IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カムサハン カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7050924局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット
<>
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図1
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図2
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図3
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図4
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図5
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図6
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図7
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図8
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図9
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図10
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図11
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図12
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図13
  • 特許-局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマット
(51)【国際特許分類】
   A61H 19/00 20060101AFI20220401BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20220401BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A61H19/00
A61H15/00 350Z
A61H23/02 330
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020529084
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 KR2018013842
(87)【国際公開番号】W WO2019098652
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2017-0152551
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0082595
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0112665
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520040463
【氏名又は名称】カムサハン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】100194227
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 正博
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】パク テヨン
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-285182(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2000-0000540(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0044102(KR,A)
【文献】特開2005-043759(JP,A)
【文献】特開2002-079161(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0371917(KR,Y1)
【文献】特開2004-024339(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0122526(KR,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0464933(KR,Y1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0325238(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 19/00
A61H 15/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支え板と、
該支え板の上側に設けられ、弾性素材で構成される、複数個の支持部材と、
該支持部材の上側に設けられる振動板と、
該振動板の上部において前後に位置移動可能に設けられる按摩パッドと、
該按摩パッドを振動させるために前記振動板に連結される振動器と、を含み、
前記振動板の前後側には、両端が送りねじ支持部に支持され、それぞれ独立して回転するように2つの送りねじが設けられ、
該送りねじを回転させるために、各送りねじの一端には送りねじ回転部が設けられ、
前記按摩パッドは、前方マッサージ部と後方マッサージ部とに分離して構成され、
前記前方マッサージ部及び前記後方マッサージ部の下側には送りナット部が設けられ、該送りナット部を前記送りねじにそれぞれ螺合したことを特徴とする、
局所按摩装置。
【請求項2】
支え板と、
該支え板の上側に設けられ、弾性素材で構成される、複数個の支持部材と、
該支持部材の上側に設けられる振動板と、
該振動板の上部において前後に位置移動可能に設けられる按摩パッドと、
該按摩パッドを振動させるために前記振動板に連結される振動器と、を含み、
前記振動板の前後側には、送りねじ支持部に支持され、それぞれ独立して回転するように構成される、2つの送りねじが設けられ、
該送りねじを回転させるために、各送りねじの一端には送りねじ回転部が設けられ、
前記按摩パッドは、底面部にナットが設けられた前方マッサージ部と、底面部にナットが設けられた後方マッサージ部と、に分離され、
前方マッサージ部及び後方マッサージ部は、一側に前記送りねじ支持部が設けられた送り台の上部に結合され、
各送り台には、前記ナットに対応して結合される乗降ねじが回転可能に貫通して構成されることを特徴とする、
局所按摩装置。
【請求項3】
支え板と、
該支え板の上側に設けられ、弾性素材で構成される、複数個の支持部材と、
該支持部材の上側に設けられる振動板と、
該振動板の上部において前後に位置移動可能に設けられる按摩パッドと、
該按摩パッドを振動させるために前記振動板に連結される振動器と、を含み、
前記振動板の前後側には、一側端部に送り台が設けられた送りねじがそれぞれ設けられ、
前記按摩パッドは、底面部にナットが設けられた前方マッサージ部と、底面部にナットが設けられた後方マッサージ部と、に分離して構成され、
各送り台には、前記ナットに対応して結合される乗降ねじが回転可能に貫通して構成され、
前記送りねじの上には、各送り台を前後移動させるための調節ナットが結合されることを特徴とする、
局所按摩装置。
【請求項4】
支え板と、
該支え板の上側に設けられ、弾性素材で構成される、複数個の支持部材と、
該支持部材の上側に設けられる振動板と、
該振動板の上部において前後に位置移動可能に設けられる按摩パッドと、
該按摩パッドを振動させるために前記振動板に連結される振動器と、を含み、
前記按摩パッドは、前方マッサージ部と後方マッサージ部とに分離して構成され、
前記前方マッサージ部及び前記後方マッサージ部の下側にそれぞれ送りナット部が設けられ、
一つの送りナット部には、内部が中空であるスリーブねじが螺合され、
他の一つの送りナット部には、前記スリーブねじの内部を貫通して自由回転可能に結合される連結軸の一端に設けられる送りねじが螺合され、
前記連結軸の他端及び前記スリーブねじの一側には、これらを独立して回転させるための送りねじ回転部が設けられることを特徴とする、
局所按摩装置。
【請求項5】
前記送りねじ回転部と送りねじとの間には、ケーブルを保護用チューブ内に収納した状態で相互連結して、按摩パッドの位置を遠隔から調節するようにしたことを特徴とする、請求項又はに記載の局所按摩装置。
【請求項6】
請求項1~のうちのいずれか1項に記載の局所按摩装置を備える椅子であって、
当該椅子の座板部の中心には、前記局所按摩装置が設けられ、
尻は、前記座板部の上板に支持され、局所部と直接的に接する前記按摩パッドは、前記座板部の上に突出することを特徴とする、
椅子。
【請求項7】
請求項1~のうちのいずれか1項に記載の局所按摩装置を備える敷きマットであって、
当該敷きマットの中心には、前記局所按摩装置が設けられ、
尻は、前記敷きマットの上板に支持され、局所部と直接的に接する按摩パッドは、前記敷きマットの上方に突出することを特徴とする、
局所按摩装置が備えられた敷きマット。
【請求項8】
前記座板部の一側には、背中を支持する背板部が設けられ、
該背板部には、駆動力によりハンドレバーを乗降させる上半身ストレッチング部が設けられ、両手でハンドレバーを取った状態で、該ハンドレバーが乗降するとき、上半身が弛緩されるようになることを特徴とする、
請求項に記載の椅子。
【請求項9】
前記背板部の下側には、アクチュエータと、
該アクチュエータに連結されて乗降作動する腰椎支持台を有する腰椎ストレッチング部と、を備え、
腰椎支持台が前進するときに、使用者の腰椎が圧迫されるようになることを特徴とする、
請求項に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマットに関し、さらに詳しくは、会陰部と肛門部位を同時に振動マッサージすることのできる、局所按摩装置並びに局所按摩装置を備える椅子及びマットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現代人は、様々な前立腺疾患と肛門疾患を患っており、これにより、日常生活に大きな不便をもたらしている。このような疾病を治療し、予防するための先行技術としては、特許文献1において、シート上部の中央部に着席者の前立腺部位を振動マッサージするための振動部を突出形成した「前立腺の振動マッサージ装置」が開示されている。
【0003】
また他の先行技術としては、特許文献2における「振動及び発熱装置が備えられた会陰部のマッサージマット」があり、これは、発熱手段と振動モータを同時にマッサージマット内に内蔵し、深部温度を増加させ、血液循環を促進し、ストレスを解消して、健康増進に貢献するように開発された技術である。
【0004】
しかしながら、上記した先行技術等では、振動突起の位置が固定されているので、会陰部と肛門部位を同時に正確な位置においてマッサージすることは難しいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】大韓民国登録実用新案第20-0413567号
【文献】大韓民国登録特許第10-0830027号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の諸般の問題点を解決するために、新たな技術を創案したものであって、会陰部と肛門周囲を同時に振動マッサージすることができ、振動按摩パッドの位置を任意で調節可能なように構成された、局所按摩装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、既存の按摩ローラの打撃と圧迫による背中、腰への按摩と一緒に、足踏み板における空気圧を用いたふくらはぎと足の周囲を揉むマッサージ機能のみを提供する按摩椅子に前記局所按摩装置を設置することにより、按摩ローラにより上半身及び下半身を按摩されるとともに、局所部にも振動按摩を受けることのできる、局所按摩装置を備える椅子を提供することを他の目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、一般の椅子の上または床に敷いて普遍的な活用が可能なように、中心に局所按摩装置を設置した敷きマットを提供することを更なる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための具体的な手段としての本発明は、局所按摩装置を構成するが、局所按摩装置は、支え板と、支え板の上側に設けられ、弾性素材で構成される、複数個の支持部材と、支持部材の上側に設けられる振動板と、振動板の上部において前後に位置移動可能に設けられる按摩パッドと、按摩パッドを振動させるために、振動板に連結される振動器と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の局所按摩装置は、振動板の前後側に設けられる送りねじ支持部と、両端が送りねじ支持部に回転可能に設置された送りねじと、送りねじを回転させるために、送りねじの一端に設けられる送りねじ回転部と、上側には前記按摩パッドが脱着結合され、下側には送りねじに螺合される送りナット部が設けられた、送り台と、をさらに備え、送りねじ回転部を回転させ、按摩パッドの位置を調節することを特徴とする。
【0011】
また、前記振動板の前後側には、送りねじ支持部に支持され、それぞれ独立して回転するように2つの送りねじが設けられ、送りねじを回転させるために、各送りねじの一端には送りねじ回転部が設けられ、按摩パッドは、底面部にナットが設けられた前方マッサージ部と、底面部にナットが設けられた後方マッサージ部と、に分離され、前方マッサージ部と後方マッサージ部は、一側に送りねじ支持部が設けられた送り台の上部に結合され、各送り台には、ナットに対応して結合される乗降ねじが回転可能に貫通して構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、前記振動板の前後側には、一側端部に送り台が設けられた送りねじがそれぞれ設けられ、按摩パッドは、底面部にナットが設けられた前方マッサージ部と、底面部にナットが設けられた後方マッサージ部と、に分離して構成され、各送り台には、前記ナットに対応して結合される乗降ねじが回転可能に貫通して構成され、送りねじの上には、各送り台を前後移動させるための調節ナットが結合されたことを特徴とする。
【0013】
前記支持部材は、按摩パッド側に柔らかい振動が伝えられるように、上下に設けられる結合ねじ間に円筒状の支持ゴムを結合し、上下部の結合ねじと支持ゴムの結合力を向上させるために、結合ねじの端部に形成されたねじ頭の結合面に凹凸部を形成したことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための具体的な手段としての本発明は、局所按摩装置を備える椅子を構成するが、椅子は、座板部の中央位置に会陰部及び肛門部位を集中的に按摩するように、座板部の上に突出して構成される按摩パッドを振動させる局所按摩装置を設置したことを特徴とする。
【0015】
前記座板部の一側には、背中を支持する背板部が設けられ、背板部には、駆動力によりハンドレバーを乗降させる上半身ストレッチング部が設けられ、両手でハンドレバーを取った状態で、ハンドレバーが乗降するとき、上半身が弛緩されるようにすることを特徴とする。
【0016】
さらに、局所按摩装置を備えるマットを構成するが、敷きマットの中心には、会陰部及び肛門部位を集中的に按摩するように、敷きマットの上に突出構成される按摩パッドを振動させる局所按摩装置を設置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、座板部に設置される局所按摩装置を用いて、身体の肛門と会陰部に、集中的な振動按摩機能を同時に与え、ストレスの解消はもとより、各種の局所部位の疾患を予防及び治療することができる。
【0018】
また、振動する按摩パッドの位置と高さを容易に調節することができるので、性別と身体サイズを問わず、誰でも最適の位置に按摩パッドを位置させ、効果的に按摩を受けることができるなど、その期待される効果が多大な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明において提供する局所按摩装置が設けられた椅子を示す斜視図である。
図2】按摩椅子の局所按摩装置の細部構成を示す分解斜視図である。
図3】按摩椅子の局所按摩装置の結合状態を示す分側断面図である。
図4】局所按摩装置に用いられる支持部材の構成を示す断面図である。
図5】ストレッチング機能を有する按摩用椅子に局所按摩装置が設けられた状態を示す斜視図である。
図6】本発明に係る局所按摩装置のまた他の実施例を示す斜視図である。
図7図6の局所按摩装置の設置状態を示す断面図である。
図8】分離型按摩パッドが用いられた局所按摩装置を示す斜視図である。
図9】分離型按摩パッドの位置調節方式を示す底面斜視図である。
図10】前方マッサージ部と後方マッサージ部を独立して位置調節するためのまた他の実施例を示す底面斜視図と断面図である。
図11】分離型按摩パッドにおいて、前後方マッサージ部の高さ調節手段を示す図である。
図12】分離型按摩パッドが用いられた局所按摩装置を示す斜視図である。
図13】分離型按摩パッドが用いられた局所按摩装置を示す分離斜視図である。
図14】分離型按摩パッドが一般の椅子に用いられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。図1は、本発明において提供する局所按摩装置が設けられた椅子を示す斜視図であって、図示のように、按摩用椅子は、乗降移動式按摩ローラ40が左右両側に内蔵設置される背板部10と、使用者が座れる座板部20と、使用者の足と脚を収容した状態で、エアチューブを収縮または膨張させ、足とふくらはぎにマッサージ機能を与える足踏み板30と、を備え、前記背板部10と座板部20は、按摩椅子の左右の支持フレームに固定及び支持される構造である。
【0021】
本発明は、前立腺と肛門部位の身体局所部にマッサージ機能を与えるように、座板部20の中心位置に局所按摩装置100を内蔵設置したことを特徴とする。
【0022】
椅子に座ったとき、尻は、座板部20に支持され、局所部と直接的に接する按摩パッド110(図2)のみが、座板部の上に突出して構成されるように、椅子の座板部20には、中心位置に局所按摩装置100が内蔵設置されるための設置溝22が形成される。
【0023】
図2は、局所按摩装置100の第一実施例を示す分解斜視図であって、座板部20の内部に設けられた支え板12の上側に一定の高さを有する複数個の支持部材170が固定結合され、支持部材170の上側に按摩パッド結合溝161が形成された振動板160が固定設置され、結合溝161に弾力性樹脂材で構成される按摩パッド110が結合される。
【0024】
振動板160には、按摩パッド結合溝161が複数個形成されており、按摩パッド110の下側に形成された結合突起115を適切な位置に結合し、使用者の局所部に接するように位置を変えることができる。
【0025】
支え板12と支持部材170の結合は、支持部材の下側に設けられた結合ねじ171を支え板12の下部に貫通結合し、ナットを締め付けて行われる。
【0026】
按摩パッド110は、上側の前後方には、ラクダの瘤のように湾曲して突出する前方マッサージ部111と後方マッサージ部112が設けられる。前方マッサージ部111は、会陰部をマッサージするためのものであって、大きく形成され、後方マッサージ部112は、肛門部位の括約筋をマッサージするためのものであり、相対的に小さな大きさで形成する。
【0027】
支え板12または座板部20の内部の支持フレームには、偏心モータを用いた振動器120が設けられ、振動器120の偏心軸121を振動板160に形成された連結溝165に連結させる。振動器120は、偏心モータを用いたもの以外に、超音波式または電磁石方式の振動器などの多様な方式を採用してもよい。
【0028】
支持部材170は、上下側に配置される結合ねじ171間に、円筒状の支持ゴム172を結合して設けられる。
【0029】
支持ゴム172は、支え板12の上部に振動器120により振動する振動板160を一定の高さに離隔させたまま、椅子に座る使用者の体重を緩衝支持するとともに、ゴムの弾性により局所部に柔らかい振動を伝えるための構成部材である。
【0030】
図4は、局所按摩装置に用いられる支持部材の構成を示す断面図であって、上下部結合ねじ171と支持ゴム172の結合力を強化するために、結合ねじの端部に一体で形成されたねじ頭171aの結合面に凹凸部171bを形成し、支持部材の上下側に結合される振動板160と支え板12との間で発生する騒音を抑制するように、結合ねじ171にゴムワッシャ173を貫通して積層して結合されるようにする。
【0031】
また、騒音と振動が外部に伝えられることを遮断するために、振動器が設けられる周囲に、騒音と振動を吸収のための防振パッドをさらに備えてもよい。
【0032】
このように、本発明において提供する局所按摩装置100は、椅子1の座板に設けられ、振動器120に電源が供給されると、その軸に連結された振動板160と、その上側に結合される按摩パッド110が柔らかくて高速で振動され、会陰部と肛門周囲に効果的な振動マッサージを提供する。
【0033】
また、振動器120で発生した振動が振動板160に伝えられ、振動板160と連結された支持部材170が騒音は減らし、振動は吸収緩衝させ、局所部と直接的に接する按摩パッド110には、柔軟でかつ緩和した振動が伝えられるようになる効果がある。
【0034】
また、振動板160の振動を支持ゴム172が吸収するので、上部には、身体の局所部に振動による刺激を与えられるとともに、下側の支え板12には、振動エネルギーの伝達が遮断され、この局所按摩装置100が設置された椅子は、揺れることなく、安定感を維持するようになる。
【0035】
按摩用椅子に設置する場合、背板部10の内部に作動する按摩ローラ40により、腰と背中に加圧マッサージ効果が与えられるとともに、居所部にも振動式按摩が行われ、前立腺疾患の治療、予防、血液循環の改善、またストレス解消に大いに役立ち、マッサージ効果を極大化することができる。
【0036】
図5は、ストレッチング機能を有する按摩用椅子に局所按摩装置が設けられた状態を示す斜視図であって、背板部10の内側の按摩ローラ及び座板部20の按摩パッド110の表面に、多数の指圧突起が形成され、さらに刺激的なマッサージ効果を与えることができる。特に、局所按摩装置100に用いられる按摩パッド110には、ツボ指圧効果を高めるために、表面に多様な大きさの指圧ボールが数か所にさらに設けられ、ボール状の突起のみならず、湾曲突出部の表面にしわ状突起を形成してもよいことは、通常の技術者にとっては自明である。
【0037】
一方、図5では、背板部10に上半身ストレッチング部50が設けられ、上半身ストレッチング部50は、按摩椅子1の背板部10の後方において、駆動力により乗降作動されるハンドレバー51を有するものであって、両手でハンドレバー51を取り、ハンドレバー51が乗降するとき、上半身の関節と筋肉が弛緩されるストレッチング運動を提供する。
【0038】
上半身ストレッチング部50は、レバー乗降モータ63と、その上部に設けられる固定管体65と、固定管体65内でレバー乗降モータ63の駆動軸に結合されたスクリュー56の回転により乗降作動する乗降ピン54と、ハンドレバー51の中心部において、乗降ピン54の上部に結合される垂直支持竿52と、を有する。したがって、レバー乗降モータ63の正回転、逆回転駆動によりハンドレバー51が乗降作動する。
【0039】
また、按摩椅子の背板部10の下部には、シリンダや電気モータを用いたアクチュエータ79に連結されて乗降する腰椎支持台72と、この腰椎支持台72に取り付けられるクッション73と、を有する腰椎ストレッチング部70がさらに設けられ、使用者の腰椎にストレッチング効果を与えることができる。
【0040】
上述した局所按摩装置100において、按摩パッド110の位置を前後方向に自由に調節するための構成が、図6乃至図7に示されている。
【0041】
局所按摩装置100には、振動板160の中心部の長手方向に長孔163が形成され、底面には、両端が送りねじ支持部134に回転可能に設けられた送りねじ133がさらに設けられる。
【0042】
按摩パッド110の底面には、下向き突設された送りナット部132が設けられ、長孔163から送りねじ133と結合され、送りねじ133の一端には、送りねじを手動または自動で回転させるための送りねじ回転部135が設けられる。
【0043】
送りねじ回転部135を回転させ、手動で按摩パッド110の位置を調節するが、好ましくは、エンコーダが取り付けられたモータを送りねじ回転部135と連結構成し、使用者が椅子1のリモートコントローラ80または制御板を操作して、按摩パッドの前後進位置を容易に遠隔調節し、これと同様に、振動器120の強度や回転速度も、リモートコントローラ80または制御板で調節することにより、按摩の強度を調節することができる。
【0044】
使用者の嗜好により、異なる形態や材質の按摩パッド110に交替可能に構成してもよい。このため、送りナット部132の上部には、送り台136が設けられ、この送り台の上に按摩パッド110が結合されるようになるが、堅固な結合のため、按摩パッドの底面と送り台136の上面には、互いに対応して結合する結合突起と結合溝を形成し、または磁石を設置して磁力により堅固に結合されるようにする。
【0045】
ヒトの身長のみならず、男女により会陰部と肛門の位置が異なるので、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112を分離して構成し、これらの位置を個別に調節する構成が、図8乃至図12に示されている。
【0046】
図8を参照すると、長孔163が形成された振動板160の底面の前後側に、2つの送りねじ133が、送りねじ支持部134に回転可能に独立して設けられ、それぞれの送りねじ133の端部には、送りねじ回転部135が設けられる。
【0047】
按摩パッド110の前方マッサージ部111と後方マッサージ部112を分離して構成し、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の底面に、それぞれの送りナット部132を有し、これを、振動板160の長孔163から、別途に前後側の送りねじ133と結合されるようにする。
【0048】
したがって、前後方に位置する送りねじ133を個別に回転させ、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の位置を独立して調節し、使用者の身体に合わせて最適な位置に置いて使うことができる。
【0049】
送りねじ回転部135を按摩用椅子1のひじ掛け部に設置すると、座った姿勢で、便利に位置を調節することができる。図9のように、送りねじ回転部135と送りねじ133との間に、非線形動力伝達媒体であるケーブル137を保護用チューブ138内に収納した状態で相互連結すると、遠隔から、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の位置を正確に調整することができる。
【0050】
図10は、分離された前方マッサージ部111と後方マッサージ部112を独立して位置調節するためのまた他の実施例を示している。
【0051】
振動板160に形成される長孔163には、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の下部にそれぞれ配置される送りナット部132が収納される。一つの送りナット部132には、内部が中空であり、端部に送りねじ回転部135が設けられるスリーブねじ131が螺合され、他の一つの送りナット部132には、スリーブねじ131の内部に自由回転可能に結合される連結軸139の一端に設けられる送りねじ133が螺合され、連結軸139の他端に設けられる送りねじ回転部135が回転するとき、位置調節されるようになる。
【0052】
このように、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112は、個別に前後への位置調節が可能であるだけでなく、図11に示すように、それぞれの高さを使用者に合わせて調節可能になる。
【0053】
分割して構成された前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の底面には、それぞれナット111a、112aが収納され、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の下部にそれぞれ結合される送り台136には、前記ナット111a、112aに対応して結合される乗降ねじ141が回転可能に貫通して構成される。
【0054】
乗降ねじ141の下部には、非線形動力伝達媒体であるケーブル142の一端を固定させ、他端には、回転操作用ダイアル144が結合され、ダイアル144を操作するとき、乗降ねじ141が回転すると、これと螺合された前方マッサージ部111または後方マッサージ部112が独立して乗降するので、使用者の身体特性に応じて高低を便利に調節することができる。
【0055】
図12図13は、分離型按摩パッドが用いられた局所按摩装置において、按摩パッドの前後位置調節と上下高低調節が可能なように構成された実施例を示している。
【0056】
振動板160の前後側には、一側端部に送り台136が設けられた送りねじ133がそれぞれ配置され、送りねじ133の上には、各送り台136を前後へ移動させるための調節ナット146が結合される。
【0057】
送り台136は、振動板160の中心部の長手方向に形成された長孔163にガイドされ、調節ナット146の回転操作により前後へ移動するが、各送り台136の中心には、乗降ねじ141が回転可能に貫通して構成され、乗降ねじ141の下側には、乗降ねじ141を回転させるためのダイアル144がケーブル142により連結される。
【0058】
分割して構成された前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の底面には、それぞれナット111a、112aが収納され、送り台136の上部において、それぞれのナット111a、112aが乗降ねじ141と螺合されるので、ダイアル144を回して前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の高さを別途に調節し、また調節ナット146を回転させて前後長さの調節が可能になる。
【0059】
遠隔から、前方マッサージ部111と後方マッサージ部112の位置を正確に調整するための構成として、各送りねじ133は、送りねじ支持部134に支持され、それぞれ独立して回転可能に構成され、その代わりに、調節ナット146は、回転しないように固定させ、各送りねじ133の一端には、ケーブル137で連結される送りねじ回転部135が設けられる。
【0060】
前方マッサージ部111または後方マッサージ部112の乗降作動は、シリンダ装置やモータにより行われることは、当然である。
【0061】
上述した按摩用椅子1におけると同様に、椅子1の座板部20内に局所按摩装置が一体で設置されてもよいが、図14に示すように、中心部に局所按摩装置100が設置された敷きマット200を用いると、一般の椅子の上に載せて使い、または床に敷いて使うことができる。
【0062】
敷きマット200に座ったとき、尻はマットの上板に支持され、局所部と直接的に接する按摩パッド110のみが敷きマット200の上に突出される。このとき、敷きマット200の一側には、電源のオン・オフと按摩パッド110の位置と高さを制御するためのコントローラ80が設けられる。
【0063】
このように構成された本発明は、各種の椅子または敷きマットに設置される局所按摩装置を提供し、身体サイズを問わず、誰でも効果的に按摩を受け、ストレスの解消はもとより、各種の局所部位疾患を予防することのできる、極めて有用な発明である。
【0064】
本発明の詳細な説明では、本発明の最も好適な実施例について説明したが、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲内で様々な変形実施も可能であろう。したがって、本発明の保護範囲は、上記した実施例に限定して定められるものではなく、後述する特許請求の範囲の技術、及びこれらの技術と均等な技術手段にまで認められなければならない。
【符号の説明】
【0065】
1 椅子
200 敷きマット
10 背板部
12 支え板
20 座板部
22 設置溝
30 足踏み板
40 乗降移動式按摩ローラ
80 コントローラ
50 上半身ストレッチング部
51 ハンドレバー
52 垂直支持竿
53 軸支部
54 乗降ピン
55 設置板
56 スクリュー
63 レバー乗降モータ
65 固定管体
70 腰椎ストレッチング部
72 腰椎支持台
73 クッション
79 アクチュエータ
100 局所按摩装置
110 按摩パッド
111 前方マッサージ部
112 後方マッサージ部
115 結合突起
120 振動器
121 偏心軸
131 スリーブねじ
132 送りナット部
133 送りねじ
134 送りねじ支持部
135 送りねじ回転部
136 送り台
137 ケーブル
138 チューブ
139 連結軸
141 乗降ねじ
142 ケーブル
143 チューブ
144 ダイアル
146 調節ナット
160 振動板
161 按摩パッド結合溝
162 ねじ結合溝
163 長孔
165 連結溝
170 支持部材
171 結合ねじ
171a ねじ頭
172 支持ゴム
173 ゴムワッシャ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14