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<図1>
  • 特許-金属-プリプレグ複合体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】金属-プリプレグ複合体
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20220404BHJP
   B29C 43/20 20060101ALI20220404BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20220404BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20220404BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B32B15/08 105Z
B29C43/20
B29C43/34
B32B3/24 Z
B32B5/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021169482
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2021-10-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514154503
【氏名又は名称】株式会社The MOT Company
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲済▼藤 友明
(72)【発明者】
【氏名】首藤 祥史
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-103981(JP,A)
【文献】特開2003-8201(JP,A)
【文献】特開平5-8224(JP,A)
【文献】特開2016-22685(JP,A)
【文献】特開平6-286037(JP,A)
【文献】特開平5-185561(JP,A)
【文献】特開昭61-92848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 43/00-43/58、70/00-70/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂のプリプレグ層と、
前記プリプレグ層の上に配置される接着強化層と、
前記接着強化層の上に配置される接着シートと、
前記接着シートの上に配置される金属体とを含み、一体化された金属-プリプレグ複合体であって、
前記接着強化層は、複数の貫通孔を有する金属から構成され、
前記接着シートの接着成分が前記接着強化層の前記貫通孔を通過し、金属体と接触することにより、前記プリプレグ層と前記金属体との接着力を高めるものであり、
前記プリプレグ層のプリプレグは、炭素繊維強化樹脂のプリプレグである、金属-プリプレグ複合体。
【請求項2】
前記接着強化層は、金属パンチング、金属メッシュ又は金属エキスパンドである、請求項1に記載の金属-プリプレグ複合体。
【請求項3】
金属-プリプレグ複合体を構成する繊維強化樹脂のプリプレグ層と、金属体との接着強度を高める方法であって、
前記プリプレグ層と、前記金属体との間に、接着シートと、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層とを重ねて配置する工程と、
前記プリプレグ層と、前記金属体と、前記接着シートと、前記接着強化層とを一体化させる工程とを含む、方法。
【請求項4】
金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造する方法であって、
繊維強化樹脂のプリプレグ層と、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層と、接着シートと、金属体とをこの順で積層させ、金属-プリプレグ複合体を形成する工程と、
前記金属-プリプレグ複合体を加熱しながらプレスすることにより、金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造する工程とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属―プリプレグ複合体及びそれから得られる金属-繊維強化樹脂複合成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維等を用いる繊維強化樹脂は、高い強度と軽さを併せ持つ材料のため、様々な用途に使用されている。例えば、自動車分野では、鋼鉄に代わる新材料として期待されている。しかし、繊維強化樹脂は、現時点で鋼鉄等に比べ高価格であるため、製品の価格を抑えようとする場合は、繊維強化樹脂を多く用いることが難しい。そこで、鋼鉄等の金属と、繊維強化樹脂との複合体を用いることにより、材料の軽量化を実現しながらも、価格を抑えることができる。
【0003】
金属-樹脂複合体としては、例えば、特許文献1には、樹脂製部材と金属製部材との複合体を製造する方法として、化学エッチングによる表面処理を金属部品に施した部品に射出方法により樹脂を接合する方法が開示されている(特許文献1)。
また、例えば、特許文献2には、金属と有機高分子物質等を接着させる場合に優れた接着力を発揮する金属の表面処理方法として、金属の表面に被膜形成を伴う化学エッチング処理を行い、そののちシランカップリング剤を用いた処理、又は塗布型クロメート処理を行う方法が開示されている(特許文献2)。
また、例えば、特許文献3には、アルミニウム合金よりなる基材の表面に設けられた下地処理皮膜の上に極性基が導入された変性ポリプロピレン樹脂を有する接着層を形成せしめ、ポリプロピレンと相溶化、及びアンカー効果で接合する方法が開示されている(特許文献3)。
これらの従来の技術は、接着力の向上を図るため、凸凹によるアンカー効果を利用する粗面化処理や、金属と樹脂とを接着する場合に優れた接着力を発揮する処理を金属表面に施しているが、それらの処理は制御が困難であったり、多工程であったりして時間やコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-225352号公報
【文献】特開平11-293476号公報
【文献】特開2016-016584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、製造コストを抑えつつ、接着力の高い金属-プリプレグ複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、金属とプリプレグの間に、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層を配置することにより、製造コストを抑えつつ、接着力の高い、加熱プレス成形できる金属-プリプレグ複合体を見出した。すなわち、本発明は、以下を包含する。
[1] 繊維強化樹脂のプリプレグ層と、
前記プリプレグ層の上に配置される接着強化層と、
前記接着強化層の上に配置される接着シートと、
前記接着シートの上に配置される金属体とを含み、一体化された金属-プリプレグ複合体であって、
前記接着強化層は、複数の貫通孔を有する金属から構成され、
前記接着シートの接着成分が前記接着強化層の前記貫通孔を通過し、金属体と接触することにより、前記プリプレグ層と前記金属体との接着力を高めるものである、金属-プリプレグ複合体。
[2] 前記プリプレグ層のプリプレグは、炭素繊維強化樹脂のプリプレグである、[1]に記載の金属-プリプレグ複合体。
[3] 前記接着強化層は、金属パンチング、金属メッシュ又は金属エキスパンドである、[1]又は[2]に記載の金属-プリプレグ複合体。
[4] 金属-プリプレグ複合体を構成する繊維強化樹脂のプリプレグ層と、金属体との接着強度を高める方法であって、
前記プリプレグ層と、前記金属体との間に、接着シートと、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層とを重ねて配置する工程と、
前記プリプレグ層と、前記金属体と、前記接着シートと、前記接着強化層とを一体化させる工程とを含む、方法。
[5] 金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造する方法であって、
繊維強化樹脂のプリプレグ層と、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層と、接着シートと、金属体とをこの順で積層し、一体化させ、金属-プリプレグ複合体を形成する工程と、
前記金属-プリプレグ複合体を加熱しながらプレスすることにより、金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造する工程とを含む、方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の金属-プリプレグ複合体を用いることにより、加熱しながらプレスする(加熱プレス方法)ことにより、製造コストを抑えつつ、かつ短時間で軽量な金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造することができる。
本発明の金属-プリプレグ複合体は、複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層を有し、接着強化層と金属体との間に設置された接着シートの接着成分は接着強化層の貫通孔を通過するため接着面積が大きく、金属体と接着強化層との接着力を高めることができる。さらに、プリプレグの一部も貫通孔にめり込むため、凸凹と同様に貫通孔によりアンカー効果が生じ、金属体とプリプレグ層との接着力が高められる。
本発明の金属-プリプレグ複合体は、接着力を高めるための金属の表面処理や粗面化をする必要がなく、それにより、金属と繊維強化樹脂の接着力が高く、さらには低コストな金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1の上図は、実施例の金属-プリプレグ複合体Aを構成する各層を示す図であり、1は炭素繊維強化樹脂のプリプレグ、2はアルミニウムメッシュ(接着強化層)、3は接着シート、4は金属板(金属体)である。図1の下図は金属-プリプレグ複合体Aを示すである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではなく、当業者に周知された範囲で適宜設計変更等することが可能である。
【実施例
【0010】
[金属-プリプレグ複合体]
本明細書における実施態様である金属-プリプレグ複合体Aは、図1の下図に示すように、炭素繊維強化樹脂のプリプレグ1と、アルミニウムメッシュ(複数の貫通孔21を有する金属から構成される接着強化層)2と、接着シート3と、金属板(金属体)4から構成される複合体である。プリプレグ1と、接着強化層2と、金属板4とは、接着シート3で接着されている。金属-プリプレグ複合体Aを加熱及びプレスすることにより、金属-繊維強化樹脂複合成形体を得ることができる。
【0011】
(金属体)
金属体としての金属板4を構成する金属とは、本発明のプレス成形で成形できる材料であれば特に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、鉄、鋼鉄、チタン、ハイテン等の種々の金属を用いることができる。
金属板4の厚さは限定されるものではないが、プレス成形により所望の形状に容易に形成するため、0.05mm以上であればよく、厚さの上限は限定されない。金属板4は、いわゆる薄い金属(例えば、50mm以下)であってもよいし、プリプレグ1に対して、非常に厚いものでもよいが、加熱プレスのしやすさの観点から、厚さが0.05~50mm程度である金属板が好ましい。
【0012】
(プリプレグ)
プリプレグ1を構成するプリプレグは、炭素繊維強化樹脂のプリプレグであるが、本発明ではこれに限定されるものではなく、樹脂のみで半硬化させたものでもよいし、ガラスクロス、炭素繊維のような繊維状補強材に樹脂を均等に含浸させ、加熱又は乾燥して半硬化状態にしたものでもよい。例えば、織物プリプレグ、一方向プリプレグ等を用いることが出来る。
【0013】
プリプレグ1を構成する樹脂についても、特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びそれらの一種を含む樹脂組成物を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、これらは組み合わせて使用することができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、複数混合して用いてもよい。
【0014】
プリプレグ1に含まれてもよい繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等を用いることができる。繊維強化樹脂プレプレグ中の繊維基材としては、0.03mm~0.5mmの厚さの炭素繊維材が好ましいが、それに限定されるものではない。また、プリプレグ1を構成する炭素繊維はポリアクリルニトリルを原料とするPAN系炭素繊維とピッチを原料とするピッチ系炭素繊維等を用いることが出来る。プリプレグ1を構成するプリプレグ中の炭素繊維としては、PAN系炭素繊維が好ましいが、それに限定されるものではない。また、プリプレグを構成する繊維には、SMC(Sheet Molding Compound)などの複合体も包含されるものとする。
【0015】
プリプレグ1としては、エポキシ樹脂と炭素繊維とから構成されている織物プリプレグが好ましいが、それに限定されるものではない。プリプレグ1は、それぞれ一枚のプリプレグで構成されてもよいし、同種又は異種の複数枚のプレプレグで構成されていてもよい。
【0016】
(接着シート)
本発明の金属-プリプレグ複合体Aに使用する接着シート3は、金属体4とプリプレグ1を接着できる接着シート3であれば特に限定されるものではなく、接着成分としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、クロロプレンゴム、シアノアクリレート、変性シリコーン等が挙げられ、硬化前は粘着性のあるものが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、複数混合して用いてもよい。また、接着成分の異なる接着シート3を積層して用いてもよい。
【0017】
(接着強化層)
接着強化層としてのアルミニウムメッシュ2は、金属板4とプリプレグ1との間に配置される接着シート3と、プレプレグ1との間に挿入されるものである。アルミニウムメッシュ2の材料は、金属から構成され、複数の貫通孔21を有する。
アルミニウムメッシュ2の金属とは、本発明のプレス成形で成形できる材料であれば特に限定されるものではなく、アルミニウム、ステンレス、鉄、鋼鉄、チタン、ハイテン等の種々の金属を用いることができる。
アルミニウムメッシュ2の厚さは限定されるものではないが、プレス成形により所望の形状に容易に形成するため、0.05~3mm程度が好ましい。
アルミニウムメッシュ2は、金属パンチング、金属メッシュ又は金属エキスパンドから構成される。金属パンチングとは、金属の板をパンチングプレスの金型で穴をあけて加工した材料である。金属メッシュは、金属の線材を織り込む、又は編んで網状とした材料であり、金属エキスパンドは、金属の板を機械で千鳥上に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形の網目に加工した材料である。
【0018】
アルミニウムメッシュ2の主たる目的とは、金属体4とプレプレグ1との接着力を高めること、そして、金属-プリプレグ複合体Aを加熱プレスした後の金属-繊維強化樹脂複合成形体の繊維強化樹脂と金属体との接着力を高めることが、主たる目的である。アルミニウムメッシュ2は、従来技術として同様に接着力を高める金属表面の粗面化に近い状態であることが好ましいため、複数の貫通孔21の面積は、0.01~500mm程度の面積の貫通孔であることが好ましく、また、隣り合う貫通孔21の距離(ここで距離とは、一方の貫通孔の縁と、隣の貫通孔の縁との間で、もっとも最短の距離をとする)は、0.5mm~5cm程度である。メッシュなら、1~100メッシュであることが好ましい。したがって、アルミニウムメッシュ2のそのものの強度は、金属部分が多くなく、厚さも薄いため、必ずしも高くはないが、金属体4とプレプレグ1との接着力を高めるという効果を発揮する。
【0019】
金属-プリプレグ複合体Aは、炭素繊維強化樹脂のプリプレグ1と、複数の貫通孔21を有する金属から構成されるアルミニウムメッシュ2と、接着シート3と、金属板4を積層させ、押圧することにより、接着させ、一体化させる。このとき、押圧する力は大きい必要はなく、手でおさえる程度の圧力で十分である。
【0020】
押圧したときに、接着シート3は、アルミニウムメッシュ2の貫通孔21の中に接着成分が入り込み、アルミニウムメッシュ2に対して反対側のプリプレグ1に到達し、金属体4、アルミニウムメッシュ2、及びプリプレグ1とが接着シート3により一体化される。
【0021】
[金属-繊維強化樹脂複合成形体]
本発明の金属-繊維強化樹脂複合成形体は、金属-プリプレグ複合体Aを加熱及び加圧することにより製造したものである。
金属-繊維強化樹脂複合成形体において、加熱及び加圧により、接着シート3の接着成分と、アルミニウムメッシュ2と、プリプレグ1が一体化された複合接着強化層5となり、金属体4と複合接着強化層5とが高い接着力で接着している。このとき、プリプレグ1は、加圧及び加熱し、その後、冷却され、複合繊維強化樹脂層5を形成している。このような構成の金属-繊維強化樹脂複合成形体は、強度の高い金属と強度の高い繊維強化樹脂とを高い接着力で接着しており、従来から使用されている接着力を高める処理を行った金属-繊維強化樹脂との複合材料の代替品として利用できる。
また、本発明において、非常に厚みのある金属体4の場合は、金属体4に複合接着強化層5を設けることができ、金属体4の強度がさらに強化されるものとなる。
【0022】
[プレス成型]
本発明において金属体4が薄い金属(例えば、金属板)の場合、加熱プレスにより、所定の形状を有する金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造することができる。プレス成形は、上金型と下金型とを用いて、両金型に挟み込まれることによって行われる。上金型及び下金型は、成形品を形成するために、所定の形状を有することができる。例えば、上金型及び下金型のプレス面に、いずれか一方には凸部、もう一方には凸部に対応する(前記凸部が入り込むことができる)凹部を設けることができる。このようにすることにより、金属-プリプレグ複合体は、凸部と凹部とに挟まれることになるため、金属-繊維強化樹脂複合成形体は、立体的な形状を有することができる。
【0023】
本発明の金属-繊維強化樹脂複合成形体の製造においてプレス加工温度は通常100~350℃である。プリプレグの樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、120~160℃にすることができ、プリプレグの樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、230~350℃にすることができる。
【0024】
金属-繊維強化樹脂成形体を得るプレス加工の圧力についても、特に限定されるものではなく、通常0.1~15MPaである。
【0025】
このようにして得られる金属-繊維強化樹脂複合成形体は、用途・形状に応じて、繊維強化樹脂を成形させたものであり、航空機、自動車等の部品、例えば、自動車用電池のケース等に使用することができる。
【0026】
[接着強度の確認]
プリプレグ1として炭素繊維含有エポキシ樹脂のプリプレグ、接着強化層2としてアルミニウムメッシュ(厚さ0.6、10メッシュ)mm、、接着シート3としてエポキシ樹脂成分を含むシート、金属体4としてハイテンを用いて、せん断破断力実験ができるような金属-プリプレグ複合体Aを製造した。一方、アルミニウムメッシュ2を用いずに同様の方法で同形状の金属-プリプレグ複合体Bを製造した。得られた金属-プリプレグ複合体A及びBを同条件で加熱プレスを実施し、得られた金属-繊維強化樹脂成形体のせん断破断力(引っ張り試験機を用いて実施。引っ張り速度10mm/分)でせん断破断力を測定したところ、接合力は、おおよそ1.05倍~1.3倍程度向上することがわかった。
【符号の説明】
【0027】
1・・・プリプレグ
2・・・アルミニウムメッシュ
3・・・接着シート
4・・・金属板
5・・・複合繊維強化樹脂層
A・・・金属-プリプレグ複合体A
【要約】
【課題】
製造コストを抑えつつ、接着力の高い、金属-繊維強化樹脂成形体を製造するための金属-プリプレグ複合体、及び前記金属-プリプレグ複合体をプレス成形して得られる金属-繊維強化樹脂成形体。
【解決手段】
繊維強化樹脂プリプレグ層と、前記繊維強化樹脂プリプレグ層上に配置された複数の貫通孔を有する金属から構成される接着強化層と、前記接着強化層上に配置された接着シートと、前記接着シート上に配置された金属体を含む金属-プリプレグ複合体を作製し、当該金属-プリプレグ複合体を金属と繊維強化樹脂との複合材料は、加熱プレス成形による製造により金属-繊維強化樹脂複合成形体を製造することができる。
【選択図】図1
図1