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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】物品取出装置及び物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/38 20060101AFI20220404BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20220404BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220404BHJP
   B65G 21/20 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
B65G47/38
B65G47/46 A
B65G47/52 B
B65G21/20 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017210251
(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公開番号】P2018076175
(43)【公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2016214603
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】清野 智昭
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-043129(JP,A)
【文献】特開2010-189134(JP,A)
【文献】実開平03-007104(JP,U)
【文献】特開平08-033873(JP,A)
【文献】特開2000-211738(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0003114(US,A1)
【文献】特開2011-223946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/34-47/52
B65G 21/00
B65G 65/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された物品を取出す物品取出装置であって、
前記容器が載置される載置台と、前記載置台と連結される連結部の旋回軸周りに回転可能に設けられる蓋部であり前記収納された物品を前記容器の上部から覆うことができる蓋部と、を備えた取出機構と、
前記取出機構を旋回する旋回機構であって、前記載置台を回転させる第1の旋回機構と、前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させる第2の旋回機構と、を含む旋回機構
を具備し、
前記第1の旋回機構が前記載置台を回転させることにより前記物品が前記蓋部に移り、しかる後に、前記第2の旋回機構が前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させると該回転角度が大きくなるにつれて前記蓋部の傾斜角度が大きくなり所定角度を超えた時点から前記蓋部に移らされた前記物品が前記蓋部上を移動する
ことを特徴とする物品取出装置。
【請求項2】
前記取出機構は、前記容器を固定支持する固定部を備え、前記蓋部は旋回により傾斜面を形成することを特徴とする請求項1記載の物品取出装置。
【請求項3】
前記蓋部に延長板を備え、前記蓋部が旋回した後に前記蓋部が形成する傾斜方向に延長板が突出することを特徴とする請求項2記載の物品取出装置。
【請求項4】
前記第1の旋回機構と前記第2の旋回機構とは夫々独立して旋回することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項記載の物品取出装置。
【請求項5】
前記容器を搬送する搬送ライン上の所定位置に設けられ、搬送されてきた前記容器に収容された物品を取出すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1記載の物品取出装置。
【請求項6】
容器に収納された物品を搬送する第1の搬送ラインと、前記物品を収納する収納箱を搬送する第2の搬送ラインとの間で前記物品を移動させるシステムにおける前記第1の搬送ラインの所定位置に備えられる物品取出装置であって、
前記第1の搬送ラインにある前記容器から物品を取出す取出機構であって、前記容器が載置される載置台と、前記載置台と連結される連結部の旋回軸周りに回転可能に設けられる蓋部であり前記収納された物品を前記容器の上部から覆うことができる蓋部と、を備えた取出機構と、
前記取出機構を旋回する旋回機構であって、前記載置台を回転させる第1の旋回機構と、前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させる第2の旋回機構と、を含む旋回機構
を具備し、
前記第1の旋回機構が前記載置台を回転させることにより前記物品が前記蓋部に移り、しかる後に、前記第2の旋回機構が前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させると該回転角度が大きくなるにつれて前記蓋部の傾斜角度が大きくなり所定角度を超えた時点から前記蓋部に移らされた前記物品が前記蓋部上を移動する
ことを特徴とする物品取出装置。
【請求項7】
前記取出機構は、前記容器を固定支持する固定部を備え、前記蓋部は旋回により傾斜面を形成することを特徴とする請求項6記載の物品取出装置。
【請求項8】
前記蓋部に延長板を備え、前記蓋部が旋回した後に前記蓋部が形成する傾斜方向に延長板が突出することを特徴とする請求項7記載の物品取出装置。
【請求項9】
前記第1の旋回機構と前記第2の旋回機構とは夫々独立して旋回することを特徴とする請求項6乃至請求項8のうちのいずれか1項記載の物品取出装置。
【請求項10】
容器に収納された物品を搬送する第1の搬送ラインと、前記物品を収納する収納箱を搬送する第2の搬送ラインと、前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に設けられる移動ラインとを備えたシステムにおける、前記第1の搬送ラインと前記移動ラインとの間もしくは前記移動ラインと前記第2の搬送ラインとの間で物品を移動させるのに用いられる物品取出装置であって、
前記第1の搬送ラインにある前記容器から物品を取出す取出機構であって、前記容器が載置される載置台と、前記載置台と連結される連結部の旋回軸周りに回転可能に設けられる蓋部であり前記収納された物品を前記容器の上部から覆うことができる蓋部と、を備えた取出機構と、
前記取出機構を旋回する旋回機構であって、前記載置台を回転させる第1の旋回機構と、前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させる第2の旋回機構と、を含む旋回機構
を具備し、
前記第1の旋回機構が前記載置台を回転させることにより前記物品が前記蓋部に移り、しかる後に、前記第2の旋回機構が前記蓋部を前記連結部の旋回軸周りに回転させると該回転角度が大きくなるにつれて前記蓋部の傾斜角度が大きくなり所定角度を超えた時点から前記蓋部に移らされた前記物品が前記蓋部上を移動する
ことを特徴とする物品取出装置。
【請求項11】
請求項6乃至請求項10のいずれか1記載の前記物品取出装置が前記第1の搬送ラインに複数設けられたことを特徴とする物品搬送システム。
【請求項12】
前記物品取出装置に対応して、物品を搬送移動する複数の移動ラインを前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間にさらに備えたことを特徴とする請求項11記載の物品搬送システム。
【請求項13】
前記第1の搬送ラインに設けられた複数の前記物品取出装置は、並行して動作することを特徴とする請求項11または請求項12記載の物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品取出装置及び物品搬送システムに係り、例えば、物品の搬送ラインとなる入ラインから、例えば出荷等に利用される出ラインへ、そのライン間で物品を自動的に移動するシステムに使用できる、物品取出装置及び物品搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品および物品を収容する容器(以下、物品等)を格納する倉庫を用い、物品等を入庫し、保管し、適宜出庫する等、物流システムが知られている。
【0003】
例えば、各種、さまざまな物品を倉庫に保管しておき、顧客の希望により、指定されたオーダに基づき物品を取出し、まとめてコンテナ(箱)に収容して出荷等が行われている。出荷に際しては、倉庫に保管された物品等を取出し、搬送ラインを介して出荷ラインへ物品を載せ換えが必要となる。このライン間の物品の移動には、基本的には人手(作業者)を介して行われていた。
【0004】
一方、バケットの中身を払出すものとしては、例えば、特許文献1には製品を取出した後の空段ボール箱を収納したバケットから払出すバケット反転機が提案されている。
【0005】
また、選別、仕分け装置としては、搬送されてくる青果物等を載せたトレイを傾倒させ選別する選別装置が特許文献2に、搬送路の台車を傾けてシュートを介して集品容器へ仕分けする設備が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-150943号公報
【文献】特開2010-158645号公報
【文献】特開2014-148405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に物品を収納した収容箱から、移し替え等の移動の対象となる物品の種類は多種、多様となり、それに伴い人手による選別作業も複雑で労力を必要とするものである。これに換えて特許文献2や特許文献3に見られるように、トレイ等から物品を取出す装置としてトレイ等自体を傾斜させ、移動させることも考えられるが、トレイ等を直接傾斜させるとともに、独立したシュートを用意して移動させるものであり、また、収納される対象物により転倒防止等の仕組みも必要とし、設備を複雑にする。
【0008】
また、特許文献1に見られるように、バケットを反転させて中身を取出すものとして空段ボール箱であれば反転に際して問題無いとしても、青果物に限らず、一般に取扱う日用品、梱包製品等、物品において破損や損傷(キズ)を生じかねない。
【0009】
かかる問題を解決するために、本発明は、容器(収納箱)に収容された物品を破損や損傷等することなく自動的に取出すことができる物品取出装置及び物品搬送システムを提供することを目的とし、また、例えば、搬送ライン上に搬送されてくる収容器(トレイ等)から自動的に物品を取出したり、また、2つの搬送ライン間において入ラインから自動的に物品を取出し、出ライン(例えば出荷ライン)へ移し替えを行う際に利用可能な物品取出装置及び物品搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、容器に収容された物品を取出す物品取出装置であって、前記物品取出装置は、前記容器を保持し前記容器から物品を取出す取出機構と前記取出機構を旋回する旋回機構を有し、前記旋回機構により前記取出機構が旋回し前記物品を取出すことを特徴とする物品取出装置を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、前記取出機構は、前記容器をz支持する固定部と前記収納された物品を支持する蓋部を備え、前記蓋部は旋回により傾斜面を形成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記蓋部に延長板を備え、前記蓋部が旋回した後に前記蓋部が形成する傾斜方向に延長板が突出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記固定部と前記蓋部は夫々独立して旋回することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記容器を搬送する搬送ライン上の所定位置に前記物品取出装置が設けられ、前記物品取出装置が搬送されてきた前記容器に収容された物品を取出すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、容器に収納された物品を搬送する第1の搬送ラインと、前記物品を収納する収納箱を搬送する第2の搬送ラインとの間で前記物品を移動させるシステムにおける前記第1の搬送ラインの所定位置に備えられる物品取出装置であって、前記第1の搬送ラインにある前記容器から物品を取出す取出機構と、前記容器を保持する取出機構と、前記取出機構を旋回する旋回機構とを具備することを特徴とする物品取出装置を提供する。すなわち、容器に収納された物品を搬送する第1の搬送ラインと前記物品を収納する収納箱を搬送する第2の搬送ラインとの間で前記物品を移動するシステムにおける前記第1の搬送ラインの所定位置に設けられた物品取出装置は、前記第1の搬送ラインにある前記容器から物品を取出す取出機構と前記取出機構を旋回する旋回機構を有するため、前記旋回機構により前記取出機構が旋回し前記物品を前記第2の搬送ライン側に載せ換えることが実行できる。
【0016】
また、本発明は、前記取出機構は、前記容器を固定支持する固定部と前記収納された物品を支持する蓋部を備え、前記蓋部は旋回により傾斜面を形成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記蓋部に延長板を備え、前記蓋部が旋回した後に前記蓋部が形成する傾斜方向に延長板が突出することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記固定部と前記蓋部とは夫々独立して旋回することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、容器に収納された物品を搬送する第1の搬送ラインと、前記物品を収納する収納箱を搬送する第2の搬送ラインと、前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に設けられる移動ラインとを備えたシステムにおける、前記第1の搬送ラインと前記移動ラインとの間もしくは前記移動ラインと前記第2の搬送ラインとの間で物品を移動させるのに用いられる物品取出装置であって、前記第1の搬送ラインにある前記容器から物品を取出す取出機構と、前記容器を保持する取出機構と、前記取出機構を旋回する旋回機構とを具備することを特徴とする物品取出装置を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、前記物品取出装置が前記第1の搬送ラインに複数設けられたことを特徴とする物品搬送システムとして実現される。
【0021】
また、本発明は、前記物品取出装置に対応して、物品を搬送移動する複数の移動ラインを前記第1の搬送ラインと前記第2の搬送ラインとの間に、さらに備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記第1の搬送ラインに設けられた複数の前記物品取出装置は、並行して動作することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、任意に選択された容器(トレイ、収納箱等でよい)から物品を自動的に取出すことができる。また、本発明によれば、搬送ライン間での物品の移動を自動化でき、システムとしての効率化が図れる。また、並行処理や選別処理等を人手をかけずに可能とできる。
【0024】
さらには、本発明によれば、物品を搬送する搬送ライン間で、物品を選択して移し換えや、載せ換えしオーダ単位で物品をまとめる等の作業を自動化できる。また、この搬送ラインに複数の移動ラインを備けることで、同時並行して、物品の移動を複数箇所にて行うことができ、効率化が図れる。また、並行処理と共に、複数の物品を一つのコンテナ(箱)等にも収納できるので、より効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明一実施形態に係る物品取出装置の配置構成例を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る物品取出装置の構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る物品取出装置の構成を説明する説明図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の構成を説明する説明図である。
図6A】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出す初期状態を説明する図である。
図6B】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出すため物品を保持した状態を説明する図である。
図6C】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を保持したまま旋回させた状態を説明する図である。
図6D】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出す状態を説明する図である。
図6E】本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する図であり、物品を取出す(搬出する)と共に容器を返す状態を説明する図である。
図7】本発明の物品取出装置により物品が取出された後の収納箱への物品を収納する処理を説明する図である。
図8】本発明の物品取出装置により物品が取出された後の収納箱への物品を収納する物品投入装置の構成を説明する図である。
図9A図8に示す物品投入装置の構成における底板の構成例を説明する図であり、底板が閉じた状態を説明する図である。
図9B図9Aに示す底板が開いた状態を説明する図である。
図10図8に示す物品投入装置の構成における底板の別の構成例を説明する図であり、底板が回転し開閉する構成を説明する図である。
図11A】本発明の物品取出装置を適用した搬送ライン間の自動移動システムの全体を斜め上方からみた構成図である。
図11B図11Aに示す搬送ライン間の自動移動システムの後方からみた構成図である。
図11C】本発明の入出搬送ラインとして用いられるライン構成の他の例を説明する図である。
図12】本発明の物品取出装置を搬送ライン間に直結した自動移動システムの構成図である。
図13】本発明の物品取出装置を適用した搬送ライン間に係り、図11Aに示した自動移動システムにおいて、複数個所に物品取出装置を設けると共に移動ラインを複数備えた構成例を示す図である。
図14】本発明の背景を説明する一例としての倉庫から取出された物品の搬送ライン間の移替え(移動)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、本発明の背景の一例を、図14を用いて、物品の搬送ライン間の移替え(移動)を、入ラインと出ライン(例えば、出荷ライン)との関係で説明する。図14において、140は物流システム等で使用される倉庫の例を示し、141は物品等の入出庫ライン、142は入出庫ラインに接続された搬送ラインを示す。143は入出庫ラインに接続され搬送ラインであり、例えば、物品をオーダ単位に取出すための入ラインである。144は入ライン143からの所定の物品をコンテナ(箱)等に投入する出ライン(出荷ライン)としての搬送ラインである。ここで矢線a、bは入ライン143、出ライン144の各進行方向を指している。
【0027】
入ライン143と出ライン144間には作業員等が配置され、搬送ライン143上を移動してくる容器(コンテナ、トレイともいう)145に収納された物品を取出し、出ライン144上を移動してくる容器(コンテナ、出荷箱等)146へ載せ換えている。即ち、予め決められたオーダ(例えば物品の配送先毎の指示書)に従って、作業者が手作業にて物品を入ラインから出ラインへ、ライン間で載せ換えている。なお、特に断らない限り、搬送ライン等を搬送装置と呼び変えても同じ意味で用いている(以下同様)。
【0028】
本発明は、搬送ライン上を移動してくる容器に収容された物品を自動で取出す物品取出装置に着目したもので、手作業によることなく、容器に収納された物品を自動的に取出す取出装置に係るもので、入出ライン間の物品の移動にも適用できるものである。以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明でいうところの物品とは、特定の物に限定されるものではなく、一般に用いられる単体として扱われる物であればよく、以下、物品あるいは物品等といい、特に断りが無い場合には限定解釈されるべきではない。
【0029】
図1は本発明に係る物品取出装置の配置構成例を説明する図である。図1において、搬送ライン(例えば、入ラインという)14は、コンベヤ等から構成され、容器(トレイ、箱状体等)12に収容された物品13を搬送方向aへ搬送するものである。搬送ライン(移動ラインともいう)15は、物品13の行先(搬送方向)を変えるために使用されるもので、搬送ライン14にて送られてくる物品中、取出された所定の物品を搬送方向cへ搬送移動するものである。
【0030】
本発明の物品取出装置の位置付けは、容器12から物品13を取出し移動(移載)させることにあり、図1の図示例では一点鎖線で示す位置11に設けられる。この物品取出装置11は、以下に具体的な実施形態にて説明するように、搬送ライン14上の容器12から所定の(指定された)物品13を取出し搬送ライン15へ移し変えるものである。
【0031】
図2は本発明の一実施形態に係る物品取出装置の構成図である。図1との関係は、図1には物品取出装置自体は図示されていないが位置(11)に相当する箇所に図2に示す物品取出装置11が配置される。
【0032】
図2において、物品取出装置11の基本構成は、容器(トレイ、箱状体等)12を保持する載置台(搬送台)21と容器12の上方から物品等13を覆う蓋部(傾斜板としても作用する)22とから構成する。載置台21の下部には台座(回転台座)24を備え、また、載置台21と蓋部22は連結部23により連結されている。
【0033】
図2に図示の物品取出装置11の状態は、載置台21にある容器12に対して物品13(図示略)が飛び出さないように上部から蓋部22が覆っている状態を示す。また容器12は図では両サイドを固定支持部211、212が夫々回転軸213、214により回転駆動され載置台21に固定支持されている。この載置台21は、図1においては、搬送ライン14の物品取出し位置(11)の搬送台に相当する。また、蓋部22は連結部23の旋回軸(回転軸)231により回転可能になっている。この物品取出装置11における物品を取出す動作については、図3にて説明される。
【0034】
図3は本発明の一実施形態に係る物品取出装置の動作を説明する説明図である。図3において、図2と同じ符号は同じ対象物を示し、実線にて示している装置構成が物品を取出した状態を示し、動作前や動作途中の状態を破線/点線で示している。
【0035】
図3において、物品取出装置11の全体の動作を図中の矢印a1乃至a5の順に説明する。
【0036】
(a1)載置台の容器を固定し蓋部をかぶせる行程。
点線/破線にて示す初期の状態で、載置台(搬送台)21に物品13が収納された容器12が載置(搬送)されたときに、固定支持部211、212が各軸213、214により回転し容器12を支持すると共に蓋部22が旋回軸231により容器12の上部を覆うように旋回動作する。この蓋部22が容器12を上方から覆った状態が図2に図示したものに相当する。
【0037】
(a2)載置台を旋回させる工程。
蓋部22が容器12および容器内の物品13を上方から覆ったままの状態で、旋回軸241により載置台21を旋回させる。図示では載置台21が所定位置まで旋回した状態を実線で示している。
【0038】
(a3)蓋部を旋回させ傾斜をつくる工程。
載置台21が所定位置(所定角度)まで旋回したら、蓋部22を旋回させて開く。この蓋部22は自重により自動的に開放されることでもよい。図示では容器12内に収容された物品13は初期位置と同じように示されているが、載置台21の旋回に伴い蓋部22側へ移動することになる。
【0039】
(a4)蓋部が傾斜板として作用し物品を取出す工程。
蓋部22が旋回駆動され図示の実線に示す位置にくると傾斜板として作用する。この傾斜板(蓋部)22に沿って物品13が移動し取出される。図示例では、物品13が搬送ライン(移動ライン)15上へ取出される。
【0040】
(a5)載置台を旋回させて元の状態に戻す工程。
物品が取出され移動した後、載置台21は台座24の旋回軸241により元の位置に戻される。
【0041】
載置台21の固定支持部211、212が(回転して)外され容器12は自由の状態となる。載置台21が図1で示すように搬送ライン14上に設けられているものであれば、空となった容器12を下流方向へ送り、次の容器が搬送されるのを待つ待機状態となる。なお、蓋部22は単に平板状でもよいが、物品等を両サイドから脱落しないように側板を設けたものであってよい。
【0042】
図4は本発明の第2の実施形態に係る物品取出装置の構成を説明する説明図である。
【0043】
図4は、図3と同様、物品取出装置の全体の動作を併せて図示したものであり、図3と同じ符号は同じ対象物を示し、実線にて示している装置構成が物品を取出した状態を示し、動作前や動作途中の状態を破線/点線で示している。
【0044】
図4に図示した物品取出装置において、物品取出装置の基本的な構成は、図2および図3に示した物品取出装置11と同様であり、容器(トレイ、箱状体等)12を保持する載置台(搬送台)21と容器12の上方から物品等13を覆う蓋部(傾斜板としても作用する)22とから構成し、載置台21の下部には台座(回転台座)24を備え、また、載置台21と蓋部22は連結部23により連結されている。図2および図3に図示した物品取出装置と大きく異なる点は、蓋部22に延長板41を併設したことにある。
【0045】
図4において、物品取出装置は、矢印a4にて示す蓋部が傾斜板として作用し物品を取出す場合に延長板41が延長板ケース42より押し出され物品13を載置する場合の高低差を吸収する構成にしたことにある。
【0046】
図4に図示の物品取出装置において、図中の矢印a1乃至a5に示す動作中、載置台21にある容器12を固定し蓋部22をかぶせる(矢印a1)、載置台21を物品13を収容した容器12ごと旋回させる(矢印a2)、載置台21を旋回させて元の状態に戻す(矢印a5)の各工程においては、延長板41が延長板ケース42内に収容された状態で蓋部22と一体として動作する。蓋部22を旋回させ傾斜をつくり(矢印a3)、蓋部22が傾斜板として作用し物品13を取出す(矢印a4)、この間に物品13が傾斜面を移動し易いように延長板41を延長板ケース42から押出す。図4においては、物品13の載置場所として収納台(搬送ライン上でもよい)43に置かれた収納箱(容器)44に投入する例を示している。
【0047】
この延長板41の押出し量を調整することにより、物品13の収納先として、単なる置台や、移動ライン上や、搬送ライン上の収納箱や、収納台上の収納箱等、種々の段差のある収納先への対応も容易とできる。
【0048】
図5は本発明の第3の実施形態に係る物品取出装置の構成を説明する説明図である。図5において、図3にて説明した一実施形態に係る物品取出装置と異なる点は、載置台の旋回と蓋部の旋回を独立に可能とした点にある。なお、図5では物品取出装置が初期の状態と旋回後の状態とを併せて実線で示している。各状態については図6A乃至図6Eにて後述する。
【0049】
図5において、物品取出装置の基本構成としては、先の実施形態と同様、容器(トレイ、箱状体等)12を保持する載置台(搬送台)51と容器12の上方から物品等13を覆う蓋部(傾斜板としても作用する)52とから構成する。載置台51の下部には台座(回転台座)54を備え、台座54の旋回軸541を軸として台座54と共に載置台51が旋回可能としている。また、蓋部52は連結部53により台座54の旋回軸541に取付られ、旋回軸541を軸として台座54の旋回と独立して旋回可能としている。
【0050】
図5において、載置台(搬送ライン上では搬送台)51に容器12を固定支持する支持部511、512が各軸513、514を中心に回転可能に設けられている。蓋部52と連結部53とは回転軸531にて旋回可能に取付られ、容器12および容器12に収容される物品13を上方から覆うように構成している。また、先の実施形態と同様、蓋部52は物品を取出す際の傾斜を形成する傾斜板として機能する。
【0051】
図5に示す矢印a1乃至a6は、各動作を示し、その各動作工程は次のようになる。
【0052】
(a1)載置台の容器を固定し蓋部で覆う行程。
初期の状態で、載置台(搬送台)51に物品13が収納された容器12が載置(搬送)されたときに、固定支持部511、512が各軸513、514により回転し容器12を支持すると共に蓋部52が旋回軸531により容器12の上部を覆うように旋回動作する。
【0053】
(a2)載置台を旋回させる工程。
蓋部52が容器12および容器内の物品13を上方から覆ったままの状態で、旋回軸541により載置台51を旋回させる。図示では載置台51が所定位置まで旋回した状態を実線で示している。図示例では初期状態から反転した状態とした場合を示している。
【0054】
(a3)蓋部を旋回させ傾斜をつくる工程。
載置台51が所定位置(反転位置あるいは所定角度)まで旋回したら、蓋部52を所定角度まで旋回させて開く。この蓋部52の内側が傾斜面となる。
【0055】
(a4)蓋部が傾斜板として作用し物品を取出す工程。
蓋部52が旋回駆動され図示の下側の実線に示す位置で傾斜板として作用する。この傾斜板(蓋部)52に沿って物品13が移動し取出される。図示例では、物品13が搬送ライン(移動ライン)15上へ取出される。
【0056】
この蓋部52側へ物品13が移った状態においては、載置台51は不要となる。即ち、物品13が傾斜板52を移動中には、載置台51は元の位置は復帰してもよい。本発明ではこの並行動作に着目したものである。矢印a5/a6と併記しているが、これは、各独立して動作することを示し、(a5)、(a6)としてその工程を以下に説明する。
【0057】
(a5)載置台を旋回させて元の状態に戻す工程、
物品13が傾斜板(蓋部)52へ移り傾斜面を移動中、載置台51は台座54の旋回軸541により元の位置に戻される。載置台51の固定支持部511、512が外され(回転して)容器12は自由の状態となる。即ち、次に取出す物品への対応をとることができる状態となる。
【0058】
このとき傾斜板(蓋部)52は未だ状態を継続維持していてよい。
【0059】
(a6)傾斜板(蓋部)を旋回させて元の状態に戻す工程、
物品13が傾斜板(蓋部)52を移動し、図示例では搬送ライン(移動ライン)15上に乗ると、傾斜板(蓋部)52は台座54の旋回軸541により元の位置に戻される。なお、蓋部52は単に平板状でもよいが、物品等を両サイドから脱落しないように側板を設けたものであってよい。
【0060】
以下、図6A乃至図6Eにより図5の物品取出装置の各動作工程を説明する。
【0061】
図6Aは物品取出装置が物品を取出す初期状態を示している。取出す対象となる物品13を収容した容器12が載置台(搬送台)51にあるときに、固定支持部511、512が回転動作し載置台51を固定する。
【0062】
図6Bは物品取出装置が物品を取出すため物品を収容した容器全体を蓋部により覆った状態を示している。先の図6Aに図示の蓋部52は、その旋回軸531により旋回されて図6Bに図示するように容器12および容器12に収容された物品13を上方から覆い、物品13が飛び出さないように保持することになる。
【0063】
図6Cは物品取出装置が物品を保持したまま旋回させた状態を示している。図6Cに図示した物品取出装置は旋回軸541を中心に台座54を旋回させ、図6Bの図示位置から180度旋回させた例である。
【0064】
図6Dは物品取出装置から物品が取出される状態を示している。
【0065】
図6Cに図示の台座54を180度旋回させた状態から、図6Dに示すように、旋回軸531を軸として蓋部(傾斜板)52を下方へ所定角度まで旋回させて物品13を蓋部52の傾斜面を移動させる。
【0066】
図6Eは物品取出装置の容器および載置台(搬送台)を元の位置に復帰させる一方、並行して物品を取出(排出)した状態を示している。物品13は搬送ライン(移動ライン)15に取出されることでもよいし、また、収納台43あるいは収納台に置かれた収納容器等に投入するようにしてもよい。
【0067】
図5および図6A乃至図6Eにて説明した物品取出装置の傾斜板としても機能する蓋部52の構成として、図4にて示したものと同様、延長板を備えたものであってもよい。
【0068】
図7は、本発明の物品取出装置を使用して物品が取出された後の収納箱への物品を収納する収納部(物品投入部)の例を示す図である。
【0069】
図7において、物品取出装置から取出された物品13は、搬送ライン(移動ライン)15上を移動し、収納部7にある収納箱71へ投入、収納される。この収納箱71等への投入は、矢線c1、c2で図示するように搬送ライン15から直接投入してもよいが、後述するように投入装置を用いてもよい。
【0070】
収納箱71等へ物品13を投入、収容する際に、物品13の形状、大きさ、重さ、高低差等に基づいて、収納箱71の大きさ、深さ等によっては緩衝機構を設けてもよい。この物品の形状、大きさ、重さ、高低差等、これらを物品情報として取得し、この物品情報により緩衝機構を制御することもできる。図7においては、搬送ライン15上を通過する物品13の物品情報として高さを検出する高低検出機構72、73を設けた例を示す。この高低検出機構72、73により搬送されてきた物品13の高さを検知し投入部7の投入装置(後述)の投入高低を調節するようにしてもよい。なお、高低検出機構として図示例では透過光をセンサーにて検出する例を示しているが、反射光を検出するもの、また、物品の形状等を画像化して検知する画像認識機構等によるものでもよい。あるいは、搬送される物品の情報を上位の装置(システム)から受信取得することでもよい。
【0071】
図8は本発明の物品が取出された後の収納箱への物品を収納する物品投入装置の一構成例を説明する図である。
【0072】
図8において、物品13を収納箱71に投入する投入装置8は、上部に矢線dに示すように上下動可能な支持部83と、支持部83に固定された本体81と、開閉可能な底板82から構成される。
【0073】
投入装置8の下方に収納箱71が置かれている。搬送ライン(移動ライン)15から矢線cに示す方向へ物品13が搬送されてくると投入装置8が所定位置に移動配置され物品13を受け取り下方の収納箱71内へ投入する。投入装置8は図7に図示した高低検出機構72、73からの検出情報を受けて上下位置に調整されることでよい。また、搬送ライン(移動ライン)15の下部に矢線cに示すようにスライド可能な案内板85を設け、物品13を投入装置8または収納箱71へ投入する際にその物品を案内補助するようにしてもよい。
【0074】
図9Aおよび図9Bは、図8に示す物品投入装置の構成における底板の構成例を示し、図9Aは底板が閉じた状態を示し、図9Bは底板が開いた状態を示している。
【0075】
図9A図9Bにおいて、投入装置本体の側部に設けられた底板支持部91の下方にガイドレール931、932が取付けられている。底板921、922は、それぞれガイドレール931、932に取付けられ、両側に移動可能になっている。図9Aに図示の状態にて、投入される物品13を底板921、922で受け、図示の矢線d1、d2方向へ底板921、922を移動し、物品13を収納箱(図示略)に投入し、図9Bに図示の矢線d3、d4のように底板921、922を移動し元の状態に戻る。
【0076】
図10は物品投入装置の構成における底板の別の構成例を示す。図10において、図9Aおよび図9Bに図示した底板の構成と異なる点は、底板を回転し開閉する構成としたことにある。
【0077】
図10において、投入装置本体の側部に設けられた底板支持部101の下方に底板取付部材1021、1022を配し、各取付部材1021、1022にそれぞれ底板1011、1012が回転可能に取付けられている。
【0078】
底板1011、1012はそれぞれ矢線d5、d6に示すように回転可能とし、初期の状態においては各底板を平坦としている。物品13が投入されるとき、この平坦状態の2枚の底板1011、1012により物品を受け取る。続いて物品13を下方の収納箱(図示略)に収納する際に各底板1011、1012の中央を下側へ回転駆動させて物品を収納箱内に投下する。底板1011、1012を元に戻すことにより、次の物品を受け入れる状態となる。
【0079】
図11Aおよび図11Bは、本発明の物品取出装置を搬送ライン間で物品を移動する自動移動システムに提供した場合のシステム構成を示し、図11Aはシステムの全体を斜め上方からみた図であり、図11B図11Aに示すシステムを後方からみた図である。
【0080】
図11Aおよび図11Bにおいて、搬送ライン111を入ライン、搬送ライン114を出ラインとしている。ここで、入ライン111上で搬送される所定の容器112が物品取出装置11の搬送台(載置台)にきたときに、物品取出装置11の搬送台の上方から蓋部22が容器12および容器内の物品13を覆い搬送台ごと所定角度、旋回させる。図示例では、その蓋部22を傾斜板として物品113が移動ライン116に取出される状態を示している。取出された物品は移動ライン116を介して出ライン114側で搬送されてくる収納箱115の中に収納される。物品の収納箱への収納は、先に説明した物品投入装置等を用いてもよい。なお、図中の矢線a、b、cは各搬送ラインの移動方向を示している。
【0081】
なお、搬送ラインとして直線状に配置されたものを図示しているが、ライン形態としてこれら直線状に限られるものではなく、例えば、円形等の回転形式のライン形態を用いる例を用いた例を図11Cに示す。
【0082】
図11Cは、本発明の入出搬送ラインとして用いられるライン構成の他の例を平面図にて説明する図である。図11Cにおいて、図11Aと異なる点は、搬送ラインとして円形の回転形式を用いたことにある。
【0083】
図11Cにおいて、基本構成としては、入側の搬送ライン(入ライン)a11と出側の搬送ライン(出ライン)b1と、ライン間に移動ラインc12を配置して構成される。図示例では、出ラインb1として円形状の回転台(ターンテーブル)とし、回転台は所定に区分けされ、その回転台上に容器および/または物品が載置され移動されるものを示している。また、入ラインa11と移動ラインc12の間は物品取出装置(図示略)が配置され、移動ラインc12と出ラインb1の間は物品投入装置(図示略)が配置される。なお、移動ラインc12に代えて物品取出および/または投入装置c12として配置されるものでもよい。図中の矢線aa、矢線cc、矢線bbは搬送ラインの搬送方向を示している。先の実施形態と同じ様に、入ラインaa上を搬送される物品a13を収容した容器a10は物品取出し位置a12にて移動ラインc12に載せ換えられ、出ラインb1の投入位置b12にある収納箱(容器)b10に物品a13が投入される。なお、図示例では、入ラインa11を直線状の搬送ラインとし、出ラインb1を回転形式の搬送ラインとしたが、これらのライン形態を逆にしたものであってもよい。即ち、入ラインa11を回転形式、出ラインb1を直線状の各搬送ラインとしてもよい。また、入ラインa11と出ラインb1の何れも回転形式としたシステム構成としてもよい。
【0084】
また、図11Cにおいて、矢線aaaで示す方向から物品等が搬送られることでもよく、搬送方向や、物品取出し位置、物品投入位置等について種々変形したものであってよい。
【0085】
なお、上記に説明したように、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン等)として、そのライン形態が直線状に配置されたものに限られるものではなく、蛇行したライン形態や円形等の回転形式のライン形態に適用されるものでもよい。また、平面状に配置されたラインに限られるものではなく立体状に配置されたものでもよい。即ち、ラインとは、物品等を搬入、搬出、移動等するための移動経路を形成するものでよい。これらのことは以下においても同様である。
【0086】
図12は本発明の物品取出装置の適用に係る入出ライン間の自動移動システムの別の構成を示している。図12において、図11Aおよび図11Bに図示したシステムと異なる点は、移動ライン116を無くし、入ライン111から出ライン112の収納箱115に物品113を直接投入するようにしたことにある。
【0087】
本発明によれば、図11Aおよび図12の何れの構成においても、ライン間で物品を自動的に移動させることができる。
【0088】
図13は、本発明の物品取出装置を適用した搬送ライン間に係り、図11Aに示した自動移動システムにおいて、移動ラインを複数備えた構成を示す図である。
【0089】
図13において、入ライン111側の要所に物品取出装置11a、11b、11cが配置され、搬送ライン111上に搬送されてくる容器112内に収容されている物品113を適宜取出すことになる。
【0090】
各物品取出装置11a、11b、11cには、それぞれ出ライン115側へ物品を搬送する移動ライン1161、1162、1163が設けられている。各移動ライン1161、1162、1163では取出された物品を矢線c1、c2、c3方向へ搬送移動する。各移動ライン1161、1162、1163により搬送された物品は物品投入装置等により出ライン側の各収納箱へ投入されることになる。なお、複数の物品取出装置および移動ラインは、同時に並行して動作させてよく、また、同期して稼働させてもよいし、非同期で稼働させてもよい。また、各移動ラインを省き、先の図12で説明したように複数個所に設けられた物品取出装置から出ライン側へ直接投入するようにしてもよい。
【0091】
なお、上記で説明している搬送ラインとして、物品を収容した容器等が搬送される第1のライン、これを入ラインとし、当該容器等から物品を取出し収納箱等の別の収納容器(容器)が搬送される第2のライン、これを出ラインとし、あるいは、移動ラインを第2のラインとしてもよく、これらの用語自体に限定されるものではない。
【0092】
また、この入出ライン間には、移動ラインを備えたものと、入出ライン間で移動ラインを設けず物品取出装置および/または物品投入装置で直結したものがある。
【0093】
また、入出ライン間の物品の移動は、一つの物品を収納箱等に収納するもの、複数の物品を一つの収納箱等に収納するものであってもよい。
【0094】
なお、先にも説明したように、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン等)として、そのライン形態が直線状に配置されたものに限られるものではなく、蛇行したライン形態や円形等の回転形式のライン形態に適用されるものでもよい。また、平面状に配置されたラインに限られるものではなく立体状に配置されたものでもよい。即ち、ラインとは、物品等を搬入、搬出、移動等するための移動経路を形成するものでよい。
【0095】
また、物品取出装置は、物品を押える蓋をスロープ(傾斜板)として使用するもの、スロープ型で延長するものであって、入ラインの容器を保持する機構と、物品を支持する蓋機構の回転が同期しているものや、同期しないものであってよい。
【0096】
また、物品投入装置として、特に設けず、コンテナ(箱)等に直接投入するものでもよい。
【0097】
また、入出ライン間の物品の移動は、複数の箇所にて、並行処理してもよく、また、複数の物品を一つの収納箱等にも収納する場合に用いてもよい。
【0098】
以上各図により説明した各実施形態において、搬送ライン(入ライン、出ライン、移動ライン)、物品取出装置、物品投入装置等における、各装置、各機器の駆動制御、タイミング制御等は図示省略した制御装置により行われる。従って、物品等の入ライン、出ラインにおける出し入れ等の移動に際し、関連機器の待機や再稼働等のタイミング調整等も一元的に行うことができる。
【0099】
なお、上記の各実施形態で説明した入ライン、出ライン、移動ライン等、その用語に限定されるものではなく、物品等を搬送する搬送装置、単に搬送路、ラインと称されるものでよく、例えば、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等の回転機構を使用することができ、あるいは、場合によっては傾斜板等を利用するものであってもよい。
【0100】
また、物品を収容する容器について、収納容器、収納箱、トレイ、コンテナ(箱)、折り畳みコンテナ等、また、単に箱や容器と称される場合もあるが、本発明において適用できる入れ物であれば、その呼び名に限定されるものではない。なお、上記説明では、入側を容器、出側を収納箱等と便宜上、分けて使用しているが、これに限定されるものではなく、単に、第1の容器、第2の容器と言い換えてもよい。
【0101】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解のために例示されたものであり、本発明は、これら実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって定義される。また、本発明の技術思想から離れるものでない限り、特許請求の範囲に記載の構成と均等であるものも本発明の保護の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明によれば、容器等に収容された物品を破損や損傷等することなく自動的に取出すことができ、オーダ単位で物品をまとめる等の作業も自動化できるので、配送センターや保管倉庫等、物流システムに適用して経済効果大とできる。
【符号の説明】
【0103】
11…物品取出部(物品取出装置)
12、112…容器
13、113…物品
14、111、a11…搬送ライン(入ライン)
15、116、1161、1162、1163、c12…搬送ライン(移動ライン)
114、b1…搬送ライン(出ライン)
115、44、71…収納箱
21、51…載置台(搬送台)
211、212、511、512…支持部
213、214、513、514…回転軸
22、52…蓋部(傾斜板)
23、53…連結部
231、241、531、541…回転軸(旋回軸)
24、54…台座
41…延長板
42…延長板ケース
43…収納台
7、8…収納部(投入装置)
72、73…高低検出機構
81…本体
82、921、922、1011、1012…底板
83…支持部
85…案内板
91、101…底板支持部
931、932…ガイドレール
1021、1022…底板取付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14