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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】信号処理のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/00 20060101AFI20220401BHJP
   H04J 1/08 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
H04L27/00 C
H04J1/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020517422
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 CN2018102013
(87)【国際公開番号】W WO2019062406
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】201710884795.0
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲慶▼▲華▼
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-249294(JP,A)
【文献】米国特許第07907512(US,B1)
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Performance of Interleave Division Multiple Access (IDMA) in Combination with OFDM Family Waveforms [online],3GPP TSG-RAN WG1#85 R1-165021,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1130/Docs/R1-165021.zip>,2016年05月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00
H04J 1/08
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-2
3GPP TSG CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理のための方法であって、
信号処理のための装置は、第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得するため、入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行するステップと
入力が必要とする元の信号に対して段階的に周波数分解を実行する前、前記入力が必要とする元の信号のFFT変換を実行するステップとを含み、
第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得するため、入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行するステップは、
入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行して、第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得するステップであって、入力される元の信号のサンプリング周波数はfsであり、高周波サブバンド信号の周波数範囲は[1/2fs,fs]であり、低周波サブバンド信号の周波数範囲は[0,1/2fs]である前記取得するステップと、
第1段階の高周波サブバンド信号を第1段階のゼロ周波サブバンド信号に変換し、第1段階のゼロ周波サブバンド信号に対し、係数Nで間引きし、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号を取得するステップと、
第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが処理後の高周波サブバンド信号の帯域幅に対する所定の遷移帯域の帯域幅の相対帯域幅の範囲に適合するかを判断するステップと、
第1のフィルターが所定の要件を満足する場合、段階的な周波数分解が完了すると決定するステップと、
第(M+1)段階の処理された高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たすまで、第1のフィルターが所定の要件を満たさない場合、第M段階の処理された高周波サブバンド信号に対し、第1段階の処理を重複するステップと、前記M>=1である前記重複するステップと、
第1のフィルターを有限インパルス応答(FIR)フィルターとして入力される元の信号のエッジ高周波サブバンド信号をフィルタリングするステップであって、前記エッジ高周波サブバンド信号は、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号であり、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たす場合、または、エッジ高周波サブバンドが第(M+1)段階の処理後の高周波サブバンドである場合、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たさない前記フィルタリングするステップと、
前記フィルタリングにより得られた信号および段階的な周波数分解を実行して、各段階で取得された低周波サブバンド信号を直交フィルターグループに入力し、フィルターグループから出力した信号を結合するステップとを含むことを特徴とする信号処理のための方法。
【請求項2】
各段階において、現在段階での高周波サブバンド信号をゼロ周波数信号に変換した後、現在段階でのゼロ周波サブバンド信号に対して、係数Nで間引きする前、現在段階での処理された後の高周波サブバンド信号を取得し、
間引きによって生成されるミラー位相を減らすため、次数が所定値より低い第2のフィルターで本段階でのゼロ周波サブバンド信号をフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載の信号処理のための方法。
【請求項3】
前記フィルタリングにより得られた信号および段階的な周波数分解を実行して、各段階で取得された低周波サブバンド信号を直交フィルターグループに入力し、フィルターグループから出力した信号を結合するステップは、
フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波サブバンド信号とするステップと、
前記処理が必要とする高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された前記信号のスペクトルをシフトし、高周波直交フィルターに入力し、結合待ちの高周波サブバンド信号を取得し、および、ターゲット低周波サブバンド信号のベースバンドサンプリングが実行された後、低周波直交フィルターに入力し、結合待ちの低周波サブバンド信号を取得し、前記ターゲット低周波サブバンド信号は、段階的に周波数分解した後の取得された、結合されていない低周波サブバンド信号の中で最高の分解段階の低周波サブバンド信号であり、
前記結合待ちの高周波サブバンド信号と前記結合待ちの低周波サブバンド信号を結合して、結合信号を取得するステップと、
結合されていない低周波サブバンド信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波サブバンド信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルを再度シフトし、「無」であれば、信号結合処理を完了するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の信号処理のための方法。
【請求項4】
前記処理が必要とする高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトする前、
処理が必要とする高周波サブバンド信号のIFFT変換を実行することを特徴とする請求項3に記載の信号処理のための方法。
【請求項5】
ターゲット低周波サブバンド信号のベースバンドサンプリングを実行した後、低周波直交フィルターに入力する前に、
ベースバンドサンプリングされた後の低周波サブバンド信号に対してゼロパディングの方式でIFFT変換を実行し、前記信号にサイクリックプレフィックス(CP)ヘッドを挿入することを特徴とする請求項3に記載の信号処理のための方法。
【請求項6】
直交フィルターグループにより、フィルタリングにより得られた信号および段階的に周波数分解した後の各段階で得られた低周波サブバンド信号を結合した後、
前記直交フィルターグループによって得られた信号のIFFT変換を実行することを特徴とする請求項1に記載の信号処理のための方法。
【請求項7】
前記直交フィルターグループは、高周波直交フィルターおよび低周波直交フィルターを備え、
前記高周波直交フィルターは、フルパスフィルターから半分帯域フィルターを引いたものであり、
前記低周波直交フィルターは半分帯域フィルターであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の信号処理のための方法。
【請求項8】
少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つの記憶ユニットとを備え、
前記記憶ユニットは、プログラムコードを記憶し、前記プログラムコードが前記処理ユニットにより実行される場合、
前記プログラムコードは命令であり、前記処理ユニットにより実行されると、
前記処理ユニットは、第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得するため、入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行し、
入力が必要とする元の信号に対して段階的に周波数分解を実行する前、前記入力が必要とする元の信号のFFT変換を実行し、
第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得するため、入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行することは、
入力が必要とする元の信号に対し、段階的に周波数分解を実行して、第1段階の高周波サブバンド信号および第1段階の低周波サブバンド信号を取得することであって、入力される元の信号のサンプリング周波数はfsであり、高周波サブバンド信号の周波数範囲は[1/2fs,fs]であり、低周波サブバンド信号の周波数範囲は[0,1/2fs]である前記取得することと、
第1段階の高周波サブバンド信号を第1段階のゼロ周波サブバンド信号に変換し、第1段階のゼロ周波サブバンド信号に対し、係数Nで間引きし、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号を取得することと、
第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが処理後の高周波サブバンド信号の帯域幅に対する所定の遷移帯域の帯域幅の相対帯域幅の範囲に適合するかを判断することと、
第1のフィルターが所定の要件を満足する場合、段階的な周波数分解が完了すると決定することと、
第(M+1)段階の処理された高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たすまで、第1のフィルターが所定の要件を満たさない場合、第M段階の処理された高周波サブバンド信号に対し、第1段階の処理を重複するステップと、前記M>=1である前記重複することと、
第1のフィルターを有限インパルス応答(FIR)フィルターとして入力される元の信号のエッジ高周波サブバンド信号をフィルタリングすることであって、前記エッジ高周波サブバンド信号は、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号であり、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たす場合、または、エッジ高周波サブバンドが第(M+1)段階の処理後の高周波サブバンドである場合、第1段階の処理後の高周波サブバンド信号に対応する第1のフィルターが所定の要件を満たさない前記フィルタリングすることと、
前記フィルタリングにより得られた信号および段階的な周波数分解を実行して、各段階で取得された低周波サブバンド信号を直交フィルターグループに入力し、フィルターグループから出力した信号を結合することとを含むことを特徴とする信号処理のための装置。
【請求項9】
前記処理ユニットは、
各段階において、現在段階での高周波サブバンド信号をゼロ周波数信号に変換した後、現在段階でのゼロ周波サブバンド信号に対して、係数Nで間引きする前、本段階での処理された後の高周波サブバンド信号を取得し、
間引きによって生成されるミラー位相を減らすため、次数が所定値より低い第2のフィルターで現在段階でのゼロ周波サブバンド信号をフィルタリングする
ことを特徴とする請求項8に記載の信号処理のための装置。
【請求項10】
前記処理ユニットは、
フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波サブバンド信号とし、
前記処理が必要とする高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された前記信号のスペクトルをシフトし、高周波直交フィルターに入力し、結合待ちの高周波サブバンド信号を取得し、および、ターゲット低周波サブバンド信号のベースバンドサンプリングが実行された後、低周波直交フィルターに入力し、結合待ちの低周波サブバンド信号を取得し、前記ターゲット低周波サブバンド信号は、段階的に周波数分解した後の取得された、結合されていない低周波サブバンド信号の中で最高の分解段階の低周波サブバンド信号であり、
前記結合待ちの高周波サブバンド信号と前記結合待ちの低周波サブバンド信号を結合して、結合信号を取得し、
結合されていない低周波サブバンド信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波サブバンド信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルを再度シフトし、「無」であれば、信号結合処理を完了することを特徴とする請求項8に記載の信号処理のための装置。
【請求項11】
前記処理ユニットはさらに、
前記処理が必要とする高周波サブバンド信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトする前、処理が必要とする高周波サブバンド信号のIFFT変換を実行することを特徴とする請求項10に記載の信号処理のための装置。
【請求項12】
前記処理ユニットはさらに、
ターゲット低周波サブバンド信号のベースバンドサンプリングを実行した後、低周波直交フィルターに入力する前に、ベースバンドサンプリングされた後の低周波サブバンド信号に対してゼロパディングの方式でIFFT変換を実行し、前記信号にサイクリックプレフィックス(CP)ヘッドを挿入することを特徴とする請求項10に記載の信号処理のための装置。
【請求項13】
前記処理ユニットはさらに、
直交フィルターグループにより、フィルタリングにより得られた信号および段階的に周波数分解した後の各段階で得られた低周波サブバンド信号を結合した後に、前記直交フィルターグループによって得られた信号のIFFT変換を実行することを特徴とする請求項8に記載の信号処理のための装置。
【請求項14】
前記直交フィルターグループは、高周波直交フィルターおよび低周波直交フィルターを備え、
ここで、前記高周波直交フィルターは、フルパスフィルターから半分帯域フィルターを引いたものであり、
前記低周波直交フィルターは半分帯域フィルターであることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の信号処理のための装置。
【請求項15】
コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、プロセッサは請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の信号処理のための方法の動作を実行することを特徴とする機械可読の不揮発性記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月26日に中国特許局に提出し、出願番号が201710884795.0であり、発明名称が「信号処理のための方法および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、特に信号処理のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在使用されているロングタームエボリューション(long Term Evolution,LTE)信号システムのスペクトル利用率は90%であり、物理リソースブロックによって占有されていない信号帯域幅は、信号の遷移帯域として、FIR(Finite Impulse Response,有限インパルス応答)フィルタによるフィルタリングを行って、従来のLTEシステム物理層によって出力されるベースバンド信号の帯域外の高いノイズフロア、信号のスプリアス放射および高いACLR(Adjacent Channel Leakage Power Ratio,隣接チャネル漏洩電力比)の問題を解決する。ただし、第5世代(以降「5G」と記する)システムでは、スペクトル使用率がまだ90%の場合、遷移幅は10MHz~100MHzになり、リソースを浪費する。
【0004】
したがって、5Gシステムでのスペクトル利用率は98%~99%に引き上げられ、つまり、遷移幅は帯域幅全体の1%~2%しか占有しない。ただし、ベースバンド信号を生成する既存の方法が採用され、帯域外のノイズを抑制するために標準のFIRフィルタが使用され、FIRフィルタの次数は数百または数千にもなり、ナイキストのサンプリング定理(Nyquist sampling theore)によれば、FIRのサンプリングレートはフィルタは、100MHzのチャネル帯域幅では100MSPSを超え、1GHzのチャネル帯域幅では1GSPSを超える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
要約すると、遷移帯域が全帯域幅のごくわずかな割合を占めるシステムで既存のFIRフィルタを使用すると、スペクトル利用率が低くなり、大量のリソースが必要になり、FIRフィルタの設計がより複雑になる。
【0006】
本発明は、信号処理のための方法および装置を提供し、遷移帯域が全帯域幅のごくわずかな割合を占めるシステムで既存のFIRフィルタを使用すると、スペクトル利用率が低くなり、大量のリソースが必要になり、FIRフィルタの設計がより複雑になるという問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態は、信号処理のための方法を提供する。この方法には、入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解するステップと、
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成するステップと、
前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングするステップと、
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合するステップとを備える。
【0008】
本開示の一実施形態は、信号処理のための装置を提供する。この装置は、少なくとも1つの処理ユニットと、少なくとも1つの記憶ユニットとを備え、ここで、前記記憶ユニットは、プログラムコードを記憶し、前記プログラムコードが前記処理ユニットにより実行される場合、前記処理ユニットに以下のプロセスを実行させるように構成され、
入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交して分解し、
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成し、
前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングし、
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。
【0009】
本発明実施形態による信号処理のための装置は、
入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解するように構成された分解モジュールと、
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成し、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングするように構成された実行モジュールと、
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合するように構成された結合モジュールとを備える。
【0010】
本発明実施形態は、機械可読の不揮発性記憶媒体を提供し、不揮発性記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、プロセッサは上述の信号処理のための方法の動作を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施形態によれば、入力が必要とする元の信号は直交分解され、直交分解のレイヤー数および直交分解後の元の信号のスペクトルエッジ高周波帯域幅に従ってFIRフィルタが生成される。前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングし、直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。本発明では、元の信号はレイヤーごとに分解され、分解によって得られた高周波信号の帯域幅は元の信号の帯域幅より狭くなり、遷移帯域の帯域幅は変化しないため、遷移帯域の帯域幅は、高周波信号の帯域幅と比べ、高い割合を占める。FIRフィルタのパフォーマンスインデックスによると、遷高周波信号の帯域幅に対する移帯域の割合が小さいほど、FIRフィルタの次数は高くなる。本発明では、直交分解後の,高周波信号の帯域幅に対する遷移帯域の帯域幅は、大きな割合を占めるため、直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って生成されたFIRフィ計算の複雑さが大幅に軽減され、次数は低く、必要なリソースの量が少ないため、FIRフィルタの設計が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明に係る実施例や従来の技術解決策をより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために必要な図面をについて簡単に紹介する。無論、以下の説明における図面は本発明に係る実施例の一部であり、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0013】
図1】本発明実施形態による信号処理のための方法のフローチャートである。
図2A】本発明実施形態による信号グループを直交分解して得られた信号のスペクトルの概略図である。
図2B】本発明実施形態による信号グループを直交分解して得られた信号のスペクトルの概略図である。
図2C】本発明実施形態による高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後の概略図である。
図2D】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに直交分解する方法の概略図である。
図3A】本発明実施形態による信号を直交フィルタグループにより結合する概略図である。
図3B】本発明実施形態による信号のスペクトルをシフトした後の概略図である。
図3C】本発明実施形態によるM番目のレイヤーでの信号を結合する方法の概略図である。
図3D】本発明実施形態によるM番目のレイヤーでの信号を結合するための方法の概略図である。
図3E】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに結合する第1の方法の概略図である。
図3F】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに結合する第2の方法の概略図である。
図3G】典型的な5G 100MHz帯域幅フィルタの構造の概略図である。
図4】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに直交分解する方法のフローチャートである。
図5】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに結合する第1の方法のフローチャートである。
図6】本発明実施形態による信号をレイヤーごとに結合する第2の方法のフローチャートである。
図7】本発明実施形態による信号処理のための装置の構造の概略図である。
図8】本発明実施形態による信号処理のための装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明に係る実施形態において図面を結合して本発明の実施形態における技術解決策について詳細に、完全に説明するが、次に陳述する実施形態は単に本発明のいくつかの実施形態であり、その全てではない。本分野の一般の技術者にとって、創造性的労働をしなくても、これらの実施形態に基づいてその他の実施形態を容易に獲得することができ、全て本発明の保護範囲に属することは明白である。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態による信号処理のための方法のフローを示している。この方法には、ステップ11~14が備える。
【0016】
ステップ11:入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解する。
【0017】
ステップ12:直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成する。
【0018】
ステップ13:前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングする。
【0019】
ステップ14:直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。
【0020】
本開示の実施形態によれば、入力が必要とする元の信号は直交分解され、直交分解のレイヤー数および直交分解後の元の信号のスペクトルエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成する,前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングし、直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。本発明では、元の信号はレイヤーごとに分解され、分解によって得られた高周波信号の帯域幅は元の信号の帯域幅より狭くなり、遷移帯域の帯域幅は変化しないため、遷移帯域の帯域幅は、高周波信号の帯域幅と比べ、高い割合を占める。FIRフィルタのパフォーマンスインデックスによると、遷高周波信号の帯域幅に対する移帯域の割合が小さいほど、FIRフィルタの次数は高くなる。本発明では、直交分解後の,高周波信号の帯域幅に対する遷移帯域の帯域幅は、大きな割合を占めるため、直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って生成されたFIRフィ計算の複雑さが大幅に軽減され、次数は低く、必要なリソースの量が少ないため、FIRフィルタの設計が簡単になる。
【0021】
本発明実施形態による信号を直交分解する解決策は、具体的に、
前記元の信号を直交分解して、本レイヤーでの高周波信号および本レイヤーでの低周波信号を取得し、
前記本レイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引きして、本レイヤーでの処理された後の高周波信号を取得し、
前記本レイヤーでの処理された後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たしているかどうかを判断し、前記要件を満たしたときに、直交分解が完了したと判断し、
さもなければ、高周波信号を直交分解し、他のレイヤーでの高周波信号および他のレイヤーでの低周波信号を取得し、前記他のレイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引くステップに戻る。
【0022】
ここで、前記元の信号を直交分解して、本レイヤーでの高周波信号および本レイヤーでの低周波信号を取得することは、図2Aに示すように、前記元の信号分は、低周波直交フィルタおよび高周波直交フィルタそれぞれに入力され、ここで、元の信号が高周波直交フィルタから出力された信号は、第1のレイヤーの高周波信号としてみなされ、元の信号が低周波直交フィルタから出力された信号は、第1のレイヤーの低周波信号としてみなされる。
【0023】
本開示の実施形態の実施形態によれば、低周波直交フィルタは半分帯域フィルタであってもよく、高周波直交フィルタは、フルパスフィルタから半分帯域フィルタを引いたもの(すなわち、反転された半分帯域フィルタ)であってもよい。
【0024】
図2Aにおいて、HBは低周波直交フィルタを表し、(1-HB)は高周波直交フィルタを表し、前記元の信号が低周波直交フィルタおよび高周波直交フィルタにそれぞれ入力された後、第1のレイヤーの低周波信号は、HBから取得され、1のレイヤーの高周波信号は、(1-HB)から取得され、信号のスペクトルの例は、図2Bによって示される。
【0025】
第1のレイヤーの高周波信号および第1のレイヤーの低周波信号が取得された後の、前記第1のレイヤーの高周波信号をゼロ周波数信号に変換することは、図2Cによって示される。
【0026】
図2Bは、前記第1のレイヤーの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、遷移帯域が第1レイヤーの高周波信号に対する帯域幅を占める割合は、倍に大きくなり、サンプリングレートは元の信号のサンプリングレートの半分になる。
【0027】
変換して得られたゼロ周波数信号に対して係数Nで間引きして、第1のレイヤーでの処理後の高周波信号が取得される。
【0028】
選択可能で、高周波信号の高周波成分をさらに抑制するために、前記高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後に、所定の閾値より小さい次数を持つフィルタにより前記ゼロ周波数信号をフィルタリングし、フィルタリング後に、係数Nで間引く。
【0029】
例えば、サンプリングレートがfsであり、遷移帯域が[fpass,fstop]である信号に対して上記の操作が実行された後、サンプリングレートはfs/2になり、等価帯域幅は[0, fs/4]、遷移帯域は[fpass/2- fs/4, fstop/2- fs/4]になり、相対帯域幅は[2*fpass/2-1,2*fstop/2-1]になる。
【0030】
第1のレイヤーの低周波信号および第1のレイヤーでの処理後の高周波信号を取得した後、第1のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たすかどうかを判断する必要がある。
【0031】
第1のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応するフィルタは、最高周波部分のFIRフィルタである。所定の要件は、前記フィルタの遷移帯域が占める割合が要件を満たすこと、フィルタの次数が非常に低いこと、リソースオーバーヘッドが少ないことであることができる。
【0032】
フィルタの次数が所定の要件を満たす場合、直交分解が完了したと判断される。
【0033】
または、フィルタの次数が所定の要件を満たさない場合、上記の方法を使用して第1のレイヤーでの処理後の高周波信号を直交分解して、第2のレイヤーの低周波信号および第2のレイヤーでの処理後の高周波信号を取得し、第2のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たしているかどうかが判定される。
【0034】
フィルタの次数が既定の要件を満たしている場合、直交分解が完了したと判断される。
【0035】
または、フィルタの次数が所定の要件を満たさない場合、図2Dに示すように、上記の方法を使用して、M番目のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たすまでに、第2のレイヤーでの処理後の高周波信号を直交分解する。
【0036】
選択可能で、入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交して分解した後、直交分解のレイヤーの数(すなわち、上述のM)および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅(すなわちM番目のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応する帯域幅)は、知ることができる。
【0037】
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成することができる。
【0038】
当該フィルタの遷移帯域の帯域幅は、信号帯域幅全体が要求する遷移帯域の帯域幅であり、一般的にエッジサブバンド有効な信号の部分であり、遷移帯域の相対帯域幅は大きくなる(帯域幅が小さい複数のサブバンド信号は、レイヤーごとの元の信号の直交分解後に取得され、遷移帯域の帯域幅は変更されないため、高周波信号の帯域幅と比べ、遷移帯域の帯域幅は帯域幅の大きな割合を占める)。および信号の有効帯域幅が適切である。したがって、フィルタの次数は低く、少量のリソースが必要である。
【0039】
FIRフィルタが生成された後、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号(すなわちM番目のレイヤーの高周波信号)をフィルタリングする。
【0040】
例えば、サンプリングレートがfs、遷移帯域が[fpass,fstop]である信号は、レイヤーごとに分解された後、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号(すなわちM番目のレイヤーの高周波信号)をフィルタリングすることは、元の信号の周波数帯域[fs/2-fs/2M+1,fs/2]を処理することに相当する。
【0041】
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。
【0042】
本発明実施形態は、信号を直交結合する2つの解決策を提供するが、以下に説明する。
【0043】
解決策1:
フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波信号とし、
処理が必要とする高周波信号のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)変換を実行する。
【0044】
ここで、前記処理が必要とする高周波信号のIFFT変換は以下の式に従って変換される:
【0045】

【数1】
【0046】
Nは入力数を表し、F[K]は時間領域シーケンスを表し、F[n]は周波数領域シーケンスを表す。
【0047】
IFFTを受けた高周波信号は、係数Xによって補間される。補間された高周波信号のスペクトルはシフトされ、その後、直交フィルタにより、結合待ちの高周波信号が取得される。
【0048】
ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングが実行された後、ゼロパディングの方式で、が実行される。次に、前記信号にCP(Cyclic prefix,サイクリックプレフィックス)ヘッドが挿入される。
【0049】
ここで、前記ターゲット低周波信号は、レイヤーごとに直交して分解した後の取得された、結合されていない低周波信号の中で最高の分解レイヤーの低周波信号である。
【0050】
CPヘッドが挿入された後の信号を直交フィルタに入力して、結合待ちの低周波信号が取得される。
【0051】
前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する。
【0052】
結合されていない低周波信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻り、「無」であれば、信号結合処理を完了する。
【0053】
ここで、前記処理が必要とする高周波信号を他の直交フィルタに入力して、結合待ちの高周波信号を取得することは、具体的に、前記処理が必要とする高周波信号を高周波直交フィルタに入力し、ターゲット低周波信号をベースバンドサンプリングして、低周波直交フィルタに入力する。結合待ちの低周波信号を取得することは、具体的に、図3Aに示すように、ターゲット低周波信号を低周波直交フィルタに入力する。
【0054】
実施中、低周波直交フィルタは半分帯域フィルタであってもよく、高周波直交フィルタは、フルパスフィルタから半分帯域フィルタを引いたものであってもよい。
【0055】
ここで、半分帯域フィルタを使用する阻止帯域と通過帯域的帯域幅は同じである。阻止帯域と通過帯域的リップルも同じである。また、半分帯域フィルタのポリフェーズフィルタリングは、フィルタリングと抽出の両方を組み合わせる。半分帯域フィルタを低周波直交フィルタとするとき、通常のFIRフィルタと比較して、乗算操作の回数を約半分に減らすことができ、非常に効率的である。
【0056】
図3Aにおいて、HBは低周波直交フィルタを表し、(1-HB)は高周波直交フィルタを表す。
【0057】
図3Bに示されるように、前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトし、直交フィルタにより、結合待ちの高周波信号を取得する。
【0058】
図3Bに示されるように、処理が必要とする元の高周波信号を低周波信号に位置する。スペクトルがシフトされた後、前記処理が必要とする元の高周波信号の周波数中心は高周波帯域に位置。
【0059】
例えば、元の信号はSignalで示され、サンプリングレートはfs,遷移帯域は[fpass,fstop]である。スペクトルがシフトされた後、信号の周波数中心をfs/2M-1にシフトされる。すなわち信号Signalの[fs/2-fs/2M+1,fs/2]は、信号SM,H2Mixの[f s /2 M+1 , f s /2 M ] の周波数帯域にマッピングされる。このときの信号の帯域幅全体は[0,fs/2]であり、サンプリングレートはfs/2M-1である。
【0060】
ターゲット低周波信号(すなわちM番目のレイヤーの低周波信号)のベースバンドサンプリングが実行された後、ゼロパディングの方式でIFFT変換を実行し、前記信号にCPヘッドが挿入される。
【0061】
ここで、前記CPヘッドは、信号伝送プロセス中のサイクリックプレフィックスであり、送信される信号がサイクリックに見えるようにする。
【0062】
例えば、4096ポイントを有する信号がIFFTを受けた後、信号はx(0)~x(4095)になり、CPヘッドが288ポイントを選択すると、CPは、x(4096-288)~x(4095) になる。
【0063】
信号全体の伝送順は、x(4096-288)~x(4095),x(0)~x(4095)である。
【0064】
ここで、ターゲット信号は、元の信号をレイヤーごとに直交して分解した後に得られる最高の分解レイヤーでの低周波信号を指し、以下の2つの方式で取得することができる。
【0065】
方式1:元の信号がレイヤーごとにに直交分解されるときに各レイヤーでの低周波信号を記録し、次に信号を結合するときに最高の分解レイヤーでの低周波信号を使用すればよい。
【0066】
方式:元の信号の直交分解の各レイヤーで低周波信号を計算することができる。例えば、上の例のSignalの周波数帯域[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1] は、最高レイヤーでの低周波信号を表し、次のレイヤーで結合を実行する場合、次の一レイヤーでの低周波信号を再計算する必要がある。
【0067】
例えば、元の信号のスペクトルがFreq(0)~Freq(4095)の範囲にある場合、元の信号を計算して得られたレイヤーごどの分解後d信号は以下の通りである。
【0068】
第1のレイヤーでは、元の信号は次とおりに分解される。
【0069】
dispose_L(0)=Freq(0)~Freq(2047)
dispose_H(0)=Freq(2048)~Freq(4095)
【0070】
第2のレイヤーでは、dispose_H(0)を分解して、次とおりに分解される。
【0071】
dispose_L(1)=Freq(2048)~Freq(3071)
dispose_H(1)=Freq(3072)~Freq(4095)
【0072】
第3レイヤーでは、dispose_H(1) を分解して、次とおりに分解される。
【0073】
dispose_L(2)=Freq(3072)~Freq(3583)
dispose_H(2)=Freq(3584)~Freq(4095)
【0074】
第4レイヤーでは、dispose_H(2) を分解して、次とおりに分解される。
【0075】
dispose_L(3)=Freq(3584)~Freq(3839)
dispose_H(3)=Freq(3840)~Freq(4095)
【0076】
上記の分解プロセスから、分解から得られた信号の帯域幅が各レイヤーで受信に低減され、すなわち2048>1024>512>256。
【0077】
ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングは、特定のサンプリングレートに従って実行される。ここで、特定のサンプリングレートは、前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に得られる信号のサンプリングレートである。
【0078】
CPヘッドが挿入された後の信号を直交フィルタに入力して、結合待ちの低周波信号を取得する。
【0079】
図3Cに示すように、前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する。またその効果を示す図は図3Dである。
【0080】
図3Dにおいて、信号1はM番目のレイヤー高周波信号を表し、信号2はM番目のレイヤー低周波信号を表す。
【0081】
例えば、サンプリングレートがfs,遷移帯域が[fpass,fstop]である信号は、分解された後にM番目のレイヤーでの低周波信号および高周波信号が得られる。結合された信号は、元の信号の周波数帯域[fs/2-fs/2, fs/2]にマッピングする。このとき、信号のサンプリングレートはfs/2M-1であり、結合された信号の遷移帯域と元の信号の遷移帯域が同じである
【0082】
選択可能で、結合待ちの低周波信号と前記結合待ちの高周波信号的ヘッドフレームを整列させるために、前記結合待ちの高周波信号および前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する前、他の2つの信号の整列を遅延させることができる。
【0083】
2つの信号を整列させるために2つの信号のうちの1つを遅延させる必要があるかどうかは、実施に依存する。ポイントは、処理遅延を考慮することである。信号処理中に処理遅延が発生しない場合、両方の信号がそもそも整列される。
【0084】
一方、図3Eに示すように、M番目のレイヤーの低周波信号と高周波信号を結合した後、上述の方式で、引き続き前記結合信号を(M-1)番目のレイヤー処理が必要とする高周波信号とする。前記処理が必要とする高周波信号(または新しい高周波信号)がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻る。第1のレイヤーの低周波信号と高周波信号を結合するまでに、(M-1)番目のレイヤー処理が必要とする低周波信号と結合する。
【0085】
図3EのPFIR:直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って生成できるFIRフィルタである。サンプリングレートを2倍にすることは、2倍の補間を意味する。図3Eに示すように、M番目のレイヤーで結合信号が取得された後、結合信号は(M-1)番目の高周波信号として使用される。(M-1)番目のレイヤーの低周波信号は上記のように得られるため、繰り返して説明しない。このように類推して、このプロセスは、第1のレイヤーの高周波信号と高周波信号を結合するまで繰り返される。低周波信号において、空きの部分にゼロを充填する。
【0086】
信号を結合するプロセスにおいて、各レイヤーの高周波サブバンドの実際の信号の位置および低周波サブバンドにおける高周波および低周波部分のIFFTキャリアのアドレスおよび実際の信号の位置を充填する必要があり、具体的には、元の信号を直交分解するステップにおける各高周波と低周波の位置を参照することができる。
【0087】
例えば、3レイヤー直交分解で得られた信号を結合する場合、第3のレイヤーの低周波サブバンドにおける高周波部分に充填するIFFTキャリアのアドレスは、M/8~(M/4-1)、低周波部分は0~(M/8-1)である。低周波サブバンドの高周波部分において、実際の信号の位置を充填しなく、低周波部分の実際の信号の位置は[M-2*M/8,M-M/8-1]である。高周波サブバンドの実際の信号の位置は[M-M/8,M-1]である。このように類推して、計算によりたのレイヤーでの高周波サブバンドにおける実際の信号の位置および低周波サブバンドにおける高周波および低周波部分のIFFTキャリアのアドレスおよび実際の信号の位置を取得する。
【0088】
IFFT変換のとき、第のレイヤーのIFFTのポイント数はM/4であり、第3のレイヤーのIFFTのポイント数はM/2であり、第1のレイヤーのIFFTのポイント数はMである。このように類推して、計算により他のレイヤーでのIFFTのポイント数を取得する。よって、M番目のレイヤーでの最高周波数帯域の信号を結合する場合、すべてのマッピングされていない高周波サブバンドをマッピングする必要があり、ポイント数は、(M-1)番目のレイヤーIFFTのポイント数の半分である。そのため、本レイヤーIFFTのIFFTは前のレイヤーのリソースを再利用できるため、必要なリソースは少なくなる。
【0089】
解決策2:
前記入力が必要とする元の信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)変換が実行される。
【0090】
ここで、前記元の信号のFFT変換は以下の式に従って変換される:
【0091】

【数2】
【0092】
Nは入力数を表し、F[K]は時間領域シーケンスを表し、F[n]は周波数領域シーケンスを表す。
【0093】
入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解する。
【0094】
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成する。
【0095】
前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングする。
【0096】
フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波信号とし、
前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された前記信号のスペクトルをシフトし、直交フィルタに入力して、結合待ちの高周波信号を取得し、
ターゲット低周波信号をベースバンドサンプリングして、直交フィルタに入力して、結合待ちの低周波信号が取得される。前記ターゲット低周波信号は、レイヤーごとに直交して分解した後の取得された、結合されていない低周波信号の中で最高の分解レイヤーの低周波信号である。
【0097】
前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する。
【0098】
結合されていない低周波信号の有無を判断する。
【0099】
「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻り、「無」であれば、信号結合処理を完了する。
【0100】
最後に結合された信号に対してIFFT変換を実行する。
【0101】
具体的に、前記入力が必要とする元の信号のFFT変換を実行する。
【0102】
実施中、入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解することは、上述の信号の直交分解のための解決策と同じであり、繰り返して説明しない。
【0103】
選択可能で、入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交して分解した後、直交分解のレイヤー数(すなわち上記のM)、および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅(すなわち番目のレイヤーでの処理後の高周波信号に対応する帯域幅)を知ることができる。
【0104】
一方、直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成することができる。
【0105】
当該フィルタの遷移帯域の帯域幅は、信号帯域幅全体が要求する遷移帯域の帯域幅であり、通過帯域は、エッジサブバンド上の有効信号の部分であり、遷移帯域の相対帯域幅帯域が大きくなる(帯域幅が小さい複数のサブバンド信号は、レイヤーごとの元の信号の直交分解後に取得され、遷移帯域の帯域幅は変化しないため、遷移帯域の相対帯域幅帯域が大きい)。および信号の有効帯域幅が適切である。したがって、フィルタの次数は低く、少量のリソースが必要である。
【0106】
FIRフィルタが生成された後、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号(すなわちM番目のレイヤーの高周波信号)をフィルタリングする。
【0107】
例えば、サンプリングレートがfs,遷移帯域が[fpass,fstop]である信号は、レイヤーごとに分解された後、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号(すなわちM番目のレイヤーの高周波信号)をフィルタリングすることは、元の信号の周波数帯域[fs/2-fs/2M+1,fs/2]を処理することに相当する。
【0108】
前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された前記信号のスペクトルをシフトし、図3Bに示すように、直交フィルタに入力して、結合待ちの高周波信号を取得する。
【0109】
ターゲット低周波信号(すなわちM番目のレイヤーの低周波信号)をベースバンドサンプリングした後に、低周波直交フィルタに入力し、結合待ちの低周波信号を取得する。
【0110】
ここで、ターゲット信号は、元の信号をレイヤーごとに直交して分解した後の取得された最高の分解レイヤーでの低周波信号を指し、以下の2つの方式で取得することができる。
【0111】
方式1:元の信号がレイヤーごとに直交分解されるときに、各レイヤーでの低周波信号を記録し、次に信号を結合するときに最高の分解レイヤーでの低周波信号を使用すればよい。
【0112】
方式:元の信号の直交分解の各レイヤーで低周波信号を計算することができる。例えば、上の例のSignalの周波数帯域[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1]は、最高レイヤーでの低周波信号を表し、次のレイヤーで結合を実行する場合、再計算してレイヤーの低周波信号を取得する必要がある。
【0113】
ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングは、特定のサンプリングレートに従って実行され、ここで、特定のサンプリングレートは、前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に得られる信号のサンプリングレートである。
【0114】
実施中、前記処理が必要とする高周波信号を他の直交フィルタに入力して、結合待ちの高周波信号を取得し、前記処理が必要とする高周波信号を高周波直交フィルタに入力し、ターゲット低周波信号をベースバンドサンプリングして、低周波直交フィルタに入力する。結合待ちの低周波信号を取得することは、前記ターゲット低周波信号を低周波直交フィルタに入力する。
【0115】
図3Aによって示されるように、実施中、低周波直交フィルタは半分帯域フィルタであってもよく、高周波直交フィルタは、フルパスフィルタから半分帯域フィルタを引いたもの(反転された半分帯域フィルタ)であってもよい。
【0116】
図3Cは、前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得することを示し、その効果は、図3Dにより示される。
【0117】
例えば、サンプリングレートがfs,遷移帯域が[fpass,fstop]である信号は、分解後に、M番目のレイヤーの低周波信号と高周波信号が取得される。結合された信号、すなわち元の信号の周波数帯域[fs/2-fs/2, fs/2]をマッピングする。このとき、信号のサンプリングレートはfs/2M-1であり、結合された信号の遷移帯域と元の信号の遷移帯域が同じである
【0118】
一方、M番目のレイヤーの低周波信号と高周波信号を結合した後、上述の方式で引き続き前記結合信号を(M-1)番目のレイヤー処理が必要とする高周波信号とする。前記処理が必要とする高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻り、図3Fに示すように、第1のレイヤーの低周波信号と高周波信号を結合するまでに、(M-1)番目のレイヤー処理が必要とする低周波信号と結合する。
【0119】
図3FのFIRフィルタは、直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って生成され得る上述のFIRフィルタである。2*Upsample(アップサンプリング)は2倍の補間を意味する。アップコンバージョンとは、すなわち結合プロセス中のスペクトルのシフトを意味する。図3Fに示すように、M番目のレイヤーの信号を結合した後、結合された信号を(M-1)番目のレイヤーの高周波信号とする。(M-1)番目のレイヤーの低周波信号は、上記の方法で取得されるため、繰り返して説明しない。このように類推して、このプロセスは、第1のレイヤーの低周波信号と高周波信号が結合されるまで繰り返される。
【0120】
一方、Y番目のレイヤーでの処理後に得られた信号に対してIFFTが実行される。
【0121】
ここで、Y番目のレイヤーは、Mレイヤーの中の第1のレイヤーに対応する。Y番目のレイヤーでの処理後に得られた信号は、上記Mレイヤーの中の第1のレイヤーの低周波信号と高周波信号を結合して得られた結合信号である。
【0122】
信号の結合のための100MHzの帯域幅を有する例示的な5Gフィルタの構造は、図3Gによって示されている。
【0123】
図3Gによって示されている、レイヤーごとの元の信号の分解方法および信号の結合のための方法は、上述のものと同じであり、繰り返して説明しない。
【0124】
図4に示すように、本発明実施形態は、直交分解の完全な実施形態を提供する。
【0125】
入力が必要とする元の信号はSignalで示され、サンプリングレートはfs,遷移帯域は[fpass,fstop]である。信号全体のスペクトル範囲は[0,fs/2]、遷移帯域の相対帯域幅は[fpass/fs, fstop /fs]である。
【0126】
ステップ 400:信号Signalを低周波と高周波直交フィルタグループに入力して、SignalLFで示される低周波部分の信号およびSignalHFで示される高周波部分の信号を取得する。
【0127】
ステップ401: SignalHFをスペクトル変換で、前記SignalHF信号をゼロ周波数信号に変換した後、SignalHF0として記する。具体的には、
【0128】

【数3】
である。
【0129】
ステップ402:信号SignalHF0を係数2で間引きして、得られた信号をSignal2HF0として記する。
【0130】
ステップ403:前記本レイヤーでの処理された後の高周波信号Signal2HF0に対応するFIRフィルタの次数が所定の要件を満たしているかどうかを判断し、満たすと判断すれば、直交分解が完了したと判断し、さもなければステップ400に戻る。
【0131】
ステップ404:直交分解が完了したと判定する。
【0132】
図5は、動作500~507を含む、信号を結合するための完全な実施形態を示している。
【0133】
ステップ 500:信号Signalを分解した後の最終レイヤーの高周波信号(信号Signalの[fs/2-fs/2M+1,fs/2]に相当)をFIRフィルタによりフィルタリングして、得られた信号をSM,H として記する。
【0134】
ステップ 501:得られた信号SM,HのIFFTを実行する。
【0135】
ステップ 502:変換後の信号SM,Hを係数2で補間して、得られた信号をSM,H2として記する。このとき、信号のサンプリングレートはfs/2M-1となり、ナイキストのサンプリング定理により、前記信号の帯域幅は[0,fs/2]である。
【0136】
ステップ 503:信号SM,H2のスペクトルをシフトして、信号の周波数中心をfs/2M-1にシフトして生成された信号をSM,H2Mixとして記する。すなわち信号Signalの[fs/2-fs/2M+1,fs/2]を信号SM,H2Mixの[fs/2M-1, fs/2]部分にマッピングする。このとき、 SM,H2Mixの帯域幅は[0,fs/2]であり、サンプリングレートはfs/2M-1である。
【0137】
ステップ 504:Signal信号の[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1]部分を、fs/2M-1に従って、ベースバンドサンプリングし、得られた信号をSM,Lとして記する。
【0138】
ここで、周波数帯域[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1]は、Signal信号レイヤーごとに直交して分解した後の得られた最高レイヤーでの低周波信号である。
【0139】
ステップ 505:信号SM,Lと信号SM,H2Mixを直交フィルタグループによって結合し、得られた信号をSM-1として記する。すなわちSignal信号の[fs/2-fs/2, fs/2]をマッピングする。このとき、信号のサンプリングレートはfs/2M-1である。結合された信号の遷移帯域とSignal信号の遷移帯域は、同じである。
【0140】
ステップ 506:結合されていない低周波信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波信号とし、ステップ502に戻り、「無」であれば、信号結合処理を完了する。
【0141】
ステップ 507:信号結合処理を完了する。
【0142】
図6は、信号を結合するための本開示の実施形態の別の実施形態を示しており、ステップ600~607を備える。
【0143】
ステップ 600:信号SignalのFFTを実行する。
【0144】
ステップ 601、信号のFFT変換が実行された後のSignalを分解して得られた最終レイヤーの高周波信号(信号Signalの[fs/2-fs/2M+1,fs/2]に相当)をPFIRフィルタによりフィルタリングし、得られた信号をSM,Hとして記する。
【0145】
ステップ 602:変換後の信号SM,Hを係数2で補間して、得られた信号をSM,H2として記する。このとき、信号のサンプリングレートはfs/2M-1となり、ナイキストのサンプリング定理により、前記信号の帯域幅は[0,fs/2]である。
【0146】
ステップ 603:信号SM,H2のスペクトルをシフトして、信号の周波数中心をfs/2M-1に移動し、得られた信号をSM,H2Mixとして記する。すなわち信号Signalの[fs/2-fs/2M+1,fs/2]を信号SM,H2Mix[f s /2 M+1 , f s /2 M ]にマッピングする。このとき、SM,H2Mixの帯域幅は[0,fs/2]、サンプリングレートはfs/2M-1である。
【0147】
ステップ604:Signal信号の帯域幅[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1]を、fs/2M-1に従って、ベースバンドサンプリングし、得られた信号をSM,Lとして記する。
【0148】
ここで、[fs/2-2*fs/2, fs/2-fs/2M+1]は、Signal信号をレイヤーごとに直交して分解した後の得られた最高レイヤーでの低周波信号である。
【0149】
ステップ 605:信号SM,Lと信号SM,H2Mixを直交フィルタグループによって結合し、得られた信号をSM-1として記する。すなわちSignal信号の[fs/2-fs/2, fs/2]をマッピングする。サンプリングレートはfs/2M-1となる。結合された信号の遷移帯域とSignal信号の遷移帯域は、同じである。
【0150】
ステップ 606、結合されていない低周波信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする高周波信号とし、ステップ602に戻り、さもなければ、ステップ60を実行する。
【0151】
ステップ 607:最後に結合された信号のIFFT変換を実行する。
【0152】
同じ発明概念に基づいて、本開示の一実施形態は、フィルタを設計するための装置も提供する。当該装置に対応する方法は、本発明実施形態によるフィルタを設計するための方法であり、当該装置は、方法と同じ原理で問題を解決するため、方法の実施を参照することができ、繰り返して説明しない。
【0153】
図7は、本開示の一実施形態による信号処理のための装置を示している。当該装置は、少なくとも1つの記憶ユニット700と、少なくとも1つの処理ユニット701とを備える。ここで、前記記憶ユニットにはプログラムコードが記憶されており、前記プログラムコードが前記処理ユニットにより実行される場合、前記処理ユニット701に以下のプロセスを実行させるように構成される:
【0154】
入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解する。
【0155】
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成する。
【0156】
前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングする。
【0157】
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合する。
【0158】
選択可能で、前記処理ユニット701は、
前記元の信号を直交分解して、本レイヤーでの高周波信号および本レイヤーでの低周波信号を取得し、
前記本レイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引きして、本レイヤーでの処理された後の高周波信号を取得し、
前記本レイヤーでの処理された後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たしているかどうかを判断し、前記要件を満たしたときに、直交分解が完了したと判断し、
さもなければ、高周波信号を直交分解し、他のレイヤーでの高周波信号および他のレイヤーでの低周波信号を取得し、他のレイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換し、
前記他のレイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引くステップに戻る。
【0159】
選択可能で、前記処理ユニット701はさらに、
本レイヤーで高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引く前に、前記ゼロ周波数信号を次数が所定の閾値より小さいフィルタによってフィルタリングする。
【0160】
選択可能で、前記処理ユニット701は、
フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波信号とし、
前記処理が必要とする高周波信号をXの係数で補間し、補間された信号のスペクトルをシフトして、高周波直交フィルタに入力し、結合待ちの高周波信号を取得し、および、ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングが実行された後、低周波直交フィルタに入力し、結合待ちの低周波信号を取得し、前記ターゲット低周波信号は、レイヤーごとに直交して分解した後の取得された、結合されていない低周波信号の中で最高の分解レイヤーの低周波信号である。
【0161】
前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する。
【0162】
結合されていない低周波信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻り、「無」であれば、信号結合処理を完了する。
【0163】
選択可能で、前記処理ユニット701はさらに、
前記処理が必要とする高周波信号(または新しい高周波信号)がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトする前、処理が必要とする高周波信号(または新しい高周波信号)のIFFT変換を実行する。
【0164】
選択可能で、前記処理ユニット701はさらに、ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングを実行した後、低周波直交フィルタに入力する前に、ベースバンドサンプリングされた後の低周波信号に対してゼロパディングの方式でIFFT変換を実行し、前記信号にCPヘッドを挿入する。
【0165】
選択可能で、前記処理ユニット701は、入力が必要とする元の信号レイヤーごとに直交分解する前に、前記入力が必要とする元の信号のFFT変換を実行する。
【0166】
選択可能で、前記処理ユニット701はさらに、直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合した後に、前記直交フィルタグループによって得られた信号のIFFT変換を実行する。
【0167】
選択可能で、前記直交フィルタグループは、高周波直交フィルタおよび低周波直交フィルタを備え、
ここで、前記高周波直交フィルタは、フルパスフィルタから半分帯域フィルタを引いたもの(すなわち、反転された半分帯域フィルタ)であり、
前記低周波直交フィルタは半分帯域フィルタである。
【0168】
図8は、本開示の一実施形態による信号処理のための装置を示す。当該装置は、
入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解するように構成された分解モジュール800と、
直交分解のレイヤー数および直交分解後の前記元の信号のエッジ高周波帯域幅に従って、FIRフィルタを生成し、前記FIRフィルタを使用して、前記元の信号のエッジ高周波信号をフィルタリングするように構成された実行モジュール801と、
直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合するように構成された結合モジュール802とを備える。
【0169】
選択可能で、前記分解モジュール800は具体的に、前記元の信号を直交分解して、本レイヤーでの高周波信号および本レイヤーでの低周波信号を取得する。
【0170】
選択可能で、前記実行モジュール801は具体的に、
前記本レイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、後係数Nで間引きして、本レイヤーでの処理された後の高周波信号を取得し、
前記本レイヤーでの処理された後の高周波信号に対応するフィルタの次数が所定の要件を満たしているかどうかを判断し、前記要件を満たしたときに、直交分解が完了したと判断し、
さもなければ、高周波信号を直交分解し、他のレイヤーでの高周波信号および他のレイヤーでの低周波信号を取得し、
前記他のレイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引くステップに戻る。
【0171】
選択可能で、前記実行モジュール801は具体的に、前記本レイヤーでの高周波信号をゼロ周波数信号に変換した後、係数Nで間引く前に、所定の閾値より小さい次数を持つフィルタにより前記ゼロ周波数信号をフィルタリングする。
【0172】
選択可能で、前記実行モジュール801は具体的に、入力が必要とする元の信号をレイヤーごとに直交分解する前、前記入力が必要とする元の信号のFFT変換を実行する。
【0173】
選択可能で、前記実行モジュール801は具体的に、直交フィルタグループにより、フィルタリングにより得られた信号およびレイヤーごとに直交して分解した後の各レイヤーで得られた低周波信号を結合した後に、前記直交フィルタグループによって得られた信号のIFFT変換を実行する。
【0174】
選択可能で、前記結合モジュール802は具体的に、フィルタリングにより得られた信号を処理が必要とする高周波信号とし、
前記処理が必要とする高周波信号(または新しい高周波信号)がXの係数で補間された後に、補間された前記信号のスペクトルをシフトし、高周波直交フィルタに入力し、結合待ちの高周波信号を取得し、および、ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングが実行された後、低周波直交フィルタに入力し、結合待ちの低周波信号を取得する。
【0175】
前記ターゲット低周波信号は、レイヤーごとに直交して分解した後の取得された、結合されていない低周波信号の中で最高の分解レイヤーの低周波信号である。
【0176】
前記結合待ちの高周波信号と前記結合待ちの低周波信号を結合して、結合信号を取得する。
【0177】
結合されていない低周波信号の有無を判断し、「有」であれば、前記結合信号を処理が必要とする新しい高周波信号とし、前記処理が必要とする新しい高周波信号がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトするステップに戻り、「無」であれば、信号結合処理を完了する。
【0178】
選択可能で、前記結合モジュール802は具体的に、前記処理が必要とする高周波信号(または新しい高周波信号)がXの係数で補間された後に、補間された信号のスペクトルをシフトする前、処理が必要とする高周波信号のIFFT変換を実行する。
【0179】
選択可能で、前記結合モジュール802は具体的に、ターゲット低周波信号のベースバンドサンプリングを実行した後、低周波直交フィルタに入力する前に、ベースバンドサンプリングされた後の低周波信号に対してゼロパディングの方式でIFFT変換を実行し、前記信号にCPヘッドを挿入する。
【0180】
選択可能で、前記直交フィルタグループは、高周波直交フィルタおよび低周波直交フィルタを備え、
ここで、前記高周波直交フィルタは、フルパスフィルタから半分帯域フィルタを引いたものであり、
前記低周波直交フィルタは半分帯域フィルタである。
【0181】
本発明は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図で説明された。フローチャートおよび/またはブロック図のそれぞれのフローおよび/またはブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図のフローおよび/またはブロックの結合は、コンピュータプログラム命令で実施できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、組み込みプロセッサ、または別のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにロードして、コンピュータまたは他のプロセッサで実行される命令が実行されるようにマシンを生成できる。プログラム可能なデータ処理装置は、フローチャートのフローおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能を実行するための手段を作成する。
【0182】
したがって、本開示の実施形態は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(したがって、アプリケーションは、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)で実装することもできる)によって実装することができる。本開示の実施形態は、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品によって実装することができ、コンピュータプログラム製品は、命令による使用のために媒体に実装されたコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読プログラムコードを有する。本開示の文脈において、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、またはによって使用されるプログラムを含む、格納する、通信する、送信する、または転送することができる任意の媒体であり得る。こうして、命令でシステム、装置、または設備の使用を実行するか、命令も加えてでシステム、装置、または設備の使用を実行する。
【0183】
無論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0184】
700 記憶ユニット
701 処理ユニット
800 分解モジュール
801 実行モジュール
802 結合モジュール
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7
図8