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特許7051219楽曲検索装置、楽曲検索システムおよび楽曲検索方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】楽曲検索装置、楽曲検索システムおよび楽曲検索方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/63 20190101AFI20220404BHJP
【FI】
G06F16/63
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018079636
(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2019191629
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】丸本 徹
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204113(JP,A)
【文献】特開2018-045550(JP,A)
【文献】特開2006-031180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲ごとの楽曲情報を管理する端末側データベースが記憶された端末と通信可能な楽曲検索装置であって、
前記端末から前記楽曲情報を受信し、受信した前記楽曲情報に基づいて装置側データベースを生成するデータベース生成部と、
前記装置側データベースを利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定し、正常に行うことができる場合、前記装置側データベースを利用して楽曲検索を行う一方、正常に行うことができない場合、前記端末と通信し前記端末に記憶された前記端末側データベースを利用して楽曲検索を行う楽曲検索部と、
を備えることを特徴とする楽曲検索装置。
【請求項2】
圧縮画像データの送信を前記端末に要求して取得し、取得した前記圧縮画像データを復号可能か否か判定し、復号可能な場合は前記圧縮画像データを復号して表示画像データを生成し、前記表示画像データに基づく画像を表示装置に表示する一方、復号不可能な場合は前記圧縮画像データの復号、および、復号により生成された前記表示画像データの送信を前記端末に要求し、当該要求に応じて受信した前記表示画像データに基づく画像を前記表示装置に表示する表示制御部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の楽曲検索装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記楽曲検索部による楽曲検索の検索結果から一の楽曲が選択された場合、当該一の楽曲に関する前記圧縮画像データの送信を前記端末に要求して取得し、取得した当該一の楽曲に関する前記圧縮画像データを復号可能か否か判定し、復号可能な場合は当該一の楽曲に関する前記圧縮画像データを復号して前記表示画像データを生成し、前記表示画像データに基づく画像を前記表示装置に表示する一方、復号不可能な場合は当該一の楽曲に関する前記圧縮画像データの復号、および、復号により生成された前記表示画像データの送信を前記端末に要求し、当該要求に応じて受信した前記表示画像データに基づく画像を前記表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の楽曲検索装置。
【請求項4】
圧縮画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を前記端末に要求し、当該要求に応じて前記表示画像データを受信した場合は、受信した前記表示画像データに基づいて表示装置に画像を表示する一方、前記端末により前記圧縮画像データの復号が不可能な旨の通知があった場合は、前記圧縮画像データの送信を要求して取得し、取得した前記圧縮画像データを復号して前記表示画像データを生成し、生成した前記表示画像データに基づく画像を前記表示装置に表示する表示制御部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の楽曲検索装置。
【請求項5】
楽曲ごとの楽曲情報を管理する端末側データベースが記憶された端末と、前記端末と通信可能な楽曲検索装置とを備える楽曲検索システムであって、
前記端末は、
前記端末側データベースで管理されている前記楽曲情報を送信する処理実行部を有し、
前記楽曲検索装置は、
前記端末から前記楽曲情報を受信し、受信した前記楽曲情報に基づいて装置側データベースを生成するデータベース生成部と、
前記装置側データベースを利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定し、正常に行うことができる場合、前記装置側データベースを利用して楽曲検索を行う一方、正常に行うことができない場合、前記端末と通信し前記端末に記憶された前記端末側データベースを利用して楽曲検索を行う楽曲検索部とを有する
ことを特徴とする楽曲検索システム。
【請求項6】
楽曲ごとの楽曲情報を管理する端末側データベースが記憶された端末と通信可能な楽曲検索装置による楽曲検索方法であって、
前記楽曲検索装置のデータベース生成部が、前記端末から前記楽曲情報を受信し、受信した前記楽曲情報に基づいて装置側データベースを生成するステップと、
前記楽曲検索装置の楽曲検索部が、前記装置側データベースを利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定し、正常に行うことができる場合、前記装置側データベースを利用して楽曲検索を行う一方、正常に行うことができない場合、前記端末と通信し前記端末に記憶された前記端末側データベースを利用して楽曲検索を行うステップと、
を備えることを特徴とする楽曲検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲検索装置、楽曲検索システムおよび楽曲検索方法に関し、特に、楽曲情報を管理するデータベースが記憶された端末と接続可能な楽曲検索装置、当該楽曲検索装置と当該端末とを含んで構成される楽曲検索システム、および、当該楽曲検索装置による楽曲検索方法に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
楽曲ごとの楽曲情報を管理するデータベースが記憶された端末(例えば、スマートフォンや、タブレット型コンピューター等)と、この端末と接続可能な楽曲検索装置とを含んで構成されたシステムに関し、特許文献1に以下の技術が記載されている。すなわち、楽曲検索装置(車載装置)と端末(携帯端末)との接続が確立されたときに、端末が楽曲検索装置に楽曲情報のそれぞれを送信し、楽曲検索装置は受信した楽曲情報に基づいてデータベース(検索DB)を生成する。その際、楽曲検索装置は、記憶スペースの空きスペース不足に起因してデータベースの生成が正常に完了しない(楽曲検索が有効とならない)ことを防止するため、データベースの生成中に空きスペースの不足が発生した場合には、特定の楽曲情報を削除し、空きスペースの容量を回復する。特許文献1によれば、空き容量の不足に起因してデータベースの生成が正常に完了しないことを防止できる。
【0003】
なお、特許文献2には、デジタル圧縮映像信号またはデジタル圧縮音声信号を復号装置に出力する際に、その復号装置が信号を復号可能であるか否かを判定し、復号可能であると判定した場合にのみ、その復号装置に対して信号を出力する技術について記載されている。また、特許文献3には、ユーザーにより特定のデータ形式のオーディオデータが選択され、かつ、オーディオデータを再生する再生機器として複数の機器が選択された場合、当該特定のデータ形式のデータを再生可能な再生機器がマスター機器として決定されると共に、コンテンツサーバーからマスター機器に対してオーディオデータが送信され、マスター機器においてオーディオデータのデータ形式が変換され変換後のデータが他の再生機器に転送されるように構成されたシステムについて記載されている。また、特許文献4には、モバイル機器が、再生可能なコンテンツのフォーマット情報を記憶し、ユーザーによりコンテンツが選択された場合、フォーマット情報に基づいてモバイル機器がそのコンテンツを再生可能か否か判定され、再生できない場合は、モバイル機器とLANを介して接続された他の再生機器によりそのコンテンツが再生されるように構成されたシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-204113号公報
【文献】特開2002-057984号公報
【文献】特開2017-156671号公報
【文献】特開2009-252334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、空き容量の不足に起因してデータベースの生成が完了しないことは防止できるものの、以下の問題がある。すなわち、データベースは楽曲検索に利用されるものであるが、データベースを生成する処理を行った後に楽曲検索ができない事態は、空き容量の不足に起因してデータベースの生成が完了しなかった場合だけでなく、記憶媒体に関するエラー、装置内部の通信エラー等の様々な原因で発生し得る。しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、空き容量の不足以外の原因で楽曲検索ができないときに、楽曲検索を行うことが可能な状態とならず、ユーザーの利便性を損ねてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、データベースの生成が完了しなかったこと以外の原因でデータベースを利用した楽曲検索ができない場合であっても、楽曲検索を行える状態を構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明の楽曲検索装置は、楽曲ごとの楽曲情報を管理する端末側データベースが記憶された端末と通信可能であり、端末から楽曲情報を受信し、装置側データベースを生成する。そして、楽曲検索装置は、装置側データベースを利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定し、正常に行うことができる場合は、装置側データベースを利用して楽曲検索を行う一方、正常に行うことができない場合は、端末と通信し、端末に記憶された端末側データベースを利用して楽曲検索を行う。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、装置側データベースの生成が正常に完了しなかった場合だけでなく、装置側データベースの生成が完了した後に装置側データベースを利用した楽曲検索ができない場合は、端末に記憶された端末側データベースを利用して楽曲検索が行われる。このため、装置側データベースの生成が正常に完了しなかったこと以外の原因で装置側データベースを利用した楽曲検索ができない場合であっても、最終的に楽曲検索を行える状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る楽曲検索システムの機能構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る楽曲検索装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る楽曲検索システム1の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、楽曲検索システム1は、車載装置2(特許請求の範囲の「楽曲検索装置」に相当)と、車載装置2と通信可能な携帯端末3(特許請求の範囲の「端末」に相当)とを備える。車載装置2は、車両に搭載された装置であり、タッチスクリーン4および音声処理装置5が接続されている。
【0011】
タッチスクリーン4は、車両のダッシュボードや、センターコンソール等、搭乗者が視認可能な位置に設けられたディスプレー6(特許請求の範囲の「表示装置」に相当)と、ディスプレー6に重ねて配置され、ディスプレー6の表示領域に対するタッチ操作を検出するタッチパネル7とを備える。音声処理装置5は、D/Aコンバーターや、ボリューム、アンプ、スピーカー等を備え、入力された音声信号をD/A変換し、増幅した後、音声信号に基づく音声をスピーカーから出力する。
【0012】
携帯端末3は、搭乗者により車両に持ち込まれる携帯型の端末である。携帯端末3は、例えば、タブレット型コンピューターや、いわゆるスマートフォン等である。特に、本実施形態に係る携帯端末3は、特定のオペレーティングシステム(以下、「特定OS」と表現する)が搭載された端末であり、この特定OS上で動作し、携帯端末3に後述する各種処理を実行させる機能を有する特定のアプリケーション(以下、「特定アプリ」と表現する)がインストールされている。
【0013】
図1に示すように、車載装置2は、機能構成として、通知部10、データベース生成部11、楽曲検索部12、表示制御部13および楽曲再生部14を備えている。また、携帯端末3は、機能構成として、アプリケーション実行部20を備えている。上記各機能ブロック10~14、20は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10~14、20は、実際にはコンピューターのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリー等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。特に、携帯端末3のアプリケーション実行部20は、CPU等のハードウェアが特定アプリ(OSが提供するAPI等、特定アプリに付随するプログラムを含む)を読み出して実行することによって各種処理を実行する。
【0014】
図1に示すように、車載装置2は、記憶手段として、データベース記憶部15を備えている。データベース記憶部15には、データベース生成部11により生成された装置側データベース16が記憶される。装置側データベース16については後述する。
【0015】
また、携帯端末3は、記憶手段として、端末側記憶部21を備えている。端末側記憶部21には、端末側データベース22が記憶されている。端末側データベース22は、楽曲ごとに楽曲情報と楽曲音声データと楽曲関連画像データ(特許請求の範囲の「圧縮画像データ」に相当)とを対応付けて記憶するデータベースである。楽曲情報とは、楽曲の識別情報や、アーティスト名、曲名、楽曲のジャンル等の、楽曲に関する付加的な情報である。楽曲情報は、データベースを利用した楽曲検索にメタデータとして使用される。楽曲音声データとは、楽曲の音声が記録された所定の音声ファイルフォーマットの音声データである。楽曲関連画像データとは、楽曲が収録されたアルバムのジャケットの画像等の楽曲に関連する画像が記録された画像データであり、所定の圧縮方式で圧縮されている。圧縮方式は、例えば、JPEGや、TIFF、GIF、PNGなどである。
【0016】
車載装置2の通信部10は、所定の通信規格に従って携帯端末3と通信する。通信部10と携帯端末3との間での通信に使用される通信規格は何でもよく、例えば、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)、USB、イーサネット(登録商標)である。
【0017】
車載装置2のデータベース生成部11は、第1プロトコルに従って、携帯端末3から楽曲情報を受信し、受信した楽曲情報に基づいて装置側データベース16を生成する。第1プロトコルは、特定OSが搭載されたデバイス(携帯端末3が相当する)と、ホスト装置(車載装置2が相当する)との間での通信に用いるプロトコルであり、装置間通信を伴う所定の処理を実行するときの手順についても規定されている。装置間通信を伴う所定の処理には、楽曲検索に関する処理、および、デバイスに記憶された圧縮画像データ(楽曲関連画像データを含む)に基づく画像の表示に関する処理が含まれている。楽曲検索に関する処理に関し、第1プロトコルでは、ホスト装置側で装置側データベース16を生成し、装置側データベース16を利用して楽曲検索を行うことが規定されている。また、圧縮画像データに基づく画像の表示に関する処理に関し、第1プロトコルでは、楽曲関連画像データの復号をホスト装置側で行うことが規定されている。
【0018】
以下、データベース生成部11の処理について詳述する。データベース生成部11による装置側データベース16の生成に先立って、車載装置2と携帯端末3とが接続されると共に、携帯端末3にインストールされている特定アプリが立ち上げられる。特定アプリは、車載装置2と携帯端末3とが接続されたときに自動で立ち上がる構成でもよく、また、ユーザーの指示によって立ち上がる構成でもよい。特定アプリが立ち上がると、携帯端末3のアプリケーション実行部20と、データベース生成部11、楽曲検索部12および楽曲再生部14との間でコネクション(論理的な通信経路)が確立し、これら機能ブロック間でデータの送受信が可能な状態となる。携帯端末3のアプリケーション実行部20は、データベース生成部11との間でコネクションが確立すると、第1プロトコルに従って、端末側データベース22で管理されている楽曲情報を楽曲ごとに順に車載装置2のデータベース生成部11に送信する。
【0019】
携帯端末3のアプリケーション実行部20が送信した楽曲情報は、通信部10の機能により、順次、受信バッファー(不図示)に格納される。データベース生成部11は、第1プロトコルに従って、受信バッファーに格納されていく楽曲情報を読み出していき、読み出した楽曲情報に基づいて、データベース記憶部15の所定の記憶領域に装置側データベース16を構築することを試みる。装置側データベース16とは、楽曲情報を用いた楽曲検索に利用される所定のデータ構造のデータベースであり、楽曲ごとに楽曲情報を管理する。
【0020】
正常に生成が完了した装置側データベース16は不揮発性メモリーに記憶され、装置側データベース16が生成された後に携帯端末3と車載装置2との通信接続が切断されても、データベース記憶部15から削除されない。そして、再び、車載装置2と携帯端末3との間での通信接続が確立され特定アプリが立ち上げられた場合、データベース生成部11は、以下の処理を実行する。すなわち、データベース生成部11は、第1プロトコルに従ってアプリケーション実行部20と通信し、端末側データベース22で管理されている楽曲情報と、装置側データベース16で管理される楽曲情報とが同一性を有した状態となるように装置側データベース16を更新する。装置側データベース16を更新する処理は、楽曲検索に使用する装置側データベース16を構築するために行われる処理であり、装置側データベース16を生成する処理に相当する。
【0021】
以上のように、データベース生成部11は、第1プロトコルに従って、装置側データベース16の生成を試みるが、装置側データベース16の生成は必ずしも正常に完了しない。例えば、データベース記憶部15の空き領域の不足、装置側データベース16の生成の試行中の通信障害等により、装置側データベース16の生成が正常に完了しないことがある。装置側データベース16の生成が正常に完了しなかった場合、以後、第1プロトコルでは楽曲検索を行うことができない。上述したように、第1プロトコルは、車載装置2に生成された装置側データベース16を利用して楽曲検索を行うことが規定されたプロトコルであり、装置側データベース16の生成が正常に完了しなかった場合、楽曲検索の実行が制限されるからである。
【0022】
また、装置側データベース16の生成が正常に完了した場合であっても、データベース記憶部15へのアクセスエラー、データベース記憶部15の記憶媒体に関する障害、その他の原因により装置側データベース16を利用した楽曲検索が正常に行えない場合がある。このような場合も、第1プロトコルでは、楽曲検索を行うことができない。以上を踏まえ、車載装置2の楽曲検索部12は、以下の処理を実行する。
【0023】
すなわち、楽曲検索部12は、ユーザーから楽曲検索の開始の指示があった場合、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定し、正常に行うことができる場合、装置側データベース16を利用して楽曲検索を行う。一方、楽曲検索部12は、楽曲検索を正常に行うことができない場合、携帯端末3と通信し、携帯端末3に記憶された端末側データベース22を利用して楽曲検索を行う。以下、楽曲検索部12の処理について詳述する。
【0024】
所望の楽曲の検索を望むユーザーは、楽曲検索部12の機能によりタッチスクリーン4に表示されるユーザーインターフェースに対してタッチ操作を行って、所定の検索キーを入力すると共に、楽曲検索の開始を指示する。楽曲検索部12は、ユーザーから楽曲検索の開始が指示されると、まず、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定する。楽曲検索部12は、装置側データベース16に正常にアクセス可能か否か、また、アクセス可能な場合には、装置側データベース16が楽曲検索に利用可能な状態か否か(データ構造が正常か否か、データに破損がないか等)を検証し、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定する。
【0025】
装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができる場合、楽曲検索部12は、装置側データベース16を利用してユーザーにより入力された検索キーに基づく楽曲検索を実行する。楽曲検索の実行後、楽曲検索部12は、検索結果をディスプレー6に表示する。本実施形態では、楽曲検索部12は、検索により見つかった1つまたは複数の楽曲のそれぞれについて、ディスプレー6に楽曲情報を一覧表示する。例えば、楽曲検索部12は、検索により見つかった1つまたは複数の楽曲のそれぞれのアーティスト名、曲名、楽曲のジャンル等を楽曲ごとに区分して表示する。ユーザーは、再生を希望する楽曲が検索結果に含まれている場合には、タッチパネル7に対して所定のタッチ操作を行って所望の楽曲を選択する。
【0026】
一方、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができない場合、楽曲検索部12は、以下の処理を実行する。すなわち、楽曲検索部12は、携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、車載装置2と携帯端末3との間での通信に用いるプロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替えることを通知すると共に、アプリケーション実行部20と手続きに従って通信し、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える。
【0027】
第2プロトコルは、第1プロトコルと同様、特定OSが搭載されたデバイス(携帯端末3)と、ホスト装置(車載装置2)との間での通信に用いるプロトコルであり、装置間通信を伴う所定の処理を実行するときの手順についても規定されている。装置間通信を伴う所定の処理には、楽曲検索に関する処理、および、圧縮画像データ(楽曲関連画像データを含む)に基づく画像の表示に関する処理が含まれている。楽曲検索に関する処理に関し、第2プロトコルでは、ホスト装置側で装置側データベース16を生成することなく、デバイスの端末側データベース22を利用して楽曲検索することが規定されている。また、圧縮画像データに基づく画像の表示に関する処理に関し、第2プロトコルでは、圧縮画像データの復号をデバイス側で行う旨、規定されている。
【0028】
プロトコルを第2プロトコルへと切り替えた後、楽曲検索部12は、第2プロトコルに従って、アプリケーション実行部20と通信し、ユーザーが入力した検索キーに基づく楽曲検索を端末側データベース22を利用して実行する。より詳細には、楽曲検索部12は、アプリケーション実行部20に対して所定の制御コマンドを送信し、ユーザーが入力した検索キーに基づく楽曲検索をアプリケーション実行部20に実行させると共に、楽曲検索の検索結果を送信させる。楽曲検索部12は、アプリケーション実行部20から検索結果を取得し、装置側データベース16を利用して楽曲検索を行ったときと同様の方法で、検索結果をディスプレー6に表示する。検索結果を表示した後、楽曲検索部12は、プロトコルを第2プロトコルから第1プロトコルへと切り替える。
【0029】
以上のように、本実施形態では、装置側データベース16の生成が正常に完了しなかった場合だけでなく、装置側データベース16の生成が正常に完了したもののデータベース記憶部15へのアクセスエラー等により装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができない場合も、プロトコルが第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替えられた上で、端末側データベース22を利用した楽曲検索が実行される。このため、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができない場合であっても、最終的に楽曲検索が行える状態となり、ユーザーの利便性が高い。
【0030】
車載装置2の表示制御部13は、楽曲検索の検索結果から楽曲が選択された場合、その楽曲の楽曲関連画像データ(圧縮画像データ)の送信を携帯端末3に要求して取得する。表示制御部13は、取得した楽曲関連画像データを、実装されたデコーダーにより復号可能か否か判定し、復号可能な場合はデコーダーにより楽曲関連画像データを復号して表示画像データを生成し、表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する。一方、復号不可能な場合は楽曲関連画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を携帯端末3に要求し、当該要求に応じて受信した表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する。以下、表示制御部13の処理について詳述する。なお、以下の説明では、ユーザーにより選択された楽曲を「選択楽曲」という。
【0031】
ユーザーにより楽曲検索の検索結果から選択楽曲が選択されると、表示制御部13は、第1プロトコルに従って、選択楽曲の楽曲関連画像データの送信を携帯端末3のアプリケーション実行部20に要求する。上述したように、第1プロトコルは、圧縮画像データに基づく画像の表示に関する処理に関し、圧縮画像データの復号をホスト装置(車載装置2)側で行う旨規定されたプロトコルである。アプリケーション実行部20は、当該要求に応じて、端末側データベース22から選択楽曲の楽曲関連画像データを取得し、取得した楽曲関連画像データを復号することなく車載装置2の表示制御部13に送信する。
【0032】
表示制御部13は、アプリケーション実行部20から楽曲関連画像データを受信し、取得する。表示制御部13は、取得した楽曲関連画像データについて、車載装置2に実装されているデコーダー(複数のデコーダーが実装されている場合には、複数のデコーダーのうちの何れか)により復号可能か否かを判定する。例えば、表示制御部13は、デコーダーにより楽曲関連画像データの復号を試み、復号が正常に完了するか否かによって、復号可能か否かを判定する。
【0033】
復号可能な場合、表示制御部13は、デコーダーにより選択楽曲の楽曲関連画像データを復号し、表示画像データを生成する。表示画像データは、画素ごとに色に関する情報を保持する所定の解像度のビットマップデータである。表示制御部13は、生成した表示画像データを画像バッファーに展開し、表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する。
【0034】
一方、楽曲関連画像データの圧縮方式に対応するデコーダーが車載装置2に実装されておらず、車載装置2に実装されたデコーダーでは楽曲関連画像データの復号が不可能な場合もある。このような場合、圧縮画像データの復号をホスト装置(車載装置2)側で行うことが規定されている第1プロトコルでは、楽曲関連画像データに基づく画像がディスプレー6に表示されない。以上を踏まえ、このような場合、表示制御部13は、以下の処理を実行する。
【0035】
すなわち、表示制御部13は、携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、車載装置2と携帯端末3との間での通信に用いるプロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替えることを通知すると共に、アプリケーション実行部20と手続きに従って通信し、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える。次いで、表示制御部13は、第2プロトコルに従って、選択楽曲の楽曲関連画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を携帯端末3のアプリケーション実行部20に要求する。
【0036】
アプリケーション実行部20は、当該要求に応じて、端末側データベース22から選択楽曲の楽曲関連画像データを取得する。アプリケーション実行部20は、取得した楽曲関連画像データを携帯端末3に実装されたデコーダーにより復号可能か否かを判定する。復号可能な場合、アプリケーション実行部20は、楽曲関連画像データをデコーダーにより復号して表示画像データを生成し、表示制御部13に送信する。表示制御部13は、アプリケーション実行部20から表示画像データを受信し、取得する。表示制御部13は、取得した表示画像データを画像バッファーに展開し、ディスプレー6に表示画像データに基づく画像を表示する。
【0037】
ここで、本実施形態に係る携帯端末3は、特定OSが搭載された端末であるが、携帯端末3は、多くの人間に汎用的に使用されることが前提の端末であり、車両に搭載される専用機の車載装置2と比較して、実装されたデコーダーの種類が充実している。このため、車載装置2により楽曲関連画像データの復号ができない場合であっても、携帯端末3では高い確率で楽曲関連画像データの復号が可能である。しかしながら、携帯端末3のデコーダーでも楽曲関連画像データを復号できない場合もある。このような場合は、携帯端末3は、楽曲関連画像データが復号できなかった旨、表示制御部13に通知する。表示制御部13は、当該通知を受け付けた場合、楽曲関連画像データに基づく画像の表示を行わない。
【0038】
以上のように、本実施形態では、選択楽曲の楽曲関連画像データの圧縮方式に対応するデコーダーが車載装置2に実装されておらず、第1プロトコルでは楽曲関連画像データに基づく画像のディスプレー6への表示ができない場合、プロトコルが第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替えられた上で、携帯端末3側で復号が実行され、携帯端末3から車載装置2へと表示画像データが送信される。車載装置2の表示制御部13は、受信した表示画像データに基づいて画像を表示する。この構成によれば、選択楽曲の楽曲関連画像データの圧縮方式に対応するデコーダーが車載装置2に実装されていない場合であっても、最終的に楽曲関連画像データに基づく画像の表示が高い確率で行われることになり、ユーザーの利便性が高い。
【0039】
なお、表示制御部13は、上述した機能に加えて以下の機能を有する。すなわち表示制御部13は、楽曲関連画像データにかかわらず、携帯端末3に記憶されている圧縮画像データに基づく画像の表示が指示された場合、第1プロトコルに従って、圧縮画像データの送信を要求し、圧縮画像データを取得する。表示制御部13は、取得した圧縮画像データを、車載装置2に実装されたデコーダーにより復号可能か否か判定し、復号可能な場合はデコーダーにより圧縮画像データを復号して表示画像データを生成し、表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する。一方、表示制御部13は、復号不可能な場合は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルに切り替え、圧縮画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を携帯端末3に要求し、当該要求に応じて受信した表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する。この機能によれば、楽曲関連画像データにかかわらず、圧縮画像データの圧縮方式に対応するデコーダーが車載装置2に実装されていない場合であっても、最終的に圧縮画像データに基づく画像の表示が高い確率で行われることになり、ユーザーの利便性が高い。
【0040】
車載装置2の楽曲再生部14は、楽曲検索部12による楽曲検索の検索結果から選択楽曲が選択された場合、携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、音声処理装置5を制御して、選択楽曲の楽曲音声データをストリーミング再生等の手段により再生する。
【0041】
次に、本実施形態に係る車載装置2の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図2は、携帯端末3の特定アプリが立ち上がり、アプリケーション実行部20から車載装置2に対して第1プロトコルに従って楽曲情報の送信が行われた場合の車載装置2の動作例を示すフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、データベース生成部11は、第1プロトコルに従って携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、アプリケーション実行部20から受信する楽曲情報に基づいて装置側データベース16を生成する(ステップSA1)。データベース生成部11による装置側データベース16の生成の試行後、楽曲検索部12は、ユーザーにより楽曲検索の開始の指示があったか否かを監視する(ステップSA2)。当該指示があった場合(ステップSA2:YES)、楽曲検索部12は、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができるか否かを判定する(ステップSA3)。
【0043】
正常に行うことができる場合(ステップSA3:YES)、楽曲検索部12は、装置側データベース16を利用してユーザーにより入力された検索キーに基づく楽曲検索を実行する(ステップSA4)。次いで、楽曲検索部12は、検索結果をタッチスクリーン4に表示する(ステップSA5)。ステップSA5の処理後、処理手順がステップSA10へ移行する。
【0044】
一方、ステップSA3において、装置側データベース16を利用した楽曲検索を正常に行うことができないと判定した場合(ステップSA3:NO)、楽曲検索部12は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える(ステップSA6)。次いで、楽曲検索部12は、第2プロトコルに従って、アプリケーション実行部20と通信し、端末側データベース22を利用してユーザーが入力した検索キーに基づく楽曲検索を実行する(ステップSA7)。次いで、楽曲検索部12は、検索結果をタッチスクリーン4に表示する(ステップSA8)。次いで、楽曲検索部12は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える(ステップSA9)。ステップSA10の処理後、処理手順がステップSA10へ移行する。
【0045】
ステップSA10において、表示制御部13は、ユーザーにより楽曲が選択されたか否かを監視する(ステップSA10)。ユーザーにより楽曲が選択された場合(ステップSA10:YES)、表示制御部13は、第1プロトコルに従って、選択された楽曲の楽曲関連画像データの送信を携帯端末3のアプリケーション実行部20に要求する(ステップSA11)。次いで、表示制御部13は、当該要求に応じて、アプリケーション実行部20から楽曲関連画像データを受信し、取得する(ステップSA12)。次いで、表示制御部13は、楽曲関連画像データが、車載装置2に実装されているデコーダーにより復号可能か否かを判定する(ステップSA13)。
【0046】
復号可能な場合(ステップSA13:YES)、表示制御部13は、選択された楽曲の楽曲関連画像データをデコーダーにより復号し、表示画像データを生成する(ステップSA14)。次いで、表示制御部13は、生成した表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する(ステップSA15)。ステップSA15の処理後、処理手順がステップSA20へ移行する。
【0047】
一方、ステップSA13において復号が不可能であると判定した場合(ステップSA13:NO)、表示制御部13は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える(ステップSA16)。次いで、表示制御部13は、第2プロトコルに従って、選択楽曲の楽曲関連画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を携帯端末3のアプリケーション実行部20に要求する(ステップSA17)。次いで、表示制御部13は、携帯端末3のアプリケーション実行部20から表示画像データを受信し、取得する(ステップSA18)。次いで、表示制御部13は、生成した表示画像データを画像バッファーに展開し、表示画像データに基づく画像をディスプレー6に表示する(ステップSA19)。ステップSA19の処理後、処理手順がステップSA20へ移行する。ステップSA20において、楽曲再生部14は、携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、音声処理装置5を制御して、楽曲検索部12による楽曲検索の検索結果から選択された楽曲の楽曲音声データを再生する(ステップSA20)。
【0048】
<変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、携帯端末3に記憶された圧縮画像データ(楽曲関連画像データを含む)に基づく画像を表示する際、表示制御部13は、以下の処理を行っていた。すなわち、表示制御部13は、第1プロトコルに従って、携帯端末3から圧縮画像データを取得する。そして、表示制御部13は、車載装置2に実装されたデコーダーでは圧縮画像データを復号できない場合、プロトコルを第2プロトコルに切り替え、表示画像データを受信し、表示画像データに基づいて画像を表示する。この点に関し、変形例に係る表示制御部13は、以下の処理を実行する。
【0049】
すなわち、携帯端末3に記憶された圧縮画像データに基づく画像を表示する必要が生じた場合、表示制御部13は、まず、第2プロトコルに従って、圧縮画像データの復号、および、復号により生成された表示画像データの送信を要求する。従って、本変形例では、現状のプロトコルが第1プロトコルの場合、表示制御部13は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替え、上記要求を行う。
【0050】
携帯端末3のアプリケーション実行部20は、圧縮画像データを取得し、携帯端末3に実装されたデコーダーにより圧縮画像データの復号可能か否かを判定する。復号可能な場合、携帯端末3のアプリケーション実行部20は、圧縮画像データを復号して表示画像データを生成し、車載装置2の表示制御部13に送信する。表示制御部13は、表示画像データに基づいて画像を表示する。
【0051】
一方、復号不可能な場合、携帯端末3のアプリケーション実行部20は、圧縮画像データの復号ができない旨、車載装置2の表示制御部13に通知する。表示制御部13は、当該通知を受け付けると、携帯端末3のアプリケーション実行部20と通信し、車載装置2と携帯端末3との間での通信に用いるプロトコルを第2プロトコルから第1プロトコルへと切り替えることを通知すると共に、アプリケーション実行部20と手続きに従って通信し、プロトコルを第2プロトコルから第1プロトコルへと切り替える。
【0052】
プロトコルの切り替え後、表示制御部13は、第1プロトコルに従って、圧縮画像データの送信を要求し、圧縮画像データを取得する。表示制御部13は、取得した圧縮画像データの復号が可能か否かを判定する。復号が可能な場合、表示制御部13は、圧縮画像データを復号して生成した表示画像データに基づいて画像を表示する。圧縮画像データの復号が不可能である場合、表示制御部13は、圧縮画像データに基づく画像の表示を行わない。
【0053】
本変形例によれば、上記実施形態と同様、携帯端末3のデコーダーと車載装置2のデコーダーの双方で圧縮画像データの復号ができない場合以外は、圧縮画像データに基づく画像を表示することが可能であり、ユーザーの利便性を向上できる。
【0054】
上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0055】
例えば、上記実施形態では、楽曲検索に使用するデータベースの変更や、圧縮画像データを復号(デコード)する装置の変更は、プロトコルの切り替えを伴って行われていた。しかしながら、上記実施形態で例示した第1プロトコルや第2プロトコルと異なるプロトコルにおいて、プロトコルの切り替えを伴わず、各処理が行われてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、楽曲検索部12は、データベース生成部11による装置側データベース16の生成が正常に完了しなかった場合は、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルに切り替え、端末側データベース22を利用して楽曲検索を実行した。この点に関し、装置側データベース16の生成が正常に完了しなかった場合であっても、構築された部分を用いて楽曲検索を行うことが可能な仕様の場合には、楽曲検索部12が、装置側データベース16の構築された部分を用いて楽曲検索を正常に行うことができない場合に、プロトコルを第1プロトコルから第2プロトコルへと切り替える構成でもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、車両に搭載された車載装置2が特許請求の範囲の楽曲検索装置であるものとして発明の実施形態を説明したが、楽曲検索装置は、車両に搭載された装置である必要はない。また、ユーザーが車両に持ち込む携帯端末3が特許請求の範囲の端末であるものとして発明の実施形態を説明したが、端末は、ユーザーが車両に持ち込む携帯端末3である必要はない。
【符号の説明】
【0058】
1 楽曲検索システム
2 車載装置(楽曲検索装置)
3 携帯端末(端末)
6 ディスプレー(表示装置)
11 データベース生成部
12 楽曲検索部
13 表示制御部
16 装置側データベース
22 端末側データベース
図1
図2