタイプP1のパッケージが、ガイド部材81および頂部ガイド部材86を含む分類装置に接近するとき、パッケージP1の上部は、頂部ガイド部材86と接触する。パッケージP1がコンベヤベルト85上に落下するようにパッケージP1の質量中心CM1が配置される場合、頂部ガイド部材86は、そのような落下を支援する。これは、コンベヤベルト85の幅方向の頂部ガイド部材86の延伸が長手方向に沿って増加するように、頂部ガイド部材86の幅が増加しているという事実のためである。したがって、第1のタイプのパッケージP1の質量中心CM1は、細長いガイド部材81の中心に非常に近いことができるが、頂部ガイド部材86の設備のために、パッケージP1は、コンベヤベルト85上に落下しなければならない。
【0053】
第2のタイプP2である連続するパッケージは、細長いガイド部材81の他方側にその質量中心CM2を有する。たとえパッケージP2の上部が頂部ガイド部材86と係合するとしても、パッケージP2は、コンベヤベルト11aを出ると直ちにコンベヤベルト84の上へ落下することができる。
【0054】
したがって、頂部ガイド部材86の目的は、細長いガイド部材81の中心点に非常に近いその質量中心CM1を有するパッケージP1が、望ましいコンベヤベルト85上に落下するように付勢されることを保証することである。これは、パッケージP1の上部が頂部ガイド部材86と係合することを可能にすることによって達成され、それにより間違った方向へのパッケージP1の意図しない落下を防ぐ。
【0055】
上で説明されたように、パッケージ分類器50は、ガイド部材30、81または86を含み得る。一例において、ガイド部材30、81または86の高さは、パッケージがその上で摺動して傾くように選択され、かつ/またはパッケージが傾くようにコンベヤから上昇する。高さは、好ましくは、パッケージの高さ以内であり、ガイド部材30、81または86は、パッケージが傾くようにパッケージの方向を外側に向ける。
【0056】
上記の説明は、主にいくつかの例に関して説明されたが、しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上で開示されたもの以外の他の例が、添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲内で同様に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9