(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】モジュラ建築構造物のためのコネクタ
(51)【国際特許分類】
E04B 1/58 20060101AFI20220404BHJP
E04B 1/26 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
E04B1/58 505L
E04B1/26 G
(21)【出願番号】P 2018505507
(86)(22)【出願日】2016-04-14
(86)【国際出願番号】 CA2016050434
(87)【国際公開番号】W WO2016165022
(87)【国際公開日】2016-10-20
【審査請求日】2019-03-05
(32)【優先日】2015-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519422728
【氏名又は名称】ゼット-モジュラー ホールディング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ボウロン,ジュリアン
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-111878(JP,A)
【文献】実開昭50-069412(JP,U)
【文献】特開平11-256696(JP,A)
【文献】実開昭52-094009(JP,U)
【文献】特開2013-014976(JP,A)
【文献】米国特許第06230466(US,B1)
【文献】特開2006-214268(JP,A)
【文献】特開2005-213891(JP,A)
【文献】特開平10-152893(JP,A)
【文献】特開平10-077686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38 - 1/61
E04B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠及び前記枠に結合するための補完的な柱を付着させる圧力プレートであって、前記枠及び前記補完的な柱を付着させる圧力プレートは、一緒に中空本体を形成し、前記中空本体は、孔を有する上端部と、底端部と、側面と、を有し、前記枠及び補完的な柱を付着させる圧力プレートは、前記上端部から前記中空本体の中に受容可能な柱を付着させるための締付具を受容するために補完的な開口を有する、枠及び補完的な柱を付着させる圧力プレートと、
前記枠に結合された根太プレート及び前記根太プレートに結合するのに適した、根太を付着させる圧力プレートであって、前記根太プレート及び前記根太を付着させる圧力プレートは、根太を付着させるための締付具を受容するために補完的な開口を有する、根太プレート及び根太を付着させる圧力プレートと、
前記枠の前記側面と係合し、前記根太プレートの上端部に位置付けられた補強リブと、を備えるコネクタ。
【請求項2】
前記根太プレート及び前記根太を付着させる圧力プレートが、概ねU字形状断面を有する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記枠及び一対の根太プレートは一緒に、概ねW字形状断面を有する、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記根太を付着させる圧力プレートは、歯状面を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
底プレートと、圧縮力伝送山形材又はチューブと、をさらに備え、前記圧縮力伝送山形材又はチューブが、前記補強リブと前記底プレートとの間に位置付けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記圧縮力伝送山形材又はチューブが、一方の端部で前記枠と、別の端部で前記根太プレートと係合するL字形状山形材である、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
アームをさらに備え、前記アームは、前記アームから延びる前記根太プレートを用いて前記枠に結合される、請求項1~4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
コネクタであって、前記
コネクタは、請求項1~7のいずれか1項に規定される
コネクタと、
第
2コネクタと、
前記
コネクタと前記第
2コネクタとの間に挟まれるガセットプレートと、を備えるコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記ガセットプレートが、前記
コネクタ及び前記第
2コネクタを結合するための結合手段又は締付手段を受容するための穴を有する、請求項8に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記
コネクタを前記ガセットプレート上に位置付けるために、前記
コネクタ上の位置決めピンを受容する開口と係合するために前記ガセットプレートの第1面上に位置付けられる位置決めピンをさらに備える、請求項8又は9に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか1項に規定されるコネクタと、前記コネクタに取り外し可能に取り付けることができる持上装置と、を備える、巻上げ可能なコネクタアセンブリ。
【請求項12】
上端部及び下端部を有する少なくとも一対の梁と、
持上げ可能な枠構造物を形成している前記少なくとも一対の梁に結合された支柱と、
前記梁の前記上端部に解除可能に付着され、解除時に、前記梁上の第1位置から第2位置まで摺動可能に移動することができる複数の第1巻上ブロックと、
前記複数の第1巻上ブロックに結合された荷重支持ケーブルと、
前記梁の前記下端部に解除可能に付着され、解除時に、前記梁の前記第1位置から前記第2位置まで摺動可能に移動することができる複数の第2巻上ブロックと、
請求項8~10のいずれか1項に規定されたコネクタアセンブリであって、一方の端部上で前記複数の第2巻上ブロックと、別の端部上でモジュラ枠ユニットとに結合されるコネクタアセンブリと、を備える、持上げ可能な枠アセンブリ。
【請求項13】
モジュラ建築物を形成するためのモジュラ枠ユニットのシステムであって、
第
コネクタに結合された第1端部を有する第1モジュール枠ユニットと、
第2コネクタに結合された第1端部を有する第2モジュール枠ユニットと、
結合されて、ガセットプレートを挟んでいる
前記コネクタ及び
前記第2コネクタと、を備え、
前記
コネクタが、請求項1~7のいずれか1項に規定される
コネクタである、
システム。
【請求項14】
モジュラ建築物を形成するために隣接するモジュラ枠ユニットを結合するためのシステムであって、
コネクタに結合された第1モジュール枠ユニットの第1端部を有する第1モジュール枠ユニットと、
前記第1モジュール枠ユニットに隣接して位置付けられ、第2
コネクタを有する第2モジュール枠ユニットの第1端部を有する第2モジュール枠ユニットと、
厚板に結合されたペデスタルを有する床区分であって、前記ペデスタルは、前記ペデスタルを前記
コネクタ及び
前記第
2コネクタに結合するのに適した孔を有する、床区分と、を備え、
前記
コネクタが、請求項1~
7のいずれか1項に規定される
コネクタであり、前記ペデスタルを受容して結合するのに適した前記中空本体のボアを有する、システム。
【請求項15】
モジュラ建築物を形成するためにモジュラ枠ユニットを垂直に及び水平に接合するためのシステムであって、請求項
13又は14に規定される
システムを備える、システム。
【請求項16】
モジュラ建築物を形成するためのモジュラ枠ユニットを結合するための方法であって、
コネクタを第1モジュール枠ユニットの第1端部に結合することと、
第2コネクタを第2モジュール枠ユニットの第1端部に結合することと、
ガセットプレートを挟んで、前記
コネクタ及び前記第2コネクタを結合して、モジュラ枠ユニットを形成することと、を含み、前記
コネクタが、請求項1~7のいずれか1項に規定される
コネクタである、
方法。
【請求項17】
請求項1~7のいずれか1項に規定される
コネクタを備えるモジュール枠ユニット。
【請求項18】
請求項17に規定される
モジュール枠ユニットと、請求項1~7のいずれか1項に規定される
コネクタ又は請求項8~10のいずれか1項に規定される
コネクタアセンブリと、を備える建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2015年4月15日に出願された「MODULAR BUILDING STRUCTURE」という名称を有する米国仮特許出願第62/147,915号の利益及び優先権を主張する。上記特許出願の内容は、その詳細な説明への参照によって本願明細書に明示的に組み入れられる。
【0002】
[0002] 本発明は、コネクタアセンブリ、コネクタアセンブリを使用して巻き上げることができるコネクタアセンブリ、コネクタアセンブリを有するモジュラ枠ユニットを結合するための方法、コネクタアセンブリを有するモジュラユニットを組み立てる方法、及びコネクタアセンブリを有する建築物に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 制御された工場設定で規格構成要素から建設されたモジュラ建築ユニットをプレハブ式に製造することは、コストの低下と、屋外の建設現場で類似の作業を行うことと比べて得ることができる品質の向上との理由から望ましい場合がある。
【0004】
[0004] 従って、床、壁、及び頭上の構造物を有し、その内部に全て据え付け済みのシステム及び室内備品を含むプレハブ式モジュラ建築ユニットは、好適であり、当技術ではよく知られている。2つ以上のモジュラ建築ユニットを一緒に接合して、より大きい構造物を形成するための手段及び方法から成る建築物アセンブリシステムも、同様に当技術ではよく知られている。
【0005】
[0005] モジュラ建築ユニットを持ち上げて動かすために解除可能な連結を提供するように、構造枠の上面又は側面上に特設された開口と係合する装置が、当技術ではよく知られている。
【0006】
[0006] 工場組立モジュールを使用した細長い又は高い建築物を建設することの限界は、経済的に構成されたモジュールが、風及び地震力から生じる大きなモーメント及び建築物及び居住者の重力の作用から生じる大きい圧縮荷重に抵抗して、伝達することができないことである。さらに、こうした力の種類は全て、建築物の片方又は両方の軸の狭さによって過剰に増大化される。こうした作用は、下層階において最大であり、高さ及び細長さが増すことに比例して増大し、従って、力も、下層階において最大である。隣接モジュール間の連結部のピン留め特性、及びその輸送中の保全性に必要とされるものを超える斜筋交いはないことが、従来型のモジュール型のより大きなアセンブリを通る力伝達の効果を制限する可能性があるということが、多くのモジュラ建設システムの特性である。
【0007】
[0007] 本明細書に引用される技術において教示されるようにモジュールを使用して、高い又は細長い建築物を建設するための最新技術は、全てのモジュールが、多くの海上運賃コンテナのように分散型の様式で力に抵抗することに寄与するように、建築物が構成される全てのモジュールの全体を補強することによって、大規模生産の経済性を維持する、若しくは、モジュールの全ての壁の中又は外部にある大きな柱を使用して代替荷重経路を作成する、若しくは、モジュールを迂回して、大きな荷重を、二次的構造物を通して地面に伝達する、近接する、又は相互連結した筋交い枠を建設する、若しくは、建築物の中に垂直に通る引張棒又はケーブルを使用して、揚圧力及び横変位に対してモジュールを錨着することである。上述のアプローチは全て、力に対する達成可能な抵抗及び力の伝達に限界がある可能性がある、又は、今度は、達成可能な高さを制限する可能性がある、又は、使用する材料の量を増やし、従ってコストを上げる付加構造物の建立を必要とする可能性がある。
【0008】
[0008] さらに、特にコーナでグループ化されるとき、又は壁の中の中間の位置に存在する、大きな柱を使用する建設の方法は、結果的に、モジュール間の空間がより大きくなる、及び/又は、壁の厚みが増して、得られる建築物の有用な床面積を減らす、及び/又は、キャビネット及びシャワー室などの装備品を据え付けるために空隙及び壁を自由に利用することを制限する、及び/又は、住民による空間の使用上に他の制限を課し、それによって、得られる建築物の値を減少させる突起をもたらす。
【0009】
[0009] さらに、二次的な枠を使用するモジュラ建築物建設の方法は、建築物用のアセンブリ時間を増大させ、建設のコスト及び期間を増やし、有用な床面積を減らし、それによって、得られる建築物の価値を減少させる。
【0010】
[0010] 変形物が増えると、測定され、機械加工され、使用まで在庫管理されなければならない独特の構成要素の数が増えるので、それぞれが建築物の中でモジュール上に作用する力と関連する独特の細部を有する、多様な異種のモジュール型を作り出すことは、望ましくない。さらに、アセンブリのために互いに対してこれらの部品を正確に位置決めるのに必要な製造工具の設定は、過誤を起こしやすく、それゆえに、通常は熟練した人によって実行され、従って、設定の数をいくらかでも増やすことは、生産時間とコストとの両方を増大させることになる。
【0011】
[0011] ネットワーク化された構造物を備える部材は、ほぼ同一の長さでなければならず、結合すること又は他の手段を用いて、モジュールを正確に組み立てるのに必要な多数の特徴を作り出すので、モジュールが作られているサブアセンブリを後で位置決めして連結することと、完成モジュールに装具を取り付けて巻き上げることと、現在実践されているように重複した十分な荷重経路を提供する、構造上強固なグループ化を形成するために、モジュールを締め付けることとは、コストを上げる多数の精密な機械加工作業及びアセンブリ作業を必要とする。
【0012】
[0012] モーメント連結モジュール枠又は建築物枠は、居住者の視界を遮り、建築設備の据付け及び整備を妨げることになる斜材補強要素の必要性を減らすことが、当技術ではよく知られている。しかしながら、連結の手段として広大な継目プレートを必要とするモーメント連結は、モジュールの1つ又は複数の表面への明確な接近手段を必要とし、従って、現場で完了させなければならない、包囲して仕上げる作業の量を増大させる。
【0013】
[0013] 現地状態、居住者の要求及び建築家又は所有者の美学的趣味に最も合うモジュラ建築物のいくつかの実施形態は、先細の、湾曲した、多角形などを含む非直角な形状を有するモジュール外形で構成され得るが、高い建築物の建設に適した構造モジュールを建設するための既存のシステムは、本来、非直角の形状に適していない。
【0014】
[0014] モジュールの形状を変えること及び壁、装備品、及び他方の構成要素の位置を変えることによって、建築物を建設するのに使用される、又は、前記建築物の一階に装備を施すのに使用されるモジュールの重心は、変化する。隙間を最小に減らしながら、配置を容易にするために、巻き上げる間、モジュールの側壁をできるだけ垂直に近い方向に向けることが望ましい。この所望の状態を実現するように装具を取り付けることの調整を遂行するのには、長い遅延及び試験的な持上げの繰り返しが、必要であることが事実であった。次々と必要な変更を加えるのに必要な時間は、巻上動作の総持続時間を増やし、労働力及びクレーンなどの設備両方の、コストを上げ、同様に、建築物の完了を遅らせる。
【0015】
[0015] 正確でないモジュールを配置して、相互接続する要件は、モジュール間に必要とされる空間の量を増大させ、構造物に耐火性をもたせることの難しさ、及び最大可能強度を実現するように部材を相互接続することの難しさを増やし、並びに、モジュールを構造群に組み込むことをより困難にし、空間を無駄にして、音、煙、及び有害生物が流動するための空間を提供する。
【0016】
[0016] モジュールの寸法及びその中の部材の位置的配置は、外壁表面仕上げ、機械的設備、当接する及び隣接するモジュール、及び建築物の下の支持構造物の位置及び大きさを規定し、よって、モジュラ建築物が構成されている全ての要素の間には相互依存関係が存在している。
【0017】
[0017] 本発明は、モジュール枠の方向付け及びアセンブリのための、相互に関連する構成要素の小型の、正確な、荷重支持性の、モーメント連結の、多用途の、及び完結したシステムの必要性に対処するのを助けることができ、モジュール枠は、完成モジュールを迅速に、信頼性をもって装具を取り付けて巻き上げることを容易にすることができ、モジュールの構造的特性を十分に活用するように過大な未完成領域を必要とすることなく、モジュールの相互連結及びモジュールと建築物の他の必要な構成要素との連結を可能にすることができ、部品数を規定して減らし、接合領域における複雑な連結の製造、必要な材料を機械加工する際の過度な精度、難しい位置での難しい連結の遂行、多数の精密な設定の必要なく、特徴を提供する。
【0018】
[0018] 具体的には、本発明は、建築物モジュールの製造及びアセンブリ用の、モジュールを相互接続して、そうしたモジュールで構成される建築物を形成するための構成要素のシステムと、加えて、特定の形状に適したモジュールを作成するのに使用されるそうした構成要素の数、選択、及び明瞭度を規定するための方法と、で構成される。
【0019】
[0019] さらに、本発明は、製造者が、直角の、先細の、放射状の、及び湾曲した形状を含む、これらに限定するわけではない複数の形状をした単一家族用住居から、20階を超えるタワーまで広範囲にわたる型の建築物を経済的にかつ安全に建設することを可能にする、構成要素のシステム及び作業方法の必要性に対処するのを助けることができる。
【発明の概要】
【0020】
[0020] 1つの態様では、本明細書は、コネクタに関し、コネクタは、
[0021] 枠及び枠に結合するための補完的な柱を付着させる圧力プレートであって、枠及び補完的な柱を付着させる圧力プレートは、一緒に中空本体を形成し、中空本体は、孔を有する上端部と、底端部と、側面と、を有し、枠及び補完的な柱を付着させる圧力プレートは、上端部から中空本体の中に受容可能な柱を付着させるための締付具を受容するために補完的な開口を有する、枠及び補完的な柱を付着させる圧力プレートと、
[0022] 枠に結合された根太プレート及び根太プレートに結合するのに適した、根太を付着させる圧力プレートであって、根太プレート及び根太を付着させる圧力プレートは、根太を付着させるための締付具を受容するために補完的な開口を有する、根太プレート及び根太を付着させる圧力プレートと、を含む。
【0021】
[0023] 別の態様では、本明細書は、コネクタアセンブリに関し、コネクタアセンブリは、
[0024] 第1コネクタ、本明細書に開示されるような第1コネクタと、
[0025] 第2モジュールコネクタと、
[0026] 第1コネクタと第2モジュールコネクタとの間に挟まれたガセットプレートと、を含む。
【0022】
[0027] 第3の態様では、本明細書は、本明細書に開示されるようなコネクタと、コネクタに取り外し可能に取り付けることができる持上装置と、を含む、巻上げ可能なコネクタアセンブリに関する。
【0023】
[0028] 第4の態様では、本明細書は、持上げ可能な枠アセンブリに関し、持上げ可能な枠アセンブリは、
[0029] 上端部及び下端部を有する少なくとも1対の梁と、
[0030] 持上げ可能な枠構造物を形成する少なくとも1対の梁に結合された支柱と、
[0031] 梁の上端部に解除可能に付着され、解除時に、梁上の第1位置から第2位置まで摺動可能に移動することができる複数の第1巻上ブロックと、
[0032] 複数の第1巻上ブロックに結合された荷重支持ケーブルと、
[0033] 梁の下端部に解除可能に付着され、解除時に、梁の第1位置から第2位置まで摺動可能に移動することができる複数の第2巻上ブロックと、
[0034] 持上コネクタアセンブリの一方の端部上の複数の第2巻上ブロックと、持上コネクタアセンブリの別の端部上のモジュラ枠ユニットとに結合された、本明細書に開示されるようなコネクタアセンブリと、を含む。
【0024】
[0035] 第5の態様では、本明細書は、モジュラ建築物を形成するためのモジュラ枠ユニットのシステムに関し、システムは、
[0036] 第1コネクタに結合された第1端部を有する第1モジュール枠ユニットと、
[0037] 第2コネクタに結合された第1端部を有する第2モジュール枠ユニットと、
[0038] 結合されて、ガセットプレートを挟んでいる第1コネクタ及び第2コネクタと、を含み、
[0039] 第1コネクタが、本明細書に開示されるようなものである。
【0025】
[0040] 第6の態様では、本明細書は、モジュラ建築物を形成するために隣接するモジュラ枠ユニットを結合するためのシステムに関し、システムは、
[0041] 第1モジュール枠ユニットコネクタに結合された第1モジュール枠ユニットの第1端部を有する第1モジュール枠ユニットと、
[0042] 第1モジュール枠ユニットに隣接して位置付けられ、第2モジュール枠ユニットコネクタを有する第2モジュール枠ユニットの第1端部を有する第2モジュール枠ユニットと、
[0043] 厚板に結合されたペデスタルを有する床区分であって、ペデスタルは、ペデスタルを第1及び第2モジュール枠ユニットコネクタに結合するのに適した孔を有する、床区分と、を含み、
[0044] 第1モジュール枠ユニットコネクタが、本明細書に開示されるようなコネクタであり、ペデスタルを受容して結合するのに適した中空本体のボアを有する。
【0026】
[0045] 第7の態様では、本明細書は、モジュラ建築物を形成するためにモジュラ枠ユニットを垂直に及び水平に接合するためのシステムに関し、本明細書に開示されるシステムを含む。
【0027】
[0046] 第8の態様では、本明細書は、モジュラ建築物を形成するためのモジュラ枠ユニットを結合するための方法に関し、方法は、
[0047] 第1コネクタを第1モジュール枠ユニットの第1端部に結合することと、
[0048] 第2コネクタを第2モジュール枠ユニットの第1端部に結合することと、
[0049] ガセットプレートを挟んで、第1コネクタ及び第2コネクタを結合して、モジュラ枠ユニットを形成することと、を含み、第1コネクタは、本明細書に開示するようなものである。
【0028】
[0050] 第9の態様では、本明細書は、本明細書に開示されるようなコネクタを含むモジュール枠ユニットに関する。
【0029】
[0051] 第10の態様では、本明細書は、本明細書に開示されるようなモジュール枠ユニットを含む建築物と、本明細書に開示されるようなコネクタ、又は本明細書に開示されるようなコネクタアセンブリに関する。
【0030】
[0052] 次に、例として、本出願の例示的実施形態を示す添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】モジュラユニットを有する居住可能な構造物の平面図である。
【
図2】本明細書に開示される実施形態によるモジュラ構造物のコーナ部分の斜視図である。
【
図3】本明細書に開示される実施形態によるコーナコネクタの内面の別の斜視図である。
【
図4】本明細書に開示される第2実施形態によるコーナコネクタの内面の斜視図である。
【
図5】本明細書に開示される第2実施形態によるコーナコネクタの内面の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[0058] 類似の構成要素を意味するために、類似の参照符号を異なる図で使用している場合がある。
【0033】
[0059] 当業者には認識されるように、本明細書に開示される本発明の出願及びいくつかの関連態様は、2014年2月14日及び2015年4月30日にそれぞれ出願された関連PCT出願番号PCT/CA2014/050110及びPCT/CA2015/050369に記載及び開示されており、それらの内容を参考文献として本明細書に援用する。
【0034】
[0060] 本明細書は、読む際の便宜上、構成要素又は構成要素の群ごとの区分に細分化されている。
【0035】
[0061] コーナブロック
[0062] 本発明は、上部荷重支持コネクタ及び下部荷重支持コネクタ、又はある実施形態では、コーナブロックであるブロックを提供する。具体的な実施形態では、ブロックは、実質的に四辺形であり、他の実施形態では多角形又は非対称形状を有している。これらのブロックは、少数で小型の物体における精密な動作に集中するように、そして他の部材上で実行されなければならない作業の量及び複雑さを減らすように、多数の機能を提供する特徴を備えて大量生産され得る。上部ブロック及び下部ブロックは、別の形状になっており、1つの実施形態では、そのように建設されたモジュールが、ブロック上の特徴を使用して接合されて、より大きい又はより高い構造物を形成する場合に、高層柱の機能を果たす、概ね角張った、チューブ状の、又は組立形態の垂直コーナ部材(柱)の上下の端部上に位置決めされる。
【0036】
[0063] 同様に、ブロック上の他の特徴は、建築物の水平部材と係合して、そのように建設されたモジュールが、接合されて、より大きな又はより広い構造物を形成する場合に、連続的な水平部材の機能を果たす。
【0037】
[0064] 具体的な実施形態では、ブロックは、ブロックの表面に対して垂直であるなど、これに限定するわけではなく複数の角度で突出するアームを有し、複数の角度の近接部材の位置決め及び取付けを可能にしている。具体的な実施形態では、従って、本発明は、直角な、先細の、放射状の、及び湾曲した形状を含む、これらに限定するわけではないモジュールの製造及び建立を容易にする。アームのねじ穴及びねじなし穴は、ねじ付き締付具を位置付けることを実現し、アームの直立壁は、荷重支持能力と、建築物上に作用する力及び締付具の作用によって発生された圧縮力及び引張力の伝送とを増大させる。
【0038】
[0065] 具体的な実施形態では、柱を通しての垂直引張りの連続性と、隣接モジュール又は他の建築構造物の間のモーメント抵抗相互連結とを提供するように、ブロックは、ボルトを通し、ナットと共に受容するために、本体及びアームの両方に穴を有する、又はボルトを受容するためにねじ山が付いている。鉛直面での柱の連結によって生じる引張抵抗は、揚圧力が発生する所で、構造物が揚圧力に抵抗することを可能にし、高レベルの固定性を備えた水平面での横部材に力を伝えるように、ガセットプレート上に摩擦を発生する。
【0039】
[0066] より具体的には、アセンブリの間、上方及び下方の両方でガセットプレートに当たって支持するアームの表面は堅固に作られ得る。
【0040】
[0067] 具体的な実施形態では、ボルトは、壁空洞又は他のこのような場所の中で接近することができ、取り外し可能パッチが、ボルトの場所を被覆し、荷重支持構造物を取り囲む耐火材料の連続性を確実にするように容易に構成され得るように、同一平面に又は表面より下に配置され得る。
【0041】
[0068] コーナブロックの穴は、縛り付け具及び巻上装置と連結する手段を提供する。具体的な実施形態では、ブロックの上側面は、迅速に信頼性をもって、モジュールを持上装置と接続及び分離する手段を提供するように、迅速解除型コネクタを挿入することができる孔を備えて準備される。
【0042】
[0069] ガセットプレート
[0070] 別の構成要素は、柱の上端部と下端部のブロックの間、又は柱の群の間に入れられるプレートであり、このプレートは、コーナブロックの下面上の対応する位置決め凹所と滑り接触することで、降下モジュールと係合して移動させ、このようにしてモジュールを締め付けるのに正確な位置に位置決めするための、上に向かって先細の位置決めピンを有する。プレートは、このようにして形成された柱群の全ての部材上で均等に支持する連続的な荷重経路を確実にするように、柱長の僅かなばらつきにも適応するために、建設中及び完成した建築物の両方の期間に、延性のおかげで、水平面における構造的な連続性を提供するために、隣接モジュールをボルトで連結するのに使用される貫通穴をさらに提供する。当技術の知識のある人であれば理解されるように、プレートは、単一の垂直柱の間、又は直角若しくは他の配置に配列された2つ以上の柱の間に適合するような形状にすることができる。具体的な実施形態では、モジュールの仕上がり寸法のばらつきに関して適応するために、類似の寸法の、適切な穴を備えて準備された挟み金が、連結の一方又は両方の側に置かれ、こうして、モジュール積重ねの正しい幾何形状を維持している。
【0043】
[0071] 階段吹き抜き及びエレベータシャフト
[0072] 本発明のシステムは、階段又は昇降装置が内部に据え付けられ、視覚的又は機能的に著しく寸断されずに、2つのモジュールの間の嵌め合せ線で分かれるモジュールを製造することを可能にする。
【0044】
[0073] 高さ超過モジュール
[0074] 本発明のシステムは、通常許可される輸送規制より高い居住可能な体積の上半分及び下半分を備えるモジュールの製造を可能にし、上記体積は、視覚的又は機能的に著しく寸断されずに、2つ以上の積み重ねられたモジュールの間の嵌め合せ線で接合される。
【0045】
[0075] 廊下
[0076] 本発明の構成要素の別の群は、鉄筋コンクリート、サンドイッチ型プレート、木、又は支持ペデスタルと一緒に形成された金属などの適切な材料から作られる構造的な廊下床である。具体的な実施形態では、厚板は、支持ペデスタル上の特徴が、ペデスタルの曲げに抵抗するようにそれらと係合して、こうして、このように連結された積み重ねられた隣接モジュールの間にモーメント連結を作成するように配置された補強筋を備えた鉄筋コンクリートで構成される。ペデスタルは、上部及び下部コーナブロックの対応する穴と位置が揃っており、結合荷重経路を作成するように、片側の積重ねの中で隣接する柱を連結するだけでなく、2つの平行な積み重ねられたモジュールを連結するのに役立つ穴を備える。ペデスタル及び床厚板は、バルコニ又は渡り廊下を備えた建築物を形成するために、厚板及び外側のバルコニ支持枠の一方の側に積み重ねられたモジュールの側部又は端部に連結されることもできる。床板及びペデスタルのアセンブリは、現場から離れ、工場環境でこれらの構成要素を製造することを容易にするために、ダクト、管、及び配線などの建築設備用の便利な搬器として使用されることもできる。
【0046】
[0077] 相互依存的細部のシステム
[0078] さらに本発明は、主題建築物の相互に連結した要素の寸法設計が基づいている予め定められたグリッドを、コーナブロックから部材に、サブアセンブリに、モジュールに、そして全ての軸の建築物全体に及ぶ、正確な相互依存の関係を確実にするグリッドが、あらゆる軸の全ての製造されたアセンブリの全体を通じて維持されることを確実にする固定具のシステムと共に備える。寸法設計システムは、従って、小部分の要素及びモジュールのサイズ設定を減らし、共通部品の数を増やし、土台とポディウム契約者との調整の難しさを減らすのに役立ち、そのように製造されるモジュールに組み込まれる構成要素の全ての内部又は外部の供給者の作業を容易にする。
【0047】
[0079] 具体的な実施形態では、システムは、プラスマイナス1/32”の締付けに使用される穴の間の中心から中心までの精度と、プラス0”マイナス1/16”の全ての嵌め合せ面の外側から外側までの寸法精度で、3つの軸において、それ以上でもそれ以下でもない2インチの増分に基づいている。
【0048】
[0080] 固定具
[0081] 本発明は、モジュールが、上で定めたグリッドに従うことと、モジュールの部分が、最外側の理想寸法を超えて突出しないこととを確実にし、達成可能なアセンブリの速度及び構造物の精度を高めて、付加的は寸法的なずれの可能性をなくし、結果的に、建立の問題点、耐火性の問題点を減らし、固定の度合いを高めたモジュールを相互接続する可能性をもたらし、壁厚及び空間の無駄を減らすことになる、モジュール枠のアセンブリ用のシステムを含む。
【0049】
[0082] テーブル固定具
[0083] 本発明のシステムの構成要素は、充分な厚みのものであり、アセンブリ結合のためにモジュール天井又は床枠の構成要素を方向付けて、それで、床、天井、及び壁などのモジュールサブアセンブリを作り出すように位置決めされた垂直ピンを受容するために穴のグリッドを備えて準備される、平坦なテーブル、又は枢動することを可能にするためにトラニオン上に取り付けられた平坦なテーブルで構成される調節可能な固定具である。位置決め穴は、モジュールが、こうして生産されたモジュールが、完成モジュールを形成するのに容易に組み立てられて、完成モジュールを組み立てて、建築物を形成することができることを確実にするために、他の建築物要素と調整される、上で定めたグリッドに従うことを確実にするように配置される。ピンは、床、又は天井面の用途の必要性に応じて平らな状態を生み出すように、アセンブリの構成要素の正確な高さを確実にするのに使用されるスペーサのシステムが装備される。従って、固定具は、結合が、構造物に理想的な位置で実行されることを確実にし、完成部品が、許容エンベロープを超えずに、累積許容範囲状態になることを確実にするように構成される。
【0050】
[0084] 回転固定具
[0085] 本発明の別の構成要素は、モジュールが、モジュールを相互連結することが容易であることを確実にする上で定めたグリッドに従うことを確実にするように、完成部品が、許容エンベロープ超えないことを確実にするように、そして部品が、構造的な連結を実行するのに理想的な位置に方向付けられ得ることを確実にするために、天井枠、床枠、コーナ柱、中間柱、柱補強材、及び斜筋交いの複数の寸法の全てをアセンブリのために互いに対して方向付ける調節可能及び回転可能な固定具である。
【0051】
[0086] 迅速連結型巻上コネクタ
[0087] 本発明の別の構成要素は、巻上機器をモジュールに取り付ける際に使用され、コーナブロックの特設の孔に上から工具なしで据え付けられ、偶発的に解除されることに抵抗性を有し、ツールなしで取り除くことができる解除可能な小型の迅速型コネクタである。具体的な実施形態では、コネクタは、トグルの上方に面する支持面及び受容ブロックの対応する下方に面する支持面及び荷重を支持面から巻上装置に伝達するトグルシャフトの引張負荷部分が、非常に小型の空間の中の複合要素の荷重支持能力を最大にするように、理想的な割合になっていながら、コーナブロックの上面の中でアセンブリの寸法の制限を維持しているという点において構造的に理想的である。
【0052】
[0088] 巻上枠
[0089] 本発明の別の構成要素は、建築物の中に配置されるのに理想的な姿勢で荷重を懸架するように配置され、具体的な実施形態では水平であり、モジュールの長さ沿いに生じる重心の違いを補償するように、線がそこからクレーンフックに渡っている全ての連結点の位置を、迅速に調整することを可能にする巻上機器である。さらに、記載している装置は、枠の片側のケーブル対の間の広がりを変更することを可能にして、クレーンから懸架されるモジュールの幅沿いに生じる荷重の重心の変化を補償するべく、クレーン取付けの中心を枠の長軸の片側へ移動するように、モジュールの片側のクレーンフックに渡る一対の線の垂直面からの従属角度に変化をもたらす。
【0053】
[0090] 補強部材
[0091] さらに、本発明は、互いに連結する、及び柱、横枠組、斜筋交い、及び本明細書に記載されるコーナブロックと連結する標準化された補強部材のシステムを備え、補強構成要素の個別的な設計及び製造、又はカスタマイズが不要になる。
【0054】
[0092] 補強材分析
[0093] さらに、本発明は、モジュールで構成される建築物上に作用する力を系統的に分析し、標準化された補強システムを適用するのに最適な位置を規定し、漸進的座屈及び揚圧力抵抗を備えた標準化補強材のリストから選択し、それによって、必要とされるものより多くの場所に不必要な構造材料を追加することなく、耐火材料の適用を著しく損なうことなく、モジュールの壁の付加的な厚みを追加する必要なしに、付加的な応力を受ける領域を強化するのに最小限必要な補強材だけを組み込むための作業方法を含む。
【0055】
[0094] 組立柱
[0095] さらに、本発明は、高い及び/又は細長い建築物の建設で遭遇する荷重に起因する圧縮力及び引張力に対してより大きな抵抗を備えたグループ化を形成するように、外柱を製造及び連結するための方法を含む。
【0056】
[0096] ガセットプレート、階段吹き抜き、エレベータシャフト、高さ超過モジュール、廊下、相互依存的細部、固定具、巻上コネクタ、巻上枠及び補強部材に関する実施形態は、2014年2月14日及び2015年4月30日にそれぞれ出願されたPCT出願番号PCT/CA2014/050110及びPCT/CA2015/050369に開示されており、それらの内容を参照により本明細書に組み入れる。
【0057】
[0097] 恩恵
[0098] 枠なしで高さを増大させる
[0099] アセンブリの際に十分に加圧されない、従って完全には固定されていない連結を不用意に作り出す危険性をなくすことにより、そしてより多くの締付具を設けることにより、そして補強材の配置を促進することにより、本発明の構成要素のシステム及び作業方法は、構造機能及び連結部の固定強化により大きな部分の部材を含んでいること、複数の及び重複した荷重経路を作成及び保証すること、筋交い枠をモジュール壁に組み込むこと、及び完成建築物にかけられる外部、内部、及び自己荷重が、隣接モジュールを通ってそれから地面に効率的に伝送されるようになることのおかげで、二次的な外部又は内部筋交い枠の要件なしに建築され得る建築物の高さを増やすのに、及び使用可能床面積を増やすのに役立つことができる。
【0058】
[0100] 枠を用いて高さを増大させる
[0101] 上階に必要とされる鋼の量、ひいては総重量を減らすことによって、本発明はさらに、既定の大きさの二次的な外部又は内部筋交い枠を用いて建築される建築物の高さを増大させるのに役立つことができる。
【0059】
[0102] 独特の部品の数、部材の位置及び大きさの数を減らす
[0103] 加わる荷重を分析して、構造機能の中に必要な部材のより多くをより効率的に含むことによって、本発明はさらに、必要とされる部材の大きさを小さくし、数、大きさ、及び独特の補強細部及び耐火性に関連する複雑さが求められる場所を限定し、それによって、当該建築物のコストを減らす。
【0060】
[0104] 精密さ要件を減らす
[0105] 本発明は、モジュラ生産設備において労働者によってなされなければならない部品の精密さをさらに下げるのを助けることができ、このことは、製造のコストを削減する。
【0061】
[0106] 複雑な製造を減らす
[0107] 本発明は、部材を接合し、モジュールを巻き上げ、モジュールを単一の大量生産構成要素に接合するのに必要な複雑な特徴の多くに専念するものであり、モジュールを建設するのに必要な熟練作業に関する複雑さ及び要件の両方を減らすのを助ける。
【0062】
[0108] より高くより広くすることを可能にする
[0109] さらに、システムは、一方は天井に孔を有し、他方は床に孔を有する、2つの積み重ねられた枠で構成されたより高いモジュールの建築、筋交いの性能のおかげでより長いモジュールの建築、及び端部の開口の性質を改善することにより、より広いモジュールの建築を可能にすることができ、従って、そのように建設される建築物の設計者により大きな融通性を提供する。
【0063】
[0110] 壁厚を減少させる
[0111] 荷重支持構成要素をより良く完全に分散することによって、本発明は、構造及び付帯設備を収容するのに必要な壁厚を減少させるのを助けることができる。
【0064】
[0112] パッチングのための現場労力を軽減する
[0113] 壁空洞内に引張連結部を配置すること、及び連結手段を柱の近くに集中することで、本発明は、その後パッチを当てなければならない除外領域の数及び範囲を減らすのを助けることができる。
【0065】
[0114] 本明細書で述べたPCT出願は、鋼から作られる中空構造区分(HSS:Hollow Structural Sections)を利用し、コネクタが、HSS鋼に溶接されたコーナコネクタに関する。対照的に、主題出願は、木ベース枠構造物を形成するために木を用いた連結部で使用されるコネクタに関する。
【0066】
[0115] 主に、固形の又は直交積層木材(CLT:Cross-Laminated Timber)及び合板シートのような木を居住可能な、及び共益設備のモジュラ構造物の製造に使用する既存のモジュラ産業があるので、それぞれの材料の構造的な及びコスト面での有利さから恩恵を受ける有用な構造物を生産するために、鋼でできたモジュールと一緒に、又は組み合わせて、木でできたモジュールを製造して積み重ねることができることが望まれている。主題出願は、連結部と互換性のある木枠付きモジュール用コネクタと、2014年2月14日及び2015年4月30日にそれぞれ出願されたPCT出願番号PCT/CA2014/050110及びPCT/CA2015/050369に以前記載された、鋼枠付のモジュールのための製造システムとに関し、それらの内容を参照によって本明細書に組み入れる。
【0067】
[0116] 当技術の知識のある人であれば理解されるにちがいないように、上で述べたPCT出願に開示されたアセンブリ方法は、木枠付きモジュール用の開示されたコネクタを用いて建築される構造物にも適用される。他の共通機能の中で、一対の対向コネクタを通るボルト及び中間ガセットプレートは、垂直方向及び横方向にモジュールを連結して、重力荷重、揚圧力、及び居住者荷重に抵抗する構造物を作り出し、コネクタは、位置決めピンを受容するために下面に穴を組み込んでいる。
【0068】
[0117] そのように製造された完成木枠付きモジュールは、類似の巻上枠によって巻き上げられることができ、コネクタ及び木の構造物は、上述の、本明細書に援用されるPCT出願に記載されたように、内側と外側の両方を類似の外観アセンブリ及び仕上げで被覆加工している。
【0069】
[0118] 次に、本明細書に開示される実施形態による本発明を、添付図面を参照しながら説明してゆく。
【0070】
[0119]
図1は、モジュール型の混合物で構成される、典型的な、住居用、医療用、事務所用又は他の構造物の平面
図800である。具体的な実施形態では、モジュール801は木で製造され、802は鋼で製造され、803は、適切な支持体に現場で流し込み成形されることができる、又は別の場所で予め流し込み成形されて、求められる場所に配置されることができるコンクリートデッキを備えた領域である。
【0071】
[0120]
図2は、実施形態の斜視図であり、コネクタ810、木枠付きモジュールの構造物813、荷重支持柱815、位置決め特徴を備えたガセットプレート812、下側モジュール811、及び下側モジュールの上部コネクタ814を示す。上述したように、下側モジュール811は、本明細書に開示されるように、モジュール枠で使用するのに適したコネクタ、又は代わりに、上で述べ、本明細書に組み入れられたPCT出願に開示されたように、鉄骨を備えた連結部で使用され得るコネクタであることができる。示されたコネクタ810は、4つのコーナコネクタに取り付けられ得るガセットプレート812に結合するためのものである。当業者であれば認識されるにちがいないように、コネクタ810は、2つの隣接モジュールを結合することを可能にするガセットプレートに結合され得る。
【0072】
[0121]
図3は、具体的な実施形態では、溶接で接合されることができ、他の実施形態では、タブとスロット、スポット溶接によって接合されることができる、又は1つ又は複数の片に流し込まれることができる、プレート824から製造された木枠付きモジュールのためのコネクタの斜視図であり、柱822、柱を締め付けるプレート825、外側モジュール被覆加工材821、及び床敷板823を受容する本体を示す。図示の実施形態ではプレート824は、補完的な柱を付着させる圧力プレート825と共に、中空本体822を形成する枠304を一緒に形成する。
図3に示す実施形態では、枠304及び圧力プレート825は一緒に、四辺形断面の中空本体を形成し、柱815が、中空本体に挿入され得る。
図3に開示される圧力プレート825は、ほぼ完全な長方形の断面を有する中空本体822をもたらすが、圧力プレート825の大きさ及び幅は、圧力プレート825の縁部が、枠304の縁部から間隔を置いて配置されるように、設計及び適用要件に応じて変更され得る。
【0073】
[0122] 1つの実施形態では、圧力825は、角胴形をしており、コネクタ302の枠304と分離している。枠304及び圧力プレート825は両方共、開口(それぞれ306及び308)を備え、圧力プレート825を枠304に結合して、中空本体822を形成するために、締付手段、例えば、制限するわけではないが、ボルト又はネジを挿入することができる。使用中に、柱815は、枠304の中に位置付けられて、圧力プレート825は、柱815に押し付けられ、締付手段が使用されて、柱815をコネクタ302の中空本体822の中に付着させる。
【0074】
[0123]
図3に示す実施形態では、中空本体822は、柱815をコネクタ302の中に挿入するための空間を提供する孔がある上端部を有する。さらに中空本体822は、本明細書に記載されるように追加的特徴が結合される、モジュールを形成するための根太又は梁を付着させるのに使用することができる側面を備える。さらに、中空本体822は、例えば、制限するわけではないが、ガセットプレート812(
図2に示すように)又は木枠付きモジュールの床敷板823(
図3に示すように)と接触することができる底端部を有する。
【0075】
[0124]
図3に示す実施形態では、枠304は、枠304から延びるアーム310を備える。示している具体的な実施形態は、垂直方向に延びて、コーナコネクタを提供する2つのアーム310を有する。しかしながら、当業者であれば認識されるにちがいないように、アーム310は、反対方向(すなわち180度に)延びることができる。アーム310は、コネクタ302をガセットプレート812又は床敷板823に付着させるために、ボルト又は他の締付手段を挿入することができる穴312を備えることができ、ガセットプレート812又は床敷板823は、コネクタ302をガセットプレート812又は床敷板に付着させるためのボルト又は締付手段を受容する補完的な穴を備えることができる。
【0076】
[0125]
図3に開示される実施形態に示すように、アーム310は、枠の上端部から間隔を置いて配置される上端部を有する。しかしながら、当業者であれば認識されるにちがいないように、間隔は、設計及び適用要件に応じて変更され得る。さらに、枠304から遠位にあるアーム310の端部に、各アーム310は、根太、梁、又は他の木製枠構造材料が取り付けられ得る裏当て面を提供する根太プレート314を備える。
【0077】
[0126] さらに、根太プレート314と協働して、根太、梁、又は他の木製枠構造材料を固定する、根太を付着させる圧力プレート316が、提供される。根太プレート314とは異なり、柱を付着させる圧力プレート825のように、根太を付着させる圧力プレート316は、分離片として提供される。換言すれば、このプレートは、コネクタ302に直接取り付けられていない、又は結合されていないが、コネクタ302の異なる特徴と協働して、根太、梁、又は他の木製枠構造材料を適所に保つ。
図3に示す実施形態では、枠304及び柱を付着させる圧力プレート825に類似して、根太を付着させる圧力プレート316及び根太プレート314は、位置が揃っており、締付手段を、根太、梁、又は他の木製枠構造材料を適所に付着させるために挿入することができる開口を備える。独立した柱を付着させる圧力プレート825及び根太を付着させる圧力プレート316を提供することによって、コネクタは、木製枠の僅かなばらつきに適応することができ、木製枠構造物の圧縮率に関して適応することができ、一方で、木製枠を確実にコネクタに付着させて、モジュールを形成する。
【0078】
[0127] 根太プレート314及び根太を付着させる圧力プレート316の大きさ及び幅は、特に限定的でなく、設計及び適用要件に応じて変更することができる。
図3に示す実施形態では、根太プレート314及び根太を付着させる圧力プレート316は、アーム310の高さに近い、又は根太の高さに近い高さを有する。そのうえ、中空本体822の上端部から底端部に向かって見たとき、根太プレート314及び根太を付着させる圧力プレート316は、アームの端部310と共に、概ねU字形状構造物を有する。
【0079】
[0128] さらに、コネクタ(
図3)は、コネクタ302の枠304に取り付けられる補強リブ318を備える。
図3に示す実施形態では、補強リブ318は、枠304及び枠304から延びるアーム310に結合される。補強リブ318を結合する手段は、特に限定的でなく、当業者であれば、知っているにちがいない、又は決めることができる。1つの実施形態では、例えば、限定するわけではないが、補強リブ318は、枠304に溶接されている。補強リブ318は、コネクタ302を安定させるのを助けることができ、さらに、床材又は天井を、付着させることができる面を提供することができる。さらに、当業者であれば知っているにちがいない、又は決めることができるように、補強リブ上に設けられる穴は、締付手段を用いて床又は天井を付着させるのに使用され得る。
【0080】
[0129]
図4は、ある具体的な実施形態では溶接される場合があり、他の実施形態では、タブとスロット、スポット溶接、又は他の適切な手段によって接合される場合もある、プレート、曲プレート、及び山形材で製造されたコネクタ833の斜視図である。
図3に示すコネクタに類似して、コネクタ402は、コネクタの異なる特徴が、コネクタ402を形成するために結合する枠404を備える。
図4に示す実施形態では、コネクタ402は、曲プレート(L字形)として形成される、柱を付着させる圧力プレート5をさらに備える。枠404及び圧力プレート5は、位置が揃っていて、柱7を中空本体422の中に付着させるために、締付手段を挿入することを可能にする開口(それぞれ406及び408)をさらに備える。圧力プレート5及び枠404が1つに合わせられると、中空本体422が、形成される。
【0081】
[0130] 矢印1は、通しボルト3、典型的な垂直引張締付具2、ボルトが通過するために準備された水平部材上に作用する圧力プレート4、ボルトが通過するために準備された柱上に作用する圧力プレート5、木製又は直交積層根太6、及び木製又は直交積層柱7の締付動作によって、木製部材に加えられる締付力の方向を示す。当業者であれば認識されるにちがいないように、中空本体422の中に挿入されている垂直ボルトは、柱を中空本体422の中に付着させることを可能にするために、相互にオフセットされていなければならない。
【0082】
[0131]
図3に示す実施形態とは対照的に、
図4に示す実施形態では、根太プレート414は、山形材又は曲プレート420が、補強リブ418と底プレート424との間に位置付けられた状態で、枠404に直接結合されて、枠404から延びる。垂直引張締付具2は、補強リブ418の穴の中に挿入されることができる。補強リブ418は、枠404、根太プレート414、及び曲プレート420によって規定される周辺部の範囲にある穴を有する。根太圧力プレート416は、
図3に示した実施形態に記載したものと類似の根太6を付着させるために設けられる。
【0083】
[0132]
図5は、ある具体的な実施形態では、溶接される場合があり、他の実施形態では、タブとスロット、スポット溶接、又は他の適切な手段によって接合される場合もある、
図4に示したコネクタの分解斜視図であり、コネクタの上面の働きもする補強リブ10を示す。また、代替実施形態では、引張ボルトによって発生された垂直圧縮力を伝達する丸い又は正方形のチューブであることができるガセットプレート、山形材(又は曲プレート)12を支えるベース11が、示される。一体成形コネクタ本体13は、ある具体的な実施形態では、プレートと木製部材との間の摩擦を増すテクスチャを備えて準備され、別の実施形態では、滑りに対する抵抗を増すように、接着剤に被覆されている曲プレート及び圧力プレート14から製造される。当技術の知識のある人であれば理解されるように、コネクタの対向面は、柱が位置決めされるソケットである場合もあるように、同様に準備され得る。
【0084】
[0133]
図5に示すように、枠404及び根太プレート414は一緒に、概ねW字形状構造物を有し、一方で、柱を付着させる圧力プレート5、曲プレート12、補強リブ10は、L字形状をしている。
図5は、根太を付着させる圧力プレート416だけが、根太を適所に付着させるのに役立つ歯状面を有しているように示しているが、当業者であれば認識されるにちがいないように、柱を付着させる圧力プレート5を含む他の面も同様に歯状であることができる。
【0085】
[0134] コネクタアセンブリは、ガセットプレートを上部コネクタと下部コネクタとの間に挟むことによって形成され得る。上部及び下部コネクタは、同じである場合もあり、又は異なっている場合もあり、本明細書で開示されるコネクタの1つを有することができる。ガセットプレートは、2つの面を有し、第1面は、下部コネクタと接触することができ、第2面は、上部コネクタと接触することができる。さらに、ガセットプレートは、上部コネクタ及び下部コネクタ上の開口と位置が揃っていて、締付手段を使用してコネクタを締め付けるのを可能にする貫通穴を備える。締付手段は、特に限定されておらず、ナットとボルト、ネジを含むことができる。
【0086】
[0135] コネクタ本体の外面は、ボルト、ピン、クリップ、接合プレート、又は他の締付手段を利用して、柱群の連結部、廊下厚板、固定具、巻上手段、又は他の有用な特徴で用いる状況によって必要とされるとおり、ねじ付き、又はねじなしである複数の穴(又はボア)を有することができる。別の実施形態では、コネクタは、より丈が高く、付加的な締結具を使用するのに、又は追加的な筋交い又は他の特徴を追加するのに追加的な穴が、設けられる。別の実施形態では、コネクタは、丸い、湾曲した、先細の、星型の、又は他の建築物外形の生産を容易にするように、およそ4面を有し、四辺形ではなく、むしろ台形、平行四辺形、又は他の形状を有する。
【0087】
[0136] 1つの実施形態では、ガセットプレートは、意図する機能に関して十分な厚さ及び機械的性質を有する、鋼板又は他の材料から機械加工される。別の実施形態では、厚さが、3/8”である。ガセットプレートは、貫通穴、皿穴、及び少なくとも1つの位置決めピンを有する。穴を通して、上部コネクタの穴の中にねじ込まれた平頭ねじは、隣接する柱を、従ってモジュール全体を正確に合体させる。鉛直面のプレートの延性は、柱群が一緒になって大きな荷重を支持するように機能することを確実にするのを助けることができる。平頭ねじ用穴及びコネクタの対応する穴の位置の精度は、モジュールからモジュールまでの許容差が維持される及び制御されることを確実にするのを助けることができる。
【0088】
[0137] ガセットプレートは、全ての場所で同等の垂直分離を提供し、2、3、4、又はそれより多数のモジュールの群を形成している、1、2、3、4、又はそれより多数の柱の上で適合するような大きさであることができる。ガセットプレートは、下部コネクタに接触する面上に、1つ又は複数のピンを備えることができる。位置決めピンは、下部コネクタを適切に位置付けるのに役立つことができる、下部コネクタ本体ガセット接触面上に位置付けされた、位置決めピンを受ける開口と係合することができる。
【0089】
[0138] 繊維セメントボード、又は鋼板デッキとコンクリートトップ、又は鋼合成シート敷板などの適切な材料が、モジュール床の床梁の上面に適用され、上に述べたように建築されて、適切に固定される、又はコンクリートもしくは他の材料が、居住者荷重を支持して、モジュールに、ひいてはモジュールで構成される建築物に必要なダイヤフラム作用を提供するように、枠組の間に満たされる。同様に、乾式壁体、又は耐火ボード及び条件に応じたさまざまな型の断熱材などの材料は、枠組及びボードの表面、及び壁及び天井の中の空隙に適用されて、居住者に対するプライバシーなどのさまざまな機能を提供し、構造物に耐火性を提供し、音の伝達を制限する。
【0090】
[0139] さらに、本発明のコネクタの構成は、連結部の引張能力を上げるようにより多数の締結具を提供し、ならびに、そのように作り出された構造物の座屈抵抗及び引張能力の両方を上げる補足的な補強部材の連結部により大きな領域を提供する。
【0091】
[0140] 記載した実施形態にはある種の変更及び修正を加えることができる。従って、上述の実施形態は、例示的であり、限定的ではないものとみなされる。
【表1】