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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】画像表示ユニット
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20220404BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20220404BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220404BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220404BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G06F3/14 360A
G02B27/02 Z
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/00 530T
G09G5/36 510V
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021018412
(22)【出願日】2021-02-08
(62)【分割の表示】P 2019506914の分割
【原出願日】2017-03-24
(65)【公開番号】P2021100252
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】粥川 悦雄
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-204998(JP,A)
【文献】特開2009-042967(JP,A)
【文献】特開2005-348382(JP,A)
【文献】特開平08-328512(JP,A)
【文献】特開平06-078247(JP,A)
【文献】特開平08-005954(JP,A)
【文献】特開2017-058840(JP,A)
【文献】特開2006-030802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G06F 3/14
G02B 27/02
G09G 5/00
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示ユニットであって、
頭部装着装置と、
前記頭部装着装置と別体に設けられる操作装置であって、前記頭部装着装置と通信可能に設けられる前記操作装置と、
制御装置と、を備え、
前記頭部装着装置は、
ユーザの頭部に装着可能なフレームと、
前記フレームに搭載され、透過性を有する頭部装着側表示部と、
を備え、
前記操作装置は、
前記ユーザが前記操作装置に指示を入力するための操作部と、
情報を表示するための操作装置側表示部と、
を備え、
前記制御装置は、前記頭部装着側表示部と前操作装置側表示部とに、
前記ユーザが正面を見る場合の前記頭部装着側表示部における前記ユーザの視野の中央近傍に対応する範囲である中部に画像を表示させずに、前記操作装置側表示部に画像を表示させる、第1表示と、
記中部に画像を表示させる、第2表示と、
を選択的に行わせ
前記制御装置は、前記操作部に第1操作の入力が要求されている間に、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とに前記第1表示を行わせる、画像表示ユニット。
【請求項2】
前記制御装置は、前記操作部に前記第1操作の入力が要求されていない間に、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とに前記第2表示を行わせる、
請求項1に記載の画像表示ユニット。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とが前記第2表示を行っている間に、前記操作部に前記第1操作とは異なる第2操作が入力される場合に、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とに前記第2表示を終了させて前記第1表示を開始させ、
前記第2操作は、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とが前記第2表示を行っている間に、前記操作部への入力が要求されていない操作である、
請求項2に記載の画像表示ユニット。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とが前記第1表示を行っている間に、前記操作部に前記第1操作が入力される場合に、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とに前記第1表示を終了させて前記第2表示を開始させる、
請求項2又は3に記載の画像表示ユニット。
【請求項5】
頭部装着装置と、前記頭部装着装置と別体であって前記頭部装着装置と通信可能に設けられる操作装置と、制御装置と、を備える画像表示ユニットにおける前記制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記頭部装着装置は、
ユーザの頭部に装着可能なフレームと、
前記フレームに搭載され、透過性を有する頭部装着側表示部と、
を備え、
前記操作装置は、
前記ユーザが前記操作装置に指示を入力するための操作部と、
情報を表示するための操作装置側表示部と、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置を、
前記頭部装着側表示部と前操作装置側表示部とに、
前記頭部装着側表示部における前記ユーザの視野の中央近傍に対応する範囲である中部に画像を表示させずに、前記操作装置側表示部に画像を表示させる、第1表示と、
記中部に画像を表示させる、第2表示と、
を選択的に行わせ
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置に、前記操作部に第1操作の入力が要求されている間に、前記頭部装着側表示部と前記操作装置側表示部とに前記第1表示を行わせように機能させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、ユーザの頭部に装着して使用される頭部装着装置と、頭部装着装置と通信可能に設けられる操作装置とを備える画像表示ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ユーザの頭部に装着して使用される画像表示装置が開示されている。この画像表示装置は、ユーザの頭部に装着可能なフレームと、フレームに搭載され、フレームを装着したユーザの眼に対向する位置に配置される表示部を備える。そして、画像表示装置は、画像表示装置とは別体に設けられる操作装置とコードを介して通信可能に接続されている。ユーザは、画像表示装置を頭部に装着した状態で、操作装置を操作することで、画像表示装置に様々な指示を入力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-149587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、操作装置は、決定キー、タッチパッド、方向キーを含む操作部を備えているが、画像を表示するための表示部は備えていない。特許文献1の技術では、操作装置に表示部が備えられる場合において、画像表示装置の表示部と操作装置の表示部とにどのように画像を表示させるのかは考慮されていない。
【0005】
本明細書では、ユーザが視認し得る態様で各表示部に適切に画像を表示し得る画像表示ユニットを開示する。
【0006】
本明細書によって開示される画像表示ユニットは、頭部装着装置と、前記頭部装着装置と別体に設けられる操作装置であって、前記頭部装着装置と通信可能に設けられる前記操作装置と、制御装置と、を備える。前記頭部装着装置は、ユーザの頭部に装着可能なフレームと、前記フレームに搭載され、前記フレームを装着した前記ユーザの右眼に対向する位置に配置され、透過性を有する第1表示部と、前記フレームに搭載され、前記フレームを装着した前記ユーザの左眼に対向する位置に配置され、透過性を有する第2表示部と、を備える。前記操作装置は、前記ユーザが指示を入力するための操作部と、情報を表示するための第3表示部と、を備える。前記制御装置は、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに、前記第1表示部における中央部近傍の範囲である第1中央部と、前記第2表示部における中央部近傍の範囲である第2中央部と、に画像を表示させずに、前記第3表示部に画像を表示させる、第1表示と、前記第1中央部と前記第2中央部とに画像を表示させる、第2表示と、を選択的に行わせる。
【0007】
ここで、「第1中央部」は、第1表示部のうち、ユーザの右眼が正面を見る場合において、ユーザの視野の中央部近傍に対応する範囲、と言い換えてもよい。また、「第1中央部」を、第1表示部のうち、ユーザの右眼が正面を見る場合において、ユーザの右眼の瞳孔に対向する範囲、と言い換えてもよい。同様に、「第2中央部」は、第2表示部のうち、ユーザの左眼が正面を見る場合において、ユーザの視野の中央部近傍に対応する範囲、と言い換えてもよい。また、「第2中央部」を、第2表示部のうち、ユーザの左眼が正面を見る場合において、ユーザの左眼の瞳孔に対向する範囲、と言い換えてもよい。
【0008】
上記の構成によると、第1表示が行われている間は、第1中央部及び第2中央部に画像が表示されないため、頭部装着装置を装着しているユーザは、第1表示部及び第2表示部越しに、操作装置の第3表示部に表示されている画像を、第1表示部及び第2表示部に表示される画像によって妨げられることなく視認することができる。そして、第2表示が行われている間は、第1中央部及び第2中央部に画像が表示されるため、頭部装着装置を装着しているユーザは、第1中央部及び第2中央部に表示される画像を視認することができる。従って、上記の構成によると、第1表示部と第2表示部と第3表示部とに、ユーザが視認できる態様で適切に画像を表示させ得る。
【0009】
前記制御装置は、前記操作部に第1操作の入力が要求されている間に、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに前記第1表示を行わせ、前記操作部に前記第1操作の入力が要求されていない間に、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに前記第2表示を行わせるようにしてもよい。
【0010】
ここで、「第1操作」は、例えば、ユーザID及びパスワードの入力操作、暗証番号の入力操作、OKボタン(又はキャンセルボタン)の選択操作、アプリケーション終了操作等、ユーザに対して、入力が要求される様々な操作を含む。
【0011】
操作部に第1操作の入力が要求されている場合には、頭部装着装置を装着しているユーザは、操作装置の第3表示部を見ながら操作部に第1操作を入力する必要がある可能性が高い。上記の構成によると、操作部に第1操作の入力が要求されている場合に、頭部装着装置を装着しているユーザは、第1表示部及び第2表示部越しに、操作装置の第3表示部に表示されている画像を、第1表示部及び第2表示部に表示される画像によって妨げられることなく視認しながら第1操作を入力することができる。ユーザが第1操作を適切に入力することができる。
【0012】
前記制御装置は、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とが前記第2表示を行っている間に、前記操作部に前記第1操作とは異なる第2操作が入力される場合に、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに前記第2表示を終了させて前記第1表示を開始させてもよい。前記第2操作は、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とが前記第2表示を行っている間に、前記操作部への入力が要求されていない操作であってもよい。
【0013】
ここで、「第2操作」は、例えば、操作装置のロック状態を解除するためのタッチ操作等、ユーザに第1操作の入力が要求される前の様々な操作を含む。
【0014】
操作部に第2操作が入力される場合、ユーザが、その後、操作部にさらに操作(例えば第1操作)を入力する可能性がある。上記の構成によると、第2表示が行われている間に第2操作が入力される場合に、第2表示が終了して第1表示が開始される。そのため、第2操作が入力された後、ユーザは、第1表示部及び第2表示部に表示される画像によって妨げられることなく、そのまま第3表示部を視認しながら操作部に操作を入力することができる。ユーザの操作の利便性が妨げられることを抑制することができる。
【0015】
前記制御装置は、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とが前記第1表示を行っている間に、前記操作部に前記第1操作が入力される場合に、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに前記第1表示を終了させて前記第2表示を開始させてもよい。
【0016】
この構成によると、ユーザが第3表示部を視認しながら操作部に第1操作を入力した後は、ユーザは、第1中央部及び第2中央部に表示される画像を視認することができる。
【0017】
前記第2表示は、前記第1中央部と前記第2中央部とに同じ画像を表示させる第1種の前記第2表示と、前記第1中央部と前記第2中央部とに異なる画像を表示させる第2種の前記第2表示と、を含んでもよい。前記制御装置は、前記第1表示部と前記第2表示部と前記第3表示部とに、前記第1種の第2表示と、前記第2種の第2表示と、を選択的に行わせてもよい。
【0018】
この構成によると、ユーザに様々な態様の画像を視認させ得る。
【0019】
前記第2種の第2表示では、前記第1中央部に表示される画像は、右眼によって第1角度から見た対象物を示す画像を含み、前記第2中央部に表示される画像は、左眼によって前記第1角度とは異なる第2角度から見た前記対象物を示す画像を含んでもよい。
【0020】
この構成によると、ユーザに画像を立体的に視認させ得る。
【0021】
なお、上記の頭部装着装置、操作装置、及び、制御装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】画像表示ユニットの外観を示す。
図2】画像表示ユニットのブロック図を示す。
図3】表示制御処理のフローチャートを示す。
図4】第1表示の一例を示す。
図5】第2表示の一例(2D表示)を示す。
図6】第2表示の一例(2D連続表示)を示す。
図7】第2表示の一例(3D表示)を示す。
【0023】
(実施例)
(画像表示ユニット2の構成;図1
図1に示す画像表示ユニット2は、頭部装着装置10と、操作装置100とを備える。画像表示ユニット2は、頭部装着装置10と、操作装置100とを用いて各種画像を表示するための表示ユニットである。頭部装着装置10と操作装置100とは、通信ケーブル150によって有線通信可能に接続されている。変形例では、頭部装着装置10と操作装置100とは、相互に無線通信可能であってもよい。
【0024】
(頭部装着装置10の構成;図1図2
図1に示す頭部装着装置10は、ユーザの頭部に装着して用いられる画像表示用装置(いわゆるヘッドマウントディスプレイ)である。図1に示すように、頭部装着装置10は、フレーム12と、右表示部14Rと、左表示部14Lと、操作部16と、右カメラ18Rと、左カメラ18Lと、右投影部20Rと、左投影部20Lと、コントロールボックス30と、を備えている。以下、右表示部14Rと左表示部14Lとを区別せずに呼ぶ場合には単に「表示部14」と呼ぶ場合がある。同様に、右カメラ18Rと左カメラ18Lとを区別せずに「カメラ18」と呼び、右投影部20Rと左投影部20Lとを区別せずに「投影部20」と呼ぶ場合がある。
【0025】
フレーム12は、眼鏡フレーム状の部材である。ユーザは、眼鏡を装着するようにフレーム12を装着することによって、頭部装着装置10を頭部に装着することができる。
【0026】
表示部14は透光性の表示部材である。ユーザが頭部装着装置10を頭部に装着すると、ユーザの右眼に対向する位置に右表示部14Rが配置され、左眼に対向する位置に左表示部14Lが配置される。表示部14が透光性であるため、ユーザは、表示部14越しに周囲を視認することができる。また、表示部14はハーフミラー構造を有しており、投影部20から照射される光(即ち画像を構成する光)を反射してユーザの眼に投影し、ユーザの眼に画像を視認させることができる。
【0027】
操作部16は、複数個のボタン、ダイヤル等を含む。ユーザは、操作部16を操作して、頭部装着装置10に様々な指示を入力することができる。
【0028】
カメラ18は、頭部装着装置10を装着するユーザの視界範囲に対応する範囲を撮影するためのカメラである。右カメラ18Rは、フレーム12のうち、右表示部14Rの上方位置(即ち、ユーザの右眼の上方に対応する位置)に配置されている。一方、左カメラ18Lは、フレーム12のうち、左表示部14Lの上方位置(即ち、ユーザの左眼の上方に対応する位置)に配置されている。右カメラ18Rはユーザの右眼の視界範囲を撮影し、左カメラ18Lはユーザの左眼の視界範囲を撮影する。
【0029】
投影部20は、投影部20は、表示部14に画像を表わす光を投影するための部材である。右投影部20R、左投影部20Lは、それぞれ、右表示部14R、左表示部14Lの側部に設けられている。右投影部20Rは右表示部14Rに光を照射し、左投影部20Lは左表示部14Lに光を照射する。投影部20は、図示しないLEDパネル、プリズム、LCOSパネル、レンズ等の光学要素を内蔵している。投影部20は、制御部40(図2参照)の指示に従って、所定の仮想画像を側方から表示部14に投影する。表示部14は、投影部20から投影された光を反射してユーザの眼に投影する。これにより、ユーザは、表示部14越しにユーザが視認可能な現実世界の対象物又は/及び空間の所定の位置に、画像が重畳されたかの様に、現実世界の対象物又は/及び空間と画像とを視認することができる。以下、本明細書では、制御部40が、投影部20に画像の投影を指示することによって、表示部14に所望の画像が表示されているようにユーザに視認させることを説明する場合に、投影部20の動作の説明を省略し、単に「制御部40が表示部14に所望の画像を表示させる」などと表現する場合がある。
【0030】
図1図2に示すコントロールボックス30は、フレーム12の一部に内蔵されている制御装置である。コントロールボックス30には、頭部装着装置10の制御系統を司る各要素が収容されている。具体的には、図2に示すように、コントロールボックス30には、制御部40と、メモリ42と、無線通信インターフェース44と、有線通信インターフェース46とが収容されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0031】
制御部40は、メモリ42に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。また、制御部40は、図2に示すように、操作部16、カメラ18、投影部20、メモリ42、無線通信I/F44、及び有線通信I/F46と電気的に接続されており、これらの各要素の動作を制御することができる。また、制御部40は、有線通信I/F46を介して操作装置100の制御部140と有線通信を行うことにより、制御部140と協働して後述の表示制御処理(図3参照)を実行することもできる。
【0032】
無線通信I/F44は、図示しないインターネットを介して外部の装置と無線通信(即ちWi-Fi通信)を実行するためのI/Fである。
【0033】
有線通信I/F46は、通信ケーブル150を介して、操作装置100と有線通信を実行するためのI/Fである。有線通信I/F46は通信ケーブル150に接続されている。
【0034】
(操作装置100の構成;図1図2
操作装置100は、ユーザが手で操作して様々な指示を入力するための端末装置である。操作装置100は、操作装置100及び頭部装着装置10に電力を供給するバッテリ(図示省略)を内蔵している。図1に示すように、操作装置100は、本体102と、本体102の表面に設けられているタッチパネル103と、を備える。そして、図2に示すように、本体102の内側には、さらに、制御部140と、メモリ142と、有線通信I/F146とが設けられている。
【0035】
本体102は、操作装置100の筐体である。タッチパネル103は、様々な情報を表示するためのディスプレイとしての機能と、ユーザが入力する様々な指示を操作装置100に入力するタッチパッドとしての機能とを併せ持つ。タッチパネル103は、ユーザの操作を検出するためのセンサ(図示しない)を内蔵している。即ち、タッチパネル103は、表示部と操作部とが一体に構成された要素である。変形例では、表示部と操作部とが別体に設けられていてもよい。
【0036】
制御部140は、メモリ142に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。また、制御部140は、図2に示すように、タッチパネル103、メモリ142、及び、有線通信I/F146と電気的に接続されており、これらの各要素の動作を制御することができる。また、制御部140は、有線通信I/F146を介して頭部装着装置10の制御部40と有線通信を行うことにより、制御部40と協働して後述の表示制御処理(図3参照)を実行することもできる。
【0037】
有線通信I/F46は、通信ケーブル150を介して、頭部装着装置10と有線通信を実行するためのI/Fである。有線通信I/F46は通信ケーブル150に接続されている。
【0038】
(表示制御処理;図3
続いて、頭部装着装置10の制御部40と、操作装置100の制御部140とが協働して実行する表示制御処理について説明する。以下の説明では、協働する制御部40と制御部140とを総称して単に「制御部」と呼ぶ場合がある。表示制御処理は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に対して、状況に応じた画像を表示させるための制御処理である。制御部は、頭部装着装置10及び操作装置100の電源がオンされている間、図3の表示制御処理を繰り返し実行する。
【0039】
S10では、制御部は、操作装置100のタッチパネル103における操作の入力が要求されている状況であるか否かを判断する。以下では、タッチパネル103での操作の入力が要求されている状況のことを「特定の状況」と呼ぶ場合がある。ここで、「特定の状況」は、例えば、ユーザID及びパスワードの入力操作、暗証番号の入力操作、OKボタン(又はキャンセルボタン)の選択操作、アプリケーション終了操作等、ユーザに対して、タッチパネル103での操作の入力が要求される様々な状況を含む。一方、特定の状況ではない状況とは、例えば、右表示部14R及び左表示部14Lに画像が表示され、ユーザがタッチパネル103を操作する必要がない状況である。制御部は、現在特定の状況であると判断する場合に、S10でYESと判断してS12に進む。一方、制御部は、現在特定の状況ではないと判断する場合に、S10でNOと判断してS14に進む。
【0040】
S12では、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第1表示(図4参照)を行わせる。S12の時点で既に第1表示が行われている場合には、制御部は、第1表示が行われている状態を維持する。
【0041】
(第1表示の具体例;図4
図4を参照して第1表示の一例を説明する。図4に示す第1表示は、タッチパネル103を操作して暗証番号(即ちPINコード)を入力することをユーザに要求するための表示である。図4の例では、右表示部14Rの中央部近傍の部分である右中央部14RCと、左表示部14Lの中央部近傍の部分である左中央部14LCと、には画像が一切表示されない。右中央部14RCは、頭部装着装置10を装着したユーザの右眼が正面を見る場合において、ユーザの視野の中央部近傍に対応する範囲、と言い換えてもよい。また、右中央部14RCは、頭部装着装置10を装着したユーザの右眼が正面を見る場合において、ユーザの右眼の瞳孔に対向する範囲、と言い換えてもよい。同様に、左中央部14LCは、頭部装着装置10を装着したユーザの左眼が正面を見る場合において、ユーザの視野の中央部近傍に対応する範囲、と言い換えてもよい。また、左中央部14LCは、頭部装着装置10を装着したユーザの左眼が正面を見る場合において、ユーザの左眼の瞳孔に対向する範囲、と言い換えてもよい。
【0042】
これに対し、右表示部14Rのうちの右中央部14RCの周囲の部分である右周辺部14RPと、左表示部14Lのうちの左中央部14LCの周囲の部分である左周辺部14LPとには、タッチパネル103を操作して、暗証番号を入力すべきことをユーザに伝えるメッセージを示す画像200R、200Lが表示される。画像200R、200Lは同じ画像である。そのため、ユーザは、視界の下方の部分において「Enter Code」というメッセージを視認することができる。ただし、右中央部14RC及び左中央部14LCに画像が表示されていないため、ユーザは、画像200R,200Lによって妨げられることなく、表示部14越しに周囲(例えばタッチパネル103)を視認することができる。
【0043】
タッチパネル103には、暗証番号入力のためのキーボードを示す画像210と、OKボタンを示す画像220と、キャンセルボタンを示す画像230と、が表示される。ユーザは、表示部14越しにタッチパネル103を見ながら、暗証番号を入力する操作を行うことができる。
【0044】
即ち、図3のS12で行われる第1表示は、右中央部14RC及び左中央部14LCに画像を表示させることなく、タッチパネル103に画像を表示させる表示、と言い換えてもよい。制御部は、S12で第1表示を行うと、S10に戻って、特定の状況か否かの判断を再度行う。
【0045】
一方、S14では、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第2表示(図5図7参照)を行わせる。S14の時点で既に第2表示が行われている場合には、制御部は、第2表示が行われている状態を維持する。
【0046】
(第2表示の具体例(1);図5
図5を参照して第2表示の一例を説明する。図5に示す第2表示は、ユーザに、表示部14に表示されたリンゴの画像250L,250Rを平面的に視認させるための表示である。図5の例では、左表示部14L,右表示部14Rには、リンゴを示す画像250L,250Rが表示されている。図5の例では、画像250L,250Rは、左中央部14LC,右中央部14RCを含む範囲に表示される。画像250L,250Rは同じ画像である。これにより、ユーザに、1個のリンゴの画像を平面的に視認させることができる。そのため、図5に示すタイプの第2表示を「2D表示」と呼んでもよい。
【0047】
タッチパネル103には、ロック解除用のアイコンを示す画像260が表示されている。即ち、図5の例では、タッチパネル103は、操作装置100が待機中であることを示している。ユーザが画像260をタッチする操作を入力すると、操作装置100のロックが解除され、操作装置100を操作可能な状態(例えば、特定の状況)に移行する。
【0048】
(第2表示の具体例(2);図6
図6を参照して第2表示の他の一例を説明する。図6に示す第2表示は、ユーザに、表示部14に表示された一つの蛇の画像270L,270Rを平面的に視認させるための表示である。図6の例では、左表示部14Lには、頭部を含む蛇の半身を示す画像270Lが表示され、右表示部14Rには、尾部を含む蛇の半身を示す画像270R(即ち画像270Lの続きの画像)が表示されている。図6の例でも、画像270L,270Rは、左中央部14LC,右中央部14RCを含む範囲に表示される。図6の例では、画像270L,270Rが表示されることにより、一続きの1匹の大きな蛇の画像をユーザに平面的に視認させる。そのため、図6に示すタイプの第2表示を「2D連続表示」と呼んでもよい。なお、図6の例でも、タッチパネル103には、ロック解除用のアイコンを示す画像260が表示される。ユーザが画像260をタッチする操作を入力すると、ロックが解除され、操作装置100を操作可能な状態(例えば、特定の状況)に移行する。
【0049】
(第2表示の具体例(3);図7
図7を参照して第2表示の他の一例を説明する。図7に示す第2表示は、ユーザに、表示部14に表示されたマグカップの画像280R,280Lを立体的に視認させるための表示である。図7の例では、右表示部14Rには、右眼によって右側の角度から見た場合の1個のマグカップを示す画像である画像280Rが表示される。左表示部14Lには、左眼によって左側の角度から見た場合の1個のマグカップを示す画像である画像280Lが表示される。図7の例でも、画像280L,280Rは、左中央部14LC,右中央部14RCを含む範囲に表示される。画像280L,280Rは、同じ対象物を異なる角度から見た場合の画像であり、互いに異なる画像である。図7の例では、画像280L,280Rが表示されることにより、1個のマグカップの画像をユーザに立体的に視認させる。そのため、図7に示すタイプの第2表示を「3D表示」と呼んでもよい。なお、図7の例でも、タッチパネル103には、ロック解除用のアイコンを示す画像260が表示される。ユーザが画像260をタッチする操作を入力すると、ロックが解除され、操作装置100を操作可能な状態(例えば、特定の状況)に移行する。
【0050】
図5図7の各例に示すように、図3のS14で行われる第2表示は、右中央部14RC及び左中央部14LCに画像を表示させる表示、と言い換えてもよい。S14では、制御部は、画像表示ユニット2の稼働状況に応じて、図5図7のうちのどのタイプの第2表示を行わせるのかを切り替えることができる。制御部は、S14で第2表示を行うと、S10に戻って、特定の状況か否かの判断を再度行う。
【0051】
(表示切替の具体例)
表示部が図3の表示制御処理を実行することにより、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103が、第1表示(S12)と第2表示(S14)とを選択的に行う場合の具体例を説明する。
【0052】
例えば、画像表示ユニット2において所定のアプリケーションが起動され、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103が、図5に示す第2表示(即ち2D表示)を行っている状況を想定する。この場合、ユーザが、タッチパネル103の画像260にタッチすると、操作装置100のロックが解除される。
【0053】
操作装置100のロックが解除されると、タッチパネル103は、ユーザに暗証番号の入力を要求する。この際、制御部は、特定の状況であると判断し(S10でYES)、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に図4に示す第1表示を行わせる(S12)。
【0054】
ユーザは、表示部14越しにタッチパネル103を視認しながらタッチパネル103を操作し、暗証番号を入力する操作を行う。入力された暗証番号の認証が成功すると、別のアプリケーションが起動される。その結果、制御部は、特定の状況ではなくなったと判断し(S10でNO)、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に、第1表示を終了させて図6に示す第2表示(即ち2D連続表示)を行わせる。この場合の第2表示(図6)は、暗証番号の認証が成功したことによって行われる第2表示である。
【0055】
上記の例に示すように、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103が第2表示(図5図7参照)を行っている間に、タッチパネル103の画像260にタッチする操作を行うことで、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第2表示を終了させ、第1表示を行わせることができる。また、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103が第1表示(図4参照)を行っている間に、タッチパネル103において、ユーザに要求されている操作が入力される場合に、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第1表示を終了させ、第2表示を行わせることができる。このように、制御部は、画像表示ユニット2の状況に応じて、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第1表示と第2表示のどちらを行わせるのかを切り替えることができる。
【0056】
以上、本実施例の画像表示ユニット2の構成及び動作について説明した。本実施例の画像表示ユニット2によると、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103において第1表示(図4参照)が行われている間は、右中央部14RC及び左中央部14LCに画像が表示されないため、頭部装着装置10を装着しているユーザは、表示部14越しに、操作装置100のタッチパネル103に表示されている画像を、表示部14に表示される画像によって妨げられることなく視認することができる。そのため、ユーザは、表示部14越しにタッチパネル103を視認しながら、タッチパネル103を操作して、要求されている操作を入力することができる。そして、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103において第2表示(図5図7参照)が行われている間は、右中央部14RC及び左中央部14LCを含む右表示部14R及び左表示部14Lに画像が表示されるため、頭部装着装置10を装着しているユーザは、右表示部14R及び左表示部14Lに表示される画像を視認することができる。従って、本実施例の画像表示ユニット2によると、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に、ユーザが視認できる態様で適切に画像を表示させることができる。
【0057】
また、制御部は、画像表示ユニット2の状況に応じて、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第1表示と第2表示のどちらを行わせるのかを切り替えることができる(図3参照)。第2表示が行われている間に、タッチパネル103に画像260をタッチする操作が入力される場合、ユーザが、その後、タッチパネル103にさらに操作(例えば暗証番号の入力操作)を入力する可能性がある。本実施例によると、第2表示が行われている間に画像260をタッチする操作が入力される場合に、第2表示が終了して第1表示が開始される。そのため、画像260をタッチする操作が入力された後、ユーザは、表示部14に表示される画像によって妨げられることなく、そのままタッチパネル103を視認しながらタッチパネル103に操作を入力することができる。ユーザの操作の利便性が妨げられることを抑制することができる。
【0058】
また、本実施例では、制御部は、右表示部14R、左表示部14L、及びタッチパネル103に第2表示を行わせる場合に、図5図7のうちのいずれかのタイプの第2表示を行わせることができる。本実施例の画像表示ユニット2によると、ユーザに様々な態様の画像を視認させることができる。
【0059】
実施例と請求項の対応関係を説明しておく。右表示部14R、左表示部14L、タッチパネル103が、それぞれ「第1表示部」、「第2表示部」、「第3表示部」の一例である。右中央部14RC、左中央部14LCが、それぞれ、「第1中央部」、「第2中央部」の一例である。タッチパネル103が「操作部」の一例である。制御部40と制御部140とが「制御装置」の一例である。図4の画像210~230がタッチパネル103に表示されている間に、タッチパネル103に暗証番号を入力する操作が「第1操作」の一例である。図5図7の画像260をタッチする操作が「第2操作」の一例である。図5の表示が「第1種の第2表示」の一例である。図6図7の表示が「第2種の第2表示」の一例である。
【0060】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0061】
(変形例1)上記の実施例では、制御部40と制御部140とが協働して図3の表示制御処理を実行する。これに限られず、制御部40が単独で図3の表示制御処理を実行してもよい。その場合、制御部40が「制御装置」の一例である。また、制御部140が単独で図3の表示制御処理を実行してもよい。その場合、制御部140が「制御装置」の一例である。また、頭部装着装置10と操作装置100とは異なる別の制御装置が図3の表示制御処理を実行してもよい。
【0062】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7