(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】層状高密度電極マッピングカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20220401BHJP
A61N 1/05 20060101ALI20220401BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A61B5/287 200
A61N1/05
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2020500111
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(86)【国際出願番号】 US2018041055
(87)【国際公開番号】W WO2019010395
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-02-07
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー オリヴェリウス
(72)【発明者】
【氏名】ネイル ホーキンソン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エス. マラス
(72)【発明者】
【氏名】ウェーデ ウィルター
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ストロム
(72)【発明者】
【氏名】クイン バットラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ マース
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-012755(JP,A)
【文献】特開2002-126096(JP,A)
【文献】特表平08-511438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112404(US,A1)
【文献】特表2014-512226(JP,A)
【文献】特表2011-507656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0231659(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/28-5/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端長軸を画定するとともに、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成されたインボード基礎構造と、
前記インボード基礎構造の遠位部分を前記先端長軸の両側に跨って形成する前記第1の連続要素の周りに設けられた中間インボードカバーと、
前記第1の連続要素の周りに設けられたインボードカバーであって、前記中間インボードカバーが前記インボード基礎構造と前記インボードカバーとの間に位置する、前記インボードカバーと、
前記先端長軸に沿って延在するとともに、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成されたアウトボード基礎構造と、
前記アウトボード基礎構造の遠位部分を前記先端長軸の両側に跨って形成する前記第2の連続要素の周りに設けられた中間アウトボードカバーと、
前記第2の連続要素の周りに設けられたアウトボードカバーであって、前記中間アウトボードカバーが前記アウトボード基礎構造と前記アウトボードカバーとの間に位置する、前記アウトボードカバーと、
を備え
、
前記中間インボードカバーと前記インボードカバーとの間と、前記中間アウトボードカバーと前記アウトボードカバーとの間との少なくとも一方に締まり嵌めが存在する、
可撓性カテーテル先端部。
【請求項2】
前記インボードカバーは、前記第1の連続要素の大部分の周りに設けられている、請求項1に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項3】
前記中間インボードカバー及び前記中間アウトボードカバーは、熱収縮材料から形成されている、請求項1又は2に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項4】
前記インボード基礎構造は、
前記先端長軸に沿って延在する第1の近位インボード取付アーム及び第2の近位インボード取付アームと、
前記第1の近位インボード取付アームから遠位に向けて延在する第1のインボードアーム基礎構造と、
前記第2の近位インボード取付アームから遠位に向けて延在する第2のインボードアーム基礎構造と、
前記第1のインボードアーム基礎構造の遠位端及び第2のインボードアーム基礎構造の遠位端に接続されたフレア状ヘッド部分とを備え、
前記フレア状ヘッド部分は、前記インボード基礎構造の前記遠位部分に含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項5】
前記中間インボードカバーが、前記第1の連続要素の周りに設けられた内側中間インボードカバーと、前記内側中間インボードカバーの周りに設けられた外側中間インボードカバーとを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項6】
前記中間インボードカバーと前記インボードカバーとの間と、前記中間アウトボードカバーと前記アウトボードカバーとの間との少なくとも一方に間隙を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項7】
前記間隙の大きさが0ミリメートルから0.1ミリメートルまでの範囲である、請求項6に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項8】
前記中間インボードカバー、前記インボードカバー、前記中間アウトボードカバー及び前記アウトボードカバーは、一つ又は複数のポリマによって形成されている、請求項1から
7のいずれか一項に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項9】
前記中間インボードカバーと前記中間アウトボードカバーとの少なくとも一方は、2つ以上の材料層によって形成されている、請求項1から
8のいずれか一項に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項10】
前記2つ以上の材料層が熱収縮材料を含む、請求項
9に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項11】
先端長軸を画定するとともに、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成されており、前記第1の連続要素が、第1のインボードアーム基礎構造及び第2のインボードアーム基礎構造と、第1のインボードアーム基礎構造及び第2のインボードアーム基礎構造の各々の遠位端に接続されているとともに前記先端長軸の両側に跨って延びるフレア状ヘッド部分とを画定している、インボード基礎構造と、
前記フレア状ヘッド部分の周りに設けられた中間インボードカバーと、
前記第1の連続要素の周りに設けられたインボードカバーであって、前記中間インボードカバーが前記インボード基礎構造と前記インボードカバーとの間に位置する、前記インボードカバーと、
前記先端長軸に沿って延在するとともに、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成されており、前記第2の連続要素が、第1のアウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造と、前記第1のアウトボードアーム基礎構造及び前記第2のアウトボードアーム基礎構造の各々の遠位端に接続されているとともに前記先端長軸の両側に跨って延びるヘッド部分とを画定している、アウトボード基礎構造と、
前記ヘッド部分を形成する前記第2の連続要素の周りに設けられた中間アウトボードカバーと、
前記第2の連続要素の周りに設けられたアウトボードカバーであって、前記中間アウトボードカバーが前記アウトボード基礎構造と前記アウトボードカバーとの間に位置する、前記アウトボードカバーと、
を備え
、
前記中間インボードカバーと前記インボードカバーとの間と、前記中間アウトボードカバーと前記アウトボードカバーとの間との少なくとも一方に締まり嵌めが存在する、
可撓性カテーテル先端部。
【請求項12】
前記中間インボードカバーは、第1の近位端及び第2の近位端を有し、
前記第1の近位端及び前記第2の近位端は、前記フレア状ヘッド部分と、前記第1のインボードアーム基礎構造及び前記第2のインボードアーム基礎構造との間の界面に位置する、請求項
11に記載の可撓性カテーテル先端部。
【請求項13】
前記中間アウトボードカバーは、第1の近位端及び第2の近位端を有し、
前記第1の近位端及び前記第2の近位端は、前記ヘッド部分と、前記第1のアウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造との間の界面に位置する、請求項
12に記載の可撓性カテーテル先端部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月07日に出願された「層状高密度電極マッピングカテーテル」という名称の米国特許出願第62/529,586号(’568出願)の優先権を主張する。’568出願は、本明細書に完全に記載されているものとして、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、層状高密度電極マッピングカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、長年、心臓の医療処置に使用されてきた。カテーテルは、例えば心臓不整脈の診断及び治療のために、他のより侵襲的な処置でなければアクセスできないような身体内の特定の位置に配置されて、使用されることができる。
【0004】
従来のマッピングカテーテルは、例えば、カテーテルの長軸を取り囲み、白金又は他の任意の金属から構成された複数の隣接するリング電極を含み得る。これらのリング電極は比較的に剛性が高い。同様に、従来のアブレーションカテーテルは、治療を送達する(例えば、RFアブレーションエネルギーを送達する)ための比較的に剛性の高い先端電極を備えることがあり、加えて、複数の隣接するリング電極を含むことがある。これらの従来のカテーテル、及び、それらの比較的に剛性の高い(即ち、適合性のない)金属電極を使用する場合、特に、鋭い勾配や起伏が存在する場合は、心臓組織との良好な電気的接触を維持することが困難となることがある。
【0005】
心臓におけるマッピング又は損傷の形成にかかわらず、心臓の鼓動は、それが特異である又は不規則である場合は特に、問題を複雑にし、十分な長さの時間、電極と組織との間の適切な接触を維持することを困難にする。これらの問題は、外形表面又は梁状表面で悪化する。電極と組織との間の接触を十分に維持することができない場合、質の高い損傷の形成又は正確なマッピングは結果として生じにくい。
【0006】
上述した説明は、本願の技術分野を例示することのみを意図しており、請求の範囲を否定するものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0007】
本開示の様々な実施形態は、可撓性カテーテル先端部を含むことができる。可撓性カテーテル先端部は、先端長軸を画定するインボード基礎構造を含むことができ、インボード基礎構造は、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成されることができる。中間インボードカバーは、インボード基礎構造の遠位部分を形成する第1の連続要素の周り設けられることができる。アウトボード基礎構造は、先端長軸に沿って延在することができ、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成されることができる。中間アウトボードカバーは、アウトボード基礎構造の遠位部分を形成する第2の連続要素の周りに設けられることができる。
【0008】
本開示の様々な実施形態は、可撓性カテーテル先端部を含むことができる。可撓性カテーテル先端部は、先端長軸を画定する可撓性基礎構造を含むことができ、可撓性基礎構造は、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成される。可撓性カテーテル先端部は、第1の連続要素の周りに設けられた中間カバーを含むことができる。可撓性カテーテル先端部は、中間カバー上に設けられたカバーを含むことができ、中間カバーがカバーと可撓性基礎構造との間に配置される。
【0009】
本開示の様々な実施形態は、可撓性カテーテル先端部を含むことができる。可撓性カテーテル先端部は、先端長軸を画定するインボード基礎構造を含むことができる。インボード基礎構造は第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成され、第1の連続要素は、第1のインボードアーム基礎構造及び第2のインボードアーム基礎構造を画定し、フレア状ヘッド部分は第1のインボードアーム基礎構造及び第2のインボードアーム基礎構造の各々の遠位端に接続される。可撓性カテーテル先端部は、フレア状ヘッド部分の周りに設けられた中間インボードカバーを含むことができる。可撓性カテーテル先端部は、先端長軸に沿って延在するアウトボード基礎構造を含むことができる。アウトボード基礎構造は、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成され、第2の連続要素は、第1のアウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造を画定し、ヘッド部分は、第1及び第2のアウトボードアーム基礎構造のそれぞれの遠位端に接続される。可撓性カテーテル先端部は、ヘッド部分を形成する第2の連続要素の周りに設けられた中間アウトボードカバーを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の様々な実施形態に基づく、高密度電極マッピングカテーテルの上面図である。
【0011】
【
図1B】本開示の様々な実施形態に基づく、
図1Aの高密度電極マッピングカテーテルの等角側面図及び上面図である。
【0012】
【
図2A】本開示の様々な実施形態に基づく、
図1Aの高密度電極マッピングカテーテルのインボード基礎構造の等角側面図及び上面図である。
【0013】
【
図2B】本開示の様々な実施形態に基づく、
図2Aに描かれたインボード基礎構造の上面図である。
【0014】
【
図3】本開示の様々な実施形態に基づく、
図1Aに示される高密度電極マッピングカテーテルのアウトボード基礎構造の上面図である。
【0015】
【
図4】本開示の様々な実施形態に基づく、
図2A及び
図2Bに示すインボード基礎構造を、中間インボードカバーと共に図示する上面図である。
【0016】
【
図5】本開示の様々な実施形態に基づく、
図3に示すアウトボード基礎構造を、中間アウトボードカバーと共に図示する上面図である。
【0017】
【
図6A】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、インボード基礎構造の連続要素の周りに設けられたカバーの断面図である。
【0018】
【
図6B】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、インボード基礎構造の第1の連続要素の周りに設けられた中間インボードカバーとを、基礎構造及び中間インボードカバーの周りに設けられたカバーと共に図示する断面図である。
【0019】
【
図7A】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、基礎構造の第1の連続要素の周りに設けられた第1の外形を有する中間カバーとを、基礎構造及び中間カバーの周りに設けられたカバーと共に図示する断面図である。
【0020】
【
図7B】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、基礎構造の第1の連続要素の周りに設けられた第2の外形を有する中間カバーとを、基礎構造及び中間カバーの周りに設けられたカバーと共に図示する断面図である。
【0021】
【
図7C】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、基礎構造の第1の連続要素の周りに設けられた第3の外形を有する中間カバーとを、基礎構造及び中間カバーの周りに設けられたカバーと共に図示する断面図である。
【0022】
【
図7D】本開示の様々な実施形態に基づく、基礎構造と、基礎構造の第1の連続要素の周りに配置された内側の第1の中間カバー及び外側の第2の中間カバーとの断面図であって、外側の第2の中間カバーは、
図7Aに示された第1の外径を有するものである。
【発明の詳細な説明】
【0023】
「可撓性高密度マッピングカテーテルチップ及び高密度マッピング電極が搭載された可撓性アブレーションカテーテル」と題された国際出願番号PCT/US2014/011940、及び、「高密度電極マッピングカテーテル」と題された米国出願番号15/331,369の内容は、本明細書に完全に記載されているものとして、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
図1Aは、本開示の様々な実施形態に基づく、高密度電極マッピングカテーテル101の上面図であり、
図1Bは、高密度電極マッピングカテーテル101の等角側面図及び上面図である。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、マイクロ電極102-1、102-2、102-3、102-4の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分110を含むことができる。以下、マイクロ電極102-1、102-2、102-3、102-4をまとめてマイクロ電極102と呼ぶ。参照を容易にするために、
図1Aでは4つのマイクロ電極102のみがラベル付けされているが、高密度マッピングカテーテル101は、図示されているように、4つを超えるマイクロ電極を含むことができる。マイクロ電極102のこの平面アレイ(又は「パドル」構成)は、横並びに配置されるとともに、それぞれが長手方向に延びる4つのアーム103、104、105、106を備えており、それらはマイクロ電極102が配置された可撓性フレームを形成することができる。4つのマイクロ電極保持アームは、第1のアウトボードアーム103と、第2のアウトボードアーム106と、第1のインボードアーム104と、第2のインボードアーム105とを備え、これらは遠位カプラ109を介して接続されることができる。これらのアームは、互いに横方向に離れて位置することができる。
【0025】
4つのアームの各々は、複数のマイクロ電極102を保持することができる。例えば、4つのアームの各々は、4つのアームの各々の長手方向に間隔をあけて配置された複数のマイクロ電極102を保持することができる。しかしながら、
図1A及び
図1Bに示された高密度電極マッピングカテーテル101の各々では、4つのアームが図示されているが、高密度電極マッピングカテーテル101は、より多くの又はより少ないアームを含むことができる。加えて、
図1A及び
図1Bに示された高密度電極マッピングカテーテル101は、18個の電極(例えば、第1のアウトボードアーム103及び第2のアウトボードアーム106上の5個のマイクロ電極、並びに、第1のインボードアーム104及び第2のインボードアーム105上の4個のマイクロ電極)を含むように図示されているが、カテーテルは、18個より多い又は少ない電極を含むことができる。さらに、第1のアウトボードアーム103及び第2の寄りアーム106はm5つより多い又は少ないマイクロ電極を含むことができ、第1のインボードアーム104及び第2のインボードアーム105は、4つより多い又は少ないマイクロ電極を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、マイクロ電極102は、診断、治療、及び/又はマッピング処理において使用され得る。例えば、特に限定されないが、マイクロ電極102は、電気生理学的研究、ペーシング、心臓マッピング、及び/又はアブレーションに使用することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ電極102は、単極又は双極アブレーションを実施するために使用することができる。この単極又は双極アブレーションは、特定の線又はパターンの損傷を形成することができる。いくつかの実施形態において、マイクロ電極102は、心臓から電気信号を受信することもでき、電気生理学的研究に使用することができる。いくつかの実施形態において、マイクロ電極102は、心臓マッピングに関連する場所又は位置の検知機能を発揮することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、カテーテルシャフト107を含むことができる。カテーテルシャフト107は、近位端及び遠位端を含むことができる。遠位端は、コネクタ108を含むことができ、コネクタ108は、カテーテルシャフト107の遠位端を、平面アレイの近位端に結合することができる。
図1Aに示されるように、カテーテルシャフト107は、カテーテルシャフト長軸aaを画定することができ、カテーテルシャフト長軸aaに沿って、第1のアウトボードアーム103、第1のインボードアーム104、第2のインボードアーム105、及び第2のアウトボードアーム106は、概して、それに対して平行に延在することができる。カテーテルシャフト107は、患者の曲がりくねった血管系に通すことができるように、可撓性材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシャフト107が、カテーテルシャフト107の長手に沿って配置された一つ又は複数のリング電極111を含むことができる。リング電極111は、一例として、診断、治療、及び/又はマッピング処理のために使用することができる。
【0028】
図1Bに示されるように、可撓性先端部分110は、組織(例えば、心臓組織)に応じて変形するように構成され得る。例えば、可撓性先端部分110が組織に接触したときに、可撓性先端部分110は撓むことができ、それによって、可撓性フレームが組織に応じて変形することを可能にする。いくつかの実施形態では、
図1A及び
図1Bに示すように、カテーテルの遠位端にパドル構造(即ち、複数のアームを有し、電極を保持する、可撓性フレーム)を構成する複数のアーム(あるいは、複数のアームの基礎構造)は、ここで論じるように、ニチノール及び/又は可撓性基板といった、可撓性又はばね状材料からレーザ切断によって切り出すことができる。いくつかの実施形態では、複数のアーム(又は複数のアームの基礎構造)は、均一な厚さを有する金属シート(例えば、ニチノール)から形成することができる。複数のアーム(又は、複数のアームの基礎構造)の異なる部分は、アームの異なる部分が様々な幅を有するように、シートから形成(例えば、切断)することができる。複数のアームの構造(例えば、アームの長さ及び/又は直径を含む)及び材料は、例えば、所望の弾性、可撓性、折り畳み性、受動的な変形性、及び固さ特性が得られるように、調整又は調整され得る。このとき、それらの一又は複数の特性は、個々のアームの近位端から当該アームの遠位端までの間において、又は、単一のパドル構造を構成する複数のアームの間において、変化してもよい。ニチノール及び/又は別のタイプの可撓性基材といった、材料の折り畳み性は、体内へカテーテルを送達する際や、処置の終わりに体からのカテーテルを除去する際に、送達カテーテル又は導入器へパドル構造を容易に挿入できるというさらなる利点を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、アームが長方形の断面を有することができ、画定された縁部を有することができる。アームは、薄壁のポリマ(例えば、ウレタン)押出成形品といった、非傷害性カバー内に収容されることができる。非傷害性カバーは、アームの縁部が組織に接触するのを防止し、したがって、組織の損傷を防止することができる。いくつかの実施形態では、アームが組織との接触及び/又はシースからの展開の結果として屈曲するとき、アームや、特にアームの縁部は、非傷害性カバーと接触することができる。アームの縁部と非傷害性カバーとの間の接触は、非傷害性カバーに摩耗を引き起こす可能性があり、最終的には、非傷害性カバーに穴を形成する可能性がある。ここでさらに論じるように、本開示の実施形態は、この潜在的な事象に対する解決策を提供することができる。さらに、本開示の実施形態は、非傷害性カバーの伸張/収縮を防止することができ、これは、非傷害性カバーに引き起こされる摩耗の量を減少させることができる。
【0030】
とりわけ、ここで開示されるカテーテルは、それらの複数のマイクロ電極を用いて、(1)心臓の心房壁内の特定サイズの領域(例えば、1平方センチメートルの領域)の局所伝播マップを規定するために、(2)アブレーションのための複雑性分裂心房電位図を特定するために、(3)より高い電位図解像度のためのマイクロ電極間の局所的かつ限定された電位を特定するために、及び/又は(4)アブレーションのためのより正確に標的領域を特定するために有用である。これらのマッピングカテーテル及びアブレーションカテーテルは、潜在的に不規則な心臓運動にもかかわらず、心臓組織に適合し、それと接触し続けるように構成される。心臓運動中の心臓壁上のカテーテルのこのような向上された安定性は、持続的な組織-電極間の接触によって、より正確なマッピング及びアブレーションを提供する。さらに、ここで記載されるカテーテルは、心外膜及び/又は心内膜への使用に有用であり得る。例えば、ここで示される平面アレイの実施形態は、マイクロ電極の平面アレイが心筋表面と心膜との間に配置される心外膜処置において、使用され得る。あるいは、平面アレイの実施形態は、心筋の内面を迅速に掃引及び/又は分析し、心臓組織の電気的特性の高密度マップを迅速に作成するために、心内膜処置において使用されてもよい。
【0031】
図2Aは、本開示の様々な実施形態に基づいて、
図1Aに示される高密度電極マッピングカテーテルのインボード基礎構造120(本明細書では内側基礎構造とも称することができる)の等角側面図及び上面図である。いくつかの実施形態では、ここで論じるように、インボード基礎構造120は、ニチノール及び/又は可撓性基板などの可撓性又はばね状材料から形成することができる。一例では、インボード基礎構造は、材料の平坦なシート(例えば、平面基板)から切り出すことができる。インボード基礎構造120は、第1のインボードアーム基礎構造121及び第2のインボードアーム基礎構造122を含むことができる。図示されていないが、第1のアウトボードアーム103及び第2のアウトボードアーム106のための基礎構造を提供するアウトボード基礎構造(本明細書では外側基礎構造とも称することができる)は、インボード基礎構造120に関して説明したのと同様の方法で形成及び/又は処理することができる。さらに、高密度電極マッピングカテーテルが追加のアームを含む場合、これらのアームは、インボード基礎構造120に関して説明したのと同様の方法で形成及び/又は処理することができる。簡潔にするために、ここではインボード基礎構造120について説明する。図示のように、インボード基礎構造120は、第1の近位インボード取付アーム123、及び、第2の近位インボード取付アーム124を含むことができる。近位インボード取付アームは、カテーテル107の遠位端にコネクタ108を通って挿入されることができ、可撓性先端部分110をカテーテル107の遠位端に接続するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、ここで論じるように、近位インボード取付アームは、ねじりスペーサを通じて挿入されることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、インボード基礎構造120が、線bbによって示される先端長軸を画定することができる。いくつかの実施形態において、インボード基礎構造120は、第1の矩形断面を有する連続要素から形成することができる。ここで使用されるように、矩形断面は、正方形の断面を含むことができる。例えば、インボード基礎構造120は、第1の近位インボード取付アーム123及び第2の近位インボード取付アーム124を含んでもよく、それらは長軸に沿って延びてもよい。インボード基礎構造120は、第1の近位インボード取付アーム123から遠位に向けて延在する第1のインボードアーム基礎構造121を含むことができ、かつ、第2の近位インボード取付アーム124から遠位に向けて延在する第2のインボードアーム基礎構造122を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のインボードアーム基礎構造121及び第2のインボードアーム基礎構造122が、先端長軸bb及び互いに平行に延在することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1の移行基礎構造部分126が、第1の近位インボード取付アーム123と、第1のインボードアーム基礎構造121との間に設けられてもよい。第1の移行基礎構造部分126は、先端長軸bbから離れるように横方向へ広がることができる。さらに、第2の移行基礎構造部分127が、第2の近位インボード取付アーム124と、第2のインボードアーム基礎構造122との間に設けられてもよい。第2の移行基礎構造部分128は、先端長軸bbから離れるように横方向へ広がることができる。一例では、第1の移行基礎構造部分126及び第2の移行基礎構造部分128が互いに離れるように広がってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、インボード基礎構造120が、第1のインボードアーム基礎構造121及び第2のインボードアーム基礎構造122の遠位端に接続されるフレア状ヘッド部分130を含む。いくつかの実施形態では、フレア状ヘッド部分130が、第1のフレア状要素132及び第2のフレア状要素134から構成されることができる。第1のフレア状要素132及び第2のフレア状要素134が遠位に延びるにつれて、当該要素132、134は先端長軸bbから離れるように、かつ互いに離れるように横方向へ広がってもよく、その後、先端長軸bbに向かって、かつ互いに向かって延びてもよい。第1のフレア状要素132及び第2のフレア状要素134は、先端長軸bbに沿って接続することができる。一例では、インボード基礎構造が、先端長軸bbの両側に沿って対称であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、インボード基礎構造120の近位部分が、第1の近位インボード取付アーム123及び第2の近位インボード取付アーム124を含むことができる。一例として、インボードフレーム基礎構造120の近位部分は、インボードフレームロック部分136を含むことができる。
【0036】
図2Bは、本開示の様々な実施形態に基づいて、
図2Aに図示されたインボード基礎構造120の上面図を示す。
図2Bは、インボードフレーム基礎構造120の近位インボード部分のインボードフレームロック部分136を示す。いくつかの実施形態では、第1の近位インボード取付アーム123及び第2の近位インボード取付アーム124の遠位端がそれぞれ、第1の移行基礎構造部分126及び第2の移行基礎構造部分128の近位端に接続されることができる。第1の近位インボード取付アーム123は、第1の移行基礎構造部分126に対して減少された横幅を有することができ、第2の近位インボード取付アーム124は、第2の移行基礎構造部分128に対して減少された横幅を有することができる。一例では、
図2Cにさらに示すように、移行基礎構造部分126、128及び近位インボード取付けアーム123、124は、それら2つの要素間のテーパ状移行領域において、テーパ状であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、インボードフレームロック部分136の近位端が、第1の近位テール部148及び第2の近位テール部150を含む、近位テール部に接続されることができる。第1の近位テール部148は、第1の近位インボード取付アーム123に接続されることができ、第2の近位テール部150は、第2の近位インボード取付アーム124に接続されることができる。
【0038】
前述のように、近位テール部148、150、近位インボード取付けアーム123、124、インボードアーム基礎構造121、122、及び、フレア状ヘッド部分130を含む、インボードフレーム基礎構造120(
図2A、2B)の各部分は、平面基板から形成することができる。例えば、平面基板は、ここでさらに説明するように、有益であり得る矩形断面を有することができる。いくつかのアプローチでは、高密度電極マッピングカテーテルは、インボード基礎構造及びアウトボード基礎構造のための管状サブアセンブリを使用して組み立てることができる。基礎構造を組み立てるときに管材を使用する一つの理由は、個々のマイクロ電極の各々を接続するために、その管材にワイヤを通すことができることである。このプロセスは、各ワイヤがチューブに個別に通され、各マイクロ電極に個別に接続され得るので、労働及び/又はコスト集約的であり得る。さらに、各マイクロ電極とそのワイヤとの間に信頼性のある電気的接続が確立されることを保証することは、その価値がある難しさである。
【0039】
加えて、管材の壁は対称であってもよく、特定の態様で曲がるように付勢されていないので、管材の使用は、可撓性先端部分の予測される撓みをより少なくすることができる。本開示の実施形態は、可撓性先端部分110のより予測可能な撓みを提供することができる。さらに、本開示の実施形態は、ここでさらに論じるように、インボード基礎構造上に設けられた電極と、アウトボード基礎構造上に設けられた電極との間で、横方向の間隔を維持することができる。しかしながら、平面基板の副産物(例えば、長方形の断面を有する)として、アームの縁部と、平面基板を収容する非傷害性カバーとの間の接触が存在し、これは非傷害性カバーに摩耗を引き起こす可能性があり、最終的には非傷害性カバーに穴を形成するおそれがある。本開示の実施形態は、この潜在的な事象に対する解決策を提供することができる。
【0040】
図2A及び
図2Bに示すように、インボード基礎構造120(及び図示されていないが、アウトボード基礎構造)は、平坦な材料片から形成することができる。一例では、インボード基礎構造120(及びアウトボード基礎構造)は、矩形及び/又は正方形の断面を有する基礎構造から形成されることができる。いくつかの実施形態では、インボード基礎構造120及び/又はアウトボード基礎構造が、単一の材料片から形成される連続要素であってもよい。ここで使用されるように、矩形状の断面は、厚さよりも大きい幅を有する断面として定義することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、矩形状の断面が幅よりも大きい厚さを有する断面を含むことができる。本明細書で使用されるように、正方形の断面は、同じ幅及び厚さを有する断面として定義することができる。
【0041】
図3は、本開示の様々な実施形態に基づいて、
図1Aの高密度電極マッピングカテーテルのアウトボード基礎構造170(本明細書では外側基礎構造とも称される)の上面図である。いくつかの実施形態において、アウトボード基礎構造170は、インボード基礎構造に関して前述したように、ニチノール及び/又は可撓性基板といった、可撓性又はばね状材料から形成されることができる。アウトボード基礎構造170は、第1のアウトボードアーム基礎構造172及び第2のアウトボードアーム基礎構造174を含むことができる。図示のように、アウトボード基礎構造170は、第1の近位アウトボード取付アーム176及び第2の近位アウトボード取付アーム178を含むことができる。近位アウトボード取付アーム176、178は、カテーテル107(
図1A、
図1B)の遠位端に挿入されることができ、可撓性先端部分110(
図1A、1B)を、カテーテル107の遠位端に接続するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、近位アウトボード取付アーム176、178は、ここで論じるように、ねじりスペーサを通して挿入されることができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、アウトボード基礎構造170は、線b’b’によって示される先端長軸を画定することができる。いくつかの実施形態において、アウトボード基礎構造170は、第1の矩形断面を含む連続要素から形成されることができる。例えば、アウトボード基礎構造170は、第1の近位アウトボード取付アーム176及び第2の近位アウトボード取付アーム178を含むことができ、それらは先端長軸に沿って延びることができる。アウトボード基礎構造170は、第1の近位アウトボード取付アーム176から遠位に向けて延在する第1のアウトボードアーム基礎構造172を含むとともに、第2の近位アウトボード取付アーム178から遠位に向けて延在する第2のアウトボードアーム基礎構造174を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のアウトボードアーム基礎構造172及び第2のアウトボードアーム基礎構造174が、先端長軸b’b’及び互いに平行に延在することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1のアウトボード移行基礎構造部分180が、第1の近位アウトボード取付アーム176と、第1のアウトボードアーム基礎構造172との間に設けられてもよい。第1のアウトボード移行基礎構造部分180は、先端長軸b’b’から離れるように横方向へ広がることができる。さらに、第2のアウトボード移行基礎構造部分181が、第2の近位アウトボード取付アーム178と、第2のアウトボードアーム基礎構造174との間に設けられてもよい。第2のアウトボード移行基礎構造部分181は、先端長軸b’b’から離れるように横方向へ広がることができる。一例では、第1のアウトボード移行基礎構造部分180及び第2のアウトボード移行基礎構造部分181が、互いに離れるように広がってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、アウトボード基礎構造170が、第1及び第2のアウトボードアーム基礎構造172、174の遠位端に接続されたヘッド部分182を含む。いくつかの実施形態において、ヘッド部分182は、各々が先端長軸b’b’に向けて遠位へ延在し、長軸b’b’で収束する第1のテーパ状要素184及び第2のテーパ状要素186から構成されることができる。一例では、アウトボード基礎構造170が、先端長軸b’b’の両側に沿って対称であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、アウトボードフレーム基礎構造170の近位部分が、第1の近位アウトボード取付アーム176及び第2の近位アウトボード取付アーム178を含むことができる。一例では、アウトボードフレーム基礎構造170の近位部分が、アウトボードフレームロック部分188を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の近位アウトボード取付アーム176及び第2の近位アウトボード取付アーム178の遠位端が、それぞれ第1のアウトボード移行基礎構造部分180及び第2のアウトボード移行基礎構造部分181の近位端に接続されることができる。第1の近位アウトボード取付アーム176は、第1のアウトボード移行基礎構造部分180に対して減少した横幅を有することができ、第2の近位アウトボード取付アーム178は、第2のアウトボード移行基礎構造部分181に対して減少した横幅を有することができる。一例として、アウトボード移行基礎構造部分180、181及び近位アウトボード取付アーム176、178は、それら2つの要素間のアウトボードテーパ移行領域において、テーパ状であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、アウトボードフレームロック部分188の近位端が、第1の近位アウトボードテール部189及び第2の近位アウトボードテール部190を含む、近位アウトボードテール部に接続されることができる。第1の近位アウトボードテール部189は、第1の近位アウトボード取付アーム176に接続されることができ、第2の近位アウトボードテール部190は、第2の近位アウトボード取付アーム178に接続されることができる。一例において、近位アウトボード取付アーム176、178及び近位アウトボードテール部189、190は、それら2つの要素間のテーパ状アウトボードテール移行領域において、テーパ状であってもよい。
【0048】
前述のように、近位テール部189、190、近位アウトボード取付アーム176、178、アウトボードアーム基礎構造172、174、及びヘッド部分182を含むアウトボードフレーム基礎構造170の各部分は、平面基板から形成されることができる。例えば、平面基板は、ここでさらに説明するように、有益であり得る矩形断面を有することができる。しかしながら、平面基板の使用は、前述のように、画定されたエッジを有する平面基板をもたらすこともできる。
図3に示すように、アウトボード基礎構造170は、平坦な材料片から形成されることができる。一例では、アウトボード基礎構造170が、矩形及び/又は正方形の断面を有する基礎構造から形成されることができる。いくつかの実施形態では、アウトボード基礎構造170が、単一の材料片から形成される連続要素とすることができる。
【0049】
図4は、
図2A及び
図2Bに示すインボード基礎構造120’の上面図であり、本開示の様々な実施形態に基づいて、中間インボードカバー200を有する。前述のように、インボード基礎構造120’は、第1のインボードアーム基礎構造121’及び第2のインボードアーム基礎構造122’と、第1の近位インボード取付アーム123’及び第2の近位インボード取付アーム124’とを含むことができ、これらは、カテーテルの遠位端に挿入されて、インボード基礎構造をカテーテルに固定することができる。第1のインボードアーム基礎構造121’は、第1の移行基礎構造部分126’を介して第1の近位インボード取付アーム123’に接続されることができ、第2のインボードアーム基礎構造122’は、第2の移行基礎構造部分128’を介して第2の近位インボード取付アーム124’に接続されことができる。
【0050】
インボード基礎構造は、第1及び第2のインボードアーム基礎構造121’、122’の遠位端に接続されたフレア状ヘッド部分130’を含むことができる。フレア状ヘッド部分130’は、第1のフレア状要素132’及び第2のフレア状要素134’を含むことができる。
図2A及び
図2Bに関連して前述したように、第1のフレア状要素132及び第2のフレア状要素134’が遠位に延びるほど、当該要素132’、134’は、先端長軸bbから離れるように、かつ互いから離れるように横方向へ広がり、その後、先端長軸bb’’に向かって、かつ互いに向かって延びている。
【0051】
いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、インボード基礎構造120’を形成する連続要素の周りに設けられることができる。前述のように、インボード基礎構造120’を形成する連続要素は、平面基板から形成されることができる。いくつかの実施形態では、平面基板が、画定された縁部を含む矩形断面を有することができる。中間インボードカバー200は、連続要素の周りに設けられることができ、従って前述のように、インボード基礎構造の画定された縁部を覆うことができる。いくつかの実施形態において、中間インボードカバー200は、フレア状ヘッド部分130’を形成する連続要素の一部の周りに設けられることができ、フレア状ヘッド部分130’は、インボード基礎構造120’の遠位端として画定することができ、先端長軸b’’b’’から離れるように横方向に広がり始める。例えば、フレア状ヘッド部分130’は、
図4において、ラインccの図面において左側(例えば、ラインccの遠位側)に位置するインボード基礎構造120’の部分を含むものとして描かれている。
【0052】
いくつかの実施形態では、インボード基礎構造120’が、フレア状ヘッド部分130’を含まなくてもよいが、依然として、中間インボードカバー200は、インボード基礎構造120’を形成する連続要素の一部の周りに設けられることができる。例えば、中間インボードカバー200は、連続要素の全体にわたって設けられることができ、又は、連続要素の一部にわたって部分的に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、カテーテルの遠位端に挿入されないインボード基礎構造120’の部分に設けられることができる。例えば、中間インボードカバー200は、露出され、カテーテルの遠位端内に位置しないインボード基礎構造120’の一部に設けられることができる。一例では、中間インボードカバーが、第1の移行基礎構造部分126’及び/又は第2の移行基礎構造部分128’に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間インボードカバーが、第1の移行基礎構造部分126’及び/又は第2の移行基礎構造部分128’、並びに、第1の移行基礎構造部分126’及び/又は第2の移行基礎構造部分128’の遠位に位置するインボード基礎構造120’の部分に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、第1のインボードアーム基礎構造121’及び第2のインボードアーム基礎構造122’、並びに、第1のインボードアーム基礎構造121’及び第2のインボードアーム基礎構造122’の遠位にあるインボード基礎構造120’の部分に設けられることができる。
【0053】
図4に関連してさらに示すように、中間インボードカバー200は、フレア状ヘッド部分130’を形成する連続要素の周りに設けられることができる。一例では、中間インボードカバー200が、フレア状ヘッド部分130’又はインボード基礎構造120’の他の部分上を摺動する管とすることができる。例えば、管は、第1又は第2の近位インボード取付アーム123’、124’の一方の近位端上を摺動することができる。管は、インボード基礎構造120’を形成する連続要素が通過することができる中央管腔を含む円筒形状であってもよい。 管は、管がインボード基礎構造120’のフレア状ヘッド部分130’又は他の部分を形成する連続要素の部分に沿って配置されるまで、連続要素に沿って摺動させることができる。管は、いくつかの実施形態において、熱収縮管とすることができる。例えば、管は、フレア状ヘッド部分130’を形成する連続要素の部分に沿って配置されることができ、熱を管に加えて管を収縮させ、中間インボードカバー200を形成することができる。いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、フレア状ヘッド部分130’を形成する連続要素に塗布されるコーティングとすることができる。一例では、インボード基礎構造120’をコーティング材に浸漬すること、及び/又は、インボード基礎構造120’にコーティング材を噴霧することによって、コーティングを塗布することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、2つの近位端202-1、202-2を有することができる。図示されるように、2つの近位端202-1、202-2は、フレア状ヘッド部分130’と第1及び第2のインボードアーム基礎構造121’、122’との間の界面に位置するように示される。例えば、2つの近位端202-1、202-2は、第1のフレア状要素132’及び第2のフレア状要素134’が、先端長軸b’’b’’から離れて横方向に広がり始める場所に位置することができる。いくつかの実施形態では、図示されるように、近位端202-1、202-2が、先端長軸b’’b’’に沿って同じ長手方向の位置に配置される。
【0055】
いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、第1及び/又は第2のインボードアーム基礎構造121’、122’の一部(例えば、フレア状ヘッド部分130’)を覆う一つの材料層(例えば、ポリマなど)を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、中間インボードカバー200が、第1及び/又は第2のインボードアーム基礎構造121’、122’の一部を覆う2つ以上の材料層を含むことができる。一例では、第1の材料層が第1及び/又は第2のインボードアーム基礎構造121’、122’の一部を覆うことができ、第2の材料層が、第1の材料層上に配置されることができる。例えば、熱収縮材料の第1の層は、第1及び/又は第2のインボードアーム基礎構造121’、122’の部分の上に設けられることができ、熱収縮材料の第2の層は、熱収縮材料の第1の層の上に設けられることができる。
【0056】
中間インボードカバー200は、連続要素の断面幅を増大させる、及び/又は平面基板の画定された縁部を覆う目的を果たすことができる。例えば、ここでさらに論じられるように、画定された縁部は、中間インボードカバーによって覆われるとあまり画定されなくなり、従って、縁部が組織又は他の材料と接触することに起因する衝撃を低減することができる。
【0057】
図5は、
図3に示されるアウトボード基礎構造の上面図であり、本開示の様々な実施形態に基づいて、中間アウトボードカバーを有する。前述のように、アウトボード基礎構造170’は、第1のアウトボードアーム基礎構造172’及び第2のアウトボードアーム基礎構造174’と、第1の近位アウトボード取付アーム176’及び第2の近位アウトボード取付アーム178’とを含むことができ、これらは、カテーテルの遠位端に挿入されて、インボード基礎構造をカテーテルに固定することができる。第1のアウトボードアーム基礎構造172’は、第1のアウトボード移行基礎構造部分180’を介して第1の近位アウトボード取付アーム176’に接続されることができ、第2のアウトボードアーム基礎構造174’は、第2のアウトボード移行基礎構造部分181’を介して第2の近位アウトボード取付アーム178’に接続されることができる。
【0058】
アウトボード基礎構造170は、第1及び第2のアウトボードアーム基礎構造172’、174’の遠位端に接続されたヘッド部分182’を含むことができる。ヘッド部分182’は、第1のテーパ状要素184’及び第2のテーパ状要素186’を含むことができる。
図3に関連して前述したように、テーパ状要素184’及び第2のテーパ状要素186’が遠位に延びるほど、当該要素184’、186’はそれぞれ、先端長軸b’’’b’’’に向かいながら遠位に延び、長軸b’’’’b’’’で収束することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、中間アウトボードカバー210が、アウトボード基礎構造170’を形成する連続要素の周りに設けられることができる。前述のように、アウトボード基礎構造170’を形成する連続要素は、平面基板から形成することができる。いくつかの実施形態では、平面基板が、画定された縁部を含む矩形断面を有することができる。中間アウトボードカバー210は、連続要素の周りに設けられることができ、従って、前述のように、インボード基礎構造の画定された縁部を覆うことができる。いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、ヘッド部分182’を形成する連続要素の一部の周りに設けられることができる。ヘッド部分182’は、アウトボード基礎構造170’の遠位端として規定されることができ、これは、先端長軸b’’’’b’’’に向かって先細りになり始める(例えば、収束し始める)。例えば、ヘッド部分182’は、
図5において、ラインddの図面において左側(例えば、ラインddの遠位側)に位置するアウトボード基礎構造170’の部分を含むものとして示されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、アウトボード基礎構造170’を形成する連続要素の全体にわたって設けられることができ、又は、連続要素の一部にわたって部分的に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、カテーテルの遠位端に挿入されないアウトボード基礎構造170’の部分に設けられることができる。例えば、中間アウトボードカバー210は、露出され、カテーテルの遠位端内に位置しないアウトボード基礎構造170’の一部に設けられることができる。一例では、中間アウトボードカバーが、第1の近位アウトボード取付アーム176’及び/又は第2の近位アウトボード取付アーム178’に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバーが、第1の近位アウトボード取付アーム176’及び/又は第2の近位アウトボード取付アーム178’、並びに、第1の近位アウトボード取付アーム176’及び/又は第2の近位アウトボード取付アーム178’の遠位に位置するアウトボード基礎構造170’の部分に設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、第1のアウトボードアーム基礎構造172’及び第2のアウトボードアーム基礎構造174’、並びに、第1のアウトボードアーム基礎構造172’及び第2のアウトボードアーム基礎構造174’の遠位に位置するアウトボード基礎構造170’の部分に設けられることができる。
【0061】
図5に関連してさらに示すように、中間アウトボードカバー210は、ヘッド部分182’を形成する連続要素の周りに設けられることができる。一例では、中間アウトボードカバー210が、ヘッド部分182’又はアウトボード基礎構造170’の他の部分を摺動する管とすることができる。例えば、管は、第1又は第2の近位アウトボード取付アーム178’、176’の一方の近位端を摺動することができる。管は、アウトボード基礎構造170’を形成する連続要素が通過することができる中央管腔を備える円筒形状であってもよい。 管は、管がアウトボード基礎構造170’のヘッド部分182’又は他の部分を形成する連続要素の部分に沿って配置されるまで、アウトボード基礎構造170’を形成する連続要素に沿って摺動させることができる。いくつかの実施形態では、管がポリマ(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))から形成することができる。管は、いくつかの実施形態において、熱収縮管とすることができる。例えば、管は、ヘッド部分182’を形成する連続要素の部分に沿って配置することができ、管に熱を加えて管を収縮させることによって、中間アウトボードカバー210を形成することができる。いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、ヘッド部分182’を形成する連続要素に塗布されるコーティングとすることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、中間アウトボードカバー210が、2つの近位端212-1、212-2を有することができる。図示されるように、2つの近位端212-1、212-2は、ヘッド部分182’と第1及び第2のアウトボード基礎構造172’、174’との間の界面に配置されるように示される。例えば、2つの近位端212-1、212-2は、第1のテーパ状要素184’及び第2のテーパ状要素186’が、先端長軸b’’’’b’’’に向かってテーパ状となり始める場所に配置することができる。いくつかの実施形態では、図示されるように、近位端212-1、212-2は、先端長軸b’’’b’’’に沿って同じ長手方向の位置に配置される。
【0063】
中間アウトボードカバー210は、連続要素の断面幅を増大させる、及び/又は、平面基板の画定された縁部を覆う目的を果たすことができる。例えば、ここでさらに論じられるように、画定された縁部は、中間アウトボードカバーによって覆われることで、あまり画定されなくなり、従って、縁部が組織又は他の材料と接触することに起因する衝撃を低減することができる。
【0064】
図6Aは、本開示の様々な実施形態による、インボード基礎構造の連続要素の周りに設けられたカバーの断面図である。
図6Aは、ここで前述したように、インボード基礎構造220を示す。さらに図示され、先に論じられたように、インボード基礎構造220は、矩形断面を有することができ、その結果、インボード基礎構造220は、画定された縁部(例えば、画定された縁部224)を有する。いくつかの実施形態では、カバー222が、インボード基礎構造220の周りに設けられることができる。例えば、カバー222は、インボード基礎構造220を形成する連続要素の周りに設けられることができる。カバー222は、長軸に沿って延在することができ、いくつかの実施形態では、インボード基礎構造220を形成する連続要素が延在するカバー管腔228を画定することができる。
【0065】
前述のように、インボード基礎構造220は、インボード基礎構造220が例えば組織との接触及び/又はシースからの展開によって屈曲する結果として、カバー222と接触することができる。カバー220に接触するインボード基礎構造220の最初の部分は、規定された縁部(例えば、規定された縁部224)とすることができる。インボード基礎構造220と、特に画定された縁部224とカバー222との間の接触の結果として、最終的にカバー222に穴が形成されることがある。一例として、インボード基礎構造220とカバー222との間の接触は、画定された縁部224がカバー222と接触する接触領域226に集中することがあり、インボード基礎構造220によって及ぼされる力が、接触領域226でカバー222に集中する。議論を容易にするために、インボード基礎構造220に関して参照がなされるが、
図6A及び6Bに関連して議論される実施形態は、アウトボード基礎構造にも適用される。
【0066】
図6Bは、本開示の様々な実施形態に基づいて、インボード基礎構造220’の第1の連続要素の周りに設けられた中間インボードカバー230と、インボード基礎構造220’及び中間インボードカバー230の周りに設けられたカバー222’との断面図である。いくつかの実施形態では、ここで論じるように、中間インボードカバー230は、連続要素の周りに設けられることができ、従って、先に論じたように、インボード基礎構造220’の画定された縁部を覆うことができる。従って、インボード基礎構造220’(例えば、画定された縁部224’)とカバー222’との間の接触は、画定された縁部224’を覆う中間インボードカバー230の部分がカバー222に接触する接触領域226’に集中することがあり、インボード基礎構造220によって及ぼされる力が、接触領域226’でカバー222に集中する。
図6Aとは対照的に、接触領域226’は、
図6Aに示す接触領域226よりも大きな表面積を有する。従って、インボード基礎構造220’によってカバー222’に及ぼされる力は、インボードカバー230を含まないインボード基礎構造220によってカバー222に及ぼされる力に比べて、減少されることができる。従って、インボード基礎構造220’とインボードカバー222’との間に及ぼされる力が、より大きな表面積にわたって分配される結果として、インボード基礎構造220’の画定された縁部224’によって引き起こされるカバー222’上の摩耗の量を低減することができる。
【0067】
図7Aは、本開示の様々な実施形態に基づいて、基礎構造242の第1の連続要素の周りに設けられた中間カバー240と、基礎構造242及び中間インボードカバー240の周りに設けられたカバー244との断面図である。
図7A~
図7Cは、線ee及びffに沿って、
図4及び
図5に関連して描かれた基礎構造の断面図を示す。
図7Aをさらに参照すると、基礎構造242は、ここで論じるように、インボード及び/又はアウトボード基礎構造とすることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240が、基礎構造242の周りに設けられることができる。例えば、中間カバー240は、いくつかの実施形態において、中間カバー240の周りに設けられた熱収縮管とすることができる。基礎構造242は、熱収縮管が適切に配置されるまで、熱収縮管の管腔を通って摺動し得る。いくつかの実施形態では、熱収縮管に熱を加えて、基礎構造242の周りで管を収縮させることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240が、ここでさらに説明するように、基礎構造242に塗布されたコーティングであってもよい。いくつかの実施形態において、
図7Aに示すように、カバー244は、中間カバー240及び基礎構造242の周りに設けられることができる。いくつかの実施形態では、
図7A~
図7Cに示すように、カバー244が、
0.33ミリメートル~0.38ミリメートル(0.013インチ~0.015インチ
)の範囲の内径を有することができるが、カバーは、定義された範囲よりも小さい、又は大きい内径を有することができる。
図7Aに示すように、カバー244は、
0.36ミリメートル(0.014インチ
)の内径を有することができる。いくつかの実施形態では、
図7A~
図7Cに示すように、中間カバー240は、
0.025ミリメートル~0.076ミリメートル(0.001インチ~0.003インチ
)の範囲の壁厚を有することができるが、中間カバー240の壁厚は、定義された範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Aに示すように、中間カバー240は、
0.051ミリメートル(0.002インチ
)の壁厚を有することができる。いくつかの実施形態では、
図7A~
図7Cに示すように、基礎構造242は、
0.19ミリメートル~0.22ミリメートル(0.0075~0.0085インチ
)の範囲である、線W
AW
Aによって規定された幅を有することができるが、基礎構造242の幅は、規定された範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Aに示すように、基礎構造242は、
0.2ミリメートル(0.008インチ
)の幅を有することができる。いくつかの実施形態では、
図7A~
図7Cに示すように、基礎構造242は、
0.14ミリメートル~0.17ミリメートル(0.0055~0.0065インチ
)の範囲である線T
AT
Aによって規定された厚さを有することができるが、基礎構造242の厚さは、規定された範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Aに示すように、基礎構造242は、
0.15ミリメートル(0.006インチ
)の厚さを有することができる。
【0068】
図7A~
図7Cは、中間カバー240の外面とカバー244の内壁との間の間隙の様々なサイズを示す。
図7Aを参照すると、いくつかの実施形態では、中間カバー240の外面の底部/上部とカバー244の内壁との間の底部間隙246が、
0~0.1ミリメートル(0~0.004インチ
)の範囲とすることができるが、この間隙は提供される範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Aに示すように、底部間隙246は、
0.076ミリメートル(0.003インチ
)とすることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240の外面とカバー244の内壁との間の側部間隙248が、
0~0.1ミリメートル(0~0.004インチ
)の範囲とすることができるが、この間隙も提供される範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Aに示すように、側部間隙248は、
0.051ミリメートル(0.002インチ
)とすることができる。いくつかの実施形態では、
図7Cに関連してさらに説明するように、中間カバー240の外面とカバー244の内面との間に、締まり嵌めが存在することができる。
【0069】
図7Bは、本開示の様々な実施形態に基づいて、基礎構造242’及び中間カバー240’の周りに設けられたカバー244’とともに、基礎構造242’の第1の連続要素の周りに設けられた基礎構造242’及び中間カバー240’の断面図である。基礎構造242’は、ここで論じるように、インボード及び/又はアウトボード基礎構造とすることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240’が、基礎構造242’の周りに設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240’が、基礎構造242’に適用される管及び/又はコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、
図7Bに示すように、カバー244’は、中間カバー240’及び基礎構造242’の周りに設けられることができる。
図7Bに示すように、カバー244’は、0.015インチの内径を有することができる。
図7Bに示すように、中間カバー240’は、
0.025ミリメートル(0.001インチ
)の壁厚を有することができる。
図7Bに示されるように、基礎構造242’は、線W
BW
Bによって規定される
0.19ミリメートル(0.0075インチ
)の幅を有することができる。
図7Cにさらに示すように、基礎構造242’’は、線T
CT
Cによって規定される
0.14ミリメートル(0.0055インチ
)の厚さを有することができる。
図7Bに示すように、底部間隙246’は、
0.1ミリメートル(0.004インチ
)とすることができる。
図7Bに示すように、側部間隙248’は、
0.076ミリメートル(0.003インチ
)とすることができる。
【0070】
図7Cは、本開示の様々な実施形態に基づいて、基礎構造242’’及び中間カバー240’’の周りに設けられたカバー244’’とともに、基礎構造242’’の第1の連続要素の周りに設けられた基礎構造242’’及び中間カバー240’’の断面図である。基礎構造242’’は、ここで論じるように、インボード及び/又はアウトボード基礎構造とすることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240’’が、基礎構造242’’の周りに設けられることができる。いくつかの実施形態では、中間カバー240’’が、基礎構造242’’に適用される管及び/又はコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、
図7Cに示すように、カバー244’’が、中間カバー240’’及び基礎構造242’’の周りに設けられることができる。
図7Cに示すように、カバー244’’は、
0.33ミリメートル(0.013インチ
)の内径を有することができる。
図7Cに示すように、中間カバー240’’は、
0.076ミリメートル(0.003インチ
)の壁厚を有することができる。
図7Cに示されるように、基礎構造242’’は、線W
CW
Cによって規定される
0.22ミリメートル(0.0085インチ
)の幅を有することができる。
図7Cにさらに示すように、基礎構造242’’は、線T
CT
Cによって規定される
0.17ミリメートル(0.0065インチ
)の厚さを有することができる。
【0071】
図7Cに示すように、底部間隙246’’は、0インチとすることができる。いくつかの実施形態では、
図7Cに関連してさらに説明するように、中間カバー240’’の外面とカバー244’’の内面との間に、締まり嵌めが存在することができる。例えば、図示のように、中間カバー240’’の外面の側部とカバー244’’の内面との間に、締まり嵌めが存在することができる。例えば、中間カバー240’’の幅は、カバー244’’の内径の幅を超えることができる。従って、カバー244’’は、中間カバー240’’上において伸長されることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、
図7A~
図7cに示すように、中間カバー240は、基礎構造242とカバー244の内壁との間の間隙のサイズを、小さくすることができる。いくつかの実施形態では、基礎構造242とカバー244の内壁との間の間隙のサイズの縮小が、カバー244の可能な延伸/薄肉化を低減することができる。例えば、基礎構造242を含む高密度マッピングカテーテルは、カテーテルがシースを通過するときに折り畳まれるので、シースとアウトボードカバー244との間に摩擦が存在することとなり、これはアウトボードカバーに対して引っ張り力を与える。中間カバー240を介して基礎構造242とカバー244の内面との間により小さい間隙を導入することによって、カバー244とカテーテルが通過する表面(例えば、シースの表面)との間の摩擦量を低減することができる。さらに、カバー244がネックダウンされる(例えば、半径方向内側に潰される)量が低減される。したがって、カバー244に関連する摩耗を低減することができる。
【0073】
図7Dは、本開示の様々な実施形態に基づいて、基礎構造242’’’と、基礎構造242’’’の第1の連続要素の周りに設けられた内側の第1の中間カバー250及び
図7Aに示す第1の外径を有する外側の第2の中間カバー240’’’との断面図である。
図7Dに示すように、内側の第1の中間カバー250が基礎構造242’’’の周りに設けられ、外側の第2の中間カバー240’’’’が内側の第1の中間カバー250の周りに設けられることで、前述したように、カバー250、240’’’’による第1及び第2の層を形成することができる。
図7Dを参照すると、いくつかの実施形態では、外側の第2の中間カバー240’’’’の外面の底部/上部とカバー244’’’’の内壁との間の底部間隙246’’’が、
0~0.1ミリメートル(0~0.004インチ
)の範囲であり得るが、当該間隙は提供される範囲よりも小さくても大きくてもよい。
図7Dに示されるように、底部間隙246’’’は、
0.076ミリメートル(0.003インチ
)であり得るが、この間隙はより小さいか、又はより大きいサイズであり得る。例えば、間隙は、
図7B及び
図7Cに関連して説明した範囲内とすることができる。いくつかの実施形態では、外側の第2の中間カバー240’’’’の外面とカバー244’’’’の内壁との間の側部間隙248’’’が、
0~0.1ミリメートル(0~0.004インチ
)の範囲とすることができる。
図7Aに示すように、側部間隙248’’’は、
0.05ミリメートル(0.002インチ
)とすることができるが、間隙はより小さい又はより大きいサイズとすることができる。例えば、間隙は、
図7B及び
図7Cに関連して説明した範囲内とすることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、前述のように、中間カバーは、基礎構造242’’’’の周りに設けられた2つ以上の材料層から成ることができる。一例では、材料の内側の第1の中間カバー250が、基礎構造242’’’’を覆うことができ、外側の第2の中間カバー240’’’’が、材料の第1の層の上に配置されることができる。例えば、熱収縮材料の第1の層を基礎構造242’’’’の一部に設けることができ、熱収縮材料の第2の層を、熱収縮材料の第1の層の上に設けることができる。いくつかの実施形態では、基礎構造242’’’’の一部を覆う材料の2つ以上の層を含むことによって、より大きな直径を達成することができ、カバー244’’’’がネックダウンされる量を低減する。
【0075】
本明細書では、様々な装置、システム、及び/又は方法の実施形態が説明される。本明細書に記載され、添付の図面に示されるような実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、実施形態はそのような特定の詳細なしに実施されてもよいことが、当業者によって理解されるのであろう。他の例では、周知の動作、構成要素、及び要素は本明細書で説明される実施形態を曖昧にしないように、詳細には説明されていない。当業者は本明細書に記載され図示された実施形態が非限定的な例であることを理解し、したがって、本明細書に開示された特定の構造及び機能の詳細は代表的なものであってもよく、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、その範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解することができる。
【0076】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、又は「一実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して説明された特定の機能、構成、又は特徴が少なくとも一つの実施形態に含まれることを手段する。したがって、本明細書全体を通して、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一つの実施形態において」、又は「一つの実施形態において」などの語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。したがって、一つの実施形態に関連して図示又は説明された特定の特徴、構造、又は特性はそのような組み合わせが非論理的又は非機能的ではないことを前提として、限定なしに、一つ又は複数の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体的又は部分的に組み合わせることができる。
【0077】
用語「近位」及び「遠位」は、患者を治療するために使用される器具の一端を操作する臨床医を参照して、本明細書全体にわたって使用されてもよいことが理解されるのであろう。用語「近位」は臨床医に最も近い器具の部分を指し、用語「遠位」は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。さらに、簡潔さ及び明確さのために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間用語が、図示された実施形態に関して本明細書で使用され得ることが理解されるのであろう。しかし、外科用器具は多くの向き及び位置で使用され得、これらの用語は限定的かつ絶対的であることを意図されない。
【0078】
層状高密度電極マッピングカテーテルのための少なくとも一つの実施形態が特定の程度で上記に記載されているが、当業者は本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。全ての方向の参照(例えば、上、下、上、上、下、左、右、左、右、上、下、上、下、下、垂直、水平、時計回り、及び反時計回り)は本開示の読者の理解を助けるための識別目的のためにのみ使用され、特にデバイスの位置、向き、又は使用に関して限定を作り出すものではない。接続に関する表現(例えば、固定、取り付け、結合、接続など)は広義に解釈されるべきであり、要素の接続間の中間部材及び要素間の相対運動を含んでもよい。したがって、接続に関する表現は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも推論しない。上記の説明に含まれるか、又は添付の図面に示されるすべての事項は、例示的なものにすぎず、限定するものではないと解釈されるべきであることが意図される。詳細又は構造の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。
【0079】
参照により本明細書に組み込まれると言われている特許、出版物、又は他の開示材料は、その全体又は一部が組み込まれた材料が本開示に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示材料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する材料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示材料と矛盾する任意の材料又はその一部は組み込まれた材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
最後に、本明細書によって開示された実施形態を以下に列記する。
[形態1]
先端長軸を画定するとともに、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成されたインボード基礎構造と、
前記インボード基礎構造の遠位部分を形成する前記第1の連続要素の周りに設けられた中間インボードカバーと、
前記先端長軸に沿って延在するとともに、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成されたアウトボード基礎構造と、
前記アウトボード基礎構造の遠位部分を形成する前記第2の連続要素の周りに設けられた中間アウトボードカバーと、
を備える可撓性カテーテル先端部。
[形態2]
前記第1の連続要素及び前記中間インボードカバーの周りに設けられたインボードカバーをさらに備える、形態1に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態3]
前記中間インボードカバーは、前記インボード基礎構造と前記インボードカバーとの間に設けられている、形態2に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態4]
前記インボードカバーは、前記第1の連続要素の大部分の周りに設けられている、形態2に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態5]
前記第2の連続要素の周りに設けられたアウトボードカバーをさらに備える、形態1に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態6]
前記中間アウトボードカバーは、前記アウトボード基礎構造と前記アウトボードカバーとの間に設けられている、形態5に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態7]
前記中間インボードカバー及び前記中間アウトボードカバーは、熱収縮材料から形成されている、形態1に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態8]
前記インボード基礎構造は、
前記先端長軸に沿って延在する第1の近位インボード取付アーム及び第2の近位インボード取付アームと、
前記第1の近位インボード取付アームから遠位に向けて延在する第1のインボードアーム基礎構造と、
前記第2の近位インボード取付アームから遠位に向けて延在する第2のインボードアーム基礎構造と、
前記第1のインボード基礎構造及び第2のインボード基礎構造の遠位端に接続されたフレア状ヘッド部分とを備える、形態1に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態9]
前記中間インボードカバーが、前記第1の連続要素の周りに設けられた内側中間インボードカバーと、前記内側中間インボードカバーの周りに設けられた外側中間インボードカバーとを含む、形態1に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態10]
先端長軸を画定するとともに、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成された可撓性基礎構造と、
前記第1の連続要素の周りに設けられた中間インボードカバーと、
前記中間インボードカバーの周りに設けられたカバーと、
を備え、
前記中間インボードカバーが、前記カバーと前記可撓性基礎構造との間に位置する、
可撓性カテーテル先端部。
[形態11]
前記中間カバーと前記カバーとの間に間隙を有する、形態10に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態12]
前記中間カバーと前記カバーとの間に締まり嵌めが存在する、形態10に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態13]
前記中間カバーと前記カバーとの間に間隙を有し、前記間隙の大きさが0ミリメートルから0.1ミリメートルまでの範囲である、形態10に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態14]
前記中間カバー及び前記カバーは、一つ又は複数のポリマによって形成されている、形態10に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態15]
前記中間カバーは、2つ以上の材料層によって形成されている、形態10に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態16]
前記2つ以上の材料層が熱収縮材料を含む、形態15に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態17]
先端長軸を画定するとともに、第1の矩形断面を有する第1の連続要素によって形成されており、前記第1の連続要素が、第1のインボードアーム基礎構造及び第2のインボードアーム基礎構造と、前記第1のインボードアーム基礎構造及び前記第2のインボードアーム基礎構造の各々の遠位端に接続されたフレア状ヘッド部分とを画定している、インボード基礎構造と、
フレア状ヘッド部分の周りに設けられた中間インボードカバーと、
前記先端長軸に沿って延在するとともに、第2の矩形断面を有する第2の連続要素によって形成されており、前記第2の連続要素が、第1アウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造と、第1のアウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造の各々の遠位端に接続されたヘッド部分とを画定している、アウトボード基礎構造と、
前記ヘッド部分を形成する前記第2の連続要素の周りに設けられた中間アウトボードカバーと、
を備える可撓性カテーテル先端部。
[形態18]
前記中間インボードカバーは、第1の近位端及び第2の近位端を有し、
前記第1の近位端及び前記第2の近位端は、前記フレア状ヘッド部分と、前記第1のインボードアーム基礎構造及び前記第2のインボードアーム基礎構造との間の界面に位置する、形態17に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態19]
前記中間アウトボードカバーは、第1の近位端及び第2の近位端を有し、
前記第1の近位端及び前記第2の近位端は、前記ヘッド部分と、前記第1のアウトボードアーム基礎構造及び第2のアウトボードアーム基礎構造との間の界面に位置する、形態18に記載の可撓性カテーテル先端部。
[形態20]
前記中間インボードカバー及び前記フレア状ヘッド部分の周りに設けられたインボードカバーと、
前記中間アウトボードカバー及び前記ヘッド部分の周りに設けられたアウトボードカバーとをさらに備える、形態19に記載の可撓性カテーテル先端部。