(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】家電製品用作動ユニット
(51)【国際特許分類】
H01H 15/16 20060101AFI20220401BHJP
A47J 42/40 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
H01H15/16 Z
A47J42/40
(21)【出願番号】P 2020563898
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019061537
(87)【国際公開番号】W WO2019219429
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】102018207507.7
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517368671
【氏名又は名称】デロンギ・ブラウン・ハウスホールド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・デックスハイマー
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-019273(JP,U)
【文献】実開昭56-022732(JP,U)
【文献】実開昭54-131049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 15/16
A47J 42/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電製品(100)のための作動ユニットであって、
第1スイッチ要素(14,14′)が設けられた回路基板(13,13′)と、
とりわけ長孔として形成された凹所(113,113´)を有した作動ボタン(110,110′)と、
作動部材ベース(21,21′)を有した作動部材(20,20′)であって、前記作動部材ベース(21,21′)から延在した突出部(23,23′)を有し、該突出部(23,23′)は、前記作動部材(20,20′)及び前記作動ボタン(110,110′)が、組立状態において、前記突出部(23,23′)の延在に対応する方向及び更なる方向に自由度を持つように、前記作動ボタン(110,110′)の前記凹所(113,113′)に入り込む、作動部材(20,20′)と、
を備
え、
前記作動部材(20,20′)がスライド部(22)を有し、該スライド部(22)が、スライド動作によって前記第1スイッチ要素(14,14′)のスイッチ部品(14a,14a′)を作動させるよう構成されてなる、
作動ユニット。
【請求項2】
前記突出部(23,23′)が、前記作動部材(20,20′)における前記スライド部(22)と反対側から延出してなる、請求項
1に記載の作動ユニット。
【請求項3】
前記突出部(23,23′)が円筒状のピンとして構成されてなる、請求項1
または2に記載の作動ユニット。
【請求項4】
前記作動部材(20,20′)が係合部(24,24′)を有し、該係合部(24,24′)は、前記作動部材ベース(21)から延出するとともに、第2スイッチ要素(15,15′)のスイッチ部品(15a)を収容するための収容部(24a,24a′)を有してなる、請求項1から
3のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項5】
前記係合部(24,24′)が、前記作動部材ベース(21,21′)から前記突出部(23,23′)と同じ方向に延出している、請求項
4に記載の作動ユニット。
【請求項6】
前記収容部(24a)が、前記第2スイッチ要素(15)のスイッチ部品(15a)を収容するために作動方向(B)に開口している、請求項
4または
5に記載の作動ユニット。
【請求項7】
前記回路基板(13,13′)に取り付けられたベース(19,19′)を備え、該ベース(19,19′)はガイド部(19b,19b′)を有し、
好ましくは、前記ベース(19,19′)の前記ガイド部(19b,19b′)は前記
作動ボタン(110,110′)の作動方向(B)に延在した凹所であり、該凹所に前記作動部材ベース(21,21′)がセクションで収容されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項8】
前記ベース(19,19′)が、前記回路基板(13,13′)の開口部内に挿入される少なくとも一つの接続部(19a,19a′)を有してなる、請求項
7に記載の作動ユニット。
【請求項9】
前記作動部材(20,20′)及び前記作動ボタン(110,110′)の2自由度の方向が、前記作動ボタン(110,110′)
の作動方向(B)に対し直交するよう位置合わせされている、請求項1から
8のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項10】
前記回路基板(13,13′)に第2スイッチ要素(15,15′)が設けられ、好ましくは、該第2スイッチ要素(15,15′)はポテンショメータである、請求項1から
9のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項11】
前記作動部材(20,20′)が前記第1スイッチ要素(14,14′)及
び第2スイッチ要素(15,15′)を作動されるよう構成されてなる、請求項1に記載の作動ユニット。
【請求項12】
ハウジング本体(101,101′)と、請求項1ないし
11のいずれか一項に記載の作動ユニットとを備え、該家電製品のモータ(12)を作動されるための前記作動ボタン(110,110′)が前記ハウジング本体(101,101′)の開口部(103)に収容されてなる、家電製品(100)。
【請求項13】
前記家電製品がスティックブレンダー、ハンドミキサー、又はハンドブレンダーである、請求項
12に記載の家電製品(100)。
【請求項14】
家電製品(100)、とりわけ請求項
12又は
13に記載の家電製品の組立方法であって、
第1スイッチ要素(14,14′)及び作動部材(20,20′)を備えた回路基板(13,13′)をハウジング本体(101,101′)内に挿入し、前記作動部材(20,20′)は前記作動部材ベース(21,21′)から延出した突出部(23,23′)を有しており、かつ、
前記突出部(23,23′)を、作動ボタン(110,110′)のとりわけフォーク状とされた凹所(113,113′)内に 前記作動部材(20,20′)及び前記作動ボタン(110,110′)が組立状態において互いに2方向に位置合わせされるように挿入する、
家電製品(100)の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電化製品、好ましくは電気的に駆動可能な家庭用電化製品、特にスティックブレンダー、ハンドミキサー又はハンドブレンダーなどの手持ち式家庭用電化製品のための作動ユニットに関する。本発明は、さらに、家庭用電化製品の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のスティックブレンダーでは、該スティックブレンダーを駆動するためのモータ、回路基板、及びモータと回路基板を支持するプラスチックリングを含む組立体が、スティックブレンダーのハウジングに片側から挿入され、次いで超音波溶接によってハウジングに接続される。溶接接続は、前記組立体のプラスチックリングとハウジングの間に形成される。
【0003】
一部のスティックブレンダーは、作動経路に対応するポテンショメータによる速度調整を有するという特徴がある。この機能は、メインスイッチを押し、かつ、スティックブレンダーの作動ボタンを動かすことでポテンショメータを作動することの両方で実行される。
【0004】
そのようなスティックブレンダーに組み込まれた複数の部品によって長い公差チェーンができる。当該システムによって、例えば、生産のために考慮されるべき公差ギャップが作動の部分又は作動ボタンにある。
【0005】
回路基板上の公差チェーンを小さく保つために、メインスイッチ及びポテンショメータのための作動部材、並びに対応するガイドから一の組立体を形成し、そして、この組立体を回路基板に固定することが知られている。これにより、メインスイッチ及びポテンショメータの双方の切換は常に信頼性の高いものとなる。したがって、公差ギャップは、ハウジングと作動ボタンとの間の接続にシフトする。
【0006】
前記チェーンにおける全ての部品が公差の影響を受けるため、公差補償は、(スティックブレンダーが直立位置にあるときに)垂直方向に変化できる部品、すなわち手で位置合わせされ、次いでネジ結合によってロックされる部品、によって実行されるべきである。特に、公差補償は、ハウジングに収容された回路基板の取付け部分に配置される作動ボタンを組み立てるときに達成される。
【0007】
作動ボタンには、最大公差移動の方向に向けられた長孔が設けられており、溶接接続の完了後、アセンブリに挿入され、回路基板上にある作動部材に手動で位置合わせされる。作動ボタンは、ハウジングに対して位置合わせされると、作動部材にネジ留めされ、固定される。
【0008】
しかしながら、この手法は、アッセンブリのためにネジ留めが必要であるという欠点がある。これにより、エラーが発生しやすくなり、ネジを使用して手動で組み立てられるため、製造コストも増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、家電製品の組み立てを簡素化し、製造コストの削減に寄与する、家電製品用の作動ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の要旨によって相応の作動ユニットが提供される。好ましい更なる実施形態は独立請求項及び/又は以下に記述される。
【0011】
この作動ユニットは家電製品、例えばスティックブレンダー、ハンドミキサー、又はハンドブレンダー、に適しており、第1スイッチ要素が設けられた回路基板と、とりわけ長孔として形成された凹所を有した作動ボタンと、を備える。また、作動部材ベースを有した作動部材を有し、該作動部材は作動部材ベースから延出した突出部を有している。該突出部は、作動部材及び作動ボタンが、組立状態において、前記突出部の延在に対応した次元及び更なる次元において自由度を有するように前記凹所に挿入される。
【0012】
この点に関し、「組立状態において」とは、第1スイッチ要素(及び、必要であれば、後述する第2スイッチ要素)が作動できるように、作動ボタンが作動部材に対して位置合わせされていることを意味する。特に、突出部は、凹所の一の領域又は対向する2つの領域に接触する。
【0013】
本発明による構成によって組立体は簡単なものとなる。なぜなら、作動ボタンを設ける際、作動ユニットの機能に好ましくない影響を及ぼすことなく、作動部材及び作動ボタンの相対的な位置合わせを変えることができるからである。したがって、公差は補償され、組立てリスクを低減できる。さらに、複雑なネジ留めも不要となる。
【0014】
前記凹所は、好ましい実施形態では長孔として形成されている。そのような凹所は「フォーク状凹所」とすることもできる。このような凹所を通して、長孔内の前記突出部は出入りが可能である。
【0015】
一実施形態では、作動部材はスライド部を有し、該スライド部は、前記第1スイッチ要素のスイッチ部品をスライド動作によって作動させるように構成されている。前記モータは、前記スイッチ部品によって、例えばオン又はオフに切り替えられる。
【0016】
前記突出部は、前記スライド部の反対となる前記作動部材の側から延出しているのが好ましい。これにより該装置の組立ては簡単になり、使用中に完璧な操作オプションが得られる。
【0017】
さらなる変形例では、前記突出部は円筒状のピンとすることができる。これにより作動ボタンの前記凹所への挿入が容易となり、完璧な操作が保証される。これに関して、組立てをさらに容易にするために、前記作動部材ベースとは反対側を向く突出部の先端は円錐状とすることができる。
【0018】
作動部材ベース及び作動ボタンの2自由度の方向は、作動ボタンの動作方向に対し直角となるよう位置合わせされていることが好ましい。該家電製品が、直立した作動ユニットを備える場合、それらは垂直及び水平方向となる。
【0019】
一実施形態によれば、第2スイッチ要素が前記回路基板に設けられており、該第2スイッチ要素はポテンショメータであることが好ましい。よって、オン/オフの切換え機能に加え、モータの速度も連続的に調節可能である。
【0020】
前記作動部材は前記第1スイッチ要素及び第2スイッチ要素を作動するよう構成されていることが好ましい。これにより、一の作動動作でいくつかの機能が組み合わされる。
【0021】
さらに、本発明は家電製品に関する。該家電製品は、ハウジング本体と、上記態様の一つに従う作動ユニットとを備え、該家電製品のモータを作動させるための作動ボタンは前記ハウジング本体の開口部内に収容されている。本家電製品の利点に関しては、上述の利点が参照される。
【0022】
家電製品はスティックブレンダー、ハンドミキサー、あるいはハンドブレンダーとすることができる。
【0023】
本発明はさらに家電製品、特に上述した態様の一つに係る家電製品の組立て方法に関する。該方法は以下の工程を備える:本方法の範囲において、第1スイッチ要素及び作動部材を備えた回路基板がハウジング本体内に挿入され、前記作動部材は前記作動部材ベースから延出した突出部を有しており、該突出部がとりわけフォーク状とされた作動ボタンの凹所内に、前記作動部材及び前記作動ボタンが組み立てられた状態で互いに2自由度で位置合わせされるように挿入される。本方法の利点に関しては、上述の利点が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明による家電製品を、該家電製品のハウジング本体内に組立体を挿入する前の状態で示す図である。
【
図2】本発明による家電製品を、該家電製品のハウジング本体内に組立体を挿入後の状態で示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による家電製品の作動部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による家電製品の作動部を、作動ボタンが開始位置にある状態で示すさらなる斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による家電製品の作動部を、作動ボタンが作動位置にある状態で示すさらなる斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態による家電製品の作動部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
説明のため、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する、説明される実施形態は限定的なものではなく単なる例示であり、実施形態における各特徴は本発明を特定するために個別に使用することができる。これら好ましい実施形態における特定の特徴は、さらなる実施形態を構成するために、変形した他の特徴と組み合わせることが可能である。
【0026】
作動ユニットの実施形態を説明するために、まず、
図1及び
図2を参照して家電製品及びその組立体について説明する。
【0027】
本実施形態による家電製品100はスティックブレンダーであり、ハウジング101を備える。ハウジング101は、特に射出成形により作製され、組立体開口102を備える。組立体開口102には、後述するように、組立方向Mに組立体10を挿入することができる。また、ハウジング101には開口部103が設けられており、該開口部103には作動ボタン110を配置すること出来る。
図1及び
図2では、作動ボタン110は未だ組み込まれていない。
【0028】
前記組立方向Mに沿って前記ハウジング本体101内に挿入される前記組立体10は支持部品11(とりわけプラスチックリング)を備え、該支持部品11上に、スティックブレンダーを駆動するためのモータ12が設けられている。
【0029】
また、支持部品11には回路基板13が取り付けられており、該回路基板13に複数の電子部品が設けられている。特に、回路基板13にはメインスイッチ14(第1スイッチ要素)が設けられており、該メインスイッチ14はスイッチ部品14aを備える。さらに、回路基板13にはポテンショメータ(第2スイッチ要素)15が設けられ、これによりモータ12の速度を調節できる。ポテンショメータ15はスイッチ部品15aを備え、これにより、該ポテンショメータの対応した調節動作でモータ12の速度を連続的に調節することができる。
【0030】
該家電製品の組立ての際、前記組立体10は組立方向Mに沿って前記組立体開口102内に挿入されて、前記メインスイッチ14及びポテンショメータ15が位置する作動部30が前記開口部103に到り、よってハウジング本体101の外部からのアクセスが可能となる。
【0031】
組立体10がハウジング本体101内に挿入された後、ハウジング本体101は、ハウジング本体101内にある溶接シーム150によって前記支部部材に接続される。溶接シーム150の位置は
図2に示してある。
【0032】
図3から
図5を参照して、前記作動ユニットの実施形態の構造を説明する。前記回路基板13に、本実施形態においては射出成形部として構成されたベース19が設けられている。ベース19は回路基板13の開口を通してガイドされた接続部19aを有し、これによりベース19は回路基板13に固定されている。ベース19はさらにガイド部19bを有している。該ガイド部19bは、本実施形態においてはベース19における断面U字形の凹所として提供されている。ガイド部19bは前記組立方向Mに直交する方向に延在している。
【0033】
前記ガイド部19b内に作動部材20が収容されており、該作動部材20は前記ガイド19bに沿って作動方向Bに前進及び後退することが可能である。作動部材20は作動部材ベース21を有し、該作動部材ベースにおける前記メインスイッチ14の方向を向く側に、スライド部22が設けられている。スライド部22は、ガイド19bに沿って、メインスイッチ14の第1スイッチ部品14aの方向に移動することができる。スライド部22は、第1スイッチ部品14aに向く方向に傾斜部を有しており、第1スイッチ部品14aは作動部材20によってスムーズに押し下げられるようになっている。
【0034】
また、作動部材20は突出部23を有する。突出部23は、前記作動部材ベース21から、該作動部材ベース21によって形成される面に垂直に延出する(前述の組立方向Mに対応)。作動部材ベース21と反対方向を向く突出部23の先端は、組立をより容易にするために、好ましく円錐形とされている。
【0035】
図示の実施形態では、突出部23は円筒状のものとされている。しかしながら、変形例では、この突出部23は、断面矩形又は正方形と言った異なる形状とすることもできる。
【0036】
また、作動部材ベース21からは係合部24が延びている。作動部材ベース21上のこの係合部24は、突出部23よりも前記回路基板13に近接して設けられている。係合部24は回路基板13の方を向いた収容部24aを有しており、この収容部24aは、前記ポテンショメータ15のスイッチ部品15aを受け入れる。
【0037】
前記開口部103には前記作動ボタン110が、該作動ボタン110の前記フォーク状凹所113が前記突出部23を受け入れるように挿入される。突出部23は作動ボタン110のフォーク状凹所113を通して延出するので、組立時の作動ボタン110の領域での公差を補償することが可能である。これに関し、公差補償は、前記組立方向M及び作動部材20の上面における方向の双方になされる。
【0038】
作動ボタン110の動きによる家電製品100の作動は
図4及び
図5に明確に示されている。
【0039】
図4では、作動ボタン110は開始位置にある。作動ボタン110の作動方向Bの動きによって作動ボタン110が回路基板13の方に動かされると、作動ボタン110のこの動きが前記作動部材20を移動させる。これに関し、作動部材20が前記ガイド部19bに沿って一定程度通過した後、メインスイッチ14のスイッチ部品14aが作動され、家電製品100のモータ12は始動する。
【0040】
作動ボタン110が、すなわち作動部材20が作動方向Bにさらに動かされると、ポテンショメータのスイッチ部品15aも動き、モータ12の速度が調節される。
【0041】
第2実施形態を
図6及び
図7を参照してより詳細に説明する。第1実施形態と同様に、
図6及び
図7に示す実施形態は、
図1及び
図2に示した家電製品100に設けることが可能である。対応する部品には類似の参照符号を付してある。特に、第2実施形態の家電製品はハウジング本体101′を備え、該ハウジング本体101′に回路基板13′が収納されている。
【0042】
前記ハウジング101′は、好ましくは第1実施形態の前記ハウジング101と同様に構成され、従って、ハウジング101 ’及びその構成要素の説明は、第1実施形態のハウジング101に関する説明が参照される。
【0043】
第2実施形態は、係合部24′が、前記組立方向Mと平行となる次元で開いている収容部24a′を有するという点で、第1実施形態と本質的に異なっている。したがって、ポテンショメータ15′のスイッチ部品15a′は、組立方向M(例えば、
図2も参照)に挿入されると、係合部24′の収容部24a′に挿入され得る。したがって、家電製品が直立位置にあるときには、収容部24a′はその頂部が開いた状態となる。第1実施形態と同様の方法でさらなる部品が実装されており、従って、上述した説明も参照される。
【0044】
特に、ベース19′が回路基板13′に固定されている。ベース19′はガイド部19b′を有し、ガイド部19b′はベース19′にU字状凹所を形成している。ガイド部19b′は組立方向Mと直交して延びている。この点に関しても、上記第1実施形態の説明が参照される。
【0045】
作動部材20′がガイド部19b′に収容され、該作動部材20′はガイド19b′に沿って作動方向Bに進退可能である。
【0046】
作動部材20′は作動部材ベース21′を有し、第1実施形態の
図4と同様の方法でメインスイッチ14′の方向に向く側に設けられたものはスライド部である。第2実施形態の図に示されていないスライド部は、第1実施形態の
図4のように構成されている。該スライド部は、ガイドに沿って、メインスイッチ14′の第1スイッチ部品14a′の方向に移動できる。この動きの過程で、作動性20′がスイッチ部品14a′をトリガーし、したがってメインスイッチ14′を作動させることができる。
【0047】
さらに、作動部材20′は、作動部材ベース21′から、該作動部材ベース21′により形成される面に対し垂直に(上述の組立方向Mに対応)延びる突出部23′を有する。作動部材ベース21′と反対方向を向く突出部23′の先端は、組立をより容易にするために、好ましく円錐形とされている。
【0048】
図示の実施形態では、突出部23′は円筒状のものとされている。しかしながら、変形例では、この突出部23′は、断面矩形又は正方形といった異なる形状とすることもできる。
【0049】
作動部材ベース21′から係合部24′が延びている。作動部材ベース21′上のこの係合部24′は、突出部23′よりも前記回路基板13′に近接して設けられている。前記収容部24a′は作動部材ベース21′と反対の方を向いて開いており、この収容部24a′は、前記ポテンショメータ15のスイッチ部品15a′を受け入れる。
【0050】
前記開口部103′には前記作動ボタン110′が、該作動ボタン110′の前記フォーク状凹所113′が前記突出部23′を受け入れるように、挿入される。突出部23′は作動ボタン110′のフォーク状凹所113′を通して延出するので、組立時の作動ボタン110′の領域での公差を補償することが可能である。これに関し、公差補償は、前記組立方向M及び作動部材20′の上面における方向の双方に生ずる。
【0051】
図6では、該第2実施形態の作動ボタン110′は開始位置にある。作動ボタン110′が回路基板13の方に動かされると、作動ボタン110′のこの動きが前記作動部材20′を対応する方向に移動させる。これに関し、作動部材20′が前記ガイド部19b′に沿って一定程度通過した後、メインスイッチ14′のスイッチ部品14a′が作動され、家電製品のモータは始動する。
【0052】
作動ボタン110′が、すなわち作動部材20′が作動方向Bにさらに動かされると、ポテンショメータのスイッチ部品15a′も動き、モータの速度が調節される。
【0053】
これら第1及び第2の実施形態の特徴を互いに組み合わせてさらなる実施形態を構成し得ることは明らかである。
【0054】
以上、本発明を、スティックブレンダーを例に説明したが、家電製品100はハンドミキサー、ハンドブレンダー、等とすることも可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0055】
12 モータ
13,13′ 回路基板
14,14′ メインスイッチ(第1スイッチ要素)
14a,14a′ スイッチ部品
15,15′ ポテンショメータ(第2スイッチ要素)
15a スイッチ部品
19,19′ ベース
19a,19a′ 接続部
19b,19b′ ガイド部
20,20′ 作動部材
21,21′ 作動部材ベース
22 スライド部
23,23′ 突出部
24,24′ 係合部
100 家電製品
101,101′ ハウジング本体
110,110′ 作動ボタン
113,113′ 凹所