IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クワンタム・ゲノミクスの特許一覧 ▶ アンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム)の特許一覧 ▶ センター ナショナル ド ラ ルシェルシュ サイエンティフィークの特許一覧 ▶ コレージュ・ド・フランスの特許一覧

特許7051009アミノペプチダーゼA阻害剤及びそれを含む医薬組成物
<>
  • 特許-アミノペプチダーゼA阻害剤及びそれを含む医薬組成物 図1
  • 特許-アミノペプチダーゼA阻害剤及びそれを含む医薬組成物 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】アミノペプチダーゼA阻害剤及びそれを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/30 20060101AFI20220401BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220401BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220401BHJP
   A61K 31/662 20060101ALI20220401BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20220401BHJP
   A61K 31/665 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C07F9/30 CSP
A61P9/12
A61P9/10
A61P9/00
A61P27/06
A61P13/12
A61P25/28
A61K31/662
A61K31/675
A61K31/665
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021523669
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019079229
(87)【国際公開番号】W WO2020084131
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】18306396.5
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521180441
【氏名又は名称】クワンタム・ゲノミクス
(73)【特許権者】
【識別番号】507241492
【氏名又は名称】アンスティトゥート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシャルシュ・メディカル・(インセルム)
(73)【特許権者】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(73)【特許権者】
【識別番号】519226908
【氏名又は名称】コレージュ・ド・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス・バラボワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】デルフィーヌ・コンペール
(72)【発明者】
【氏名】カトリーヌ・ロレンス-コルテス
(72)【発明者】
【氏名】ヤニック・マルク
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-528692(JP,A)
【文献】Huixiong CHEN et al.,Design of the first highly potent and selective aminopeptidase N (EC 3.4.11.2) inhibitor,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,1999年,9(11),PP.1511-1516
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO2H、-SO3H、-PO3H2を表し;
lは1、2又は3であり;
m及びnは、独立に0、1又は2であり;
R3及びR4は、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル又はハロアルキル基を独立に表し;
環(式中で円により描かれている)は、アリール又は複素環を表し;
R1とR2とは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、アシル基、O-シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、アリール基、複素環基又はアリールアルキル基を独立に表す);
それらの薬学的塩、溶媒和物、又は、双性イオン形態。
【請求項2】
以下の式(II)
【化2】
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
化合物が、一般式(I)又は式(II)に対応し、式中、
- lは2若しくは3であり; 並びに/又は
- mは0若しくは1であり; 並びに/又は
- nは0若しくは1であり; 並びに/又は
- AHは、CO2H若しくはSO3H若しくはPO3H2であり; 並びに/又は
- R3及びR4は両方Hであるか、若しくはR3及びR4は両方メチル基であり; 並びに/又は
- 環は、アリール若しくは複素環基である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記環が、フェニル、ナフチル、インドール、アザ-インドール若しくはイソオキサゾール基である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1及びR2が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基及びアリール基からなる群から独立に選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
化合物が、一般式(I)又は式(II)に対応し、式中、
- lは2であり; 並びに/又は
- m+n=1であり; 並びに/又は
- AHはCO2H若しくはSO3Hであり; 並びに/又は
- R3及びR4はHであり; 並びに/又は
- 環は、フェニル、ナフチル若しくはインドール基である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R1及びR2が、水素原子、塩原子、フッ素原子、シアノ、メル、メトキシ、メタンスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、O-シクロペンチルO-シクロヘキシル、メトキシエトキシ、O-フェニル、O-ベンジル、及びェニルからなる群から独立に選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
以下の式(III):
【化3】
有する化合物
(式中、
l、m、n、R1、R2、R3、R4は、請求項1から5のいずれか一項に規定の通りであり;
Aは、-SO3Z-CO2Z又は-P(O)(OZ)2を表し、Zは、水素原子、アルキル及びアリールアルキル基からなる群から選択され、
Xは、水素原子、-(CO)-アルキル、-(CO)-アルコキシ、-(CO)-ベンジルオキシ、
【化4】
を表し、
ここで、Rは、アルキル基を表し、R'及びR"は、水素原子又はアルキル基を独立に表し、
Yは、水素原子、アルキル、アリール、アリールアルキル基又は
【化5】
を表し、ここで、同一であるか又は異なるR、R'及びR"は、上記に規定の通りであり、
Z、X及びYの少なくとも1つは、水素原子と異なる)。
【請求項9】
以下の式(IV)
【化6】
を有する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
4-アミノ-4-[ベンジル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-({[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[(3-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[(4-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(2-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-({2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド;
3-カルボキシ-1-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン-1-アミニウムクロリド;
3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
1-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-3-カルボキシプロパン-1-アミニウムクロリド;
5-アミノ-5-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ペンタン酸;
(1R)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
(1S)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
(1R)-3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド;
(4R)-4-アミノ-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
(1-アミノ-4-メトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(1-アミノ-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
{4-エトキシ-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)アミノ]-4-オキソブチル}(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
1-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-エトキシ-4-オキソブタン-1-アミニウムクロリド;
[1-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン-1-スルホン酸;
{3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロピル}ホスホン酸;
[4-エトキシ-1-({[(5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
エチル4-({[(5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)-4-({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}(2-フェニルエチル)ホスホリル)ブタノエート;
(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
3-({4-エトキシ-4-オキソ-1-[(2-フェニルエチル)ホスフィナト]ブチル}カルバモイル)-1-メチルピリジン-1-イウム;
{4-エトキシ-4-オキソ-1-[({[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]メトキシ}カルボニル)アミノ]ブチル}(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(2-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}エトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;及び
[1-(2-アミノアセトアミド)-4-エトキシ-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
医薬としての使用のための、請求項1から10のいずれか一項に規定の通りである化合物を含む組成物
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に規定の通りである少なくとも1種の化合物を、薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物。
【請求項13】
動脈高血圧症及び直接又は間接的に関係する疾患の処置における使用のための、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
心臓疾患、心不全、脳卒中、末梢及び/又は大脳血管系疾患、脳、眼及び/又は腎臓の疾患からなる群において選択される動脈高血圧症に直接又は間接的に関係する障害の処置における使用のための、請求項13に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項15】
原発性及び/又は続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓機能不全、腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群、緑内障、神経変性疾患及び記憶障害からなる群において選択される障害の処置における使用のための、請求項13に記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それを含む組成物、該化合物を調製する方法、及び治療におけるこれらの化合物の使用に関する。特に、本発明は、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群及び緑内障の処置及び予防に有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
本態性高血圧(HTN)及び心不全(HF)は、心臓血管疾患における2つの主要な病状である。HTNは、世界中でおよそ10億人の個人に影響を及ぼしている。それは、冠動脈心疾患、HF、脳卒中及び腎臓機能不全の主要なリスク要因である。有効で安全な薬物の有効性にもかかわらず、HTN及びその付随するリスク要因は、多くの患者で制御されていないままである。HFは、西洋の国々における65歳を超える患者について依然として入院の主要な原因である。HFは、工業国において千人中1から5に影響し、全ての年齢を考慮に入れて、千人中3から20人の有病率である。米国で、HFの健康管理の出費は、2012年に210億ドルに相当して、コストの大部分は入院に関するものであった。多くの薬物が利用可能であるにもかかわらず、1年生存は、全てのステージを考慮に入れて約65%であるから、HFの予後は良くない。HFは、依然として心臓血管死の第1の原因の1つであり、その結果として、新規な効率的で安全なクラスの薬物を開発することにはまだ満たされていない医学的必要性がある。
【0003】
全身的レニン-アンジオテンシン系(RAS)は、血圧(BP)調節及びナトリウム代謝において中心的役割を果たすことが公知である。アンジオテンシンI変換酵素(ACE)阻害剤及びアンジオテンシン-II受容体タイプ1(AT1)アンタゴニスト等のRASを標的とする全身的薬物は、BPを低下させること、及び患者における心臓血管及び腎臓の病的状態及び死を予防することに臨床的に有効である。更に、レニン-アンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)の活性は、HFを有する患者で上昇しており、その適応不良の機構は、心臓の構造変化及び交感神経の活性化等の有害な効果をもたらし得る。最新の証拠に基づくガイドラインIAで、駆出分率の低下したHFのために薦められる医薬は、主としてACE阻害剤又はAT1受容体遮断薬及びベータ-アドレナリン作用性の受容体遮断剤のようなRAAS作用分子である。
【0004】
心臓血管機能及び体液のホメオスタシスを制御する機能性RASは、脳にも存在する。幾つかの研究は、脳RASの上昇した活性は、交感神経のニューロン活性及びバソプレシン放出における増大を生じさせること、及び脳RASの活性亢進は、HTNの種々の動物モデルで高BPを媒介すること、並びにHFの動物モデルで心臓の構造変化及び機能障害に非常に重要な役割を果たすことを示唆する(Marc Y、Llorens-Cortes、C Progress in Neurobiology 2011、95、pp 89-103; Westcott KV et al、Can. J. Physiol. Pharmacol. 2009、87、pp 979-988)。最近の証拠は、アンジオテンシンIII(Ang III)が、AT1受容体に対するその作用を通して、BPの中枢制御のための脳RASの真のペプチドエフェクターであり得ることを支持するので、脳においてアンジオテンシンII(Ang II)からAng IIIを発生させる脳アミノペプチダーゼA(APA)酵素は、HTNの処置及びHFの処置のための有望な治療薬の目標となる。
【0005】
アミノペプチダーゼA(APA、EC3.4.11.7)は、脳中におけるAngIIのAngIIIへの変換を担当する酵素として特徴づけられた、膜に結合した亜鉛メタロプロテアーゼである(Zini S et al、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996、93、pp 11968-11973)。これまでに、数種のAPA阻害剤が開発されている(Chauvel EN et al、J. Med. Chem. 1994、37、pp 1339-1346; Chauvel EN et al、J. Med. Chem. 1994、37、pp 2950-2957; David C et al、J. Med. Chem. 1999、42、pp 5197-5211; Georgiadis D et al、Biochemistry 2000、39、pp1152-1155; Inguimbert N et al、J. Peptide Res. 2005、65、pp 175-188)。それらの中で、EC33((3S)-3-アミノ-4-チオール-ブチルスルホネート)が、特異的及び選択的APA阻害剤として報告された。EC33の中枢点滴が、脳APA活性を阻害して、Ang IIの脳室内(icv)点滴に対する昇圧応答を遮蔽して、数匹の高血圧症の実験モデルでBPを低下させることが見出された(Fournie-Zaluski MC et al Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2004、101、pp 7775-7780)。
【0006】
意識のある高血圧のDOCA-塩ラット及びRB150のSHRラット(Firibastatとしても公知である)(15から150mg/kg)における短期の経口投与で、EC33の脳に浸透するプロドラッグは、用量依存性のBP低下を誘発することも更に示された(Bodineau L et al、Hypertension 2008、51、pp 1318-1325; Marc Y et al、Hypertension 2012、60、pp 411-418)。興味深いことに、RB150は、第1に、バソプレシン放出を減少させ、水性利尿及びナトリウム排泄を増大させ、それにより血液体積を減少させてBPを制御値に低下させることにより、第2に、交感神経の感受性を低下させて、それにより血管抵抗を低下させて、その結果としてBPを低下させることにより、DOCA塩ラット及びSHRにおけるBPを低下させることが見出された。RB150の長期の中枢点滴、及びAT1R遮断薬、ロサルタンも、交感神経の活性亢進及び心筋梗塞(MI)後のHFを有するラットで観察される心臓の機能障害を阻止することに同様に有効であることも報告された(Huang BS et al、Cardiovascular Res. 2013、97、pp 424-431)。したがって、RB150は、経口投与後に脳に進入することができて、高血圧のラットにおける脳APAの活性を遮断し、BPを正常化して、ラットにおけるMIに続く心臓の機能障害を予防する。脳APAの阻害剤は、HTN及びHFの処置のための中枢に作用する薬剤の新しいクラスとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際出願WO99/36066号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Marc Y、Llorens-Cortes、C Progress in Neurobiology 2011、95、pp 89-103;
【文献】Westcott KV et al、Can. J. Physiol. Pharmacol. 2009、87、pp 979-988
【文献】Zini S et al、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996、93、pp 11968-11973
【文献】Chauvel EN et al、J. Med. Chem. 1994、37、pp 1339-1346
【文献】Chauvel EN et al、J. Med. Chem. 1994、37、pp 2950-2957
【文献】David C et al、J. Med. Chem. 1999、42、pp 5197-5211
【文献】Georgiadis D et al、Biochemistry 2000、39、pp1152-1155
【文献】Inguimbert N et al、J. Peptide Res. 2005、65、pp 175-188
【文献】Fournie-Zaluski MC et al Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2004、101、pp 7775-7780
【文献】Bodineau L et al、Hypertension 2008、51、pp 1318-1325
【文献】Marc Y et al、Hypertension 2012、60、pp 411-418
【文献】Huang BS et al、Cardiovascular Res. 2013、97、pp 424-431
【文献】T. Higuchi及びV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery system」、Vol.14、A.C.S Symposium Series、American Chemical Society(1975)
【文献】「Bioreversible Carriers in Grug Design: Theroy and Application」、edited by E.B.Roche、Pergamon Press: New York、14~21(1987)
【文献】Stereochemistry of Carbon Compounds、E. L. Eliel (Mcgraw Hill、1962)
【文献】Tables of Resolving Agents、S. H. Wilen
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、強いAPA阻害剤として作用し、その関係で動脈高血圧を低下させることに有効であり得、動脈高血圧症、及び心不全等の、それが間接及び直接的に一因となる疾患の処置に効用を有することができる新規化合物を、現在特定した。前記化合物は、満足なバイオアベイラビリティ及び薬物動態パラメーターも示し、そのことが前記化合物を経口又は非経口的投与の優れた候補にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、以下の式(I):
【0011】
【化1】
【0012】
を有する、より具体的には以下の式(II):
【0013】
【化2】
【0014】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO2H、-SO3H、-PO3H2を表し;
lは1、2又は3であり;
m及びnは独立に0、1又は2であり;
R3及びR4は、独立にH、-OH、ハロゲン原子、アルキル又はハロアルキル基を表し;
環(式中で円により描かれている)は、アリール又は複素環を表し;
R1とR2とは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、アシル基、O-シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、アリール基、複素環基、又はアリールアルキル基を独立に表す);
それらの薬学的塩、溶媒和物、双性イオン形態又はプロドラッグを提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、式(I)、より具体的には式(II)の前記化合物を含む組成物を開示する。該組成物は、より詳細には医薬組成物である。したがって、本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物を、好ましくは薬学的に許容される希釈剤又は担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0016】
別の態様によれば、本発明は、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む、動脈高血圧症及び間接的に及び直接関係する疾患の予防又は処置のための方法に関する。別の態様において、本発明は、治療又は医薬において、活性医薬成分として、特に、ヒトの医薬において、より具体的には動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患又は障害の処置のために使用するための本発明の化合物を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患又は障害の処置のための医薬組成物を調製するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、それらを必要とする患者における、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む、動脈高血圧症又は間接的に及び直接関係する疾患を患う患者を処置する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例22の静脈内(i.v.)投与(5mg/kg)後のマウス脳APAエクスビボ活性の阻害の時間経過を記載する図である。
図2】実施例52の静脈内(i.v.)投与(4mg/kg)後のマウス脳APAエクスビボ活性の阻害の時間経過を記載する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
したがって、本発明は、以下の式(I):
【0021】
【化3】
【0022】
を有する、より具体的には以下の式(II):
【0023】
【化4】
【0024】
を有する化合物
(式中、
AHは、-CO2H、-SO3H、-PO3H2を表し;
lは1、2又は3であり;
m及びnは独立に0、1又は2であり;
R3及びR4は、水素原子、ヒドロキシ基(-OH)、ハロゲン原子、アルキル又はハロアルキル基を独立に表し;
環(式中で円により描かれている)は、アリール又は複素環を表し;
R1とR2とは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、アシル基、O-シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基、アリール基、複素環基又はアリールアルキル基を独立に表す)
に関する。
【0025】
本発明は、動脈高血圧症及び動脈高血圧症が直接又は間接的に一因となる疾患を予防又は処置する方法に使用するための、本発明による化合物を提供する。そのような疾患には、心臓、末梢及び大脳血管系、脳、眼及び腎臓の疾患が含まれる。特に、疾患には、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群及び緑内障が含まれる。
【0026】
本明細書において使用する「本発明の化合物」は、上で記載された化合物又はそれらのプロドラッグ若しくはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは任意の双性イオン形態を意味する。
【0027】
本発明の文脈内で、
用語「アルキル」又は「Alk」は、1価の又は2価の、直鎖状又は分岐した、1~8個の炭素原子を有する飽和炭化水素鎖((C1~C8)アルキルとも名付けられる)、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、tert-ブチル-メチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、又はn-オクチル基等を意味する。
【0028】
用語「アシル」は、Rが、前に規定されたアルキル基又はフェニル基である-C(O)R基を意味する。アシル基は、例えば、アセチル、エチルカルボニル、又はベンゾイル基を含む。
【0029】
用語「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、Alkが上に規定されたアルキル基である-OAlk基を意味する。アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、又はtert-ブチルオキシ基を含む。
【0030】
用語「アリール」は、4~10個の炭素原子((C4~C10)アリールとも名付けられる)を有する芳香族の単環式又は二環式系を意味し、二環式系の場合には、環の1つが芳香族であり、他の環は芳香族であるか又は不飽和であると理解される。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、インデニル、又はベンゾシクロブテニル基を含む。
【0031】
用語「複素環」は、酸素、イオウ及び窒素から選択される同一の又は異なるいずれかの1~4個のヘテロ原子を有し、多分1又は2個のオキソ(=O)又はチオキソ(=S)基を含有する3~12個のメンバーを有する、飽和した、不飽和又は芳香族の、融合しているか、スピロ-融合又は架橋している、単環式又は二環式系を意味し、二環式系の場合には、環の1つが芳香族であってもよく、他の環は芳香族か、飽和しているか又は不飽和であると理解される。複素環は、例えば、ピペリジル、ピペラジル、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピラジニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、又は[1,2,4]トリアゾリル基を含む。
【0032】
用語「アルキルチオ」は、Alkが、前に規定されたアルキル基である-SAlk基を意味する。アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、又はヘプチルチオを含む。
【0033】
用語「アルキルスルホキシド」は、Alkが前に規定されたアルキル基である-S(O)Alk基を意味する。アルキルスルホキシドは、例えば、メチルスルホキシド、エチルスルホキシド、又はイソプロピルスルホキシドを含む。
【0034】
用語「アルキルスルホニル」は、Alkが前に規定されたアルキル基である-S(O)2Alk基を意味する。アルキルスルホニルは、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、又はイソプロピルスルホニルを含む。
【0035】
用語「アリールアルキル」は、Alkが前に規定されたアルキル基を表し、Arが前に規定されたアリール基を表す-Alk-Ar基を意味する。
【0036】
用語「ヘテロアルキル」は、1から5個の炭素原子とイオウ、窒素又は酸素原子等の少なくとも1個又は2個のヘテロ原子とを有する直鎖状の又は分岐した飽和炭化水素鎖を意味する。ヘテロアルキルは、例えば、-O(CH2)2OCH3又は-(CH2)2OCH3基を含む。
【0037】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素原子を意味する。
【0038】
用語「シクロアルキル」は、例えば、3~12個の炭素原子を有する飽和した単環式又は多環式系((C3~C12)シクロアルキルとも名付けられる)等、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、デカリニル、又はノルボルニル基等を意味する。
【0039】
用語「O-シクロアルキル」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたシクロアルキル基を意味する。O-シクロアルキルは、例えば、O-シクロペンチル又はO-シクロヘキシル基を含む。
【0040】
用語「O-アリール」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたアリール基を意味する。O-アリールは、例えば、O-フェニル基を含む。
【0041】
用語「O-アリールアルキル」は、酸素原子を通して分子の残部と接続した前に規定されたアリールアルキル基を意味する。O-アリールアルキルは、例えば、O-ベンジル基を含む。
【0042】
「エステル」は、Rが上に規定されたアルキル、アリール又はアリールアルキル基を表す-C(O)OR基を意味する。
【0043】
用語「ハロアルキル」は、1~6個の炭素原子を有し、1個又は複数の、とりわけ1~6個のハロゲン原子で置換された直鎖状又は分岐した飽和炭化水素鎖、例えば、トリフルオロメチル又は2,2,2-トリフルオロエチル基等を意味する。
【0044】
用語「ハロアルコキシ」は、酸素原子を通して化合物に接続した、1~6個の炭素原子を有し、1個又は複数の、とりわけ1~6個のハロゲン原子で置換された直鎖状又は分岐した飽和炭化水素鎖、例えば、トリフルオロメトキシ又は2,2,2-トリフルオロエトキシ基等を意味する。
【0045】
用語「ハロアルキルチオ」は、イオウ原子を通して化合物に接続した、1~6個の炭素原子を含み、1個又は複数の、とりわけ1~6個のハロゲン原子で置換された、直鎖状又は分岐した飽和炭化水素鎖、例えば、トリフルオロメチルチオ基等を意味する。
【0046】
用語「保護基(protective group)」又は「保護基(protection group)」は、化学反応が、別の保護されていない反応性部位で選択的に実施され得るように、多官能性化合物中の反応性部位を選択的に遮断する基を意味し、その意味は、従来、合成化学において後者と関連する。
【0047】
本発明において、用語「薬学的に許容される」は、生物学的に又はその他で、一般的に安全な、無毒性で且つ望ましくないことがなく、獣医学の又はヒトの医薬で使用するために一般的に受け入れられている医薬組成物の調製に使用され得ることを指す。
【0048】
本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される無機若しくは有機酸又は塩基並びに第四級アンモニウム塩から形成される従来の塩を含む。適当な酸塩のより特定の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルモ酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフト酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステロ酸、タンニン酸その他の塩を含む。適当な塩基塩のより特定の例は、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン及びプロカイン塩を含む。
【0049】
例えば、好ましい塩の形態は塩酸塩を含む。
【0050】
用語「プロドラッグ」は、生理学的媒体との、とりわけ酵素反応による1種又は複数の自発的化学反応、光分解及び/又は代謝性反応によってインビボで発生する本発明の目的の化合物の化学的誘導体を意味する。存在する場合に、本発明の化合物のプロドラッグは、アミノペプチダーゼAの阻害剤と同定される化合物をインビボで発生する。
【0051】
プロドラッグは、特定の不安定な部分を有する官能基を誘導体化することにより得ることができる。酸官能基(ホスフィン酸、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸等)を有するプロドラッグは、とりわけエステルを含み、アミン官能基を有するプロドラッグは、とりわけカルバメート基を通して[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシカルボニルを含み、又はアミド基を通して2-オキソ-[1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミドを含む。
【0052】
他の例は、T. Higuchi及びV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery system」、Vol.14、A.C.S Symposium Series、American Chemical Society(1975)及び「Bioreversible Carriers in Grug Design: Theroy and Application」、edited by E.B.Roche、Pergamon Press: New York、14~21(1987)に記載されている。
【0053】
本発明によれば、用語「異性体」は、本明細書で同定されたものと同一の分子式を有するが、それらの性質により又は原子の結合配列又は空間におけるそれらの原子配置が異なる本発明の化合物を指す。空間におけるそれらの原子配置が異なる異性体は、「立体異性体」により表示される。互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と表示され、互いに重ね合わされ得ない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」又は「光学異性体」と表示される。「立体異性体」とはラセミ体、鏡像異性体及びジアステレオ異性体を指す。
【0054】
当業者は、立体中心が本発明の化合物に存在することを認識するであろう。本発明の化合物の任意のキラル中心は、(R)、(S)又はラセミ体であり得る。したがって、本発明は、式(I)の化合物の全ての可能な立体異性体及び幾何異性体を含み、ラセミ化合物だけでなく、光学活性異性体も同様に含む。好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、式(II)のものである。式(I)の化合物が単一の鏡像異性体として望まれる場合、それは、最終の生成物の分割によるか又は異性体として純粋な出発原料若しくは任意の適当な中間体のいずれかからの立体特異的合成によるかのいずれかで得ることができる。最終の生成物、中間体又は出発原料の分割は、当技術分野において公知の任意の適当な方法によって実行することができる。例えば、Stereochemistry of Carbon Compounds by E. L. Eliel (Mcgraw Hill、1962)及びTables of Resolving Agents by S. H. Wilenを参照されたい。
【0055】
当業者は、本発明の化合物が、少なくとも1個の正電荷及び1個の負電荷を含有することができ、その結果本発明の化合物は、それらの双性イオン形態を含むことを認識するであろう。化学において、両性イオン(内部塩とも呼ばれる)は、2つ以上の官能基を有する分子であり、分子の官能基の少なくとも1つは正の電荷を有し、1つは負の電荷を有し、異なる官能基の電荷が互いに均衡して、分子は全体として電気的に中性である。このことが起こるpHは、等電点として公知である。したがって、それらのプロドラッグを含む本発明の化合物の任意の双性イオン形態は、本発明の範囲内である。
【0056】
有機化学分野の専門家は、多くの有機化合物が、それらが溶媒中で反応するか又は沈殿して又は結晶化して溶媒と錯体を形成することができることを認識するであろう。これらの錯体は、「溶媒和物」として公知である。例えば、水との錯体は「水和物」として公知である。式(I)又は(II)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。
【0057】
多くの有機化合物が、2種以上の結晶形で存在し得ることも、有機化学における専門家によって認識されているであろう。例えば、結晶形は、或る溶媒和物から別の溶媒和物へと変化し得る。したがって、全ての本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容される溶媒和物の結晶形は本発明の範囲内である。
【0058】
本発明による化合物に対する本明細書における言及は、式(I)又は(II)の化合物の両方及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、双性イオン形態又はプロドラッグを含む。
【0059】
好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、一般式(I)、より具体的には式(II)に対応し、式中、
- lは2若しくは3であり; 並びに/又は
- mは0若しくは1であり; 並びに/又は
- nは0若しくは1であり; 並びに/又は
- AHは、CO2H若しくはSO3H若しくはPO3H2であり; 並びに/又は
- R3及びR4は両方Hであるか、若しくはR3及びR4は両方メチル基であり; 並びに/又は
- 環はアリール若しくは複素環基であり、より具体的にはフェニル、ナフチル、インドール、アザ-インドール若しくはイソオキサゾール基である。
【0060】
特定の実施形態によれば、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、O-シクロアルキル基、ヘテロアルキル基、O-アリール基、O-アリールアルキル基及びアリール基からなる群から独立に選択される。
【0061】
より好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、一般式(I)、より具体的には式(II)に対応し、式中、
- lは2であり; 並びに/又は
- m+n=1であり; 並びに/又は
- AHはCO2H若しくはSO3Hであり; 並びに/又は
- R3及びR4はHであり; 並びに/又は
- 環は、より具体的にはフェニル、ナフチル若しくはインドール基である。
【0062】
より特定の実施形態によれば、R1及びR2は、水素原子、ハロゲン原子(好ましくは塩素又はフッ素原子)、シアノ、アルキル基(好ましくはメチル)、アルコキシ基(好ましくはメトキシ)、アルキルスルホニル基(好ましくはメタンスルホニル)、ハロアルキル基(好ましくはトリフルオロメチル)、ハロアルコキシ基(好ましくはトリフルオロメトキシ)、O-シクロアルキル基(好ましくはO-シクロペンチル又はO-シクロヘキシル)、ヘテロアルキル基(好ましくはメトキシエトキシ)、O-アリール基(好ましくはO-フェニル)、O-アリールアルキル基(好ましくはO-ベンジル)、及びアリール基(好ましくはフェニル)からなる群から独立に選択される。
【0063】
本発明による化合物に対する本明細書における言及は、式(I)又は(II)の両方の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、双性イオンの形態又はプロドラッグを含む。
【0064】
特定の実施形態によれば、本発明による化合物のプロドラッグは、以下の式(III):
【0065】
【化5】
【0066】
、より具体的には以下の式(IV):
【0067】
【化6】
【0068】
を有する生成物
(式中、
l、m、n、R1、R2、R3、R4は、上に規定された通りであり;
Aは、-SO3Z-CO2Z又は-P(O)(OZ)2を表し、Zは、水素原子、アルキル及びアリールアルキル基からなる群から選択され;
Xは、水素原子、-(CO)-アルキル、-(CO)-アルコキシ、-(CO)-ベンジルオキシ、
【0069】
【化7】
【0070】
を表し、
ここで、Rは、上に規定されたアルキル基を表し、R'及びR"は、独立に、水素原子又は上に規定されたアルキル基を表し;
Yは、水素原子、アルキル、アリール、上に規定されたアリールアルキル基又は
【0071】
【化8】
【0072】
を表し、ここで、同一であるか又は異なるR、R'及びR"は、上に規定の通りであり、
Z、X及びYの少なくとも1つは、水素原子と異なる)
であり得る。
【0073】
特定の実施形態によれば、本発明の化合物は:
4-アミノ-4-[ベンジル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-({[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[(3-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[(4-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(2-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-({2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-[(2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド;
3-カルボキシ-1-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン-1-アミニウムクロリド;
3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{[2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸;
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸;
1-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-3-カルボキシプロパン-1-アミニウムクロリド;
5-アミノ-5-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ペンタン酸;
(1R)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
(1S)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド;
(1R)-3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド;
(4R)-4-アミノ-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸;
(1-アミノ-4-メトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(1-アミノ-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
{4-エトキシ-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)アミノ]-4-オキソブチル}(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
1-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-エトキシ-4-オキソブタン-1-アミニウムクロリド;
[1-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸;
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン-1-スルホン酸;
{3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロピル}ホスホン酸;
[4-エトキシ-1-({[(5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
エチル4-({[(5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル)メトキシ]カルボニル}アミノ)-4-({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}(2-フェニルエチル)ホスホリル)ブタノエート;
(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
3-({4-エトキシ-4-オキソ-1-[(2-フェニルエチル)ホスフィナト]ブチル}カルバモイル)-1-メチルピリジン-1-イウム;
{4-エトキシ-4-オキソ-1-[({[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]メトキシ}カルボニル)アミノ]ブチル}(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;
(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(2-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}エトキシ)カルボニル]アミノ}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸;及び
[1-(2-アミノアセトアミド)-4-エトキシ-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
からなる群から選択される。
【0074】
本発明の化合物は、医薬組成物の形態で便利に投与される。そのような組成物は、従来様式で、1種又は複数の生理学的に許容される担体又は賦形剤との混合物で便利に使用するために提供され得る。担体は、製剤の他の成分と適合性であり、それらを受ける対象者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0075】
本発明の化合物は、未加工の化学物質として治療に投与することができることは実現可能であるが、有効成分を医薬製剤として提供することも可能である。
【0076】
したがって、本発明は、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び任意選択で、他の有効成分と共に本発明の化合物を含む医薬組成物を更に提供する。
【0077】
該医薬組成物は、経口、非経口(例えば、皮下注射により又はデポ錠剤、皮内、髄腔内、眼内、筋肉内、例えば、デポ及び静脈内によりを含む)、眼、直腸及び局所(真皮(即ち、皮膚に)、バッカル及び舌下を含む)で、又は吸入又は吹入による投与に適当な形態で適当なものを含むが、最も適当な経路は、例えば、受容者の状態及び障害に依存し得る。該組成物は、単位剤形で便利に提供することができ、製薬分野において周知の任意の方法によって調製することができる。全ての方法は、本発明の化合物を、任意選択で少なくとも1種の他の有効成分と、1種又は複数の付属の成分を構成する担体と合体させる工程を含む。一般的に、製剤は、均一に及び密に、有効成分を、液体担体又は微細に分割された固体担体と又は両方と合体させて、次に、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
【0078】
経口投与のために適当な医薬組成物は、所定の量の有効成分を、散剤又は顆粒剤として、水性液体若しくは非水性液体中の溶液剤若しくは懸濁液剤として; 又は水中油液体エマルション剤若しくは油中水液体エマルション剤として各々含有するカプセル、カシェ剤又は錠剤(例えば、特に小児用投与のための噛むことができる錠剤)等の離散的単位として提供することができる。有効成分は、ボーラス、舐剤又はペーストとして提供することもできる。
【0079】
錠剤は、圧縮又は鋳型成型により、任意選択で1種又は複数の付属の成分と共に作製することができる。圧縮された錠剤は、適当な機械で、粉末又は顆粒等の自由に流動する形態にある有効成分を、任意選択で、他の従来の賦形剤、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン糊、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、スクロース、微結晶セルロース、トウモロコシ-デンプン、リン酸カルシウム又はソルビトール)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はナトリウムデンプングリコレート)又はラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤等と混合して圧縮することにより調製することができる。鋳型成型された錠剤は、適当な機械で、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物で鋳型成型することにより作製することができる。錠剤は、任意選択で、コートされても又は刻み目をつけられてもよく、その中の有効成分の遅延又は制御された放出を提供するように、製剤化することができる。錠剤は、当技術分野において周知の方法に従ってコートされてもよい。
【0080】
或いは、本発明の化合物は、経口液体調製物、例えば、水性又は油性の懸濁液剤、溶液剤、エマルション剤、及び例えば、シロップ剤又はエリキシル剤等に組み込むことができる。その上、これらの化合物を含有する医薬組成物(又は製剤)は、使用前に水又は他の適当なビヒクルで構成するための乾燥した製品として提供することができる。そのような液体調製物は、従来の添加剤、例えば、懸濁剤等、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は水素化された可食性脂肪; 乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート又はアラビアゴム、非水性ビヒクル(それは可食性油を含んでもよい)、例えば、アーモンド油、分画されたココナツ油、油性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコール等; 及び、p-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル又はソルビン酸等の防腐剤を含有することができる。これらの調製物は、例えば、ココアバター又は他のグリセリド等の従来坐薬賦形剤を含有する坐薬としても製剤化され得る。
【0081】
非経口的投与のための製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び意図される受容者の血液と等張の製剤を与える溶質を含有してもよい水性及び非水性滅菌注射溶液; 並びに懸濁剤及び増粘剤を含んでいてもよい水性及び非水性滅菌懸濁液剤を含む。製剤は、単位用量又は複数用量の容器、例えば、封じられたアンプル及びバイアルで提供することもでき、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、注射用の水の添加だけが必要な凍結乾燥された(lyophilized)状態で貯蔵することもできる。即席の注射溶液及び懸濁液は、前に記載された種類の滅菌散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0082】
直腸投与のための組成物は、ココアバター、硬質脂肪又はポリエチレングリコール等の通常の担体を用いて、坐薬として調製することができる。
【0083】
口で、例えば、バッカルで又は舌下に局所投与するための製剤は、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴム等の賦形剤中に有効成分を含む香味料を含む賦形剤、例えば、スクロース及びアラビアゴム又はトラガカント、及びトローチ剤中に有効成分を含むロゼンジを含む。皮膚上に局所投与するために、化合物は、クリーム剤、ゲル剤、軟膏又はローション剤として又は経皮パッチとして製剤化され得る。眼投与のために、組成物は、液体溶液剤(点眼溶液剤等)、ゲル剤、クリーム剤又は任意のタイプの眼科組成物であり得る。
【0084】
化合物は、デポ調製物としても製剤化され得る。これらの長く作用する製剤は、埋め込みにより(例えば、皮下又は筋肉内に)又は筋肉内注射により投与され得る。したがって、例えば、該化合物は、適当なポリマー又は疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂を用いて、又はやや溶けにくい誘導体として、例えば、やや溶けにくい塩として製剤化され得る。
【0085】
鼻内投与のためには、本発明の化合物を、例えば、液体スプレーとして、散剤として又は液滴の形態で使用することができる。
【0086】
吸入による投与のためには、本発明による化合物は、加圧された容器又はネブライザーから、適当な噴射剤、例えば、1,1,1,2-トリフルオロエタン(HFA134A)及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA227)、二酸化炭素又は他の適当なガスを使用して、エアロゾルスプレー調製物の形態で、便利に送達される。加圧されたエアロゾルの場合に厳密な投薬は、計量された量を送達するために適合されたバルブを備えることにより決定することができる。例えば、ゼラチンのカプセル及びカートリッジは、吸入器又は吹入器中で使用するために、本発明の化合物及びラクトース又はデンプン等の適当な粉末賦形剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
上で特に言及した成分に加えて、製剤は、問題の製剤のタイプに関係を有する技術で従来の他の薬剤を含むことができ、例えば、経口投与のために適当なものは、香味剤を含むことができる。
【0087】
処置に対する本明細書における言及が、確立された疾患又は症状の防御並びに処置に拡張されることは、当業者により認識されるであろう。その上、処置で使用するために必要な本発明の化合物の量は、処置されている状態の性質並びに患者の年齢及び状態で変化するので、最終的には、付き添う医師又は獣医師の裁量によるであろうということは認識されるであろう。患者は、ヒト又は非ヒト哺乳類を含む任意の哺乳類であり得る。本発明は、より具体的にはヒト哺乳類、より具体的には成人を志向する。一般的に、成人のヒトの処置のために使用される用量は、典型的には、1日に0.02~5000mg、好ましくは1日に1~1500mgの範囲内であろう。所望の用量は、単一の用量で、又は例えば、1日当たり2、3、4又はそれを超える分割用量のように適当な間隔で投与される分割された用量として、便利に提供され得る。本発明による製剤は、0.1~99%の間の有効成分、便利には、錠剤及びカプセルについては30~95%及び液体調製物については3~50%を含有することができる。
【0088】
本発明で使用するための本発明の化合物は、1種又は複数の他の有効な治療剤、例えば、ベータ-アドレナリン作用性の受容体アンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断剤、チアジド利尿剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤と共に使用することができる。したがって、本発明は、更なる態様で、動脈高血圧症の処置において、本発明の化合物と更なる治療剤とを含む組み合わせの使用を提供する。
【0089】
本発明の化合物が他の治療剤と共に使用される場合、該化合物は、順次又は同時のいずれかで任意の適当な経路により投与されてもよい。
【0090】
上で言及した併用は、医薬製剤の形態で使用するために適当に提供され得るので、薬学的に許容される担体又は賦形剤と最適に一緒にした上に規定された併用を含む医薬製剤は、本発明の更なる態様である。そのような併用の個々の構成要素は、順次又は同時のいずれかで、別々に又は組み合わされた医薬製剤で投与されてもよい。
【0091】
同じ製剤中に組み合わされる場合には、その2種の化合物が、安定で且つ及び製剤の他の構成要素と適合性でなければならず、投与のために製剤化され得ることは認識されるであろう。別々に製剤化される場合、それらは、当技術分野でそのような化合物のために公知の様式で適当に、任意の適当な製剤で提供することができる。
【0092】
本発明の化合物が、第2の治療剤の活性物質と共に同じ疾患に対して使用される場合、各化合物の用量は、該化合物が単独で使用される場合に投与される量と異なり得る。適当な用量は当業者により容易に決定されるであろう。
【0093】
別の態様では、本発明の対象は、動脈高血圧症及び直接及び間接的に関係する疾患の予防又は処置のための、治療有効量の本発明の化合物の投与を含む方法である。
【0094】
別の態様では、本発明は、治療薬で使用するために、特に獣医学又はヒトの医学で、本発明の化合物を提供する。
【0095】
本発明は、アミノペプチダーゼAに関する選択的阻害剤としての式(I)又は(II)の化合物の使用にも関する。
【0096】
別の態様では、本発明は、動脈高血圧症並びに直接及び間接的に関係する疾患の処置で使用するための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0097】
別の態様では、本発明は、動脈高血圧症及び直接及び間接的に関係する疾患を患う患者を処置する方法であって、前記患者に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0098】
本発明は、動脈高血圧症及び動脈高血圧症が直接又は間接的に一因となる疾患の予防又は処置のための方法を提供する。これらの疾患は、心臓疾患、心不全、脳卒中、末梢及び/又は大脳血管系疾患、脳、眼及び腎臓の疾患を含む。特に、該疾患は、原発性及び続発性動脈高血圧症、発作、心筋虚血、心臓機能不全及び腎臓機能不全、心筋梗塞、末梢血管疾患、糖尿病性タンパク尿、X症候群、緑内障、神経変性疾患及び記憶障害を含む。
【0099】
式(I)又は好ましくは(II)の化合物は、数通りの方法によって調製することができる。出発製品は市販の製品であるか又は市販の化合物からの公知の合成により調製されるか若しくは当業者に公知の製品である。より具体的には、本発明の化合物を調製する方法は、以下の連続的工程を含む:
本発明の目的の式(I)の化合物は、以下の式(V)、(VI)及び(VII)の前駆体を使用することにより、後で記載される合成経路に従って調製することができる
【0100】
【化9】
【0101】
(式中、l、m、n、R1、R2、R3、R4、A及びXは、上に規定の通りである)。
【0102】
この合成経路に従って、複数の構成要素の反応が、式(VIII)の化合物を導くために、例えば、トルエン等の有機溶媒中で酢酸及び塩化アセチルの存在下で、化合物(V)、(VI)及び(VII)の間で実施される:
【0103】
【化10】
【0104】
次に、官能基Aの保護基及びアミノ官能基の保護基Xの同時脱保護が、式(I)の本発明の化合物の形成を導く水素化分解によって起こり得る。
【0105】
幾つかの場合に、式(VIII)の化合物の基Aは、リチン(lithine)により選択的に脱保護され、例えば、式(IX)の中間体化合物を提供し、
【0106】
【化11】
【0107】
次に、式(IX)の化合物は、アニソールのような有機溶媒中で加熱下に、水素化分解又はトリフルオロ酢酸等の酸性条件に供されて、式(I)の本発明の化合物を提供する。
【0108】
本発明の目的の式(I)の化合物は、以下の式(Vbis)及び(X)の前駆体を使用することにより、後で記載される合成経路に従って調製することができる
【0109】
【化12】
【0110】
(式中、l、m、n、Y、R1、R2、R3、R4及びAは、上に規定の通りである)。
【0111】
この合成経路に従って、式(XI)の化合物を導くために、化合物(Vbis)と、文献から周知の方法により得られたスルホ-イミン(X)との間で、反応が、ジクロロメタン等の有機溶媒中で、例えば、炭酸セシウムの存在下で実施される:
【0112】
【化13】
【0113】
(式中、l、m、n、Y、R1、R2、R3、R4及びAは、上に規定の通りである)。
【0114】
スルホ-イミン中間体(X)が、文献の周知の方法によりキラル形態で合成され得ることは、注目に値する。キラルを誘導する保護基がスルホ-イミン(X)により支持される場合、このシントンは、式(II)の化合物の前駆体の不斉合成への道筋を提供することができる。
【0115】
ラセミ形態又はキラル形態にある中間体(XI)に適用される適当な脱保護工程は、式(I)又は(II)の本発明の化合物のそれぞれへの道筋を提供する。
【0116】
式(V)の前駆体は、以下の式(XII)の化合物から得ることができる、
【0117】
【化14】
【0118】
(式中、m、n、R1、R2、R3、及びR4は、上に規定の通りである)。
【0119】
m=n=0の場合には、式(V)の化合物は、ビス(トリメチルシリル)ホスホナイトを、ジクロロメタンのような有機溶媒中、例えば、0℃等の冷却された条件下で式(XII)の化合物と反応させることにより得ることができる。
【0120】
他の場合には、式(V)の化合物は、式(XII)の化合物の対応するグリニャール試薬とジエチルクロロホスファイトとを、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランのような有機溶媒中で0~10℃等の冷却された条件下で反応させることにより得ることができる。
【0121】
式(Vbis)の前駆体は、文献の周知の方法によって前にジアルキルホスフィン-ボラン錯体に供された式(XII)の化合物のヨウ化物アナログから得ることができ、以下の式(XIII)の化合物が導かれる、
【0122】
【化15】
【0123】
(式中、m、n、Y、R1、R2、R3及びR4は、前に規定の通りである)。
【0124】
次に、ジクロロメタン等の有機溶媒中で、式(XIII)の化合物をテトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル等の酸性条件に供して、式(Vbis)の化合物を提供する。
【0125】
以下の実施例は、本発明を例示するが、如何なる意味によっても、本発明を限定しない。
【実施例
【0126】
使用される出発製品は、市販の製品であるか又は市販の化合物から公知の合成によって調製された又は当業者に公知の製品である。異なる一般的手順A、B、C、D、E及びFが、本発明の化合物を調製するために有用な合成中間体を導く。手順G及びHは、最終の本発明の化合物の合成を導く。
【0127】
実施例に記載された化合物の構造は、通常の分光学的技法(核磁気共鳴(NMR)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む質量分析法)によって決定し、純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により決定した。
【0128】
合成中間体及び本発明の化合物は、IUPAC(国際純正応用化学連合)の命名法に従って命名し、それらの中性形態で記載した。
【0129】
以下の略記号を使用した:
AIBN: アゾビスイソブチロニトリル
(Boc)2O: ジ-tert-ブチルジカーボネート
(n-Bu)4NBr: 臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム
(n-Bu)4NI: ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
AcCl: 塩化アセチル
AcOH: 酢酸
BTSP: ビス(トリメチルシリル)ホスホネート
Cbz: カルボキシベンジル
CH2Cl2又はDCM: ジクロロメタン
CHCl3: クロロホルム
cHex: シクロヘキサン
CuSO4: 硫酸銅
DCC: N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DTAD: ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート
EDCI: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)エチルカルボジイミド
Et2O: ジエチルエーテル
EtOAc: 酢酸エチル
HBF4.Et2O: テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル複合体
HCl: 塩酸
HMDS: 1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン
I2: ヨウ素
i-PrOH: イソプロパノール
K2CO3: 炭酸カリウム
KOtBu: カリウムtert-ブトキシド
LiAlH4: 水素化リチウムアルミニウム
LiHMDS: リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
LiOH.H2O: 水酸化リチウム一水和物(リチン)
MeOH: メタノール
Mg: マグネシウム
Na2S2O3: チオ硫酸ナトリウム
Na2SO4: 硫酸ナトリウム
NaBH4: 水素化ホウ素ナトリウム
NaHCO3: 重炭酸ナトリウム
NEt3: トリエチルアミン
NH2Cbz: ベンジルカルバメート
NH4Cl: 塩化アンモニウム
Pd(PPh3)4: テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
TFA: トリフルオロ酢酸
Eq.: 当量
ESI: エレクトロスプレーイオン化
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
NMR: 核磁気共鳴
PTFEフィルター: ポリテトラフルオロエチレンフィルター
【0130】
m=n=0である中間体(V)の調製のための一般的手順(手順A)
【0131】
【化16】
【0132】
次亜リン酸アンモニウム(5.0又は10当量)を含むバイアルに、アルゴン下HMDS(5.0又は10当量)を加えた。BTSPを合成するために白色懸濁液を105℃で2時間加熱した。系を0℃に冷却し、次いで中間体(XII)(1.0当量)のDCM(中間体(XII) 1.4~3.2mL/mmol)中溶液を加えた。白色懸濁液を室温で終夜撹拌した。MeOHを加えて過剰のBTSPをクエンチした。反応混合物をPTFEフィルターに通して濾過し、次いで真空で濃縮した。粗製物を1M HCl(pH=1)中で20分間撹拌し、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、所望の中間体(V)を得た。
【0133】
m又はn≠0である中間体(V)の調製のための一般的手順(手順B)
【0134】
【化17】
【0135】
対応するグリニャール溶液(無水THF又はEt2O中0.5から1.0M、1.05当量)に変換した中間体(XII)を、添加の間内温を0~10℃の間で維持しながら、アルゴン雰囲気下ジエチルクロロ亜リン酸(1.0当量)の無水Et2O中冷却溶液(5℃) (ジエチルクロロ亜リン酸1.3mL/mmol)に滴下添加した。室温で16時間撹拌した後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、濃HCl水溶液(pH=1)で処理した。無色透明溶液が得られるまで(15分)、得られた混合物を室温で撹拌した。この溶液をEtOAc(3回)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。透明液体を2M NaOH水溶液に希釈し、得られた溶液を1時間撹拌した。水性層をEt2Oで洗浄し、次いで濃HClで(pH=1まで)酸性化した。得られた酸水性層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮して、所望の中間体(V)を得た。
【0136】
ホスフィン-ボラン錯体中間体(XIII)を経由するホスフィン酸塩(Vbis)の調製のための一般的手順(手順C)
【0137】
【化18】
【0138】
ジアルコキシホスフィン-ボラン錯体、(BH3)P(OY)2H、を参考文献Tetrahedron 2008、64、9181~9190頁に従って調製した。
Y=Etの場合、(BH3)P(OEt)2H(1.2当量)を-78℃でTHF(ホスフィン-ボラン錯体3mL/mmol)に溶解し、得られた溶液を脱気した。LiHMDS(THF中1.0M溶液、1.2当量)を滴下添加し、得られた薄黄色溶液を-78℃で1時間撹拌した。臭素類似体(XII)の変換から得られた、ヨウ化物誘導体(1.0当量)のTHF中溶液(ヨウ化物誘導体1.5mL/mmol)を加え、混合物を室温に加温し、室温で2時間撹拌した。反応物をNH4Clの飽和溶液/ブラインの1/1混合物の添加によりクエンチし、EtOAcを加えた。層を分離し、水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体(XIII)を得た。
【0139】
次いで、中間体(XIII)(1.0当量)のDCM中溶液(中間体(XIII) 5mL/mmol)に、0℃でHBF4.Et2O(5.0当量)を滴下添加した。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、NaOHの水溶液(2M、15mL)を加えた。30分間撹拌した後、水性混合物をMTBEで2回洗浄した。濃HClを滴下添加することにより水性相を酸性化してpHを約1にし、NaCl溶液で飽和させた。EtOAcを加え、層を分離した。水性相をEtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、所望の中間体(Vbis)を得た。
【0140】
多成分反応のための一般的手順(手順D)
【0141】
【化19】
【0142】
中間体(V)(1.0当量)及びカルバミン酸ベンジル(VII)(X=CBzであるH2N-X)(1.1当量)のAcOH(中間体(V) 0.9~1.8mL/mmol)及びAcCl(中間体(V) 0.09~0.52mL/mmol)の約6:1混合物中溶液に、中間体(VI)(1.2当量)を滴下添加した。室温で18時間撹拌した後、反応混合物をトルエン(3回)と共蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、次いで水を加えて残ったAcClをクエンチし、次いで水性層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製材料をEt2O中で摩砕し、濾過し、得られた固体を乾燥させて、所望の中間体(VIII)を得た。
【0143】
多成分反応に代替する一般的手順(手順E)
【0144】
【化20】
【0145】
DCM中の炭酸セシウム(2.5当量)に、ホスフィン酸塩(Vbis)(1.5当量) (炭酸セシウム0.95mL/mmol)を加えた。15分後、DCM中ラセミ体又はキラルな式(X)のスルホ-イミン(1.0当量)(イミン(X) 2.4mL/mmol)を加え、反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチした。水性層をEtOAc(3回)で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相又は逆相)により精製して、所望の中間体(XI)を得た。
【0146】
選択的脱保護化のための一般的手順(手順F)
【0147】
【化21】
【0148】
THF/水(4:1)の混合物中の中間体(VIII)又は(XI)(1.0当量)に、LiOH.H2O(3.0当量)を一度に加えた。混合物は即座にオレンジ色になり、反応が完結するまで室温で撹拌した。混合物を濃縮してTHFを蒸発させ、次いで水性層をEtOAc(3回)で抽出した。次いで水性層をHCl水溶液でpH1に酸性化し、この間沈殿物が生成した。ほとんどの場合、水性層をDCM(5回)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、選択的に脱保護化された対応する中間体(IX)及び(XIV)を得た。場合によっては、酸性化処理後に得られた沈殿物を直接濾過し、乾燥させて、これらの期待する中間体を得た。
【0149】
酸性条件における最終脱保護化のための一般的手順(手順G)
【0150】
【化22】
【0151】
手順Fに従って選択的に脱保護化された中間体(IX)又は(XIV)に、TFA/アニソール又はHCl/ジオキサンを加えた。得られた溶液をTFA/アニソール条件にて75℃で2から6時間、次いで必要な場合室温で、さもなければHCl/ジオキサン条件では室温で撹拌した。濃縮し、トルエン(3回)で共蒸発させた後、又は沈殿物が生成した場合には直接濾過した後、粗製物を摩砕、分取LCMS又は逆相カラムにより精製して、本発明の式(I)又は(II)の所望の化合物を得た。
【0152】
水素化分解のための一般的手順(手順H)
【0153】
【化23】
【0154】
中間体(VIII)(1.0当量)をEtOH/AcOH又はMeOH/AcOHの混合物(全容量:その溶解性に依存して保護化化合物17~34mL/mmol)に溶解した。粉体を超音波処理して溶解性を促進し、次いで透明溶液をH-キューブ(触媒=10%Pd/C、T=40℃、流速=0.6~0.8mL/分、完全H2モード又は10bars)に供した。濃縮後、粗製物を摩砕により又は逆相カラムにより精製して、本発明の式(I)の所望する化合物を得た。
【0155】
ベンジル4-オキソブタノエートの調製
工程1:ベンジル4-ヒドロキシブタノエートの合成
γ-ブチロラクトン(20mL、255mmol、1.0当量)及びNaOH(10.2g、255mmol、1.0当量)を水(170mL)に溶解し、温度を70℃に上げた。12時間後、水を蒸発させ、白色糊状物をトルエンと共に蒸発させた(3回)。白色固体を真空下に置き、70℃に2時間加熱した。固体をトルエンで再度溶解して痕跡量の水を除去した。得られた白色固体をアセトン(280mL)に懸濁した。テトラブチルアンモニウムヨージド(4.72g、12.8mmol、0.05当量)及び塩化ベンジル(29.4mL、255mmol、1.0当量)を懸濁液に加えた。溶液を6時間還流し、次いで室温で終夜戻した。次いで反応混合物を6時間再度還流させた。室温で、混合物を濾過し、濾液を蒸発させて粗製物を得、これをシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題生成物(36.5g、74%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.31 (m, 5H); 5.13 (s, 2H); 3.69 (t, 2H, J = 6.0 Hz); 2.50 (t, 2H, J = 7.0 Hz); 1.93-1.88 (m, 2H)
【0156】
工程2:ベンジル4-オキソブタノエートの合成
ベンジル4-ヒドロキシブタノエート(10g、51.49mmol、1.0当量)をジクロロメタン(1.7L)に溶解し、0℃に冷却した。デス-マーチンペルヨージナン(33g、77.23mmol、1.5当量)を加え、混合物を室温で2時間30分撹拌した。混合物を濃縮し、粗製物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題化合物(8.0g、81%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.82 (s, 1H); 7.39-7.31 (m, 5H); 5.14 (s, 2H); 2.82 (t, 2H, J = 7.0 Hz); 2.71-2.67 (m, 2H)
【0157】
メチル4-オキソブタノエートの調製
工程1:メチル4-ヒドロキシブタノエート
γ-ブチロラクトン(10mL、127.7mmol、1.0当量)のMeOH(638mL)中溶液に、Et3N(104mL、766.6mmol、6.0当量)を加え、反応物を60℃に加熱し、19時間撹拌した。次いで反応物を室温に冷却し、トルエン(200mL)で希釈し、真空で濃縮した。残ったMeOHをトルエン(2×40mL)と共沸除去した。粗製物(15g)をカラムクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題化合物(12.1g、80%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 3.67 (m, 5H); 2.44 (m, 2H); 1.89 (m, 3H)
【0158】
工程2:メチル4-オキソブタノエート
メチル4-ヒドロキシブタノエート(6g、50.79mmol、1.0当量)をCH2Cl2(1.7L)に溶解し、0℃に冷却した。デス-マーチンペルヨージナン(32.3g、76.19mmol、1.5当量)を加え、黄色混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗製物(30g)をカラムクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、表題化合物(2.25g、38%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.81 (s, 1H), 3.69 (s, 3H); 2.80 (m, 2H); 2.63 (m, 2H)
【0159】
ベンジル(4E)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエートの調製
ベンジル4-オキソブタノエート(3.27g、17.0mmol、1.03当量)及びラセミ体のtert-ブチルスルフィンアミド(2.0g、16.5mmol、1.0当量)のDCM(32mL)中溶液に、室温でCuSO4(5.27g、33.0mmol、2.0当量)を加えた。得られた懸濁液を室温で7時間撹拌した後、セライト上で濾過し(EtOAcすすぎ)、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(4.0g、82%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 296.2
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.16 (t, J = 3.1 Hz, 1H); 7.48-7.31 (m, 4H); 5.28-5.04 (m, 2H); 2.99-2.76 (m, 3H); 2.76-2.63 (m, 1H); 1.18 (s, 9H)
【0160】
ベンジル(4E)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエートの調製
室温で、(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.75g、6.19mmol、1.0当量)のDCM(12.0mL)中溶液に、CuSO4(1.98g、12.38mmol、2.0当量)及びベンジル4-オキソブタノエート(1.23g、6.37mmol、1.3当量)を順次加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶液をセライト上で濾過し、ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、期待する化合物(1.3g、71%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 296.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.14 (t, 1H, J = 3.0 Hz); 7.38-7.31 (m, 5H); 5.15-5.10 (m, 2H); 2.94-2.66 (m, 4H); 1.15 (s, 9H)
【0161】
ベンジル(4E)-4-{[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエートの調製
室温で、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(0.2g、1.65mmol、1.0当量)のDCM(3.3mL)中溶液に、CuSO4(527mg、3.3mmol、2.0当量)及びベンジル4-オキソブタノエート(412mg、2.15mmol、1.3当量)を順次加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。溶液をセライト上で濾過し、ケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、期待する化合物(257mg、53%)を薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 296.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.13 (t, 1H, J = 3.0 Hz); 7.38-7.31 (m, 5H); 5.15-5.09 (m, 2H); 2.94-2.66 (m, 4H); 1.15 (s, 9H)
【0162】
2,2-ジメチルプロピル3-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]プロパン-1-スルホネートの調製
工程1:2,2-ジメチルプロピルメタンスルホネート
2,2-ジメチルプロパン-1-オール(10g、113.4mmol、1.0当量)及びメタン-スルホニルクロリド(8.2mL、323.3mmol、0.94当量)のDCM(200mL)中冷却溶液に、0℃でトリメチルアミン(45mL、106.6mmol、2.85当量)を滴下添加した。内部反応温度を10℃(内部温度計)未満に維持した。添加は1時間30分で完結した。反応混合物を0℃で追加の2.5時間撹拌した。次いで混合物をNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(16.8g、89%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 3.90 (s, 2H); 3.03 (s, 3H); 1.02 (s, 9H)
【0163】
工程2:2,2-ジメチルプロピル3-ヒドロキシプロパン-1-スルホネート
アルゴン下、n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M、23mL、57.7mmol、1.2当量)を、前段生成物(8.0g、48.1mmol、1.0当量)及びテトラメチルエチレンジアミン(7.9mL、96.2mmol、2.0当量)の乾燥THF(100mL)中冷却(-78℃ドライアイス、アセトン)溶液に15分かけて滴下添加した。得られた溶液を-78℃で追加の30分間撹拌し、次いでエチレンオキシドの溶液(THF中3.0M、19.3mL、57.7mmol、1.2当量)を15分かけて滴下添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでEt2Oに希釈し、ブラインで洗浄した。水性層をEt2O(3回)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。得られた淡黄色油状物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.73g、76%)を無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 3.88 (s, 2H); 3.79 (t, J = 5.5 Hz, 2H); 3.26 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.11 (tt, J = 5.5及び8.0 Hz, 2H); 0.99 (s, 9H)
【0164】
工程3:2,2-ジメチルプロピル3-オキソプロパン-1-スルホネート
前段生成物(7.7g、17.6mmol、1.0当量)のDCM(810mL)中溶液に、室温でデスマーチンペルヨージナン(23.3g、54.9mmol、1.5当量)を一度で加えた。1.5時間撹拌した後、溶液は乳白色になり、出発物の消費が完結した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣(25g)をクロマトグラフィーにより精製した。期待する生成物を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、期待する化合物(3.9g、59%)を無色油状物として得、これは静置すると結晶化した。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.81 (s, 1H); 3.89 (s, 2H); 3.43 (t, J = 7.5 Hz 2H); 3.07 (t, J = 7.5 Hz 2H); 0.99 (s, 9H)
【0165】
工程4:2,2-ジメチルプロピル(3E)-3-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]プロパン-1-スルホネート
前段生成物(4.10g、19.7mmol、1.0当量)及びラセミ体のtert-ブチルスルフィンアミド(3.1g、25.6mmol、1.3当量)のDCM(33mL)中溶液に、室温でCuSO4(6.28g、39.4mmol、2.0当量)を加えた。得られた懸濁液を室温で16時間撹拌した後、セライト上で濾過(EtOAcすすぎ)し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(5.2g、85%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.18 (t, J = 3.1 Hz, 1H); 3.99-3.87 (m, 2H); 3.64-3.40 (m, 2H); 3.19-3.05 (m, 2H); 1.23 (s, 9H); 1.02 (s, 9H)
【0166】
(実施例1)
4-アミノ-4-[ベンジル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1:ベンジルホスフィン酸
DCM(1.5mL)中の臭化ベンジル(317μL、2.92mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(14.62mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(252mg、55%)を調製し、無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.31 (m, 2H); 7.29-7.21 (m, 3H); 6.98 (dt, 1H, J = 560及び1.8 Hz); 5.93 (bs, 1H); 3.12 (dd, 2H, J = 18.3及び1.8 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.84
【0167】
工程2:ベンジル(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メトキシ-4-オキソブチル)ホスフィン酸
AcOH(2.0mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(252mg、1.61mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(268mg、1.78mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてメチル4-オキソブタノエート(純度90%、208μL、1.78mmol)の添加における手順Dに従って表題化合物(522mg、80%)を調製し、白色粉体として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11.16 (bs, 1H); 7.49-7.17 (m, 11H); 5.07 (s, 2H); 3.72 (m, 1H,); 3.56 (s, 3H); 2.98 (d, 2H, J = 15.0 Hz); 2.43-2.30 (m, 2H); 2.05-1.91 (m, 1H); 1.78-1.69 (m, 1H)
【0168】
工程3:4-[ベンジル(ヒドロキシ)ホスホリル]-4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
LiOH.H2O(92mg、3.86mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4mL/1mL)の混合物中、前段生成物(522mg、1.29mmol)から手順Fに従って表題化合物(304mg、60%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 392.2
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11.60 (bs, 2H); 7.47 (d, 1H, J = 9.6 Hz); 7.42-7.10 (m, 9H); 5.07 (s, 2H); 3.76-3.69 (m, 1H); 2.98 (d, 2H, J = 15.0 Hz); 2.36-2.20 (m, 2H); 2.03-1.97 (m, 1H); 1.73-1.66 (m, 1H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 43.62
【0169】
工程4:4-アミノ-4-[ベンジル(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH 9/1混合物(14mL/1.5mL)中の前段生成物(304mg、0.78mmol)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(125mg、62%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 240.1; [M+H]+ =; 258.1; [(Mx2)+H]+ = 512.2; [(Mx3)+H]+ = 772.4
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.34 (m, 5H); 3.22 (td, 1H, J = 8.5及び5.0 Hz); 3.08 (dd, 2H, J = 16.5及び3.0 Hz); 2.57-2.42 (m, 2H); 2.11-2.04 (m, 1H); 1.94-1.85 (m, 1H)
31P NMR (D2O, 202 MHz) δ (ppm): 30.41
【0170】
(実施例2)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(2-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(7.9mL)中の1-(ブロモメチル)-2-メチルベンゼン(1.0g、5.40mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(27.02mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(354mg、38%)を調製し、固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 171.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.91 (br s, 1H); 7.18-7.12 (m, 4H); 6.90 (dt, 1H, J = 558.5及び2.0 Hz); 3.11 (dd, 2H, J = 18.5及び2.0 Hz); 2.32 (s, 3H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.60
【0171】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(2-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(2.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(354mg、2.08mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(320mg、2.29mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(443mg、2.50mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(534mg、52%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 496.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.06 (m, 14H); 5.16-5.05 (m, 4H); 4.04-3.99 (m, 1H); 3.19-3.08 (m, 2H); 2.57-2.45 (m, 2H); 2.32 (s, 3H); 2.27-2.19 (m, 1H), 1.93-1.84 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 45.10
【0172】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、18mL)中の前段生成物(300mg、0.60mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(92mg、56%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRにより推定)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.1; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.2; [(Mx3)+H]+ = 814.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.31-7.28 (m, 1H); 7.15-7.05 (m, 3H); 3.17-3.13 (m, 1H); 3.07 (dd, 2H, J = 16.0及び1.5 Hz); 2.55 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.42 (s, 3H); 2.26-2.17 (m, 1H), 2.00-1.90 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.25
【0173】
(実施例3)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(3-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(7.9mL)中の1-(ブロモメチル)-3-メチルベンゼン(1.0g、5.40mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(27.02mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(518mg、56%、純度80~85%)を調製し、固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 171.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.24 (br s, 1H); 7.22-7.17 (m, 1H); 7.08-7.01 (m, 3H); 6.94 (dt, 1H, J = 560及び2.0 Hz); 3.07 (dd, 2H, J = 18.5及び2.0 Hz); 2.32 (s, 3H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 32.68
【0174】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(3-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(518mg、3.04mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(506mg、3.35mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(702mg、3.65mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(899mg、60%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 496.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.27 (m, 10H); 7.16 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 7.10 (br s, 1H); 7.05 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 5.12 (s, 2H); 5.11 (s, 2H); 4.00-3.95 (m, 1H); 3.10 (dd, 2H, J = 16.0及び6.0 Hz); 2.55-2.43 (m, 2H); 2.31 (s, 3H); 2.25-2.17 (m, 1H), 1.93-1.83 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 45.01
【0175】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、22mL)中の前段生成物(400mg、0.81mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(165mg、75%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.1; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.2; [(Mx3)+H]+ = 814.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.18-7.11 (m, 3H); 7.00 (d, 1H, J = 7.0 Hz); 3.08-3.04 (m, 1H); 3.00 (d, 2H, J = 16.5 Hz); 2.49 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.31 (s, 3H); 2.19-2.10 (m, 1H), 1.95-1.85 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.33
【0176】
(実施例4)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(4-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(7.9mL)中の1-(ブロモメチル)-4-メチルベンゼン(1.0g、5.40mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(27.02mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(574mg、62%)を調製し、薄ピンク色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 171.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.51 (br s, 1H); 7.14-7.09 (m, 4H); 6.93 (dt, 1H, J = 559.0及び2.0 Hz); 3.07 (dd, 2H, J = 18.5及び2.0 Hz); 2.31 (s, 3H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.50
【0177】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(4-メチルフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(574mg、3.37mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(561mg、3.71mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(778mg、4.05mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(940mg、56%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 496.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.26 (m, 10H); 7.14-7.06 (m, 4H); 5.10-5.09 (m, 4H); 3.97-3.92 (m, 1H); 3.06 (dd, 2H, J = 15.5及び5.0 Hz); 2.52-2.40 (m, 2H); 2.28 (s, 3H); 2.23-2.15 (m, 1H), 1.90-1.81 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.83
【0178】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メチルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、21mL)中の前段生成物(400mg、0.81mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(191mg、87%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.1; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.2; [(Mx3)+H]+ = 814.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.22 (dd, 2H, J = 8.0及び2.0 Hz); 7.09 (d, 2H, J = 7.5 Hz); 3.07-3.02 (m, 1H); 2.99 (d, 2H, J = 16.0 Hz); 2.48 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.29 (s, 3H); 2.17-2.09 (m, 1H); 1.92-1.85 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.44
【0179】
(実施例5)
4-アミノ-4-({[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
工程1:{[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}ホスフィン酸
DCM(5mL)中の1-(ブロモメチル)-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(1g、3.26mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(16.28mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(160mg、17%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 293.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.81 (s, 1H); 7.72-7.69 (m, 2H); 7.04 (d, 1H, J = 569.0 Hz); 6.51 (br s, 1H); 3.25 (d, 2H, J = 18.0 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 31.49
【0180】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル})ホスフィン酸
AcOH(0.8mL)及びAcCl(0.1mL)中で前段生成物(160mg、0.55mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(91mg、0.60mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(131mg、0.68mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(149mg、44%)を調製し、白色固体として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.89-7.82 (m, 3H); 7.37-7.26 (m, 10H); 5.13-5.06 (m, 4H); 4.00-3.98 (m, 1H); 3.49 (dd, 2H, J = 14.0及び7.0 Hz); 2.53-2.44 (m, 2H); 2.27-2.19 (m, 1H); 1.93-1.83 (m, 1H)
【0181】
工程3:4-アミノ-4-({[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、4.3mL)中の前段生成物(149mg、0.24mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(53mg、56%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 376.0; [M+H]+ = 394.0; [(Mx2)+H]+ = 787.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.96 (s, 2H); 7.78 (s, 1H); 3.23-3.12 (m, 3H); 2.58 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.27-2.16 (m, 1H); 1.98-1.90 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 24.89
【0182】
(実施例6)
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1:({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)ホスフィン酸
DCM(8.2mL)中の2-(ブロモメチル)-1,1'-ビフェニル(1.0g、4.05mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(20.23mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(498mg、53%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 233.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.41-7.25 (m, 9.5H); 6.28 (t, 0.5H, J = 2.0 Hz); 4.16 (br s, 1H); 3.13 (dd, 2H, J = 19.0及び2.0 Hz)
【0183】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)ホスフィン酸
AcOH(2.2mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(490mg、2.11mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(351mg、2.32mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(487mg、2.53mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.0g、85%)を調製し、白色ゴム状物として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.57-7.20 (m, 19H); 5.17-4.94 (m, 4H); 3.89-3.84 (m, 1H); 3.14 (dt, 2H, J = 63.5及び15.0 Hz); 2.47-2.35 (m, 2H); 2.15-2.05 (m, 1H); 1.83-1.70 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.42
【0184】
工程3:4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-2-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、8.0mL)中の前段生成物(250mg、0.45mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(28mg、19%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 316.0; [M+H]+ = 334.0; [(Mx2)+H]+ = 667.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.66 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.48-7.41 (m, 4H); 7.36-7.20 (m, 4H); 3.63-3.00 (m, 2H); 2.84-2.80 (m, 1H); 2.35 (td, 2H, J = 7.5及び2.5 Hz); 1.89-1.73 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 29.11
【0185】
(実施例7)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸
工程1:{[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}ホスフィン酸
DCM(7.9mL)中の1-(ブロモメチル)-3-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(1.0g、3.92mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(19.6mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(460mg、49%)を調製し、淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.05 (br s, 1H); 7.35 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 7.18-7.11 (m, 3H); 7.00 (d, 1H, J = 569.0 Hz); 3.14 (d, 2H, J = 18.5 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 34.25
【0186】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスフィン酸
AcOH(2.6mL)及びAcCl(0.9mL)中で前段生成物(460mg、1.92mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(318mg、2.11mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(441mg、2.30mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(741mg、68%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 566.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.12 (m, 14H); 5.10 (s, 2H); 5.09 (s, 2H) 3.99-3.94 (m, 1H); 3.17-3.13 (m, 2H); 2.53-2.42 (m, 2H); 2.26-2.17 (m, 1H); 1.91-1.82 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 43.62
【0187】
工程3:4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、12mL)中の前段生成物(2300mg、0.35mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(23mg、19%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 324.0; [M+H]+ = 342.0; [(Mx2)+H]+ = 683.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.30 (m, 3H); 7.11-7.09 (m, 1H); 3.12-3.02 (m, 3H); 2.54 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.23-2.14 (m, 1H); 1.99-1.87 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 25.90
【0188】
(実施例8)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸
工程1:{[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル}ホスフィン酸
DCM(7.9mL)中の1-(ブロモメチル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(1.0g、3.92mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(19.6mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(750mg、80%)を調製し、油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.97 (br s, 1H); 7.27-7.24 (m, 2H); 7.18 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 6.98 (dt, 1H, J = 562及び1.5 Hz); 3.12 (dd, 2H, J = 18.0及び1.5 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 35.03
【0189】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスフィン酸
AcOH(1.4mL)及びAcCl(0.245mL)中で前段生成物(300mg、1.25mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(207mg、1.37mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(288mg、1.50mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(498mg、70%)を調製し、白色固体として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.27 (m, 12H); 7.16 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 5.10 (s, 2H); 5.09 (s, 2H); 4.00-3.95 (m, 1H); 3.16 (dd, 2H, J = 15.0及び3.0 Hz); 2.54-2.42 (m, 2H); 2.24-2.19 (m, 1H); 1.90-1.85 (m, 1H)
【0190】
工程3:4-アミノ-4-[ヒドロキシ({[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチル})ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、8.0mL)中の前段生成物(250mg、0.44mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(96mg、64%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 324.0; [M+H]+ = 342.0; [(Mx2)+H]+ = 683.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.41 (dd, 2H, J = 9.0及び2.0 Hz); 7.19-7.17 (m, 2H); 3.12-3.03 (m, 3H); 2.55 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.22-2.16 (m, 1H); 1.99-1.90 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 26.32
【0191】
(実施例9)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(5.1mL)中の1-(ブロモメチル)-4-(メチルスルホニル)ベンゼン(1.0g、4.01mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(20.07mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(218mg、23%、純度80%)を調製し、淡黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 234.9
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.94-7.92 (dd, 2H, J = 8.5及び1.0 Hz); 7.57-7.55 (dd, 2H, J = 8.5及び2.5 Hz); 7.06 (dt, 1H, J = 555.0及び1.5 Hz); 3.36-3.32 (m, 2H); 3.11 (s, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 29.75
【0192】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(1.0mL)及びAcCl(0.2mL)中で前段生成物(218mg、0.93mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(155mg、1.02mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(214mg、1.12mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物を調製した。反応混合物を室温で4時間(18時間の代わりに)撹拌して、期待する生成物(450mg、87%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 560.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.84 (d, 2H, J = 3.0 Hz); 7.51 (dd, 2H, J = 8.5及び2.5 Hz); 7.39-7.28 (m, 10H); 5.11 (s, 2H); 5.09 (s, 2H); 3.99-3.94 (m, 1H); 3.24 (dd, 2H, J = 16.0及び4.0 Hz); 3.07 (s, 3H), 2.54-2.39 (m, 2H); 2.25-2.17 (m, 1H); 1.91-1.82 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 43.19
【0193】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メタンスルホニルフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、4.8mL)中の前段生成物(150mg、0.27mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(19mg、21%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 336.1
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 7.77 (d, 2H, J = 8.0 Hz); 7.49 (dd, 2H, J = 8.5及び1.5 Hz); 3.16 (s, 3H); 3.01-2.98 (m, 2H); 2.78-2.74 (m, 1H); 2.39-2.33 (m, CH2由来の1H、他のHはDMSOシグナルに隠れていた); 1.97-1.88 (m, 1H), 1.85-1.75 (m, 1H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 21.08
【0194】
(実施例10)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:1-(ブロモメチル)-2-メトキシベンゼン
市販されている(2-メトキシフェニル)メタノール(2.0g、14.5mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(7.68g、23.16mmol、1.6当量)をCH2Cl2(70mL)に希釈した。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(6.07g、23.16mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応媒体を室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.13g、73%)を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.26 (m, 2H); 6.94-6.88 (m, 2H); 4.58 (s, 2H); 3.90 (s, 3H)
【0195】
工程2:[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(16.0mL)中の1-(ブロモメチル)-2-メトキシベンゼン(2.1g、10.44mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(104.4mmol、10当量)から、手順Aに従って表題化合物(1.54g、59%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 187.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.18 (br s, 1H); 7.29-7.22 (m, 2H); 7.05 (dt, 1H, J = 570.5及び2.0 Hz); 6.96-6.93 (m, 1H); 6.89 (d, 1H, J = 8.5 Hz); 3.85 (s, 3H); 3.24 (dd, 2H, J = 19.5及び2.0 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 35.52
【0196】
工程3:4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(2-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(7.8mL)及びAcCl(1.0mL)中で前段生成物(800mg、4.30mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(715mg、4.73mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(991mg、5.16mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(2.2g、定量的収率)を調製し、黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 512.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.18 (m, 12H); 6.94-6.84 (m, 2H); 5.17 (s, 4H); 4.01-3.96 (m, 1H); 3.79 (s, 3H); 3.27-3.15 (m, 2H); 2.51-2.36 (m, 2H); 2.23-2.14 (m, 1H); 1.87-1.77 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 45.42
【0197】
工程4:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、50mL)中の前段生成物(1.29g、2.52mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(39mg、5%)の純粋なフラクションを調製し、白色固体として得た。
推定純度:93%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 270.2; [M+H]+ = 288.2; [(Mx2)+H]+ = 575.3, [(Mx3)+H]+ = 862.6
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.34 (dt, 1H, J = 7.5及び2.5 Hz); 7.19 (tt, 1H, J = 8.0及び2.0 Hz); 6.95 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.90 (tt, 1H , J = 7.0及び1.0 Hz); 3.86 (s, 3H); 3.19-3.12 (m, 1H); 3.04-2.98 (m, 2H); 2.46 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.20-2.11 (m, 1H); 1.96-1.85 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 28.56
【0198】
(実施例11)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(3-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(10.6mL)中の1-(ブロモメチル)-3-メトキシベンゼン(1.0g、4.97mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(49.74mmol、10当量)から手順Aに従って表題化合物(393mg、42%、純度70~80%)を調製し、茶褐色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.23 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 6.96 (dt, 1H, J = 562.0及び2.0 Hz); 6.82-6.77 (m, 3H); 4.11 (br s, 1H); 3.78 (s, 3H); 3.08 (dd, 2H, J = 18.5及び2.0 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.26
【0199】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(3-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.8mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(638mg、2.74mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(455mg、3.02mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(632mg、3.29mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(930mg、66%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 512.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.25 (m, 10H); 7.16 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 6.86-6.76 (m, 3H); 5.094 (s, 2H); 5.088 (s, 2H); 4.00-3.95 (m, 1H); 3.76 (s, 3H); 3.15-3.04 (m, 2H); 2.53-2.41 (m, 2H); 2.24-2.15 (m, 1H); 1.91-1.81 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.60
【0200】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、16mL)中の前段生成物(414mg、0.81mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(135mg、58%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 270.2; [M+H]+ = 288.2; [(Mx2)+H]+ = 575.3, [(Mx3)+H]+ = 862.6
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.17 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 6.95 (s, 1H); 6.91 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 6.75 (m, 1H); 3.78 (s, 3H); 3.09-3.05 (m, 1H); 3.01 (d, 2H, J = 16.5 Hz); 2.50 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.20-2.11 (m, 1H), 1.95-1.86 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.11
【0201】
(実施例12)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(4-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(10.6mL)中の1-(ブロモメチル)-4-メトキシベンゼン(1.0g、4.97mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(49.74mmol、10当量)から手順Aに従って表題化合物(399mg、43%)を調製し、茶褐色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 187.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.14 (dd, 2H, J = 8.5及び2.5 Hz); 6.94 (d, 1H, J = 557.5 Hz); 6.85 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 5.93 (br s, 1H); 3.77 (s, 3H); 3.05 (d, 2H, J = 18.0 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.20
【0202】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(4-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.5mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(399mg、2.14mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(356mg、2.36mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(494mg、2.57mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(625mg、57%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 512.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.26 (m, 10H); 7.16 (dd, 2H, J = 8.5及び2.0 Hz); 6.81 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 5.09 (br s, 4H); 3.97-3.92 (m, 1H); 3.74 (s, 3H); 3.09-2.99 (m, 2H); 2.52-2.40 (m, 2H), 2.23-2.15 (m, 1H); 1.90-1.81 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 45.05
【0203】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、16mL)中の前段生成物(403mg、0.79mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(140mg、62%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:92%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 270.2; [M+H]+ = 288.1; [(Mx2)+H]+ = 575.2, [(Mx3)+H]+ = 862.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.25 (dd, 2H, J = 8.5及び2.5 Hz); 6.84 (d, 2H, J = 10.0 Hz); 3.76 (s, 3H); 3.07-3.02 (m, 1H); 2.96 (dd, 2H, J = 16.5及び2.0 Hz); 2.49 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.18-2.10 (m, 1H), 1.94-1.85 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.61
【0204】
(実施例13)
4-アミノ-4-{[(3-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(3-シアノフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(16.2mL)中の3-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(2.0g、10.2mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(51.01mmol、5.0当量)から手順Aに従って表題化合物(487mg、26%、純度70%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 182.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.59-7.43 (m, 4.5H); 6.40 (s, 0.5H); 3.53 (br s, 1H); 3.12 (dd, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.70
【0205】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(3-シアノフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(478mg、2.64mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(438mg、2.90mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(608mg、3.17mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(937mg、70%)を調製し、黄色油状物として得た。粗製物を次の工程に直接使用した。
【0206】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(3-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(233mg、5.55mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(15.8mL/4.6mL)の混合物中、前段生成物(937mg、1.85mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(316mg、41%)を調製し、次の工程に直接使用した。
【0207】
工程4:4-アミノ-4-{[(3-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(2.6mL/527μL)中の前段生成物(316mg、759μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(30mg、14%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 265.1; [M+H]+ = 283.1; [(Mx2)+H]+ = 565.1; [(Mx3)+H]+ = 847.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.72 (q, 1H, J = 2.0 Hz); 7.65 (dq, 1H, J = 8.0及び2.0 Hz); 7.56 (dq, 1H, J = 8.0及び2.0 Hz); 7.46 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 3.13-3.03 (m, 3H); 2.56 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.24-2.15 (m, 1H), 1.99-1.88 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 25.56
【0208】
(実施例14)
4-アミノ-4-{[(4-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(4-シアノフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(16.2mL)中の4-(ブロモメチル)ベンゾニトリル(2.0g、10.2mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(51.01mmol、5.0当量)から手順Aに従って表題化合物(700mg、38%)を調製し、固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 182.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.64-7.62 (dd, 2H, J = 8.5及び1.0 Hz); 7.36-7.34 (m, 2H); 6.99 (dt, 1H, J = 549.0及び1.5 Hz); 4.18 (br s, 1H); 3.18 (dd, 2H, J = 18.5及び1.5 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.82
【0209】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(4-シアノフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.8mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(500mg、2.76mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(459mg、3.04mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(459mg、3.31mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(930mg、66%)を調製し、薄黄色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 507.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.67-7.26 (m, 14H); 5.09 (s, 4H); 3.99-3.94 (m, 1H); 3.26-3.15 (m, 2H); 2.54-2.39 (m, 2H); 2.25-2.16 (m, 1H), 1.91-1.82 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 43.35
【0210】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[(4-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(120mg、2.85mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(9.5mL/2.4mL)の混合物中、前段生成物(500mg、0.95mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(343mg、83%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 417.0
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.67-7.28 (m, 9H); 5.15-5.05 (m, 2H); 3.97-3.91 (m, 1H); 3.26-3.16 (m, 2H); 2.47-2.33 (m, 2H); 2.22-2.14 (m, 1H), 1.89-1.79 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 43.04
【0211】
工程4:4-アミノ-4-{[(4-シアノフェニル)メチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(3.8mL/834μL)中の前段生成物(343mg、824μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(84mg、36%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 265.1; [M+H]+ = 283.1; [(Mx2)+H]+ = 565.1; [(Mx3)+H]+ = 847.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.63 (d, 2H, J = 7.5 Hz); 7.51 (d, 2H, J = 7.5 Hz); 3.14-3.10 (m, 3H); 2.55 (t, 2H, J = 6.5 Hz); 2.22-2.16 (m, 1H), 1.96-1.89 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 25.36
【0212】
(実施例15)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスフィン酸
DCM(29.5mL)中の1-(ブロモメチル)ナフタレン(2.0g、9.05mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(45.23mmol、5.0当量)から手順Aに従って表題化合物(1.4g、75%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 207.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.93 (d, 1H, J = 10.0 Hz); 7.84 (dd, 1H, J = 5.0 Hz及び1.6 Hz); 7.77-7.75 (m, 1H); 7.54-7.44 (m, 2.5H); 7.40 (疑似t, 1H, J = 7.5 Hz); 7.35-7.33 (m, 1H); 6.77 (br s, 1H); 6.41 (s, 0.5H); 3.51 (d, 2H, J = 20.0 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 35.44
【0213】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(5.6mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(700mg、3.40mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(564mg、3.73mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(783mg、4.07mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.07g、59%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 532.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.11 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.87-7.85 (m, 1H); 7.78 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.52-7.26 (m, 14H); 5.16-5.07 (m, 4H); 4.12-4.08 (m, 1H); 3.65-3.61 (m, 2H); 2.58-2.46 (m, 2H); 2.31-2.22 (m, 1H); 1.98-1.87 (m, 1H)
【0214】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシ[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(123mg、2.95mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(8.4mL/2.5mL)の混合物中、前段生成物(523mg、0.984mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(384mg、88%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 442.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.11-8.09 (m, 1H); 7.85-7.83 (m, 1H); 7.76 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.50-7.26 (m, 9H); 5.13 (疑似q, 2H, J = 12.0 Hz); 4.12-4.05 (m, 1H); 3.67-3.57 (m, 2H); 2.50-2.36 (m, 2H); 2.28-2.19 (m, 1H); 1.94-1.84 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.47
【0215】
工程4:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(ナフタレン-1-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(2.5mL/605μL)中の前段生成物(384mg、870μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(56mg、21%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(NMR及びLCMSに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 290.2; [M+H]+ = 308.2; [(Mx2)+H]+ = 615.3; [(Mx3)+H]+ = 922.6
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.25 (d, 1H, J = 8.5 Hz); 7.84-7.83 (m, 1H); 7.73 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.54-7.51 (m, 2H); 7.48-7.45 (m, 1H); 7.41 (t, 1H , J = 7.5 Hz); 3.53 (d, 2H, J = 16.5 Hz); 3.15-3.11 (m, 1H); 2.45 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.248-2.14 (m, 1H); 1.97-1.89 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 26.94
【0216】
(実施例16)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:(2-フェノキシフェニル)メタノール
0℃で、2-フェノキシ安息香酸(5.0g、23.34mmol、1.0当量)の無水THF(12mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下無水THF(13mL)中の水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M、23.3mL、46.68mmol、2.0当量)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(2mL)でゆっくりクエンチした。NaOH(4mL、15%)及びH2O(6mL)の水溶液を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(4.7g、定量的収率)を得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 183.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.46 (dd, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.36-7.32 (m, 2H); 7.25 (dt, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.15-7.09 (m, 2H); 6.99-6.97 (m, 2H); 6.88 (dd, 1H , J = 8.0及び1.5 Hz); 4.76 (d, 2H, J = 5.5 Hz); 2.04 (t, 1H , J = 6.0 Hz)
【0217】
工程2:1-(ブロモメチル)-2-フェノキシベンゼン
予め得られた(2-フェノキシフェニル)メタノール(2.1g、10.5mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(5.56g、16.78mmol、1.6当量)をCH2Cl2(50mL)に希釈した。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(4.40g、16.78mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応媒体を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.8g、定量的収率)を黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.45 (dd, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.37-7.33 (m, 2H); 7.27-7.23 (m, 1H); 7.14-7.02 (m, 4H); 6.84 (dd, 1H, J = 7.5及び1.0 Hz); 4.61 (s, 2H)
【0218】
工程3:[(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(7.6mL)中の1-(ブロモメチル)-2-フェノキシベンゼン(1.0g、4.97mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(19.0mmol、5.0当量)から、手順Aに従って表題化合物(572mg、61%)を調製し、黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 249.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.30-7.27 (m, 2H); 7.21-7.10 (m, 2H); 7.06-7.01 (m, 2H); 7.01 (dt, 1H, J = 554.0及び2.0 Hz); 6.92-6.89 (m, 2H); 6.77-6.75 (m, 1H); 3.18-3.13 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 30.80
【0219】
工程4:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(4.0mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(572mg、2.30mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(383mg、2.53mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(531mg、2.77mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.0g、76%)を調製し、淡黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 574.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.43 (m, 1H); 7.37-7.24 (m, 13H); 7.20-7.16 (m, 1H); 7.10-7.04 (m, 2H); 6.99 (dd, 1H, J = 8.5及び1.0 Hz); 6.79 (d, 1H , J = 8.5 Hz); 5.08-5.04 (m, 4H); 4.04-3.99 (m, 1H); 3.25-3.16 (m, 2H); 2.52-2.39 (m, 2H); 2.24-2.17 (m, 1H); 1.89-1.80 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.73
【0220】
工程5:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(2-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、9.0mL)中の前段生成物(300mg、0.52mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(75mg、41%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 332.2; [M+H]+ = 350.2; [(Mx2)+H]+ = 699.4
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.53 (dt, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.36-7.33 (m, 2H); 7.18 (dt, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.11-7.08 (m, 2H); 7.01-6.99 (m, 2H); 6.82 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 3.17-3.05 (m, 3H); 2.48 (dt, 2H, J = 8.0及び2.5 Hz); 2.22-2.13 (m, 1H); 1.99-1.88 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.49
【0221】
(実施例17)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(1.5mL)中の1-(ブロモメチル)-3-フェノキシベンゼン(1g、3.26mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(16.28mmol、5.0当量)から手順Aに従って表題化合物(208mg、44%)を調製し、無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.30 (m, 2H); 7.28-7.25 (m, 1H); 7.10 (m, 1H); 7.01-6.95 (m, 3H); 6.99 (dt, 1H, J = 560及び1.8 Hz); 6.91-6.88 (m, 2H); 5.18 (bs, 1H); 3.09 (dd, 2H, J = 18.3及び1.8 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.25
【0222】
工程2:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メトキシ-4-オキソブチル)[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(1.0mL)及びAcCl(0.2mL)中で前段生成物(208mg、0.84mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(140mg、0.92mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてメチル4-オキソブタノエート(純度90%、98μL、0.93mmol)の添加における手順Dに従って表題化合物(351mg、84%)を調製し、白色粉体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.27 (m, 7H); 7.18 (t, 1H, J = 7.9 Hz); 7.08-7.05 (m, 1H); 6.98-6.91 (m, 4H); 6.83 (d, 1H, J = 8.4 Hz); 5.15-5.07 (m, 3H); 4.40 (bs, 1H); 3.95 (m, 1H); 3.59 (s, 3H); 3.00 (dd, 2H, J = 15.9及び3.3 Hz); 2.36 (t, 2H, J = 7.2 Hz); 2.09-2.03 (m, 1H); 1.81-1.72 (m, 1H)
【0223】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシ[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(51mg、2.12mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(3mL/1mL)の混合物中、前段生成物(351mg、0.71mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(310mg、91%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 484.2
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11.62 (bs, 2H); 7.46 (dd, 1H, J = 9.6 Hz); 7.39-7.20 (m, 8H); 7.12 (td, 1H, J = 7.4及び1.2 Hz); 7.07-6.96 (m, 3H); 6.95-6.93 (m, 1H); 6.82 (d, 1H, J = 8.3 Hz); 5.05 (s, 2H); 3.71 (qd, 1H, J = 10.0及び3.7 Hz); 2.99 (d, 2H, J = 15.0 Hz); 2.35-2.18 (m, 2H); 2.03-1.94 (m, 1H); 1.73-1.63 (m, 1H)
【0224】
工程4:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH (9/1、15.5mL)の混合物中の前段生成物(310mg、0.64mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(173mg、77%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 332.1; [M+H]+ = 350.1; [(Mx2)+H]+ = 699.4
1H NMR (DMSO-d6/D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.33 (t, 2H, J = 7.8 Hz); 7.22 (t, 1H, J = 7.9 Hz); 7.08 (t, 1H, J = 7.4 Hz); 7.02 (d, 1H, J = 7.7 Hz); 6.95-6.91 (m, 3H); 6.72 (d, 1H, J = 8.2 Hz); 2.88-2.84 (m, 3H); 2.37-2.24 (m, 2H); 1.92-1.85 (m, 1H); 1.74-1.65 (m, 1H)
【0225】
(実施例18)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
DCM(7.0mL)中の1-(ブロモメチル)-4-フェノキシベンゼン(917mg、3.48mmol、1.0当量)及び新鮮に調製されたBTSP(17.42mmol、5.0当量)から手順Aに従って表題化合物(559mg、65%、二重付加生成物を不純物として含む純度80%)を調製し、油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 249.0
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.32 (m, 2H); 7.28-7.26 (m, 2H); 7.12-7.09 (m, 1H); 6.99 (dt, 1H, J = 553.5及び2.0 Hz); 6.98 (m, 4H); 3.17 (dd, 2H, J = 18.5及び2.0 Hz)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 32.43
【0226】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(2.4mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(559mg、2.25mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(374mg、2.48mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(519mg、2.70mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(670mg、52%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 574.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.17 (m, 14H); 7.09 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 6.96 (m, 2H); 6.87 (d, 2H , J = 8.5 Hz); 5.09 (s, 4H); 3.98-3.92 (m, 1H); 3.12-3.08 (m, 2H); 2.54-2.42 (m, 2H); 2.24-2.16 (m, 1H); 1.92-1.82 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.66
【0227】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(4-フェノキシフェニル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、12mL)中の前段生成物(250mg、0.44mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(21mg、14%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 332.1; [M+H]+ = 350.1; [(Mx2)+H]+ = 399.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.30 (m, 4H); 7.08 (tt, 1H, J = 7.5及び1.0 Hz); 6.96 (m, 2H); 6.91 (d, 2H , J = 8.5 Hz); 3.11-3.06 (m, 1H); 3.02 (dd, 2H, J = 16.0及び3.5 Hz); 2.52 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.21-2.12 (m, 1H); 1.96-1.86 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 27.03
【0228】
(実施例19)
4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1:{[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メタノール
エチル[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキシレート(2.50g、11.0mmol、1.0当量)の無水THF(5.5mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウムの市販溶液の溶液(THF中2.0M、11.0mL、22mmol、2.0当量)に滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、水(0.9mL)、15%NaOH水溶液(0.9mL)及び再度水(2.7mL)を加えた。15分間撹拌した後、Na2SO4を加え、懸濁液をセライト上で濾過した(MTBEすすぎ)。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(2.0g、98%)を白色固体として得た。
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 167.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.68-7.60 (m, 3H); 7.56 (dt, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H); 7.47 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 7.44-7.34 (m, 2H); 4.80 (d, J = 5.9 Hz, 2H); 1.71 (t, J = 6.0 Hz, 1H)
【0229】
工程2:3-(ヨードメチル)-1,1'-ビフェニル
トリフェニルホスフィン(3.7g、14mmol、1.3当量)のDCM(60mL)中溶液に、0℃でI2(3.58g、14.1mmol、1.3当量)を加えた。0℃で15分間撹拌した後、イミダゾール(961mg、14.1mmol、1.3当量)及び前工程にて得られた化合物(2.0g、10.9mmol、1.0当量)をこの溶液に加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNa2S2O3の飽和溶液との間で分配し、脱色した。層を分離し、有機相を洗浄(ブライン)し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.9g、91%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.67-7.56 (m, 3H); 7.55-7.44 (m, 3H); 7.44-7.34 (m, 3H); 4.55 (s, 2H)
【0230】
工程3:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(25mL)中の(BH3)P(OEt)2H(1.50g、11.0mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、11.0mL、11.0mmol、1.2当量)の存在でTHF(4mL)中の前記得られた生成物(2.70g、9.20mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(2.90g、100%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI-): [(M-H2)-H]- = 299
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.46-7.39 (m, 2H) ; 7.33 (q, J = 2.1 Hz, 1H) ; 7.31 (br d, J = 7.7 Hz, 1H); 7.28-7.21 (m, 2H); 7.21-7.11 (m, 2H); 7.09-7.01 (m, 1H); 3.90-3.79 (m, 4H), 3.08 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 1.04 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 0.67-0.14 (m, 3H)
【0231】
工程4:({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)ホスフィン酸
HBF4.Et2O(3.38mL、24.8mmol、5.0当量)の存在でDCM(25mL)中の前記得られた生成物(1.5g、5.0mmol、1.0当量)から、手順Cの2番目の工程の変形に従って表題化合物(862mg、74%)を調製し、淡ピンク色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 233.1; [(Mx2)+H]+ = 465.0
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.66-7.62 (m, 2H); 7.59-7.50 (m, 2H); 7.49-7.41 (m, 3H); 7.39-7.32 (m, 1H); 7.32-7.24 (m, 1H); 7.06 (dm, J1 P-H = 500 Hz, 1H); 3.29 (dd, J = 18.4, 2.0 Hz, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.5
【0232】
工程5:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)ホスフィン酸
AcOH(2.6mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(0.43g、1.8mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(308mg、2.04mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(427mg、2.22mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.2g、定量的収率と推定)を調製した。
MS(ESI+):[M+H]+=558.2
【0233】
工程6:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
LiOH.H2O(270mg、6.46mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4/1、11mL)の混合物中、前段生成物(1.2g、2.15mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(390mg、2工程で45%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 468.0; [(Mx2)+H]+ = 935.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.70-7.59 (m, 3H); 7.59-7.47 (m, 1H); 7.47-7.41 (m, 2H); 7.41-7.21 (m, 8H); 5.16-5.04 (m, 2H); 4.02 (td, J = 10.0, 3.5 Hz, 1H); 3.30-3.14 (m, 2H); 2.57-2.34 (m, 2H); 2.29-2.13 (m, 1H); 1.95-1.80 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 45.0
【0234】
工程7:4-アミノ-4-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
TFA/アニソール(1.7mL/2.7mL)中の前段生成物(390mg、834μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(81mg、29%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 332.1; [(Mx2)-H]- = 665.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.70-7.59 (m, 3H); 7.51-7.40 (m, 3H); 7.40-7.30 (m, 3H); 3.18-3.08 (m, 3H); 2.54 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.28-2.18 (m, 1H); 2.03-1.87 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 27.0
【0235】
(実施例20)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:5-メチル-3-フェニル-1,2-オキサゾール
(Z)-N-ヒドロキシベンズイミドイルクロリド(2.0g、12.9mmol、1.0当量)のDCM(26mL)中溶液に、プロピン(THF中1M溶液、25.7mL、25.7mmol、2.0当量)及びEt3N(2.33mL、16.7mmol、1.3当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNH4Clの飽和溶液との間で分配した。層を分離し、水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.57g、77%)を白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 160.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.88-7.71 (m, 2H); 7.53-7.42 (m, 3H); 6.32 (q, J = 0.9 Hz, 1H); 2.50 (d, J = 0.9 Hz, 3H)
【0236】
工程2:[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスフィン酸
前記化合物(2.94g、18.5mmol、1.0当量)のTHF(30mL)中溶液に、-78℃で新鮮に調製されたLDA溶液(THF中0.5M溶液、44.3mL、22.2mmol、1.2当量)を加えた。-78℃で1時間撹拌した後、クロロジエチル亜リン酸(3.18mL、22.2mmol、1.2当量)を滴下添加した。撹拌を-78℃で1時間、次いで室温で3時間維持した。水(20mL)を、続いてHClの濃水溶液(2mL)を加えた。懸濁液をEtOAc(3回)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。黄色液体を2N NaOH溶液(10mL)で処理し、混合物を室温で30分間撹拌した。水性相をEt2Oで洗浄し、濃HClで酸性化し、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(2.6g、63%)を薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 224.1; [(Mx2)+H]+ = 447.0
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.83-7.74 (m, 2H); 7.56-7.36 (m, 3H); 7.28 (dm, J1 P-H = 583Hz, 1H); 6.60 (d, J = 2.8 Hz, 1H); 3.45 (d, J = 18.3 Hz, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 27.6
【0237】
工程3:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.5mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(450mg、2.0mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(335mg、2.22mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(465mg、2.42mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.1g、定量的収率と推定)を調製した。
MS(ESI+):[M+H]+=549.1
【0238】
工程4:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
THF/水(4/1、10mL)及びLiOH.H2O(252mg、6.02mmol、3.0当量)の混合物中、前段生成物(1.1g、2.0mmol)から手順Fに従って表題化合物(717mg、2工程で78%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 459.0; [(Mx2)+H]+ = 917.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.96-7.67 (m, 2H); 7.57-7.42 (m, 3H); 7.41-7.17 (m, 5H); 6.77 (d, J = 2.5 Hz, 1H); 5.24-5.03 (m, 2H); 4.23-4.00 (m, 1H); 3.53-3.38 (m, 2H); 2.55-2.37 (m, 2H); 2.32-2.15 (m, 1H); 1.99-1.80 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 40.4
【0239】
工程5:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(6mL/8.5mL)中の前段生成物(717mg、1.56mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(37mg、7%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>100%(LCMSに基づいて)及び>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 325.1; [(Mx2)+H]+ = 649.2
MS (ESI-): [M-H]- = 323.1; [(Mx2)-H]- = 647.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.96-7.64 (m, 2H); 7.56-7.31 (m, 3H); 6.78 (d, J = 2.5 Hz, 1H); 3.36 (s, 2H); 3.28 (td, J = 8.1, 5.4 Hz, 1H); 2.63 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.39-2.18 (m, 1H); 2.10-1.86 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 22.6
【0240】
(実施例21)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:3-メチル-5-フェニル-1,2-オキサゾール
1-フェニルブタン-1,3-ジオン(4.87g、30.0mmol、1.0当量)のTHF/EtOH(1/1、150mL)中溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.08g、30.0mmol、1.0当量)を加えた。得られた反応混合物を24時間還流状態で撹拌した。室温に冷却した後、揮発物を減圧下で除去し、残渣をEtOAcと水との間で分配した。層を分離し、水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(3.78g、79%)を白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 160.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.86-7.70 (m, 2H), 7.55-7.39 (m, 3H), 6.39 (s, 1H), 2.38 (s, 3H)
【0241】
工程2:ベンジル[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスフィネート
前段化合物(5.26g、33.0mmol、1当量)のTHF(53mL)中溶液に、-78℃で新鮮に調製されたLDA溶液(THF中0.5M溶液、79.3mL、39.6mmol、1.2当量)を加えた。-78℃で1時間撹拌した後、クロロジエチル亜リン酸(5.69mL、39.6mmol、1.2当量)を滴下添加した。撹拌を-78℃で1時間、次いで室温で16時間維持した。水(20mL)を、続いてHClの濃水溶液(2mL)を加えた。懸濁液をEtOAc(3回)で抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。黄色液体を2N NaOH溶液(20mL)で処理し、混合物を室温で30分間撹拌した。水性相をEt2Oで洗浄し、HClの濃水溶液で酸性化し、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物4.1gを得た。残渣をDCM(100mL)に溶解し、ベンジルアルコール(2.48mL;23.9mmol)及びEDCI(5.28g、27.6mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと1N HCl水溶液との間で分配した。層を分離し、有機相を1N HCl水溶液及びブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を精製して、表題化合物(1.16g、2工程で20%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 314.1
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.89-7.81 (m, 2H); 7.57-7.48 (m, 3H); 7.40-7.31 (m, 4H); 7.31-7.20 (m, 1H); 6.82 (d, J = 1.0 Hz, 1H); 4.62 (s, 2H); 3.56-3.41 (m, 2H)
【0242】
工程3:ベンジル4-[(ベンジルオキシ)[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル]-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタノエート
CH2Cl2(5mL)中の前段生成物(580mg、1.9mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(905mg、2.78mmol、1.5当量)から、続いてラセミ体のベンジル(4E)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエート(711mg、2.41mmol、1.3当量)のCH2Cl2(2.3mL)中溶液の添加からの手順Eに従って表題化合物(213mg、19%)を調製し、4種のジアステレオ異性体の混合物として黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 609.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.87-7.73 (m, 2H); 7.60-7.47 (m, 3H); 7.45-7.25 (m, 10H); 6.75-6.61 (m, 1H); 5.24-5.02 (m, 4H); 4.00-3.82 (m, 1H); 3.76-3.58 (m, 1H); 3.58-3.43 (m, 1H); 2.87-2.53 (m, 2H); 2.47-2.20 (m, 1H); 2.12-1.93 (m, 1H); 1.30-1.22 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.64; 49.32; 48.78; 48.31
【0243】
工程4:4-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタン酸
LiOH.H2O(44mg、1.1mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4/1、2mL)の混合物中、前段生成物(213mg、0.35mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(178mg、定量的収率)を調製し、無色油状物として得た。
MS(ESI+):[M+H]+=429.1;[(M×2)+H]+=857.3
【0244】
工程5:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}ブタン酸
ジオキサン中4.0M HCl溶液(2.31mL、9.24mmol、22当量)を用い前段生成物(178mg、0.416mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(40mg、27%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 325.0; [(Mx2)+H]+ = 649.1
MS (ESI-): [M-H]- = 323.0; [(Mx2)-H]- = 647.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.93-7.76 (m, 2H); 7.61-7.42 (m, 3H); 6.85 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 3.32 - 3.25 (m, 1H); 3.25 - 3.08 (m, 2H); 2.62 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.38-2.21 (m, 1H); 2.09 - 1.89 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 24.4
【0245】
(実施例22)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン酸
工程1:(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
無水Et2O(10mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.26mmol、1.0当量)から、続いてフェニルプロピルマグネシウムクロリド溶液(THF中1.0M、6.6mL、6.56mmol、1.05当量)の添加からの手順Bに従って表題化合物(700mg、65%)を調製し、淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.94 (bs); 7.12 (dt, 1H, J = 547.0及び1.9 Hz); 7.32-7.21 (m, 5H); 2.97-2.91 (m, 2H); 2.14-2.07 (m, 2H)
【0246】
工程2:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
AcOH(2.0mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(200mg、1.18mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(195mg、1.29mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてメチル4-オキソブタノエート(純度90%、165μL、1.41mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(356mg、72%)を調製し、淡黄色粉体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.53 (bs, 1H); 7.31-7.14 (m, 10H); 5.35 (d, 1H, J = 10.3 Hz); 5.10 (d, 2H, J = 15.0 Hz); 4.05 (tdd, 1H, J = 11.1, 8.1及び3.5 Hz); 3.60 (s, 3H); 3.00-2.82 (m, 2H); 2.48-2.39 (m, 2H); 2.25 (ddt, 1H, J = 10.8, 7.3及び3.5 Hz); 2.11-1.99 (m, 2H); 1.97-1.88 (m, 1H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 53.56
【0247】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン酸
LiOH.H2O(60mg、1.43mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4mL/1mL)の混合物中、前段生成物(200mg、0.47mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(184mg、95%)を調製し、白色固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11.94 (bs, 2H); 7.50 (d, 1H, J = 9.7 Hz); 7.37-7.20 (m, 7H); 7.21-7.12 (m, 3H); 5.09 (d, 1H, J = 12.8 Hz); 5.01 (d, 1H, J = 12.7 Hz); 3.73 (ddt, 1H, J = 13.5, 9.6及び4.7 Hz); 2.83-2.68 (m, 2H); 2.39-2.33 (m, 1H); 2.29-2.23 (m, 1H); 2.08-2.00 (m, 1H); 1.83-1.69 (m, 2H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 43.44
【0248】
工程4:4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9mL/1mL)中の前段生成物(184mg、0.45mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(62mg、47%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.2; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.3; [(Mx3)+H]+ = 814.6
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.37 (m, 4H); 7.34-7.31 (m, 1H); 3.14 (td, 1H, J = 8.8及び4.8 Hz); 2.95-2.89 (m, 2H); 2.67-2.55 (m, 2H); 2.26-2.17 (m, 1H); 2.05-1.93 (m, 3H)
31P NMR (D2O, 202 MHz) δ (ppm): 34.54
【0249】
(実施例23)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-2-メチルベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Bに従って表題化合物(856mg、62%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.32 (br s, 1H); 7.17-7.13 (m, 4H); 7.16 (dt, 1H, J = 546.0及び2.0 Hz); 2.95-2.89 (m, 2H); 2.33 (s, 3H); 2.09-2.02 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.48
【0250】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(4.7mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(500mg、2.71mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(420mg、2.78mmol、1.02当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(582mg、3.03mmol、1.12当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(866mg、63%)を調製し、白色粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 510.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.23 (m, 10H); 7.13-7.07 (m, 4H); 5.15-5.03 (m, 4H); 4.06-4.01 (m, 1H); 2.93-2.79 (m, 2H); 2.58-2.45 (m, 2H); 2.33-2.22 (m, 1H); 2.26 (s, 3H); 1.98-1.82 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.97
【0251】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:2、20mL)中の前段生成物(450mg、0.88mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(220mg、87%)を調製し、白色粉体として得た。
期待純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.2; [M+H]+ = 286.2; [(Mx2)+H]+ = 571.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.19 (dd, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.12-7.04 (m, 3H); 3.13-3.08 (m, 1H); 2.90 (q, 2H, J = 8.0 Hz); 2.60 (dt, 2H, J = 7.5及び1.5 Hz); 2.34 (s, 3H); 2.28-2.19 (m, 1H); 1.99-1.79 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.36
【0252】
(実施例24)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-3-メチルベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Bに従って表題化合物(908mg、71%)を調製し、薄白色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.18 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 7.11 (dt, 1H, J = 543.0及び2.0 Hz); 7.03-6.99 (m, 3H); 6.57 (br s, 1H); 2.91-2.85 (m, 2H); 2.32 (s, 3H); 2.10-2.03 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.61
【0253】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(5.0mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(500mg、2.71mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(451mg、2.99mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(626mg、3.26mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(961mg、69%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 510.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.28 (m, 7H); 7.27-7.23 (m, 3H); 7.14 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 7.01-6.99 (m, 2H); 6.94 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 5.17-5.04 (m, 4H); 4.05-4.00 (m, 1H); 2.89-2.73 (m, 2H); 2.66-2.44 (m, 2H); 2.31-2.20 (m, 1H); 2.29 (s, 3H); 2.02-1.84 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.31
【0254】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、20mL)中で前段化合物(500mg、0.98mmol、1.0当量)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(123mg、44%)を調製し、白色粉体として得た。
期待純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.2; [M+H]+ = 286.2; [(Mx2)+H]+ = 571.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.14 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 7.08 (s, 1H); 7.04 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.99 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 3.07-3.02 (m, 1H); 2.88-2.83 (m, 2H); 2.59-2.56 (m, 2H); 2.30 (s, 3H); 2.26-2.17 (m, 1H); 1.97-1.85 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.34
【0255】
(実施例25)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-4-メチルベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加からの手順Bに従って表題化合物(858mg、68%)を調製し、油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.29 (m, 5H); 7.19 (dt, 1H, J = 540.5及び2.0 Hz); 3.07-3.01 (m, 2H); 2.49 (s, 3H); 2.26-2.19 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 33.97
【0256】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(4.5mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(500mg、2.71mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(420mg、2.78mmol、1.02当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(582mg、3.03mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.16g、90%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 510.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.25 (m, 10H); 7.12-6.97 (m, 4H); 5.17-5.03 (m, 4H); 4.04-4.00 (m, 1H); 2.88-2.72 (m, 2H); 2.66-2.41 (m, 2H); 2.29 (s, 3H); 2.29-2.21 (m, 1H); 2.04-1.83 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.32
【0257】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メチルフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
H2O/AcOH混合物(1:1、16mL)中の前工程にて得られた化合物(500mg、0.981mmol、1.0当量)を、アルゴン下5%Pd(OH)2/C(137mg、0.05当量)上に加えた。反応混合物を水素雰囲気(1atm)下終夜撹拌した。反応が完結した際、反応混合物をアルゴン雰囲気下に置き、PTFEフィルターに通して濾過し、濃縮した。粗製物をトルエン(3回)と共蒸発させ、熱EtOH中で摩砕し、乾燥させて、表題化合物(40mg、14%)を白色固体として得た。
期待純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.2; [M+H]+ = 286.2; [(Mx2)+H]+ = 571.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.13 (d, 2H, J = 8.0 Hz); 7.08 (d, 2H, J = 8.0 Hz); 3.06-3.02 (m, 1H); 2.88-2.83 (m, 2H); 2.59-2.56 (m, 2H); 2.28 (s, 3H); 2.26-2.15 (m, 1H); 1.97-1.85 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.51
【0258】
(実施例26)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸
工程1:{2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-3-トリフルオロメチルベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(953mg、58%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 239.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.51-7.39 (m, 4H); 7.15 (dt, 1H, J = 550.0及び1.5 Hz); 6.13 (br s, 1H); 3.03-2.97 (m, 2H); 2.15-2.09 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.39
【0259】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル})ホスフィン酸
AcOH(2.4mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(400mg、1.68mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(387mg、2.02mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(387mg、2.02mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(350mg、37%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 564.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.57-7.22 (m, 14H); 5.16-5.05 (m, 4H); 4.06-4.01 (m, 1H); 3.02-2.84 (m, 2H); 2.58-2.45 (m, 2H); 2.30-2.21 (m, 1H); 2.02-1.83 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.36
【0260】
工程3:4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、12mL)中の前工程にて得られた化合物(200mg、0.35mmol、1.0当量)から水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(30mg、25%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 322.0; [M+H]+ = 340.1; [(Mx2)+H]+ = 697.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.59 (s, 1H); 7.54-7.53 (m, 1H); 7.49-7.47 (m, 2H); 3.15-3.11 (m, 1H); 3.01-2.96 (m, 2H); 2.62 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.29-2.20 (m, 1H); 1.99-1.86 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 30.53
【0261】
(実施例27)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸
工程1:(2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて(2-メチル-2-フェニルプロピル)マグネシウムクロリド溶液(THF中0.5M、14.5mL、7.24mmol、1.05当量)の添加から手順Bに従って表題化合物(349mg、26%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 199.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.46-7.44 (m, 2H); 7.35-7.31 (m, 2H); 7.22-7.19 (m, 1H); 6.59 (dt, 1H); 2.19 (dd, 2H); 1.53 (s, 3H); 1.52 (s, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.97
【0262】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスフィン酸
AcOH(1.8mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(349mg、1.76mmol、1当量)及びNH2Cbz(293mg、1.94mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(406mg、2.11mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(393mg、43%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 524.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.13 (m, 15H); 5.16-5.02 (m, 4H); 3.74-3.69 (m, 1H); 2.47-2.41 (m, 1H); 2.38-2.32 (m, 1H); 2.16-2.07 (m, 3H); 1.81-1.69 (m, 1H); 1.524 (s, 3H), 1.518 (s, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 47.23
【0263】
工程3:4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-メチル-2-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、12mL)中で前記化合物(193mg、0.37mmol、1.0当量)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(30mg、27%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 282.1; [M+H]+ = 300.1; [(Mx2)+H]+ = 599.2; [(Mx3)+H]+ = 898.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.49-7.46 (m, 2H); 7.32-7.29 (m, 2H); 7.19-7.16 (m, 1H); 2.38-2.30 (m, 2H); 2.20-2.16 (m, 1H); 2.08-1.98 (m, 3H); 1.76-1.68 (m, 1H); 1.58 (s, 3H); 1.57 (s, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 29.13
【0264】
(実施例28)
4-アミノ-4-{[2-(2-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(2-クロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて(2-クロロフェネチル)マグネシウムブロミド溶液(THF中0.5M、14.5mL、7.24mmol、1.05当量)の添加から手順Bに従って表題化合物(734mg、52%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 205.0及び207.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 10.18 (br s, 1H); 7.35 (dd, 1H, J = 7.0及び2.0 Hz); 7.28-7.26 (m, 2H); 7.22-7.16 (m, 1H); 7.16 (dt, 1H, J = 549及び2.0 Hz); 3.07-3.01 (m, 2H); 2.16-2.09 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.58
【0265】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(2-クロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(2.5mL)及びAcCl(0.9mL)中で前段生成物(350mg、1.71mmol、1当量)及びNH2Cbz(305mg、2.02mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(424mg、2.20mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(740mg、82%)を調製し、固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 530.2及び532.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.20 (m, 14H); 5.17-5.07 (m, 4H); 4.08-4.04 (m, 1H); 3.03-2.98 (m, 2H); 2.60-2.48 (m, 2H); 2.31-2.22 (m, 1H); 2.03-1.88 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.54
【0266】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[2-(2-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(75mg、1.79mmol、3当量)の存在でTHF/水(6mL/1.5mL)の混合物中、前段生成物(316mg、0.596mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(191mg、73%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 440.0及び442.0
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.19 (m, 9H); 5.11 (dd, 2H, J = 47.0及び12.5 Hz); 4.05-4.01 (m, 1H); 3.03-2.93 (m, 2H); 2.52-2.35 (m, 2H); 2.27-2.19 (m, 1H); 2.02-1.95 (m, 2H); 1.92-1.82 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.76
【0267】
工程4:4-アミノ-4-{[2-(2-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(3.0mL/454μL)中の前段生成物(191mg、434μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(73mg、55%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 288.1及び290.1; [M+H]+ = 306.1及び308.1; [(Mx2)+H]+ = 611.1, 613.1及び615.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.34 (m, 2H); 7.23 (td, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.18 (td, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 3.16-3.12 (m, 1H); 3.05-3.00 (m, 2H); 2.61 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.29-2.00 (m, 1H); 2.01-1.83 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 30.65
【0268】
(実施例29)
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(3-クロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-3-クロロベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(1.0g、71%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 205.0及び207.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 10.26 (br s, 1H); 7.28-7.21 (m, 3H); 7.16 (dt, 1H, J = 549.0及び2.0 Hz); 7.13 (dt, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 2.97-2.91 (m, 2H); 2.15-2.08 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 36.0
【0269】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(3-クロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(3.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(500mg、2.44mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(406mg、2.93mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(564mg、2.93mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(748mg、58%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 530.1及び532.0
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.19 (m, 13H); 7.08 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 5.18-5.05 (m, 4H); 4.05-4.00 (m, 1H); 2.92-2.76 (m, 2H); 2.58-2.46 (m, 2H); 2.29-2.21 (m, 1H); 1.99-1.84 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.70
【0270】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[2-(3-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(47mg、1.13mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4mL/1mL)の混合物中、前段生成物(200mg、0.38mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(157mg、95%)を調製し、白色固体として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.35-7.21 (m, 8H); 7.09 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 5.13 (dd, 2H, J = 64.5及び12.5 Hz); 4.04-3.99 (m, 1H); 2.95-2.76 (m, 2H); 2.52-2.36 (m, 2H); 2.27-2.17 (m, 1H); 1.99-1.81 (m, 3H)
【0271】
工程4:4-アミノ-4-{[2-(3-クロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(9.0mL/1.8mL)中の前段生成物(265mg、602μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(60mg、33%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 288.1及び290.1; [M+H]+ = 306.1及び308.1; [(Mx2)+H]+ = 611.2, 613.1及び615.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.30 (t, 1H, J = 2.0 Hz); 7.25 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 7.20-7.17 (m, 2H); 3.13-3.08 (m, 1H); 2.91-2.86 (m, 2H); 2.61 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.28-2.19 (m, 1H); 1.99-1.82 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 30.72
【0272】
(実施例30)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:2-(ナフタレン-2-イル)エタン-1-オール
0℃で、2-ナフチル酢酸(5.0g、26.85mmol、1.0当量)の無水THF(13mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下無水THF(13mL)中の水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M溶液、27mL、53.70mmol、2.0当量)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(2mL)でゆっくりクエンチした。NaOHの水溶液(4mL、15%)及びH2O(6mL)を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮して、期待する化合物(4.5g、97%)を黄色粉体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.83-7.79 (m, 3H); 7.69 (t, 1H, J = 1.0 Hz); 7.49-7.43 (m, 2H); 7.37 (dd, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 3.96 (t, 2H, J = 6.5 Hz); 3.04 (t, 2H, J = 6.5 Hz)
【0273】
工程2:2-(2-ブロモエチル)ナフタレン
トリフェニルホスフィン(4.72g、18mmol、1.3当量)及びN-ブロモスクシンイミド(3.2g、18mmol、1.3当量)の無水DCM(45mL)中溶液を10分間撹拌した。前工程にて得られた生成物(2.33g、13.5mmol、1.0当量)を加え、続いて直ちにイミダゾール(919mg、13.5mmol、1.0当量)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をH2OとDCMとの間で分配し、水性層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、蒸発乾固した。粗製の残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、期待する化合物(2.3g、72%)を白色固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.83-7.80 (m, 3H); 7.67 (br s, 1H); 7.50-7.44 (m, 2H); 7.34 (dd, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 3.66 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 3.34 (t, 2H, J = 7.5 Hz)
【0274】
工程3:[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水THF中2-(2-ブロモエチル)ナフタレンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(1.24g、82%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 221.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.81-7.76 (m, 3H); 7.66 (br s, 1H); 7.48-7.42 (m, 2H); 7.34 (dd, 1H, J = 8.5及び1.5 Hz); 7.16 (dt, 1H, J = 550.0及び2.0 Hz); 3.13-3.08 (m, 2H); 2.23-2.16 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 37.46
【0275】
工程4:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(2.9mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(400mg、1.82mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(302mg、2.00mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(418mg、2.18mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(880mg、89%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 546.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.81 (dd, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.77 (dd, 2H, J = 7.5及び2.5 Hz); 7.63 (br s, 1H); 7.46-7.41 (m, 2H); 7.37-7.28 (m, 8H); 7.20-7.13 (m, 3H); 5.18-5.03 (m, 4H); 4.09-4.04 (m, 1H); 3.10-2.95 (m, 2H); 2.58-2.46 (m, 2H); 2.31-2.24 (m, 1H); 2.12-1.99 (m, 2H); 1.95-1.86 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.01
【0276】
工程5:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシル[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(102mg、2.42mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(7mL/2mL)の混合物中、前段生成物(440mg、0.81mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(250mg、68%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 456.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.82-7.80 (m, 1H); 7.78-7.76 (m, 2H); 7.64 (br s, 1H); 7.46-7.41 (m, 2H); 7.33-7.30 (m, 3H); 7.21-7.14 (m, 3H); 5.13 (dd, 2H, J = 71.5及び12.5 Hz); 4.08-4.04 (m, 1H); 3.12-2.96 (m, 2H); 2.52-2.38 (m, 2H); 2.29-2.21 (m, 1H); 2.13-2.01 (m, 2H); 1.93-1.84 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.01
【0277】
工程6:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-2-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(1.6mL/380μL)中の前段生成物(250mg、549μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(84mg、48%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 304.1; [M+H]+ = 322.2; [(Mx2)+H]+ = 643.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.81-7.78 (m, 3H); 7.71 (s, 1H); 7.45-7.39 (m, 3H); 3.10-3.05 (m, 3H); 2.57 (t, 2H, J = 7.0 Hz); 2.28-2.19 (m, 1H); 2.04-1.89 (m, 3H)
31P NMR (D2O, 202 MHz) δ (ppm): 34.98
【0278】
(実施例31)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:(2-(ナフタレン-1-イル)エチル)ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)ナフタレンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(777mg、51%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 221.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.07 (dq, 1H, J = 8.5及び1.0 Hz); 7.89-7.87 (m, 1H); 7.77-7.74 (m, 1H); 7.57-7.53 (m, 1H); 7.51-7.47 (m, 1H); 7.43-7.39 (m, 1H); 7.10 (dt, 1H, J = 541.5及び2.0 Hz); 3.40-3.34 (m, 2H); 2.20-2.13 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 37.79
【0279】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(5.0mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(777mg、3.53mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(587mg、3.88mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(813mg、4.23mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(520mg、27%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 546.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.05 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.88-7.87 (m, 1H); 7.75 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.51-7.46 (m, 2H); 7.40-7.27 (m, 10H); 7.18-7.17 (m, 2H); 5.15-5.04 (m, 4H); 4.12-4.07 (m, 1H); 2.61-2.47 (m, 2H); 2.33-2.25 (m, 1H); 2.16-1.99 (m, 2H); 1.96-1.86 (m, 1H) - 2つのプロトンがMeODピークに隠れていた
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.08
【0280】
工程3:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシル[2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(120mg、2.86mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(7mL/2mL)の混合物中、前段生成物(520mg、0.90mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(340mg、78%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 456.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.06 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 7.88-7.87 (m, 1H); 7.75 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.52-7.46 (m, 2H); 7.40-7.29 (m, 5H); 7.20-7.19 (m, 2H); 5.11 (dd, 2H, J = 51.0及び12.5 Hz); 4.12-4.07 (m, 1H); 2.53-2.34 (m, 2H); 2.31-2.22 (m, 1H); 2.15-2.02 (m, 2H); 1.94-1.84 (m, 1H) - 2つのプロトンがMeODピークに隠れていた
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.31
【0281】
工程4:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(ナフタレン-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(1.8mL/435μL)中の前段生成物(340mg、623μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(37mg、15%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 304.2; [M+H]+ = 322.2; [(Mx2)+H]+ = 643.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 8.18 (d, 1H, J = 8.5 Hz); 7.85 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.72 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.55-7.51 (m, 1H); 7.48-7.45 (m, 1H); 7.43-7.37 (m, 2H); 3.38 (q, 2H, J = 8.0 Hz); 3.14-3.10 (m, 1H); 2.59 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.28-2.19 (m, 1H); 2.07-1.89 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.27
【0282】
(実施例32)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.75mL、5.17mmol、1.0当量)から、続いて(2-メトキシフェネチル)マグネシウムブロミド溶液(THF中0.5M、10.9mL、5.43mmol、1.05当量)の添加から手順Bに従って表題化合物(620mg、60%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 201.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.22-7.15 (m, 2H); 6.99 (dt, 1H, J = 538.5及び2.0 Hz); 6.93 (dd, 1H, J = 8.5及び1.5 Hz); 6.87 (dt, 1H, J = 7.5及び1.0 Hz); 3.84 (s, 3H); 2.90-2.84 (m, 2H); 2.05-1.98 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 34.83
【0283】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(1.8mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(334mg、1.67mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(277mg、1.84mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(384mg、2.00mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(605mg、69%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 526.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.21 (m, 10H); 7.18 (dt, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.08 (dd, 1H, 7.5及び1.5 Hz); 6.90 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.86-6.83 (m, 1H); 5.15-5.05 (m, 4H); 4.02-3.98 (m, 1H); 3.78 (s, 3H); 2.88-2.83 (m, 2H); 2.56-2.43 (m, 2H); 2.28-2.19 (m, 1H); 1.99-1.83 (m, 3H).
【0284】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:2、12mL)中の前段生成物(200mg、0.38mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(23mg、20%)を調製し、白色粉体として得た。
期待純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 284.1; [M+H]+ = 302.1; [(Mx2)+H]+ = 603.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.19-7.15 (m, 2H); 6.91 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.85 dt, 1H, J = 7.5及び1.0 Hz); 3.83 (s, 3H); 3.09-3.05 (m, 1H); 2.90-2.85 (m, 2H); 2.57 (dt, 2H, J = 7.5及び1.0 Hz); 2.27-2.18 (m, 1H); 2.00-1.79 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.92
【0285】
(実施例33)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-3-メトキシベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(657mg、48%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 201.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.23-7.20 (m, 1H); 7.13 (dt, 1H, J = 547.5及び2.0 Hz); 6.81-6.76 (m, 3H); 6.30 (br s, 1H); 3.79 (s, 3H); 2.94-2.88 (m, 2H); 2.13-2.07 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.45
【0286】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(6.0mL)及びAcCl(0.8mL)中で前段生成物(657mg、3.28mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(546mg、3.61mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(757mg、3.94mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.3g、75%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 526.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.23 (m, 10H); 7.17 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 6.76-6.73 (m, 3H); 5.20-5.04 (m, 4H); 4.05-4.00 (m, 1H); 3.76 (s, 3H); 2.91-2.75 (m, 2H); 2.58-2.45 (m, 2H); 2.29-2.20 (m, 1H); 2.03-1.84 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.23
【0287】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、20mL)中の前段生成物(500mg、0.98mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(151mg、53%)を調製し、白色粉体として得た。
期待純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 284.2; [M+H]+ = 302.2; [(Mx2)+H]+ = 603.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.17 (t, 1H, J = 8.0 Hz); 6.84-6.82 (m, 2H); 6.74-6.72 (m, 1H); 3.77 (s, 3H); 3.08-3.03 (m, 1H); 2.87 (q, 2H, J = 8.5 Hz); 2.62-2.55 (m, 2H); 2.26-2.18 (m, 1H); 1.99-1.86 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.22
【0288】
(実施例34)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:[2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1mL、6.90mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-4-メトキシベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(553mg、40%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 201.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.17-7.15 (m, 2H); 6.99 (dt, 1H, J = 538.5及び2.0 Hz); 6.86-6.83 (m, 2H); 3.76 (s, 3H); 2.86-2.80 (m, 2H); 2.05-1.98 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 33.82
【0289】
工程2:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(4.0mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(553mg、2.76mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(460mg、3.04mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(637mg、3.32mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.2g、83%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 526.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.24 (m, 10H); 7.06 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 6.81 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 5.17-5.03 (m, 4H); 4.04-3.99 (m, 1H); 3.76 (s, 3H); 2.87-2.71 (m, 2H); 2.57-2.44 (m, 2H); 2.28-2.20 (m, 1H); 2.00-1.83 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.36
【0290】
工程3:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(4-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、20mL)中の前段生成物(500mg、0.95mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(220mg、77%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>94%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 284.2; [M+H]+ = 302.2; [(Mx2)+H]+ = 603.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.16 (d, 2H, J = 8.5 Hz); 6.83 (d, 2H, J = 9.0 Hz); 3.76 (s, 3H); 3.06-3.01 (m, 1H); 2.86-2.81 (m, 2H); 2.58 (dt, 2H, J = 7.5及び2.0 Hz); 2.26-2.16 (m, 1H); 1.99-1.84 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.37
【0291】
(実施例35)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:2-(2-フェノキシフェニル)エタン-1-オール
0℃で、2-(2-フェノキシフェニル)酢酸(2.5g、10.95mmol、1.0当量)の無水THF(5.5mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下無水THF(5.5mL)中の水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M、10.95mL、21.91mmol、2.0当量)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(1mL)でゆっくりクエンチした。NaOHの水溶液(2mL、15%)及びH2O(3mL)を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(1.9g、81%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 197.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.34-7.30 (m, 3H); 7.20 (dt, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 7.11-7.06 (m, 2H); 6.96-6.93 (m, 2H); 6.89 (dd, 1H, J = 8.5及び1.5 Hz); 3.87 (t, 2H, J = 6.5 Hz); 2.93 (t, 2H, J = 6.5 Hz)
【0292】
工程2:1-(2-ブロモエチル)-2-フェノキシベンゼン
前工程にて得られた2-(2-フェノキシフェニル)エタン-1-オール(1.9g、8.87mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(4.71g、14.19mmol、1.6当量)をCH2Cl2(45mL)に希釈した。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(3.72g、14.19mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.9g、77%)を無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.35-7.31 (m, 2H); 7.29 (dd, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.22 (dt, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.11-7.07 (m, 2H); 6.97-6.95 (m, 2H); 6.87 (dd, 1H, J = 8.0及び1.0 Hz); 3.62 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 3.23 (t, 2H, J = 7.5 Hz)
【0293】
工程3:[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(9mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.95mL、6.55mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-2-フェノキシベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(950mg、55%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 263.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.31 (m, 3H); 7.22 (dt, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 7.12-7.07 (m, 2H); 6.98 (dt, 1H, J = 540.0及び2.0 Hz); 6.95-6.92 (m, 2H); 6.85 (dd, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 2.94-2.88 (m, 2H); 2.09-2.02 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 34.02
【0294】
工程4:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(4.0mL)及びAcCl(0.5mL)中で前段生成物(500mg、1.91mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(317mg、2.10mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(440mg、2.29mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(622mg、56%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 588.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.18 (m, 14H); 7.08-7.04 (m, 2H); 6.91 (dd, 2H, J = 8.5及び1.5 Hz); 6.80 (dd, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 5.17-4.97 (m, 4H); 4.02-3.98 (m, 1H); 2.94-2.89 (m, 2H); 2.54-2.41 (m, 2H); 2.24-2.15 (m, 1H); 2.04-1.98 (m, 2H); 1.89-1.81 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.20
【0295】
工程5:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、9.0mL)中で前段化合物(300mg、0.51mmol、1.0当量)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(85mg、46%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 346.2; [M+H]+ = 364.2; [(Mx2)+H]+ = 727.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37 (dd, 1H, J = 8.0及び2.0 Hz); 7.33-7.30 (m, 2H); 7.18 (dt, 1H , J = 8.0及び2.0 Hz); 7.11-7.04 (m, 2H); 6.93 (dd, 2H, J = 8.5及び1.5 Hz); 6.82 (dd, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 3.07-3.03 (m, 1H); 2.93 (疑似q, 2H, J = 8.0 Hz); 2.52 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 2.19-2.10 (m, 1H); 1.97-1.85 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.14
【0296】
(実施例36)
4-アミノ-4-({2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
工程1:メチル2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]アセテート
メチル2-(2-ヒドロキシフェニル)アセテート(1.5g、9.03mmol、1.0当量)のDMF(9mL)中溶液に、0℃でCs2CO3(4.41g、13.54mmol、1.5当量)を加えた。10分後、ヨードシクロペンタン(1.57mL、13.54mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で19時間撹拌した。次いで水を加え、水性層をEt2O(2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.4g、66%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 235.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.21 (dt, 1H, J = 8.0及び2.0 Hz); 7.16 (dd, 1H, J = 7.5及び2.0 Hz); 6.89-6.84 (m, 2H); 4.80-4.77 (m, 1H); 3.67 (s, 3H); 3.58 (s, 2H); 1.89-1.72 (m, 6H); 1.65-1.59 (m, 2H)
【0297】
工程2:2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エタン-1-オール
前工程にて得られた化合物(1.6g、6.83mmol、1.0当量)の無水THF(3.4mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M溶液、6.8mL、13.66mmol、2.0当量)に滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(0.6mL)でゆっくりクエンチした。NaOHの水溶液(0.6mL、15%)及びH2O(1.5mL)を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を更に15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.3g、92%)を油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 207.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.20-7.14 (m, 2H); 6.89-6.85 (m, 2H); 4.82-4.74 (m, 1H); 3.82 (t, 2H, J = 6.5 Hz); 2.88 (t, 2H, J = 6.5 Hz); 1.95-1.76 (m, 6H); 1.68-1.54 (m, 3H)
【0298】
工程3:1-(2-ブロモエチル)-2-(シクロペンチルオキシ)ベンゼン
前工程にて得られた化合物(1.3g、6.30mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(3.34g、10.08mmol、1.6当量)をCH2Cl2(30mL)に希釈した。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(2.64g、10.08mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応媒体を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.3g、77%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.20-7.14 (dt, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.13 (dd, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 6.88-6.84 (m, 2H); 4.81-4.78 (m, 1H); 3.56 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 3.14 (t, 2H, J = 7.5 Hz); 1.94-1.76 (m, 6H); 1.69-1.61 (m, 2H)
【0299】
工程4:{2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル}ホスフィン酸
無水Et2O(4mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.67mL、4.62mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-2-(シクロペンチルオキシ)ベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(622mg、53%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 255.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.19-7.13 (m, 2H); 7.10 (dt, 1H, J = 544.0及び2.0 Hz); 6.85-6.81 (m, 2H); 6.04 (br s, 1H); 4.80-4.77 (m, 1H); 2.90-2.84 (m, 2H); 2.11-2.01 (m, 2H), 1.93-1.75 (m, 6H); 1.68-1.57 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 39.24
【0300】
工程5:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル})ホスフィン酸
AcOH(5.3mL)及びAcCl(0.8mL)中で前段生成物(622mg、2.45mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(407mg、2.69mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(564mg、2.94mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(620mg、44%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 580.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.29 (m, 10H); 7.26-7.21 (m, 1H); 7.17-7.13 (m, 1H); 7.08-7.06 (m, 1H); 6.88 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.81 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 5.13-5.04 (m, 4H); 4.01-3.96 (m, 1H); 2.87-2.79 (m, 2H); 2.56-2.43 (m, 2H), 2.27-2.19 (m, 1H); 2.04-1.76 (m, 9H); 1.67-1.60 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.82
【0301】
工程6:4-アミノ-4-({2-[2-(シクロペンチルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、9.0mL)中で前記化合物(310mg、0.53mmol、1.0当量)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(50mg、26%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 338.2; [M+H]+ = 356.2; [(Mx2)+H]+ = 711.5
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 6.66-6.62 (m, 2H); 6.40 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.32 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 4.28-4.23 (m, 1H); 2.76-2.72 (m, 1H); 2.32-2.22 (m, 2H); 2.04-1.88 (m, 2H); 1.68-1.51 (m, 3H); 1.46-1.37 (m, 1H); 1.34-1.25 (m, 2H); 1.20-0.97 (m, 6H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.97
【0302】
(実施例37)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸
工程1:(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸
(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸の調製は、Smid、P.らのPCT 国際特許出願、第2008071738号、2008年に元々記載されている。
アルゴン下、予め脱気した次亜リン酸(水中50質量%、2.47mL、22.6mmol)のEtOH(15mL)中溶液に、アリルベンゼン(1mL、7.6mmol)及びAIBN(100mg、1.2mmol)を加えた。混合物を6時間還流させ、LCMSは、転化が完結していないことを示した。次いで更なる量のAIBN(100mg、1.2mmol)を加え、引き続き混合物を18時間還流させた。反応の間、混合物は定常的に無色で透明である。次いで混合物を真空で濃縮し、得られた油状物を0℃に冷却し、2N NaOH溶液15mLを加えて、pH14にした。溶液を分離漏斗中に移し、この水性層をEt2O(3×20mL)で洗浄した。水性層を2N HClで酸性化してpH1にし、次いでAcOEt(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、真空で濃縮して、表題化合物(1.2g、86%)を無色油状物として得、これは8%の二重付加副生成物を不純物として含んでいた。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.08 (dt, 1H, J = 545.0及び5.0 Hz); 7.30-7.27 (m, 2H); 7.22-7.18 (m, 1H); 7.18-7.13 (m, 2H); 2.72 (t, 2H, J = 10.0 Hz); 1.97-1.88 (m, 2H); 1.78-1.72 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 39.53
【0303】
工程2:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-メトキシ-4-オキソブチル)(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸
AcOH(2mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(200mg、1.09mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(181mg、1.19mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてメチル4-オキソブタノエート(純度90%、150μL、1.3mmol)の添加における手順Dに従って表題化合物(389mg、83%)を調製し、白色微細粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 434
1H NMR (CDCl3,500 MHz) δ (ppm): 7.48-7.30 (m, 5H); 7.28-7.23 (m, 2H); 7.83-7.17 (m,1H); 7.16-7.13 (m, 1H); 6.30-6.20 (brs, 1H); 5.28-5.18 (m, 1H); 5.14-5.08 (m, 2H); 3.67 (ddt, J = 2.0, 9.5及び10.0 Hz, 1H); 3.63 (s, 3H); 2.65 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.42 (t, J = 8.0 Hz, 2H); 2.25-2.16 (m, 1H); 1.99-1.81 (m, 3H); 1.76-1.64 (m, 2H)
13C NMR (CDCl3, 125 MHz) δ (ppm): 173.5; 156.5 (d, J = 5.0 Hz); 141.1; 136.4; 128.8 (2C); 128.7 (2C); 128.6 (2C); 128.5; 128.3; 126.4; 67.5; 51.9; 49.2 (d, J = 102.0 Hz); 36.7 (d, J = 15.0 Hz); 30.5 (d, J = 11.9 Hz); 26.5; 25.8; 23.6; 22.9 (d, J = 3.1 Hz)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 55.29
【0304】
工程3:4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル)ブタン酸
LiOH.H2O(85mg、3.53mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4mL/1mL)の混合物中、前段生成物(510mg、1.18mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(473mg、96%)を調製して油状残渣として得、これは静置すると結晶化した。
MS (ESI-): [M-H]- = 418
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11.5 (brs, 1H); 7.43 (d, J = 9.5 Hz, 1H); 7.39-7.30 (m, 5H); 7.28 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.22-7.12 (m, 3H); 5.07 (d, J = 12.0 Hz, 1H); 5.03 (d, J = 12.0 Hz, 1H); 3.69 (m, 1H); 2.58 (d, J = 7.5 Hz, 2H); 2.38-2.30 (m, 1H); 2.26-2.20 (m, 1H); 2.04-1.96 (m, 1H); 1.85-1.62 (m, 3H); 1.52 (ddd, J =7.5, 9.0及び13.5 Hz, 2H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 46.42
【0305】
工程4:4-アミノ-4-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(9:1、c=50mM)中の前段生成物(473mg、1.13mmol、1.0当量)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(71mg、60%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:90%(HPLCに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.2; [M+H]+ = 286.2; [(Mx2)+H]+ = 571.5
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.41 (t, J = 7.0 Hz, 2H); 7.34 (d, J = 7.0 Hz, 2H); 7.30 (t, J = 7.0 Hz, 1H); 3.22 (td, J = 7.5及び5.0 Hz, 1H); 2.76 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 2.59 (td, J = 7.5及び3.5 Hz, 2H); 2.20-2.09 (m, 1H); 1.99-1.82 (m, 3H); 1.71-1.60 (m, 2H)
31P NMR (D2O, 202 MHz) δ (ppm): 35.79
【0306】
(実施例38)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸
工程1:2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エタン-1-オール
2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]酢酸(2.5g、11mmol、1.0当量)の無水THF(6mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M溶液、23mmol、11mL,)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で40分間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(0.86mL)でゆっくりクエンチした。NaOHの15%水溶液(0.86mL)及びH2O(2.6mL)を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の中間体(2g、85%)を透明油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 207.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.35 - 7.31 (m, 1H); 7.29 - 7.21 (m, 3H); 3.87 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 2.96 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 1.46 (s, 1H)
【0307】
工程2:1-(2-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン
前工程にて得られた生成物(2.0g、9.7mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(5.2g、15mmol、1.6当量)をCH2Cl2(50mL)に希釈した。溶液を-5℃で冷却し、トリフェニルホスフィン(4.1g、15mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、期待する中間体(2.27g、87%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.33-7.29 (m, 2H); 7.27-7.23 (m, 2H); 3.57 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 3.24 (t, J = 7.5 Hz, 2H)
【0308】
工程3:{2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}ホスフィン酸
無水Et2O(5mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.87mL、6.0mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(740mg、48%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 255.1; [(Mx2)+H]+ = 509.0
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.69 (t, J = 2.0 Hz, 0.5H); 7.35-7.17 (m, 4H); 6.59 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 3.04-2.88 (m, 2H); 2.08 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 36.48
【0309】
工程4:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル]({2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル})ホスフィン酸
AcOH(5.2mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(740mg、3.1mmol、1当量)及びNH2Cbz(481mg、3.19mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(707mg、3.48mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(800mg、47%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 580.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.43-7.19 (m, 14H); 5.18-5.00 (m, 4H); 4.08-3.96 (m, 1H); 3.00-2.89 (m, 2H); 2.59-2.44 (m, 2H); 2.30-2.20 (m, 1H); 1.99-1.81 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.45
【0310】
工程5:4-アミノ-4-[ヒドロキシ({2-[2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、10mL)中で前記化合物(350mg、0.6mmol、1.0当量)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(100mg、46%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(HPLC及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 338.1; [M+H]+ = 356.1; [(Mx2)+H]+ = 711.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.48-7.39 (m, 1H); 7.31-7.21 (m, 3H); 3.12 (td, J = 8.4, 5.2 Hz, 1H); 2.98 (q, J = 8.4 Hz, 2H); 2.60 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 2.30-2.16 (m, 1H); 2.01-1.75 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.36
【0311】
(実施例39)
4-アミノ-4-[(2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
工程1:エチル2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}アセテート
エチル2-(2-ブロモフェニル)アセテート(2.5g、10mmol、1.0当量)、フェニルボロン酸(1.5g、12mmol、1.2当量)、炭酸カルシウム(7.1g、51mmol、5.0当量)及びPd(PPh3)4(1.2g、1.03mmol、0.1当量)をフラスコに加え、雰囲気をアルゴンで10分間パージした。アルゴンで脱気したジオキサン/水の4/1混合物(0.2M、50mL)を加えた。添加が完了した時点で、反応物を80℃で24時間撹拌した。次いで反応混合物を室温に冷却した。水及びCH2Cl2を加えた。水性層をCH2Cl2(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.39g、97%)を透明油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 241
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.20 (m, 9H); 4.08 (q, J = 7.1 Hz, 2H); 3.59 (s, 2H); 1.19 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
【0312】
工程2:2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エタン-1-オール
前工程にて得られた化合物(2.4g、9.3mmol、1.0当量)の無水THF(5mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M溶液、9.9mL、20mmol)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で45分間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(0.7mL)でゆっくりクエンチした。NaOHの15%水溶液(0.7mL)及びH2O(2.1mL)を順次加え、混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(1.17g、59%)を黄色粉体として得た。
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 181.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.49-7.19 (m, 9H); 3.71 (td, J = 6.8, 5.7 Hz, 2H); 2.91 (t, J = 6.9 Hz, 2H)
【0313】
工程3:2-(2-ブロモエチル)-1,1'-ビフェニル
前工程にて得られた化合物(1.17g、5.90mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(3.13g、9.44mmol、1.6当量)をCH2Cl2(30mL)に希釈した。溶液を-5℃で冷却し、トリフェニルホスフィン(2.48g、9.44mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.4g、90%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.48-7.17 (m, 9H); 3.40-3.29 (m, 2H); 3.17 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 2H)
【0314】
工程4:(2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)ホスフィン酸
無水Et2O(4mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.74mL、5.1mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中2-(2-ブロモエチル)-1,1'-ビフェニルからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(460mg、37%)を調製した。
MS(ESI+):[M+H]+=247
【0315】
工程5:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル](2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)ホスフィン酸
AcOH(2.3mL)及びAcCl(0.3mL)中で前段生成物(460mg、1.9mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(313mg、2.07mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(434mg、2.26mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(245mg、23%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 572.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.43-7.09 (m, 19H); 5.28-4.94 (m, 4H); 3.88 (m, 1H); 2.86 (m, 2H); 2.62-2.29 (m, 2H); 2.15-1.99 (m, 1H); 1.87-1.66 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.47
【0316】
工程6:4-アミノ-4-[(2-{[1,1'-ビフェニル]-2-イル}エチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、8.0mL)中で前記化合物(245mg、0.428mmol)からの水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(76mg、51%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>97%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 330.2; [M+H]+ = 348; [(Mx2)+H]+ = 695.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.46-7.39 (m, 2H); 7.39-7.27 (m, 5H); 7.23 (td, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H); 7.15 (dd, J = 7.5, 1.5 Hz, 1H); 2.93-2.84 (m, 3H); 2.45 (t, J = 7.4 Hz, 2H); 2.05-1.91 (m, 1H); 1.85-1.63 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.05
【0317】
(実施例40)
4-アミノ-4-{[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:1-(2-ブロモエチル)-2,3-ジクロロベンゼン
2-(2,3-ジクロロフェニル)エタン-1-オール(1.5g、7.8mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(4.2g、12mmol、1.6当量)をCH2Cl2(40mL)に希釈した。溶液を-5℃で冷却し、トリフェニルホスフィン(3.3g、12.0mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.8g、90%)を無色淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.39 (dd, J = 7.1, 2.4 Hz, 1H); 7.22-7.13 (m, 2H); 3.60 (t, J = 7.4 Hz, 2H); 3.33 (t, J = 7.4 Hz, 2H).
【0318】
工程2:[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(6mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(1.4mL、6.8mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-2,3-ジクロロベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(690mg、43%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 240
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.65 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 7.50-7.12 (m, 3H); 6.56 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 3.16-2.98 (m, 2H); 2.20-2.03 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz): 32.83
【0319】
工程3:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(5mL)及びAcCl(0.6mL)中で前段生成物(690mg、2.9mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(479mg、3.17mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(665mg、3.46mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.1g、67%)を調製し、黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 565
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.48-7.08 (m, 13H); 5.22-4.98 (m, 4H); 4.15-3.90 (m, 1H); 3.21-2.92 (m, 2H); 2.70-2.37 (m, 2H); 2.33-2.22 (m, 1H); 2.13-1.81 (m, 2H); 1.42-1.25 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.44
【0320】
工程4:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(245mg、5.85mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(3/1、20mL)の混合物中、前工程にて得られた生成物(1.1g、1.9mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(266mg、29%)を調製し、淡黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 474.0
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.50-7.12 (m, 8H); 5.26-5.01 (m, 2H); 4.05 (ddd, J = 11.9, 8.7, 3.5 Hz, 1H); 3.16-2.97 (m, 2H); 2.55-2.36 (m, 2H); 2.34-2.17 (m, 1H); 2.02-1.68 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.45
【0321】
工程5:4-アミノ-4-{[2-(2,3-ジクロロフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(1.7mL/1.2mL)中の前段生成物(266mg、561μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(39mg、20%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 323; [M+H]+ = 341; [(Mx2)+H]+ = 681.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H); 7.35 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H); 7.24 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 3.21-3.14 (m, 1H); 3.13-3.05 (m, 2H); 2.64 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.33-2.21 (m, 1H); 2.08-1.83 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.29
【0322】
(実施例41)
4-アミノ-4-{[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:3-クロロ-2-メトキシベンズアルデヒド
3-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(3.0g、19mmol、1.0当量)のDMF(28mL)中溶液に、K2CO3(4.0g、29mmol、1.5当量)及びヨウ化メチル(1.92mL、30.6mmol、1.6当量)を加えた。混合物は直ちに黄色になり、室温で3時間撹拌した。水(140mL)で希釈し、分離漏斗中に移し、次いで水性層をEtOAcで2回抽出した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物(3g、92%)を透明固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 171.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 10.38 (d, J = 0.8 Hz, 1H); 7.76 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 1H); 7.64 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 1H); 7.19 (dd, J = 7.9, 0.8 Hz, 1H); 4.01 (s, 3H)
【0323】
工程2:1-クロロ-2-メトキシ-3-[2-メトキシエテニル]ベンゼン
メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(10.5g、30.6mmol、1.0当量)の乾燥THF(88mL)中懸濁液に、アルゴン雰囲気下0℃でKOtBu(4.4g、39mmol、1.3当量)を一度に加えた。懸濁液を0℃で更に10分間撹拌した。前工程にて得られた生成物(3.0g、18mmol、0.58当量)を少量で加えた。30分後、反応物を水(50mL)でクエンチし、エーテル(50mL)で希釈した。有機相を分離した。水性相を追加のエーテル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(4g、71%)を得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 199.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.94 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 0.5H); 7.22-7.09 (m, 2H); 6.97 (dt, J = 22.3, 7.9 Hz, 1H); 6.23 (d, J = 7.2 Hz, 0.5H); 5.99 (d, J = 13.0 Hz, 0.5H); 5.57 (d, J = 7.2 Hz, 0.5H); 3.83-3.70 (m, 6H)
【0324】
工程3:2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)アセトアルデヒド
前工程にて得られた生成物(4.0g、20mmol、1当量)のTHF(110mL)中溶液に、10%HCl水溶液10mLを加えた。混合物を1時間加熱還流した。1時間後、追加の10%HCl水溶液2mLを加え、6時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液で中和するまで処理した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで水及びMTBEで希釈した。有機相を分離した。水性相を追加のMTBEで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(2.74g、74%)を得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.74 (t, J = 2.0 Hz, 1H); 7.34 (dd, J = 7.8, 1.9 Hz, 1H); 7.16-6.97 (m, 3H); 3.83 (s, 3H); 3.73 (d, J = 2.0 Hz, 2H)
【0325】
工程4:2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エタン-1-オール
前工程にて得られた生成物(2.7g、15mmol、1.0当量)のMeOH(75mL)中溶液に、0℃でNaBH4(674mg、17.8μmol、1.2当量)を少しずつ加えた。混合物を室温で45分間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで水及びEtOAcで希釈した。有機相を分離した。水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.4g、50%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 169.1; [M+H]+ = 187.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.28-7.25 (m, 1H); 7.18-7.09 (m, 1H); 7.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 3.87 (s, 5H); 2.93 (t, J = 6.5 Hz, 2H)
【0326】
工程5:1-(2-ブロモエチル)-3-クロロ-2-メトキシベンゼン
2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エタン-1-オール(1.4g、7.5mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(4g、12mmol、1.6当量)をCH2Cl2(40mL)に希釈した。溶液を-5℃で冷却し、トリフェニルホスフィン(3.2g、12mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で45分間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.6g、85%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.29 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H); 7.13-7.10 (m, 1H); 7.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 3.88 (s, 3H); 3.58 (dd, J = 7.9, 7.3 Hz, 2H); 3.20 (t, J = 7.6 Hz, 2H)
【0327】
工程6:[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(2.2mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.67mL、6.1mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-3-クロロ-2-メトキシベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(245mg、17%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 235.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.59 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 7.28 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H); 7.21 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H); 7.05 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 6.51 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 3.86 (s, 3H); 2.98-2.88 (m, 2H); 2.10-2.00 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 33.58
【0328】
工程7:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(2mL)及びAcCl(0.9mL)中で前段生成物(245mg、1.04mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(174mg、1.25mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(240mg、1.25mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(400mg、68%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 560.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.44 - 7.16 (m, 11H); 7.09 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 7.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 5.25-5.20 (m, 4H); 3.80 (s, 3H); 2.91 (q, J = 7.9 Hz, 2H); 2.68-2.41 (m, 3H); 2.27 (m, 1H); 1.93 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.66
【0329】
工程8:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(60mg、1.4mmol、2.0当量)の存在でTHF/水(3mL/0.5mL)の混合物中、前工程にて得られた生成物(400mg、0.7mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(327mg、97%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 470.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.21 (m, 6H); 7.12 (dd, J = 7.7, 1.6 Hz, 1H); 7.03 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 5.14 (m, 2H); 4.05 (td, J = 9.2, 8.6, 5.0 Hz, 1H); 3.83 (s, 3H); 2.95 (dt, J = 10.7, 7.0 Hz, 2H); 2.57-2.36 (m, 2H); 2.33-2.17 (m, 1H); 2.07-1.82 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 51.27
【0330】
工程9:4-アミノ-4-{[2-(3-クロロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(2.14mL/1.5mL)中の前段生成物(327mg、695μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(69mg、29%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 318.1; [M+H]+ = 336.1; [(Mx2)+H]+ = 671.2
MS (ESI-): [M-H]- =334.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.23 (m, 2H); 7.03 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 3.86 (s, 3H); 3.13 (td, J = 8.5, 5.1 Hz, 1H); 2.95 (q, J = 8.1 Hz, 2H); 2.61 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.30-2.20 (m, 1H); 2.03-1.79 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.85
【0331】
(実施例42)
3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:メチル2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)アセテート
MeOH(30mL)中の2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)酢酸(3.0g、16mmol、1.0当量)に、0℃で濃H2SO4(6滴)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc及び飽和NaHCO3水溶液で希釈し、分離漏斗中に移した。有機層をEtOAcで2回抽出し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題生成物(3.17g、98%)を茶褐色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 204.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.60 (dt, J = 7.9, 1.0 Hz, 1H); 7.30 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H); 7.24 (ddd, J = 8.2, 7.0, 1.2 Hz, 1H); 7.13 (ddd, J = 8.0, 7.0, 1.1 Hz, 1H); 7.05 (d, J = 1.0 Hz, 1H); 3.77 (m, 5H); 3.70 (s, 3H)
【0332】
工程2:2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エタン-1-オール
前工程にて得られた化合物(3.2g、15mmol、1.0当量)の無水THF(8mL)中溶液を、アルゴン雰囲気下0℃で水素化アルミニウムリチウム溶液(THF中2M溶液、16mL、32mmol)に滴下添加した。反応は発熱性であり、混合物は黄色になった。反応混合物を室温で40分間撹拌し、0℃に冷却し、次いでH2O(1.2mL)、NaOHの15%水溶液1.2mL次いでH2O(3.5mL)でゆっくりクエンチした。混合物を15分間撹拌した。無水Na2SO4を加え、混合物を15分間更に撹拌した。黄色混合物をセライトのパッド上で濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題生成物(2.7g、99%)を透明油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 176.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.61 (dt, J = 7.9, 1.0 Hz, 1H); 7.31 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H); 7.25-7.22 (m, 1H); 7.12 (ddd, J = 8.0, 6.9, 1.1 Hz, 1H); 6.95 (s, 1H); 3.90 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 3.77 (s, 3H); 3.03 (td, J = 6.4, 0.8 Hz, 2H)
【0333】
工程3:3-(2-ブロモエチル)-1-メチル-1H-インドール
前工程にて得られた化合物(1.5g、8.6mmol、1.0当量)のCH2Cl2(43mL)中溶液に、四臭化炭素(4.5g、14mmol、1.6当量)を加えた。溶液を氷/塩浴中で冷却し、トリフェニルホスフィン(3.6g、14mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温に45分間加温した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.6g、79%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-Br]+ = 158.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.58 (dt, J = 7.9, 1.0 Hz, 1H); 7.31 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H); 7.26-7.22 (m, 1H); 7.13 (ddd, J = 8.0, 7.0, 1.1 Hz, 1H); 6.95 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 3.77 (s, 3H); 3.62 (dd, J = 8.1, 7.3 Hz, 2H); 3.33 (td, J = 7.7, 0.8 Hz, 2H)
【0334】
工程4:[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(3mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.71mL、6.5mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中3-(2-ブロモエチル)-1-メチル-1H-インドールからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(950mg、65%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 224.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.70 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 7.60 (dt, J = 8.0, 1.0 Hz, 1H); 7.31 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H); 7.25 (ddd, J = 8.2, 6.9, 1.1 Hz, 1H); 7.13 (ddd, J = 8.0, 6.9, 1.1 Hz, 1H); 6.90 (s, 1H); 6.60 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 3.75 (s, 3H); 3.18-3.06 (m, 2H); 2.21 (dddd, J = 15.6, 10.0, 6.1, 2.1 Hz, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 38.65
【0335】
工程5:ベンジル[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスフィネート
前工程にて得られた生成物(450mg、2.02mmol、1.0当量)及びベンジルアルコール(241μL、2.32mmol、1.15当量)のCH2Cl2(33mL)中溶液に、EDCI(773mg、4.03mmol、2当量)を固体として一度に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を分離漏斗中に移し、NaHCO3の飽和水溶液(2回)で、次いでブラインで洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(434mg、78%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 314.1; [(Mx2)+H]+ = 627.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.59 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 7.51 (dt, J = 7.9, 1.0 Hz, 1H); 7.40-7.29 (m, 6H); 7.16 (ddd, J = 8.2, 7.0, 1.2 Hz, 1H); 7.04 (ddd, J = 8.0, 7.0, 1.0 Hz, 1H); 6.97 (d, J = 1.0 Hz, 1H); 6.49 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 5.15-4.97 (m, 2H); 3.71 (s, 3H); 3.05 (m, 2H); 2.30-2.17 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 41.58
【0336】
工程6:ベンジル4-[(ベンジルオキシ)[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル]-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタノエート
CH2Cl2(2.2mL)中の前段生成物(434mg、1.39mmol、1.5当量)及び炭酸セシウム(753mg、2.31mmol、2.5当量)から、続いてラセミ体のベンジル(4E)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエート(273mg、0.924mmol、1.0当量)のCH2Cl2(2.2mL)中溶液の添加からの手順Eに従って、表題化合物(579mg、69%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 609.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.60-7.44 (m, 1H); 7.42-7.27 (m, 11H); 7.20-7.11 (m, 1H); 7.08-6.98 (m, 1H); 6.99-6.93 (m, 1H); 5.16-4.91 (m, 4H); 4.59 (s, 1H); 4.10 (q, J = 7.1 Hz, 1H); 3.75-3.36 (m, 2H); 3.11-2.93 (m, 2H); 2.68-2.12 (m, 5H); 1.98-1.78 (m, 1H); 1.27-1.09 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 57.02; 56.61; 56.31及び56.05
【0337】
工程7:4-{ヒドロキシ[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル}-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタン酸
LiOH.H2O(120mg、2.85mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(5/1、4.7mL)の混合物中、前工程にて得られた生成物(580mg、0.95μmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(350mg、86%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 429.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.61-7.53 (m, 1H); 7.37-7.29 (m, 1H); 7.19-7.13 (m, 1H); 7.06-6.99 (m, 2H); 3.75 (s, 3H); 3.47-3.38 (m, 1H); 3.05 (m, 2H); 2.69-2.06 (m, 5H); 1.90 (m, 1H); 1.22 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.53
【0338】
工程8:3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(4.5mL、22当量)を用い前段生成物(350mg、0.815mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(122mg、41%)を調製し、ベージュ色粉体として得た。
推定純度:>97%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 307.1; [M+H]+ = 325.1; [(Mx2)+H]+ = 649.3
MS (ESI-): [M-H]- = 323.1; [(Mx2)-H]- = 647.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.59 (dt, J = 7.9, 1.0 Hz, 1H); 7.37-7.30 (m, 1H); 7.19-7.15 (m, 1H); 7.09-6.96 (m, 2H); 3.75 (s, 3H); 3.24-3.14 (m, 1H); 3.09 (dt, J = 10.6, 8.1 Hz, 2H); 2.58-2.39 (m, 2H); 2.27-2.14 (m, 3H); 2.00-1.87 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 40.27
【0339】
(実施例43)
3-カルボキシ-1-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:メチル2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]アセテート
メチル2-(2-ヒドロキシフェニル)アセテート(2.0g、12mmol、1.0当量)、シクロヘキサノール(1.81g、18.1mmol、1.5当量)及びトリフェニルホスフィン(3.79g、14.4mmol、1.2当量)のTHF(24mL)中溶液に、0℃でジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(3.33g、14.4mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた濃厚シロップ状物をペンタン/Et2O(1/1、100mL)中で摩砕した。得られた懸濁液を焼結ガラスで濾過し(ペンタン/Et2O:1/1洗浄)、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.35g、45%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 249.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26-7.18 (m, 2H); 6.95-6.85 (m, 2H); 4.33 (m, 1H); 3.71 (s, 3H); 3.65 (s, 2H); 1.98-1.89 (m, 2H); 1.83-1.74 (m, 2H); 1.65-1.50 (m, 3H); 1.45-1.35 (m, 3H)
【0340】
工程2:2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エタン-1-オール
市販されているLiAlH4の溶液(THF中2.0M、5.4mL、10.8mmol、2当量)に、0℃で前工程にて得られた生成物(1.35g、5.42mmol、1当量)のTHF(10mL)中溶液を滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、水(650μL)、15%NaOH水溶液(650μL)及び再度水(2mL)を加えた。15分間撹拌した後、Na2SO4を加え、懸濁液をセライト上で濾過した(MTBEすすぎ)。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.19g、100%)を針先状無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 221.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26-7.15 (m, 2H); 6.92-6.88 (m, 2H); 4.34 (m, 1H); 3.88 (m, 2H); 2.95 (t, J = 6.3 Hz, 2H); 2.05-1.95 (m, 2H); 1.92 (br s, 1H); 1.86-1.75 (m, 2H); 1.65-1.55 (m, 3H); 1.46-1.35 (m, 3H)
【0341】
工程3:1-(シクロヘキシルオキシ)-2-(2-ヨードエチル)ベンゼン
トリフェニルホスフィン(774mg、2.95mmol、1.3当量)のCH2Cl2(15mL)中溶液に、0℃でI2(749mg、2.95mmol、1.3当量)を加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、イミダゾール(201mg、2.95mmol、1.3当量)及び前段化合物(500mg、2.27mmol、1.0当量)の溶液を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNa2S2O3の飽和水溶液との間で分配し、脱色した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(657mg、88%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-I]+ = 203.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.23 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 7.6, 1.8 Hz, 1H); 6.90-6.86 (m, 2H); 4.34 (m, 1H); 3.42 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.22 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 2.01-1.92 (m, 2H); 1.86-1.76 (m, 2H); 1.67-1.54 (m, 3H); 1.49-1.38 (m, 3H)
【0342】
工程4:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(7mL)中の(BH3)P(OEt)2H(321mg、2.36mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、2.36mL、2.36mmol、1.2当量)の存在でTHF(3mL)中の前記得られた生成物(650mg、1.97mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(542mg、81%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2)+H]+ = 337.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 6.95-6.88 (m, 2H); 6.69 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.60 (td, J = 7.5, 1.2Hz, 1H); 4.18 (m, 1H); 4.90-3.75 (m, 4H); 2.60 (m, 2H); 1.82 (m, 2H); 1.77-1.68 (m, 2H); 1.65-1.55 (m, 2H); 1.45-1.30 (m, 3H); 1.28-1.16 (m, 3H); 1.07 (t, J = 7.0 Hz, 6H); 0.65-0.00 (m, 3H)
【0343】
工程5:ベンジル{2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}ホスフィネート
HBF4.Et2O(1.09mL、7.98mmol、5.0当量)の存在でDCM(8mL)中の前記得られた生成物(540mg、1.60mmol、1.0当量)から、続いてBnOH(224mg、2.08mmol、1.3当量)及びEDCI.HCl(460mg、2.40mmol、1.5当量)の添加から、手順Cの2番目の工程の変形に従って表題化合物(108mg、21%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 359.2; [(Mx2)+H]+ = 717.4
1H NMR (CDCl3 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.35 (m, 5H); 7.21-7.16 (m, 1H); 7.16 (dm, J = 533 Hz, 1H); 7.13 (dd, J = 7.4, 1.7 Hz, 1H); 6.88-6.83 (m, 2H); 5.17 (dd, J = 11.9, 9.8 Hz, 1H); 5.07 (dd, J = 11.9, 8.3 Hz, 1H); 4.32 (m, 1H); 2.96-2.87 (m, 2H); 2.26-2.13 (m, 2H); 1.99-1.91 (m, 2H); 1.85-1.73 (m, 2H); 1.62-1.53 (m, 3H); 1.47-1.33 (m, 3H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 39.02
【0344】
工程6:ベンジル4-[(ベンジルオキシ)({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタノエート
CH2Cl2(1mL)中の前段生成物(105mg、0.293mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(143mg、0.439mmol、1.5当量)から、続いてラセミ体のベンジル(4E)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエート(113mg、0.38mmol、1.3当量)のCH2Cl2(0.5mL)中溶液の添加からの手順Eに従って表題化合物(134mg、70%)を調製し、4種のジアステレオ異性体の混合物としてオレンジ色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 654.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.50-7.30 (m, 10H); 7.20-7.05 (m, 2H); 6.95-6.80 (m, 2H); 5.20-5.00 (m, 4H); 4.40-4.30 (m, 1H); 3.75-3.60 (m, 1H); 2.98-2.78 (m, 2H); 2.75-2.50 (m, 2H); 2.50-2.15 (m, 3H); 2.05-1.90 (m, 3H); 1.85-1.71 (m, 2H); 1.63-1.47 (m, 3H); 1.45-1.30 (m, 3H); 1.27-1.17 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 56.69; 56.58; 55.73; 55.49
【0345】
工程7:4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタン酸
LiOH.H2O(14.5mg、0.606mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4/1、2.0mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(132mg、0.202mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(82mg、86%)を調製し、白色固体として得た。
MS(ESI+):[M+H]+=474.2
MS(ESI-):[M-H]-=472.2
【0346】
工程8:3-カルボキシ-1-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(1.73mL、6.93mmol、40当量)を用い前段生成物(90mg、0.240mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(40mg、57%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(Mx2)+H]+ = 739.4
MS (ESI-): [M-H]- = 368.1; [(Mx2)-H]- = 737.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.24-7.16 (m, 2H); 6.97 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 6.92 (t, J = 7.4 Hz, 1H); 4.40 (m, 1H); 3.38 (m, 1H); 3.03-2.90 (m, 2H); 2.68-2.53 (m, 2H); 2.30-2.10 (m, 3H); 2.08-1.96 (m, 3H); 1.89-1.79 (m, 2H); 1.67-1.55 (m, 3H); 1.53-1.35 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 42.40
【0347】
(実施例44)
3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エタン-1-オール
市販されている2-(2-ヒドロキシエチル)フェノール(1.0g、7.2mmol、1.0当量)及び1-ブロモ-2-メトキシエタン(1.09mL、11.6mmol、1.6当量)のDMF(7.2mL)中溶液に、室温でK2CO3(2.0g、14.5mmol、2.0当量)を加えた。得られた懸濁液を80℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水とEtOAcとの間で分配し、層を分離した。水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.25g、88%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 197.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26-7.16 (m, 2H); 6.95 (td, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H); 6.89 (d, J = 6.2 Hz, 1H); 4.17 (m, 2H); 3.87 (t, J = 6.2 Hz, 2H); 3.79 (m, 2H); 3.47 (s, 3H); 2.96 (t, J = 6.2 Hz, 2H); 2.11 (br s, 1H)
【0348】
工程2:1-(2-ヨードエチル)-2-(2-メトキシエトキシ)ベンゼン
トリフェニルホスフィン(768mg、2.93mmol、1.3当量)のDCM(15mL)中溶液に、0℃でI2(743mg、2.93mmol、1.3当量)を加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、イミダゾール(199mg、2.93mmol、1.3当量)及び前工程にて得られた生成物(442mg、2.25mmol、1当量)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNa2S2O3の飽和水溶液との間で分配し、脱色した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(625mg、90%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M-I]+ = 179.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H); 7.16 (d, J = 7.4 Hz, 1H); 6.93 (t, J = 7.5Hz, 1H); 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H); 4.16 (m, 2H); 3.79 (m, 2H); 3.49 (s, 3H); 3.43 (t, J = 7.8 Hz, 2H); 3.24 (t, J = 7.8 Hz)
【0349】
工程3:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(7mL)中の(BH3)P(OEt)2H(330mg、2.43mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、2.43mL、2.43mmol、1.2当量)の存在でTHF(3mL)中の前記得られた生成物(620mg、2.03mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(440mg、69%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2)+H]+ = 313.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.06 (td, J = 8.0, 1.7 Hz, 1H); 7.02 (dd, J = 7.4, 2.6 Hz, 1H); 6.80 (t J = 8.2 Hz, 1H); 6.88 (td, J = 8.5, 1.1 Hz, 1H); 4.05-4.01 (m, 2H); 4.00-3.87 (m, 4H); 3.66 (m, 2H); 3.33 (s, 3H); 2.72 (m, 2H); 1.96 (m, 2H); 1.18 (t, J = 7.0 Hz, 6H); 0.38 (br m, 3H)
【0350】
工程4:エチル{2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル}ホスフィネート
HBF4.Et2O(942μL、6.92mmol、5.0当量)の存在でDCM(7mL)中の前記得られた生成物(435mg、1.38mmol、1.0当量)から、手順Cの2番目の工程に従って表題化合物(382mg、100%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 273.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.22 (td, J = 7.7, 1.7 Hz, 1H); 7.18 (dd, J = 7.4, 1.7 Hz, 1H); 7.10 (dt, J= 528, 2.1 Hz, 1H); 6.92 (t, J = 7.4 Hz, 1H); 6.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H); 4.20 (m, 1H); 4.16 (m, 2H); 4.11 (m, 1H); 3.79 (m, 2H); 3.47 (s, 3H); 2.93 (m, 2H); 2.21-2.12 (m, 2H); 1.39 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 38.60
【0351】
工程5:ベンジル4-[エトキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタノエート
CH2Cl2(5mL)中の前段生成物(375mg、1.38mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(673mg、2.07mmol、1.5当量)から、続いてラセミ体のベンジル(4E)-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエート(529mg、1.79mmol、1.3当量)のCH2Cl2(2mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(464mg、60%)を調製し、4種のジアステレオ異性体の混合物としてオレンジ色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 568.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.30 (m, 5H); 7.25-7.14 (m, 2H); 6.99-6.87 (m, 2H); 5.20-5.11 (m, 2H); 4.24-4.04 (m, 4H); 3.84-3.74 (m, 2H); 3.70-3.54 (m, 1H); 3.46-3.41 (m, 3H); 3.00-2.80 (m, 2H); 2.80-2.53 (m, 2H); 2.54-2.10 (m, 3H); 2.06-1.86 (m, 1H); 1.38-1.30 (m, 3H); 1.28-1.22 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 55.74; 55.38; 54.76; 54.54
【0352】
工程6:4-[ヒドロキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタン酸
LiOH.H2O(58mg、2.4mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4/1、4mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(460mg、0.810mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(364mg、100%)を調製し、粘着性油状物として得た。
MS(ESI+):[M+H]+=450.1;[(M×2)+H]+=899.5
【0353】
工程7:3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ({2-[2-(2-メトキシエトキシ)フェニル]エチル})ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(4.05mL、16.2mmol、20当量)を用い前段生成物(364mg、0.810mmol、1当量)から手順Gに従って表題化合物(230mg、74%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>97%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 346.1; [(Mx2)+H]+ = 691.4
MS (ESI-): [M-H]- = 344.1; [(Mx2)-H]- = 689.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.28-7.20 (m, 2H); 6.98 (d, J = 8.6 Hz, 1H); 6.92 (t, J = 7.4Hz, 1H); 4.20 (m, 2H); 3.82 (m, 2H); 3.46 (s, 3H); 3.41 (m, 1H); 3.02-2.93 (m, 2H); 2.68-2.53 (m, 2H); 2.34-2.15 (m, 3H); 2.08-1.96 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 43.76
【0354】
(実施例45)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エタン-1-オール
α-クロロベンズアルドキシム(2.0g、13mmol、1.0当量)のDCM中溶液に、室温で3-ブチン-1-オール(1.35g、19.3mmol、1.5当量)及びEt3N(2.26mL、16.7mmol、1.3当量)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.8g、65%、異性体の4/1混合物)を黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 190.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.85-7. 7.70 (m, 2H); 7.50-7.35 (m, 3H); 6.46 (s, 3H); 4.05 (m, 2H); 3.10 (m, 2H)
【0355】
工程2:5-(2-ブロモエチル)-3-フェニル-1,2-オキサゾール
前工程にて得られた化合物(1.7g、9.0mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(4.77g、14.4mmol、1.6当量)のDCM中溶液に、-5℃でトリフェニルホスフィン(3.77g、14.4mmol、1.6当量)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.2g、97%、異性体の4/1混合物)を黄色固体として得た。
LCMS (ESI+): [M+H]+ = 252/254
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.86-7. 7.80 (m, 2H); 7.53-7.45 (m, 3H); 6.50 (s, 3H); 3.71 (t, J = 7.0 Hz , 2H); 3.42 (t, J = 7.0 Hz, 2H)
【0356】
工程3:5-(2-ヨードエチル)-3-フェニル-1,2-オキサゾール
前段化合物(2.1g、8.8mmol、1.0当量)のアセトン(220mL)中溶液に、ヨウ化ナトリウム (1.87g、12.5mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物を終夜加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで水で希釈し、分離漏斗中に移した。水性層をDCMで2回抽出した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(2.4g、96%)を淡黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 300.0
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.81-7.79 (m, 2H); 7.48-7.44 (m, 3H); 6.44 (s, 1H); 3.47-3.39 (m, 4H)
【0357】
工程4:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(9mL)中の(BH3)P(OEt)2H(550mg、4.05mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、4.05mL、4.05mmol、1.2当量)の存在でTHF(0.5mL)中の前記得られた生成物(1.01g、3.37mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(697mg、66%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2)+H]+ = 306.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.82-7.80 (m, 2H); 7.49-7.45 (m, 3H); 6.67 (s, 1H); 4.15-4.02 (m, 4H); 3.11-3.05 (m, 2H); 2.26-2.21 (m, 2H); 1.29 (t, 6H, J = 7.0 Hz); 0.86-0.13 (m, 3H)
【0358】
工程5:[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスフィン酸
HBF4.Et2O(1.54mL、11.4mmol、5.0当量)の存在でDCM(11mL)中の前記得られた生成物(697mg、2.27mmol、1.0当量)から、手順Cの2番目の工程の変形に従って表題化合物(500mg、93%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 238.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.89-7.73 (m, 2H); 7.68 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 7.51-7.42 (m, 3H); 6.70 (s, 1H); 6.58 (t, J = 1.9 Hz, 0.5H); 3.16-3.05 (m, 2H); 2.27-2.17 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.74
【0359】
工程6:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(2.0mL)及びAcCl(0.9mL)中で前段生成物(250mg、1.05mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(175mg、1.16mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(243mg、1.26mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(447mg、75%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 563.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.84-7.77 (m, 2H); 7.48 (dd, J = 5.2, 1.9 Hz, 3H); 7.39-7.07 (m, 10H); 6.57 (s, 1H); 5.22-4.93 (m, 4H); 4.04 (ddd, J = 12.0, 8.7, 3.5 Hz, 1H); 3.22-2.91 (m, 2H); 2.64-2.40 (m, 2H); 2.31-2.21 (m, 1H); 2.16-2.08 (m, 2H); 1.91 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 47.65
【0360】
工程7:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-{ヒドロキシ[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
LiOH.H2O(37mg、0.89mmol、2.0当量)の存在でTHF/水(5/1、2.4mL)の混合物中、前段生成物(250mg、0.44mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(134mg、64%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 473.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.84-7.77 (m, 2H); 7.52-7.44 (m, 3H); 7.37-7.32 (m, 2H); 7.31-7.24 (m, 2H); 7.20 (t, J = 7.4 Hz, 1H); 6.57 (s, 1H); 5.19 (d, J = 12.5 Hz, 1H); 5.06 (d, J = 12.5 Hz, 1H); 4.03 (ddd, J = 11.8, 8.6, 3.4 Hz, 1H); 3.21-2.94 (m, 2H); 2.55-2.35 (m, 2H); 2.31-2.18 (m, 1H); 2.18-2.07 (m, 2H); 1.88 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 47.32
【0361】
工程8:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
TFA/アニソール(1.1mL/0.9mL)中の前段生成物(134mg、284μmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(19.5mg、20%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:70%(LCMSに基づいて)及び75%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 339.1; [(Mx2)+H]+ = 677.3
MS (ESI-): [M-H]- = 337.1; [(Mx2)+H]+ = 675.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.84-7.78 (m, 2H); 7.51-7.44 (m, 3H); 6.67 (m, 1H); 3.20-3.04 (m, 3H); 2.63 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.39-2.20 (m, 1H); 2.10-1.91 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 29.86
【0362】
(実施例46)
4-アミノ-4-{[2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
工程1:2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エタン-1-オール
市販されているLiAlH4の溶液(THF中2.0M、5.43mL、10.9mmol、2.0当量)に、0℃で2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)酢酸(1.0g、5.4mmol、1.0当量)のTHF(2.7mL)中溶液を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、水(0.5mL)、15%NaOHの飽和水溶液(0.5mL)及び再度水(1.5mL)を加えた。15分間撹拌した後、Na2SO4を加え、懸濁液をセライト上で濾過した(MTBEすすぎ)。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(0.93g、100%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 153.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.15-7.11 (m, 1H); 6.97-6.60 (m, 2H); 3.83 (t, J = 6.7 Hz, 2H); 2.90 (s, 3H); 2.88 (t, J = 6.7 Hz, 2H)
【0363】
工程2:1-(2-ブロモエチル)-4-フルオロ-2-メトキシベンゼン
前段化合物(0.93g、5.5mmol、1.0当量)及び四臭化炭素(2.9g、8.7mmol、1.6当量)をCH2Cl2(27mL)に希釈した。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(2.3g、8.7mmol、1.6当量)を少しずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.12g、88%)を無色油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.17-6.97 (m, 1H); 6.73-6.52 (m, 2H); 3.84 (s, 3H); 3.56 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.15 (t, J = 7.5 Hz, 2H)
【0364】
工程3:[2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
無水Et2O(3mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.50mL、4.57mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(2-ブロモエチル)-4-フルオロ-2-メトキシベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(720mg、72%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 219.1; [(Mx2)+H]+ = 437.1
1H NMR (500 MHz, MeOD) δ (ppm): 7.17 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H); 7.01 (dm, J1 P-H = 538 Hz, 1H); 6.76 (dd, J = 11.1, 2.5 Hz, 1H); 6.62 (td, J = 8.4, 2.5 Hz, 1H); 3.87 (s, 3H); 2.98-2.75 (m, 2H); 2.21-1.92 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 34.52
【0365】
工程4:[4-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-オキソブチル][2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(5.0mL)及びAcCl(1.3mL)中で前段生成物(350mg、1.6mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(267mg、1.76mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてベンジル4-オキソブタノエート(370mg、1.93mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(540mg、75%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 544.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.17 (m, 10H); 7.07 (dd, J = 8.3, 6.7 Hz, 1H); 6.72 (dd, J = 11.2, 2.5 Hz, 1H); 6.58 (td, J = 8.4, 2.5 Hz, 1H); 5.25 - 5.04 (m, 4H); 4.03 (ddd, J = 12.1, 9.0, 3.4 Hz, 1H); 3.81 (s, 3H); 2.93-2.79 (m, 2H); 2.65-2.39 (m, 2H); 2.33-2.18 (m, 1H); 2.03-1.72 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.7
【0366】
工程5:4-アミノ-4-{[2-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)エチル](ヒドロキシ)ホスホリル}ブタン酸
EtOH/AcOH混合物(1:1、10mL)中の前段生成物(300mg、0.55mmol)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(73mg、42%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>97%(LCMSに基づいて)及び>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 302.1; [M+H]+ = 320.1; [(Mx2)+H]+ = 639.2
MS (ESI-): [M-H]- = 318.1; [(Mx2)-H]- = 637.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.18 (dd, J = 8.4, 6.7 Hz, 1H); 6.73 (dd, J = 11.1, 2.5 Hz, 1H); 6.60 (td, J = 8.4, 2.5 Hz, 1H); 3.85 (s, 3H), 3.16-3.05 (m, 1H); 3.01-2.74 (m, 2H); 2.70-2.48 (m, 2H); 2.37-2.19 (m, 1H); 2.07-1.92 (m, 1H); 1.92-1.76 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.6
【0367】
(実施例47)
4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
工程1:2-(1H-インダゾール-1-イル)エタン-1-オール
2-フルオロベンズアルデヒド(1.02mL、9.67mmol、1.0当量)、2-ヒドロキシエチルヒドラジン(0.79mL、11.6mmol、1.2当量)及びDIPEA(2.47mL、14.5mmol、1.5当量)のNMP(9.4mL)中溶液を、マイクロ波照射下200℃で24時間撹拌した。反応混合物をNH4Clの飽和溶液とEtOAcとの間で分配した。層を分離し、有機相を洗浄し(水及びブライン)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、得られた表題化合物(0.31g、20%)をオレンジ色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 163.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.06 (s, 1H); 7.78 (d, J = 8.2 Hz, 1H); 7.52-7.40 (m, 2H); 7.24-7.12 (m, 1H); 4.59-4.47 (m, 2H); 4.25-4.09 (m, 2H); 2.97 (s, 1H)
【0368】
工程2:1-(2-ヨードエチル)-1H-インダゾール
トリフェニルホスフィン(0.64g、2.44mmol、1.3当量)のDCM(12mL)中溶液に、0℃でI2(0.62g、2.44mmol、1.3当量)を加え、混合物を0℃で15分間撹拌した。イミダゾール(166mg、2.44mmol、1.3当量)及び前工程にて得られた化合物(305mg、1.88mmol、1.0当量)の溶液を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNa2S2O3の飽和溶液との間で分配し、脱色した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、得られた表題化合物(625mg、100%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 273
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 8.07 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 7.77 (dt, J = 8.2, 1.0 Hz, 1H); 7.50-7.42 (m, 2H); 7.20 (ddd, J = 7.9, 6.4, 1.4 Hz, 1H); 4.78 (t, J = 7.4 Hz, 2H); 3.63-3.57 (m, 2H)
【0369】
工程3:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(8mL)中の(BH3)P(OEt)2H(363mg、2.67mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、2.67mL、2.67mmol、1.2当量)の存在でTHF(10mL)中の前記得られた生成物(605mg、2.22mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(574mg、92%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2)+H]+ = 279.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.81 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 7.53 (dt, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H); 7.32 (br d, J = 8.5 Hz, 1H); 7.21 (ddd, J = 8.6, 6.9, 1.1 Hz, 1H); 6.94 (ddd, J = 7.9, 6.9, 0.9 Hz, 1H); 4.51-4.37 (m, 2H); 3.88-3.62 (m, 4H); 2.24-2.01 (m, 2H); 0.97 (t, J = 7.0 Hz, 6H); 0.71-0.24 (m, 3H)
【0370】
工程4:エチル[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスフィネート
HBF4.Et2O(1.38mL、10.2mmol、5.0当量)の存在でDCM(10mL)中の前記得られた生成物(570mg、2.03mmol、1.0当量)から、手順Cの2番目の工程に従って表題化合物(355mg、73%)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 239.1
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ (ppm): 8.12-7.99 (m, 1H); 7.78 (dt, J = 8.1, 1.0 Hz, 1H); 7.67-7.60 (m, 1H); 7.51-7.37 (m, 1H); 7.34-7.02 (m, 1H); 7.05 (dm, J1 P-H = 560Hz, 1H); 4.74 (dt, J = 16.4, 7.0 Hz, 2H); 4.22-3.89 (m, 2H); 2.69-2.42 (m, 2H); 1.25 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 37.1
【0371】
工程5:ベンジル4-{エトキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタノエート
CH2Cl2(5mL)中の前段生成物(350mg、1.47mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(718mg、2.20mmol、1.5当量)から、続いてラセミ体の(4E)-ベンジル-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]ブタノエート(564mg、1.91mmol、1.3当量)のCH2Cl2(2.3mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(725mg、92%)を調製し、4種のジアステレオ異性体の混合物として薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 534.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 8.10-7.99 (m, 1H); 7.82-7.72 (m, 1H); 7.71-7.60 (m, 1H); 7.49-7.41 (m, 1H); 7.41-7.26 (m, 5H); 7.26-7.11 (m, 1H); 5.22-5.08 (m, 2H); 4.81-4.65 (m, 2H); 4.17-3.88 (m, 2H); 3.72-3.44 (m, 1H); 2.81-2.39 (m, 4H); 2.33-2.11 (m, 1H); 1.98-1.79 (m, 1H); 1.28-1.21 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 52.88; 52.74; 51.83; 51.73
【0372】
工程6:4-{ヒドロキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}-4-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]ブタン酸
LiOH.H2O(128mg、5.34mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(3/1、13mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(712mg、1.33mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(520mg、94%)を調製し、薄黄色泡状物として得た。
MS(ESI-):[M-H]-=414.1
【0373】
工程7:4-アミノ-4-{ヒドロキシ[2-(1H-インダゾール-1-イル)エチル]ホスホリル}ブタン酸
ジオキサン中4.0M HCl溶液(6.3mL、20当量)を用い前段生成物(520mg、1.25mmol、1当量)から手順Gに従って表題化合物(20mg、5%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>97%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 294.1; [M+H]+ = 312.1; [(Mx2)+H]+ = 623.2
MS (ESI-): [M-H]- = 310.1; [(Mx2)-H]- = 621.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 8.05 (d, J = 0.9 Hz, 1H); 7.77 (dt, J = 8.2, 1.0 Hz, 1H); 7.70 (dd, J = 8.5, 1.0 Hz, 1H); 7.45 (ddd, J = 8.3, 6.8, 1.1 Hz, 1H); 7.18 (ddd, J = 7.9, 6.9, 0.8 Hz, 1H); 4.72 (q, J = 7.9 Hz, 2H); 2.99 (td, J = 8.3, 5.2 Hz, 1H); 2.56 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 2.35-2.11 (m, 3H); 2.03-1.79 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 27.9
【0374】
(実施例48)
1-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-3-カルボキシプロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エタン-1-オール
アセトン(145mL)に希釈した2-(2-ヒドロキシエチル)フェノール(5.0g、36mmol、1.0当量)に、K2CO3(5.5g、40mmol、1.1当量)及び臭化ベンジル(6.8g、40mmol、1.1当量)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで水及びDCMで希釈し、次いで分離漏斗中に移した。水性層をDCMで2回抽出した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.67g、20%)を透明油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2O)+H+] = 211.2; [M+H]+ = 229.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.37 (m, 4H); 7.36-7.30 (m, 1H); 7.21 (dd, J = 7.9, 6.3 Hz, 2H); 6.93 (dd, J = 7.8, 6.8 Hz, 2H); 5.09 (s, 2H); 3.87 (t, J = 6.4 Hz, 2H); 2.97 (t, J = 6.4 Hz, 2H)
【0375】
工程2:1-(ベンジルオキシ)-2-(2-ブロモエチル)ベンゼン
前段化合物(1.6g、7.0mmol、1.0当量)のCH2Cl2(35mL)中溶液に、四臭化炭素(3.7g、11mmol、1.6当量)を加えた。溶液を-5℃(氷/塩浴)で冷却し、トリフェニルホスフィン(2.9g、11mmol、1.6当量)を少量ずつ加えた。添加が完了した時点で、黄色反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.0g、98%)を無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.49-7.43 (m, 4H); 7.40-7.36 (m, 1H); 7.31-7.22 (m, 2H); 6.97 (m, 2H); 5.15 (s, 2H); 3.66 (t, J = 7.6 Hz, 2H); 3.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H)
【0376】
工程3:{2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}ホスフィン酸
無水Et2O(3mL)中のジエチルクロロ亜リン酸(0.715mL、6.53mmol、1.0当量)から、続いて無水Et2O中1-(ベンジルオキシ)-2-(2-ブロモエチル)ベンゼンからの新鮮に調製されたグリニャール試薬の添加から手順Bに従って表題化合物(1.0g、55%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 277.1; [(Mx2)+H]+ = 553.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.50 (t, J = 2.2 Hz, 0.5H); 7.46 (d, J = 7.1 Hz, 2H); 7.38 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.31 (t, J = 7.2 Hz, 1H); 7.18 (dd, J = 8.0, 6.6 Hz, 2H); 7.01 (d, J = 8.2 Hz, 1H); 6.89 (td, J = 7.4, 1.0 Hz, 1H); 6.42 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 5.12 (s, 2H); 2.99-2.82 (m, 2H); 2.04 (m, 2H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 34.69
【0377】
工程4:エチル{2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}ホスフィネート
前段化合物(1.0g、3.6mmol、1.0当量)及びエタノール(423μL、7.24mmol、2.0当量)のDCM(36mL)中溶液に、EDCI(1.3g、4.7mmol、1.3当量)を一度に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応が失速するにつれ、更にエタノール(1.5当量)、EDCI(1.5当量)及びEt3N(2.5mL、5.0当量)を加えた。反応混合物を室温で5時間30分撹拌した。反応混合物を分離漏斗中に移し、NaHCO3の飽和水溶液(2回)で、次いでブラインで洗浄した。有機抽出物をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(548mg、20%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 305.2; [(Mx2)+H]+ = 609.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.51 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 7.48-7.45 (m, 2H); 7.42-7.36 (m, 2H); 7.35-7.29 (m, 1H); 7.20 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.05-7.01 (m, 1H); 6.89 (td, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H); 6.42 (t, J = 2.1 Hz, 0.5H); 5.12 (s, 2H); 4.14 - 3.93 (m, 2H); 2.91 (dt, J = 13.3, 8.0 Hz, 2H); 2.20-2.04 (m, 2H); 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 41.26
【0378】
工程5:メチル4-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(エトキシ)ホスホリル)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタノエート
CH2Cl2(3.8mL)中の前段生成物(534mg、1.79mmol、1.5当量)及び炭酸セシウム(973mg、2.99mmol、2.5当量)から、続いてラセミ体のメチル(4E)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエート(262mg、1.19mmol、1.0当量)のCH2Cl2(2.5mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(525mg、84%)を調製した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 524.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.54-7.47 (m, 2H); 7.44-7.39 (m, 2H); 7.37-7.32 (m, 1H); 7.28-7.19 (m, 2H); 7.08-7.02 (m, 1H); 6.96-6.89 (m, 1H); 5.18-5.05 (m, 2H); 4.21-3.92 (m, 2H); 3.74-3.62 (m, 3H); 2.95 (m, 2H); 2.69-2.53 (m, 1H); 2.49 (m, 1H); 2.31 (m, 2H); 2.18 (m, 2H); 2.01-1.80 (m, 1H); 1.31-1.16 (m, 12H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 55.49; 55.21; 54.54; 54.37
【0379】
工程6:4-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタン酸
THF/水の混合物(5/1、4.7mL)及びLiOH.H2O(68mg、1.6mmol、2.0当量)中、前段生成物(425mg、0.811mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(470mg、100%)を調製した。追加のLiOH.H2O試薬(2.0当量、次いで4.0当量)を加えて反応を完結させた。
MS (ESI+): [M+H]+ = 482.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.53-7.46 (m, 2H); 7.44-7.36 (m, 2H); 7.35-7.29 (m, 1H); 7.28-7.13 (m, 2H); 7.06-6.98 (m, 1H); 6.95-6.87 (m, 1H); 5.15 (d, J = 5.2 Hz, 2H); 3.55-3.42 (m, 1H); 3.13-2.88 (m, 2H); 2.60-2.39 (m, 1H); 2.31-1.84 (m, 5H); 1.39 (m, 1H); 1.26 (s, 3H); 1.22-1.14 (m, 5H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 49.68; 48.99
【0380】
工程7:1-({2-[2-(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-3-カルボキシプロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(5.42mL、21.7mmol、22当量)を用い前段生成物(470mg、0.98mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(83mg、20%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 378
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.48 (dd, J = 7.3, 1.7 Hz, 2H); 7.41-7.36 (m, 2H); 7.33-7.29 (m, 1H); 7.24-7.17 (m, 2H); 7.03 (dd, J = 8.2, 1.1 Hz, 1H); 6.90 (td, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H); 5.14 (s, 2H); 3.40-3.31 (m, 1H); 3.07-2.90 (m, 2H); 2.55-2.42 (m, 2H); 2.26-2.04 (m, 3H); 1.96-1.84 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 42.08
【0381】
(実施例49)
5-アミノ-5-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ペンタン酸
工程1:ベンジル5-ヒドロキシペンタノエート
バレロラクトン(5.0g、50mmol、1当量)の水(45mL)中懸濁液に、水中32%NaOH溶液(4.6mL、50mmol、1.0当量)を加え、混合物を70℃で16時間撹拌した。次いで反応混合物を真空で濃縮した。残渣を粉砕し、室温でアセトン(50mL)に懸濁し、(n-Bu)4NBr(805mg、2.50mmol、0.05当量)及びBnBr(7.1mL、60mmol、1.2当量)を加えた。混合物を20時間還流状態で撹拌した。室温に冷却した後、水及びEtOAcを加え、層を分離した。水性相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を洗浄(水、ブライン)し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物(12g)を得た。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(4.12g、40%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 209.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.30 (m, 5H); 5.13 (s, 2H); 3.65 (br s, 2H); 2.42 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 1.75 (m, 2H); 1.61 (m, 2H); 1.48 (br s, 1H, OH)
【0382】
工程2:ベンジル5-オキソペンタノエート
前段化合物(1.0g、4.8mmol、1.0当量)のDCM(19mL)中溶液に、室温でデス-マーチンペルヨージナン(3.05g、7.20mmol、1.5当量)及び1滴の水を加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で部分的に除去し、残渣をMTBE(100mL)とNaHCO3の飽和溶液(100mL)との間で分配し、水中懸濁液を得た。層を分離し、有機相をNaHCO3の飽和溶液及びブラインで洗浄した。有機溶液をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、1.15gを濁った油状物として得た。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(710mg、72%)を無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.77 (t, J = 1.4 Hz, 1H); 7.41-7.31 (m, 5H); 5.13 (s, 2H); 2.53 (td, J = 7.2 Hz及びJ = 1.4 Hz, 2H); 2.43 (t, J = 7.3 Hz, 2H); 1.98 (m, 2H)
【0383】
工程3:[5-(ベンジルオキシ)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-5-オキソペンチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
AcOH(2mL)及びAcCl(315μL)中でフェネチルホスフィン酸(250mg、1.47mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(266mg、1.76mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いて前工程にて得られたアルデヒド(363mg、1.76mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(528mg)を調製し、黄色油状物として得た。この材料を更には精製せずに次の工程に使用した。
MS(ESI+):[M+H]+=510
【0384】
工程4:5-アミノ-5-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ペンタン酸
EtOH/AcOH 1/1混合物(10mL)中の前段生成物(520mg、1.02mmol)から、水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(20mg)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)及び>85%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.2; [M+H]+ = 286.1; [(Mx2)+H]+ = 571.2
MS (ESI-): [M-H]- = 284.1; [(Mx2)-H]- = 569.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.31-7.21 (m, 4H); 7.20-7.12 (m, 1H); 2.98-2.83 (m, 3H); 2.40-2.34 (m, 2H); 1.99-1.76 (m, 4H), 1.75-1.64 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 31.64
【0385】
(実施例50)
(1R)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:ベンジル(2-フェニルエチル)ホスフィネート
フェネチルホスフィン酸(2.84g、16.69mmol、1.0当量)及びベンジルアルコール(1.91mL、18.36mmol、1.1当量)のDCM(284mL)中溶液に、EDCI(6.40g、33.38mmol、2当量)を一度に加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し、次いで分離漏斗中に移し、NaHCO3の飽和水溶液(2回)で、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、期待する化合物(2.34g、54%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 261.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.34 (m, 5H); 7.30-7.28 (m, 2H); 7.23-7.17 (m, 3H); 7.14 (dt, 1H, J = 535.5及び2.0 Hz); 5.17-5.03 (m, 2H); 2.95-2.89 (m, 2H); 2.17-2.09 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 37.11
【0386】
工程2:ベンジル(4R)-4-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタノエート
CH2Cl2(16.5mL)中の前段生成物(991mg、3.81mmol、1.5当量)及び炭酸セシウム(2.07g、6.35mmol、2.5当量)から、続いて高光学純度のベンジル(4E)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエート(750mg、2.54mmol、1.0当量)のCH2Cl2(9mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(471mg、33%)を調製し、2種のジアステレオマーの混合物として無色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.15 (m, 15H); 5.14-5.00 (m, 4H); 4.16 (t, 0.4H, J = 8.5 Hz); 3.87 (br s, 0.6H); 3.54-3.47 (m, 0.4H); 3.45-3.39 (m, 0.6H); 2.97-2.78 (m, 2H); 2.61-2.36 (m, 3H); 2.32-2.21 (m, 1H); 2.21-2.11 (m, 1H); 1.86-1.76 (m, 1H); 1.23 (s, 3.4H); 1.18 (s, 5.6H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 54.86 (0.4P); 53.24 (0.6P)
【0387】
工程3:(4R)-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタン酸
LiOH.H2O(39mg、0.934mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(3.8mL/1.0mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(173mg、0.311mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(90mg、77%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 376.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.28-7.27 (m, 4H); 7.21-7.16 (m, 1H); 3.55-3.50 (m, 1H); 2.95-2.89 (m, 2H); 2.61-2.45 (m, 2H); 2.36-2.13 (m, 3H); 1.98-1.88 (m, 1H); 1.28 (s, 9H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.99
【0388】
工程4:(1R)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(1.3mL、22当量)を用い前段生成物(90mg、0.240mmol、1当量)から手順Gに従って表題化合物(33mg、45%)を調製し、白色固体として得た。
期待純度:95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.1; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.2; [(Mx3)+H]+ = 814.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.33-7.28 (m, 4H); 7.24-7.20 (m, 1H); 3.32-3.29 (m, 1H); 2.94 (q, 2H, J = 8.5 Hz); 2.59 (dt, 2H, J = 7.0及び3.5 Hz); 2.31-2.22 (m, 1H); 2.18-2.06 (m, 2H); 2.03-1.94 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 38.88
【0389】
(実施例51)
(1S)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:ベンジル(4S)-4-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-{[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタノエート
CH2Cl2(5.7mL)中のベンジル(2-フェニルエチル)ホスフィネート(340mg、1.31mmol、1.5当量)及び炭酸セシウム(709mg、2.18mmol、2.5当量)から、続いて高光学純度のベンジル(4E)-4-{[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエート(257mg、0.87mmol、1.0当量)のCH2Cl2(3mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(200mg、41%)を調製し、2種のジアステレオマーの混合物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.15 (m, 15H); 5.14-5.00 (m, 4H); 4.16 (t, 0.4H, J = 8.5 Hz); 3.87 (br s, 0.6H); 3.54-3.47 (m, 0.4H); 3.45-3.39 (m, 0.6H); 2.97-2.78 (m, 2H); 2.61-2.36 (m, 3H); 2.32-2.21 (m, 1H); 2.21-2.11 (m, 1H); 1.86-1.76 (m, 1H); 1.23 (s, 3.4H); 1.18 (s, 5.6H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 54.86 (0.4P); 53.24 (0.6P)
【0390】
工程2:(4S)-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-{[(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタン酸
LiOH.H2O(64mg、1.53mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(6.3mL/1.7mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(284mg、0.511mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(164mg、85%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 376.1
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.16 (m, 5H); 3.55-3.50 (m, 1H); 2.97-2.87 (m, 2H); 2.61-2.55 (m, 1H); 2.51-2.45 (m, 1H); 2.36-2.13 (m, 3H); 1.98-1.83 (m, 1H); 1.28 (s, 9H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.98
【0391】
工程3:(1S)-3-カルボキシ-1-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(2.4mL、22当量)を用い前段生成物(164mg、0.437mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(71mg、53%)を調製し、白色粉体として得た。
期待純度:95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 254.1; [M+H]+ = 272.2; [(Mx2)+H]+ = 543.2; [(Mx3)+H]+ = 814.5
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.31-7.26 (m, 4H); 7.22-7.18 (m, 1H); 3.35-3.33 (m, 1H); 2.94 (q, 2H, J = 9.0 Hz); 2.61-2.58 (m, 2H); 2.29-2.20 (m, 1H); 2.17-2.08 (m, 2H); 2.02-1.92 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 39.80
【0392】
(実施例52)
(1R)-3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド
工程1:ベンジル[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィネート
(2-メトキシフェネチル)ホスフィン酸(825mg、4.12mmol、1.0当量)及びベンジルアルコール(0.471mL、4.53mmol、1.1当量)のDCM(70mL)中溶液に、EDCI(1.58g、8.24mmol、2.0当量)を一度に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで分離漏斗中に移し、NaHCO3の飽和水溶液(2回)で、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(840mg、70%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 291.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.42-7.34 (m, 5H); 7.21-7.18 (m, 1H); 7.12 (dd, 1H, J = 7.5及び1.5 Hz); 7.04 (dt, 1H, J = 547.5及び2.0 Hz); 6.92 (dd, 1H, J = 8.5及び1.0 Hz); 6.85 (td, 1H, J = 7.5及び1.0 Hz); 5.13-5.03 (m, 2H); 3.81 (s, 3H); 2.90-2.84 (m, 2H); 2.17-2.10 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 41.41
【0393】
工程2:ベンジル(4R)-4-[(ベンジルオキシ)[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル]-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタノエート
CH2Cl2(18.5mL)中の前段生成物(2.28g、7.85mmol、1.5当量)及び炭酸セシウム(5.24g、16.08mmol、2.5当量)から、続いて高光学純度のベンジル(4E)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエート(1.90g、6.43mmol、1.0当量)のCH2Cl2(10mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(1.5g、40%)を調製し、2種のジアステレオ異性体の混合物として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.45-7.28 (m, 10H); 7.18 (td, 1H, J = 8.0及び1.5 Hz); 7.10 (dd, 1H, J = 17.5, 8.0 Hz); 6.89 (dd, 1H, J = 8.0及び5.0 Hz); 6.84 (m, 1H); 5.16-4.99 (m, 4H); 3.79 (s, 1.5H); 3.78 (s, 1.5H); 3.68-3.63 (m, 0.5H); 3.60-3.55 (m, 0.5H); 2.89-2.75 (m, 2H); 2.69-2.63 (m, 1H); 2.58-2.49 (m, 1H); 2.40-2.16 (m, 3H); 2.03-1.98 (m, 1H); 1.22 (s, 4H); 1.19 (s, 5H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 56.71 (0.47P); 55.80 (0.53P)
【0394】
工程3:(4R)-4-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタン酸
LiOH.H2O(322mg、7.68mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(18mL/6mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(1.5g、2.56mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(848mg、82%)を調製し、白色固体として得た。
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.20-7.17 (m, 2H); 6.92 (dd, 1H, J = 8.5及び1.0 Hz); 6.86 (td, 1H , J = 7.5及び1.0 Hz); 3.84 (s, 3H); 3.53-3.48 (m, 1H); 2.97-2.84 (m, 2H); 2.62-2.56 (m, 1H); 2.50-2.44 (m, 1H); 2.36-2.14 (m, 3H); 2.00-1.90 (m, 1H); 1.27 (s, 9H)
【0395】
工程4:(1R)-3-カルボキシ-1-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-アミニウムクロリド
ジオキサン中4.0M HCl溶液(11.6mL、22当量)を用い前段生成物(848mg、2.09mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(519mg、73%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 284.2; [M+H]+ = 302.2; [(Mx2)+H]+ = 603.3; [(Mx3)+H]+ = 904.7
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.21-7.18 (m, 2H); 6.93 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.87 (td, 1H, J = 8.0及び1.0 Hz); 3.84 (s, 3H); 3.26 (td, 1H, J = 8.0及び5.0 Hz); 2.97-2.85 (m, 2H); 2.64-2.53 (m, 2H); 2.28-2.19 (m, 1H); 2.10-1.93 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 38.10
【0396】
(実施例53)
(4R)-4-アミノ-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
工程1:メチル2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]アセテート
メチル2-(2-ヒドロキシフェニル)アセテート(5.95g、35.82mmol、1.0当量)、シクロヘキサノール(5.38g、53.7mmol、1.5当量)及びトリフェニルホスフィン(11.27g、43.0mmol、1.2当量)のTHF(70mL)中溶液に、0℃でDTAD(9.89g、43.0mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた濃厚シロップ状物をペンタン/Et2O(75/25、200mL)中で摩砕した。得られた懸濁液を焼結ガラス上で濾過し(ペンタン/Et2O:75/25)、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、得られた表題化合物(4.28g、48%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 249.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26-7.18 (m, 2H); 6.95-6.85 (m, 2H); 4.33 (m, 1H); 3.71 (s, 3H); 3.65 (s, 2H); 1.98-1.89 (m, 2H); 1.83-1.74 (m, 2H); 1.65-1.50 (m, 3H); 1.45-1.35 (m, 3H)
【0397】
工程2:2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エタン-1-オール
前工程にて得られたエステル(4.28g、17.2mmol、1.0当量)のTHF(69mL)中溶液に、0℃で市販されているLiAlH4の溶液(THF中2.0M、17.2mL、34.5mmol、2.0当量)を滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、水、15%NaOHの飽和水溶液及び再度水を加えた。15分間撹拌した後、Na2SO4を加え、懸濁液をセライト上で濾過した(MTBEすすぎ)。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、得られた表題化合物(3.73g、98%)を針先状無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 221.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.26-7.15 (m, 2H); 6.92-6.88 (m, 2H); 4.34 (m, 1H); 3.88 (m, 2H); 2.95 (t, J = 6.3Hz, 2H); 2.05-1.95 (m, 2H); 1.92 (br s, 1H); 1.86-1.75 (m, 2H); 1.65-1.55 (m, 3H); 1.46-1.35 (m, 3H)
【0398】
工程3:1-(シクロヘキシルオキシ)-2-(2-ヨードエチル)ベンゼン
PPh3(3.1g、11.8mmol、1.3当量)のDCM(35mL)中溶液に、0℃でI2(3.0g、11.8mmol、1.3当量)を加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、イミダゾール(803mg、11.8mmol、1.3当量)及び前工程にて得られたアルコール(2.0g、9.08mmol、1.0当量)の溶液を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcとNa2S2O3の飽和溶液との間で分配し、脱色した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.74g、91%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M-I]+= 203.2
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.23 (td, J = 7.8 Hz及びJ = 1.8 Hz, 1H); 7.15 (dd, J = 7.6Hz及びJ = 1.8Hz, 1H); 6.90-6.86 (m, 2H); 4.34 (m, 1H); 3.42 (t, J = 7.6Hz, 2H); 3.22 (t, J = 7.6Hz, 2H); 2.01-1.92 (m, 2H); 1.86-1.76 (m, 2H); 1.67-1.54 (m, 3H); 1.49-1.38 (m, 3H)
【0399】
工程4:ホスフィン-ボラン錯体中間体
THF(30mL)中の(BH3)P(OEt)2H(1.35g、9.92mmol、1.2当量)及びLiHMDS(THF中1.0M溶液、9.92mL、9.92mmol、1.2当量)の存在でTHF(10mL)中の前記得られた生成物(2.73g、8.27mmol、1.0当量)から、手順Cの最初の工程に従って表題化合物(1.97g、70%)を調製し、無色油状物として得た。
MS (ESI+): [(M-H2)+H]+ = 337.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 6.95-6.88 (m, 2H); 6.69 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.60 (td, J = 7.5 Hz及びJ = 1.2 Hz, 1H); 4.18 (m, 1H); 4.90-3.75 (m, 4H); 2.60 (m, 2H); 1.82 (m, 2H); 1.77-1.68 (m, 2H); 1.65-1.55 (m, 2H); 1.45-1.30 (m, 3H); 1.28-1.16 (m, 3H); 1.07 (t, J = 7.0 Hz, 6H); 0.65-0.00 (m, 3H)
【0400】
工程5:エチル{2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}ホスフィネート
HBF4.Et2O(3.94mL、29.0mmol、5.0当量)の存在でDCM(23mL)中の前記得られた生成物(1.96g、5.79mmol、1.0当量)から、手順Cの2番目の工程に従って表題化合物(1.56g)を調製し、薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 297.1; [(Mx2)+H]+ = 593.3
1H NMR (CDCl3 500 MHz) δ (ppm): 7.23-7.15 (m, 2H); 7.11 (dm, J1 P-H = 545 Hz, 1H); 7.90-6.82 (m, 2H); 4.35 (m, 1H); 4.25-4.16 (m, 1H); 4.15-4.05 (m, 1H); 2.95-2.86 (m, 2H); 2.23-2.10 (m, 2H); 2.02-1.93 (m, 2H); 1.85-1.73 (m, 2H); 1.66-1.55 (m, 3H); 1.47-1.33 (m, 6H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 38.6
【0401】
工程6:ベンジル(4R)-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(エトキシ)ホスホリル)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタノエート
CH2Cl2(10mL)中の前段生成物(775mg、2.62mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(1.28g、3.92mmol、1.5当量)から、続いて高光学純度のベンジル(4E)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]イミノ}ブタノエート(1.0g、3.4mmol、1.3当量)のCH2Cl2(3mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(454mg、29%)を調製し、2種のジアステレオ異性体の混合物として無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 592.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.47-7.30 (m, 5H); 7.23-7.14 (m, 2H); 6.97-6.92 (m, 1H); 6.87-6.82 (m, 1H); 5.21-5.12 (m, 2H); 4.43-4.35 (m, 1H); 4.20-4.05 (m, 2H); 3.70-3.55 (m, 1H); 3.00-2.80 (m, 2H); 2.75-2.53 (m, 2H); 2.40-2.20 (m, 3H); 2.05-1.90 (m, 3H); 1.87-1.77 (m, 2H); 1.65-1.55 (m, 3H); 1.50-1.30 (m, 6H); 1.27-1.20 (m, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 55.74; 54.70
【0402】
工程7:(4R)-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)-4-{[(S)-2-メチルプロパン-2-スルフィニル]アミノ}ブタン酸
THF/水(6mL/1.5mL)及びLiOH.H2O(54mg、2.3mmol)の混合物中、前段生成物(445mg、0.752mmol)から手順Fに従って表題化合物(500mg、定量的収率)を調製し、白色泡状物として得た。
MS(ESI-):[M-H]-=472.1
【0403】
工程8:(4R)-4-アミノ-4-({2-[2-(シクロヘキシルオキシ)フェニル]エチル}(ヒドロキシ)ホスホリル)ブタン酸
ジオキサン中4.0M HCl溶液(5.6mL、22.6mmol、30当量)を用い前段生成物(354mg、0.75mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(125mg、45%)を調製し、灰白色固体として得た。
推定純度:99%(LCMSに基づいて)及び>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 352.2; [M+H]+ = 370.2; [(Mx2)+H]+ = 739.4
MS (ESI-): [M-H]- = 368.2; [(Mx2)-H]- = 737.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.21 (d, J = 4.5 Hz, 1H); 6.14 (t, J = 7.8 Hz, 1H); 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 1H); 6.84 (t, J = 7.4 Hz, 1H); 4.35 (m, 1H); 3.06 (m, 1H); 2.91 (m, 2H); 2.58 (m, 2H); 2.23 (m, 1H); 2.08-1.94 (m, 4H); 1.92-1.79 (m, 3H); 1.66-1.54 (m, 3H); 1.50-1.34 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.0
【0404】
(実施例54)
(1-アミノ-4-メトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
MeOH/AcOH混合物9:1、c=50mM)中の実施例22の工程2に記載されている生成物(250mg、0.60mmol、1.0当量)から水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(44mg、26%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:96%(HPLCに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 268.1; [M+H]+ = 286.2; [(Mx2)+H]+ = 571.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.29-7.23 (m, 4H); 7.18-7.14 (m, 1H); 3.69 (s, 3H); 3.05 (td, J = 8.5及び5.5 Hz, 1H); 2.94-2.84 (m, 2H); 2.76 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 2.67-2.56 (m, 2H); 2.28-2.19 (m, 1H); 2.01-1.83 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.00
【0405】
(実施例55)
(1-アミノ-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
工程1:(1-アミノ-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
EtOH/AcOEt混合物(9mL/1mL)中の実施例22の工程2に記載されている生成物の4-エトキシ類似体(200mg、0.46mmol、1.0当量)から水素化分解としての手順Hに従って表題化合物(111mg、88%)を調製し、白色粉体として得た。
推定純度:>95%(HPLCに基づいて)
MS (ESI+): [(M-H2O)+H]+ = 282.2; [M+H]+ = 300.2; [(Mx2)+H]+ = 599.4
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.31-7.21 (m, 4H); 7.20-7.16 (m, 1H); 4.17 (q, J = 7.0 Hz, 2H); 3.08 (td, J = 8.5及び5.5 Hz, 1H); 2.95-2.89 (m, 2H); 2.70-2.55 (m, 2H); 2.30-2.20 (m, 1H); 2.03-1.85 (m, 3H); 1.26 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 31.16
【0406】
(実施例56)
{4-エトキシ-1-[({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)アミノ]-4-オキソブチル}(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
実施例22の工程2において得られた生成物の4-エトキシ類似体(380mg、1.27mmol)のDMF(4mL)中懸濁液に、特許第W2010/063002号に記載されている1-{[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2-メチルプロパノエート(566mg、1.9mmol)のDMF(4mL)中溶液を加えた。0℃で、この灰白色懸濁液に、NaHCO3(533mg、6.37mmol)の水(3mL)中溶液を加えた。混合物は直ちに黄色になり、室温で1時間撹拌した(LCMS分析は転化が完結していないことを示した)。NaHCO3(533mg、1.9mmol)及び1-{[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2-メチルプロパノエート(188mg、0.63mmol)を再度加え、混合物を終夜撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣を水に溶解し、2M HCl水溶液でpH4に注意深く酸性化した。混合物を真空で濃縮し、次いでDCM/MeOH 90/10の混合物中に溶解し、PTFEフィルター上で濾過して、残ったNaClを除去した。濾液を真空で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含むフラクションを真空で濃縮し、DCM/MeOH 95/5の混合物に溶解し、PTFEフィルター上で再度濾過し、次いで濃縮して、表題化合物(231mg、40%)を白色泡状物として得た。
期待純度:95%(HPLC及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 458.2; [(Mx2)+H]+ = 915.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.29-7.19 (m, 4H); 7.33-7.26 (m, 1H); 6.80-6.75 (m, 1H); 4.14 (q, J = 7.0 Hz, 2H); 3.82-3.75 (m, 1H); 2.94-2.80 (m, 2H); 2.60-2.53 (m, 0.5H); 2.52-2.36 (m, 2H); 2.34-2.24 (m, 1.5H); 1.94-1.72 (m, 3H); 1.46 (d, J = 5.5 Hz, 1.5H); 1.44 (d, J = 5.5 Hz, 1.5H); 1.29-1.25 (m, 3H); 1.18 (d, J = 6.0 Hz, 1.5H); 1.17 (d, J = 6.0 Hz, 1.5 Hz); 1.01 (d, J = 5.5 Hz, 1.5H); 0.95 (d, J = 6.0 Hz, 1.5 H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 38.42及び38.18
【0407】
(実施例57)
1-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-エトキシ-4-オキソブタン-1-アミニウムクロリド
工程1:(1-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-4-エトキシ-4-オキソブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
実施例22の工程2にて得られた生成物の4-エトキシ類似体(375mg、1.25mmol)のDMF(2.5mL)中懸濁液に、(Boc)2O(273mg、1.25mmol)及びEt3N(0.7mL、5.01mmol)を順次滴下添加した。懸濁液は透明になり、得られた溶液を室温で4時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残渣を水とDCMとの間で分配した。水性層をDCMで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、表題化合物(193mg、39%)を淡黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 400
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.28 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.24 (d, J = 7.5 Hz, 2H); 7.20 (t, J = 7.5 Hz, 1H); 4.16 (q, J = 7.0 Hz, 2H); 3.98 (td, J = 8.5及び5.5 Hz, 1H); 2.99-2.84 (m, 2H); 2.55-2.39 (m, 2H); 2.31-2.19 (m, 2H); 2.11-1.96 (m, 2H); 1.90-1.80 (m, 1H); 1.45 (s, 9H); 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 48.5
【0408】
工程2:エチル4-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}ブタノエート
前工程にて得られた生成物(196mg、0.49mmol)のDMF(2.0mL)中溶液に、炭酸セシウム(79mg、0.24mmol)を加えた。得られたスラリー液に、臭化ベンジル(64μL、0.54mmol)を滴下添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、白色沈殿物が生成した。粗製物を濃縮乾固し、次いでEt2O/水(1/1)の混合物に希釈し、水性層をEt2Oで2回抽出した。合わせた有機層をNaHCO3(10%)で、次いでブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、次いで真空で濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにより精製して、得られた表題生成物(172mg、72%)を透明油状物としてジアステレオマーの混合物(31P NMRに従ってdr=50/50)にて得、これは静置すると結晶化した。
MS (ESI+): [M+H]+ = 490
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.44-7.30 (m, 5H); 7.27-7.21 (m, 2H); 7.20-7.11 (m, 3H); 5.11-5.04 (m, 2H); 4.17-4.07 (m, 2H); 3.98 (td, J = 8.5及び5.5 Hz, 1H); 2.99-2.75 (m, 2H); 2.52-2.35 (m, 2H); 2.28-2.03 (m, 3H); 1.89-1.73 (m, 1H); 1.45-1.44 (m, 9H); 1.27-1.23 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 55.95及び55.89
【0409】
工程3:1-[(ベンジルオキシ)(2-フェニルエチル)ホスホリル]-4-エトキシ-4-オキソブタン-1-アミニウムクロリド
前工程にて得られた生成物(72mg、0.15mmol、1当量)の溶液を、純粋なギ酸(1mL)中4時間撹拌し、転化をLCMSにより追跡した。粗製物を氷水中に注ぎ入れ、NaHCO3を少しずつ加えた(注意!激しい気体の発生)。水性層(pH=7~8)を分離漏斗中に注ぎ入れ、Et2Oで抽出した。水性層のLCMSは生成物が残っていないことを示した。次いでエーテル層を5当量のエーテル中2M HCl溶液で酸性化し、この間微細な乳液が生成した。次いでエーテル層を冷水(3×5mL)で3回抽出し、水性相をドライアイスで直接凍結し、凍結乾燥して、得られた期待する生成物(31mg、50%)を微細綿状物としてジアステレオマーの混合物(31P NMRに従ってdr=50/50)にて得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 390
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.52-7.37 (m, 5H); 7.33-7.26 (m, 2H); 7.25-7.18 (m, 3H); 5.21-5.15 (m, 2H); 4.17 (q, J = 7.0 Hz, 2H); 3.68-3.61 (m, 1H); 3.00-2.74 (m, 2H); 2.68-2.53 (m, 2H); 2.38-2.22 (m, 3H); 2.09-1.98 (m, 1H); 1.29-1.25 (m, 3H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 51.16及び51.09
【0410】
(実施例58)
[1-アミノ-4-(ベンジルオキシ)-4-オキソブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
TFA/アニソール(1.0mL/200μL)中の(4-(ベンジルオキシ)-1-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-4-オキソブチル)(フェネチル)ホスフィン酸(100mg、202μmol、1.0当量)から手順Gに従って、表題化合物(7mg、10%)を調製した。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 362.1; [(Mx2)+H]+ = 723.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.37-7.14 (m, 10H); 5.14 (s, 2H); 3.07-3.02 (m, 1H); 2.90-2.85 (m, 2H); 2.71-2.60 (m, 2H); 2.29-2.00 (m, 1H); 2.01-1.92 (m, 1H), 1.90-1.84 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 30.93
【0411】
(実施例59)
(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
工程1:(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-カルボン酸
0℃(氷浴)で、撹拌機、内温コントローラー及び滴下漏斗を装着した3ツ口丸底フラスコ中、NaOH(43mL、32質量/質量%10.6M、459mmol)及び水(47mL)の溶液に、L-システイン塩酸塩一水和物(17.6g、100mmol、1.0当量)を少しずつ加えた。添加は僅かに発熱性であった(温度は1℃から9℃に上がった)。結晶が完全に溶解した後、クロロギ酸フェニル(31.3g、200mmol、2当量)のトルエン(35mL)中溶液を滴下添加しながら、温度を20℃に上げた。2相混合物を25℃で2時間撹拌した。水性層を分離し、トルエン(35mL)で洗浄し、濃HClを加えることによりpH=1に酸性化した。水性層を真空乾固し、残渣をAcOEt中で摩砕し、濾過し、濾液を濃縮した。得られた固体を集め、水から2回再結晶化して、表題化合物(10.42g、71%)を白色結晶として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 147
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 13.18 (brs, 1H); 8.43 (brs, 1H); 4.39 (ddd, 1H, J = 8.5, 3.5, 1.5 Hz); 3.72 (dd, 1H, J = 11.5, 8.5 Hz); 3.45 (dd, 1H, J = 11.5, 3.5 Hz)
【0412】
工程2:(4-エトキシ-4-オキソ-1-{[(4R)-2-オキソ-1,3-チアゾリジン-4-イル]ホルムアミド}ブチル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
室温で、最初の工程にて得られた生成物(245mg、1.67mmol、1当量)のTHF/DMF(1/1、10mL)中溶液に、DCC及びN-ヒドロキシスクシンイミド(326mg、2.84mmol、1.7当量)を加えた。10分後、固体が生成した。混合物を25℃で1時間撹拌した(反応混合物のアリコートをベンジルアミンでクエンチすることにより反応をモニターした;対応するアミド(m/z=236)がLCMSにより観察された)。次いで反応混合物に、実施例22の工程2にて得られた生成物の4-エトキシ類似体(500mg、1.67mmol、1.0当量)のTHF/DMF/EtOH(1/1/1、5mL)とDIPEA(2mL、11.69mmol、7.0当量)との混合物中溶液を順次滴下添加した。得られた薄オレンジ色溶液を室温で16時間撹拌した。生成した固体を濾過し、AcOEtを使用してすすいだ。濾液を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、NH4Cl飽和溶液を加えた。水性層を分離し、EtOAcを使用して更に抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空で濃縮した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、期待する化合物(319mg、39%)を白色泡状物として得た。この生成物のフラクションを分析的特性評価のために再度精製した。
推定純度:87%(LCMSに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 429.1; [(Mx2)+H]+ = 857.3
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.27-7.19 (m, 4H); 7.17-7.11 (m, 1H); 4.49-4.43 (m, 1H); 4.20-4.09 (m, 3H); 3.79 (dd, 1H, J = 11.5, 8.5 Hz); 3.53 (dd, 1H, J = 11.5, 5.0 Hz); 2.93-2.80 (m, 2H); 2.50-2.40 (m, 3H); 1.97-1.87 (m, 1H); 1.83-1.69 (m, 2H); 1.26 (t, 3H, J = 7.0 Hz)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 36.21, 36.01
【0413】
(実施例60)
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
工程1:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル]プロピル)[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(5.4mL)及びAcCl(0.7mL)中で[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスフィン酸(740mg、3.98mmol、1当量)及びNH2Cbz(661mg、4.37mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いて2,2-ジメチルプロピル3-オキソプロパン-1-スルホネート(993mg、4.77mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.2g、57%)を調製し、黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 528.2
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.19 (m, 7H); 6.94 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.87 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 5.13 (s, 2H); 4.01 (dt, 1H, J = 4.0及び10.5 Hz); 3.85 (s, 2H); 3.81 (s, 3H); 3.28-3.18 (m, 4H); 2.36-2.28 (m, 1H); 2.09-1.99 (m, 1H); 0.97 (s, 9H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 44.20
【0414】
工程2:3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(2-メトキシフェニル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(3.5mL/2.5mL)中の前段生成物(595mg、1.13mmol、1当量)から手順Gに従って表題化合物(105mg、29%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 324.1; [(Mx2)+H]+ = 647.2
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.32 (m, 2H); 7.10 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 7.05 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 3.91 (s, 3H); 3.35-3.28 (m, 2H); 3.14-3.03 (m, 3H); 2.38-2.29 (m, 1H); 2.16-2.06 (m, 1H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 34.57
【0415】
(実施例61)
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
工程1:3-(アセチルスルファニル)プロパナール
アクロレイン(900μL、12.8mmol)をアルゴン雰囲気下室温でチオ酢酸(1.04mL、14.7mmol)に滴下添加した(極めて発熱性)。混合物を室温で2時間撹拌した。真空下で濃縮して、過剰のチオ酢酸を除去して、表題化合物(1.50g、88%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.75 (t, 1H, J = 0.9 Hz); 3.11 (t, 2H, J = 6.7 Hz); 2.80 (dt, 2H, J = 0.9 Hz及び6.7 Hz); 2.32 (s, 3H)
【0416】
工程2:[3-(アセチルスルファニル)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}プロピル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
AcOH(6mL)及びAcCl(1mL)中で(2-フェネチル)ホスフィン酸(380mg、2.23mmol)及びNH2Cbz(337mg、2.23mmol)からの多成分反応、続いて3-(アセチルスルファニル)プロパナール(354mg、2.68mmol)の添加における手順Dに従って表題化合物(721mg、74%)を調製し、淡黄色固体として得た。室温で24時間撹拌した後、追加のNH2Cbz(168mg、1.11mmol)及び3-(アセチルスルファニル)プロパナール(147mg、1.11mmol)を加えて、手順Dに従う反応を続けた。
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 11 (bs, 1H); 7.58 (d, 1H, J = 9.4 Hz); 7.36-7.25 (m, 7H); 7.20-7.15 (m, 3H); 5.10 (d, 1H, J = 12.6 Hz); 5.02 (d, 1H, J = 12.6 Hz); 3.84-3.78 (m, 1H); 3.00-2.96 (m, 1H); 2.84-2.71 (m, 3H); 2.33 (s, 3H); 2.00-1.93 (m, 1H); 1.87-1.78 (m, 3H)
【0417】
工程3:3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
前工程にて得られた生成物(200mg、0.46mmol)のAcOH(1mL)中溶液に、過酸化水素水溶液(30%、283μL、2.78mmol)を滴下添加した。混合物を60℃で1時間撹拌し、爆風シールドを装着した回転蒸発器を用いて真空下で濃縮した。粗製物をヘプタンと共蒸発させて、表題化合物(200mg、100%)を白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 442.3
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 7.56 (d, 1H, J = 9.7 Hz); 7.35-7.26 (m, 7H); 7.20-7.17 (m, 3H); 5.10 (d, 1H, J = 12.6 Hz); 5.02 (d, 1H, J = 12.6 Hz); 3.78-3.72 (m, 1H); 2.83-2.68 (m, 2H); 2.60-2.53 (m, 1H); 2.45-2.37 (m, 1H); 2.15-2.07 (m, 1H); 1.87-1.75 (m, 3H)
【0418】
工程4:3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(44mg/400μL)中の前段生成物(200mg、0.45mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(74mg、53%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:95%(NMRに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 306.4
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.43-7.31 (m, 5H); 3.38-3.28 (m, 1H); 3.12-3.03 (m, 2H); 2.96-2.90 (m, 2H); 2.42-2.33 (m, 1H); 2.20-2.10 (m, 1H); 2.10-2.02 (m, 2H).
【0419】
(実施例62)
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
工程1:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル]プロピル)[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸
AcOH(2.0mL)及びAcCl(0.3mL)中で[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスフィン酸(300mg、1.50mmol、1当量)及びNH2Cbz(250mg、1.65mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いて2,2-ジメチルプロピル3-オキソプロパン-1-スルホネート(374mg、1.80mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(298mg、37%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 542.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.39-7.24 (m, 5H); 7.21-7.18 (m, 1H); 7.08 (d, 1H, J = 7.5 Hz); 6.91 (d, 1H, J = 8.5 Hz); 6.85 (t, 1H , J = 7.5 Hz); 5.20-5.05 (m, 2H); 4.10-4.02 (m, 1H); 3.89 (s, 2H); 3.79 (s, 3H); 3.30-3.28 (m, 1H); 2.89-2.84 (m, 2H); 2.42-2.34 (m, 1H); 2.15-2.06 (m, 1H); 2.02- 1.96 (m, 2H); 0.99 (s, 9H) {1つのHがMeODピークに隠れている}
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 48.97
【0420】
工程2:3-アミノ-3-{ヒドロキシ[2-(2-メトキシフェニル)エチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(1.6mL/0.385mL)中の前段生成物(298mg、550μmol、1当量)から手順Gに従って表題化合物(28mg、15%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMS及びNMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 338.1; [(Mx2)+H]+ = 675.3
1H NMR (MeOD, 500 MHz) δ (ppm): 7.22-7.19 (m, 2H); 6.94 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.88 (t, 1H, J = 7.5 Hz); 3.85 (s, 3H); 3.56-3.51 (m, 1H); 3.01 (dt, 2H, J = 7.0及び2.5 Hz); 2.96-2.90 (m, 2H); 2.47-2.37 (m, 1H); 2.21-2.06 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 40.18
【0421】
(実施例63)
3-アミノ-3-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
工程1:(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸
(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸の調製は、Smid、P.らのPCT国際特許出願、第2008071738号、2008年に元々記載されている。
アルゴン下、予め脱気した次亜リン酸(水中50質量%、2.47mL、22.6mmol)のEtOH(15mL)中溶液に、アリルベンゼン(1mL、7.6mmol)及びAIBN(100mg、1.2mmol)を加えた。混合物を6時間還流させ、LCMSは転化が完結していないことを示した。次いで更なる量のAIBN(100mg、1.2mmol)を加え、引き続き混合物を18時間還流させた。反応の間、混合物は定常的に無色で透明である。次いで混合物を真空で濃縮し、得られた油状物を0℃に冷却し、2N NaOH(15mL)を加えてpHを14にした。溶液を分離漏斗中に移し、この水性層をEt2O(3×20mL)で洗浄した。水性層を2N HClで酸性化してpH1にし、次いでAcOEt(4×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、真空で濃縮して、表題化合物(1.2g、86%)を無色油状物として得、これは8%の二重付加副生成物を不純物として含んでいた。
MS (ESI+): [M+H]+ = 185
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 7.08 (dt, 1H, J= 545.0及び5.0 Hz); 7.30-7.27 (m, 2H); 7.22-7.18 (m, 1H); 7.18-7.13 (m, 2H); 2.72 (t, 2H, J = 10.0 Hz); 1.97-1.88 (m, 2H); 1.78-1.72 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 39.53
【0422】
工程2:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-メタンスルフィニルプロピル)(3-フェニルプロピル)ホスフィン酸
AcOH(1.5mL)及びAcCl(0.4mL)中で前段生成物(150mg、0.814mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(135mg、0.895mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いてAcOH(0.5mL)中の実施例61の工程1にて調製した3-(アセチルスルファニル)プロパナール(130mg、0.977mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(254mg、69%)を調製し、白色微細粉体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 450 ; [(Mx2)+H]+ = 899
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 7.51 (d, 1H, J = 10.0 Hz); 7.40-7.30 (m, 5H); 7.28 (t, 2H, J = 5.0 Hz); 7.21-7.13 (m, 2H); 5.09 (d, 1H, J = 15.0 Hz); 5.04 (d, 1H, J = 15.0 Hz); 3.74 (dtd, 1H, J = 13.0, 10.0及び3.5 Hz); 2.97 (ddd, 1H, J = 13.0, 8.0及び5.0 Hz); 2.97 (dt, 1H, J = 13.0及び8.0 Hz); 2.58 (t, 2H, 5.0 Hz); 2.32 (s, 3H); 1.95-1.85 (m, 1H); 1.84-1.65 (m, 3H), 1.57-1.47 (m, 2H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 46.36
【0423】
工程3:3-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
前工程にて得られた生成物(254mg、0.57mmol)のAcOH(1mL)中溶液に、過酸化水素水溶液(30%、384μL、3.39mmol)を滴下添加した。混合物を60℃で1時間撹拌し、爆風シールドを装着した回転蒸発器を用いて粗製物を真空で濃縮した。粗製物をヘプタン(3回)と共蒸発させ、次いで終夜空気で置き、表題化合物(254mg、定量的収率)に対応する沈殿物を淡黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 456; [M+NH3]+ = 473
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz) δ (ppm): 7.50 (d, J = 9.5 Hz, 1H); 7.30-7.13 (m, 10H); 5.06 (d, J = 12.5 Hz, 1H); 5.02 (d, J = 12.5 Hz, 1H); 3.67 (ddd, J = 20.0, 9.5及び3.5 Hz, 1H); 2.95-2.62 (m, 2H) 2.40 (td, J = 12.5及び4.5 Hz, 1H); 2.11-2.00 (m, 1H); 1.86-1.69 (m, 3H); 1.59-1.47 (m, 2H)
31P NMR (DMSO-d6, 202 MHz) δ (ppm): 36.07
【0424】
工程4:3-アミノ-3-[ヒドロキシ(3-フェニルプロピル)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(4mL/1mL)中の前段生成物(252mg、0.55mmol)から手順Gに従って表題化合物(135mg、75%)を調製し、微細な淡黄色粉体として得た。
推定純度:95%(HPLCに基づいて)
MS (ESI-): [M-H]- = 320.2; [(Mx2)-H]- = 641.4
1H NMR (D2O, 500 MHz) δ (ppm): 7.36-7.11 (m, 5H); 3.35-3.26 (m, 1H); 3.09-2.99 (m, 2H); 2.69 (t, J = 7.0 Hz, 2H); 2.33-2.22 (m, 1H); 2.10-1.99 (m, 1H); 1.86-1.75 (m, 2H); 1.67-1.58 (m, 2H)
31P NMR (D2O, 202 MHz) δ (ppm): 36.27
【0425】
(実施例64)
3-アミノ-3-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
工程1:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル]プロピル)({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)ホスフィン酸
AcOH(2.6mL)及びAcCl(0.3mL)中で実施例6の工程1に記載したホスフィン酸(430mg、1.8mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(308mg、2.04mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いて2,2-ジメチルプロピル3-オキソプロパン-1-スルホネート(463mg、2.22mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(1.15g、定量的収率と推定)を調製した。
MS(ESI+):[M+H]+=574.2
【0426】
工程2:3-アミノ-3-[({[1,1'-ビフェニル]-3-イル}メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(7.4mL/6.3mL)中の前段生成物(1.1g、1.9mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(41mg、2工程で5%)を調製し、淡黄色固体として得た。
推定純度:>95%(LCMSに基づいて)及び95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 370.0; [(Mx2)+H]+ = 739.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.71-7.60 (m, 3H), 7.54-7.47 (m, 1H), 7.47-7.29 (m, 5H), 3.50-3.40 (m, 1H), 3.29-3.17 (m, 2H), 3.12-2.94 (m, 2H), 2.55-2.35 (m, 1H), 2.27-2.10 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 30.9
【0427】
(実施例65)
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
工程1:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[(2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル]プロピル)[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスフィン酸
AcOH(3.5mL)及びAcCl(0.4mL)中で[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスフィン酸(450mg、2.0mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(335mg、2.22mmol、1.1当量)からの多成分反応、続いて2,2-ジメチルプロピル3-オキソプロパン-1-スルホネート(504mg、2.42mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(950mg、83%)を調製し、黄色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 565.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.92-7.78 (m, 2H); 7.57-7.45 (m, 3H); 7.41-7.24 (m, 5H); 6.76 (s, 1H); 5.26-5.02 (m, 2H); 4.24-4.13 (m, 1H); 3.90 (s, 2H); 2.54-2.29 (m, 1H); 2.27-2.06 (m, 1H); 1.44-1.23 (m, 4H); 0.98 (s, 9H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 39.1
【0428】
工程2:3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(3-フェニル-1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
TFA/アニソール(6.5mL/7.35mL)中の前段生成物(915mg、1.68mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(302mg、50%)を調製し、白色固体として得た。
推定純度:96%(LCMSに基づいて)及び>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 361.0; [(Mx2)+H]+ = 721.1
MS (ESI-): [M-H]- = 359.0
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.95-7.81 (m, 2H); 7.55-7.46 (m, 3H); 6.88 (d, J = 2.8 Hz, 1H); 3.91-3.81 (m, 1H); 3.77-3.62 (m, 2H); 3.11 (t, J = 6.8 Hz, 2H); 2.67-2.41 (m, 1H); 2.37-2.11 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.7
【0429】
(実施例66)
3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
工程1:2,2-ジメチルプロピル3-[(ベンジルオキシ)[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル]-3-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]プロパン-1-スルホネート
CH2Cl2(9mL)中の実施例21の工程2にて得られたベンジル[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスフィネート(580mg、1.9mmol、1.0当量)及び炭酸セシウム(905mg、2.78mmol、1.5当量)から、続いてラセミ体の2,2-ジメチルプロピル3-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]プロパン-1-スルホネート(750mg、2.41mmol、1.3当量)のCH2Cl2(0.5mL)中溶液の添加から、手順Eに従って表題化合物(370mg、32%)を調製し、4種のジアステレオ異性体の混合物として黄色油状物として得た。
MS(ESI+):[M+H]+=625.2
【0430】
工程2:{3-[(2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル]-1-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)アミノ]プロピル}[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスフィン酸
LiOH.H2O(75mg、1.8mmol、3.0当量)の存在でTHF/水(4/1、3mL)の混合物中、前工程にて得られたジアステレオマー混合物(370mg、0.59mmol、1.0当量)から手順Fに従って表題化合物(164mg、50%)を調製し、黄色油状物として得た。
MS(ESI+):[M+H]+=535.1
【0431】
工程3:3-アミノ-3-{ヒドロキシ[(5-フェニル-1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]ホスホリル}プロパン-1-スルホン酸
ジオキサン中6.0M HCl溶液(9.0mL、54mmol、175当量)を用い前段生成物(164mg、0.307mmol、1.0当量)から手順Gに従って表題化合物(59mg、50%)を調製し、薄黄色固体として得た。
推定純度:>95%(NMR及びLCMSに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 361.0
MS (ESI-): [M-H]- = 359.0
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.96-7.79 (m, 2H); 7.58-7.42 (m, 3H); 6.88 (s, 1H); 3.99-3.76 (m, 1H); 3.50 (d, J = 16.1 Hz, 2H); 3.10 (t, J = 6.9 Hz, 2H); 2.67-2.44 (m, 1H); 2.37-2.11 (m, 1H)
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 34.5
【0432】
(実施例67)
4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン-1-スルホン酸
工程1:1-[(4-ヒドロキシブチル)スルファニル]エタン-1-オン
4-クロロブタノール(5.0g、46mmol、1.0当量、モノマー及びポリマーの混合物)及びチオ酢酸カリウム(7.9g、69mmol、1.5当量)のDMF(23mL)中混合物を50℃で6時間撹拌した。室温に冷却した後、水及びMTBEを加え、層を分離した。水性相をMTBEで抽出し、合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、6gを赤色油状物として得た。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(1.14g、17%)を薄オレンジ色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 149.1
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 3.67 (t, J = 6.2 Hz, 2H); 2.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H); 2.33 (s, 3H); 1.73-1.50 (m, 4H)
【0433】
工程2:4-(アセチルスルファニル)ブタナール
DMSO(1.26mL、17.7mmol、2.3当量)のDCM(25mL)中溶液に、-78℃で塩化オキサリル(1.06mL、12.3mmol、1.6当量)を、15分後、前工程にて得られたアルコール(1.14g、7.69mmol、1.0当量)のDCM(5mL)中溶液を順次加えた。-78℃で1時間撹拌した後、Et3N(5.4mL、38mmol、5.0当量)を加え、混合物を-78℃で0.5時間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を水とMTBEとの間で分配した。層を分離し、水性相をMTBEで抽出した。合わせた有機抽出物を1M HCl溶液、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.19g、定量的収率)をオレンジ色油状物として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz) δ (ppm): 9.78 (t, J = 1.3 Hz, 1H); 2.91 (t, J = 7.2 Hz, 2H); 2.54 (td, J = 7.2 Hz及びJ = 1.4 Hz, 2H); 2.34 (s, 3H); 1.92 (tt, 見かけ上q, J = 7.2 Hz, 2H)
【0434】
工程3:[4-(アセチルスルファニル)-1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}ブチル](2-フェニルエチル)ホスフィン酸
AcOH(5.0mL)及びAcCl(0.63mL)中でフェネチルホスフィン酸(500mg、2.94mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(533mg、3.53mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いて前工程にて得られたアルデヒド(516mg、3.52mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物(539mg、41%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 450.1; [(Mx2)+H]+ = 899.5
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.33 (m, 2H); 7.33-7.24 (m, 5H); 7.23-7.12 (m, 3H); 5.20 (d, AB系, J = 12.5 Hz, 1H); 5.10 (d, AB系, J = 12.5 Hz, 1H); 3.97 (m, 1H); 3.00-2.79 (m, 4H); 2.33 (s, 3H); 2.08-1.88 (m, 3H); 1.82-1.58 (m, 3H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 49.66
【0435】
工程4:4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン-1-スルホン酸
前段生成物(539mg、1.20mmol、1.0当量)のAcOH(4.8mL)中溶液に、室温でH2O2(水中30%溶液、735μL、7.19mmol、6.0当量)を滴下添加した。混合物を50℃で1.5時間撹拌した。室温に冷却した後、爆風シールド下、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をヘプタンで共沸乾固して、表題生成物(580mg、定量的収率)を薄黄色泡状物として得た。
MS (ESI-): [M-H]- = 454.2; [(Mx2)-H]- = 909.6
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.40-7.33 (m, 2H); 7.33-7.24 (m, 5H); 7.23-7.12 (m, 3H); 5.21 (d, AB系, J = 12.5 Hz, 1H); 5.06 (d, AB系, J = 12.5 Hz, 1H); 3.99 (m, 1H); 3.01-2.79 (m, 4H); 2.13-1.93 (m, 4H), 1.92-1.73 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 50.33
【0436】
工程5:4-アミノ-4-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]ブタン-1-スルホン酸
TFA(3.2mL)中の前段生成物(290mg、0.64mmol、1.0当量)からの手順Gの変形に従って表題化合物(25mg、12%)を調製し、白色固体として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 322.1; [(Mx2)+H]+ = 643.2
MS (ESI-): [M-H]- = 320.0; [(Mx2)-H]- = 641.2
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): 7.38-7.28 (m, 4H); 7.28-7.22 (m, 1H); 3.00 (td, J = 8.6 Hz及びJ = 3.4 Hz, 1H); 2.93-2.79 (m, 4H); 2.02-1.83 (m, 4H), 1.82-1.65 (m, 2H)
31P NMR (MeOD, 202 MHz) δ (ppm): 35.21
【0437】
(実施例68)
{3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロピル}ホスホン酸
工程1:ジベンジル[2-(1,3-ジオキソラン-2-イル)エチル]ホスホネート
ジベンジルホスホネート(2.50g、9.53mmol、1.0当量)のDMF(19mL)中溶液に、室温で(n-Bu)4NI(704mg、1.91mmol、0.2当量)、Cs2CO3(4.66g、14.30mmol、1.5当量)及び2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(1.34mL、11.4mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で80時間撹拌した。水及びMTBEを加え、層を分離した。水性相をMTBEで抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、無色油状物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.86g、83%)を無色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 363.1
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.43-7.30 (m, 10H), 5.07 (dd, J = 11.9, 8.8 Hz, 2H), 4.99 (dd, J = 11.9, 7.9 Hz, 2H), 4.95-4.87 (m, 1H), 3.98-3.90 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 2H), 2.07-1.84 (m, 4H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 33.1
【0438】
工程2:ジベンジル(3-オキソプロピル)ホスホネート
前工程にて得られたアセタール(1.0g、2.79mmol、1.0当量)のアセトン(2.8mL)中溶液に、室温で2N HCl溶液(8.28mL、16.7mmol、6.0当量)を加えた。混合物を50℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、水及びMTBEを加え、層を分離した。水性相をMTBEで抽出した。合わせた有機抽出物をNaHCO3の飽和溶液、次いでブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.82g、純度85%、79%)を薄黄色油状物として得た。
MS (ESI+): [M+H]+ = 319
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.76-9.62 (m, 1H), 7.45-7.31 (m, 10H), 5.08 (dd, J = 11.8, 9.0 Hz, 2H), 4.98 (dd, J = 11.8, 8.4 Hz, 2H), 2.81-2.64 (m, 2H), 2.14-2.00 (m, 2H)
31P NMR (CDCl3, 202 MHz) δ (ppm): 31.8
【0439】
工程3:(1-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-3-[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]プロピル)(2-フェニルエチル)ホスフィン酸
AcOH(7.3mL)及びAcCl(0.39mL)中でフェネチルホスフィン酸(310mg、1.82mmol、1.0当量)及びNH2Cbz(331mg、2.19mmol、1.2当量)からの多成分反応、続いてジベンジル(3-オキソプロピル)ホスホネート(純度85%、819mg、2.19mmol、1.2当量)の添加における手順Dに従って表題化合物を調製して油状物として得、単離せずに引き続く工程に直接使用した。
MS(ESI-):[M-H]-=620
【0440】
工程4:{3-アミノ-3-[ヒドロキシ(2-フェニルエチル)ホスホリル]プロピル}ホスホン酸
TFA/アニソール(6.96mL/4.95mL)中の前段生成物から手順Gに従って表題化合物(80mg、2工程で14%)を調製し、ベージュ色固体として得た。
推定純度:>97%(LCMSに基づいて)及び>95%(NMRに基づいて)
MS (ESI+): [M+H]+ = 308.1; [(Mx2)+H]+ = 615.1
MS (ESI-): [M-H]- = 306.1; [(Mx2)-H]- = 613.1
1H NMR (CD3OD, 500 MHz) δ (ppm): δ 7.34-7.25 (m, 4H), 7.21-7.16 (m, 1H), 3.16-3.06 (m, 1H), 2.99-2.82 (m, 2H), 2.38-2.16 (m, 1H), 2.06-1.75 (m, 5H).
31P NMR (CD3OD, 202 MHz) δ (ppm): 32.6; 24.7
【0441】
(実施例69)
インビトロにおけるAPA活性の測定
インビトロにおけるAPA活性の測定は、マイクロプレート上におけるアッセイの尺度にされたGoldbargのプロトコルに基づく(Pro Bind TM3915)(Chauvel et al.、1994)。インビトロにおいて、カルシウムイオンの存在下で、APAは、合成基質α-L-グルタミル-β-ナフチルアミド(GluβNa)をグルタメート及びβ-ナフチルアミン(βNa)に加水分解する。酸性媒体中におけるジアゾ化反応は、紫に着色した錯体の形成により、β-ナフチルアミンを明示することを可能にする: 次に、分光学的測定が、β-ナフチルアミンの増大する濃度で生じる標準曲線を参照することにより、形成された複合体の量を知ること、及び、試料の酵素活性を導き出すことを可能にする。
【0442】
試薬
Glu-βNa基質(Bachem社)及びβ-ナフチルアミン(Sigma社)を50%DMSO(ジメチルスルホキシド)及び0.1N HClにそれぞれ溶解して、-20℃、10-2Mの濃度で保存した。ジアゾ化反応は、亜硝酸ナトリウム(87mM)、スルファミン酸アンモニウム(130mM)及びN-(1-ナフチル)-エチレンジアミン二塩酸塩(95%エタノール中23mM)の存在下で実施した。
【0443】
酵素反応
反応は、50mMトリス-HCl緩衝剤中pH7.4で、カルシウム(4mM CaCl2)の存在下で起こり、組換えマウスAPAを、100μLの最終体積で、37℃で基質(200μM Glu-βNa)の存在下、及び種々の濃度の試験されるべき阻害剤の存在又は非存在下で、インキュベートする。反応を、10μLの3N HClを添加することにより停止させる。β-ナフチルアミンの標準曲線は、0.1N HCl中で増大する濃度(0.2mMまで)の2-ナフチルアミンをジアゾ化することにより、平行して準備した。
【0444】
形成された生成物の明示
以下のものを各ウェルに添加する: 25μLの亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(室温で混合して、5分待つ)、50μLのスルファミン酸アンモニウム(室温で混合して、5分待つ)、次に25μLのN-(1-ナフチル)エチレンジアミン二塩酸塩(37℃で混合して、紫色の安定化する間およそ30分間待つ)を添加する。
【0445】
次に吸光度を540nmで測定する。
【0446】
国際出願WO99/36066号に記載された化合物EC33((S)-3アミノ-4-メルカプト-ブチルスルホン酸)を参照化合物として使用した。
【0447】
Table 1(表1、表2)に報告された結果は、最良の化合物(分類a)が、少なくとも20の係数によって参照化合物を超える最高のAPA-阻害活性を発揮することを示す。
【0448】
【表1】
【0449】
【表2】
【0450】
(実施例70)
脳APA活性の測定(エクスビボにおける実験)
脳のAPA活性は、上で記載したようにして決定した。
【0451】
インビボで、マウス(雄、18~20g、Charles River)に、実施例22及び52をi.v.で投与した(それぞれ、5mg/kg及び4mg/kg、200μLの体積で)。各条件につき、5匹のマウスを使用した。マウスを注射の10、30、60、120及び180分後に屠殺した。脳を直ちに取り出して、10体積の氷冷50mMトリス-HCl緩衝液(pH7.4)中で超音波処置によりホモジナイズした。APAの酵素活性を脳ホモジネートで測定した。この目的のために、組織ホモジネートのアリコート(16μL)を、合計体積が100μLの50mMトリス-HCl緩衝液(pH7.4)中で、5μMのEC33を添加するか又は添加せずに、200μMのGluβNA、4mM CaCl2、及び1μMベスタチン阻害剤と共に、37℃で30分間インキュベートした。次に、アッセイを上で記載したように遂行した。
【0452】
図1は、i.v.経路により与えられた実施例22の血液脳関門(BBB)を越えて脳に進入する能力を、意識のあるマウスにおける脳APA活性の阻害を測定することにより示す。実施例22(5mg/kg、i.v.、1匹のマウス当たり295ナノモル)は、脳のAPA活性を累進的に阻害し、脳のAPA活性は、大きく低下し、10分から60分までに最大47%低下した(1時間にタンパク質1mg当たり70.0±4.6ナノモルに対して37.5±3.3ナノモルのGluNAが加水分解された、P<0.001)。基底値への回帰は120分後に観察された。
【0453】
図2は、i.v.の実施例52のBBBを越えて脳に進入する能力を、意識のあるマウスにおける脳のAPA活性の阻害を測定することにより示す。実施例52(4mg/kg、i.v.、1匹のマウスに237ナノモル)は、脳のAPA活性を累進的に阻害し、該活性は、10分後から(1時間にタンパク質1mg当たり62.1±1.8ナノモルに対して12.0±4.0ナノモルのGluNAが加水分解された、P<0.001)30分後まで、最大81%低下した。脳のAPA活性は、注射の120分後でもまだ35%有意に阻害された。
図1
図2