(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】ダストボックス及びロボット掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/12 20060101AFI20220401BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20220401BHJP
A47L 9/16 20060101ALI20220401BHJP
A47L 9/10 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
A47L9/12 Z
A47L9/28 E
A47L9/16
A47L9/10 D
(21)【出願番号】P 2020543756
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2018098029
(87)【国際公開番号】W WO2019184173
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】201820465545.3
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521273938
【氏名又は名称】美智縦横科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Midea Robozone Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.39 Caohu Avenue,Xiangcheng Economic Development Zone,Suzhou,Jiangsu 215131,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】胡衛
(72)【発明者】
【氏名】魏顯民
(72)【発明者】
【氏名】▲ジン▼滿智
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-144022(JP,A)
【文献】中国実用新案第204105894(CN,U)
【文献】特開2000-060778(JP,A)
【文献】特開2015-100513(JP,A)
【文献】特開2008-086763(JP,A)
【文献】特開2016-073396(JP,A)
【文献】特開2011-255196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0235897(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00 - 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット掃除機に用いるダストボックスであって、
吸気口及び排気口が形成される本体と、
前記本体内に設けられ、側面に孔が形成されるフィルターホルダーと、
前記本体内に設けられ、且つ、前記孔の吸気側に位置し、ダストを止めるために用いられる分離構造と、
前記フィルターホルダーに設けられ、且つ、前記孔の排気側に位置するフィルター部品と、を含
み、
前記吸気口は前記排気口の下方に配置され、
前記フィルターホルダーは底板を含み、前記底板は前記吸気口に対向する斜面を含み、前記斜面によって前記分離構造が形成され、
前記孔は前記底板の前記吸気口から離れた側にあり、前記孔の吸気側は前記吸気口に背く、
ことを特徴とするダストボックス。
【請求項2】
前記フィルター部品はHEPAフィルタ、フィルタースポンジ、活性炭ストレーナーのいずれか1種類又は複数種類を含むことを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項3】
前記フィルターホルダー
は側板を含み、前記側板は前記底板に接続されて、前記底板とともに収納空間を形成しており、前記フィルター部品は少なくとも部分的に前記収納空間に配置され
ることを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項4】
前記フィルターホルダーは支持板を含み、前記支持板は前記収納空間に配置され、且つ、前記底板と前記側板とに接続され、前記フィルター部品は前記支持板に支持されることを特徴とする請求項
3に記載のダストボックス。
【請求項5】
前記吸気口及び前記排気口は前記本体の同じ側面に設けら
れることを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項6】
前記本体の底部に排塵口が形成され、前記ダストボックスは下蓋を含み、前記下蓋は前記本体に回転可能に接続されて、前記排塵口を開放又は閉鎖することを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項7】
前記下蓋は対向する第1側部及び第2側部を含み、前記第1側部は前記本体に回転可能に接続され、前記下蓋が前記排塵口を閉鎖する場合に、前記第2側部は係止構造によって前記本体に係合して接続されることを特徴とする請求項
6に記載のダストボックス。
【請求項8】
前記ダストボックスはボタンを含み、前記ボタンは回転軸を含み、前記ボタンは前記回転軸によって前記本体に回転可能に設けられ、前記係止構造は前記ボタンの一端に形成される係止フックと、前記第2側部に形成される係止部と、を含み、前記ボタンは前記本体に対して第1位置と第2位置との間で揺動可能であり、前記第1位置にある時、前記係止フックが前記係止部に係合することで、前記下蓋は前記排塵口を閉鎖し、前記第2位置にある時、前記係止フックが前記係止部から離脱することで、前記下蓋は前記排塵口を開放することを特徴とする請求項
7に記載のダストボックス。
【請求項9】
前記ダストボックスは前記本体の頂部に取り外し可能に設けられる上蓋を含むことを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項10】
前記ダストボックスはシール部品を含み、前記シール部品は前記ダストボックスの部材を接続する箇所に設けられることを特徴とする請求項1に記載のダストボックス。
【請求項11】
ロボット掃除機であって、
ボディと、
前記ボディに設けられる
、請求項1から10のいずれか一項に記載のダストボックスと、を含
む、
ことを特徴とするロボット掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
「関連出願の相互参照」
本願は、2018年3月30日に中国国家知識産権局に提出された特許出願番号が201820465545.3である特許出願の優先権を主張し、その全体内容は参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、家庭用電化製品技術の分野に関し、特にダストボックス及びロボット掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
関連の技術において、ロボット掃除機が動作する時、床面のダストがダストボックスに吸い込まれ、ダストボックスに入る空気がHEPAフィルタを経て排出される。ダストはHEPAフィルタに止められてダストボックスに落ちる。しかしながら、ダストボックスでは、空気とダストが効果的に分離されないため、排出される空気は質が悪く、二次汚染を起こす恐れがある。また、ダストボックスに入ったダストがHEPAフィルタに直接作用するため、HEPAの耐用年数が短くなり、ユーザーはHEPAを頻繁に交換する必要があり、非常に使いにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施形態によれば、ダストボックス及びロボット掃除機が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施形態のダストボックスはロボット掃除機に用いられ、前記ダストボックスは、吸気口及び排気口が形成される本体と、前記本体内に設けられ、側面に孔が形成されるフィルターホルダーと、前記本体内に設けられ、且つ、前記孔の吸気側に位置し、ダストを止めるために用いられる分離構造と、前記フィルターホルダーに設けられ、且つ、前記孔の排気側に位置するフィルター部品と、を含む。
【0006】
本願の実施形態のダストボックスによれば、最初に分離構造によってダストの大半が止められ、次に空気が孔を介してフィルター部品に入り、当該空気はフィルター部品によって空気と少量のダストとに分離され、排出される空気が効果的に浄化される。また、少量のダストだけがフィルター部品に届くため、フィルター部品の耐用年数が引き延ばされ、ユーザーはフィルター部品を頻繁に交換又は清掃しなくて済み、使いやすくなる。
【0007】
本願の実施形態のロボット掃除機は、ボディと、前記ボディに設けられるダストボックスと、を含み、前記ダストボックスは、吸気口及び排気口が形成される本体と、前記本体内に設けられ、側面に孔が形成されるフィルターホルダーと、前記本体内に設けられ、且つ、前記孔の吸気側に位置し、ダストを止めるために用いられる分離構造と、前記フィルターホルダーに設けられ、且つ、前記孔の排気側に位置するフィルター部品と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施形態のロボット掃除機によれば、ダストボックスでは最初に分離構造によってダストの大半が止められ、次に空気が孔を介してフィルター部品に入り、当該空気はフィルター部品によって空気と少量のダストとに分離され、排出される空気が効果的に浄化される。また、少量のダストだけがフィルター部品に届くため、フィルター部品の耐用年数が引き延ばされ、ユーザーはフィルター部品を頻繁に交換又は清掃しなくて済み、使いやすくなる。
【0009】
本願の付加的な態様及び利点は次の説明の部分に示される。その一部の内容は次の説明により明瞭になるか、本願の実施によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の上述した及び/又は付加的な態様及び利点は、次の図面を用いる実施形態の説明により明瞭で理解しやすいものになるであろう。
【
図1】本願の実施形態のダストボックスの斜視模式図である。
【
図2】本願の実施形態のダストボックスの断面模式図である。
【
図3】本願の実施形態のダストボックスの分解模式図である。
【
図4】本願の実施形態のフィルターホルダーの斜視模式図である。
【
図5】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
【
図6】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
【
図7】本願の実施形態のフィルターホルダーの別の斜視模式図である。
【
図8】本願の実施形態のフィルターホルダーの側面模式図である。
【
図9】本願の実施形態のダストボックスの局所分解模式図である。
【
図10】本願の実施形態のロボット掃除機の構造模式図である。
【符号の説明】
【0011】
10…ダストボックス、12…本体、122…吸気口、124…排気口、126…排塵口、14…フィルターホルダー、142…孔、144…底板、146…側板、148…収納空間、141…斜面、143…支持板、16…分離構造、18…フィルター部品、11…下蓋、112…第1側部、114…第2側部、13…係止構造、132…係止フック、1322…係合面、134…係止部、1342…係止バー、15…ボタン、152…回転軸、154…押し板、1542…第1揺動端、1544…第2揺動端、1546…弾性部品、17…上蓋、19…シール部品、100…ロボット掃除機、20…ボディ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願の実施形態を詳細に説明し、図面の部分に当該実施形態の例を示している。常に同じ又は類似する符号で、同じもしくは類似する部品又は同じ又は類似する機能を有する部品を示す。図面を参照して説明される下記の実施形態は例示的なもので、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願に対する制限として理解されるべきではない。
【0013】
本願の説明において、用語「中央」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等で指示された方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいていうものであり、本願の説明の便宜上及び説明の簡素化のためのものに過ぎず、その対象になる装置又は部品は必ず特定の方位に設けられ、特定の方位から構成又は操作されなければならないことを指示するか又はこの旨を示唆するものではない。また、用語「第1」、「第2」は説明用のものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆するもの、あるいはそれによって示される技術的特徴の数量を暗黙的に指示するものとして理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は1つの又は複数の当該特徴を明確に又は暗黙的に含んでよい。本願の説明において、特に明確で具体的に限定される場合を除き、「複数」は少なくとも2つ、又は3つ以上を意味する。
【0014】
本願において、特に明確で具体的に規定又は限定される場合を除き、「取り付ける」、「連通」、「接続」は広義に理解されるべきである。例えば、固定して接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、又は一体的に接続されてもよい。機械的に接続されてもよいし、電気的に接続されてもよい。直接接続されてもよいし、中間の媒介を介して間接的に接続されてもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互の作用関係であってもよい。当業者にとって、状況に応じて本願における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0015】
図1~
図3が参照されるとおり、本願の実施形態のダストボックス10はロボット掃除機100に用いる。ダストボックス10は本体12と、本体12内に設けられるフィルターホルダー14と、ダストを止めるために用いられる分離構造16と、フィルター部品18と、を含む。本体12に吸気口122及び排気口124が形成される。フィルターホルダー14の側面に孔142が形成される。分離構造16は本体12内に設けられ、且つ、孔142の吸気側に位置する。フィルター部品18はフィルターホルダー14に設けられ、且つ、孔142の排気側に位置する。
【0016】
本願の実施形態のダストボックス10によれば、最初に分離構造16によってダストの大半が止められ、次に空気が孔142を介してフィルター部品18に入り、当該空気はフィルター部品18によって空気と少量のダストが分離され、排出される空気は効果的に浄化される。また、少量のダストだけがフィルター部品18に届くため、フィルター部品18の耐用年数が引き延ばされ、ユーザーはフィルター部品18を頻繁に交換又は清掃しなくて済み、使いやすくなる。
【0017】
なお、ロボット掃除機100が動作する時、機器の内部が真空になり、内外圧力差の作用で、ダストは空気に伴って吸気口122から本体12に吸い込まれる。ダストが空気に伴って本体12に入った後、ダストの大半、とりわけサイズが比較的大きいダスト粒子が分離構造16に止められて本体12の底部に落ち、少量の微細なダストだけが空気に伴って孔142を介してフィルター部品18に届く。この場合に、ダストがフィルター部品18によってフィルターされ、空気とダストが効果的に分離され、排出される空気は効果的に浄化される。これによって、ダストボックス10から排出される空気の質が悪いため、二次汚染が起きることが避けられる。
図2で、ダストボックス10で矢印付きの直線は空気の気流を示す。分離構造16は孔142の吸気側に配置され、即ち、分離構造16は空気の気流が孔142に入る前の任意の位置に配置されてよく、言い換えれば、分離構造16に対して、孔142はダストボックス10内に空気の流動方向の下流に配置される。これによって、空気が孔142に入る前に、分離構造16に出会うことが保証される。
【0018】
いくつかの実施形態において、分離構造16はフィルターホルダー14の底部の斜面141である。
【0019】
なお、分離構造16はフィルターホルダー14の底部の斜面141であり、即ち分離構造16はフィルターホルダー14と一体的に構成される。これによって、本体12に多くのスペースが使用されることが避けられる。分離構造16は本体12の底部を向く斜面141であってよく、斜面141は吸気口122に対向し、ダストを含む空気の気流をガイドする役割を果たし、ダストを本体12の底部に落とす。当然ながら、分離構造16はフィルターホルダー14と一体的に構成されなくてもよく、本体12内で、他の位置に別の分離構造16が設けられてもよい。分離構造16は斜面、球面、非球面等のガイド面を有する構造部品であってよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、フィルター部品18はHEPAフィルタ、フィルタースポンジ、活性炭ストレーナーのいずれか1種類又は複数種類を含む。
【0021】
なお、HEPAフィルタ、フィルタースポンジ、活性炭ストレーナーはいずれもダストをフィルターするため使用できる。フィルター部品18はHEPAフィルタ、フィルタースポンジ又は活性炭ストレーナーであってよい。当然ながら、フィルター部品18はHEPAフィルタとフィルタースポンジの組み合わせ、HEPAフィルタと活性炭ストレーナーの組み合わせ、又はフィルタースポンジと活性炭ストレーナーの組み合わせであってよい。また、フィルター部品18はHEPAフィルタとフィルタースポンジと活性炭ストレーナーの組み合わせであってもよい。フィルター部品18は、ニーズに応じて、1つ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
【0022】
図4~
図8が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、フィルターホルダー14は底板144と、側板146と、を含む。側板146は底板144に接続されて、底板144と収納空間148を形成している。フィルター部品18は少なくとも部分的に収納空間148に配置される。底板144は吸気口122に対向する斜面141を含む。斜面141によって分離構造16が形成され、孔142の吸気側は吸気口122に背く。
【0023】
なお、吸気口122に対向する斜面141によって分離構造16が形成されることによって、分離構造16が空気に伴って本体12に入るダストの大半を止めることに役立つとともに、ダストボックス10の内部の構造部品が減り、ダストボックス10内のダストを集めるスペースが広くなる。孔142の吸気側は吸気口122に背き、分離構造16は孔142の吸気側に配置される。これによって、孔142は可能な限り吸気口122から離れていることになり、ダストを含む空気の気流が最初に分離構造16を経て、分離構造16によってダストの大半が止められ、次に空気の気流は孔142を通過しフィルター部品18を経てフィルター部品18によって空気と少量のダストが分離され、これによって空気とダストがさらに効果的に分離され、排出される空気が一層効果的に浄化される。
【0024】
本実施形態において、フィルター部品18はほぼ収納空間148内に配置され、即ち、フィルター部品18の上面がフィルターホルダー14の上面とほぼ面一になる。これによって、フィルター部品18及びフィルターホルダー14の全体の厚さが減らされ、ダストボックス10の集塵スペースが確保されるとともに、ダストボックス10の小型化にも役立つ。別の実施形態において、フィルター部品18は部分的に収納空間148に配置され、即ち、フィルター部品はフィルターホルダー14の上面に対して突出していてよい。このような実施形態において、収納空間148の深さを小さく設計するか、又はフィルター部品18の突出した部位はフィルター部品18又はフィルターホルダー14上の他の部材に位置決めして取り付けるためにも利用できる。
【0025】
なお、フィルターの効果を確保するために、フィルター部品18が収納空間148に収容される場合には、フィルター部品18がフィルターホルダー14によりよく固定されるようにフィルター部品18にはある程度の変形が許容される。当然ながら、接続を助ける部品、例えば、係止部品、ねじ等を利用してフィルター部品18をフィルターホルダー14に固定してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、フィルターホルダー14は支持板143を含む。支持板143は収納空間148に配置され、且つ、底板144と側板146とに接続され、フィルター部品18は支持板143に支持される。
【0027】
これによって、支持板143がフィルター部品18を支持することで、フィルター部品18がフィルターホルダー14に設けられる場合にその位置が相対的に安定しており、位置ずれしにくく、孔142を通る空気の気流をより効果的にフィルターでき、ダストと空気が効果的に分離される。
【0028】
本実施形態で、支持板143は複数であり、複数の支持板143が間隔をあけて収納空間148に設けられる。これによって、フィルター部品18がより確実に支持され、フィルター部品18に作用する力が均一でないため位置がずれ、フィルターの効果に影響を与えることが避けられる。
【0029】
また
図2及び
図3が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、吸気口122及び排気口124は本体12の同じ側面に設けられ、吸気口122は排気口124の下方に配置される。
【0030】
これによって、ロボット掃除機100が動作する時、吸気口122と排気口124との間に気流が形成され、ダストが気流に伴って吸気口122から本体12に入る。フィルターされた後、ダストは止められて排気口124に流動できずに本体12内に残り、フィルターされた空気が排気口124から排出される。当然ながら、吸気口122及び排気口124は本体12の異なる側面に設けられてもよい。吸気口122と排気口124が本体12の同じ側面に設けられる場合は、排気口124は吸気口122の下方に配置されてもよい。
【0031】
図9が参照されるとおり、いくつかの実施形態において、本体12の底部に排塵口126が形成される。ダストボックス10は下蓋11を含み、下蓋11は本体12に回転可能に接続され、且つ、排塵口126を開放又は閉鎖する。
【0032】
なお、下蓋11によって本体12の底部の排塵口126が開放又は閉鎖されることにより、本体12内のダストを除去しやすくなる。
【0033】
いくつかの実施形態において、下蓋11は対向する第1側部112及び第2側部114を含む。第1側部112は本体12に回転可能に接続され、下蓋11が排塵口126を閉鎖する場合に、第2側部114は係止構造13によって本体12に係合して接続される。
【0034】
なお、係止構造13が設けられることで、下蓋11によって排塵口126を開放又は閉鎖することが容易になる。下蓋11が排塵口126を閉鎖する場合に、第2側部114は係止構造13によって本体12により確実に係合して接続される。具体的には、ロボット掃除機100からダストを除去する場合に、ダストボックス10をロボット掃除機100から取り出し、次に下蓋11と本体12との係合を解除することによって、下蓋11が回転できるようになると排塵口126を開放し、下蓋11に担持されたダストが下蓋11の回転に伴って本体12から流出する。このように、ダストを除去する時は、本体12内のフィルター部品18及びフィルターホルダー14を取り出さなくて済み、清掃プロセスが容易になる。
【0035】
さらに、第1側部112が本体12に回転可能に接続されることは、次の形態で実現できる。例えば、第1側部112に回転軸が設けられ、本体12に遷移孔が形成され、回転軸が遷移孔に収容されることによって、第1側部112が本体12に回転可能に接続される。
【0036】
なお、底部なる方向は
図9に示す下向きの方向であり、頂部なる方向は
図9に示す上向きの方向である。
【0037】
いくつかの実施形態において、ダストボックス10はボタン15を含む。ボタン15は回転軸152を含み、ボタン15は回転軸152によって本体12に回転可能に設けられる。係止構造13はボタン15の一端に形成される係止フック132と、第2側部114に形成される係止部134と、を含む。ボタン15は本体12に対して第1位置と第2位置との間で揺動可能である。第1位置にある時、係止フック132が係止部134に係合することで、下蓋11は排塵口126を閉鎖する。第2位置にある時、係止フック132が係止部134から離脱することで、下蓋11は排塵口126を開放する。
【0038】
これによって、ボタン15が押下されると、係止フック132が係止部134から離脱して、下蓋11が回転して排塵口126を開放するとダストが排出され、シンプルな方式で排塵が実現される。具体的には、係止フック132は上向きの係合面1322を含み、係止部134は係止バー1342を含み、
図2に示すように、第1位置にある時、係止バー1342が係合面1322を受け止める。
【0039】
いくつかの実施形態において、ボタン15は押し板154を含み、回転軸152は押し板154の中央の部位に固定される。押し板154は回転軸152の対向する両側にそれぞれ配置される第1揺動端1542及び第2揺動端1544を含む。係止フック132は第1揺動端1542に形成され、第1揺動端1542は本体12から離れる方向に揺動し、第2揺動端1544は本体12に近づく方向に揺動する。本体12には第2揺動端1544が揺動するために回避空間が形成される。第1揺動端1542が本体12から離れる方向に揺動する場合に、係止フック132が係止バー1342から離脱して、下蓋11が開放される。
【0040】
これによって、回避空間はボタン15が回転する過程で本体12に干渉することを防止できる。
【0041】
また、押し板154の本体12に対向する外面には弾性部品1546が設けられ、通常の状態では、弾性部品1546が本体12の外面に接触してもよいし、又は接触しなくてもよい。接触する場合には、弾性部品1546が弾力を生成しなくてもよいし弾力を生成してもよい。弾力が生成される場合は、生成される弾力によって、第2揺動端1544は本体12から離れるように駆動され、これによって、係止フック132と下蓋11の係合が一層確実になる。
【0042】
第2揺動端1544が外力を受けて本体12へ押される場合には、弾性部品1546が圧縮され、第1揺動端1542が本体12から離れる方向に揺動することによって、係止フック132が係止バー1342から離脱して、下蓋11は開放される。外力がなくなると、弾性部品1546は第2揺動端1544が本体12から離れる方向に揺動するように駆動して、第1揺動端1542は復帰する。
【0043】
本実施形態において、弾性部品1546は押し板154上の弾性押し板である。別の実施形態において、弾性部品1546はばね、弾性ブロック等の他の弾性部品であってよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、ダストボックス10は本体12の頂部に取り外し可能に設けられる上蓋17を含む。
【0045】
これによって、上蓋17を取り外した後、フィルターホルダー14、分離構造16、フィルター部品18等の部品を本体12から取り出すことも、入れることも容易である。具体的には、上蓋17が係合の方式、ねじ接続の方式、しまりばめの方式で本体12に取り外し可能に接続されてよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、ダストボックス10はシール部品19を含み、シール部品19はダストボックス10の部材を接続する箇所に設けられる。
【0047】
なお、ダストボックス10内の部材を接続する箇所は気密性が悪く、部材を接続する箇所にシール部品19を設けることでダストボックス10の気密性が保証され、ロボット掃除機100による掃除には役立つ。シール部品19はシールリング又はシールバーであってよい。具体的には、本願の実施形態において、上蓋17と本体12の頂部との間にシールリングが設けられ、フィルターホルダー14と本体12の内壁との間にシールリングが設けられ、下蓋11と本体12の底部との間にシールリングが設けられる。
【0048】
図10が参照されるとおり、本願の実施形態のロボット掃除機100は、ボディ20と、上記のいずれかの実施形態のダストボックス10と、を含み、ダストボックス10はボディ20に設けられる。
【0049】
本願の実施形態のロボット掃除機100によれば、ダストボックス10では最初に分離構造16によってダストの大半が止められ、次に空気が孔142を介してフィルター部品18に入り、当該空気はフィルター部品18によって空気と少量のダストが分離され、排出される空気は効果的に浄化される。また、少量のダストだけがフィルター部品18に届くため、フィルター部品18の耐用年数が引き延ばされ、ユーザーはフィルター部品18を頻繁に交換又は清掃しなくて済み、使いやすくなる。
【0050】
好ましくは、ダストボックス10がボディ20に取り外し可能に設けられる。例えば、係止、ねじ、接着等の方式で、ボディ20に取り外し可能に設けられる。
【0051】
本願において、特に明確な規定又は限定される場合を除き、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」に配置されることは、第1特徴が第2特徴に直接接触することであってもよいし、第1特徴が第2特徴に直接接触するのではなく、それらの間の他の特徴を介して接触することであってもよい。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上部」に配置されることは、第1特徴が第2特徴の直上又は斜め上方に配置されることであってもよいし、第1特徴が第2特徴よりもの水平面からの高さが大きいことを意味してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下部」に配置されることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下方に配置されることであってもよいし、第1特徴が第2特徴よりも水平面からの高さ小さいことを意味してもよい。
【0052】
上述した内容で本願の異なる構造を実現するために多くの異なる実施形態又は例が開示されている。本願の開示の簡素化のために、上述した内容で特定の例に係る部材とその設置を説明している。当然ながら、これらは例示的なものに過ぎず、しかもその目的は本願を限定することにない。また、本願では異なる例において、同じ数字や記号を参照することができ、かかる参照は説明の簡素化と分かりやすくすることが目的である。それ自体は検討される各種の実施形態及び/又は設置の関連性を示すものではない。さらに、本願には様々な特定のプロセスと材料の例が挙げられたが、当業者にとって、その他プロセス及び/又はその他材料も適用できることが自明である。
【0053】
本明細書の説明において、用語「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」等が含まれる文言は、当該実施形態又は例を用いて説明している具体的な特徴、構造、材料又は利点は、本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味するものである。本明細書において、上記の用語を用いる例示的な文言は、必ずしも同一の実施形態又は例に限定されるものとは限らない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は利点はいずれか1つ又は複数の実施形態もしくは例において、適切な方式で組み合わせることができる。
【0054】
本願の実施形態を示してそれを説明しているとはいえ、本願の趣旨から逸脱しないことを前提に、これらの実施形態には様々な変更、補正、差替え及び変形が可能であり、本願の範囲が特許請求の範囲及び同等なものによって限定されることは、当業者に自明である。