(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220404BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2022000233
(22)【出願日】2022-01-04
【審査請求日】2022-01-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0235301(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0174185(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0105508(US,A1)
【文献】特開2002-297890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得する構造情報取得部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記構造情報取得部は、前記エンベロープを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶し、
前記判定部は、前記エンベロープが前記条件を満たさない場合に前記エンベロープを前記一次記憶装置から削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記メッセージボディを取得する前に、前記エンベロープを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記抽出部は、前記メッセージボディを解析した後に、前記メッセージボディを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージヘッダ及び前記メッセージボディを前記メールサーバから取得し、
前記抽出部は、前記メッセージヘッダ及び前記メッセージボディを解析して前記取引情報を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールデータを解析して購買情報を収集することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子メールデータには購買情報以外にもプライベートな情報が含まれることがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、電子メールを安全に処理することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得する構造情報取得部と、取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子メールを安全に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態のレコメンドシステムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得する構造情報取得部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記構造情報取得部は、前記エンベロープを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶し、
前記判定部は、前記エンベロープが前記条件を満たさない場合に前記エンベロープを前記一次記憶装置から削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記メッセージボディを取得する前に、前記エンベロープを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記抽出部は、前記メッセージボディを解析した後に、前記メッセージボディを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージヘッダ及び前記メッセージボディを前記メールサーバから取得し、
前記抽出部は、前記メッセージヘッダ及び前記メッセージボディを解析して前記取引情報を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶する条件記憶部と、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記メッセージヘッダのみを取得する構造情報取得部と、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目7]
項目6に記載の情報処理システムであって、
前記構造情報取得部は、前記メッセージヘッダを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶し、
前記判定部は、前記メッセージヘッダが前記条件を満たさない場合に前記メッセージヘッダを前記一次記憶装置から削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目8]
項目6又は7に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記メッセージボディを取得する前に、前記メッセージヘッダを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目9]
項目6ないし8のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記抽出部は、前記メッセージボディを解析した後に、前記メッセージボディを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目10]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目11]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記メッセージヘッダのみを取得するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目12]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[項目13]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる前記メッセージヘッダのみを取得するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、電子メールを処理しようとするものであり、電子メールに含まれる商取引に関する情報(以下、取引情報という。)を抽出する。本実施形態では、電子メールに含まれる商取引以外の情報をなるべく取り出さないように安全な処理を行う。
【0012】
図1は、本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、サーバ装置20を含んで構成される。サーバ装置20は、ユーザ端末10、外部サーバ41及び電子メールサーバ42のそれぞれと、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク30は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末10は、商品の消費者であるユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10は、例えば、Webブラウザの機能を備え、ユーザはユーザ端末10においてWebブラウザを操作することにより、オンラインショッピングにより商品を購入したり、有料コンテンツを閲覧したりすることができる。
【0014】
外部サーバ41は、商取引に関連するコンピュータである。外部サーバ41は、例えば、ECサイトを運営するWebサーバとすることができる。ユーザは、ユーザ端末10を利用して外部サーバ41にアクセスして商品やサービスを購入することができる。外部サーバ41は、例えば、商品を販売するオンラインストアを提供するサーバであってもよいし、動画や書籍などのコンテンツを提供するコンテンツ配信サービスのサーバであってもよいし、旅行サービスを提供する旅行会社のサーバであってもよい。すなわち、外部サーバ41は、商品をユーザに販売するシステムであればよい。外部サーバ41は、ユーザが商品を購入した場合には、購入した商品に関する情報を電子メール(チャットサービスにおけるメッセージを含む。以下同じ。)にてユーザに送信する。これは、一般的なECサイトなどにおいても行われていることである。
【0015】
電子メールサーバ42は、電子メールを管理するコンピュータである。電子メールサーバ42は、いわゆるMRA(Mail Retrieval Agent)であり、メールボックスを備え、例えば、IMAPなどのプロトコルによりメールボックスに配送されている電子メールを提供することができる。
【0016】
サーバ装置20は、ユーザの商取引の相手方からユーザ向けに送信された電子メールを解析して、ユーザが行った商取引に関連する取引情報を取得するコンピュータである。サーバ装置20は、ユーザに対する商品のレコメンドを行うこともでき、レコメンドに応じて商品が購入された場合に、ユーザに対してリワードを付与することができる。サーバ装置20は、例えば、ユーザ端末10で動作するソフトウェア(アプリ)に対して商品を提案し、ユーザ端末10が実行するアプリ上でユーザに対して商品が提案されるようにしてもよいし、ECサイトなどの外部サーバ41からのリクエストに応じて商品を提案し、ユーザはユーザ端末10が実行するWebブラウザによりECサイトの画面上で提案された商品を閲覧するようにしてもよい。サーバ装置20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
<ハードウェア>
図2は、サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ装置20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ装置20が備える各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、サーバ装置20が備える各記憶部は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
<管理サーバ20のソフトウェア>
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、フィルタ条件記憶部230、リワード情報記憶部231、商品情報記憶部232、提案履歴記憶部233、取引データ記憶部234、商品提案部210、構造情報取得部211、判定部212、電子メール取得部213、抽出部214、リワード付与部215、を備える。
【0019】
フィルタ条件記憶部230は、処理対象とするべき電子メールの条件(以下、フィルタ条件という。)を記憶する。フィルタ条件には、電子メールのエンベロープに対する条件が含まれうる。エンベロープに対する条件は、例えば、エンベロープに含まれていた差し出し元(エンベロープフロム)が既知のECサイトや店舗の電子メールアドレスであることとすることができる。この場合、全ての既知のECサイトや店舗などの電子メールアドレスをリスト(ホワイトリスト)により指定することができる。
【0020】
また、フィルタ条件には、電子メールのメッセージヘッダに対する条件が含まれうる。メッセージヘッダに対する条件は、例えば、メッセージヘッダに含まれる差し出し元が既知のECサイトや店舗の電子メールアドレスであることとすることができる。この場合、全ての既知のECサイトや店舗などの電子メールアドレスをホワイトリストにより指定することができる。
【0021】
リワード情報記憶部231は、ユーザに付与するリワードに関する情報(以下、リワード情報という。)を記憶する。リワード情報には、リワードを特定するリワードIDに対応付けて、商品(サービスを含む。以下同じ。)を特定する商品ID、商品の提案に係る条件、ユーザに付与するリワードが含まれうる。リワード情報記憶部231は、例えば、商品の広告主によるキャンペーンごとにリワード情報を記憶することができる。条件は、例えば、ターゲティング広告におけるセグメントを特定するための情報(例えば、ユーザのデモグラフィック情報の指定など)であってもよいし、特定の商品を購入したユーザを特定するための情報(商品を特定する情報)であってもよい。また、条件には、キャンペーンの期間(開始日時と終了日時)を設定するようにしてもよい。付与するリワードは、ポイントや仮想通貨などの交換価値を有するものであってもよいし、割引券などのクーポンであってもよいし、実体的なグッズなどのプレゼントであってもよいし、デジタルコンテンツなどであってもよい。また、リワードには、例えば、ポイントやプレゼントの個数などを計算するための計算式を設定し、リワードを付与するときに、付与するポイント数やプレゼントの個数を動的に計算するようにしてもよい。また、リワードには、他にもリワードを決定するルールを設定するようにし、リワードを付与する際にルールに従ってリワードを決定するようにしてもよい。
【0022】
商品情報記憶部232は、商品についての情報(以下、商品情報という。)を記憶する。商品情報には、商品を特定する商品IDに対応付けて、タイトル及び商品説明を含めることができる。タイトルには商品の名称を設定してもよいし、商品を提案する際のキャッチコピーなどを設定してもよい。商品説明には、自由記述のテキストデータや画像データ、動画データなどを含めることができる。
【0023】
提案履歴記憶部233は、ユーザに対して提案した商品を記憶する。提案履歴記憶部233が記録する提案履歴には、提案先となったユーザを示すユーザID、提案した商品を示す商品ID、リワード情報を示すリワードID、提案した日時を対応付けて含めることができる。また、本実施形態では、当該提案履歴に対応する取引が行われたことに対するリワードが付与されたか否かを示すリワードフラグも提案履歴に含めることができる。
【0024】
取引情報記憶部234は、商取引に関する情報(以下、取引情報という。)を記憶する。取引情報には、日時、取引日、取引が行われた店舗の店舗名、当該店舗が出店しているECサイトの名称(ECサイト名)、商品に対する支払金額、決済手段、商品の送料、取引に係る取引金額、商品の名称(商品名)などが含まれうる。日時は、電子メールの受信日時としてもよいし、取引日時としてもよい。店舗が独自にオンライン販売をしているような場合には、ECサイト名は設定されなくてよい。取引情報には1回の決済の対象となった複数の商品が含まれ得る。取引金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料その他に応じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額となる。決済手段は、クレジットカードやポイント、プリペイドカード、QRコード(登録商標)決済など、各種の決済手段のうちどの決済手段により決済されたかを示す。取引情報の各項目は、例えば、ECサイトなどの販売者が購入者であるユーザに対して確認のための情報として送信した電子メールから取得することができる。
【0025】
商品提案部210は、ユーザに対して商品又はサービスを提案する。商品提案部210は、例えば、リワード記憶部231に登録されているリワード情報のうち条件が充足されているものを取得し、取得したリワード情報に含まれる商品IDが示す商品情報を商品情報記憶部232から取得してユーザに提案する。商品提案部210は、例えば、ユーザ端末10に対して商品情報を送信するようにすることができる。商品提案部210は、例えば、リワード情報にユーザの属性に対する条件が設定されている場合には、ユーザの属性(ユーザごとの属性を管理するユーザデータベースを設けるようにしてもよいし、ユーザの属性を管理している外部サーバに問い合わせるようにしてもよい。)を取得して、取得した属性が条件を満たすリワード情報を検索することができる。また、リワード情報にキャンペーン期間が設定されている場合には、現在の日時がキャンペーン期間に含まれているものを検索することができる。また、これらの複数の条件をAND又はOR条件として検索するようにしてもよい。商品提案部210は、商品を提案したときに、提案したユーザを示すユーザID、提案した商品を示す商品ID、リワード情報を示すリワードID、提案した日時、「偽」のリワードフラグを設定した提案履歴を作成して提案履歴記憶部233に追加することができる。
【0026】
構造情報取得部211は、ユーザに宛てた電子メールを管理する電子メールサーバ42にアクセスする。構造情報取得部211は、例えばIMAP(Internet Message Access Protocol)などのプロトコルに従って、電子メールサーバ42から電子メールに含まれるエンベロープ(ENVELOPE)のみを取得することができる。ここで構造情報取得部211は、電子メールのメッセージボディ(BODYやBODYSTRUCTUREなど)あるいは電子メール全体(ALLやRFC822など)やBODYSTRUCTURE)は取得せず、エンベロープのみを取得するようにする。また、構造情報取得部211は、エンベロープを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶するようにする。
【0027】
また、構造情報取得部211は、エンベロープに代えて、又はエンベロープに加えて、電子メールに含まれるメッセージヘッダ(RFC822.HEADERなど)を取得することができる。なお、この場合にも構造情報取得部211は、メッセージボディが含まれる情報を取得しないようにする。メッセージヘッダについても、構造情報取得部211は、二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶するようにする。
【0028】
判定部212は、エンベロープが条件を満たすか否かを判定する。判定部212は、構造情報取得部211が取得して一次記憶装置に記憶したエンベロープを検証する。判定部212は、例えば、機械学習により学習した、エンベロープ電子メールの内容がプライベートな内容であるか、商取引に関するものであるかを分類する分類器を用いて、エンベロープが条件を満たすかどうかの判定処理としてもよい。判定部212は、エンベロープが条件を満たさない場合にエンベロープを一次記憶装置から削除することができる。
【0029】
判定部212は、メッセージヘッダが条件を満たすか否かを判定することもできる。構造情報取得部211がメッセージヘッダを取得した場合には、一次記憶装置に記憶されたメッセージヘッダを検証することができる。判定部212は、メッセージヘッダが条件を満たさない場合にメッセージヘッダを一次記憶装置から削除することができる。
【0030】
電子メール取得部213は、エンベロープが条件を満たす場合に、電子メールに含まれるメッセージボディを電子メールサーバ42から取得することができる。電子メール取得部213は、エンベロープが条件を満たす場合に、メッセージヘッダ及びメッセージボディをメールサーバから取得するようにしてもよい。また、電子メール取得部213は、メッセージボディを含む電子メールのデータ全体(ALL、FULL、RFC822など)を電子メールサーバ42から取得するようにしてもよい。
【0031】
電子メール取得部213は、メッセージボディを取得する前に、一次記憶装置からエンベロープを削除することができる。
【0032】
また、構造情報取得部211が、メッセージヘッダを取得していた場合に、判定部212が、メッセージヘッダ(あるいはエンベロープ及びメッセージヘッダの両方)が条件を満たすときに、電子メール取得部213は、メッセージボディを電子メールサーバ42から取得することができる。
【0033】
電子メール取得部213は、メッセージボディを取得する前に、一次記憶装置からメッセージヘッダ(あるいはエンベロープ及びメッセージヘッダの両方)を削除することができる。
【0034】
抽出部214は、電子メールのメッセージボディを解析して取引情報を抽出する。抽出部214は、例えば、予め用意してある、メッセージのフォーマットを解析するためのルールを適用することにより、メッセージボディから取引情報を取得することができる。ルールには、例えば、正規表現などによりどのような情報がどのような形式で記述されているかを特定しておくことができる。また、ルールは、商品の販売者(ECサイトや直販サイトなど)ごとに準備するようにしてもよい。取引情報には、少なくとも商品を特定する情報(例えば、メーカー名や商品名など)が含まれるようにすることができる。抽出部214は、抽出した取引情報を取引情報記憶部234に登録することができる。なお、抽出部214は、電子メールのメッセージヘッダを取引情報の抽出処理に用いることもできる。例えば、抽出部214は、メッセージIDをメッセージヘッダから抽出して取引情報に含めるようにしてもよい。また、抽出部214は、ECサイト名や店舗名を決定するために、メッセージヘッダに含まれる差出元(From)を利用するようにしてもよい。
【0035】
また、抽出部214は、メッセージヘッダ及びメッセージボディを解析して取引情報を抽出するようにしてもよい。例えば、メッセージヘッダに対するルールとメッセージボディに対するルールとを別々に記憶するようにしてもよい。
【0036】
抽出部214は、メッセージボディを解析した後に、メッセージボディを削除することができる。抽出部214は、メッセージボディとメッセージヘッダとを解析した場合には、メッセージボディとともにメッセージヘッダを削除することができる。
【0037】
リワード付与部215は、提案した商品に係る取引情報を電子メール(のメッセージボディ)から抽出できたことに応じてユーザにリワードを付与することができる。リワード付与部215は、例えば、抽出部214が取引情報の抽出に成功したときに、抽出した取引情報に含まれる商品と、電子メールの宛先のユーザとに対応する提案履歴(リワードフラグが「偽」のもの)が提案履歴記憶部233に登録されていた場合に、ユーザにリワードを行うことができる。リワード付与部215は、ユーザにリワードを行った後、取引情報及び提案履歴のリワードフラグには「真」を設定することができる。
【0038】
リワード付与部215は、抽出された取引情報の商品に対応するリワード情報に応じて付与するリワードの内容(種類や量)を決定することができる。リワード付与部213は、抽出した取引情報がリワード情報に含まれる条件を満たす場合に、当該リワード情報に設定されているリワード(又はリワード情報に基づいて決定されるリワード)をユーザに対して付与することができる。
【0039】
リワード付与部215は、リワード情報に依らずにリワードを付与するようにしてもよい。例えば、リワード付与部215は、電子メールのメッセージボディから取引情報を抽出できたことに応じて同一の又はユーザの属性に応じて異なるリワードをユーザに付与することができる。また、リワード付与部215は、抽出された取引情報に応じてリワードの種類や数を決定することもできる。例えば、リワード付与部215は、取引情報に含まれる商品(購入された商品)の数や金額に応じてリワードを決定することができる。また、リワード付与部215は、取引情報記憶部234に記憶されている当該ユーザの過去の購入データに応じて、付与するリワードの種類や数を変更するようにしてもよい。
【0040】
また、リワード付与部215は、付与するリワードの種類や量を抽選により決定するようにしてもよい。リワード付与部215は、例えば、クーポンやプレゼントなどのリワードを付与するか否かを抽選により決定することができる。また、リワード付与部215は、例えば、付与するポイントの数、付与するプレゼントのレアリティや価値などを抽選により決定することができる。この場合に、リワード付与部215は、例えば、ミニゲームをユーザ端末10で実行させ、ミニゲームの結果に応じて付与するリワードの種類や量を決定するようにしてもよい。
【0041】
<動作>
図4は、本実施形態のレコメンドシステムの動作を説明する図である。
【0042】
サーバ装置20は、ユーザに対して商品をレコメンドし(S301)、レコメンドした商品(レコメンド商品)を記憶しておく(S302)。サーバ装置20は、ユーザ宛の電子メール(例えば、商品を販売する販売者から購入者であるユーザに宛てた電子メール)から取引情報を抽出する(S303)。取引情報の抽出に成功した場合(S304)、サーバ装置20は、購入した商品に対応するレコメンド商品を検索し(S305)、レコメンド商品があれば(S306:YES)、ユーザにリワードを付与する(S307)。
【0043】
<取引情報の抽出処理>
図5は、取引情報の抽出処理の流れを示す図である。
【0044】
サーバ装置20は、電子メールサーバ42にアクセスする(S321)。サーバ装置20は、例えば、ユーザの認証情報(例えば、ユーザ名及びパスワードとしてもよいし、OAuth等によるアクセストークンなどであってもよい。)を予め記憶しておき、認証情報を電子メールサーバ42に送信することにより認証を受けることができる。サーバ装置20は、メッセージボディを取得することなく、エンベロープを取得して、一次記憶装置(メモリ202)に記憶する(S322)。
【0045】
サーバ装置20は、エンベロープがフィルタ条件を満たすか否かを判定し(S323)、フィルタ条件を満たす場合(S323:YES)、一次記憶装置からエンベロープを削除し(S324)、電子メールサーバ42からメッセージボディを取得する(S325)。サーバ装置20は、メッセージボディについても二次記憶装置には記憶せずに一次記憶装置に記憶するようにする。
【0046】
サーバ装置20は、メッセージボディを解析して取引情報を抽出する(S326)。サーバ装置20は、一次記憶装置からメッセージボディを削除し(S327)、取引情報を取引情報記憶部234に登録する(S328)。
【0047】
以上のようにして、ユーザに対して提案した商品が実際に購入したことを、ECサイト等の販売者からユーザに宛てた電子メールから検出し、実際に購入されたことを確認したうえで、ユーザにリワードを付与することができる。
【0048】
また、本実施形態の情報処理システムによれば、電子メールからの取引情報の抽出処理にあたり、まずはエンベロープのみから取引情報に該当する可能性が高いかどうかを判定し、可能性が高いもののみメッセージボディを電子メールサーバ42からダウンロードするようにすることができる。したがって、サーバ装置20が秘匿性の高い情報をなるべく電子メールサーバ42からダウンロードしないようにすることができるので、安全に処理を行うことが可能となる。
【0049】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0050】
例えば、本実施形態では、エンベロープのみから取引情報が含まれる電子メールを特定するものとしたが、これに限らず、エンベロープに加えて、又はエンベロープに代えて、メッセージヘッダを電子メールサーバ42から取得するようにして、メッセージヘッダがフィルタ条件を満たすか否かにより、処理対象となる電子メールを特定するようにしてもよい。この場合、メッセージヘッダについても一次記憶装置に記憶し、二次記憶装置には記憶しないようにすることができる。
【0051】
また、エンベロープが第1のフィルタ条件を満たしたものについて、さらにメッセージボディを取得する前に、メッセージボディを取得することなくメッセージヘッダのみを電子メールサーバ42から取得して、さらにメッセージヘッダが第2のフィルタ条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。この場合にも、メッセージヘッダについても一次記憶装置に記憶し、二次記憶装置には記憶しないようにすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、メッセージボディのみから取引情報を取得するものとしたが、メッセージヘッダからも取引情報の一部を取得するようにしてもよい。この場合、
図5のステップS326において、メッセージボディ及びメッセージヘッダから取引情報を抽出するようにすることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 ユーザ端末
20 サーバ装置
41 外部サーバ
42 電子メールサーバ
【要約】
【課題】電子メールを安全に処理することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、ユーザに宛てた電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、電子メールに含まれるエンベロープのみを取得する構造情報取得部と、取得したエンベロープが条件を満たすか否かを判定する判定部と、取得したエンベロープが条件を満たす場合に、電子メールに含まれるメッセージボディをメールサーバから取得する電子メール取得部と、メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1