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特許7051179情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
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  • 特許-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220404BHJP
【FI】
G06Q30/02 350
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022001923
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2022000233の分割
【原出願日】2022-01-04
【審査請求日】2022-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515239711
【氏名又は名称】BHI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】日昔 靖裕
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0235301(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0174185(US,A1)
【文献】特許第6755427(JP,B1)
【文献】特開2009-080564(JP,A)
【文献】特許第6951006(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0105508(US,A1)
【文献】特開2002-297890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又はサービスの提供者からユーザに宛てた電子メールをメールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記電子メールを解析して前記商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と、
前記取引情報に応じて前記ユーザにリワードを付与するリワード付与部と、
を備え、
前記電子メール取得部は、前記メールサーバから前記電子メールのエンベロープのみを取得し、前記エンベロープに基づいて前記電子メールが前記商品又はサービスに関連するか否かを判定し、前記商品又はサービスに関連すると判定した後に、前記電子メールのメッセージボディを前記メールサーバから取得すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザに対して提案した前記商品又はサービスを記憶する提案履歴記憶部をさらに備え、
前記リワード付与部は、前記提案した商品又はサービスに係る前記取引情報を前記電子メールから抽出できた場合に、前記ユーザに前記リワードを付与すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記リワード付与部は、過去の前記電子メールから抽出した前記取引情報に応じて前記リワードを付与すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記ユーザに対して前記商品又はサービスを提案する提案部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項2又は4に記載の情報処理システムであって、
前記商品又はサービスごとに、前記ユーザに付与する前記リワードを決定するためのリワード決定情報を記憶するリワード記憶部を備え、
前記リワード付与部は、前記提案した商品又はサービスに対応する前記リワード決定情報に基づいて前記ユーザに与える前記リワードを決定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
商品又はサービスの提供者からユーザに宛てた電子メールのエンベロープのみをメールサーバから取得するステップと、
前記エンベロープに基づいて前記電子メールが前記商品又はサービスに関連するか否かを判定するステップと、
前記商品又はサービスに関連すると判定した後に、前記電子メールのメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して前記商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
前記取引情報に応じて前記ユーザにリワードを付与するステップと、
を情報処理装置が実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
商品又はサービスの提供者からユーザに宛てた電子メールのエンベロープのみをメールサーバから取得するステップと、
前記エンベロープに基づいて前記電子メールが前記商品又はサービスに関連するか否かを判定するステップと、
前記商品又はサービスに関連すると判定した後に、前記電子メールのメッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して前記商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップと、
前記取引情報に応じて前記ユーザにリワードを付与するステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールデータを解析して購買情報を収集することが行われている(特許文献1参照
)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6755427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子メールデータには購買情報以外にもプライベートな情報が含まれることがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、電子メールを安全に処理するこ
とができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、処理対
象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、ユーザに
宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メールに含まれる
前記エンベロープのみを取得する構造情報取得部と、取得した前記エンベロープが前記条
件を満たすか否かを判定する判定部と、取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場
合に、前記電子メールに含まれるメッセージボディを前記メールサーバから取得する電子
メール取得部と、前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽
出する抽出部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面に
より明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子メールを安全に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。
図2】サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】本実施形態のレコメンドシステムの動作を説明する図である。
図5】取引情報の抽出処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成
を備える。
[項目1]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶する条件記憶部と、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記エンベロープのみを取得する構造情報取得部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッ
セージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と

を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記構造情報取得部は、前記エンベロープを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に
記憶し、
前記判定部は、前記エンベロープが前記条件を満たさない場合に前記エンベロープを前
記一次記憶装置から削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記メッセージボディを取得する前に、前記エンベロープを
削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記抽出部は、前記メッセージボディを解析した後に、前記メッセージボディを削除す
ること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メー
ルに含まれるメッセージヘッダ及び前記メッセージボディを前記メールサーバから取得し

前記抽出部は、前記メッセージヘッダ及び前記メッセージボディを解析して前記取引情
報を抽出すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶する条件記憶部
と、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記メッセージヘッダのみを取得する構造情報取得部と、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定する判定部と、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれる
メッセージボディを前記メールサーバから取得する電子メール取得部と、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出する抽出部と

を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目7]
項目6に記載の情報処理システムであって、
前記構造情報取得部は、前記メッセージヘッダを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装
置に記憶し、
前記判定部は、前記メッセージヘッダが前記条件を満たさない場合に前記メッセージヘ
ッダを前記一次記憶装置から削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目8]
項目6又は7に記載の情報処理システムであって、
前記電子メール取得部は、前記メッセージボディを取得する前に、前記メッセージヘッ
ダを削除すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目9]
項目6ないし8のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記抽出部は、前記メッセージボディを解析した後に、前記メッセージボディを削除す
ること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目10]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッ
セージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップ
と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目11]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶するステップと

ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記メッセージヘッダのみを取得するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれる
メッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップ
と、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目12]
処理対象とするべき電子メールのエンベロープに対する条件を記憶するステップと、
ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記エンベロープのみを取得するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記エンベロープが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれるメッ
セージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップ
と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
[項目13]
処理対象とするべき電子メールのメッセージヘッダに対する条件を記憶するステップと

ユーザに宛てた前記電子メールを管理するメールサーバにアクセスし、前記電子メール
に含まれる前記メッセージヘッダのみを取得するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たすか否かを判定するステップと、
取得した前記メッセージヘッダが前記条件を満たす場合に、前記電子メールに含まれる
メッセージボディを前記メールサーバから取得するステップと、
前記メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報を抽出するステップ
と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情
報処理システムは、電子メールを処理しようとするものであり、電子メールに含まれる商
取引に関する情報(以下、取引情報という。)を抽出する。本実施形態では、電子メール
に含まれる商取引以外の情報をなるべく取り出さないように安全な処理を行う。
【0012】
図1は、本実施形態の情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情
報処理システムは、サーバ装置20を含んで構成される。サーバ装置20は、ユーザ端末
10、外部サーバ41及び電子メールサーバ42のそれぞれと、通信ネットワーク30を
介して通信可能に接続される。通信ネットワーク30は、たとえばインターネットであり
、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより
構築される。
【0013】
ユーザ端末10は、商品の消費者であるユーザが操作するコンピュータである。ユーザ
端末10は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュー
タなどである。ユーザ端末10は、例えば、Webブラウザの機能を備え、ユーザはユー
ザ端末10においてWebブラウザを操作することにより、オンラインショッピングによ
り商品を購入したり、有料コンテンツを閲覧したりすることができる。
【0014】
外部サーバ41は、商取引に関連するコンピュータである。外部サーバ41は、例えば
、ECサイトを運営するWebサーバとすることができる。ユーザは、ユーザ端末10を
利用して外部サーバ41にアクセスして商品やサービスを購入することができる。外部サ
ーバ41は、例えば、商品を販売するオンラインストアを提供するサーバであってもよい
し、動画や書籍などのコンテンツを提供するコンテンツ配信サービスのサーバであっても
よいし、旅行サービスを提供する旅行会社のサーバであってもよい。すなわち、外部サー
バ41は、商品をユーザに販売するシステムであればよい。外部サーバ41は、ユーザが
商品を購入した場合には、購入した商品に関する情報を電子メール(チャットサービスに
おけるメッセージを含む。以下同じ。)にてユーザに送信する。これは、一般的なECサ
イトなどにおいても行われていることである。
【0015】
電子メールサーバ42は、電子メールを管理するコンピュータである。電子メールサー
バ42は、いわゆるMRA(Mail Retrieval Agent)であり、メールボックスを備え、例
えば、IMAPなどのプロトコルによりメールボックスに配送されている電子メールを提
供することができる。
【0016】
サーバ装置20は、ユーザの商取引の相手方からユーザ向けに送信された電子メールを
解析して、ユーザが行った商取引に関連する取引情報を取得するコンピュータである。サ
ーバ装置20は、ユーザに対する商品のレコメンドを行うこともでき、レコメンドに応じ
て商品が購入された場合に、ユーザに対してリワードを付与することができる。サーバ装
置20は、例えば、ユーザ端末10で動作するソフトウェア(アプリ)に対して商品を提
案し、ユーザ端末10が実行するアプリ上でユーザに対して商品が提案されるようにして
もよいし、ECサイトなどの外部サーバ41からのリクエストに応じて商品を提案し、ユ
ーザはユーザ端末10が実行するWebブラウザによりECサイトの画面上で提案された
商品を閲覧するようにしてもよい。サーバ装置20は、例えばワークステーションやパー
ソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コン
ピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
<ハードウェア>
図2は、サーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成
は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ装置20は、CPU201、
メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置
206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハー
ドディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信イ
ンタフェース204は、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、
例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続する
ためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Univer
sal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、デー
タを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなど
である。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピー
カなどである。なお、後述するサーバ装置20が備える各機能部は、CPU201が記憶
装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより
実現され、サーバ装置20が備える各記憶部は、メモリ202及び記憶装置203が提供
する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
<管理サーバ20のソフトウェア>
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、フ
ィルタ条件記憶部230、リワード情報記憶部231、商品情報記憶部232、提案履歴
記憶部233、取引データ記憶部234、商品提案部210、構造情報取得部211、判
定部212、電子メール取得部213、抽出部214、リワード付与部215、を備える
【0019】
フィルタ条件記憶部230は、処理対象とするべき電子メールの条件(以下、フィルタ
条件という。)を記憶する。フィルタ条件には、電子メールのエンベロープに対する条件
が含まれうる。エンベロープに対する条件は、例えば、エンベロープに含まれていた差し
出し元(エンベロープフロム)が既知のECサイトや店舗の電子メールアドレスであるこ
ととすることができる。この場合、全ての既知のECサイトや店舗などの電子メールアド
レスをリスト(ホワイトリスト)により指定することができる。
【0020】
また、フィルタ条件には、電子メールのメッセージヘッダに対する条件が含まれうる。
メッセージヘッダに対する条件は、例えば、メッセージヘッダに含まれる差し出し元が既
知のECサイトや店舗の電子メールアドレスであることとすることができる。この場合、
全ての既知のECサイトや店舗などの電子メールアドレスをホワイトリストにより指定す
ることができる。
【0021】
リワード情報記憶部231は、ユーザに付与するリワードに関する情報(以下、リワー
ド情報という。)を記憶する。リワード情報には、リワードを特定するリワードIDに対
応付けて、商品(サービスを含む。以下同じ。)を特定する商品ID、商品の提案に係る
条件、ユーザに付与するリワードが含まれうる。リワード情報記憶部231は、例えば、
商品の広告主によるキャンペーンごとにリワード情報を記憶することができる。条件は、
例えば、ターゲティング広告におけるセグメントを特定するための情報(例えば、ユーザ
のデモグラフィック情報の指定など)であってもよいし、特定の商品を購入したユーザを
特定するための情報(商品を特定する情報)であってもよい。また、条件には、キャンペ
ーンの期間(開始日時と終了日時)を設定するようにしてもよい。付与するリワードは、
ポイントや仮想通貨などの交換価値を有するものであってもよいし、割引券などのクーポ
ンであってもよいし、実体的なグッズなどのプレゼントであってもよいし、デジタルコン
テンツなどであってもよい。また、リワードには、例えば、ポイントやプレゼントの個数
などを計算するための計算式を設定し、リワードを付与するときに、付与するポイント数
やプレゼントの個数を動的に計算するようにしてもよい。また、リワードには、他にもリ
ワードを決定するルールを設定するようにし、リワードを付与する際にルールに従ってリ
ワードを決定するようにしてもよい。
【0022】
商品情報記憶部232は、商品についての情報(以下、商品情報という。)を記憶する
。商品情報には、商品を特定する商品IDに対応付けて、タイトル及び商品説明を含める
ことができる。タイトルには商品の名称を設定してもよいし、商品を提案する際のキャッ
チコピーなどを設定してもよい。商品説明には、自由記述のテキストデータや画像データ
、動画データなどを含めることができる。
【0023】
提案履歴記憶部233は、ユーザに対して提案した商品を記憶する。提案履歴記憶部2
33が記録する提案履歴には、提案先となったユーザを示すユーザID、提案した商品を
示す商品ID、リワード情報を示すリワードID、提案した日時を対応付けて含めること
ができる。また、本実施形態では、当該提案履歴に対応する取引が行われたことに対する
リワードが付与されたか否かを示すリワードフラグも提案履歴に含めることができる。
【0024】
取引情報記憶部234は、商取引に関する情報(以下、取引情報という。)を記憶する
。取引情報には、日時、取引日、取引が行われた店舗の店舗名、当該店舗が出店している
ECサイトの名称(ECサイト名)、商品に対する支払金額、決済手段、商品の送料、取
引に係る取引金額、商品の名称(商品名)などが含まれうる。日時は、電子メールの受信
日時としてもよいし、取引日時としてもよい。店舗が独自にオンライン販売をしているよ
うな場合には、ECサイト名は設定されなくてよい。取引情報には1回の決済の対象とな
った複数の商品が含まれ得る。取引金額は、支払金額に送料を加算し、ポイントや手数料
その他に応じた加算減算を行った後の最終金額であり、決済の対象となる決済金額となる
。決済手段は、クレジットカードやポイント、プリペイドカード、QRコード(登録商標
)決済など、各種の決済手段のうちどの決済手段により決済されたかを示す。取引情報の
各項目は、例えば、ECサイトなどの販売者が購入者であるユーザに対して確認のための
情報として送信した電子メールから取得することができる。
【0025】
商品提案部210は、ユーザに対して商品又はサービスを提案する。商品提案部210
は、例えば、リワード記憶部231に登録されているリワード情報のうち条件が充足され
ているものを取得し、取得したリワード情報に含まれる商品IDが示す商品情報を商品情
報記憶部232から取得してユーザに提案する。商品提案部210は、例えば、ユーザ端
末10に対して商品情報を送信するようにすることができる。商品提案部210は、例え
ば、リワード情報にユーザの属性に対する条件が設定されている場合には、ユーザの属性
(ユーザごとの属性を管理するユーザデータベースを設けるようにしてもよいし、ユーザ
の属性を管理している外部サーバに問い合わせるようにしてもよい。)を取得して、取得
した属性が条件を満たすリワード情報を検索することができる。また、リワード情報にキ
ャンペーン期間が設定されている場合には、現在の日時がキャンペーン期間に含まれてい
るものを検索することができる。また、これらの複数の条件をAND又はOR条件として
検索するようにしてもよい。商品提案部210は、商品を提案したときに、提案したユー
ザを示すユーザID、提案した商品を示す商品ID、リワード情報を示すリワードID、
提案した日時、「偽」のリワードフラグを設定した提案履歴を作成して提案履歴記憶部2
33に追加することができる。
【0026】
構造情報取得部211は、ユーザに宛てた電子メールを管理する電子メールサーバ42
にアクセスする。構造情報取得部211は、例えばIMAP(Internet Message Access
Protocol)などのプロトコルに従って、電子メールサーバ42から電子メールに含まれる
エンベロープ(ENVELOPE)のみを取得することができる。ここで構造情報取得部
211は、電子メールのメッセージボディ(BODYやBODYSTRUCTUREなど
)あるいは電子メール全体(ALLやRFC822など)やBODYSTRUCTURE
)は取得せず、エンベロープのみを取得するようにする。また、構造情報取得部211は
、エンベロープを二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶するようにする。
【0027】
また、構造情報取得部211は、エンベロープに代えて、又はエンベロープに加えて、
電子メールに含まれるメッセージヘッダ(RFC822.HEADERなど)を取得する
ことができる。なお、この場合にも構造情報取得部211は、メッセージボディが含まれ
る情報を取得しないようにする。メッセージヘッダについても、構造情報取得部211は
、二次記憶装置に記憶せずに一次記憶装置に記憶するようにする。
【0028】
判定部212は、エンベロープが条件を満たすか否かを判定する。判定部212は、構
造情報取得部211が取得して一次記憶装置に記憶したエンベロープを検証する。判定部
212は、例えば、機械学習により学習した、エンベロープ電子メールの内容がプライベ
ートな内容であるか、商取引に関するものであるかを分類する分類器を用いて、エンベロ
ープが条件を満たすかどうかの判定処理としてもよい。判定部212は、エンベロープが
条件を満たさない場合にエンベロープを一次記憶装置から削除することができる。
【0029】
判定部212は、メッセージヘッダが条件を満たすか否かを判定することもできる。構
造情報取得部211がメッセージヘッダを取得した場合には、一次記憶装置に記憶された
メッセージヘッダを検証することができる。判定部212は、メッセージヘッダが条件を
満たさない場合にメッセージヘッダを一次記憶装置から削除することができる。
【0030】
電子メール取得部213は、エンベロープが条件を満たす場合に、電子メールに含まれ
るメッセージボディを電子メールサーバ42から取得することができる。電子メール取得
部213は、エンベロープが条件を満たす場合に、メッセージヘッダ及びメッセージボデ
ィをメールサーバから取得するようにしてもよい。また、電子メール取得部213は、メ
ッセージボディを含む電子メールのデータ全体(ALL、FULL、RFC822など)
を電子メールサーバ42から取得するようにしてもよい。
【0031】
電子メール取得部213は、メッセージボディを取得する前に、一次記憶装置からエン
ベロープを削除することができる。
【0032】
また、構造情報取得部211が、メッセージヘッダを取得していた場合に、判定部21
2が、メッセージヘッダ(あるいはエンベロープ及びメッセージヘッダの両方)が条件を
満たすときに、電子メール取得部213は、メッセージボディを電子メールサーバ42か
ら取得することができる。
【0033】
電子メール取得部213は、メッセージボディを取得する前に、一次記憶装置からメッ
セージヘッダ(あるいはエンベロープ及びメッセージヘッダの両方)を削除することがで
きる。
【0034】
抽出部214は、電子メールのメッセージボディを解析して取引情報を抽出する。抽出
部214は、例えば、予め用意してある、メッセージのフォーマットを解析するためのル
ールを適用することにより、メッセージボディから取引情報を取得することができる。ル
ールには、例えば、正規表現などによりどのような情報がどのような形式で記述されてい
るかを特定しておくことができる。また、ルールは、商品の販売者(ECサイトや直販サ
イトなど)ごとに準備するようにしてもよい。取引情報には、少なくとも商品を特定する
情報(例えば、メーカー名や商品名など)が含まれるようにすることができる。抽出部2
14は、抽出した取引情報を取引情報記憶部234に登録することができる。なお、抽出
部214は、電子メールのメッセージヘッダを取引情報の抽出処理に用いることもできる
。例えば、抽出部214は、メッセージIDをメッセージヘッダから抽出して取引情報に
含めるようにしてもよい。また、抽出部214は、ECサイト名や店舗名を決定するため
に、メッセージヘッダに含まれる差出元(From)を利用するようにしてもよい。
【0035】
また、抽出部214は、メッセージヘッダ及びメッセージボディを解析して取引情報を
抽出するようにしてもよい。例えば、メッセージヘッダに対するルールとメッセージボデ
ィに対するルールとを別々に記憶するようにしてもよい。
【0036】
抽出部214は、メッセージボディを解析した後に、メッセージボディを削除すること
ができる。抽出部214は、メッセージボディとメッセージヘッダとを解析した場合には
、メッセージボディとともにメッセージヘッダを削除することができる。
【0037】
リワード付与部215は、提案した商品に係る取引情報を電子メール(のメッセージボ
ディ)から抽出できたことに応じてユーザにリワードを付与することができる。リワード
付与部215は、例えば、抽出部214が取引情報の抽出に成功したときに、抽出した取
引情報に含まれる商品と、電子メールの宛先のユーザとに対応する提案履歴(リワードフ
ラグが「偽」のもの)が提案履歴記憶部233に登録されていた場合に、ユーザにリワー
ドを行うことができる。リワード付与部215は、ユーザにリワードを行った後、取引情
報及び提案履歴のリワードフラグには「真」を設定することができる。
【0038】
リワード付与部215は、抽出された取引情報の商品に対応するリワード情報に応じて
付与するリワードの内容(種類や量)を決定することができる。リワード付与部213は
、抽出した取引情報がリワード情報に含まれる条件を満たす場合に、当該リワード情報に
設定されているリワード(又はリワード情報に基づいて決定されるリワード)をユーザに
対して付与することができる。
【0039】
リワード付与部215は、リワード情報に依らずにリワードを付与するようにしてもよ
い。例えば、リワード付与部215は、電子メールのメッセージボディから取引情報を抽
出できたことに応じて同一の又はユーザの属性に応じて異なるリワードをユーザに付与す
ることができる。また、リワード付与部215は、抽出された取引情報に応じてリワード
の種類や数を決定することもできる。例えば、リワード付与部215は、取引情報に含ま
れる商品(購入された商品)の数や金額に応じてリワードを決定することができる。また
、リワード付与部215は、取引情報記憶部234に記憶されている当該ユーザの過去の
購入データに応じて、付与するリワードの種類や数を変更するようにしてもよい。
【0040】
また、リワード付与部215は、付与するリワードの種類や量を抽選により決定するよ
うにしてもよい。リワード付与部215は、例えば、クーポンやプレゼントなどのリワー
ドを付与するか否かを抽選により決定することができる。また、リワード付与部215は
、例えば、付与するポイントの数、付与するプレゼントのレアリティや価値などを抽選に
より決定することができる。この場合に、リワード付与部215は、例えば、ミニゲーム
をユーザ端末10で実行させ、ミニゲームの結果に応じて付与するリワードの種類や量を
決定するようにしてもよい。
【0041】
<動作>
図4は、本実施形態のレコメンドシステムの動作を説明する図である。
【0042】
サーバ装置20は、ユーザに対して商品をレコメンドし(S301)、レコメンドした
商品(レコメンド商品)を記憶しておく(S302)。サーバ装置20は、ユーザ宛の電
子メール(例えば、商品を販売する販売者から購入者であるユーザに宛てた電子メール)
から取引情報を抽出する(S303)。取引情報の抽出に成功した場合(S304)、サ
ーバ装置20は、購入した商品に対応するレコメンド商品を検索し(S305)、レコメ
ンド商品があれば(S306:YES)、ユーザにリワードを付与する(S307)。
【0043】
<取引情報の抽出処理>
図5は、取引情報の抽出処理の流れを示す図である。
【0044】
サーバ装置20は、電子メールサーバ42にアクセスする(S321)。サーバ装置2
0は、例えば、ユーザの認証情報(例えば、ユーザ名及びパスワードとしてもよいし、O
Auth等によるアクセストークンなどであってもよい。)を予め記憶しておき、認証情
報を電子メールサーバ42に送信することにより認証を受けることができる。サーバ装置
20は、メッセージボディを取得することなく、エンベロープを取得して、一次記憶装置
(メモリ202)に記憶する(S322)。
【0045】
サーバ装置20は、エンベロープがフィルタ条件を満たすか否かを判定し(S323)
、フィルタ条件を満たす場合(S323:YES)、一次記憶装置からエンベロープを削
除し(S324)、電子メールサーバ42からメッセージボディを取得する(S325)
。サーバ装置20は、メッセージボディについても二次記憶装置には記憶せずに一次記憶
装置に記憶するようにする。
【0046】
サーバ装置20は、メッセージボディを解析して取引情報を抽出する(S326)。サ
ーバ装置20は、一次記憶装置からメッセージボディを削除し(S327)、取引情報を
取引情報記憶部234に登録する(S328)。
【0047】
以上のようにして、ユーザに対して提案した商品が実際に購入したことを、ECサイト
等の販売者からユーザに宛てた電子メールから検出し、実際に購入されたことを確認した
うえで、ユーザにリワードを付与することができる。
【0048】
また、本実施形態の情報処理システムによれば、電子メールからの取引情報の抽出処理
にあたり、まずはエンベロープのみから取引情報に該当する可能性が高いかどうかを判定
し、可能性が高いもののみメッセージボディを電子メールサーバ42からダウンロードす
るようにすることができる。したがって、サーバ装置20が秘匿性の高い情報をなるべく
電子メールサーバ42からダウンロードしないようにすることができるので、安全に処理
を行うことが可能となる。
【0049】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするため
のものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸
脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0050】
例えば、本実施形態では、エンベロープのみから取引情報が含まれる電子メールを特定
するものとしたが、これに限らず、エンベロープに加えて、又はエンベロープに代えて、
メッセージヘッダを電子メールサーバ42から取得するようにして、メッセージヘッダが
フィルタ条件を満たすか否かにより、処理対象となる電子メールを特定するようにしても
よい。この場合、メッセージヘッダについても一次記憶装置に記憶し、二次記憶装置には
記憶しないようにすることができる。
【0051】
また、エンベロープが第1のフィルタ条件を満たしたものについて、さらにメッセージ
ボディを取得する前に、メッセージボディを取得することなくメッセージヘッダのみを電
子メールサーバ42から取得して、さらにメッセージヘッダが第2のフィルタ条件を満た
すか否かを判定するようにしてもよい。この場合にも、メッセージヘッダについても一次
記憶装置に記憶し、二次記憶装置には記憶しないようにすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、メッセージボディのみから取引情報を取得するものとしたが、
メッセージヘッダからも取引情報の一部を取得するようにしてもよい。この場合、図5
ステップS326において、メッセージボディ及びメッセージヘッダから取引情報を抽出
するようにすることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 ユーザ端末
20 サーバ装置
41 外部サーバ
42 電子メールサーバ
【要約】
【課題】電子メールを安全に処理することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、処理対象とするべき電子メールのエンベロープ
に対する条件を記憶する条件記憶部と、ユーザに宛てた電子メールを管理するメールサー
バにアクセスし、電子メールに含まれるエンベロープのみを取得する構造情報取得部と、
取得したエンベロープが条件を満たすか否かを判定する判定部と、取得したエンベロープ
が条件を満たす場合に、電子メールに含まれるメッセージボディをメールサーバから取得
する電子メール取得部と、メッセージボディを解析して商品又はサービスに係る取引情報
を抽出する抽出部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5