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特許7050949動的に調節可能な計算ユニットを有する産業機械用監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】動的に調節可能な計算ユニットを有する産業機械用監視システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20220401BHJP
【FI】
G05B19/05 L
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020553615
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 US2019025704
(87)【国際公開番号】W WO2019195499
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】15/947,762
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503230014
【氏名又は名称】ベントリー・ネバダ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘス、ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】タート、マイケル、アラン
【審査官】黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018550(JP,A)
【文献】特開2016-012194(JP,A)
【文献】米国特許第08301404(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2003/0023780(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
複数の回路に連結するように構成された少なくとも1つのバックプレーンであって、前記バックプレーンに連結された前記複数の回路のうちの少なくとも1つから監視データを受信するように構成されている、少なくとも1つのバックプレーンと、
前記少なくとも1つのバックプレーンのうちの1つに連結された入力回路であって、センサから機械構成要素の動作パラメータの測定値を含む監視データを表すセンサ信号を受信することと、前記入力回路が連結されている前記バックプレーンに前記監視データを送信することと、を行うように構成されている、入力回路と、
前記少なくとも1つのバックプレーンのうちの1つのバックプレーンに連結された少なくとも1つの処理回路であって、前記少なくとも1つの処理回路は、
前記少なくとも1つの処理回路が連結されている前記バックプレーンから前記監視データの選択された部分を取得することと、
前記選択された監視データを特徴付ける値を決定し、前記少なくとも1つの処理回路が連結されている前記バックプレーンに前記決定された値を送信することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成されている、少なくとも1つの処理回路と、を備え、
前記少なくとも1つのバックプレーンに連結された処理回路の数が、前記少なくとも1つのバックプレーンに連結された入力回路の数から独立し
前記少なくとも1つの処理回路は、
第1のバックプレーンに連結された第1の状態処理回路であって、前記第1の状態処理回路が、前記監視データの第1の部分を前記第1のバックプレーンから取得することと、前記監視データの前記第1の部分をネットワークに出力することと、を行うように構成されている、第1の状態処理回路と、
第2のバックプレーンに連結された第2の状態処理回路であって、前記第2の状態処理回路が、前記監視データの第2の部分を前記第2のバックプレーンから取得することと、前記監視データの前記第2の部分を前記ネットワークに出力することと、を行うように構成されている、第2の状態処理回路と、を備え、
前記第1及び第2の状態処理回路が、前記少なくとも1つのバックプレーンのいずれかにデータを送信することを禁止されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記第1のバックプレーンに連結された第1の保護処理回路であって、前記第1の保護処理回路が、前記監視データの第1の部分を前記第1のバックプレーンから取得することと、前記監視データの前記第1の部分に基づいて前記値の第1の部分を決定することと、前記値の前記第1の部分を前記第1のバックプレーンに送信することと、を行うように構成されている、第1の保護処理回路と、
前記第2のバックプレーンに連結された第2の保護処理回路であって、前記第2の保護処理回路が、前記第1の部分とは異なる、前記監視データの第2の部分を取得することと、前記監視データの前記第2の部分に基づいて前記値の第2の部分を決定することと、前記値の前記第2の部分を前記第2のバックプレーンに送信することと、を行うように構成されている、第2の保護処理回路と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の保護処理回路が、前記第2のバックプレーンから前記値の前記第2の部分を取得することと、前記値の前記第1及び第2の部分に基づいて前記値を決定することと、前記決定された値を前記第1のバックプレーンに送信することと、を行うように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のバックプレーンが、1枚のバックプレーンを形成するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンに連結されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結され、前記システムが、
前記第1のバックプレーンに連結された第1のブリッジ回路と、
前記第3のバックプレーンに連結され、前記第1のブリッジ回路と通信している第2のブリッジ回路であって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、前記第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成している、第2のブリッジ回路と、を更に備え、
前記第1及び第2の保護処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第3のバックプレーンから前記監視データの前記第1及び第2の部分を取得するように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2のバックプレーンが、異なるバックプレーンであり、前記システムが、
前記第1のバックプレーンに連結された第1のブリッジ回路と、
前記第2のバックプレーンに連結され、前記第1のブリッジ回路と通信している第2のブリッジ回路であって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、前記第1及び第2のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成している、第2のブリッジ回路と、を更に備え、
前記第1の保護処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第2のバックプレーンから前記値の前記第2の部分を取得するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2のバックプレーンが、1枚のバックプレーンを形成するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンに連結されている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結され、前記システムが、
前記第1のバックプレーンに連結された第1のブリッジ回路と、
前記第3のバックプレーンに連結され、前記第1のブリッジ回路と通信している第2のブリッジ回路であって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、前記第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成している、第2のブリッジ回路と、を更に備え、
前記第1及び第2の状態処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第3のバックプレーンから前記監視データの前記第1及び第2の部分を取得するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
複数の回路を少なくとも1つのバックプレーンに連結するステップであって、前記複数の回路が、入力回路及び少なくとも1つの処理回路を含む、ステップと、
前記入力回路によって、前記入力回路が連結されている前記バックプレーンに監視データを送信するステップであって、前記監視データが、センサによって取得された機械構成要素の動作パラメータの測定値を表す、ステップと、
前記少なくとも1つの処理回路によって、
前記少なくとも1つの処理回路が連結されている前記バックプレーンから前記監視データの選択された部分を取得することと、
前記選択された監視データを特徴付ける値を決定し、前記少なくとも1つの処理回路が連結されている前記バックプレーンに前記決定された値を送信することと、のうちの少なくとも1つを実行するステップと、を含み、
前記少なくとも1つのバックプレーンに連結された処理回路の数が、前記少なくとも1つのバックプレーンに連結された入力回路の数から独立して選択され
前記少なくとも1つの処理回路が、第1のバックプレーンに連結された第1の状態処理回路と、第2のバックプレーンに連結された第2の状態処理回路とを含み、
前記方法がさらに、
前記第1の状態処理回路によって、前記監視データの第1の部分を前記第1のバックプレーンから取得するステップと、
前記第1の状態処理回路によって、前記監視データの前記第1の部分をネットワークに出力するステップと、
前記第2の状態処理回路によって、前記監視データの第2の部分を前記第2のバックプレーンから取得するステップと、
前記第2の状態処理回路によって、前記監視データの前記第2の部分を前記ネットワークに出力するステップと、を含み、
前記第1及び第2の状態処理回路が、それぞれ、前記第1及び第2のバックプレーンにデータを送信することを禁止されている、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの処理回路は、前記第1のバックプレーンに連結された第1の保護処理回路と前記第2のバックプレーンに連結された第2の保護処理回路を備え、
前記方法は、前記第1の保護処理回路によって、前記監視データの第1の部分を前記第1のバックプレーンから取得するステップと、
前記第1の保護処理回路によって、前記監視データの前記第1の部分に基づいて前記値の第1の部分を決定するステップと、
前記値の前記第1の部分を前記第1のバックプレーンに送信するステップと、
前記第2の保護処理回路によって、前記監視データの第2の部分を前記第2のバックプレーンから取得するステップと、
前記第2の保護処理回路によって、前記監視データの前記第2の部分に基づいて前記値の第2の部分を決定するステップと、
前記値の前記第2の部分を前記第2のバックプレーンに送信するステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の保護処理回路によって、前記値の前記第2の部分を前記第2のバックプレーンから取得するステップと、
前記第1の保護処理回路によって、前記値の前記第1及び第2の部分に基づいて前記値を決定するステップと、
前記第1の保護処理回路によって、前記決定された値を前記第1のバックプレーンに送信するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び第2のバックプレーンが、1枚のバックプレーンを形成するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記入力回路を前記第1のバックプレーンに連結するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結され、前記方法が、
第1のブリッジ回路を前記第1のバックプレーンに連結するステップと、
第2のブリッジ回路を前記第3のバックプレーンに連結するステップと、
前記第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くステップであって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、通信状態時に前記第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成する、ステップと、を含み、
前記第1及び第2の保護処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第3のバックプレーンから前記監視データの前記第1及び第2部分を取得するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1及び第2のバックプレーンが、異なるバックプレーンであり、前記方法が、
第1のブリッジ回路を前記第1のバックプレーンに連結するステップと、
第2のブリッジ回路を前記第2のバックプレーンに連結するステップと、
前記第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くステップであって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、通信状態時に前記第1及び第2のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成する、ステップと、を含み、
前記第1の保護処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第2のバックプレーンから前記値の前記第2の部分を取得するように構成されている、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2のバックプレーンが、1枚のバックプレーンを形成するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンに連結されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記入力回路が、前記第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結され、前記方法が、
第1のブリッジ回路を前記第1のバックプレーンに連結するステップと、
第2のブリッジ回路を前記第3のバックプレーンに連結するステップと、
前記第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くステップであって、前記第1及び第2のブリッジ回路が、通信状態時に前記第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成する、ステップと、を含み、
1及び第2の状態処理回路が、前記共通論理バックプレーンを介して前記第3のバックプレーンから前記監視データの前記第1及び第2の部分を取得するように構成されている、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年4月6日に出願された米国特許出願第15/947,762号に対する優先権の利益を主張する国際特許出願であり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
炭化水素精製及び発電などの多くの産業は、機械装置の動作に、場合によっては、機械装置の連続動作に大きく依存し得る。これらの環境では、1つ又は複数の機械の故障は、修理費用はもちろん、生産の損失及び作業者への潜在的な傷害に起因して、著しいコストをもたらす可能性がある。これらのリスクを考慮すると、1つ又は複数の機械構成要素の特定の動作パラメータを監視することは一般的であり得る。動作パラメータの測定値は、機械構成要素の機械的状態の指標を提供することができ、これにより、故障前の機械構成要素に対して予防的なメンテナンス(例えば、修理、交換など)を実施することが可能になる。この監視は、製造コストの低減、機器のダウンタイムの低減、信頼性の向上、及び安全性の向上など、1つ又は複数の長期利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0003】
一般に、産業機械などの機械の保護及び/又は状態監視のためのシステム及び方法が提供される。
【0004】
一実施形態では、システムが提供され、システムは、少なくとも1つのバックプレーン、入力回路、及び少なくとも1つの処理回路を含むことができる。少なくとも1つのバックプレーンは、複数の回路に連結することと、バックプレーンに連結された複数の回路のうちの少なくとも1つから監視データを受信することと、を行うように構成することができる。入力回路は、少なくとも1つのバックプレーンのうちの1つに連結することができ、センサから機械構成要素の動作パラメータの測定値を含む監視データを表すセンサ信号を受信するように構成することができる。入力回路はまた、入力回路が連結されているバックプレーンに監視データを送信するように構成することもできる。少なくとも1つの処理回路は、少なくとも1つのバックプレーンのうちの1つのバックプレーンに連結することができる。少なくとも1つの処理回路は、少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンから監視データの選択された部分を取得することと、選択された監視データを特徴付ける値を決定し、決定された値を少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンに送信することと、のうちの少なくとも1つを実行するように構成することができる。少なくとも1つのバックプレーンに連結された処理回路の数は、少なくとも1つのバックプレーンに連結された入力回路の数から独立することができる。
【0005】
別の実施形態では、システムは、第1の処理回路及び第2の処理回路を含むことができる。第1の処理回路は、第1のバックプレーンに連結された第1の保護処理回路とすることができる。第1の保護処理回路は、監視データの第1の部分を第1のバックプレーンから取得することと、監視データの第1の部分に基づいて値の第1の部分を決定することと、値の第1の部分を第1のバックプレーンに送信することと、を行うように構成することができる。第2の処理回路は、第2のバックプレーンに連結された第2の保護処理回路とすることができる。第2の保護処理回路は、第1の部分とは異なる、監視データの第2の部分を取得することと、監視データの第2の部分に基づいて値の第2の部分を決定することと、値の第2の部分を第2のバックプレーンに送信することと、を行うように構成することができる。
【0006】
別の実施形態では、第1の保護処理回路は、第2のバックプレーンから値の第2の部分を取得することと、第1及び第2の値部分に基づいて値を決定することと、決定された値を第1のバックプレーンに送信することと、を行うように構成することができる。
【0007】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、同じバックプレーンであり得る。
【0008】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。
【0009】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結することができ、システムは、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路を更に含むことができる。第1のブリッジ回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。第2のブリッジ回路は、第3のバックプレーンに連結することができ、第1のブリッジ回路と通信することができる。第1及び第2のブリッジ回路は、第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1及び第2の保護処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第3のバックプレーンから第1及び第2の監視データ部分を取得するように構成することができる。
【0010】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、異なるバックプレーンであり得、システムは、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路を更に含むことができる。第1のブリッジ回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。第2のブリッジ回路は、第2のバックプレーンに連結することができ、第1のブリッジ回路と通信することができる。第1及び第2のブリッジ回路は、第1及び第2のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1の保護処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第2のバックプレーンから値の第2の部分を取得するように構成することができる。
【0011】
別の実施形態では、システムは、第1の処理回路及び第2の処理回路を含むことができる。第1の処理回路は、第1のバックプレーンに連結された第1の状態処理回路とすることができる。第1の状態処理回路は、監視データの第1の部分を第1のバックプレーンから取得することと、監視データの第1の部分をネットワークに出力することと、を行うように構成することができる。第2の処理回路は、第2のバックプレーンに連結された第2の状態処理回路とすることができる。第2の状態処理回路は、監視データの第2の部分を第2のバックプレーンから取得することと、監視データの第2の部分をネットワークに出力することと、を行うように構成することができる。第1及び第2の状態処理回路は、少なくとも1つのバックプレーンのいずれかにデータを送信することを禁止され得る。
【0012】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、同じバックプレーンであり得る。
【0013】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。
【0014】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結することができ、システムは、第1のブリッジ回路及び第2のブリッジ回路を更に含むことができる。第1のブリッジ回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。第2のブリッジ回路は、第3のバックプレーンに連結することができ、第1のブリッジ回路と通信することができる。第1及び第2のブリッジ回路は、第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1及び第2の状態処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第3のバックプレーンから第1及び第2の監視データ部分を取得するように構成することができる。
【0015】
機械を監視するための方法も提供される。一実施形態では、方法は、複数の回路を少なくとも1つのバックプレーンに連結することを含むことができる。複数の回路は、入力回路及び少なくとも1つの処理回路を含むことができる。別の実施形態では、方法は、入力回路によって、入力回路が連結されているバックプレーンに監視データを送信することを含むことができる。監視データは、センサによって取得された機械構成要素の動作パラメータの測定値を表すことができる。方法は、少なくとも1つの処理回路によって、少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンから監視データの選択された部分を取得することと、選択された監視データを特徴付ける値を決定し、決定された値を少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンに送信することと、のうちの少なくとも1つを実行することを更に含むことができる。少なくとも1つのバックプレーンに連結された処理回路の数は、少なくとも1つのバックプレーンに連結された入力回路の数から独立して選択することができる。
【0016】
別の実施形態では、方法は、第1の処理回路によって、監視データの第1の部分を第1のバックプレーンから取得することを含むことができる。第1の処理回路は、第1のバックプレーンに連結された第1の保護処理回路とすることができる。方法はまた、第1の保護処理回路によって、監視データの第1の部分に基づいて値の第1の部分を決定することを含むこともできる。方法は、値の第1の部分を第1のバックプレーンに送信することを更に含むことができる。方法はまた、第2の保護処理回路によって、監視データの第2の部分を第2のバックプレーンから取得することを含むこともできる。第2の保護処理回路は、第2のバックプレーンに連結された第2の処理回路とすることができる。方法は、第2の保護処理回路によって、監視データの第2の部分に基づいて値の第2の部分を決定することを更に含むことができる。方法は、値の第2の部分を第2のバックプレーンに送信することを追加的に含むことができる。
【0017】
別の実施形態では、方法は、第1の保護処理回路によって、値の第2の部分を第2のバックプレーンから取得することを含むことができる。方法はまた、第1の保護処理回路によって、第1及び第2の値部分に基づいて値を決定することを含むこともできる。方法は、第1の保護処理回路によって、決定された値を第1のバックプレーンに送信することを更に含むことができる。
【0018】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、同じバックプレーンであり得る。
【0019】
別の実施形態では、方法は、入力回路を第1のバックプレーンに連結することを含むことができる。
【0020】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結することができ、方法は、第1のブリッジ回路を第1のバックプレーンに連結することを含むことができる。方法はまた、第2のブリッジ回路を第3のバックプレーンに連結することを含むこともできる。方法は、第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くことを更に含むことができる。第1及び第2のブリッジ回路は、通信状態時に第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1及び第2の保護処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第3のバックプレーンから第1及び第2の監視データ部分を取得するように構成することができる。
【0021】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、異なるバックプレーンであり得、方法は、第1のブリッジ回路を第1のバックプレーンに連結することと、第2のブリッジ回路を第2のバックプレーンに連結することと、第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くことと、を含むことができる。第1及び第2のブリッジ回路は、通信状態時に第1及び第2のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1の保護処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第2のバックプレーンから値の第2の部分を取得するように構成することができる。
【0022】
別の実施形態では、方法は、第1の処理回路によって、監視データの第1の部分を第1のバックプレーンから取得することを含むことができる。第1の処理回路は、第1のバックプレーンに連結された第1の状態処理回路とすることができる。方法はまた、第1の状態処理回路によって、監視データの第1の部分をネットワークに出力することを含むこともできる。方法は、第2の処理回路によって、監視データの第2の部分を第2のバックプレーンから取得することを更に含むことができる。第2の処理回路は、第2のバックプレーンに連結された第2の状態処理回路とすることができる。方法はまた、第2の状態処理回路によって、監視データの第2の部分をネットワークに出力することを含むこともできる。第1及び第2の状態処理回路は、それぞれ、第1及び第2のバックプレーンにデータを送信することを禁止され得る。
【0023】
別の実施形態では、第1及び第2のバックプレーンは、同じバックプレーンであり得る。
【0024】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンに連結することができる。
【0025】
別の実施形態では、入力回路は、第1のバックプレーンとは異なる、第3のバックプレーンに連結することができ、方法は、第1のブリッジ回路を第1のバックプレーンに連結することと、第2のブリッジ回路を第3のバックプレーンに連結することと、第1及び第2のブリッジ回路を通信状態に置くことと、を含むことができる。第1及び第2のブリッジ回路は、通信状態時に第1及び第3のバックプレーンを含む共通論理バックプレーンを形成することができる。第1及び第2の状態処理回路は、共通論理バックプレーンを介して第3のバックプレーンから第1及び第2の監視データ部分を取得するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
これら及び他の特徴は、添付図面と併せて以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【0027】
図1A】既存の監視システムを含む動作環境の例示的な一実施形態を示す図である。
【0028】
図1B図1Aの監視システムのバックプレーンの例示的な一実施形態を示す図である。
【0029】
図2A】機械を監視するように構成された柔軟な監視システムを含む動作環境の例示的な一実施形態を示す図である。
【0030】
図2B図2Aの柔軟な監視システムと共に使用するように構成された回路の例示的な実施形態を示す図である。
【0031】
図3図2Aの柔軟な監視システムのバックプレーンの例示的な一実施形態を示す図である。
【0032】
図4A】保護監視及び状態監視用に構成された比較的柔軟な大型の監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0033】
図4B】保護監視用に構成された中型の柔軟な監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0034】
図4C】保護監視用に構成された小型の柔軟な監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0035】
図5】ブリッジ回路によって通信可能に連結された3つのベースを含み、3つのベースの間に分散された入力回路、出力回路、保護処理回路、及び状態処理回路を有する、柔軟な監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0036】
図6】ブリッジ回路によって通信可能に連結された2つのベースを含み、一方のベースに連結された入力回路及び出力回路と、他方のベースに連結された保護処理回路及び状態処理回路と、を有する、柔軟な監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0037】
図7】ブリッジ回路によって通信可能に連結された5つのベースを含み、複数の小さいベースに連結された入力回路及び出力回路と、効率のためにより大きいベースに連結された保護処理回路及び状態処理回路と、を有する、柔軟な監視システムの例示的な一実施形態を示す図である。
【0038】
図8】機械を監視するための方法の例示的な一実施形態を示す流れ図である。
【0039】
図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
風力タービンなどの産業機械装置は、受け入れ可能な許容誤差内での動作を確実にするために、監視システムによって監視することができる。一般に、機械監視は、機械構成要素のうちの1つ又は複数の動作パラメータを測定することと、機械構成要素が適切に動作しているかどうかを動作パラメータ測定値から判定することと、機械構成要素が不適切に動作していると判定された場合に警告を発することと、を含み得る。これらの警告は、機械故障に先立って補正措置を講じることを可能にし、製造コストの低減、機器のダウンタイムの低減、信頼性の向上、及び/又は安全性の向上などの利益をもたらし得る。
【0041】
しかしながら、既存の監視システムは、あまり柔軟ではないことがある。一例として、製造業者は、モデル又は実装と呼ばれる、異なる能力を有する異なるタイプの監視システムを作製することができる。異なる監視システム実装は、それらの特定の実装とのみ使用するように設計されている、入力部、出力部、及びプロセッサなどの構成要素を含むことができる。異なる監視システム実装の間で構成要素を共有することができないことは、既に作製された構成要素を利用するのではなく、新しい実装ごとに新しい構成要素の開発を必要とする可能性があり、新しい監視システム実装の配備を遅らせる場合がある。別の例では、異なる監視システム実装は、それぞれが、異なるように挙動することができる異なる特化された構成要素を含むことができるので、管理するのにより多くのリソース(例えば、予備のハードウェア及びソフトウェア、訓練された人材など)を必要とする場合がある。したがって、本開示の実施形態は、共通アーキテクチャ(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなど)を共有する回路を含む柔軟な監視システムを提供し、各回路は、異なる指定された機能(例えば、入力、処理、出力、システム動作など)を実行するように構成することができる。柔軟な監視システムの機能を異なる回路に分割することにより、柔軟な監視システムの新たな実装を、既に作製されている構成要素を異なる組み合わせで配置することによって、場合によっては迅速に、開発することができる。特に、新しい用途が柔軟な監視システムの既存の実装と比べて追加の処理能力を必要とする場合、柔軟な監視システムの新たな実装を開発しなくても、より高い能力を有する処理回路及び/又はより多くの処理回路を追加することができる。
【0042】
産業機械を監視するためのシステム及び対応する方法の実施形態が、本明細書で論じられる。しかしながら、本開示の実施形態は、他の機械を監視するために制限なしで使用することができる。
【0043】
既存の監視システム102を含む動作環境100が図1に示されている。動作環境100は、標的102と、センサ104と、内部ネットワーク110a及び外部ネットワーク110bと通信する監視システム106と、を含むことができる。
【0044】
標的102は、任意の機械の任意の構成要素とすることができる。標的102の例としては、とりわけ、歯車、軸受、及びシャフトが挙げられ得る。機械の例としては、ターボ機械、タービン(例えば、水力、風力)、発電機、及び往復動圧縮機が挙げられ得る。
【0045】
センサ104は、標的102の動作パラメータを感知し、測定された動作パラメータを表す少なくとも1つのセンサ信号104sを生成することと、センサ信号104sを監視システム106に(例えば、現場配線を介して)送信することと、を行うように構成することができる。一例として、センサ104は、プローブ、トランスデューサ、及び信号整形回路を含むことができる(図示せず)。プローブは、動作パラメータの測定のために標的102と相互作用することができる。トランスデューサは、動作パラメータの測定値を電気信号(例えば、電圧)に変換することができる。信号整形回路は、電気信号を調節及び/又は増幅して、センサ信号104s(例えば、最小~最大の範囲の電圧)を生成することができる。したがって、一態様では、センサ信号104sは、センサトランスデューサによって作成された直接又は生の測定値を含むことができる。センサ信号104sは、アナログ信号又はデジタル信号であり得る。
【0046】
別の態様では、センサ信号104sはまた、動作パラメータの直接の測定値に加えて、拡張されたデータセットを含むこともできる。拡張されたデータセットは、測定される動作パラメータのタイプに依存する様々な測定された変数を含むことができる。一例として、標的102は、シャフトなどの回転構成要素であり得、径方向振動が、近接センサの形態のセンサ104によって測定される変数であり得る。これらの状況下で、拡張されたデータセットは、ギャップ電圧、1xのフィルタリングされた振幅、2xのフィルタリングされた振幅、1xのフィルタリングされた位相、2xのフィルタリングされた位相、Not 1xの振幅、及び最大シャフト変位(Smax)のうちの1つ又は複数を含むことができる。ギャップ電圧は、プローブによる電圧出力であり、標的102とプローブの先端との間の物理的距離を表す。1xの振幅は、シャフト回転と同じ周波数を有する振動の振幅であり、一方、2xの振幅は、シャフト回転の2倍の周波数を有する振動の振幅である。例えば、毎分1480回転の回転速度は、毎秒
【数1】
サイクル(Hz)の周波数に対応する。位相は、基準位置に対して所定の測定位置で測定された振動との間の時間遅延である。したがって、1xの位相は、シャフト回転と同じ周波数を有する振動の位相を指し、一方、2xの位相は、シャフト回転の2倍の周波数を有する振動の位相を指す。Not 1xの振幅は、1×の振幅を除いた全ての振幅を指す。他の実施形態では、拡張されたデータセットは、トランスデューサなど、センサ104の1つ又は複数の構成要素に関するメタデータを含むことができる。メタデータの例としては、シリアル番号、リビジョン番号、動作温度、及び健全性ステータスのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0047】
センサ104の数及びタイプは、測定されることが意図される動作パラメータによって決定され得る。一態様では、センサ104は、振動、位置、速度、運動方向、及び偏心の測定のために1つ又は複数の近接プローブの形態をとることができる。別の態様では、センサ104は、地震振動及び加速度の測定のために1つ又は複数の加速度計の形態をとることができる。更なる態様では、センサ104は、温度及び圧力の測定のために、それぞれ、1つ又は複数の温度プローブ又は圧力プローブの形態をとることができる。上記に列挙されたセンサタイプ及び対応する動作パラメータは網羅的ではなく、センサ104の実施形態が、対象となる動作パラメータの測定に適した任意のセンサ又はセンサの組み合わせを含み得ることは理解することができる。
【0048】
使用中、監視システム106は、受信したセンサ信号104sを処理し、監視信号106s、108sを出力するように構成することができる。一例として、監視システム106は、動作パラメータ測定値を特徴付ける値を決定するように構成することができる。監視システム106はまた、この決定された値、及び/又は拡張されたデータセットの任意の測定された変数、を対応する所定の警報状態とリアルタイムで比較し、警報ステータス(例えば、OK、OKでない、警戒、危険など)を決定することもできる。例えば、標的102が回転シャフトであり、測定された動作パラメータがシャフトの径方向振動である場合、センサ信号104sは、シャフト変位を時間の関数として含むことができる。このセンサ信号から、監視システム106は、ピーク間変位からの振動振幅の値を決定することができる。
【0049】
監視システム106はまた、監視信号106s、108sを内部ネットワーク110a及び/又は外部ネットワーク110bに出力するように構成することもできる。出力された監視信号106a、108aは、拡張されたデータセットの測定された変数、決定された値、及び決定されたステータスのうちの1つ又は複数を含むことができる。警戒及び危険などの警報ステータスは、監視システム106上の物理的継電器を介して、又は監視信号106s、108sによって外部システム110に、報知することができる。別の態様では、監視システム106は、後の処理のために、センサ信号104sを追加的に又は代替的に記憶することができる。
【0050】
内部ネットワーク110aは、機械制御システム112と通信するプラントネットワークであり得る。機械制御システム112は、標的102の1つ又は複数の動作パラメータを制御するように動作する機械にコマンドを提供するように構成することができる。内部ネットワーク110aはまた、構成ソフトウェアを実行するコンピューティングデバイス(図示せず)、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)114、及び/又は顧客ヒストリアン116など、他のシステムと通信することもできる。構成ソフトウェアは、所定の警報状態などの構成情報を監視システム106に提供するために使用することができる。HMI114は、ユーザインターフェースデバイス(例えば、ディスプレイ)と通信する1つ又は複数のコンピューティングデバイスとすることができ、機械の操作員が測定された動作パラメータを確認し、かつ/又は機械制御システム112に命令を提供することを可能にする。
【0051】
そのように構成されると、監視システム106は、標的102を含む機械の保護を容易にすることができる。一例として、警報ステータスの報知に応じて、測定された動作パラメータを変化させ、警報ステータスから抜け出すために、機械制御システム112を利用して、標的102の動作を(例えば、プログラムされた論理に従って自動的に、又はHMI114を使用して手動で)制御することができる。極端な状況下では、標的102を損傷から、及び/又は作業者を傷害から保護するために、機械制御システム112を使用して、機械の動作を停止させることができる。ヒストリアン116は、監視信号106s内に含まれるデータのいずれかを記憶することができる。
【0052】
外部ネットワーク110bは、診断システム120と通信するビジネスネットワークであり得る。診断システム120は、監視システム106から受信した監視信号108s内に含まれるデータのいずれかを分析して、標的102の不適切な動作を診断し、かつ/又は標的102の不適切な動作をその発生前に予測することができる。したがって、監視信号108sを外部ネットワーク110bに提供することによって、監視システム106は、標的102の状態監視を容易にすることができる。
【0053】
監視システム106は、図1Bでより詳細に例示されている。図示のように、監視システム106はバックプレーン150を含んでおり、バックプレーン150は、それに連結された異なる構成要素間の通信を可能にするように構成することができる。構成要素は、測定処理回路152a、継電器出力回路154a、測定出力回路156a、構成及び診断回路160a、並びに対応するインターフェース回路152b、154b、156b、160bを含むことができる。インターフェース回路152b、154b、156b、160bは、それらの対応する回路152a、154a、156a、160aと双方向に通信するためのハードウェアインターフェースを提供することができる。個々の回路152a、154a、156a、160aは、バックプレーン150を横切って延在する受動的トレースから形成されたバス上で動作するプロトコルを使用して、選択された情報をバックプレーン150上で通信することができる。
【0054】
一態様では、測定処理回路152aは、インターフェース回路152bによって受信されたセンサ信号104sが測定処理回路152aに直接送信されるように、インターフェース回路152bに連結させることができる。すなわち、センサ信号104sは、バックプレーン150に送信されない。センサ信号104sは、出力ポート162を介して操作員によってアクセスされ得る。複数の測定処理回路152a及びインターフェース回路152bが、センサ信号104sの受信のために1対1で存在することができる。上述のように、測定処理回路152aは、受信したセンサ信号104s内に含まれる動作パラメータ測定値に対して1つ又は複数の値を決定するように構成することができる。測定処理回路152aはまた、決定された値、及び/又は拡張されたデータの測定された変数、を所定の警報状態とリアルタイムで比較し、標的102のステータスを決定することもできる。測定処理回路152aは、拡張されたデータの測定された変数、決定された値、及び決定されたステータスを表す信号をバックプレーン150に更に出力することができる。
【0055】
測定処理回路152aはまた、機械制御システム112への出力のためにプロセス変数(例えば、決定された値、拡張されたデータセットの測定された変数、報知された警報など)をフォーマットすることもできる。一例として、フォーマットは、約4mA~約20mAの範囲の電流(4~20とも称される)とすることができ、対応するスケールと比較して、決定された値及び/又は測定された変数に比例する。機械制御システム112は、標的102のプロセス制御のためにプロセス変数を利用することができる。
【0056】
測定処理回路152aによって決定されたステータスは、継電器処理回路154aによってバックプレーン150から取得することができる。継電器処理回路154aは、受信した警報ステータスに基づいて作動して警報を報知するようにプログラムされている継電器を含むことができる。一例では、継電器は、単一のステータスに基づいて作動することができる。別の例では、継電器は、2つ以上のステータスを組み合わせるブール式(例えば、AND又は投票(voting))に基づいて作動することができる。継電器処理回路154aはまた、標的102のプロセス制御のために、報知された警報を表す信号を機械制御システム112に直接出力することもできる。一例として、機械制御システム112は、警報報知を受信すると、標的102の動作を停止させることができる。報知された警報はまた、指標を提供するために、及び/又は機械制御システム112、HMI114、又はヒストリアン116のデジタル入力に入るために使用することもできる。
【0057】
測定出力回路156aは、内部ネットワーク110aへの送信のために、決定された値、拡張されたデータの測定された変数、決定されたステータス、及び報知された警報などのデータをバックプレーン150から取得することができる。受信時に、取得されたデータは、ヒストリアン116によって記憶する、及び/又は操作員がHMI114を使用して確認することができる。
【0058】
構成及び診断回路160aは、内部ネットワーク110aから第1の構成コマンドを受信し、回路152a、154a、156a、160aによる使用のために、第1の構成コマンドをバックプレーン150に送信することができる。第1の構成コマンドは、測定処理回路152aがステータスを決定する際に使用する1つ又は複数の設定点を提供することができる。第1の構成コマンドはまた、論理命令を提供し、警報報知のために継電器出力回路154aによって使用されるステータスを識別することもできる。第1の構成コマンドは、測定出力回路156aによってバックプレーン150から取得され、内部ネットワーク110aに送信される、決定された値、拡張されたデータの測定された変数、決定されたステータス、及び/又は報知された警報などのデータを更に識別することができる。
【0059】
構成及び診断回路160aはまた、内部ネットワーク110aから第2の構成コマンドを受信することもできる。第2の構成コマンドは、バックプレーン150から取得され、診断システム120による使用のために外部ネットワーク110bに送信される、決定された値、拡張されたデータの測定された変数、決定されたステータス、及び報知された警報などのデータを識別することができる。
【0060】
監視システム106は、多種多様な監視用途(例えば、異なる構成要素が監視される機械)に適用することができる。各用途は、異なる量の計算処理能力を必要とし得る。一例として、スラストを測定する低計数の保護監視システムの場合には、ごくわずかな処理能力が必要とされ得る。対照的に、大規模な蒸気及びガスの複合サイクル用途は、複数のセンサ及び関連する測定値を必要とし得る。可変速ギアボックスなど、更なる他の用途は、複雑な分析及び比較的大量の処理能力の使用を伴い得る。
【0061】
この可変の計算需要の問題に対処するために、測定監視システム106は、インターフェース回路152bが、指定された測定処理回路152aに1対1で連結されるように、構成することができる。このアーキテクチャは、所与のインターフェース回路152bによって受信されたセンサ信号104sが、受信されたセンサ信号104sの1つ又は複数の所望の分析を実行するように十分な計算能力で特に設計された測定処理回路152aとペアになることを確実にすることができる。監視システム106のコストを低減するために、測定処理回路152aのそれぞれによって保有される計算能力の量は、意図された用途にちょうど足りるだけであり得る。
【0062】
しかしながら、この設計アーキテクチャは、監視システム106の多くの異なる実装が開発され、それぞれが独自のアーキテクチャ及びツールを有するという結果をもたらし得る。また、既存の監視システム106は、調節された計算要件を満たすための柔軟性に欠けることがあり、結果として、監視デバイス106の別の実装を開発することが必要になり得るため、新しい用途は器具にとってより困難であり得る。これらの問題のいくつかは、ほとんどの用途に適合する十分な処理能力を有する比較的大きな監視デバイス106の実装を使用することによって対処することができるが、依然として、更により多くの処理能力を必要とする用途が存在し得る。更に、このような大型で計算能力の高いデバイスは、少量の計算能力のみを必要とする機械監視のために配備するには費用がかかりすぎる場合がある。
【0063】
これらの制限のうちの1つ又は複数は、本開示の柔軟な監視システムの実施形態によって対処することができる。図2Aは、柔軟な監視システム202を含む動作環境200の例示的な実施形態を示す。動作環境200は、監視システム106が柔軟な監視システム202と置き換えられていることを除いて、動作環境100と同様であり得る。柔軟な監視システム202は、バックプレーン206を含むベース204と、1つ又は複数の回路210とを含むことができる。バックプレーン206は、2つ以上の回路210と通信可能に連結するように構成され、それに連結された少なくとも1つの回路210からデータを受信することができる。本明細書で論じられるように、バックプレーン206に送信されるデータは、監視データと呼ばれることがある。一態様では、監視データは、標的102の測定された動作パラメータ及び拡張されたデータセットの測定された変数など、センサ信号104s内に含まれる情報を含むことができる。監視データはまた、標的102の測定された動作パラメータ及び/又は拡張されたデータセットの測定された変数に基づいて決定される任意の値、ステータス、及び/又は報知された警報を含むこともできる。バックプレーン206に連結された回路210は、バックプレーン206から監視データを取得することができる。特定の実施形態では、バックプレーン206は受動的であり得る。受動的バックプレーンは、コンピューティング機能を実行する論理回路を実質的に含まないか、又は全く含まなくてよい。所望の調停論理は、受動的バックプレーンに差し込まれるか、又は他の方法で通信可能に連結される、ドーターカード(例えば、回路210のうちの1つ又は複数)上に配置することができる。
【0064】
監視システム106の回路152a、154a、156a、160aとは対照的に、回路210は、柔軟な監視システム202の異なる所定の機能を実行するようにプログラム可能である共通アーキテクチャを用いて設計することができる。回路210のうちの1つ又は複数によって受信されたセンサ信号104sは、バックプレーン206に送信することができ、センサ信号104sによって表される監視データは、任意の回路210によってアクセスすることができる。この均一なアーキテクチャは、柔軟な監視システム202の配備される実装の数を減らし、柔軟な監視システム202の異なる実装の間での監視回路210の共有を可能にすることができ、これらの実装のそれぞれは、メンテナンスコスト及びシステムコストを低減することができる。また、同じ外観及び感触が、柔軟な監視システム202の全ての実装にわたって維持され得、これにより、動作及び保守時の混乱が低減し得る。
【0065】
更に、柔軟な監視システム202は、それぞれのベース204の間に共通バックプレーン206’(例えば、論理バックプレーン)を確立する方法で通信可能に連結されている複数のベース204を含むことができる。この共通バックプレーン206’は、各ベース204の個々のバックプレーン206から形成することができる。したがって、各監視回路210は、共通バックプレーン206’に沿って通信することができ、それが物理的に連結されているバックプレーン206にデータを送信すること及び/又はそれからデータを受信することに限定されない。
【0066】
追加的に、後述するように、本明細書で処理回路と呼ばれる、柔軟な監視システム202の計算ユニットは、センサ信号104sを受信する入力回路から分離することができる。その結果、バックプレーン206に連結される処理回路の数は、バックプレーン206に連結された入力回路の数から独立することができる。異なるベース204にわたって通信する監視回路210の能力は、柔軟な監視システム202の異なる実装の間で監視回路210を共有する能力と組み合わさって、利用可能な処理能力の量を受信されたセンサ信号104sとは無関係に調節するために処理回路が追加又は取り外されることを可能にし得る。
【0067】
特定の実施形態では、柔軟な監視システム202の回路210は、監視システム106の回路152a、154a、156a、160aと同様の少なくとも機能性を提供するように構成することができる。回路210の例示的な実施形態を図2A図3に示し、以下に詳細に説明する。一例として、回路210は、入力回路210i、処理回路210p、出力回路210o、及びインフラストラクチャ回路210nを含むことができる。しかしながら、回路210が、他の機能を実行するようにプログラムされ得ることは理解することができる。回路210の更なる考察はまた、「Gated Asynchronous Multipoint Network Interface Monitoring System」と題された米国特許出願第15/947,716号にも見出すことができ、その全体が参照により組み込まれる。したがって、柔軟な監視システム202は、センサ信号104sを受信し、監視信号206s、208sを内部及び外部ネットワーク110a、110bにそれぞれ出力するように構成することができる。以下に詳述するように、柔軟な監視システム202の更なる実施形態は、機械制御システム112のセキュリティを損なうことなく、内部及び外部ネットワーク110a、110bからコマンド信号209s、211sをそれぞれ受信することができる。その結果、柔軟な監視システム202は、改善された柔軟性及び機能性を提供すると同時に、監視システム106の既存の配備に対する好適な代替品であり得る。
【0068】
このアーキテクチャにより、回路210は、1つ又は複数のバックプレーン206上において様々な方法で組み合わされて、柔軟な監視システム202の異なる実装を形成することができる。柔軟な監視システム202の所与の実装に含まれるベース204、入力回路210i、処理回路210p、出力回路210o、及びインフラストラクチャ回路210nの数もまた、互いに独立して変化することができる。いくつかの実装では、柔軟な監視システム202は、信号入力、信号出力、保護監視、状態監視、及びこれらの組み合わせを提供するように構成された回路210を含む、単一のベース204の形態であり得る。他の実装では、柔軟な監視システム202は、少なくとも2つのベース204の形態であり得、信号入力、信号出力、保護監視、及び状態監視の任意の組み合わせを実行するように構成された回路210が、この少なくとも2つのベース204の間で分散され得る。このように、柔軟な監視システム202の入力、処理、及び出力能力、並びに柔軟な監視システム202の異なる回路210の物理的位置は、特定の監視用途に合わせて調整され得る。
【0069】
更に、柔軟な監視システム202の実装は、意図された監視用途が変化する場合、所与のベース204に連結された回路210を修正するために、初期配備された後に修正され得る。それらの共通アーキテクチャを考慮すると、回路210が、収容能力を有するベース204に容易に追加されて、新しい回路210に連結することができる。あるいは、1つ又は複数の新しいベース204が、既存のベース204に通信可能に連結されてもよく、それにより、1つ又は複数の新しい回路210が、新しいベース204のそれぞれのバックプレーン206に連結されることが可能になり、柔軟な監視システム202の監視能力を拡張することができる。場合によっては、柔軟な監視システム202の1つのベース204から取り外された回路210は、予備部品として保管するか、又は柔軟な監視システム202の同じ若しくは異なる実装の別のベース204に再配備することができ、これは、有益であり得る。
【0070】
特定の実施形態では、入力回路210iは、センサ信号104sを受信し、センサ信号104s上で信号状態調節を行い、状態調節されたセンサ信号104sをバックプレーン206に出力するように、構成することができる。図1A図1Bの監視システム106とは対照的に、入力回路210iは、処理回路210pから分離させることができ、それにより、柔軟な監視システム202の入力回路210iの数は、処理回路210pの数とは無関係に変化させることが可能である。
【0071】
センサ信号104sは、様々な異なるタイプのセンサ104から受信することができる。センサタイプの例としては、振動センサ、温度センサ(例えば、抵抗温度検出器又はRTD)、位置センサ、及び圧力センサが挙げられ得るが、これらに限定されない。とりわけ、いくつかの実施形態では、バックプレーン206/共通バックプレーン206’にセンサ信号104sを送信する入力回路210iの能力は、入力回路210iを任意の特定の処理回路210pから分離させることができ、処理回路210pのうちの任意の1つ又は複数が、任意の測定された動作パラメータに関して分析を実行することを可能にする。
【0072】
柔軟な監視システム202の実施形態は、1つ又は複数の入力回路210iを含むことができる。図2Aに示すように、柔軟な監視システム202は、2つの入力回路210iを含む。入力回路210iのそれぞれは、対応するセンサ信号104s(例えば、第1のセンサによって取得される)の受信のために、それぞれのセンサ104と通信することができる。一例として、一方のセンサ信号104sは、第1の機械構成要素の第1の動作パラメータの測定値を含む第1の監視データを表すことができる。他方のセンサ信号104sは、第2の機械構成要素の第2の動作パラメータの測定値(例えば、第1のセンサとは異なる、第2のセンサによって取得される)を含む第2の監視データを表すことができる。特定の実施形態では、第1及び第2の機械構成要素は、同じであってもよい(例えば、標的102)。他の実施形態では、第1及び第2の機械構成要素は、異なっていてもよい(例えば、標的102及び異なる標的[図示せず])。同様に、いくつかの実施形態では、第1及び第2の動作パラメータは、同じ動作パラメータであってもよい。一態様では、この構成は、センサ104のうちの1つが故障した場合の冗長性を提供することができる。別の態様では、この構成は、所望の測定値(例えば、シャフト回転速度)が、時間(位相)において協調された2つのセンサ測定値から導出される場合に、利用することができる。追加の実施形態では、第1及び第2の動作パラメータは、異なっていてもよい。2つの入力回路210iが例示され、説明されてきたが、監視システムの他の実施形態は、より多い又はより少ない入力回路を含むことができる。
【0073】
異なるタイプのセンサ104は、異なるフォーマットでセンサ信号104sを生成することができ、入力回路210iは、異なるセンサ信号104sに適した信号状態調節を実行してから、状態調節されたセンサ信号をバックプレーン206に送信するように、プログラムすることができる。一例として、位置センサから受信されるセンサ信号104sは、位置入力回路250によって受信することができる。振動センサから受信されるセンサ信号104sは、振動入力回路252によって受信することができる。温度センサから受信されるセンサ信号104sは、温度入力回路254によって受信することができる。圧力センサから受信されるセンサ信号104sは、圧力入力回路256によって受信することができる。
【0074】
他の実施形態では、入力回路210iは、個別接点回路260の形態であり得る。個別接点回路260は、外部スイッチ又は継電器によって閉じることができる一対の接点を含むことができる。一対の接点は、機械制御システム112によって、又は機械制御システム112の操作員がスイッチを閉じることによって、閉じることができる。個別接点回路260は、柔軟な監視システム202の挙動を変化させるために使用することができる。挙動変化の例としては、機械動作の異なるモード、柔軟な監視システム202に警報決定を抑止させること、及び警報ステートをリセットすることが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0075】
監視システム106は、個別接点を含むことができるが、特異性を欠くことがある。一例として、測定システム106内の個別接点を閉じることによってもたらされる変化は、測定システム106によって生成される全ての警報にもたらされ得る。対照的に、柔軟な監視システム202の個別接点回路260は、保護処理回路264から分離されているため、個別接点回路260は、選択された警報決定のみをもたらし、かつ/又は警報ステート、若しくは影響をリセットするように、構成することができる。
【0076】
更なる実施形態では、入力回路210iは、デジタルデータストリーム入力回路262の形態であり得る。一例として、デジタルデータストリーム入力回路262は、(例えば、センサ104からの)アナログデータストリームとは対照的に、センサ104、機械制御システム112、及び/又は信頼できる第三者システムからデジタルデータストリームを受信するように構成することができる。
【0077】
処理回路210pは、バックプレーン206から任意のデータを取得し、取得された動作パラメータを分析し、そのような分析の結果を出力するように、構成することができる。特定の実施形態では、処理回路210pは、保護機能を実行するように構成することができ、本明細書において保護処理回路264と呼ばれ得る。他の実施形態では、処理回路210pは、診断及び/又は予測機能(例えば、状態監視)を実行するために、選択されたデータをバックプレーン206から取得し、取得された情報を診断システム120に送信するように構成することができ、本明細書において状態処理回路266と呼ばれ得る。
【0078】
柔軟な監視システム202の所与の実装に含まれる処理回路210p及び入力回路210iの数は、互いに独立して変化することができる。特定の実施形態では、処理回路210pは、保護監視及び/又は状態監視のために利用可能なコンピューティングリソースの量を調整するために、バックプレーン206に追加するか、又はバックプレーンから取り外すことができる。他の実施形態では、所与の処理回路210pは、より大きい又はより小さいコンピューティング電力を有する別の処理回路210pによって置き換えることができる。
【0079】
これらのシナリオのいずれも、特定の状況下で有益であり得、所与の用途に合わせて調整することができる、及び/又は必要に応じて修正することができる、柔軟な監視システム202に、計算の柔軟性を提供することができる。一例では、比較的低い重要性を有する機械は、より高いコスト圧力及びより低い処理要件を有し得る。この状況では、柔軟な監視システム202の実装は、コストに合わせて調整された処理リソースを有する処理回路210pを含むことができる。別の例では、特定の監視用途が、高い処理要件を必要とする場合がある(例えば、測定されたパラメータを特徴付ける値を決定するために、監視データの出力のために、など)。この状況では、柔軟な監視システム202の実装は、処理リソースに合わせて調整された処理リソースを有する処理回路210pを含むことができる。したがって、柔軟な監視システム202のアーキテクチャは、意図される監視用途の優先度に応じて異なるユースケースに適応することを可能にし得る。
【0080】
保護処理回路264及び状態処理回路266は、異なる機能性を参照して以下に論じられる。しかしながら、保護処理回路264は、状態処理回路266の任意の機能を実行するようにプログラムすることができる。状態処理回路266は、データをバックプレーン206に送信すること及びローカルストレージを提供することを除いて、保護処理回路264の機能を実行するようにプログラムすることができる。状態処理回路266がデータをバックプレーン206に送信することを抑止する能力は、不正侵入を抑止し、内部ネットワーク110a及び機械制御システム112の保護を容易にすることができる。
【0081】
保護処理回路264は、保護コマンドの受信に応じてバックプレーン206から、選択された監視データを取得するように構成することができる。一例として、1つ又は複数の保護コマンドが、内部ネットワーク110aから(例えば、機械制御システム112の操作員から)受信した保護コマンド信号209sの形態で保護処理回路264に送信され得る。選択された監視データは、バックプレーン206に送信された監視データの少なくとも一部分を含むことができる。バックプレーンに送信された監視データは、入力回路210i又は別の保護処理回路264から受信することができる。保護処理回路264はまた、選択された監視データを特徴付ける値を決定し、決定された値を追加の監視データとしてバックプレーン206に送信するように、構成することもできる。
【0082】
保護処理回路264は、決定された値、バックプレーン206から(例えば、別の保護処理回路264から)取得された別の決定された値、及びこれらの組み合わせと、1つ又は複数の所定の設定点との比較に基づいて、選択された監視データのステータスを決定するように構成することができる。所定の設定点は、それぞれの警報状態(例えば、警戒状態、危険状態など)に対応し得る。上記の例を続けると、決定された値が径方向振動の振幅である場合、1つ又は複数の設定点は、警戒設定点、警戒設定点を超える危険設定点、及びこれらの組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、単一の設定点を採用することができる。警戒及び危険設定点の使用を仮定すると、径方向振動振幅値が警戒設定点未満である場合、径方向振動振幅のステータスは「OK」として決定することができる。径方向振動振幅値が警戒設定点以上である場合、径方向振動振幅のステータスは「警戒」として決定することができる。径方向振動振幅値が危険設定点を超えている場合、動作パラメータのステータスは「危険」として決定することができる。このようにして、選択された監視データのステータスが決定された後、保護処理回路264は、決定されたステータスをバックプレーン206に送信することができる。
【0083】
柔軟な監視システム202内に存在する保護処理回路264の数は、入力回路210iとは独立して変化することができる。特定の実施形態では、保護処理回路264は、柔軟な監視システム202に利用可能なコンピューティングリソースを増加させるために追加することができる。他の実施形態では、保護処理回路264は、柔軟な監視システム202に利用可能なコンピューティングリソースを減少させるために取り外す又は交換することができる。それぞれは、特定の状況下で有益であり得、柔軟な監視システム202に計算の柔軟性を提供することができる。
【0084】
状態処理回路266は、選択された監視データをバックプレーン206から取得することと、診断システム120による使用のために、取得された監視データを外部ネットワーク110bに提供することと、を行うように構成することができる。特定の実施形態では、選択された監視データは、状態調節コマンドの受信に応じて状態処理回路266によって取得され得る。一例として、1つ又は複数の状態調節コマンドが、外部ネットワーク110bから受信することができる状態調節コマンド信号211sの形態で、状態処理回路266に送信され得る(例えば、診断システム120の操作員から)。一方、診断システム120は、取得された監視データを利用して、ステータス及び/又は警報状態の原因を判定することができる。代替的に又は追加的に、診断システム120はまた、取得された監視データを用いて、ステータス及び/又は警報状態の発生をそれらが発生する前に予測することもできる。更なる実施形態では、診断システム120は、取得された監視データを後続の分析のために記憶することができる。追加の実施形態では、診断システム120は、取得された監視データを分析のために別のコンピューティングデバイスに送信することができる。
【0085】
更なる実施形態では、状態処理回路266は、所定のステータスの検出に基づいて、選択された監視データをバックプレーン206から取得することができる。一例として、状態処理回路266は、保護処理回路264によって生成されたステータスを取得し、確認して、所定のステータスに一致するステータスを識別することができる。識別されたステータスはまた、ステータスが決定された時間を特徴付けるステータス時間を含むこともできる。一致の識別時、状態処理回路266は、ステータス時間より前及び/又は後の持続時間の所定のステータスに対応する動作パラメータ測定値を含む、選択された監視データを取得することができる。このようにして、診断システム120は、ステータスの原因を判定することに関連する動作パラメータ情報が提供され得る。所定のステータス及び選択された監視データは、1つ又は複数の状態調節コマンド内に含まれ得る。
【0086】
柔軟な監視システム202内に存在する状態処理回路266の数は、入力回路210iの数とは独立して変化することができる。特定の実施形態では、状態処理回路266は、監視データを出力する柔軟な監視システム202の能力を高めるために追加することができる。一例として、2つ以上の状態処理回路266が、柔軟な監視システム202内に存在する場合、それぞれに、異なる測定された動作パラメータの出力を課すことができる。別の例では、2つ以上の状態処理回路266が、冗長性を提供するために、同じ測定された動作パラメータを出力することができる。それぞれは、特定の状況下で有益であり得、柔軟な監視システム202に計算の柔軟性を提供することができる。更なる例では、状態処理回路266は、標準動作を妨げることなくカスタム分析を実装するために(例えば、新しい分析をベータテストするときに)追加することができる。
【0087】
出力回路210oは、出力コマンド(例えば、内部ネットワーク110aから受信した1つ又は複数の保護コマンド信号209sに含まれる)の受信に応じて、バックプレーン206上に含まれる任意の監視データを取得するように構成することができる。出力回路210oは、監視信号206sの形態で、取得された監視データを内部ネットワーク110aに更に出力することができる。出力回路210oによって取得される監視データの例としては、動作パラメータ測定値、決定された値、拡張されたデータセットの変数、ステータス、及び警報が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0088】
一態様では、出力回路210oは、比例出力回路270の形態であり得る。比例出力回路270は、プロセス制御信号300の形態で監視信号206sを出力するように構成することができる。プロセス制御信号300sは、所定のスケールと比較して、直接測定値又は拡張されたデータセットの変数など、プロセス変数に比例し得る。一例として、電流出力が、4~20mAの出力であり得る。プロセス制御信号300sは、標的102の動作パラメータの制御を容易にするために、直接又は内部ネットワーク110a経由のいずれかで、機械制御システム112に提供され得る。プロセス制御信号300に含まれるプロセス変数は、保護コマンド信号209sによって指定することができる。
【0089】
更なる実施形態では、出力回路210oは、選択されたステータスデータをバックプレーン206から取得することと、受信された警報ステータスに基づいて作動して警報を報知することと、を行うように構成された、1つ又は複数の継電器回路272の形態であり得る。報知された警報は、警報信号302sの形態で出力され得る。一例では、継電器は、単一のステータスに基づいて作動することができる。別の例では、継電器は、2つ以上のステータスを組み合わせる所定のブール式(例えば、AND又はOR投票)に基づいて作動することができる。警報信号302sは、内部ネットワーク110aを介して機械制御システム112に提供されて、又は機械制御システム112に直接提供されて、標的102の動作パラメータの制御を容易にすることができる。一例として、機械制御システム112は、警報信号302sの受信に応じて標的102の動作を停止させることができる。継電器の作動に用いられる選択されたステータスデータ及び論理は、保護コマンド信号209sによって指定することができる。
【0090】
他の実施形態では、出力回路210oは、少なくとも1つの通信インターフェース回路274の形態であり得る。通信インターフェース回路274は、保護コマンド信号209sの受信に応じてバックプレーン206から、選択された監視データを取得するように構成することができる。選択された監視データは、測定された動作パラメータ、拡張されたデータセットの測定された変数、決定されたステータス、及び決定された警報のうちの1つ又は複数を含むことができる。取得されたデータは、機械制御システム212(例えば、プロセス制御用)、HMI114(例えば、操作員のディスプレイ)による使用のために1つ又は複数の帰還信号306sで内部ネットワーク110aに送信され得る、及び/又はヒストリアン116によって記憶され得る。
【0091】
インフラストラクチャ回路210nは、柔軟な監視システム202が動作するために必要とされる機能を実行するように構成することができる。一態様では、インフラストラクチャ回路210nは、システムインターフェース回路276の形態をとることができる。システムインターフェース回路276は、保護監視に関与する回路(例えば、保護処理回路264、出力回路210i)の構成を容易にする保護コマンド信号209sを内部ネットワーク110aから監視システム220に送信するためのアクセスポイントとして機能することができる。保護コマンド信号209sは、以下のいずれかを含む1つ又は複数の信号を任意の組み合わせで含むことができる:保護処理回路264及び出力回路210iのそれぞれが取得及び/又は出力する選択された監視データの識別、保護処理回路264のための警報設定点、並びに継電器出力回路272による継電器の報知のための論理。
【0092】
監視システム106とは対照的に、柔軟な監視システム202の実施形態が、保護監視機能(例えば、システムインターフェース回路276)及び状態監視機能(例えば、状態処理回路266)を構成する回路210を別個にし得ることは理解することができる。その結果、保護監視構成は、内部ネットワーク110a上で完全に実行することができ、その一方で、状態監視構成は、外部ネットワーク110b上で完全に実行することができる。すなわち、内部ネットワーク110aは、外部ネットワーク110bに通信可能に連結されていない。その結果、状態調節コマンド信号211sは、機械制御システム112の権限のある操作員から承認を得ることを必要とせずに、状態処理回路266に提供することができる。
【0093】
状態処理回路266が外部ネットワーク110b及びバックプレーン206と通信することを可能にすることに内在するサイバーセキュリティリスクを理解して、状態処理回路266は、データ取得のみのバックプレーン206との一方向通信に制限することができる。そのような一方向通信は、ハードウェア(例えば、データダイオード)、ファームウェア、及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって確立することができる。特定の実施形態では、この一方向通信は、少なくともハードウェアを通じて提供される。その結果、柔軟な監視システム202は、状態処理回路266の迅速な構成を容易にしながら、悪意のある行為者から安全であることを維持することができる。
【0094】
別の態様では、インフラストラクチャ回路210nは、電力入力回路280の形態をとることができる。電力入力回路280は、1つ又は複数の電力源を柔軟な監視システム202に接続する能力を提供することができる。
【0095】
更なる態様では、インフラストラクチャ回路210nは、ブリッジ回路282の形態をとることができる。ブリッジ回路282は、2つ以上のベース204のバックプレーン206を互いに接続し、それらの間の通信のための共通のバックプレーン206’を形成する能力を提供することができる。
【0096】
そのように構成されると、回路210の実施形態は、1つ又は複数のベース204の間に分散された任意の組み合わせで配置されて、所望の監視能力(例えば、入力、処理、出力など)を有する柔軟な監視システムの実装を形成することができる。異なる監視機能を提供するために異なるグループ分けの回路210及びベース204から構成された柔軟な監視システム202の例示的な実施形態が、図4A図4Cにそれぞれ示されている。図4A図4Cの実施形態のそれぞれでは、図示された処理回路210pは、意図される用途のために必要に応じて、単一の処理回路210p又は2つ以上の処理回路210pであり得る。更に、バックプレーン206に連結するためのスペースが空いていれば、処理回路210pは、図示された監視システム202に更に追加することができる。
【0097】
図4Aは、比較的大きいと見なすことができる柔軟な監視システム400の形態で柔軟な監視システム202を示しており、様々な異なるセンサタイプに対して保護監視及び状態監視の両方を実行するように構成することができる。図示のように、柔軟な監視システム400は、振動入力回路252(VI)、温度入力回路254(TI)、個別接点260(DC)などの入力回路210iを含む。柔軟な監視システム400はまた、保護監視機能(PM)を提供するように構成された保護処理回路264及び状態監視機能(CM)を提供するように構成された状態処理回路266などの処理回路210pも含む。柔軟な監視システム400は、継電器出力回路272(RO)、比例出力回路270(4~20)、及び通信インターフェース回路274(CI)など、出力回路210oを更に含むことができる。柔軟な監視システム400は、電力入力回路280(PI)及びシステムインターフェース回路276(SI)など、インフラストラクチャ回路210nを追加的に含むことができる。
【0098】
図4Bは、柔軟な監視システム400よりも小さくすることができる柔軟な監視システム402(例えば、「中型」システム)の形態で柔軟な監視システム202を示しており、単一のタイプのセンサ104に対して保護監視を実行するように構成することができる。図示のように、柔軟な監視システム402は、振動入力回路252(VI)などの入力回路210iを含む。柔軟な監視システム402はまた、保護処理回路264(PM)を含む処理回路210pを有することもできる。柔軟な監視システム402はまた、継電器出力回路272(RO)及び4mA~20mAの出力を提供する比例出力回路270(4~20)などの出力回路210oを含むこともできる。柔軟な監視システム402は、電力入力回路280(PI)及びブリッジ回路282(BR)など、インフラストラクチャ回路210nを追加的に含むことができる。
【0099】
図4Cは、柔軟な監視システム400及び402の両方よりも小さくすることができる柔軟な監視システム404(例えば、「小型」システム)の形態で柔軟な監視システム202を示しており、単一のタイプのセンサ104に対して保護監視を実行するように構成することができる。図4Cに示すように、柔軟な監視システム404は、振動入力回路252(VI)など、単一の入力回路210iを含む。柔軟な監視システム404はまた、保護処理回路264(PM)を含む処理回路210pを有することもできる。柔軟な監視システム404はまた、継電器出力回路272(RO)などの出力回路210oを含むこともできる。柔軟な監視システム404は、電力入力回路280(PI)及びブリッジ回路282(BR)など、インフラストラクチャ回路210nを追加的に含むことができる。
【0100】
更なる実施形態では、柔軟な監視システム202は、ブリッジ回路282を介して通信可能に連結されている複数のベース204から構成され得る。このようにして、共通バックプレーン206’は、ブリッジ連結されたベース204の全てを横断して延在することができ、各ベース204のバックプレーン206からの全ての情報が、任意の他のベース204のバックプレーン206に送信され得る。図5図7の実施形態のそれぞれでは、図示された処理回路210pは、意図される用途のために必要に応じて、単一の処理回路210p又は2つ以上の処理回路210pであり得る。更に、バックプレーン206に連結するためのスペースが空いていれば、処理回路210pは、図示された監視システム202に更に追加することができる。複数の処理回路210pは、単一のベース204に連結されるか、又は2つ以上のベースにわたって分散され得る。
【0101】
柔軟な監視システム500の形態の柔軟な監視システム202の例示的な実施形態が、図5に示されている。図示のように、柔軟な監視システム500は、3つのベース502、504、及び506を含んでおり、これらのベースは、それらの対応のブリッジ回路282(BR)において、通信リンク510を使用して互いに通信可能に連結されている。通信リンク510は、電気ケーブル、光ファイバケーブル、及び無線通信を含むが、これらに限定されない、任意の通信接続であり得る。ベース502は、個別接点260、状態処理回路266(CM)、継電器出力回路272(RO)、及び通信インターフェース回路274(CI)を含むことができる。ベース504は、振動入力回路252(VI)、保護処理回路264(PM)、継電器出力回路272(RO)、及び4mA~20mAの出力を提供する比例出力回路270(4~20)を含むことができる。ベース506は、振動入力回路252(VI)及び継電器出力回路272(RO)を含むことができる。ベース502、504、506のそれぞれはまた、対応のブリッジ回路282(BR)及び電力入力回路280(PI)を含むこともできる。保護コマンド信号209sは、ベース502に実装されたシステムインターフェース回路276(SI)を使用して、共通バックプレーン206’を介して、ベース502、504、506のそれぞれに提供することができる。
【0102】
柔軟な監視システム600の形態の柔軟な監視システム202の別の例示的な実施形態が、図6に示されている。図示のように、柔軟な監視システム600は、2つのベース602及び604を含んでおり、これらのベースは、それらの対応のブリッジ回路282(BR)において、通信リンク510と同様の通信リンク606を使用して互いに通信可能に連結されている。ベース602は全ての処理回路210pを含むことができ、一方、ベース604は、入力回路210i及び出力回路210oの全て又は実質的に全てを含むことができる。ベース604は、マーシャリングキャビネット内など、ベース602から離れて位置することができ、一方、ベース602は、アクセスを容易にするために制御室に近接したままであってよい。
【0103】
柔軟な監視システム202の実施形態の効率を改善するために、回路210は、機能ごとに分離され、対応のベース204の間でブリッジ回路282(BR)を介して共有されることができる。柔軟な監視システム700の形態の柔軟な監視システム202の例示的な実施形態が、図7に示されている。図示のように、柔軟な監視システム700は、5つのベース702、704a、704b、704c、704dを含む。ベース702は、保護処理回路264(PM)及び状態処理回路266(CM)の両方を含む。ベース704a~704dはそれぞれ同じであり、温度入力回路254(TI)及び振動入力回路252(VI)を含む。ベース702及び704a~704dは、それらの対応のブリッジ回路282(BR)において、通信リンク510と同じであり得る通信リンク706によって互いに通信可能に連結されている。この構成は、高価な共通回路(例えば、保護処理回路264、状態処理回路266、通信インターフェース回路274、システムインターフェース回路276)がベース702内に収容され、制御室に近接して配置されることを、可能にすることができる。温度入力回路256(TI)及び振動入力回路254(VI))など、入力回路210iは、いくつかの小型機械を監視するために使用され、かつ1つ又は複数の監視される機械に局所的に位置付けられるように、ベース704a~704d内に収容することができる。
【0104】
図8は、機械を監視するための方法800の例示的な実施形態を示す流れ図である。方法800は、柔軟な監視システム202を参照して説明される。特定の態様では、方法800の実施形態は、図8に例示されるものよりも多い又は少ない動作を含むことができ、動作は、図8に示されるものとは異なる順序で実行することができる。
【0105】
動作802では、複数の回路を少なくとも1つのバックプレーン(例えば、206)に連結することができる。複数の回路は、入力回路(例えば、210i)及び少なくとも1つの処理回路(例えば、210p)を含むことができる。複数の回路はまた、出力回路(例えば、210o)及びインフラストラクチャ回路210nのうちの少なくとも1つを含むこともできる。一例として、回路をバックプレーン206のスロット又はポートに挿入することができる。
【0106】
動作804では、入力回路210iは、入力回路210iが連結されているバックプレーン206に監視データを送信することができる。監視データは、センサによって取得された機械構成要素の動作パラメータの測定値を表すことができる。
【0107】
動作806では、少なくとも1つの処理回路が、少なくとも1つの以下のことを実行することができる:少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンから監視データの選択された部分を取得すること、及び選択された監視データを特徴付ける値を決定し、決定された値を少なくとも1つの処理回路が連結されているバックプレーンに送信すること。少なくとも1つのバックプレーンに連結された処理回路の数は、少なくとも1つのバックプレーンに連結された入力回路の数から独立することができる。
【0108】
本明細書に記載される方法、システム、及びデバイスの例示的な技術的効果としては、非限定的な例として、共通アーキテクチャを有する柔軟な監視回路が挙げられる。共通アーキテクチャは、柔軟な監視システム内で管理される構成要素の数を低減することができ、柔軟な監視システムの異なる実装にわたって共通の予備部品の使用を可能にし得る。監視回路の共通アーキテクチャはまた、監視回路が同様に動作することを可能にすることもでき、異なる監視システムの挙動における違いを誤って理解することに起因する問題を低減し得る。共通アーキテクチャは更に、所望の機械監視能力を有する柔軟な監視システムの新たな実装を形成するために、監視回路が任意の組み合わせで配置されることを可能にし得る。監視回路は、それぞれの監視システムベースのバックプレーンの間に共通バックプレーンを確立する通信を容易にするように構成されているブリッジ回路を含むことができる。この構成は、監視回路が連結されている物理的バックプレーンにかかわらず、監視回路が、共通バックプレーンからのデータを送信及び/又は受信することを可能にすることができる。保護監視及び/又は状態監視のための計算処理能力は、受信されるセンサ信号とは無関係に、監視システムからの処理回路の追加又は取り外しによって増大又は減少させることができる。
【0109】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ又は複数の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示されているシステム、デバイス、及び方法が、非限定的で例示的な実施形態であること、並びに本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることは理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は説明されている特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。このような修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の同様の名称の構成要素は、概して類似の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、各同様の名称の構成要素の各特徴は、必ずしも十分に詳述されていない。
【0110】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、1つのコンピュータ、又は複数のコンピュータ)による実行のために、又はデータ処理装置の動作を制御するために、情報キャリア(例えば、機械可読記憶デバイス)で有形に具現化される、又は伝播信号で具現化される、1つ又は複数のコンピュータプログラムなど、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実装することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても知られる)は、コンパイラ言語又はインタプリタ言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、独立型プログラムの形態、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適した他の単位の形態を含む、任意の形態で配備することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルと一致するとは限らない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラムの専用の単一ファイル内に、又は複数の協調ファイル(例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの部分を記憶するファイル)内に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトにある、若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された、複数のコンピュータ上で実行されるように、配備することができる。
【0111】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって本明細書に記載される主題の機能を実行するために、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、本明細書に記載される主題の装置は、専用論理回路として実装することができる。
【0112】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ若しくは複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそれからデータを受信するか、若しくはそれにデータを転送するか、若しくはその両方を行うように動作可能に連結されている。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに適した情報キャリアには、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、及び光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)を含む、不揮発性メモリの全ての形態が含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0113】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を与えることができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータ上に実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。
【0114】
本明細書に記載される技術は、1つ又は複数のモジュールを使用して実装することができる。本明細書で使用するとき、用語「モジュール」は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア上にもファームウェア上にも実装されてなく、非一時的なプロセッサ読み取り可能な記録可能記憶媒体上に記録されてもいない、ソフトウェアとして、解釈されるべきではない(すなわち、モジュールは、ソフトウェアそのものではない)。実際に「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくともいくつかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有することができる(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用することができる)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために、組み合わせ、統合し、分離し、及び/又は複製することができる。また、特定のモジュールにおいて実行されるものとして本明細書に記載された機能は、この特定のモジュールにおいて実行される機能の代わりに又はそれに加えて、1つ若しくは複数の他のモジュールにおいて及び/又は1つ若しくは複数の他のデバイスによって、実行することができる。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの複数のデバイス及び/又は他の構成要素にわたって実装することができる。追加的に、モジュールは、1つのデバイスから移動させ、別のデバイスに追加することができ、及び/又は両方のデバイスに含めることができる。
【0115】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザが本明細書に記載される主題の実装と対話することができる、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実装することができる。システムの構成要素は、任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって、相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及び広域ネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0116】
本明細書及び特許請求の範囲を通して本明細書で使用するとき、近似する言い回しは、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく許される程度に変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用されてよい。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似する言い回しは、値を測定するための器具の精度に対応し得る。ここで、本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲制限は、組み合わされても、及び/又は交換されてもよく、そのような範囲は特定され、文脈又は言い回しで他を意味しない限り、その範囲内に含まれる全ての部分範囲を含む。
【0117】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8