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特許7050910マルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置、及びバイオニックロボットラット
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  • 特許-マルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置、及びバイオニックロボットラット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】マルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置、及びバイオニックロボットラット
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20220401BHJP
   F16H 21/44 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
F16H21/44 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020519167
(86)(22)【出願日】2018-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2018083800
(87)【国際公開番号】W WO2019127995
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2019-12-18
(31)【優先権主張番号】201710903268.X
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514112868
【氏名又は名称】北京理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】石 青
(72)【発明者】
【氏名】李 昌
(72)【発明者】
【氏名】麻 孟超
(72)【発明者】
【氏名】鄒 明杰
(72)【発明者】
【氏名】王 聖杰
(72)【発明者】
【氏名】黄 強
(72)【発明者】
【氏名】福田 敏男
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105159312(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107398922(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106585762(CN,A)
【文献】Qing Shi, 外5名,"Design and Control of a Biomimetic Robotic Rat for Interaction With Laboratory Rats ",IEEE/ASME Transactions on Mechatronics,IEEE,2015年08月,Vol. 20 No. 4,p.1832-1842,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=6914558
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
F16H 21/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッチパラレルコンロッドグループ(8)、ヨーパラレルコンロッドグループ(2)、出力シャフト(9)を含み、
前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)及び前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)は、それぞれ前記バイオニックロボットラットの腰部の前部関節及び後部関節に接続され、前記前部関節と前記後部関節とが上下にピッチ回転し、左右にヨー回転するように連動させることができ、且つ前記前部関節と前記後部関節とが回転する方向が逆であること、を特徴とするマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項2】
前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)は、ピッチスライドコンロッド(81)、第1フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第1リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第1フロントコンロッド(84)、第1リアコンロッド、第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト(85)、第1リアクランク―コンロッド連結シャフト、第1フロントクランク(88)、第1リアクランクを含み、前記第1フロントクランク及び第1リアクランクは本質的に前記ピッチスライドコンロッドを中心に対称に回転すること、を特徴とする請求項1に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項3】
前記第1フロントコンロッド(84)及び第1リアコンロッドはそれぞれ前記第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト(85)及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、前記ピッチスライドコンロッド(81)は第1フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第1リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)は上部モータフレーム(1)及び下部モータフレーム(15)に固定されること、を特徴とする請求項2に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項4】
前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)はヨースライドコンロッド(91)、第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト(92)、第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第2フロントコンロッド(97)、第2リアコンロッド、第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト(99)、第2リアクランク―コンロッド連結シャフト、第2フロントクランク(96)、第2リアクランクを含み、前記第2フロントクランクと第2リアクランクは本質的に前記ヨースライドコンロッドを中心に対称に回転すること、を特徴とする請求項2または3に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項5】
前記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドはそれぞれ前記第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトに固定され、前記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドはそれぞれ第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)は上部モータフレーム(1)に固定されること、を特徴とする請求項4に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項6】
第1モータ(4)及び第2モータ(14)をさらに含み、前記第1モータの出力シャフトは第1クランクを介して前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)と固定され、前記第2モータの出力シャフトは第2クランクを介して前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)と固定され、対応するモータに駆動されると、各クランクはそれぞれ前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)と前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)にけるスライドコンロッドがラインで往復スライドするように駆動し、
ピッチパラレルコンロッドグループ(8)のピッチスライドコンロッドがラインで往復スライドする時に、バイオニックロボットラットの腰部が上下にピッチ運動することが実現でき、ヨーパラレルコンロッドグループ(2)のヨースライドコンロッドが往復スライドする時に、バイオニックラットの腰部が左右にヨー運動をすることが実現できること、を特徴とする請求項5に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項7】
前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)は第フランジベアリング(11)を介してサポートフレームと固定され、前記第1フランジベアリングとサポートフレームとの組み合わせは隙間嵌めであり、ピッチパラレルコンロッドグループ(8)はミニボールブッシュ(82)を介して上部モータフレーム(1)及び下部モータフレーム(15)のシュートの中に固定されてスライドし、前記ミニボールブッシュ(82)と上部モータフレーム及び下部モータフレームとの間の組み合わせは隙間嵌めであり、前記上部モータフレーム及び下部モータフレーム(15)にはそれぞれ穴が設けられ、二つのモータ(4、14)はそれぞれ二つのモータフレームに固定され、対応する穴と隙間嵌めされて、前記第1モータ(4)の出力シャフトはクランクコンロッド(3)と固定され、前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)は伝動シャフト(7)と固定され、前記伝動シャフト(7)は第フランジベアリング(10)を介して上部モータフレーム及び下部モータフレームに固定され、前記上部モータフレーム(1)には二つのシュートが設けられ、ヨーパラレルコンロッドグループ(2)は自己潤滑ベアリング(912)を介して上部モータフレームのシュートの中に固定されてスライドし、前記自己潤滑ベアリング(912)とモータフレームのシュート(913)は隙間嵌めであること、を特徴とする請求項6に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項8】
前記ピッチパラレルコンロッドグループ(8)にはさらに、ベアリング(86)、サークリップ(87)、ミニボールブッシュ(83)を含み、前記ピッチスライドコンロッド(81)はミニボールブッシュ(83)を介して上部モータフレーム及び下部モータフレームと組み合わせ、ミニボールブッシュ(83)とモータフレームのシュート(810)との組み合わせは隙間嵌めであり、ミニボールブッシュ(83)は上部モータフレーム(1)と下部モータフレーム(15)のシュートとエンドキャップ(12)の間に固定され、ミニボールブッシュ(83)は前記ピッチスライドコンロッド(81)と組み合わせ、前記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドにおける穴はミニボールブッシュ(82)と組み合わせ、前記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドはそれぞれ第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、前記ベアリング(86)はクランク―コンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとクランクにおける凸台との間に固定され、前記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドにおける穴はそれぞれ第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと組み合わせ、端面はベアリングと接触していて、前記ベアリングは、サークリップを介して第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定すること、を特徴とする請求項6に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項9】
前記ヨーパラレルコンロッドグループ(2)にはさらに、ベアリング(94、911)、サークリッ(93、910)を含み、前記ヨースライドコンロッド(91)は自己潤滑フランジベアリング(912)を介して上部モータフレームのシュートに固定されてスライドし、前記自己潤滑フランジベアリング(912)と上部モータフレームのシュート(913)との間は隙間嵌めであり、前記ベアリング(94)は第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとスライドコンロッドにおける凸台との間に固定され、前記第2フロントコンロッド(97)及び第2リアコンロッドにおける穴は第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト(92)と組み合わせ、端面とベアリング(94)は接続していて、前記ベアリング(94)はサークリッ(93)を介して第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト(92)及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、前記ベアリング(911)は第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとクランクにおける凸台の間に固定され、前記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドの穴はそれぞれ第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトと組み合わせ、端面はベアリングと接続し、前記ベアリングはサークリッを介して第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、前記第2フロントクランク及び第2リアクランクは伝動シャフトと固定され、前記伝動シャフトは第2フランジベアリング(10)を介して上部モータフレーム(1)及び下部モータフレーム(15)と固定されること、を特徴とする請求項6に記載のマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置。
【請求項10】
車輪及び前肢を備えるバイオニックロボットラットであって、請求項1から9のいずれか一項に記載の腰部の模倣装置をさらに含むことを特徴とするバイオニックロボットラット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオニックロボット技術分野に属し、具体的にマルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの模倣装置に関する。この出願は、2017年12月29日に中国国家知識財産局に出願された、出願番号が201710903268.X、発明の名称が「マルチコンロッド伝動に基づくバイオニックラットの腰部の模倣装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
バイオニックロボットとは、自然にいる生物の外形、動きの原理、及び行動パターンを模倣するシステムであり、生物学的特性に関与する仕事に取り組むことができるロボットのことである。
【0003】
非特許文献1で、著者はバイオニックロボットラットについて構造の設計や実験や研究に言及しているが、該バイオニックロボットラットの腰部の機構は、4つのモータ、モータフレーム、差動ギアボックス及びベアリング、固定ネジなどの部材で構成され、そのうち、4つのモータはモータフレームによって位置きめ、モータ毎は出力シャフトが差動ギアボックスの入力としてギアと固定されて、前差動ギアボックスと、後差動ギアボックスとの両方は、ピッチとヨー方向でバイオニックロボットラットの前関節と後関節を駆動する。
該バイオニックロボットラットの腰部の機構は、差動ギアの組合せに基づいて、4つのモータで駆動されるため、腰部の機構の自由度が冗長で、制御が複雑になり、質量や体積が大きい差動ギアボックスを腰部の出力構造にするため、関節の動きの範囲が狭くなり、実際のラットの形をよく真似ことができず、また、ギアで伝動するため、バイオニックロボットラットの動きには明らかなノイズが伴う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】『Design and Control of a Biomimetic Robotic Rat for Interaction with Laboratory Rats』,SHI,Qing等,IEEE/ASME Transactions on Mechatronics, 2014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はバイオニックロボットラットの腰部の模倣機構における冗長な自由度、複雑な制御、大きい質量と体積との問題を解決することを目的に、新規なバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的解決策は以下の通りである。
マルチコンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置であって、ピッチパラレルコンロッドグループ、ヨーパラレルコンロッドグループ、出力シャフトを含み、そのうち、上記ピッチパラレルコンロッドグループ及び上記ヨーパラレルコンロッドグループは、それぞれ上記バイオニックラットの腰部における前部関節及び後部関節に接続され、且つ上記前部関節と上記後部関節は上下にピッチ回転し、左右にヨー回転するように連動させて、且つ上記前部関節と上記後部関節とが回転する方向が逆である。
【0007】
さらに、上記ピッチパラレルコンロッドグループは、ピッチスライドコンロッド、第1フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第1リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第1フロントコンロッド、第1リアコンロッド、第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト、第リアクランク―コンロッド連結シャフト、第1フロントクランク、第1リアクランクを含み、上記第1フロントクランクと第1リアクランクとは本質的に上記ピッチスライドコンロッドを中心に対称に回転する。
【0008】
さらに、上記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドはそれぞれ上記第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、上記ピッチスライドコンロッドは第1フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第1リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、上記ピッチパラレルコンロッドグループは上部モータフレーム及び下部モータフレームに固定される。
【0009】
さらに、上記ヨーパラレルコンロッドグループには、ヨースライドコンロッド、第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト、第2フロントコンロッド、第2リアコンロッド、第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト、第2リアクランク―コンロッド連結シャフト、第2フロントクランク、第2リアクランクを含み、上記第2フロントクランクと第2リアクランクとは基本的に上記ヨースライドコンロッドを中心に対称に回転する。
【0010】
さらに、上記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドはそれぞれ上記第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトに固定され、上記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドはそれぞれ第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、上記ヨーパラレルコンロッドグループは上部モータフレームに固定される。
【0011】
さらに、第1モータ及び第2モータをさらに含み、上記第1モータの出力シャフトは第1クランクを介して上記ピッチパラレルコンロッドグループと固定され、上記第2モータの出力シャフトは第2クランクを介して上記ヨーパラレルコンロッドグループと固定され、対応するモータに駆動されると、各クランクは、それぞれ上記ピッチパラレルコンロッドグループ及び上記ヨーパラレルコンロッドグループにけるスライドコンロッドがラインで往復スライドするように駆動
ピッチパラレルコンロッドグループのピッチスライドコンロッドがラインで往復スライドする時に、バイオニックロボットラットの腰部が上下にピッチ運動することを実現でき、ヨーコンロッドグループのヨースライドコンロッドが往復スライドする時に、バイオニックラットの腰部がヨー運動をすることを実現できる。
【0012】
さらに、上記ピッチパラレルコンロッドグループは第1フランジベアリングを介してサポートフレームと固定され、上記第1フランジベアリングとサポートフレームとの組み合わせは隙間嵌めであり、ピッチパラレルコンロッドグループはミニボールブッシュを介して上部モータフレーム及び下部モータフレームのシュート(chute)の中に固定されてスライドし、上記ミニボールブッシュと上部モータフレーム及び下部モータフレームとの組み合わせは隙間嵌めであり、上記上部モータフレーム及び下部モータフレームにはそれぞれ穴が設けられ、二つのモータはそれぞれ二つのモータフレームに固定され、対応する穴に隙間嵌めされて、前記第1モータの出力シャフトはクランクコンロッドと固定され、上記ヨーパラレルコンロッドグループは伝動シャフトと固定され、上記伝動シャフトは第2フランジベアリングを介して上部モータフレーム及び下部モータフレームに固定され、上記上部モータフレームには二つのシュートが設けられ、ヨーパラレルコンロッドグループは自己潤滑ベアリングを介して上部モータフレームのシュートの中に固定されてスライドし、上記自己潤滑ベアリングとモータフレームのシュートは隙間嵌めである。
【0013】
さらに、上記ピッチパラレルコンロッドグループには、ベアリング、サークリップ、ミニボールブッシュをさらに含み、上記ピッチスライドコンロッドはミニボールブッシュを介して上部モータフレーム及び下部モータフレームのシュートと組み合わせ、ミニボールブッシュとモータフレームのシュートとの組み合わせは隙間嵌めであり、ミニボールブッシュは上部モータフレーム及び下部モータフレームのシュートとエンドキャップの間に固定され、ミニボールブッシュは上記ピッチスライドコンロッドと組み合わせ、上記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドにおける穴はミニボールブッシュと組み合わせ、上記第1フロントコンロッド及び第1リアコンロッドはそれぞれ第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、上記ベアリングはクランク―コンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとクランクにおける凸台との間に固定され、上記第1フロント及びリアコンロッドにおける穴はそれぞれ第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと組み合わせ、端面はベアリングと接触していて、上記ベアリングは、サークリップを介して第1フロントリアクランク―コンロッド連結シャフト及び第1リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定する。
【0014】
さらに、上記ヨーパラレルコンロッドグループには、さらに、ベアリング、サークリップを含み、上記ヨースライドコンロッドは自己潤滑フランジベアリングを介して上部モータフレームのシュート中に固定されてスライドし、上記自己潤滑フランジベアリングと上部モータフレームのシュートとの間は隙間嵌めであり、上記ベアリングは第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとスライドコンロッドにおける凸台との間に固定され、上記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドにおける穴は第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと組み合わせ、端面とベアリングは接触していて、上記ベアリングはサークリップを介して第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト及び第2リアコンロッド―スライドコンロッド連結シャフトと固定され、上記ベアリングは第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトのシャフトショルダーとクランクにおける凸台の間に固定され、上記第2フロントコンロッド及び第2リアコンロッドの穴はそれぞれ第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトと組み合わせ、端面はベアリングと接触し、上記ベアリングはサークリップを介して第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト及び第2リアクランク―コンロッド連結シャフトと固定され、上記第2フロントクランク及び第2リアクランクは上記伝動シャフトと固定され、上記伝動シャフトは第2フランジベアリングを介して上部モータフレーム及び下部モータフレームと固定される。
【0015】
本発明は、車輪及び前肢を含む上に、上記の技術的解決策におけるいずれか一項に記載の腰部模倣装置をさらに含むバイオニックロボットラットを更に開示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は次のとおりである。
(1) 本発明は、従来の差動ギアボックスをパラレルコンロッド機構に置き換え、コンロッドによって伝動することにより、二つのモータの使用を削減し、多過ぎる自由度を取り除き、腰部の前部と後部の関節を連動させることができて、バイオニック運動機能を向上させて、実際のラットの動きにより近似する。
(2) 本発明は、腰部における機構の質量及び体積を低減し、その柔軟性を確保した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の、マルチコンロッドに基づくバイオニックラットの腰部の模倣装置の概略図である。
図2本発明におけるピッチパラレルコンロッドグループの部分構造の概略図である
図3発明におけるピッチパラレルコンロッドグループの部分構造の概略図である。
図4】本発明のヨーパラレルコンロッドグループの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、コンロッド伝動に基づくバイオニックロボットラットの腰部の模倣装置は、上部モータフレーム1、ヨーパラレルコンロッドグループ2、クランクコンロッド3、第1モータ4、第1ボルト5、サポートフレーム6、伝動シャフト7、ピッチパラレコンロッドグループ8、出力シャフト9、第1フランジベアリング10、第2フランジベアリング11、エンドキャップ12、第2ボルト13、第2モータ14、下部モーターフレーム15を含み、サポートフレーム6はボルトを介して上部モータフレーム1と下部モータフレーム15を接続させ、ピッチパラレコンロッドグループ8は第2フランジベアリング11を介してサポートフレーム6に固定されて、下部モータフレーム15とサポートフレーム6との組み合わせは隙間嵌めであり、上部モーターフレームと下部モーターフレームには垂直方向で二つのシュートが設けられ、ピッチパラレルコンロッドグループ8はボールブッシュを介して上部モータフレーム及び下部モータフレームのシュートの中に固定される。
【0019】
ヨーパラレルコンロッドグループ2は上記伝動シャフト7と固定され、伝動シャフト7は第1フランジベアリング10を介して上部モータフレーム1及び下部モータフレーム15に固定され、上部モータフレームにはシュート913が設けられ、ヨーパラレルコンロッドグループ2はベアリング912を介して上部モータフレームのシュート913の中に固定されてスライドし、モータフレームには二つの穴が設けられ、二つのモータは二つの穴とそれぞれ隙間嵌めされ、モータはD字型シャフトを介してクランクコンロッド3と固定され、第1モータ4に駆動されると、クランクコンロッドはヨーパラレルコンロッドグループを駆動し、ヨーパラレルコンロッドグループのスライドコンロッドがスライドする時に、バイオニックロボットラットの腰部は車輪や前肢に対して左右にヨー運動をすることが実現でき、同様に、腰部は車輪や前肢に対して上下にピッチ運動をすることも実現できる。
【0020】
図2及び図3を参照すると、上記ピッチパラレルコンロッドグループ8には、スライドコンロッド81、ミニボールブッシュ82、ミニボールブッシュ83、コンロッド84、第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト85、ベアリング86、サークリップ87、第1フロントクランク88、サークリップ89、シュート810、クランク―コンロッド811を含み、上記スライドコンロッド81はミニボールブッシュ82を介してシュート810の中に固定されてスライドし、上記ミニボール82とシュート810は隙間嵌めであり、上記スライドコンロッド81はミニボールブッシュ83を介してシュート812の中に固定されてスライドして、上記ミニボールブッシュ83とシュート810は隙間嵌めであり、上記コンロッド84はミニボールブッシュ83と固定されて、スライドコンロッド81の間に固定され、上記コンロッド84は第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト85と固定され、上記ベアリング86は第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト85のシャフトショルダーとクランクにおける凸台との間に固定され、上記コンロッド84の穴は第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト85と組み合わせ、端面はベアリングと接続され、上記ベアリング86はサークリップ87を介して第1フロントクランク―コンロッド連結シャフト85と固定される。
【0021】
図4を参照すると、上記ヨーパラレルコンロッドグループには、ヨースライドコンロッド91、第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト92、サークリップ93、ベアリング94、サークリップ95、クランク96、第2フロントコンロッド97、伝動シャフト98、第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト99、サークリップ910、ベアリング911、ベアリング912、シュート913を含み、上記ヨースライドコンロッド91とクランク―コンロッドはベアリングを介して組み合わせ、サークリップを介して固定され、上記ベアリング94はサークリップ93とスライドコンロッドにおける凸台との間に固定され、上記第2フロントコンロッド97における穴は第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト92と組み合わせ、端面はベアリング94と接続され、上記第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト92はベアリング912を介してシュート913の中に固定されてスライドし、上記ベアリング912はサークリップ910とクランク96における凸台との間に固定され、上記第2フロントコンロッド97の穴は第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト99と組み合わせ、端面はベアリングと接続され、上記クランク96は伝動シャフト98に固定される。
【符号の説明】
【0022】
1 :上部モータフレーム
2 :ヨーパラレルコンロッドグループ
3 :クランクコンロッド
4 :第1モータ
5 :第1ボルト
6 :サポートフレーム
7 :伝動シャフト
8 :ピッチパラレコンロッドグループ
9 :出力シャフト
10 :第1フランジベアリング
11 :第2フランジベアリング
12 :エンドキャップ
13 :第2ボルト
14 :第2モータ
15 :下部モーターフレーム
81 :スライドコンロッド
82 :第1ミニボールブッシュ
83 :第2ミニボールブッシュ
84 :コンロッド
85 :第1フロントクランク―スライドコンロッド連結シャフト
86 :ベアリング
87 :サークリップ
88 :第1フロントクランク
89 :サークリップ
810 :シュート
811 :クランク―コンロッド
91 :ヨースライドコンロッド
92 :第2フロントコンロッド―スライドコンロッド連結シャフト
93 :サークリップ
94 :ベアリング
95 :サークリップ
96 :クランク
97 :第2フロントコンロッド
98 :伝動シャフト
99 :第2フロントクランク―コンロッド連結シャフト
910 :サークリップ
911 :ベアリング
912 :ベアリング
913 :シュート
図1
図2
図3
図4