(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】自動運転トラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
G08G1/127 A
(21)【出願番号】P 2021098424
(22)【出願日】2021-06-14
【審査請求日】2021-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-208092(JP,A)
【文献】特開2021-024457(JP,A)
【文献】特開平11-126294(JP,A)
【文献】特開2002-321620(JP,A)
【文献】特開2003-267212(JP,A)
【文献】特開2020-087317(JP,A)
【文献】再公表特許第2014/002267(JP,A1)
【文献】特開2011-022646(JP,A)
【文献】特開2021-116055(JP,A)
【文献】特表2020-536447(JP,A)
【文献】特開2018-195311(JP,A)
【文献】特表2008-537709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B61L 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転手を設定しない、クラウドAIによる運
行制御を行う自動運転のFCVまたはEVの空気タイヤで走行するトラムであって、トラム専用走行レーンの設定によって、人や他の交通媒体を排除し、60km/時にて走行可能なトラムであって、また引き込みレーン経由でバリアフリーの停留所を設定し、トラム専用走行レーンでは停車をしないトラムであって、スマートホンでの予約が可能であり、その予約状況によって該クラウドAIがトラムの増便を可能とする自動運転
トラムシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、市街地を走る路面電車やバスに類し、運転手は置かずクラウドAI制御での自動運転を行い、バリアフリーで乗降を可能とし、便利に安全に運行する技術に関するものである。
また本発明は、線路がなく、空気タイヤで走行するのでバスに近いものであるが、しかしながら、他の交通媒体を受け入れない専用走行レーンを設定することがあるので、電車に近い特質をもつことから、便宜上トラムと呼称する。
【背景技術】
【0002】
路面電車は線路が邪魔になり、また電力を供給するためのパンタグラフを介しての電力供給の電線等を張り巡らさなければならない。一方乗り合いバスは一般道路を走り、歩行者や自転車等の妨げになるので、バリアフリーの設定が難しい。また、しばしば交通渋滞に巻き込まれ、到着時間が読めないことも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転技術を使って、運転手がいなくてもよい状態をつくることにあるが、基本的な技術的な課題として、どんなもの作りでも、市場故障率を0.01%以下に抑えることが難しいので、事故時のリスク低減として以下の条件下でのクラウドAIの制御による自動運転を行う。
・ 自動運転時のスピードを低速に限定する。
・ 自動運転時の走行エリア・レーンを限定することで、60km程度までスピードの範囲を広める。
以上によって、稼働台数の数が増えることによってリスクが高まる0.01%程度の確率で発生する事故に対して、大けがや死亡事故が発生しないよう(万が一の事故でのかすり傷程度は仕方がない)にすることができ、特に深夜での走行や種々の作業を自動で行えるようにする。
繁華街では、安全柵や花壇等で囲い、必要に応じ信号機を設定し、「トラム専用走行レーン」(トラムの幅より少し余裕があればよい。←正確に走行できる。)を設定し、郊外では、「トラム優先道路」を設定し、人や他の交通媒体がトラムの走行の邪魔にならないように配慮する。
停留所はゆるい傾斜のスロープで道路とのつなぎをする台を設定し、乗降時でのバリアフリーとし、人や車いす以外にも、宅配ロボットや掃除ロボットあるいはロボット型ゴミ回収車などが乗降する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基本ベースとしての温室効果ガス0の目標達成の為に、FCV(燃料電池車)あるいはEV(電気自動車)を採用する。繁華街では安全柵や花壇等で専用レーンを設定し、郊外ではトラム優先道路を設定することで、人や他の交通媒体との接触をなくし、あるいは大幅に減らして、接触事故の低減を行うことで、60km程度のスピードまで許容する。
さらに、停留所を引込型にした上で、バリアフリーにするためのスロープ付帯の乗降台を設定する。
【発明の効果】
【0006】
無人運転での安心・安全な運行ができ、またバリアフリーなので、(電動)車いすや宅配移動ロボットも搭乗することができる。ざらに引込型の停留所設定なので、乗降客が居ない場合は、前を走っていた乗降客のいるトラムを追い越しての走行が可能となるほか、走行レーンには基本的に停車トラムは存在しないので、制御の利かなくなったトラムが乗客による緊急停止ボタンを押すまでに、前方のトラムに衝突の可能性は大幅に減少し、事故の確率がさらに低下する。
さらに、線路がなくても各種センサーによる正確な移動が可能になり、走行レーンの車幅との間隔は最小に設定が可能なので、全体のスペースを有効に使える上に、線路や電力供給システムが不要となる。
深夜の時間帯でも、スマホ等であらかじめ予約をし、あらかじめ料金を支払っておけば、トラム1の運行を行うことができるため、例えばクラス会などで夜中の2時頃になったとしても搭乗することができ、また深夜時間帯でのグリーンエリア(乗客が停車ボタンを押して停車できるエリア)での下車を可能とすることで、バリアフリーではないが、家の近くでの下車を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
繁華街では、安全柵や花壇等で囲い、必要に応じ信号機を設定し、「トラム走行専用レーン」を設定し、郊外では、「トラム走行優先道路」に設定し、人や他の交通媒体がトラムの走行の邪魔にならないよう配慮する。
また、前記設定をおこなうことで、故障時での事故の確率が大幅に低下し、トラムの走行スピードを60km程度にまでアップすることが可能となる。
【0009】
図1において、右側のトラム1がビルの1Fの繁華街型引き込みレーン6の停車場に停車している状態である。該トラム1には運転手が設定されておらず、内部観察監視カメラ2及び外部観察監視カメラ3の映像によって、乗降客の有無やトラブルの発生の有無、トラム1内の客の安全確認等をクライドAIにて行いながら、該クラウドAI制御による運航を行う。停留所には、傾斜スロープを付帯した高さ調整台4が設定され、バリアフリーになっており、車いす、電動車いす、宅配移動ロボット、掃除ロボット等が乗り込めるようになっている。
繁華街型引き込みレーン6の停車場にトラム1が停止する意味はもう一つあって、トラム専用走行レーン7では、乗客が押す緊急停止ボタン以外では停車をすることがないため、故障・暴走をした後続車が追突をする確率が大幅に減る。
【0010】
信号機5は該クラウドAI制御で管理されており、トラム1が繁華街型引き込みレーン6を通過する際には、必要な時間の余裕をもって作動し、人や他の交通媒体の該繁華街型引き込みレーン6への侵入を防止する。トラム専用走行レーン7には、安全柵10が設定されており、基本的に人や他の交通媒体は侵入できないようになっている。尚、該安全柵10の代わりに、花壇や他の建造物の設定でも全く問題がない。
郊外で土地に余裕のあるところでは、複数の郊外型引き込みレーン9とそれをカバーする広めのバリアフリーエリア8を設定し、トラム専用走行レーン7には必要に応じて安全柵10を設定するが、周辺に住宅がない場合は、安全柵10を設定せずに、単にトラム1優先道路の設定のみを行う。
【0011】
乗車方法はエレベーターの感覚に近く、スマとホンアプリまたは、スマートホンアプリのない人は停留所にある行先表示&行先設定ボード11から行きたい場所を選び、該当するボタンを押すと、内蔵LEDランプが点灯する。混雑していて、該ボタンを押せないときには、エレベーターと同様に「〇〇をお願いします。」と声をかけて、行先表示&行先設定ボード11の近くの人から代わりに押してもらう。間違ったボタンを押してしまった場合は、5秒以内であれば、二度押しすることで、ボタンの解除が可能になる。
【0012】
尚、特急停車場12、普通停車場13、急行停車場14は、それぞれすぐ近くにありながら、各独立して設置することで、客層を分離し、乗降時間を短縮できる。さらに、停車場ではトラム1の左右のドアが同時に開き、片方を下車客用、もう片方を乗客用とすることで、(進行方向右ドアが下車用、左ドアが乗車用と決める等)乗降時間を短縮する。
またスマートホンで、特急停車場12、普通停車場13、急行停車場14の各待ち人数やネット予約者、そして次に到着予定のトラム1の混雑情報をあらかじめ確認し、混雑をしていない(座れる)停車場を選択して行くことが可能になる。
【0013】
遊び用途や通勤用途を問わず、基本的にスマートホンからのネット予約をすることで、クラウドAIが混雑する時間帯ではトラム1の増便(時間間隔を短くする)を可能とするシステムとする。また、スマートホンをかざすだけで、あるいは顔認証で乗車できるようにするシステムを構築する。
【産業上の利用可能性】
【0014】
無人運転での安心・安全な運行ができ、またバリアフリーなので、(電動)車いすや宅配移動ロボットも搭乗することができる。ざらに引込型の停留所設定なので、乗降客が居ない場合は、前を走っていた乗降客のいるトラムを追い越しての走行が可能となるほか、走行レーンには基本的に停車トラムは存在しないので、制御の利かなくなったトラムが乗客による緊急停止ボタンを押すまでに、前方のトラムに衝突の可能性は大幅に減少し、事故の確率がさらに低下する。
さらに、線路がなくても各種センサーによる正確な移動が可能になり、走行レーンの車幅との間隔は最小に設定が可能なので、全体のスペースを有効に使える上に、線路や電力供給システムが不要となる。
深夜の時間帯でも、スマートホン等であらかじめ予約をし、あらかじめ料金を支払っておけば、トラム1の運行を行うことができるため、例えばクラス会などで夜中の2時頃になったとしても搭乗することができ、また深夜時間帯でのグリーンエリア(乗客が停車ボタンを押して停車できるエリア)での下車を可能とすることで、バリアフリーではないが、家の近くでの下車を可能とする。
【符号の説明】
【0015】
1.トラム
2.内部監察監視カメラ
3.外部観察監視カメラ
4.高さ調整台
5.信号機
6.繁華街型引き込みレーン
7.トラム専用走行レーン
8.バリアフリーエリア
9.郊外型引き込みレーン
10.安全柵
11.行先表示&行先設定ボード
12.特急停車場
13.普通停車場
14.急行停車場
【要約】 (修正有)
【課題】市街地を走る路面電車やバスに類し、運転手は置かずクラウドAI制御での自動運転を行い、バリアフリーで乗降を可能とし、便利に安全に運行する技術の提供。
【解決手段】基本ベースとしての温室効果ガス0の目標達成の為に、FCV(燃料電池車)あるいはEV(電気自動車)を採用する。繁華街では柵や花壇等で専用レーンを設定し、郊外ではトラム優先道路を設定することで、人や他の交通媒体との接触をなくし、あるいは大幅に減らして、接触事故の低減を行うことで、60Km程度のスピード迄許容する。さらに、停留所を引込型にした上で、バリアフリーにするためのスロープ付帯の乗降台を設定する。
【選択図】
図1