(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】光源装置、露光装置および光源装置の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20220404BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20220404BHJP
G02B 19/00 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
G03F7/20 501
F21V7/09 300
G02B19/00
(21)【出願番号】P 2017244005
(22)【出願日】2017-12-20
【審査請求日】2020-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 和正
(72)【発明者】
【氏名】月崎 雄
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-004076(JP,A)
【文献】特開2007-041467(JP,A)
【文献】特開2013-153070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプと凹型反射鏡とによって構成されるランプユニットを複数備え、各ランプユニットから放射される光を集光する光源装置において、
隣り合う凹型反射鏡において、互いの開口部の開口面が同一平面上にあるように、各凹型反射鏡の開口面が反射鏡中心軸に垂直な面に対してそれぞれ傾斜していることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
ランプと凹型反射鏡とによって構成されるランプユニットを複数備え、各ランプユニットから放射される光を集光する光源装置において、
前記凹型反射鏡において、側面側開口面が設けられ、
隣り合う凹型反射鏡において
、互いに設けられた側面側開口面が互いに接触または近接した状態で固定配置され、そして、互いの開口部の開口面が同一平面上にあるように、各凹型反射鏡の開口面が反射鏡中心軸に垂直な面に対してそれぞれ傾斜していることを特徴とす
る光源装置。
【請求項3】
ランプと凹型反射鏡とによって構成されるランプユニットを複数備え、各ランプユニットから放射される光を集光する光源装置において、
前記凹型反射鏡において、側面側開口面が設けられ、
隣り合う凹型反射鏡において、互いに設けられた側面側開口面が平行となるように、各凹型反射鏡の開口面が反射鏡中心軸に垂直な面に対してそれぞれ傾斜していることを特徴とす
る光源装置。
【請求項4】
前記側面側開口面が、前記開口面に対して垂直であることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記凹型反射鏡において、互いに平行ではない少なくとも2つの側面側開口面が形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記凹型反射鏡において、少なくとも直交する2つの側面側開口面が形成されていることを特徴とする請求項3または5に記載の光源装置。
【請求項7】
前記開口部の開口面が、反射鏡中心軸に垂直な面に対し、1.0~9.0°の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光源装置。
【請求項8】
前記凹型反射鏡が、楕円反射鏡で構成され、
前記ランプの輝点が、前記楕円反射鏡の焦点付近に位置することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の光源装置を備えたことを特徴とする露光装置。
【請求項10】
ランプと凹型反射鏡とによって構成されるランプユニットを複数備え、各ランプユニットから放射される光を集光する光源装置の組み立て方法であって、
開口面が反射鏡中心軸に垂直な面に対して所定角度だけ傾斜している第1の凹型反射鏡に対し、その開口面に対して垂直方向に切断して側面側開口面を形成し、
前記第1の凹型反射鏡と同じ所定角度だけ開口面が反射鏡中心軸に垂直な面に対して傾斜している第2の凹型反射鏡に対し、その開口面に対して垂直方向に切断して側面側開口面を形成し、
前記第1、第2の凹型反射鏡の側面側開口面を向かい合わせ、互いの開口面が平行となるように、互いに接触または近接した状態で固定配置する
工程を含むことを特徴とする光源装置の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置等に使用される光源装置に関し、特に、複数のランプを装備した光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
露光装置では、放電ランプから放射された光が、楕円鏡などの反射鏡によって集光され、照明光学系へ導かれる。照明光学系には、インテグレータレンズ(例えばフライアイレンズ)が設けられ、インテグレータレンズによって照度分布が均一化される。
【0003】
インテグレータレンズ(例えばフライアイレンズ)は微小レンズを縦横方向に2次元配列させたレンズユニットであるため、ランプ、反射鏡の大型化は、照度低下、解像度低下などを招く。そこで、ランプと反射鏡とをそれぞれ装備したランプユニットを複数有し、各ランプユニットから放射される光が集光するようにランプユニットを配置した光源装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
そこでは、2つの凹面反射鏡(楕円反射鏡)の一部を切断して互いに平行な切断面を形成し、切断面を当接させた状態で反射鏡を固定配置する。反射鏡の中心軸が交差するように切断面が形成されることにより、照度低下を抑えながら、2つのランプから放射される光が集光される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
凹面反射鏡(楕円反射鏡など)では、その中心軸上の第1焦点付近にランプ中心を配置することから、反射鏡の開口面は、均等に光を集光できるように、反射鏡中心軸に対し垂直な面を形成する。そのため、2つの反射鏡から放射される光が集光されるように2つの反射鏡を配置すると、各反射鏡の開口部は、光源装置から放射された光の軸方向(光源装置中央側方向)に対して傾斜し、複数の反射鏡(反射鏡アッセンブリー)全体から観ると、開口面は同一平面上に形成されない。
【0007】
ランプから放射状に放出された光は、反射鏡で反射されることによってランプユニットから一定方向に放射される。しかしながら、各反射鏡では、周縁部から切断面付近に向けて開口面が下がっているため、光源装置中央側付近の反射面は、周縁部付近と比べて光放出側へ十分延出せず、反射面領域が十分設けられていない。そのため、ランプから光源装置中央側付近に向けて放出された光は反射面に当たることなく進行し、迷光となって光量ロスが生じてしまう。
【0008】
したがって、複数のランプユニットから成る光源装置において、光量ロスを抑えるようにランプユニットを組み合わせて装備することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光源装置は、露光装置などに適用可能であり、ランプと凹型反射鏡とによって構成されるランプユニットを複数備え、各ランプユニットから放射される光を集光する光源装置として構成される。そして、少なくとも一つの凹型反射鏡の開口部の開口面が、凹型反射鏡の中心軸に垂直な面に対して傾斜している。
【0010】
例えば、回転楕円面もしくは回転放物面を有する凹型反射鏡で構成することが可能であり、ランプの輝点が楕円反射鏡の焦点付近に位置するように、ランプユニットを構成することが可能である。
【0011】
凹型反射鏡の配置構成については様々な配置が可能であり、隣り合う凹型反射鏡が、互いの反射光が集光するように向かい合っている構成にすることができる。例えば、隣り合う凹型反射鏡において、開口部の開口面が同一平面上にあるようにランプユニットを配置構成することができる。開口部の開口面の傾斜角度としては、反射鏡中心軸に垂直な面に対し、1.0~9.0°の範囲で傾斜するようにすればよい。
【0012】
凹型反射鏡に対し、側面側開口面を設けることが可能である。例えば、側面側開口面が、隣り合う凹型反射鏡の側面側開口面と平行となるように、凹型反射鏡を設置することができる。
【0013】
側面側開口面の形成に関しては、開口面に対して垂直である側面側開口面を形成することが可能である。凹型反射鏡に少なくとも2つの側面側開口面を形成した場合、2つの側面側開口面は互いに平行ではない構成にしてもよい。例えば、凹型反射鏡において、少なくとも直交する2つの側面側開口面を形成することができる。
【0014】
本発明の他の態様による光源装置の組み立て方法は、開口部の開口面が中心軸に垂直な面に対して傾斜している凹型反射鏡とランプとによってそれぞれ構成される複数のランプユニットを、各ランプユニットから放射される光が集光するように組み合わせる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のランプを備えた光源装置において、光量の損失を抑えながら光を集光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態である露光装置のブロック図である。
【
図3】
図2のラインIII-IIIに沿った光源装置の断面図である。
【
図4】
図4は、側面側開口部を形成する前の反射鏡の断面図である。
【
図5】側面側開口部を形成した後の反射鏡の斜視図である。
【
図6】第2の実施形態である光源装置における反射鏡アッセンブリーの概略的平面図である。
【
図7】第3の実施形態である光源装置における反射鏡アッセンブリーの概略的平面図である。
【
図8】第4の実施形態である反射鏡アッセンブリーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、第1の実施形態である露光装置のブロック図である。
【0019】
露光装置10は、フォトマスク14を用いてパターン光を基板Wに投影し、ここではコンタクト露光装置として構成されている。露光装置10は、複数の放電ランプ(ここでは図示せず)から構成される光源装置20と、基板Wにパターン光をそれぞれ投影する露光ヘッド11を備えている。
【0020】
光源装置20の放電ランプは、ここでは高圧もしくは超高圧水銀ランプであり、例えば、0.2mg/mm3以上の水銀が含まれている。放電ランプは、光源駆動部19によって点灯される。露光ヘッド11は、照度を均一化するインテグレータレンズを含む照明光学系12と、フォトマスク14を備える。
【0021】
光源装置20から放射された光は、照明光学系12を通り、フォトマスク14に入射する。フォトマスク14を通った光は、露光ステージ18に搭載された基板Wに投影される。これによって、基板Wに所定のパターンが形成される。なお、露光装置10を、マスクレス露光装置、投影露光装置などで構成することも可能である。
【0022】
図2は、光源装置を光放出側(反射鏡開口側)から見た平面図である。
図3は、
図2のラインIII-IIIに沿った光源装置の断面図である。ただし、
図2では、放電ランプを図示しておらず、反射鏡の開口部付近の構成のみ図示している。
【0023】
光源装置20は、2つのランプユニット20A、20Bから構成されている。ランプユニット20A、20Bは、それぞれ放電ランプ22A、22Bと反射鏡24A、24Bを備え、放電ランプ22A、22Bから放射された光は反射鏡24A、24Bによって反射されてランプユニット20A、20Bから一定方向に放射される。ランプユニット20Aと20Bは、ランプユニット20Aと20Bから放射された光が集光されるように光源装置20に配置され、光源装置20から放射された光は照明光学系12のインテグレータレンズに入射する。放電ランプ22Aは、放電管23Aの両側に封止管24A1、24A2が一体的に形成されたランプ構造であり、放電ランプ22Bも、放電管23Bの両側に封止管24B1、24B1が一体的に形成されている。
【0024】
反射鏡24Aは、放電ランプ22Aから放射された光を反射して集光する凹型反射鏡であり、ここでは楕円反射鏡として構成されている。反射鏡24Aは、椀状の凹部25Aを備え、回転楕円面である凹部25Aの内周面25S1に反射面(ミラー)が形成されている。放電ランプ22Aの輝点(一対の電極の中間点)は、反射鏡24Aの第1焦点付近に位置し、封止管24A1は凹部25Aの開口された底部25DAまで延びている。放電ランプ22の中心軸は、反射鏡24Aの中心軸C1と一致する。反射鏡24Bは、反射鏡24Aと同一形状の楕円反射鏡として構成され、凹部25Bを備える。反射鏡24A、24Bは、反射鏡アッセンブリー24を構成する。
【0025】
反射鏡24A、24Bには、光を放出する開口部27A、27Bが形成されるとともに、側面側開口部29A、29Bが形成されている。反射鏡24A、24Bは、側面側開口部29A、29Bが互いに接触または近接した状態で固定配置されている。近接した状態(反射鏡24Aと24Bとの間に微小な隙間を有し、反射鏡24Aと24Bとが接触しないで平行に配置された状態)とすることで、ランプ点灯による熱膨張によって反射鏡24A、24Bが破損することが防止できる。
図2から
図8では、反射鏡が接触した状態も場合を表しているが、反射鏡が近接した状態である場合も同様である。反射鏡24A,24Bの固定配置は、従来公知の方法に従う。
【0026】
反射鏡24A、24Bの開口部27A、27Bは、その開口面28A,28Bが同一平面上に位置する。ここで、開口面28Aは、凹部25Aの開口部側端面25T1に沿った平面を表し、開口面28Bは、凹部25Bの開口部側端面25T2に沿った平面を表す。開口面28A、28Bは、それぞれ、反射鏡中心軸C1、C2に垂直な平面(
図3の符号V1、V2参照)に対して傾斜している。
【0027】
反射鏡24A、24Bの側面側開口部29A、29Bには、側面側開口面31A、31Bが側面側端面25T3、25T4によって規定される。側面側開口面31A,31Bは、互いに平行な面であり、反射鏡24A,24Bが、側面側開口面31A,31B上で接している。そのため、開口面28A、28Bの中心軸C1、C2に垂直な面V1、V2に対する傾斜角(以下、θとする)は互いに等しい。また、反射鏡24A、24Bは、側面側開口面31A、31Bに関して対称的であるため、開口面28A、28Bを合わせた全体開口面28の中心Q1は、側面側開口面31A,31B上に位置する。なお、反射鏡24A,24Bが近接して配置される場合は、側面側開口面31A,31Bが微小な隙間を介して平行な面となるように配置され、全体開口面28の中心Q1は、側面側開口面31Aと31Bの中間に位置する。
【0028】
反射鏡24A、24Bの中心軸C1、C2の距離間隔は、開口面28A、28Bに近づくほど短くなる。中心軸C1、C2と開口面28A、28Bとの交点をP1、P2とすると、交点P1、P2から全体開口面の中心Q1までの距離は、凹部25A、25Bで交点P1、P2を通るライン上にある箇所25Z1、25Z2(
図2参照)までの距離よりも短くなる。
【0029】
このように反射鏡24A、24Bの開口面28A、28Bが、中心軸C1、C2の垂直な面V1、V2に対して傾斜しながら同一平面を形成しているため、反射鏡24A、24Bは、ランプ22A、22Bから放射された光のうち側面側開口部29A,29B付近あるいはその周囲に向けて進行した光を反射し、照明光学系12へ導くことが可能となる。側面側開口面31A、31B付近においても、開口面28A、28Bは、底部25DA、25DB側へ凹んでおらず、上述した箇所25Z1、25Z2と同じ高さをもつ。これにより、側面側開口部29A、29Bに近い凹部内周面25S1、25S2のエリア(
図2の符号J1~J4参照)に向けて放射された光を反射することができる。
【0030】
開口面28A、28Bの中心軸C1、C2に垂直な面V1、V2に対する傾斜角度θは、1.0°~9.0°の範囲に定められる。傾斜角度θが1°より小さいと反射効果が得られない、一方、傾斜角度θが9°を超えると、解像度低下を招く。傾斜角度θを、2.0°~6.0°の範囲にするのが好適であり、特に、傾斜角度θを4.0°~5.0°の範囲にするのがよい。
【0031】
図4は、側面側開口部を形成する前の反射鏡の断面図である。
図5は、側面側開口部を形成した後の反射鏡の斜視図である。
図4、5を用いて、反射鏡24A、24Bの形成方法について説明する。
【0032】
楕円反射鏡である反射鏡240は、開口面280が中心軸C0の垂直面V0に対してθだけ傾斜する凹部250を備え、中心軸C0に関して非対称形状になっている。なお、
図4の傾斜角度θは、
図3の傾斜角度θと異なってもよい。反射鏡240の凹部250の一部を所定位置で切断することで、側面側開口部290、開口面310が形成される。このとき、開口面280に対して直角な開口面310を形成するすように、開口面280に対して垂直方向に切断する。その結果、
図5に示すような反射鏡24Bが形成される。反射鏡24Aも、反射鏡240を同様に開口面280に対して直角方向に切断することにより形成される。
【0033】
そして2つの反射鏡の切断面を向かい合わせ、開口面310が平行になるように固定することにより、
図2、3に示した各ランプの光を集光する反射鏡アッセンブリーを構成することができる。このような垂直カットは、従来のような微妙な角度調整を伴う切断とは違い、容易に行うことが可能であり、精度よく多くの反射鏡を組み付けて、反射鏡アッセンブリーを構成することが可能となる。
【0034】
このように本実施形態によれば、ランプ22A、反射鏡24Aから構成されるランプユニット20Aと、ランプ22B、反射鏡24Bから構成されるランプユニット20Bを備えた光源装置20において、反射鏡24A、24Bは、中心軸C1、C2に垂直な面V1、V2に対して傾斜し、側面側開口部29A,29Bの側面側開口面31A、31Bは互いに平行になるように形成する側面側開口部29A,29Bで向かい合って平行に固定される。そして、開口部27A、27Bの開口面28A、28Bは、同一平面上に形成されている。
【0035】
次に、
図6を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、2つの反射鏡セットを1ユニットとし、ユニットを複数組み合わせた反射鏡アッセンブリーを構成する。
【0036】
図6は、第2の実施形態である光源装置における反射鏡アッセンブリーの概略的平面図である。
【0037】
ここでは、
図4に示す反射鏡240に対して相対する2つの側面開口部を形成するように開口面に対して直角方向に切断し、それらを組み合わせて千鳥配列させた反射鏡アッセンブリー24’を構成している。1つの反射鏡に対する切断面CJ1~CJ2は互いに平行になっておらず、1つおきの切断面CJ1、CJ3、CJ5、そしてCJ2、CJ4は互いに平行な関係にある。このような切断面を形成することで、複数のランプを一方向に沿って配置しながら、解像度低下を抑え、集光効率の高い光源配置を行うことができる。
【0038】
次に、
図7を用いて、第3の実施形態である光源装置について説明する。第3の実施形態では、4つの反射鏡によって反射鏡アッセンブリーが構成される。
【0039】
図7は、第3の実施形態である光源装置における反射鏡アッセンブリーの概略的平面図である。ここでは、
図4に示した反射鏡240を互いに直交する2つの面で切断することによって1つの反射鏡を成形し、切断面を互いに隣り合わせるように配置することによって、反射鏡アッセンブリー24”が構成される。
【0040】
次に、
図8を用いて、第4の実施形態である光源装置について説明する。第4の実施形態では、反射鏡に切断面が形成されない。
【0041】
図8は、第4の実施形態である反射鏡アッセンブリーの断面図である。
【0042】
図8に示すように、反射鏡アッセンブリー124を構成する反射鏡24A’、24B’は、切断面を形成していない。そして、開口面28A、28Bから成る全開口面28の中心Q1と、反射鏡24A’、24B’の中心軸C1、C2と開口面28A、28Bとの交点P1、P2とが同一ライン上に載るように、反射鏡24A’、24B’が向かい合って接している。開口面28A、28Bは同一平面上に位置し、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
反射鏡については、楕円反射鏡の代わりに回転対称な放物面を形成する放物面ミラーで構成することも可能であり、それ以外の凹部型反射鏡で形成することも可能である。さらに、加工時の誤差やランプ点灯中の反射鏡の熱膨張などを考慮すると、側面側開口面にわずかな隙間を設けてもよい。この場合、反射鏡の開口面は厳密には同一平面上には位置しないが、上述した迷光を低減する効果をもたせることができる。また、複数の反射鏡を組み合わせる場合、少なくとも隣り合う反射鏡において上述した構成を満たすようにしてもよい。
【0044】
放電ランプ以外の光源を用いてもよく、凹型反射鏡に対して放射するような光源を用いればよい。また、露光装置以外の装置に対して光源装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 露光装置
20 光源装置
20A、20B ランプユニット
22A、22B ランプ
24A、24B 反射鏡
25A、25B 凹部
27A、27B 開口部
28A、28B 開口面
29A、29B 側面側開口部
31A、31B 側面側開口面