(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】座席装置
(51)【国際特許分類】
A47C 3/18 20060101AFI20220404BHJP
B60N 2/06 20060101ALI20220404BHJP
A47C 1/024 20060101ALI20220404BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20220404BHJP
B61D 1/04 20060101ALI20220404BHJP
B61D 33/00 20060101ALI20220404BHJP
B60N 2/14 20060101ALN20220404BHJP
【FI】
A47C3/18 Z
B60N2/06
A47C1/024
B60N2/90
B61D1/04
B61D33/00 D
B60N2/14
(21)【出願番号】P 2020034280
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2020-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】中根 正伸
(72)【発明者】
【氏名】海老名 俊也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 裕
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-188334(JP,U)
【文献】特開昭60-035634(JP,A)
【文献】実開平4-7933(JP,U)
【文献】特開平8-332877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/02-037
B60N 2/00-90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席の状態を変換可能な座席装置において、
座席の背凭れを傾倒可能なリクライニング機構
と、
前記リクライニング機構により背凭れを傾倒させる操作を行う操作部と、
前記操作部を操作不能に拘束可能なロック機構と、
座席の固定側に設けられた係合部と、
座席の可動側に設けられ、座席が特定の状態にあるとき、前記係合部に係合することで変位可能な被係合部と、を備え、
前記被係合部と前記ロック機構とは互いに連結され、前記被係合部の変位によって前記ロック機構が前記操作部を操作不能に拘束することを特徴とする座席装置。
【請求項2】
前記被係合部と前記ロック機構とを互いに連結させる伝動手段を備え、
前記伝動手段は、前記被係合部の変位を前記ロック機構に伝達し、該ロック機構は、前記操作部を操作不能に拘束することを特徴とする請求項1に記載の座席装置。
【請求項3】
前記操作部は、通常の初期位置から操作時の使用位置に変位可能であり、
前記ロック機構は、前記初期位置にある操作部に対して係脱可能なロックピンを備え、
前記ロックピンは、前記被係合部の変位により前記伝動手段を介して前記操作部に係合し、該操作部を操作不能に拘束することを特徴とする請求項
2に記載の座席装置。
【請求項4】
座席を回転軸周りに回転させる回転機構と、
座席を固定側より前記回転機構ごと進退させるスライド機構と、を備え、
前記回転機構および前記スライド機構の連動によって座席の状態は、
座席背面が壁に略平行に沿うロング状態と、
前記ロング状態と略直交する向きで壁から離れたクロス状態と、に変換可能であり、
座席の前記特定の状態は、前記ロング状態に相当することを特徴とする請求項1,2
,または3に記載の座席装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席の状態を変換可能な座席装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば鉄道車両に搭載される座席には、両側方向に長く複数人が掛けられる腰掛タイプがあり、一般に客室内の壁際に沿って設置されている。かかる座席には、座席背面が壁に平行に沿うロング状態と、座席背面が壁と直交するクロス状態とに、座席中心の回転軸周りに回転させて向きを変換できる回転座席が知られている。
【0003】
このような回転座席では、座席を壁に沿ったロング状態からクロス状態へ回転させるとき、座席の軌跡(回転半径)が壁と干渉しないように、座席の回転機構に加えてスライド機構を備え、さらに各機構を連動させる伝達機構も備えた座席装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、回転座席では、なるべく客室内で両側の座席間の通路幅を広げて快適な空間を得るために、ロング状態のときは座席の回転軸を壁際に位置させる一方、クロス状態のときは座席が壁と干渉しないように、座席の回転軸を通路側にスライドさせていた。そのため、回転座席では、ロング状態のときに壁との干渉を防ぐために、背凭れを傾倒させることはできず、座り心地を良くするリクライニング機構を備えることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の回転装置では、リクライニング機構を備えないため、背凭れを傾倒させることができないだけでなく、座席間の通路幅を広くできず、通常の通勤電車より狭い通路幅であった。特に、背凭れが壁に干渉しないクロス状態においても、リクライニングができず座り心地が損なわれるという問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、回転とスライドが連動する座席でも、背凭れのリクライニング操作を可能とし、通路幅を拡充することができ、快適な座り心地も得ることができ、リクライニング操作が問題となる特定の状態(ロング状態)にあるときは、リクライニング操作を確実に規制することができる座席装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
座席の状態を変換可能な座席装置において、
座席の背凭れを傾倒可能なリクライニング機構を備え、
座席が特定の状態にあるとき、前記リクライニング機構による背凭れを傾倒させる操作を不能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る座席装置によれば、座席の状態を変換可能であっても、背凭れのリクライニング操作を可能とし、通路幅を拡充することができ、快適な座り心地も得ることができ、座席が特定の状態にあるときは、リクライニング操作を確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態を示す(a)座席全体の斜視図、(b)リクライニング操作部の拡大斜視図、(c)回転操作部の拡大斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態を示す(a)座席全体の斜視図、(b)リクライニング操作部の拡大斜視図、(c)回転操作部の拡大斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る座席装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る座席装置のクロス状態を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る座席装置のロング状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る座席装置の脚台、移動台、および台枠を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング操作部の初期位置を示す側面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング操作部の操作位置を示す側面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング操作部の各部品の初期位置を示す側面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る座席装置のリクライニング操作部の各部品の初期位置で操作不能に拘束された状態を示す側面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る座席装置の回転操作部が回転操作阻止機構により操作不能に拘束されていない状態を示す側面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る座席装置の回転操作部が回転操作阻止機構により操作不能に拘束された状態を示す側面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る座席装置の回転ロック機構を示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る座席装置の回転ロック機構を下側から見た状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る座席装置において座席をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換する過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1~
図15は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る座席装置10は、座席1の状態を変換可能なものである。ここで座席1の状態とは、座席1の回転による向きだけでなく、座席1の前後位置の変化等も含む概念である。また、座席1の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に搭載する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。なお、各図において、同一部分についての多少の形状の違いは単に設計変更にすぎない(例えば
図1および
図6における台枠30の形状の違い等)。
【0012】
<座席装置10の概要>
図6に示すように、座席装置10は、床面上に固定される脚台11と、脚台11に前後方向へ進退可能に支持された移動台20と、移動台20に正逆方向へ回転可能に支持された座席1の台枠30と、を備えている。ここで脚台11は、「座席1の固定側」であり、移動台20および台枠30は、「座席1の可動側」である。なお、座席装置10は、鉄道車両の客室内で壁(窓)際の床面上に配置され、
図6中の「A」は、鉄道車両の進行方向と平行な壁の一部である。
【0013】
座席装置10では、座席1の台枠30は、回転機構40を介して、移動台20上で回転軸周りに回転可能に支持されている。移動台20は、スライド機構14を介して、脚台11上に回転機構40ごと進退可能に支持されている。また、座席装置10は、回転機構40による座席1の回転に、スライド機構14による座席1の進退を連動させるために、図示省略したが連動機構を備えている。
【0014】
<座席1について>
図1に示すように、座席1は、例えば2人掛け用の腰掛として、2つの座部2と背凭れ3を両側方向に並設してなる。座席1の両側には、座部2を側方から覆う一対の袖部4が設けられている。各袖部4の上端側は、略水平に前後に延びる肘掛5となっている。背凭れ3は、その下端側が座部2の後端側に、リクライニング機構50(
図3参照)を介して傾倒可能に支持されている。
【0015】
<リクライニング機構50>
図3に示すように、リクライニング機構50は、背凭れ3を座部2に対して所定の角度範囲で傾倒可能に支持するものである。リクライニング機構50は、例えばガススプリング等のダンパー51を備えている。ダンパー51は、そのシリンダ本体52に対してピストンロッド53が出没可能に挿入されて構成され、台枠30上で前後方向と平行に配置されている。ダンパー51は、ピストンロッド53がシリンダ本体52に収まる方向に付勢されているが、ピストンロッド53を任意の量だけ突出した状態に固定することができる。
【0016】
シリンダ本体52の後端は、背凭れ3内部のフレーム3aの下端に押し引き可能に連結されている。一方、シリンダ本体52の前端より出没するロッド53の先端は、台枠30の前端側の適所に連結されている。このようなダンパー51によって、背凭れ3を任意の傾倒角度に保持することができる。すなわち、ダンパー51がロック状態のとき、シリンダ本体52よりピストンロッド53が所定量だけ突出した状態に固定され、背凭れ3を任意の傾倒角度に保持できるように構成されている。
【0017】
ダンパー51のロック状態を解除すると、シリンダ本体52にピストンロッド53が収まる付勢力によって、背凭れ3は最も起立した初期位置まで復帰する。かかるロック解除状態でダンパー51の復元力に抗して、着座者が背凭れ3を後方へ押すことにより、背凭れ3を任意の傾倒角度に調整することができる。
【0018】
ダンパー51のロック機構は、一般的であるので詳細な説明は省略するが、ピストンロッド53の傍らに、ロック状態を解除する解除ボタン54が設けられている。この解除ボタン54を押してロック状態を解除するためのリクライニング操作部100は、前記肘掛5の前端に設けられている。なお、リクライニング操作部100は、本発明の「操作部」に相当するものである。
【0019】
<リクライニング操作部100>
図1に示すように、リクライニング操作部100は、一つのハウジング101に各部品が組み込まれてユニット化されており、肘掛5の前端内部に組み込まれている。リクライニング操作部100は、前記リクライニング機構50により背凭れ3を傾倒させる操作(リクライニング操作)を行うものである。
【0020】
図9,
図10に示すように、回転操作部100は、ハウジング101に固定された支持ブラケット102に、枢軸103を介して揺動可能に支持された操作レバー104を備えている。操作レバー104は、その上端側が枢支された枢軸103を揺動中心として、下端側が前後方向へ揺動可能である。操作レバー104は、下端側がハウジング101に収まる初期位置(
図7参照)と、下端側が前方へ引き出された操作位置(
図8参照)と、に揺動する。
【0021】
操作レバー104の裏側には、次述するリクライニング操作ロック機構110の受け部材105が固定されている。受け部材105には、前記解除ボタン54側まで延ばされたリクライニング操作ケーブル106の一端側が連結されている。ここで操作レバー104を操作位置まで前方へ引くことにより、リクライニング操作ケーブル106を介して解除ボタン54側のリンクが引かれて解除ボタン54が押され、ダンパー51のロック状態が解除されるように構成されている。なお、操作レバー104は、リクライニング操作ケーブル106を介して、通常は後方へ収まる初期位置に付勢されている。
【0022】
<リクライニング操作ロック機構110>
また、リクライニング操作部100には、該リクライニング操作部100を操作不能に拘束可能なリクライニング操作ロック機構110が付設されている。リクライニング操作ロック機構110は、座席1が後述するロング状態(特定の状態)にあるとき、リクライニング操作部100を操作不能に拘束するものである。なお、リクライニング操作ロック機構110は、本発明の「ロック機構」に相当するものである。
【0023】
図9に示すように、リクライニング操作ロック機構110は、ハウジング101に、枢軸111を介して前後方向へ揺動可能に支持された略L字形のリンク112を備えている。リンク112にて枢軸111より一端側には、上向きにロックピン113がさらに揺動可能に支持されている。ロックピン113は、その上端側が支持ブラケット102にあるガイド孔102aを貫通し、リンク112の揺動に伴って垂直な状態で上下方向へ出没するよう配設されている。
【0024】
操作レバー104の裏側にある受け部材105には、操作レバー104が初期位置にあるとき、ロックピン113が対向する下側箇所に、該ロックピン113の先端が出没可能に嵌入するロック孔105aが設けられている。ここでロックピン113を動かすリンク112は、通常はロックピン113を受け部材105のロック孔105aから外れる状態になるように、
図9中で枢軸111を中心とする時計回り方向へバネ部材114によって付勢されている。
【0025】
リンク112において枢軸111より他端側には、コネクタ116を介してリクライニングロックケーブル115の一端側が連結されている。リクライニングロックケーブル115の他端側は、後述する回転操作部200側まで延ばされている。リクライニングロックケーブル115は、座席1が特定の状態(後述するロング状態)にあるとき、回転操作部200側から引かれることで、リクライニング操作部100を操作不能に拘束する。
【0026】
すなわち、リクライニングロックケーブル115は、リンク112をバネ部材114の付勢力に抗して、
図9,
図10中で枢軸111を中心とする反時計回り方向に揺動させる。これにより、ロックピン113が、受け部材105のロック孔105aに嵌入するため、操作レバー104は操作不能に拘束される。なお、リクライニングロックケーブル115は、本発明の「伝動手段」に相当するものである。
【0027】
図7,
図8に示すように、ハウジング101上に配されたリクライニング操作ロック機構110の構成部品は、カバー状のフタ101aによって覆われている。ハウジング101およびフタ101aには、リンク112の枢軸111を中心とする円弧形のガイド溝101bが形成されている。ガイド溝101bには、コネクタ116をリンク112の他端に枢支する枢軸117が移動可能に嵌合しており、リンク112の枢軸111を中心とする揺動範囲が規制されている。
【0028】
<座席1の向きについて>
座席装置10は、座席1の状態を、座席背面が壁Aに略平行に沿うロング状態(
図6,
図2参照)と、座席背面が壁Aに略直交するクロス状態(
図1参照)と、に変換可能である。ここでクロス状態には、一クロス状態(
図1参照)と、一クロス状態に対して180度逆向きとなる逆クロス状態とがある。
図15に示すように、座席1のロング状態を原位置として回転角度を0°とすると、一クロス状態の回転角度は90°であり、逆クロス状態の回転角度は-90°である。なお、座席背面とは、背凭れ3の背面と同義である。以下、クロス状態と逆クロス状態とを総称するときは、単にクロス状態と表記する。
【0029】
<脚台11>
図6に示すように、脚台11は、客室内で壁Aの傍らの床面上に固定されている。脚台11は、壁Aと略直交する方向(前後方向)に長い架台状にフレーム材を組み合わせて構成されている。脚台11の上面側は略水平であり、この上面側は、長辺をなす両側端部12,12と、後側(壁A側)の短辺をなす後端部とで囲まれているが、前側(通路側)は開放されている。
【0030】
脚台11は、その後端部が壁Aと略平行に近接し、両側端部12,12が壁Aと略直交して通路側に向かうように配置されている。なお、脚台11の上面側には、次述するスライド機構14の他、台枠30の進退範囲や回転方向を規制するストッパ等の関連部品が設けられている。
【0031】
<スライド機構14>
図6に示すように、脚台11の上面側には、スライド機構14を介して移動台20が壁Aと略直交する方向へ進退可能に取り付けられている。スライド機構14は、脚台11の両側端部12,12の内側に設けられた一対のガイドレール14a,14aを備えている。一対のガイドレール14a,14aは、脚台11の上面側の両長辺に沿って互いに平行に対向しており、各ガイドレール14aの内側に、次述する移動台20の両側部21,21がそのまま摺動可能に嵌合している。
【0032】
<移動台20>
図6に示すように、移動台20は、脚台11の上面側で略水平に配置されており、長方形の枠組状にフレーム材を組み合わせて構成されている。移動台20の長辺をなす両側端部21,21は、前述した一対のガイドレール14a,14aの内側に摺動可能に嵌合している。よって、移動台20は、壁Aに対して略直交する方向に前進ないし後退するようにスライド可能となっている。移動台20の略中央には、座席1を回転軸周りに回転させる回転機構40が設けられている。
【0033】
<回転機構40>
回転機構40は、移動台20上に座席1の台枠30を略水平面上で正逆方向へ回転可能に支持するものである。回転機構40は、例えば内外一対のリング状の回転盤が、その間にベアリング等を介在させて、互いに回転可能に組み合わされたユニットとして構成されている。かかる回転機構40では、外側の回転盤が移動台20に固定され、内側の回転盤が台枠30に固定される。
【0034】
座席1の回転中心となる回転軸は、回転機構40の中心線であり、本実施形態では物理的な実態を伴うものではない。
図4に示すように、回転機構40は、動力源であるモータ41を備えている。モータ41には減速機が付設されており、その出力軸にある駆動ギヤが、台枠30側に設けられた回転軸を中心とするスプロケット42に回転可能に噛み合わされている。なお、回転機構40は、手動によっても座席を回転可能となっている。
【0035】
<台枠30>
図6に示すように、台枠30は、座席1を取り付けて移動台20上の回転機構40に支持するものである。台枠30は、例えば座部2の底面に合致する金属板により構成されている。台枠30の下面側には、前述したがモータ41の駆動ギヤが回転可能に噛み合うスプロケット42が一体に設けられている。
【0036】
<連動機構>
また、座席装置10は、座席1をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換するとき、座席1が壁Aと干渉しないように、座席1の回転と進退を連動させる連動機構(図示せず)を備えている。
【0037】
連動機構は、座席1を台枠30と共に回転させたとき、該台枠30の回転を直線運動に変換して移動台20に伝達し、移動台20を台枠30と共に、壁Aに対して近接ないし離隔するように直線方向へ進退させる。このような連動機構の種類は、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、本出願人が既に提案している特開2018-187971号公報に記載された発明、あるいは未公開であるが特願2019-239066号で提案した発明等を利用すると良い。
【0038】
<回転ロック機構60>
座席装置10は、台枠30(座席)をロング状態、一クロス状態、逆クロス状態のそれぞれの回転位置で回転不能に拘束する回転ロック機構60を備えている。回転ロック機構60は、台枠30を脚台11に対して回転不能にロックするため、必然的に移動台20も脚台11に対して進退不能に拘束される。
【0039】
図6に示すように、回転ロック機構60は、脚台11側から台枠30に亘り上下に出没可能なロックピン61と、台枠30に設けられ前記ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cとを備えている。各係止孔62a,62b,62cは、略長方形の台枠30のうち、座席背面に沿う一長辺側と、座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ合計3つ設けられている。
【0040】
ロックピン61は、ユニット60aに組み込まれており、ユニット60aは、脚台11の上面側の後端寄りに固定されている。ロックピン61は、脚台11の上面側より上方へ出没可能であり、上方へ突出して係止孔62a,62b,62cに嵌入するロック位置と、下方へ没入して係止孔62a,62b,62cから外れるロック解除位置と、に動作する。
【0041】
ロックピン61は、座席1がロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に変換されたとき、それぞれの位置で上下に合致する台枠30側の係止孔62a,62b,62cに嵌入することで、座席1を回転不能に拘束する。すなわち、ロング状態のとき、ロックピン61は、台枠30の一長辺側にある係止孔62aに嵌入する。また、一クロス状態のとき、ロックピン61は、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに挿入されて係合する。さらに、逆クロス状態のとき、ロックピン61は、台枠30の他短辺側にある係止孔62cに嵌入する。
【0042】
図13,
図14に示すように、ロックピン61が組み込まれたユニット60aには、ロックピン61を上方へ突出させロック位置に常時付勢するバネ部材(図示せず)と、ロックピン61をバネ部材の付勢力に抗して下方のロック解除位置に没入させるリンク60bとが、それぞれ設けられている。
【0043】
ロックピン61は、バネ部材の付勢力によって通常はロック位置に維持されるが、リンク60bが各操作ケーブルによって引かれると、バネ部材の付勢力に抗してロック解除位置に没入するように構成されている。ここで手動操作用の操作ケーブルの他端側は、脚台11側に設けられた回転操作部200まで延ばされている。後述するが回転操作部200における操作によって操作ケーブル206(
図11参照)が引っ張られ、回転ロック機構60の拘束が解除されるように構成されている。
【0044】
一方、電動操作用の操作ケーブルを引っ張る動力源は、例えば回転機構40のモータ41が兼用されている。すなわち、モータ41はクラッチを備えており、クラッチの切り替えによって、回転機構40により座席を回転させる動作と、ロックピン61を没入させてロック解除する動作と、に切り替え可能に構成されている。なお、モータ41のクラッチに関する構成は、一般的であるので詳細な説明は省略する。
【0045】
本実施形態に係る回転ロック機構60では、座席1がロング状態にあるときは、回転ロック機構60による拘束を、回転操作部200における手動操作では解除できず、モータ41による電動操作のみで解除することができるように構成されている。ここで電動操作は、車両の乗務員や駅員によって行われるものであり、手動操作は主に乗客によって行われる。
【0046】
<回転操作部200>
また、回転ロック機構60には、ロックピン61による拘束の解除操作を行うための回転操作部200が付設されている。
図1に示すように、回転操作部200は、一つのハウジング201に各部品が組み込まれてユニット化されており、移動台20の前端側に垂下した取付部22(
図6参照)に固定されている。
【0047】
図1(a),
図2(a),
図11,
図12に示すように、回転操作部200は、ハウジング201の前面側に固定された支持ブラケット202の下端に、枢軸203を介して揺動可能に支持された足踏ペダル204を備えている。足踏ペダル204は、その基端側が枢支された枢軸203を揺動中心として、先端側が前後方向へ揺動可能である。なお、足踏ペダル204は、本発明の「ペダル」に相当するものである。
【0048】
足踏ペダル204は、先端側がハウジング201の前方へ突出する使用位置(
図11参照)と、先端側が上方へ引っ込む収納位置(
図12参照)と、に揺動する。足踏ペダル204は、バネ部材205を介して通常は前方へ突出する使用位置に付勢されている。ここで足踏ペダル204が使用位置にあるとき、これを踏み込んで回転ロック機構60による拘束を解除する操作が可能であるが、足踏ペダル204が収納位置にあるときは、回転ロック機構60による拘束を解除する操作は不能となる。なお、バネ部材205は、本発明の「付勢手段」に相当するものである。
【0049】
足踏ペダル204の基端側には、前記回転ロック機構60側まで延ばされた手動操作用の操作ケーブル206の他端側がコネクタを介して連結されている。ここで使用位置にある足踏ペダル204を下方へ踏み込むと、操作ケーブル206が引かれてロックピン61(
図13参照)が下方へ没入し、回転ロック機構60のロック状態が解除されるように構成されている。
【0050】
また、足踏ペダル204の基端側には、枢軸203から偏心した位置で両側方向へ突出したピン状の被係合部207が固定されている。被係合部207には、前記リクライニング操作ロック機構110側から延ばされたリクライニングロックケーブル115の他端側がコネクタを介して連結されている。ここで被係合部207が次述する係合部211に係合すると、リクライニングロックケーブル115が引かれてリクライニング操作ロック機構110のロックピン113が上方へ突出し、リクライニング操作部100を操作不能に拘束するように構成されている。
【0051】
<回転操作阻止機構210>
また、回転操作部200には、該回転操作部200による拘束の解除操作を不能とする回転操作阻止機構210が付設されている。回転操作阻止機構210は、座席1がロング状態にあるとき、足踏ペダル204の操作を不能とするものである。ここでのロング状態が、本発明における「座席1が特定の状態」に相当する。
【0052】
図11,
図12に示すように、回転操作阻止機構210は、座席1の固定側である脚台11に設けられた係合部211と、座席1の可動側にある前記回転操作部200に設けられた被係合部207と、を備えている。係合部211は、脚台11のうち下面側の前端に配置され、前方へ向かって斜め上方へ突出するブラケット状に形成されている。
【0053】
被係合部207は、前述したように足踏ペダル204の基端側で枢軸203から偏心した位置にピン状に設けられている。かかる被係合部207は、座席1がロング状態(特定の状態)にあるとき、ちょうど係合部211に係合するように設定されている。被係合部207が係合部211に係合すると、足踏ペダル204をバネ部材205の付勢力に抗して収納位置に揺動させるため、回転操作部200における解除操作を不能とする。同時に、リクライニング操作部100を操作不能に拘束する。
【0054】
<座席装置10の動作>
以下、
図15に基づいて、座席1の状態を変換する動作について説明する。先ず、
図15(a)に示すように、台枠30(座席1)がロング状態にあるとき、台枠30の回転軸(回転機構40)は、壁A側に最も後退(接近)している。ここで台枠30の長辺(座席背面)は、壁Aに略平行に沿って回転角度は0°となっている。
【0055】
<<座席1の回転操作の拘束>>
座席1がロング状態にあるとき、回転ロック機構60により、台枠30は、移動台20に対して回転不能に拘束されている。すなわち、
図6に示すように、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の一長辺側にある係止孔62aに嵌入している。ここでロックピン61は、座席1の固定側である脚台11から突出するため、座席1は回転不能のみならず、同時に進退不能に拘束されている。
【0056】
図2に示すように、座席1がロング状態にあるとき、回転操作阻止機構210により、回転操作部200における解除操作は不能となる。すなわち、ロング状態では、移動台20が壁A側に最も後退(接近)しており、移動台20の前端側は脚台11の前端側に重なる。かかる位置関係により、
図2(c)に示すように、脚台11にある係合部211に対して、移動台20にある足踏ペダル204の被係合部207が係合する。すると、足踏ペダル204は、バネ部材205の付勢力に抗して起立した収納位置に揺動し、当該収納位置に拘束される。
【0057】
これにより、座席1がロング状態にあるとき、足踏ペダル204は、単に操作不能な収納位置に変位するだけでなく、係合部211と被係合部207との係合関係によって、収納位置に強固に保持される。従って、ロング状態では、回転操作部200における解除操作が不能となる。このような簡易な構成により、ロング状態では、着座者による座席1の回転操作を確実に阻止することができる。
【0058】
<<背凭れ3のリクライニング操作の拘束>>
また、座席1がロング状態にあるとき、リクライニング操作ロック機構110により、リクライニング操作部100におけるリクライニング操作は不能となる。詳しく言えば、係合部211に対する被係合部207の係合により足踏ペダル204が上方へ揺動すると、被係合部207に連結されているリクライニングロックケーブル115が引かれて、リクライニング操作部100が操作不能に拘束される。
【0059】
すなわち、
図10に示すように、リクライニングロックケーブル115が引かれると、リンク112は、バネ部材114の付勢力に抗して、
図10中で枢軸111を中心に反時計回り方向に揺動する。すると、リンク112の一端側にあるロックピン113が上方に突出して、初期位置にある操作レバー104と一体の受け部材105にあるロック孔105aに嵌入する。
【0060】
これにより、座席1がロング状態にあるとき、リクライニング操作部100によるリクライニング操作は不能となり、リクライニング機構50によって背凭れ3を傾倒させることはできない。このような簡易な構成により、ロング状態では、着座者による背凭れ3のリクライニング操作を確実に阻止することができ、背凭れ3が不用意に傾倒して壁Aと干渉することを防ぐことができる。
【0061】
<<ロング状態から一クロス状態の変換>>
図15(a)~
図15(c)に示すように、台枠30(座席1)をロング状態から一クロス状態(回転角度90°)に変換するには、先ず回転ロック機構60による回転の拘束を解除する必要がある。ここでロックピン61を係止孔62aから外す動作は、前述したように足踏ペダル204の操作では行うことはできず、モータ41の動力を利用した電動操作によって行われる。
【0062】
図15(a)に示すロング状態において、回転ロック機構60による拘束を解除した後、
図15(b)に示すように、台枠30を正方向(
図15中で反時計回り)へモータ41で回転させると、台枠30は連動機構によって前進しながら回転する。すなわち、台枠30は、壁Aと干渉しないように、正方向へ回転しながら通路側へ前進しつつ回転する。
【0063】
図15(c)に示すように、台枠30が一クロス状態(回転角度90°)に到達すると、
図6において、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに嵌入する。これにより、台枠30(座席1)は、一クロス状態で回転不能に拘束される。
【0064】
<<座席1の回転操作の拘束解除>>
座席1がクロス状態にあるときは、回転操作阻止機構210による回転操作部200の操作不能な拘束が解除される。すなわち、
図15(c)に示すクロス状態では、移動台20が壁A側から最も前進(離隔)しており、移動台20の前端側は脚台11の前端側より前方に離れて位置する。かかる位置関係では、
図11に示すように、脚台11にある係合部211に対して、移動台20にある足踏ペダル204の被係合部207は係合せずに離れる。よって、足踏ペダル204は、バネ部材205の付勢力により前方へ突出した使用位置となる。
【0065】
このとき、座席1の着座者は、足踏ペダル204を踏み込むことにより、回転ロック機構60による拘束を解除することができる。すなわち、
図11において、足踏ペダル204が踏み込まれて揺動すると、操作ケーブル206が引かれてロックピン61(
図13参照)が下方へ没入し、回転ロック機構60のロック状態が解除される。これにより、着座者は座席1を手動で回転させることができる。
【0066】
<<背凭れ3のリクライニング操作の拘束解除>>
また、座席1がクロス状態にあるときは、リクライニング操作ロック機構110によるリクライニング操作部100の操作不能な拘束も解除される。すなわち、前述したようにクロス状態では、
図11に示すように、脚台11にある係合部211に対して、移動台20にある足踏ペダル204の被係合部207は係合せずに離れる。よって、足踏ペダル204は、バネ部材205の付勢力により前方へ突出した使用位置にあり、リクライニングロックケーブル115は引っ張られていない状態となる。
【0067】
これにより、
図9に示すように、リクライニング操作ロック機構110では、リンク112がバネ部材114の付勢力によって、ロックピン113を上方へ突出させない状態となる。よって、ロックピン113が、操作レバー104と一体の受け部材105にあるロック孔105aから抜け出ており、操作レバー104の操作不能な拘束は解除されて、リクライニング操作が可能となる。そのため、着座者はリクライニング機構50によって、背凭れ3を任意の角度に傾倒させることができ、座り心地を良くすることができる。
【0068】
<<一クロス状態から逆クロス状態の変換>>
図15(c)に示す一クロス状態おいて、回転ロック機構60の拘束を解除した後、台枠30を逆方向(
図15中で時計回り)へ回転させると、図示省略した連動機構によって、台枠30は例えば回転しながら後退ないし前進する。続いて、
図15(d)に示すように、ロング状態と平行な状態で前進した位置に一旦保持された状態で、台枠30は進退はせずに逆方向へそのまま回転する。
【0069】
図15(e)に示すように、台枠30が逆クロス状態(回転角度-90°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の他方の短辺側の係止孔62cに嵌入し、再び台枠30は回転不能に拘束される。このような座席1の一クロス状態から逆クロス状態への変換は、手動操作に限らず、電動操作によっても行うことができる。なお、座席1を、逆クロス状態から一クロス状態、さらに一クロス状態から元のロング状態に戻すには、前述したロング状態から一クロス状態、および一クロス状態から逆クロス状態への変換と、それぞれ逆の動作を行えば良い。
【0070】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0071】
先ず、本発明は、
座席1の状態を変換可能な座席装置10において、
座席1の背凭れ3を傾倒可能なリクライニング機構50を備え、
座席1が特定の状態にあるとき、前記リクライニング機構50による背凭れ3を傾倒させる操作を不能としたことを特徴とする。
【0072】
本座席装置10では、座席1は壁Aに沿って配置され、客室内でなるべく通路幅を広げている。よって、座席1がロング状態にあるとき、背凭れ3は壁Aに近接するが、座席1がこのような特定の状態にあるとき、リクライニング機構50による背凭れ3の傾倒を確実に規制することができる。
【0073】
これにより、背凭れ3が不用意に傾倒して壁Aと干渉することを防ぐことができる。従来の座席で回転とスライドを連動させる場合、ロング状態のときに壁Aとの干渉を防ぐために、一律にリクライニング機構50を備えることができなかった。一方、本座席装置10は、リクライニング機構50を備え、クロス状態のときは背凭れ3を傾倒させることが可能となり、座り心地を向上させることができる。
【0074】
また、本発明として、
前記リクライニング機構50により背凭れ3を傾倒させる操作を行う操作部100と、
前記操作部100を操作不能に拘束可能なロック機構110と、を備え、
前記ロック機構110は、座席1が前記特定の状態にあるとき、前記操作部100を操作不能に拘束することを特徴とする。
【0075】
このように、本座席装置10では、リクライニング機構50の操作を行う操作部100を、ロック機構110によって操作不能に拘束する。そのため、座席1がロング状態のときは、着座者によるリクライニングの操作自体ができないことになり、着座者に分かりやすく背凭れ3の傾倒を規制することができる。
【0076】
また、本発明として、
座席1の固定側に設けられた係合部211と、
座席1の可動側に設けられ、座席1が前記特定の状態にあるとき、前記係合部211に係合することで変位可能な被係合部207と、を備え、
前記被係合部207と前記ロック機構110とは、互いに伝動手段115を介して連結され、前記被係合部207の変位が前記伝動手段115を介して前記ロック機構110に伝達され、前記ロック機構110は、前記操作部100を操作不能に拘束することを特徴とする。
【0077】
このように、本座席装置10によれば、係合部211と被係合部207との機械的な係合関係に起因して、リクライニング操作を規制するので、簡易な構成で電動力を用いることもなく、座席1の特定の状態であるロング状態のときだけ、操作部100を操作不能に拘束することができる。
【0078】
また、本発明として、
前記操作部100は、通常の初期位置から操作時の使用位置に変位可能であり、
前記ロック機構110は、前記初期位置にある操作部100に対して係脱可能なロックピン113を備え、
前記ロックピン113は、前記被係合部207の変位により前記伝動手段115を介して前記操作部100に係合し、該操作部100を操作不能に拘束することを特徴とする。
【0079】
このように、本座席装置10では、簡易な構成のロックピン113を操作部100に直接係脱させることで、リクライニング操作の起因となる操作部100の変位を容易に阻止することができる。
【0080】
さらに、本発明として、
座席1を回転軸周りに回転させる回転機構40と、
座席1を固定側より前記回転機構40ごと進退させるスライド機構14と、を備え、
前記回転機構40および前記スライド機構14の連動によって座席1の状態は、
座席背面が壁Aに略平行に沿うロング状態と、
前記ロング状態と略直交する向きで壁Aから離れたクロス状態と、に変換可能であり、
座席1の前記特定の状態は、前記ロング状態に相当することを特徴とする。
【0081】
これにより、本座席装置10を、上記の実施形態に記載したとおり、鉄道車両に搭載される一般的な回転座席に、そのまま適用することが可能となる。
【0082】
以上、実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0083】
例えば、脚台11、移動台20、台枠30の形状は図示したものに限定されることはない。また、座席1は2人掛けの例を説明したが、3人掛けや1人掛けの座席1であっても良い。また、座席の状態の変換は、ロング状態、一クロス状態、逆クロス状態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席1の他、劇場用、家庭用、事務用の椅子を対象とした座席装置として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
10…座席装置
11…脚台
14…スライド機構
20…移動台
30…台枠
40…回転機構
50…リクライニング機構
60…回転ロック機構
100…リクライニング操作部
104…操作レバー
105…受け部材
110…リクライニング操作ロック機構
113…ロックピン
200…回転操作部
204…足踏ペダル
207…被係合部
210…回転操作阻止機構
211…係合部