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特許7051172レンズ装置およびラインレーザー光照射装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】レンズ装置およびラインレーザー光照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220404BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20220404BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20220404BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20220404BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220404BHJP
【FI】
F21S2/00 330
F21V5/04 600
G01C15/00 103C
G01C15/02
F21Y115:30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021550294
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 JP2021017149
(87)【国際公開番号】W WO2021221150
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2021-08-27
(31)【優先権主張番号】P 2020081307
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520155033
【氏名又は名称】塚本 国夫
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100082913
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】塚本 国夫
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-301755(JP,A)
【文献】特開2002-098530(JP,A)
【文献】特開2018-169379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
G01C 15/00
G01C 15/02
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を発光するレーザー光源に固定され、前記レーザー光を屈折させることでラインレーザー光を照射するレンズ装置であって、
レンズ部と、
前記レンズ部を前記レーザー光源に固定するための固定部と、を備え、
前記レンズ部は円管形状であり、
前記固定部は、前記レーザー光源で発光した前記レーザー光が、前記レンズ部の中心軸を外して、前記レンズ部に照射されることにより、ラインレーザー光が該レンズ部の全方向360度にわたって前記レンズ部から照射可能に、前記レンズ部を前記レーザー光源に固定可能である、
レンズ装置。
【請求項2】
前記レンズ部は、
第1レンズ部と、
第2レンズ部と、を含み、
前記固定部は、
前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部の軸方向と、前記レーザー光源で発光した前記レーザー光の進行方向と、が直交する位置、
前記第1レンズ部の軸方向と、前記第2レンズ部の軸方向と、が直交する位置、
かつ、前記レーザー光源で発光した前記レーザー光が、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部の中心軸を外して、前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部に照射される位置、
に前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部を前記レーザー光源に固定可能である、
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記第1レンズ部及び前記第2レンズ部から照射されるラインレーザー光を反射させる第1反射部をさらに備える、
請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記第1反射部は、該第1反射部に進入する前記ラインレーザー光の少なくとも一部を透過可能である、
請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記第1反射部は前記固定部に移動可能に設けられており、該第1反射部で反射する前記ラインレーザー光の反射角度を調整可能である、
請求項3又は請求項4に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記レーザー光源で発光した前記レーザー光を反射させる第2反射部をさらに備え、
前記固定部は、前記第2反射部で反射した前記レーザー光が前記レンズ部の中心軸を外して、前記レンズ部に照射されるように、前記レンズ部及び前記第2反射部を前記レーザー光源に固定可能である、
請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記固定部は、
前記レンズ部を、該レンズ部の軸方向と、前記レーザー光源から進行する前記レーザー光の進行方向とが同軸方向となるように、前記レーザー光源に固定可能である、
請求項に記載のレンズ装置。
【請求項8】
前記第2反射部は、該第2反射部に進入する前記ラインレーザー光の少なくとも一部を透過可能である、
請求項又は請求項に記載のレンズ装置。
【請求項9】
前記第2反射部は前記固定部に移動可能に設けられており、該第2反射部で反射する前記レーザー光の反射角度を調整可能である、
請求項乃至請求項のいずれか1つに記載のレンズ装置。
【請求項10】
円管形状である前記レンズ部の内部に空洞部を有する、
請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載のレンズ装置。
【請求項11】
円管形状である前記レンズ部の内部に該レンズ部を支持する支持部を有し、
前記支持部の屈折率は前記レンズ部と異なる、
請求項1乃至請求項1のいずれか1つに記載のレンズ装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項1のうちいずれか1つのレンズ装置と、
前記レンズ装置に前記レーザー光を供給する光源装置と、を備える、
ラインレーザー光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置およびラインレーザー光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2005-214673号公報(特許文献1)がある。この公報には、「レーザ墨出し器のレンズとして円筒レンズを利用すること」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-214673号公報
【発明の概要】
【0004】
レーザー光を発光するレーザー光源に固定され、前記レーザー光を屈折させることでラインレーザー光を照射するレンズ装置であって、
レンズ部と、
前記レンズ部を前記レーザー光源に固定するための固定部と、を備え、
前記レンズ部は円管形状であり、
前記固定部は、前記レーザー光源で発光した前記レーザー光が、前記レンズ部の中心軸を外して、前記レンズ部に照射されるように、前記レンズ部を前記レーザー光源に固定可能である、
レンズ装置。
【0005】
レンズ装置と、
前記レンズ装置に前記レーザー光を供給する光源装置と、を備える、
ラインレーザー光照射装置。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態のレンズ装置の斜視図である。
図2】第1実施形態のレンズ装置を備えるラインレーザー光照射装置の斜視図である。
図3】第1実施形態のラインレーザー光照射装置の作用を説明する図である。
図4】第1実施形態のラインレーザー光照射装置の上面図である。
図5】第1実施形態のラインレーザー光照射装置の機能を説明する図である。
図6】第1実施形態の第1変形例のレンズ装置の斜視図である。
図7】第1実施形態の第1変形例のラインレーザー光照射装置の機能を説明する図である。
図8】第1実施形態の第2変形例のレンズ装置の斜視図である。
図9】第2実施形態のレンズ装置の斜視図である。
図10】第3実施形態のレンズ装置の斜視図である。
図11】第3実施形態のラインレーザー光照射装置の作用を説明する第1図である。
図12】第3実施形態のラインレーザー光照射装置の作用を説明する第2図である。
図13】第3実施形態のラインレーザー光照射装置の機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1乃至図8で示す、第1実施形態のレンズ装置及びラインレーザー光照射装置を説明する。
図1はレンズ装置の斜視図である。
図2はラインレーザー光照射装置の斜視図である。
【0008】
レンズ装置1は、レンズ部21,22及び固定部3を備える。
ラインレーザー光照射装置10は、レンズ装置1及び光源装置であるレーザー光源4を備える。
ラインレーザー光照射装置10は、レーザー光源4で発光したレーザー光をレンズ部21,22に進入させることでラインレーザー光を照射できる。
【0009】
レンズ装置1は、レーザー光を発光するレーザー光源4に固定され、レーザー光を屈折させるための装置である。レンズ装置1のレンズ部21,22で屈折したレーザー光はライン状となる。
レンズ装置1のレンズ部21,22は固定部3によりレーザー光源4に固定される。
【0010】
レンズ装置1は第1レンズ部21及び第2レンズ部22の2つのレンズ部を有する。
レンズ部21,22の材料はガラスまたは、透明なプラスチック類である。
なお、垂直方向(y軸方向)における、第1レンズ部21と第2レンズ部22とは離間していても、近接していてもよい。
【0011】
レンズ装置1の固定部3は、取付具3A及び留具3Bを有する。
固定部3の取付具3Aはレーザー光源4に螺合または嵌合により固定することができるが、その他の方法で固定されてもよい。
取付具3Aは開口3A1を含む。
レーザー光源4から発光したレーザー光は開口3A1を通過してレンズ部21,22に進入する。
固定部3の留具3Bは、取付具3Aにレンズ部21,22を固定するための部材である。
なお、取付具3Aは切欠3A2を含む。当該切欠3A2は、レンズ部21,22から照射されたラインレーザー光を取付具3Aで遮ることを抑制するために設けられている。これにより、より広範囲にラインレーザー光を照射することができる。
【0012】
ラインレーザー光照射装置10のレーザー光源4は、スイッチ4Aを有する。
レーザー光源4はスイッチ4Aが押されるとレーザー光を発光する。
スイッチ4Aが押されるとレーザー光がレンズ部21,22に進入し、レーザー光が屈折することで、ラインレーザー光照射装置10からライン状のレーザー光が照射される。
【0013】
ところで、従来において、ラインレーザー光を照射するためのレンズ装置は、その構成が複雑であった。
そこで、本実施形態におけるレンズ装置1のレンズ部21,22は円管形状となっている。
また、固定部3は、レーザー光源4で発光したレーザー光が、第1レンズ部21の中心軸を外して、当該第1レンズ部21に照射されるように、当該第1レンズ部21をレーザー光源4に固定する。また、固定部3は、レーザー光源4で発光したレーザー光が、第2レンズ部22の中心軸を外して、当該第2レンズ部22に照射されるように、当該第2レンズ部22をレーザー光源4に固定する。
この構造により、レンズ装置1を有するラインレーザー光照射装置10はラインレーザー光を照射できる。
【0014】
第1レンズ部21は、当該第1レンズ部21の軸方向と、レーザー光源4で発光したレーザー光の進行方向と、が直交するように、固定部3により、レーザー光源4に固定されている。また、第2レンズ部22は、当該第2レンズ部22の軸方向と、レーザー光源4で発光したレーザー光の進行方向と、が直交するように、固定部3によりレーザー光源4に固定されている。
【0015】
図3はレンズ装置1の第1レンズ部21の断面図である。断面のハッチングは省略して図示している。
図3で図示するとおり、円管形状である第1レンズ部21は、内部に円柱状の空洞部21Bと、当該空洞部21Bを取り囲む厚み部21Aと、を備える。なお、図3においては、円管形状である第1レンズ部21の仮想の中心軸Cを点線で図示している。
【0016】
図3を用いて第1実施形態のラインレーザー光照射装置10の作用を説明する。
レーザー光源4で発光したレーザー光Lは固定部3の取付具3Aの開口3A1を通過して、当該第1レンズ部21の厚み部21Aに進入する。
なお、レーザー光源4で発光したレーザー光Lが、第1レンズ部21の中心軸を外して、当該第1レンズ部21に照射されるように、当該第1レンズ部21がレーザー光源4に固定されている。言い換えれば、レーザー光源4で発光した少なくとも一部のレーザー光Lの直進方向上に第1レンズ部21の中心軸Cが位置しないように、第1レンズ部21がレーザー光源4に固定されている。
【0017】
図3で図示するとおり、第1レンズ部21の厚み部21Aに進入したレーザー光が、厚み部21Aと、空洞部21B又は第1レンズ部21の外周の空気と、の界面で反射を繰り返すことで、厚み部21A内の全周にレーザー光が進入することとなる。
そして、厚み部21Aと第1レンズ部21の外周の空気との界面で反射せずに、当該外周の空気へと入射したレーザー光L1がライン状のレーザー光となる。
【0018】
なお、本実施形態においては、レンズ部21,22の直径は5mmであり、空洞部の直径は3mmである。すなわち、レンズ部21,22の厚み部の厚みは全周にわたり1mmである。
【0019】
図4は、ラインレーザー光照射装置の上面図である。
図4で図示するとおり、本実施形態においては、第1レンズ部21の軸方向と、第2レンズ部22の軸方向と、が直交するように、レーザー光源4に固定されている。
【0020】
第1レンズ部21は第2レンズ部22よりレーザー光源4に近い位置にある。言い換えれば、図1において、第1レンズ部21は第2レンズ部22より下側に位置する。
第1レンズ部21及び第2レンズ部22のいずれか一方から照射されたラインレーザー光L1及びL2の少なくとも一部が、第1レンズ部21及び第2レンズ部22の他方に進入しないような位置に、第1レンズ部21及び第2レンズ部22がレーザー光源4に固定されている。言い換えれば、レーザー光源4から発光したレーザー光Lは、第1レンズ部21にのみ進入する部分及び第2レンズ部22にのみ進入する部分を有する。
【0021】
この構成により、ラインレーザー光照射装置10は、其々直交する2本のライン状のレーザー光L1及びL2を照射できる。
故に、レンズ装置1と、当該レンズ装置1にレーザー光Lを供給するレーザー光源4と、を備える、ラインレーザー光照射装置10は、建築現場などにおいて、例えば、配管等の位置を決める墨出し作業などでも利用できる。
【0022】
図5は、ラインレーザー光照射装置10の機能を説明する図である。
図5においては、一点鎖線及び破線で仮想の空間Rを図示している。
当該空間R内でラインレーザー光照射装置10を垂直上向きの状態で利用すると、其々が直交する2つのラインレーザー光L1及びL2を、空間Rを構成する壁に広範囲に照射できる。なお、ラインレーザー光照射装置10自身がラインレーザー光L1及びL2を遮るため、ラインレーザー光照射装置10の下方にはラインレーザー光L1及びL2が照射されていない領域がある。
【0023】
他の実施形態として、第1レンズ部21及び第2レンズ部22のそれぞれに対応する、複数のレーザー光源を備えていてもよい。
他の実施形態として、レンズ装置1を覆う保護部を備えていてもよく、当該保護部はラインレーザー光が通過できる開口部を有する。
【0024】
図6及び図7で示す、第1実施形態の第1変形例のレンズ装置及びラインレーザー光照射装置を説明する。
図6は、第1実施形態の第1変形例のレンズ装置の斜視図である。
【0025】
本変形例のレンズ装置は、第1レンズ部21及び第2レンズ部22から照射されるラインレーザー光L1,L2を反射させる第1反射部51をさらに備える。
第1反射部51は、接続部3Cを介して、第1レンズ部21を固定する留具3Bに固定されている。
【0026】
第1反射部51は、該第1反射部51に進入するラインレーザー光L1,L2の少なくとも一部を透過する。
第1反射部51で反射するラインレーザー光の反射角が0度より大きくなるような方向に、第1反射部51の反射面が臨むように、第1反射部51が固定されている。
【0027】
図7は、第1実施形態の第1変形例のラインレーザー光照射装置の機能を説明する図である。
第1レンズ部21及び第2レンズ部22から照射されたラインレーザー光L1,L2のうち、第1反射部51により反射したラインレーザー光が空間Rの側方壁に照射される。
特に、第2レンズ部22から照射されたラインレーザー光L2が第1反射部51により反射することにより、水平方向に延びるラインレーザー光L3を側方壁に照射できる。
なお、第1レンズ部21から照射されたラインレーザー光のうち、第1反射部51を介していないラインレーザー光L1と、第1反射部51で反射したラインレーザー光L1と、が重なるような方向に、第1反射部51の反射面が臨むように、第1反射部51が固定されている。
第1レンズ部21及び第2レンズ部22から照射されたラインレーザー光L1,L2のうち、第1反射部51を透過したラインレーザー光L1,L2が空間Rの上方壁に照射される。
【0028】
図8で示す、第1実施形態の第2変形例のレンズ装置を説明する。
図8は、第1実施形態の第2変形例のレンズ装置の斜視図である。
第1反射部51で反射するラインレーザー光L1,L2を該ラインレーザー光の進入方向と逆行方向に反射可能な方向に、第1反射部51の反射面が臨んでいる。すなわち、第1反射部51の反射面は、図8における垂直下方を臨んで固定されている。これにより、第1レンズ部21及び第2レンズ部22から放射されるラインレーザー光の形状L1,L2は、上述する図5で示す形状と同じであるが、図5における垂直下方におけるラインレーザー光L1,L2の照度を向上できる。
【0029】
他の実施形態として、第1反射部51の反射面が臨む角度を適宜調節できる調節機構を備えていてもよい。
【0030】
図9で示す、第2実施形態のレンズ装置を説明する。
図9は第2実施形態のレンズ装置の斜視図である。
上述する第1実施形態のレンズ装置と同一の構成要素には同一の符号を付す。上述する第1実施形態と実質的に同様である構成については説明を省略する。
【0031】
第2実施形態のレンズ装置1は、円管形状である第1レンズ部21及び第2レンズ部22の内部に該レンズ部を支持する支持部を有する。
支持部は、レンズ部21,22を取付具3Aに固定するための留具3Bである。第2実施形態のレンズ装置における留具3Bはレンズ部21,22の内部を貫通している。
留具3Bは、レンズ部21,22と異なる屈折率を有する部材であればよい。留具3Bは、透過性を有しない、例えば、金属であってもよい。
当該構成により、レンズ部21,22の耐久性を向上できる。
【0032】
第2実施形態のレンズ装置1は、第1実施形態のレンズ装置1がより小型・軽量化されたものである。
レンズ部21,22の直径は1.2mmであり、空洞部の直径は0.5mmである。すなわち、レンズ部21,22の厚み部の厚みは全周にわたり0.35mmである。
留具3Bの直径は0.2mmである。
【0033】
図10乃至図13で示す、第3実施形態のレンズ装置及びラインレーザー光照射装置を説明する。
図10は第3実施形態のレンズ装置の斜視図である。
上述する第1実施形態のレンズ装置及びラインレーザー光照射装置と同一の構成要素には同一の符号を付す。上述する第1実施形態と実質的に同様である構成については説明を省略する。
【0034】
レンズ装置1は、1つの円管形状の第3レンズ部23を備える。
レンズ装置1は、レーザー光源4で発光したレーザー光を反射させる第2反射部52を備える。
【0035】
第3レンズ部23は、該レンズ部の軸方向と、レーザー光源から進行するレーザー光の進行方向とが同軸方向となるように、固定部3により、レーザー光源に固定可能である。すなわち、第3レンズ部23は、固定部3である取付具3Aに固定されており、第3レンズ部23の軸方向は取付具3Aから垂直方向に延びている。
【0036】
第2反射部52は、レーザー光源4から進行するレーザー光Lを反射できる位置に、レーザー光源4に固定可能である。すなわち、レンズ装置1をレーザー光源4に取り付けた場合において、第2反射部52は、レーザー光源4から進行するレーザー光を反射できる位置及び角度で、取付具3Aに取り付けられている。第2反射部52は、接続部3Dにより取付具3Aに取り付けられている。
【0037】
図11は第3実施形態のラインレーザー光照射装置の作用を説明する第1図である。
レーザー光源4で発光した、レーザー光源4から進行するレーザー光Lは、固定部3の取付具3Aの開口3A1を通過して、第2反射部52で直角に反射する。図11で示す第2反射部52はレーザー光Lを直角に反射させるように固定されている。すなわち、第2反射部52の反射面は45度傾いている。
第2反射部52で反射したレーザー光LRは、第3レンズ部23の中心軸を外して、第3レンズ部23に進入する。これにより、第3レンズ部23から水平に延びるラインレーザー光L4を照射できる。
【0038】
第2反射部52は、該第2反射部52に進入するラインレーザー光の少なくとも一部を透過する。
第3レンズ部23から照射されたラインレーザー光L4のうち、第2反射部52に進入するレーザー光L4の少なくとも一部は第2反射部52を透過する。
【0039】
図12は第3実施形態のラインレーザー光照射装置の作用を説明する第2図である。
第2反射部52を支持する接続部3Dは変形可能な部材であり、例えば、金属であってもよい。接続部3Dの形状を変形させることにより、第2反射部52の位置及び角度が調整可能である。
図12は、図11で示す状態から、第2反射部52の角度が変更された状態の図である。
第2反射部52の反射面が臨む角度が変更されることで、第2反射部52で反射したレーザー光LRが第3レンズ部23に進入する位置及び角度が変更される。
図12において一点鎖線で示す矢印Aの方向に第2反射部52が押し上げられて移動することにより、第2反射部52の反射面が臨む角度が変更される。
【0040】
図13は、ラインレーザー光照射装置10の機能を説明する図である。
図13で示すように、空間R内でラインレーザー光照射装置10を垂直上向きの状態で利用すると、水平方向に延びるラインレーザー光L4を、空間Rを構成する側壁の全方向360度に照射可能である。そして、上述したとおり、レーザー光源4から進行するレーザー光Lの反射角が大きくなるように第2反射部52の角度が変更されることで、円形のレーザー光L5がラインレーザー光L4より上方に照射される。レーザー光Lの反射角がさらに大きくなるように第2反射部52の角度が変更されることで、円状のレーザー光L5より小さい円状のレーザー光L6が照射される。さらに、レーザー光Lの反射角が大きくなるように第2反射部52の角度が変更されることで、円状のレーザー光L6よりさらに小さい円状のレーザー光(図示せず)が照射される。
【0041】
他の実施形態として、ラインレーザー光照射装は、上述した第1実施形態又は第2実施形態のレンズ装置と、第3実施形態のレンズ装置と、をいずれも含んでいてもよい。
【0042】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 :レンズ装置
21 :第1レンズ部
22 :第2レンズ部
23 :第3レンズ部
3 :固定部
4 :レーザー光源
51 :第1反射部
52 :第2反射部
10 :ラインレーザー光照射装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13