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特許7051001生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体
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  • 特許-生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20220401BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220401BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 660Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021508039
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2018122621
(87)【国際公開番号】W WO2020042462
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】201811023997.7
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519211258
【氏名又は名称】ワン・コネクト・スマート・テクノロジー・カンパニー・リミテッド・(シェンチェン)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】余 ▲龍▼▲龍▼
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-505286(JP,A)
【文献】特開2006-268411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的特徴情報に基づく身分認証方法であって、端末に適用され、
前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によって前記ユーザの生理的特徴情報を収集するステップと、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップと、
前記サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップと、
前記履歴認証デバイス情報を前記端末のデバイス識別情報と照合するステップと、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行するステップと、
を含む、ことを特徴とする生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項2】
前記生理的特徴情報は顔画像を含み、
前記の前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップは、
顔画像をプリセット画像識別器に入力し、顔画像に対応する顔識別データを得るステップと、
前記顔識別データをプリセット照合モデルに入力し、プリセット画像データベースには前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在するか否かを判断するステップであって、
前記プリセット照合モデルは

【数1】
であり、前記d12は、前記顔識別データと予め記憶された特徴データとのユークリッド距離であり、前記顔識別データはn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)に対応し、前記x1kはn次元ベクトルaの中の数値であり、前記プリセット画像データベースの中の予め記憶された特徴データはn次元ベクトルb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応し、前記x2kはn次元ベクトルb1、b2、…、bnのいずれか1つの中の数値であるステップと、
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、そして顔識別データを含む身分認証要求を生成するステップと、
前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項3】
前記のサーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップは、
前記サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断するステップと、
前記身分認証情報がすでに暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項4】
生理的特徴情報に基づく身分認証方法であって、サーバに適用され、
前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するステップと、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップと、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、前記端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせるステップと、
を含む、ことを特徴とする生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項5】
前記の前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップは、
前記生理的特徴情報をプリセット認証データベースの中の各特徴データと照合するステップと、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在する場合、前記目標特徴データと関連する履歴ログインデバイス情報を取得するステップと、
プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項6】
前記の前記生理的特徴情報をプリセット認証データベースの中の各特徴データと照合するステップの後に、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在しない場合、認証が通過しないというプロンプト情報を端末に送信し、前記端末のユーザに認証結果を確認させるステップと、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証方法。
【請求項7】
生理的特徴情報に基づく身分認証システムであって、通信接続されている端末及びサーバを含み、
前記端末は、第1メモリ、第1プロセッサ、及び前記第1メモリに記憶され、且つ前記第1プロセッサで実行可能なコンピュータ可読命令を含み、
前記第1プロセッサは、ユーザがトリガした操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集し、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせ、
前記サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得し、
前記第1プロセッサは、前記履歴認証デバイス情報を前記端末のデバイス識別情報と照合し、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行し、
前記サーバは、第2メモリ、第2プロセッサ、及び前記第2メモリに記憶され、前記第2プロセッサで実行可能なコンピュータ可読命令を含み、
前記第2プロセッサは、端末が送信した身分認証要求を受信し、身分認証要求中の生理的特徴情報を取得し、
前記第2プロセッサは、前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成し、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせることを特徴とする生理的特徴情報に基づく身分認証システム。
【請求項8】
前記第1プロセッサで実行可能なコンピュータ可読命令が、前記のサーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップ、を実行することは、
前記サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断することと、
前記身分認証情報が暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得することと、
を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証システム。
【請求項9】
生理的特徴情報に基づく身分認証装置であって、端末に設けられ、
前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集するための受信収集モジュールと、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせための生成送信モジュールと、
前記サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するための受信取得モジュールと、
前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合するための情報照合モジュールと、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行するための認証実行モジュールと、
を含む、ことを特徴とする生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項10】
前記生理的特徴情報は顔画像を含み、
前記生成送信モジュールは、
顔画像をプリセット画像識別器に入力し、顔画像に対応する顔識別データを得るための画像識別部と、
前記顔識別データをプリセット照合モデルに入力し、プリセット画像データベースには前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在するか否かを判断するための情報照合部であって、
前記プリセット照合モデルは

【数2】
であり、前記d12は、前記顔識別データと予め記憶された特徴データとのユークリッド距離であり、前記顔識別データはn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)に対応し、前記x1kはn次元ベクトルaの中の数値であり、前記プリセット画像データベースの中の予め記憶された特徴データはn次元ベクトルb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応し、前記x2kはn次元ベクトルb1、b2、…、bnのいずれか1つの中の数値である情報照合部と、
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、そして顔識別データを含む身分認証要求を生成する認証生成部と、
前記身分認証要求を前記サーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせる情報送信部と、
を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項11】
前記受信取得モジュールは、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されたか否かを判断するための受信判断部と、
前記身分認証情報が暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するための復号取得部と、
を含む、ことを特徴とする請求項9に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項12】
生理的特徴情報に基づく身分認証装置であって、サーバに設けられ、
前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するための受信モジュールと、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための取得モジュールと、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、前記端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせるための送信モジュールと、
を含む、ことを特徴とする生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項13】
前記取得モジュールは、
前記生理的特徴情報をプリセット認証データベースの中の特徴データと照合するための照合部と、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在する場合、前記目標特徴データと関連する履歴ログインデバイス情報を取得するための情報取得部と、
プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための暗号化生成部と、
を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項14】
前記取得モジュールは、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在しない場合、認証が通過しないというプロンプト情報を端末に送信し、前記端末のユーザ認証結果を確認させるためのプロンプト部、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の生理的特徴情報に基づく身分認証装置。
【請求項15】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体は端末に設けられ、前記コンピュータ記憶媒体にはコンピュータ可読命令が記憶され、前記コンピュータ可読命令がプロセッサに実行される時は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集するステップと、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップと、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップと、
前記履歴認証デバイス情報を前記端末のデバイス識別情報と照合するステップと、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行するステップと、
を実現する、ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項16】
前記生理的特徴情報は顔画像を含み、
前記コンピュータ可読命令はプロセッサによって、前記の前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップ、を実行することは、
顔画像をプリセット画像識別器に入力し、顔画像に対応する顔識別データを得るステップと、
前記顔識別データをプリセット照合モデルに入力し、プリセット画像データベースには前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在するか否かを判断するステップであって、
前記プリセット照合モデルは

【数3】
であり、前記d12は、前記顔識別データと予め記憶された特徴データとのユークリッド距離であり、前記顔識別データはn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)に対応し、前記x1kはn次元ベクトルaの中の数値であり、前記プリセット画像データベースの中の予め記憶された特徴データはn次元ベクトルb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応し、前記x2kはn次元ベクトルb1、b2、…、bnのいずれか1つの中の数値であるステップと、
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、そして顔識別データを含む身分認証要求を生成するステップと、
前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ記憶媒体。
【請求項17】
前記コンピュータ可読命令はプロセッサによって、前記のサーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップ、を実行することは、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断するステップと、
前記身分認証情報が暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ記憶媒体。
【請求項18】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体はサーバに設けられ、前記コンピュータ記憶媒体にはコンピュータ可読命令が記憶され、前記コンピュータ可読命令がサーバに実行される時は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するステップと、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップと、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせるステップと、
を実現する、ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項19】
前記コンピュータ可読命令はプロセッサによって、前記の前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成ステップ、を実行することは、
前記生理的特徴情報をプリセット認証データベース内の各特徴データと照合するステップと、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在する場合、前記目標特徴データと関連する履歴ログインデバイス情報を取得するステップと、
プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ記憶媒体。
【請求項20】
前記コンピュータ可読命令はプロセッサに実行される時、前記の前記生理的特徴情報をプリセット認証データベースの中の各特徴データと照合するステップの後に、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在しない場合、認証が通過しないというプロンプト情報を端末に送信し、前記端末のユーザに認証結果が確認させるステップ、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月31日に出願番号201811023997.7で提供された「生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体」と題された中国特許出願の優先権を主張し、この中国特許出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願はデータ処理分野に属し、特に、生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の急速な発展に伴い、携帯電話のロック解除方式もますます多様化しており、生体認証は携帯電話のロック解除身分認証の主流方法となっている。
【0004】
生体認証は、従来の身分認証方法よりも安全性と利便性に優れている。生体認証は主に接触式と非接触式の2種類があり、その中で、接触式の生体認証は指紋認証、掌紋認証などを含み、非接触式の生体認証は顔、声紋、虹彩などの認証方式を含む。しかし、単一の生物的特徴は不安定であり、例えば、声は音量、速度及び音質の変化(例えば、人が風邪を引いた場合)によって声紋の特徴に影響を与える。顔の構造が似ている(例えば双生児)場合、従来の技術レベルでは顔認証は基本的に無効である。眼鏡、髭、髪などの外部の遮蔽物による遮蔽は、顔の特徴に変化をもたらす可能性がある。どのように生物検証の正確性を高めることができるかは、現在早急に解決すべき技術的問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主たる目的は、生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及び媒体を提供し、生体的特徴データに基づく身分認証の正確性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証方法を提供し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は端末に適応される。
【0007】
前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集するステップと、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせるステップと、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するステップと、
前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合するステップと、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証は通過し、そして前記操作命令を実行するステップとを含む。
【0008】
また、上記の目的を実現するために、本出願はサーバに適用する前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法を提供する。
【0009】
前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するステップと、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するステップと、
前記身分認証情報を前記端末に送信して、端末に身分認証情報に基づいて認証を行わせるステップとを含む。
【0010】
また、上記の目的を実現するために、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証システムを提供し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証システムは通信で接続される端末とサーバを含む。
【0011】
前記端末は、第1メモリ、第1プロセッサ、及び前記第1メモリに記憶され、前記第1プロセッサで実行可能なコンピュータ可読命令を含み、ここで、
第1プロセッサは、ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集し、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせ、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得し、
第1プロセッサは、前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合し、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証は通過し、そして操作命令を実行する。
【0012】
前記サーバは、第2メモリ、第2プロセッサ、及び前記第2メモリに記憶され、前記第2プロセッサで実行可能なコンピュータ可読命令を含み、ここで、
第2プロセッサは、端末が送信した身分認証要求を受信し、身分認証要求中の生理的特徴情報を取得し、
第2プロセッサは、前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成し、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせる。
【0013】
また、上記の目的を実現するために、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証装置を提供し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は端末に設けられる。
【0014】
前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集するための受信収集モジュールと、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせための生成送信モジュールと、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するための受信取得モジュールと、
前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合するための情報照合モジュールと、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行するための認証実行モジュールと、を含む。
【0015】
また、上記の目的を実現するために、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証装置を提供し、生理的特徴情報に基づく身分認証装置はサーバに設けられる。
【0016】
前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するための受信モジュールと、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための取得モジュールと、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせるための送信モジュールと、を含む。
【0017】
また、上記の目的を実現するために、本出願はコンピュータ記憶媒体をさらに提供する。
【0018】
前記コンピュータ記憶媒体にはコンピュータ可読命令が記憶され、前記コンピュータ可読命令はプロセッサに実行される時、生理的特徴情報に基づく身分認証方法のステップを上記のように実現する。
【発明の効果】
【0019】
本出願の実施形態に係る生理的特徴情報に基づく身分認証方法、装置、システム及びコンピュータ記憶媒体において、端末を介してユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集し、前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせ、サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得し、前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合し、前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証は通過し、そして操作命令を実行する。本出願では、従来の生理的特徴情報を直接に照合チェックする方法を放棄し、即ち、端末のローカルメモリ中の予測情報を取集した生体的特徴情報と照合するかわりに、端末がサーバに送信して、またサーバから返信される身分認証情報と照合するので、直接に照合チェックすることによる妨害が回避され、照合チェックの正確性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本出願の実施形態に係るハードウェアの実行環境の装置の構造を示す概略図である。
図2】本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証方法の第1の実施形態のフローチャートである。
図3】本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証方法の第2の実施形態のフローチャートである。
図4】本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証装置の一実施形態の機能モジュールの概略図である。
図5】本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証装置の他の実施形態の機能モジュールの概略図である。
【0021】
本出願の目的の実現、機能的特徴、および利点を、図面および実施形態に合わせてさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで説明される具体的な実施例は本出願を解釈するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0023】
図1に示すように、図1は本出願の実施形態に係るハードウェアの実行環境の端末(生理的特徴情報に基づく身分認証デバイスとも呼ばれ、ここで、生理的特徴情報に基づく身分認証デバイスは別個の生理的特徴情報に基づく身分認証装置で構成されてもよく、他の装置と生理的特徴情報に基づく身分認証装置との組み合わせによって形成されてもよい)の構造を示す概略図である。
【0024】
本出願の実施形態に係る端末は、固定端末であってもよいし、モバイル端末であってもよく、例えば、「モノのインターネットデバイス」、ネットワーク機能付きインテリジェントエアコン、PC(personal computer)パソコン、スマートフォン、ポータブルコンピュータ等の表示機能を備える端末装置である。
【0025】
図1に示すように、該端末は、プロセッサ1001、例えば、中央処理ユニット(Central Processing Unit,CPU)、ネットワークインターフェース1004、ユーザインターフェース1003、メモリ1005、通信バス1002を含むことができる。ここで、通信バス1002はこれらの構成要素間の接続通信を実現するために使用される。ユーザインターフェース1003は、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)などの入力部を含んでもよく、オプションのユーザインターフェース1003は、標準的な有線インターフェース、無線インターフェースをさらに含むことができる。ネットワークインターフェース1004は、オプションとして標準的な有線インターフェース、無線インターフェース(例えば、WIreless-FIdelity、WIFIインターフェース)を含むことができる。メモリ1005は、高速RAMメモリであってもよいし、安定的なメモリ(non-volatile memory)であってもよく、例えば、磁気ディスクである。メモリ1005は、オプションとして前記プロセッサ1001とは独立した記憶装置であってもよい。
【0026】
任意選択で、端末はカメラ、RF(Radio Frequency,無線周波数)回路、センサ、オーディオ回路、WiFiモジュール、入力部、ディスプレイ、タッチスクリーンを含むことができる。ネットワークインターフェースは、無線インターフェース中のWiFi以外は、ブルートゥース(登録商標)、プローブなどを選択することができる。ここで、センサは、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサであってもよい。具体的には、光センサは周辺光センサ及び近接センサを含むことができる。当然ながら、モバイル端末には、ジャイロセンサ、気圧センサ、湿度センサ、温度センサ、赤外線センサなどの他のセンサを配置することができ、ここで再度の説明を省略する。
【0027】
当業者であれば、図1に示した端末の構造は端末を制限するものではなく、図示よりも多くの部品又はより少ない部品、又は何らかの部品の組み合わせ、又は異なる部品配置を含んでもよいことを理解すべきである。
【0028】
図1に示すように、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体(記憶媒体は、またコンピュータ記憶媒体、コンピュータ媒体、可読媒体、可読記憶媒体、コンピュータ可読記憶媒体又は直接に媒体などとも呼ばれ、不揮発性可読媒体であってもよく、例えば、RAM、磁気ディスク、ディスクである)に記憶され、1台の端末デバイス(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワークデバイスなど)に本出願の各実施形態におけるような方法を実行させるためのいくつかの命令を含み、コンピュータ記憶媒体としては、メモリ1005は、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、ユーザインターフェースモジュールおよびコンピュータ可読命令を含むことができる。
【0029】
図1に示す端末では、ネットワークインターフェース1004は主にバックエンドサーバへの接続、バックエンドサーバとのデータ通信に使用される。ユーザインターフェース1003は主にクライアント(ユーザ側)への接続、クライアントとのデータ通信に使用される。プロセッサ1001は、メモリ1005に記憶されるコンピュータ可読命令を呼び出し、そして本出願の以下の実施形態に係る生理的特徴情報に基づく身分認証方法のステップを実行することに使用される。
【0030】
図2に示すように、本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証方法の第1実施形態において、前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は端末に適用され、前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は以下のステップを含む。
【0031】
ステップS10では、ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集する。
【0032】
ユーザは端末において対応する操作命令をトリがし、端末は操作命令を受信し、端末は前記操作命令をプリセット操作命令セット(プリセット操作命令セットは予め設定された許可操作命令のセットである)の中の操作命令と照合させ、プリセット操作命令セットの中は該操作命令が含まれているか否かを判断し、プリセット操作命令セットの中は該操作命令が含まれていない場合、該操作命令を直接に実行する。プリセット操作命令セットの中は該操作命令が含まれている場合、該操作命令はユーザの許可が必要であり、端末はプリセット生理的特徴装置を起動し、そしてプリセット生理的特徴装置(プリセット生理的特徴装置とは、端末に予め設定され、ユーザの生理的特徴情報を収集する装置であり、例えば、ユーザの顔画像を収集するためのカメラ装置、ユーザの音声情報を収集するためのマイク装置、ユーザの指紋情報を収集するための指紋収集装置など)によって、該ユーザのプリセット生理的特徴情報を収集し、収集された生理的特徴データに基づいて身分認証を行う。ここで、生理的特徴情報は、指紋情報、掌紋情報、顔画像、音声情報、虹彩などを含む。
【0033】
ステップS20では、前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせる。
【0034】
端末はプリセット生理的特徴装置によって収集される生理的特徴情報を受信する時に、端末は該生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして身分認証要求をサーバに送信し、サーバは身分認証要求を受信する時に、身分認証要求の中から取得する生理的特徴情報を処理し、対応する身分認証情報を生成する。
【0035】
ここで、サーバが生成する身分認証情報は、サーバによって身分認証要求を解析し、身分認証要求の中の生理的特徴情報を取得し、またサーバは取得された生理的特徴情報をサーバの中の予め記憶された各識別した生理的特徴情報と照合し(識別した生理的特徴情報とは、予め設定された生理的特徴情報であり、予め設定された生理的特徴情報は端末情報と関連して記憶され、例えば、操作記録履歴の中でユーザが指紋によって番号001の端末をロック解除し、サーバはユーザの指紋を番号001の端末とバンディングし、また番号001の端末をユーザの指紋に対応する履歴デバイス情報とする)、身分認証情報の中の生理的特徴情報と一致する目標生理的特徴情報を取得し、サーバは目標生理的特徴情報と関連する履歴デバイス情報を取得し、ここで、履歴デバイス情報とは、ユーザの履歴に操作したデバイスの識別情報であり、サーバは履歴デバイス情報に基づいて身分認証情報を生成し、そして端末に送信する。
【0036】
本実施形態において、端末は身分認証を行う時に、直接に収集された生理的特徴情報を端末のローカルメモリ中の予め記憶された生理的特徴情報と照合するではなく、サーバに送信し、サーバによって身分認証を行う、身分認証の正確性を高める。
【0037】
ステップS30では、サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得する。
【0038】
端末はサーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得し、端末は履歴認証デバイス情報を端末自体のデバイス識別情報と照合させ、該ユーザが端末の所有者であるかどうかを判断する。
【0039】
説明すべきなのは、本実施形態において、サーバは身分認証情報を暗号化することができ、端末は暗号化される身分認証情報を受信して復号し、身分認証情報の中の履歴認証デバイス情報を取得することである。具体的には、以下のステップを含む。
【0040】
ステップa1では、サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断する。
【0041】
ステップb1では、前記身分認証情報が暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得する。
【0042】
本実施形態において、サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断する。前記身分認証情報が暗号化された場合、端末は前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得する。ここで、プリセット復号規則はサーバと端末で予め設定された復号規則である。
【0043】
ステップS40では、前記履歴認証デバイス情報を前記端末のデバイス識別情報と照合する。
【0044】
端末は身分認証情報の中の履歴認証デバイス情報を端末自体のデバイス識別情報と照合し、本実施形態において、端末は履歴認証デバイス情報を端末のデバイス識別情報と照合し、そして照合結果に基づいて身分認証結果を決定する。前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致していない場合、即ち、該ユーザが履歴使用した端末が現在の端末と異なり(又は、端末の履歴のユーザが端末の現在のユーザと異なる)、端末が現在のユーザは所有者でないと判断する場合、端末が該操作命令に応答しない。
【0045】
ステップS50では、前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証は通過し、そして操作命令を実行する。
【0046】
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、即ち、該ユーザが履歴使用した端末が現在の端末と同一であり(又は、端末の履歴のユーザが端末の現在のユーザと同一である)、端末はユーザ身分認証が通過することを確認して前記操作命令を実行する。
【0047】
本実施形態において、端末は身分認証を行う時に、サーバによってユーザが履歴使用したデバイス情報をユーザが現在使用するデバイス情報と照合し、ユーザの身分認証を完成し、ユーザの身分認証結果をより正確にする。
【0048】
本出願の第1実施形態に基づいて、本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証方法の本実施形態をさらに提供し、本実施形態は第1実施形態におけるステップS20を詳細化するものである。
【0049】
生理的特徴情報に基づいて照合を行う場合、収集された生理的特徴情報の影響を受けることができ、例えば、音声収集を行う時にノイズを取集する場合、ノイズはユーザ音声識別に影響を与える。あるいは双生児の場合、一卵性双生児は顔識別に干渉し、本実施形態において、干渉がある場合にどのようにしてより正確に身分認証を行うかを詳細に説明するためである。
【0050】
本実施形態では顔画像の身分認証を例に説明し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は以下のステップを含む。
【0051】
ステップS21では、顔画像をプリセット画像識別器に入力し、顔画像に対応する顔識別データを得る。
【0052】
端末は収集された顔画像をプリセット画像識別器に入力し、ここで、プリセット画像識別器とは、顔画像認識を行うために予め訓練されたモデルである。前記プリセット画像識別器は、オプションでAdaboost反復アルゴリズム分類器、SVM(Support Vector Machine、サポートベクターマシン)分類器を含むことができる。プリセット画像識別器によって顔画像を識別して、顔画像に対応する顔識別データを得る。
【0053】
即ち、端末は3万個以上の肉眼で見えない光の点を収集される人の顔に投影し、唯一無二の顔を描画し、端末は顔の動作特徴データによってユーザが目を瞬くか、口を開けるデータ情報が判定でき、端末は収集される顔画像をプリセット画像識別器に入力し、プリセット画像識別器は顔画像に対応する顔識別データを取得できる(顔識別データとは、顔の五官の特徴情報と顔の表情のデータであり、例えば、目を瞬く、口を尖らすなどの動作に関するデータ)。
【0054】
ステップS22では、前記顔識別データをプリセット照合モデルに入力し、前記プリセット画像データベースには前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在するか否かを判断する。
【0055】
ここで、前記プリセット照合モデルは

【数1】
であり、前記d12は、前記顔識別データと前記予め記憶された特徴データとのユークリッド距離であり、前記顔識別データはn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)に対応し、前記x1kはn次元ベクトルaの中の数値であり、前記プリセット画像データベースの中の予め記憶された特徴データはn次元ベクトルb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応し、前記x2kはn次元ベクトルb1、b2、…、bnのいずれか1つの中の数値である。
【0056】
端末は、前記顔識別データとローカルメモリ中のプリセット画像データベースの中の予め記憶された生理的特徴情報と照合し(ここで、プリセット画像データベースとは、端末に予め設定され、ユーザが予め設定された生理的特徴情報を記憶されるものである)、即ち、端末は顔識別データをプリセット画像データベースの中の各予め記憶された生理的特徴情報と照合し、顔画像の初回検査を行う。
【0057】
本実施形態における顔識別データは対応する行列データであり、即ち、プリセット画像識別器は顔画像を処理し、顔画像の中の各点の位置と画素の特徴を処理し、行列データを形成し、例えば、グレイスケール画像の画素データは行列であり、行列の行は画像の高さ(単位:画素)に対応し、行列の列は画像の幅(単位:画素)に対応し、行列の要素は画像の画素に対応し、行列要素の値は画素のグレイスケール値である。
【0058】
端末は前記顔識別データに対応するn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)をプリセット照合モデルに入力する。プリセット照合モデルとは、

【数2】
であり、プリセット照合モデルはa(x11,x12,…,x1n)とb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応するユークリッド距離をそれぞれ計算し、例えば、a(x11,x12,…,x1n)とb1(x21,x22,…,x2n)のユークリッド距離は2.3であり、a(x11,x12,…,x1n)とb2(x21,x22,…,x2n)のユークリッド距離は16.5であり、a(x11,x12,…,x1n)とb3(x21,x22,…,x2n)のユークリッド距離は7.5であり、…、a(x11,x12,…,x1n)とbn(x21,x22,…,x2n)のユークリッド距離は8.8であり、ユークリッド距離は顔識別データとプリセット画像データベースの中の各特徴データの類似度を測定するために使用される。
【0059】
端末は最小ユークリッド距離を取得し、そして最小ユークリッド距離はプリセット値(プリセット値は具体的な状況に基づいて設けられる)より小さいか否かを判断し、最小ユークリッド距離はプリセット値より小さい場合、前記プリセット画像データベースの中で前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在し、その逆も同様である。
【0060】
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在しない場合、初回身分認証が通過せず、端末は情報の再収集を行う。
【0061】
そして顔識別データを含む身分認証要求を生成するステップと、前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過する。
【0062】
ステップS23では、前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、そして顔識別データを含む身分認証要求を生成する。
【0063】
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、即ち、初回身分認証が通過した後、端末は前記顔識別データを含む身分認証要求を生成し、サーバに送信して、サーバが処理した後身分認証情報を返信し、端末はサーバが返信された身分認証情報に基づいて2回目の認証を行う。
【0064】
ステップS24では、前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせる。
【0065】
端末は前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせ、ここで、サーバが身分認証要求に基づいて身分認証情報をフィードバックすることの具体的な実現手段は第1実施形態を参照してもよく、ここで再度の説明を省略する。
【0066】
本実施形態において、端末は顔画像をプリセット画像識別器に入力して顔画像に対応する顔識別データを得、端末は識別データにおける顔識別データによって初回照合を行い、初回照合が通過する後、端末は識別データにおける顔識別データに対応する身分認証情報を生成してサーバに送信し、サーバは動作識別データによって認証を行い、本実施形態では、大量のデータを照合することにより、データ識別の正確性を高めることができる。
【0067】
例えば、双生児甲、乙がある。甲は端末Aの所有者であり、甲は口を尖らす表情を端末Aの支払いを設置し、乙は端末Aを使用して支払う時、端末Aは乙の顔画像を収集し、そして識別データを取得し、端末Aは識別された顔識別データを照合し、初回認証が通過し、端末Aは乙の顔識別データに基づいて生成された身分認証要求をサーバに送信し、サーバは身分認証要求を受信し、身分認証要求の中の顔識別データを取得し、サーバは顔識別データと識別された甲の顔特徴データとの類似度は95%と判定され、顔識別データと識別された乙の顔特徴データとの類似度は98%と判定され、従って、サーバが該顔識別データは乙であることを判定し、サーバは乙と関連する前記履歴デバイス情報を端末Bとして取得し、サーバが履歴デバイス情報を含む身分認証情報を生成し、そして身分認証情報を端末Aに送信し、端末Aは履歴デバイス情報を自身のデバイス情報と照合し、身分認証は失敗である。
【0068】
本実施形態では顔画像の身分認証を例に説明し、音声情報等については、当業者は対応する拡張を行うことができる。また、本出願は、顔画像によって身分認証の別の実現手段を示し、例えば、端末は顔識別によって初回照合を行い、初回身分認証が通過した後、端末は動作特徴データとプリセットデータベースの中の標準データと照合し、顔動作特徴データはプリセットデータベースの中の基準データと一致する場合、2回目の身分認証が通過し、そしてユーザの操作命令を実行し、即ち、ユーザは端末で口を開ける状態に対応するデータを支払い許可の身分認証の基準データとして、目を瞬く状態に対応するデータをログイン許可の身分認証の基準データとして、口を尖らす状態に対応するデータを端末画面のロックを解除する身分認証の基準データとして予めカスタマイズ設定され、端末はユーザがカスタマイズした状態に対応するデータを取得し、そしてユーザがカスタマイズした状態に対応するデータは基準データとし、端末は顔動作特徴データをプリセットデータベースの中の標準データと照合し、即ち、端末はユーザの顔画像に対応する動作特徴データを予め定義された動作特徴データと一致すると判断する場合、2回目の身分認証が通過し、そしてユーザの操作指示を実行する。
【0069】
さらに、図3に示すように、本出願の生理的特徴情報に基づく身分認証方法の第2実施形態において、本実施形態における生理的特徴情報に基づく身分認証方法はサーバに適用する。前記生理的特徴情報に基づく身分認証方法は以下のステップを含む。
【0070】
ステップS60では、端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得する。
【0071】
サーバは端末が送信した身分認証要求を受信し、サーバは受信された身分認証要求を解析して、前記身分認証要求の中の生理的特徴情報を取得する。
【0072】
ステップS70では、前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成する。
【0073】
身分認証要求中の生理的特徴情報を取得した後、サーバは前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を検索し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成する。具体的には、以下のステップを含む。
【0074】
ステップa2では、サーバは前記生理的特徴情報をプリセット認証データベース内の各特徴データと照合する(ここで、プリセット認証データベースとは、サーバで予め設定されるユーザ特徴データとユーザ端末データとの関連データベースである)。
【0075】
ステップb2では、前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在する場合、前記目標特徴データと関連する履歴ログインデバイス情報を取得し、プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成する。ここで、プリセット暗号化規則とは、予め設定された暗号化規則である。
【0076】
ステップc2では、前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在しない場合、認証が通過しないというプロンプト情報を端末に送信し、前記端末のユーザに認証結果が確認させる。
【0077】
補足説明すべきなのは、機器の誤認識を回避するために、ユーザは手動で照合するための追加情報を設定することも可能であり、例えば、既存の音声の照合識別は主に声紋特徴を識別し、ユーザは固定的な音声情報、又は音声情緒を設定することが可能である。
【0078】
ステップS80では、前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせる。
【0079】
サーバは、前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせる。
【0080】
本実施形態において、サーバは端末が送信した身分認証情報を受信し、サーバが身分認証要求中の生理的特徴情報に基づいて履歴デバイス情報を確認し、そして履歴デバイス情報を端末に返信して、端末に履歴デバイス情報によって身分認証を行わせる。
【0081】
また、図4に示すように、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証装置の一実施形態をさらに提供し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は端末に設けられ、前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
ユーザによってトリガされた操作命令を受信し、プリセット生理的特徴装置によってユーザの生理的特徴情報を収集するための受信収集モジュール10と、
前記生理的特徴情報を含む身分認証要求を生成し、そして前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせための生成送信モジュール20と、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、そして前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するための受信取得モジュール30と、
前記履歴認証デバイス情報と前記端末のデバイス識別情報とを照合するための情報照合モジュール40と、
前記履歴認証デバイス情報と前記デバイス識別情報とが一致している場合、身分認証が通過し、そして操作命令を実行するための認証実行モジュール50と、を含む。
【0082】
任意選択で、前記生理的特徴情報は顔画像を含み、前記生成送信モジュール20は、
顔画像をプリセット画像識別器に入力し、顔画像に対応する顔識別データを得るための画像識別部と、
前記顔識別データをプリセット照合モデルに入力し、前記プリセット画像データベースには前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在するか否かを判断するための情報照合部であって、
前記プリセット照合モデルは

【数3】
であり、前記d12は、前記顔識別データと前記予め記憶された特徴データとのユークリッド距離であり、前記顔識別データはn次元ベクトルa(x11,x12,…,x1n)に対応し、前記x1kはn次元ベクトルaの中の数値であり、前記プリセット画像データベースの中の予め記憶された特徴データはn次元ベクトルb1(x21,x22,…,x2n)、b2(x21,x22,…,x2n)、…、bn(x21,x22,…,x2n)に対応し、前記x2kはn次元ベクトルb1、b2、…、bnのいずれかつの中の数値である情報照合部と、
前記プリセット画像データベースに前記顔識別データと一致する目標特徴データが存在する場合、初回身分認証が通過し、そして顔認証データを含む身分認証要求を生成する認証生成部と、
前記身分認証要求をサーバに送信して、前記サーバに身分認証情報をフィードバックさせる情報送信部と、を含む。
【0083】
任意選択で、前記受信取得モジュール30は、
サーバが送信した前記身分認証情報を受信し、前記身分認証情報が暗号化されるか否かを判断するための受信判断部と、
前記身分認証情報が暗号化された場合、前記身分認証情報をプリセット復号規則に従って処理し、前記身分認証情報中の履歴認証デバイス情報を取得するための復号取得部と、を含む。
【0084】
また、図5に示すように、本出願は生理的特徴情報に基づく身分認証装置の他の実施形態をさらに提供し、前記生理的特徴情報に基づく身分認証装置は、
端末が送信した身分認証要求を受信し、前記身分認証要求中の生理的特徴情報を取得するための受信モジュール60と、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、そしてプリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための取得モジュール70と、
前記身分認証情報を前記端末に送信し、端末に身分認証情報に基づいて身分認証を行わせるための送信モジュール80と、を含む。
【0085】
任意選択で、前記取得モジュール70は、
前記生理的情報をプリセット認証データベースの中の特徴データと照合するための照合部と、
前記生理的特徴情報に対応する履歴ログインデバイス情報を取得し、プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための取得モジュールと、
プリセット暗号化規則によって前記履歴ログインデバイス情報を処理して身分認証情報を生成するための暗号化生成部と、を含む。
【0086】
任意選択で、前記取得モジュールは、
前記プリセット認証データベースに前記生理的特徴情報と一致する目標特徴データが存在しない場合、認証が通過しないというプロンプト情報を端末に送信し、前記端末のユーザは認証結果を確認させるためのプロンプト部を含む。
【0087】
ここで、生理的特徴情報に基づく身分認証装置の各機能モジュールを実現するステップは本出願の生理的特徴情報に基づく認証方法の各実施形態を参照でき、ここで再度の説明を省略する。
【0088】
また、本出願の実施形態はコンピュータ記憶媒体をさらに提供する。
【0089】
前記コンピュータ記憶媒体にはコンピュータ可読命令が記憶され、前記コンピュータ可読命令はプロセッサに実行される時、前記実施形態に係る生理的特徴情報に基づく身分認証方法の操作を実現する。
【0090】
上記は本出願の好適な実施形態に過ぎず、本出願の保護範囲を限定するためのものではなく、本出願の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセスの変換、又は他の関連技術分野で直接又は間接的な適用は、同様に本出願の保護範囲に含まれるはずである。
【符号の説明】
【0091】
10 受信収集モジュール
20 生成送信モジュール
30 受信取得モジュール
40 情報照合モジュール
50 認証実行モジュール
60 受信モジュール
70 取得モジュール
80 送信モジュール
1001 プロセッサ
1003 ユーザインターフェース
1004 ネットワークインターフェース
1005 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5