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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】不妊改善剤及び当該改善剤を用いた食品
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/15 20060101AFI20220404BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 36/07 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/593 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/525 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/4415 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/714 20060101ALI20220404BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220404BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20220404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220404BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20220404BHJP
   A23L 33/155 20160101ALI20220404BHJP
【FI】
A61K36/15 ZNA
A61K31/352
A61K38/02
A61K36/07
A61K31/593
A61K31/122
A61K31/525
A61K31/4415
A61K31/714
A61K31/519
A61P15/08
A61P43/00 111
A23L33/10
A23L33/105
A23L33/15
A23L33/155
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2016173115
(22)【出願日】2016-09-05
(65)【公開番号】P2018039740
(43)【公開日】2018-03-15
【審査請求日】2019-09-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本薬学会第136年会要旨集 発表番号29AB-am388、公益社団法人日本薬学会 発行日:平成28年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】516267670
【氏名又は名称】山形 一雄
(73)【特許権者】
【識別番号】599098518
【氏名又は名称】株式会社ディーエイチシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】山形 一雄
(72)【発明者】
【氏名】影山 将克
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 爽花
(72)【発明者】
【氏名】中島 野枝
【審査官】春田 由香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-023919(JP,A)
【文献】特開2003-286166(JP,A)
【文献】澤田 富夫, 生田 克夫,ダイゼインリッチ・アグリコン・イソフラボン投与が有効と考えられた不妊・不育症例の経験,産科と婦人科,2009年,第76巻,第12号,p.1605-1609
【文献】安西 英雄,富永 国比古,グリスリンとPCOS(多のう胞性卵巣症候群),ニューフードインダストリー ,2009年,第51巻,第1号,p.63-68
【文献】小濱 隆文,ピクノジェノールのわが国における臨床応用について,PROGRESS IN MEDICINE,2004年,第24巻,第6号,p.1503-1510
【文献】岡田 英孝 ほか,不妊と着床:不妊の治療に必要な着床の知識,産婦人科治療,2011年04月,第102巻, 増刊,p.565-570
【文献】Guzeloglu-Kayisli, O. et al.,The role of growth factors and cytokines during implantation: endocrine and paracrine interactions,Seminars in Reproductive Medicine,2009年,Vol.27, No.1,p.62-79,doi:10.1055/s-0028-1108011
【文献】Schmitz, C. et al.,Role for the endometrial epithelial protein MFG-E8 and its receptor integrin αvβ3 in human implantation: results of an in vitro trophoblast attachment study using established human cell lines,Fertility and Sterility,2014年,Vol.101, No.3,p.874-882,doi:10.1016/j.fertnstert.2013.12.015
【文献】Sarno, J. et al.,Thrombin and interleukin-1beta decrease HOX gene expression in human first trimester decidual cells: implications for pregnancy loss,Molecular Human Reproduction,2009年,Vol.15, No.7,p.451-457,doi:10.1093/molehr/gap030
【文献】Du, H. et al.,Direct regulation of HOXA10 by 1,25-(OH)2D3 in human myelomonocytic cells and human endometrial stromal cells,Molecular Endocrinology,2005年,Vol.19, No.9,p.2222-2233,doi:10.1210/me.2004-0336
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61K 31/00-31/80
A61K 38/00-38/58
A23L 33/00-33/29
PubMed
医中誌WEB
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アグリコン型イソフラボン、マイタケ由来糖タンパク質フランス海岸松樹皮抽出物、ビタミンD3、還元型コエンザイムQ10、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12及び葉酸を含み、IL-1βで減少したHOXA 10及びインテグリンαVの発現を増大させ、更にIL-11及び/又はMFG E8の発現を増大させることを特徴とする、不妊改善剤。
【請求項2】
請求項1記載の不妊改善剤において、更にグリコデリン、LIF及びTGF-βからなる群より選ばれる少なくとも1種の発現を増大させることを特徴とする、不妊改善剤。
【請求項3】
請求項1又は2記載の不妊改善剤を有効成分として含むことを特徴とする、不妊改善用食品。
【請求項4】
請求項3記載の食品において、その形態が、飲料、乳製品、発酵乳、バー、顆粒、粉末、カプセル及び錠剤形態から成る群より選ばれるものであることを特徴とする、不妊改善用食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不妊改善剤及び当該改善剤を用いた食品に関し、特に、女性の不妊改善に有効な、子宮機能に係るHomeobox(HOXA 10)等の発現を増加させることができる、不妊改善剤及び当該改善剤を用いた食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、不妊症の原因は、女性原因のものと男性原因のものとがあり、特に不妊症の女性原因としては、卵管障害、排卵障害、子宮着床障害、頸管粘液障害などがあり、不妊に対する治療の選択肢には、排卵誘発剤や体外授精、人工授精等がある。
【0003】
体外授精の成功率は一般に20%程度とされ、未だ十分に高い確率とはなっていない。複数回の治療が必要となるケースも多く、患者は大きな経済的負担を強いられている。また、通院・治療のための患者の身体的・精神的負担も非常に大きい。
【0004】
従って、不妊治療の第一の選択肢は、排卵誘発剤による治療となっており、排卵誘発剤には、主としてhMG(human menopausal gonadotropin: ヒト閉経期尿中ゴナドトロピン)やhCG(human chorionic gonadotropin: ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)、プロジェステロン(progesterone)などのホルモン製剤が使用され、クロミフェンやクロモクリプチン等の薬剤も用いられている。
しかし、排卵誘発剤による治療には、過排卵による多胎妊娠のリスクがあり、卵巣過剰刺激症等の副作用を引き起こす危険性もある。
【0005】
不妊改善に関しては、例えば、特表2009-50309号公報(特許文献1)に、排卵誘発剤として、クロミフェン、シクロフェニル等の内服薬、ゴナトトロピン等の注射剤を用いることが記載されている。
【0006】
また、特開2016-1451825号(特許文献2)に、第ヒシ科に属する植物の果皮及び果実の一方又は双方に含まれる1又は複数の化合物を有効成分として含むことを特徴とする不妊の改善剤組成物が開示されている。
【0007】
エストロゲンは、子宮内膜のような女性生殖器の正常な性的発育および機能に必須であるステロイドホルモンであり、妊娠に関係するホルモンである。
そして、イソフラボン類の多くは、その構造がエストロゲンと類似していることから、エストロゲン受容体に結合することが予想され、実際にエストロゲン受容体ERβに選択性を持って結合(Endocrinology 139,4252(1998))することが報告されており、子宮組織に作用して子宮機能を調節する可能性がある。
【0008】
大豆イソフラボンは、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインなどの総称であり、ほとんどが配糖体として存在し、腸内でアグリコン化されて吸収されるものと考えられており、特に、アグリコン型イソフラボンは、ヒト子宮内膜ガン由来細胞(Ishikawa 細胞)及び初代子宮細胞膜上皮細胞で、血病阻害因子(LIF)やトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)の発現を誘導し、分泌を刺激することが知られている。
【0009】
エストロゲンの分泌に関しては、例えば特開2009-191012号公報(特許文献3)に、排卵障害改善作用を有する不妊治療剤として、オレウロペイン、その誘導体又はヒドロキシチロソールから選択される成分を有効成分とする不妊治療剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特表2009-503096号公報
【文献】特開2016-1451825号
【文献】特開2009-191012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、子宮機能に関与する分子レベル因子の発現を増大させて、不妊を改善することが期待できる、不妊症改善剤及び当該不妊改善剤を含む食品を提供することである。
特に、子宮機能に係るHomeobox(HOXA 10)の発現を増加させて、不妊を改善することが期待できる、不妊症改善剤及び当該不妊改善剤を含む食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題解決のために鋭意検討した結果、アグリコン型イソフラボンに加えて特定の成分を含むことにより、ヒト子宮内膜上皮細胞におけるHomeobox (HOXA 10)等の発現を有効に増加させることを見出し、本発明に到ったものである。
【0013】
本発明は、アグリコン型イソフラボン、グリスリン(登録商標)及びピクノジェノールを(登録商標)含むことを特徴とする、不妊改善剤である。
また、本発明の不妊改善剤には、更にビタミンD3を含むことを特徴とする、不妊改善剤である。
【0014】
さらに本発明の不妊改善剤は、ヒト子宮内膜上皮細胞におけるHOXA 10及びインテグリンαVの発現を増大させる不妊治療剤であり、具体的には、IL-1βで減少した前記HOXA 10の発現に加えインテグリンαVの発現を増加させ、更にIL-11及び/又はMFG E8の発現を増大させることを特徴とする、不妊改善剤である。
好適には、上記本発明の不妊改善剤は、更にグリコデリン、LIF及びTGF-βからなる群より選ばれる少なくとも1種の分泌の発現を増大させることを特徴とする、不妊改善剤である。
【0015】
また、本発明は、上記不妊改善剤を有効成分として含むことを特徴とする、不妊改善用食品であり、好適には、前記本発明の食品は、その形態が、飲料、乳製品、発酵乳、バー、顆粒、粉末、カプセル及び錠剤形態から成る群より選ばれるものであることを特徴とする、不妊改善用食品である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の不妊改善剤は、子宮機能に係る複数の遺伝子発現、特にHOXA 10の発現を増加させることができ、不妊を改善するための改善剤として有効であるという効果を奏することが期待できる。
また、特に、食品として種々の形態で適用することができるため、簡便に経口服用して不妊の改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A-D】図1A~Dは、Ishikawa細胞におけるグリコデリン、HOXA 10、IL-11及びインテグリンαVの遺伝子発現に対する改善剤の効果を示す図である。
図1E-G】図1E~Gは、Ishikawa細胞におけるLIF、MFG E8およびTGFβ1の遺伝子発現に対する改善剤の効果を示す図である。
図2図2A~Dは、ウェスタンブロット法によるHOXA 10、LIF及びTGF β1のタンパク質の発現の結果を示す図である。
図3図3は、Ishikawa細胞でのエストロゲン(est)とプロゲステロン(pro)による、LIF、グリコデリン(Gly)、IL-11、MFG E8、HOXA 10(Hoxa)、インテグリンαV(Integ)およびTGFβ1(TGF)遺伝子の発現に対する影響を示す図である。
図4図4は、エストロゲン(est)とプロゲステロン(pro)で誘導されたグリコデリン(Gly)、HOXA 10、インテグリンαV(Integ)およびTGFβ1(TGF)の遺伝子発現に対するIL-1βの影響の結果を示す図である。
図5図5は、IL-βで減少したプロゲステロン(Pro)とエストロゲン(Es)誘導した遺伝子発現に対する改善剤の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を、以下の実施の形態により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の不妊改善剤は、アグリコン型イソフラボン、グリスリン(登録商標)及びピクノジェノール(登録商標)を含み、更に、ビタミンD3を含む改善剤である。
本発明の不妊改善剤は、ヒト子宮内膜上皮細胞におけるHOXA 10の発現を増大させるものである。
【0019】
本発明の不妊改善剤に含まれるアグリコン型イソフラボンは、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインなどの総称であり、任意のアグリコン型イソフラボンを用いることができ、好適には、ダイゼイン:ゲニスタイン:グリシタインが7:1:2の質量割合で配合されているものを用いることができる。
大豆胚芽由来のイソフラボンを麹菌で発酵させたアグリコン型イソフラボンは、糖が外れているため、経口服用した際には、腸内細菌の働きに関係なく、胃や小腸で吸収されるため、本発明の不妊改善剤を食品として用いた時には特に好適であり、市場で入手石し得る任意のアグリコン型イソフラボンを用いることができる。
【0020】
また、本発明の不妊改善剤に含まれるグリスリン(登録商標)は、マイタケ抽出物であり、マイタケから抽出される分子量が約2万の糖タンパク質であり、市場で入手し得る任意のマイタケ抽出物(グリスリン(登録商標))を用いることができる。
【0021】
さらに、本発明の不妊改善剤に含まれるピクノジェノール(登録商標)は、通常、フランス南西部に生育するフランス海岸松の樹皮抽出物であり、プロアニジンと有機酸類の特有のフラボノイド系の有効成分を豊富に含有するものであり、市場で入手し得る任意のピクノジェノール(登録商標)を用いることができる。
【0022】
好適には、更にビタミンD、特にビタミンD3を含むことが望ましく、市場で入手し得る任意のビタミンD3を用いることができる。
【0023】
本発明の改善不妊剤中に含まれるアグリコン型イソフラボンとグリスリン(登録商標)とピクノジェノール(登録商標)との配合割合は、アグリコン型イソフラボン:グリスリン(登録商標):ピクノジェノール(登録商標)(質量比)=2~3:10~90:2~15の範囲で配合されることが望ましいが、任意に配合比率を変化させることができ、限定されるものはない。
【0024】
また、好適配合成分としてのビタミンD3の配合割合も、特に限定されず、任意に変化させて配合することが可能であるが、例えば、本発明の改善剤中、20(IU)~100,000(IU)の含有量で含むことが好ましい。
【0025】
上記アグリコン型イソフラボンとグリスリン(登録商標)とピクノジェノール(登録商標)とを配合、好適にはビタミンD3を配合することにより、ヒト子宮内膜上皮細胞におけるHoxa 10等の発現が促され、不妊改善に効果があるものと期待することが可能となる。
さらに、Hoxa 10のみならず、子宮機能に係わるGlycodelin、Integrin αV、IL-11、MFG-E8、LIF、TGF-βの分泌も促し、不妊改善に有意に作用するものである。
【0026】
ここで、ヒト子宮内膜上皮細胞に発現するHomeobox(HOX10)は、子宮内膜の胚発育胚発生と分化を導く必須の役割を担う転写制御因子であり、妊娠に関する子宮機能に係わる重要な因子である(Rev Endocr Metab Disord 2002 3:127-132; J Clin Invest 1998 1011379-1384)。
【0027】
また、ヒト子宮内内膜上皮に発現する白血病阻害因子(LIF)は、ヒトおよび他の動物の着床に不可欠であり、また、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)は、ヒト子宮内膜で豊富に発現し、特に、ヒト子宮内膜ストローマの脱落膜化を促進する役割等の着床準備事象での役割がある(Reproduction 2005 130 131-145)。また、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)は、子宮内膜ストローマの脱落膜化を促進して、ヒト子宮内膜の胚の成熟の支援する因子である(Mol Endocr 1990 4 965-972; Endocr 130 3459-3466)。
【0028】
更に、グリコデリンは、ヒト子宮内膜上皮の分化マーカーであり、生殖の初期事象の調整因子であり、これはプロゲステロンによって調整され、分泌性/脱落膜化子宮内膜腺によって、子宮卵胞腔へと分泌されるものであり(Endocri Rev 2002 23 401-430) (2)、インテグリンαVは、着床期の子宮内膜の胚受容能を示す指標となり (Cells Tissues Organs 2002 172 190-201; Mol Reprod Dev 2007 74 1379-85)、IL-11は、ヒト子宮内膜上皮細胞で胚の着床を調整し(Cytokine Growth Factor Rev 2009 20 319-28)、更に、子宮内膜上皮細胞のMFG-E8発現は、絨毛膜絨毛の場合と同様に、哺乳類における正常妊娠に関するイベントおよび子宮内膜再編成において受容的な役割を果たす可能性が示されている。
【0029】
また、本発明の不妊改善剤を含む食品としては、不妊改善剤を食品としたもの又は食品に配合したもの、或いは、カプセル、錠剤等、食品又はサプリメントに通常用いられる任意の形態をとることができる。提供又は配合される食品の種類に特に制限はなく、例えば、コーヒー、果汁、清涼飲料水、ビール、牛乳、味噌汁、スープ、紅茶、茶、栄養剤、シロップ、マーガリン、ジャム等の液状(流動状)食品、米飯、パン、じゃがいも製品、もち、飴、チョコレート、ふりかけ、ハム、ソーセージ、キャンディーなどの固形形状食品等の主食、副食、菓子類ならびに調味料に配合することも可能である。用途に応じて、飲料、乳製品、発酵乳、バー、顆粒、粉末、カプセル及び錠剤形態に成形して用いることができる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等と適宜混合してもよい。
これらの食品としては、例えば、健康食品、機能性食品、栄養補助食品等を挙げることができる。
【0030】
本発明の不妊改善剤及び当該改善剤を含有する食品は、以下の実施例に示すように、ヒト子宮内上皮におけるHoxaの発現を促し、更にはHoxaの発現に加えて、上記他の子宮機能に係わる因子の発現を促すことが可能であり、不妊改善に効果を有するものである。
【実施例
【0031】
材料及び方法
ヒト子宮内膜上皮ガン由来細胞(Ishikawa細胞)は、(独)医薬基盤研究所(JCRB)より入手し、10% FBSを含むDMEMで培養した。細胞の継代は0.1% トリプシン、0.02% EDTAで処理して行った。
アグリコン型イソフラボンとしては、AglyMax-30(「AglyMax」、ニチモウ 商品名、「AglyMax」中アグリコン型イソフラボンを1/3質量含む)を用いた。
また、本発明の不妊症改善剤としては、以下の表1に記載する配合割合で配合された不妊改善剤(「Sup」)を用い、それぞれ100mM溶液として-20℃で保存して使用した。
【0032】
【表1】
【0033】
また、Fulvestrant、PD98059及びH-7はシグマ(Sigma)社(米国ミズーリ州セントルイス)より、SB203580は和光純薬より入手し、また、インターロイキン1 (IL-1)はロッシュより入手した。
【0034】
細胞培養
Ishikawa細胞は、シャーレ(直径10cm、住友ベークライト)で80%コンフルエントまで培養して増やした。
次いで、AglyMaxおよびSupを、それぞれ0、2、4、8時間(50μM)、0、2、10、30、50、100μM(8時間)に変化させて添加して培養した。
【0035】
RNA抽出、cDNA合成およびPCR
上記細胞培養後、定法に従い、回収した細胞にトリゾル(インビトロジェン)を添加して、全RNAを抽出した。cDNAの合成は、全RNAからcDNA合成キット(スーパースクリプトIII、インビトロジェン)を用い行った。cDNAはあらかじめデザインした、Glycodelin、Integrin αV、IL-11、MFG-E8、LIF、TGF-β、Hoxa 10の複数のプライマーを用いて、標準的条件でPCR法を行い遺伝子の発現を解析した。
また、タンパク質の発現は、RIPAバッファーで抽出して、常法に従い24時間処理して、ウェスタンブロット法で評価した(図2A)。なお、コントロール用としてのβーアクチンは、Cell Signaling(1:1000,: #4967)から入手したものを使用した。
以下の表2にプライマーの塩基配列および増幅長等を示す。
【0036】
【表2】
【0037】
具体的な方法は、以下のとおりである。
(RNAの抽出)
培養刺激したIshikawa細胞を、PBSで2回洗浄して、RNA抽出試薬TRIzol(登録商標)Reagent(ライフテクノロジーズ・ジャパン株式会社/InvitrogenTM)を1ml加えて細胞を十分溶解させた。
次いで、かかる細胞溶解液1mlに、クロロホルム0.2 mlを加えて振とう後、約3分間静置し、マイクロ冷却遠心機(3740、株式会社久保田製作所製)を用いて、4℃、12,000 xgの条件で15分間の遠心を行った。その後、上層を別のチューブに分取し、イソプロピルアルコール0.5 mlを加えてよく振り混ぜ、10分間静置し、さらに前記と同様の条件で遠心分離を行った。遠心分離後、上清を除去し、沈殿物を注射用蒸留水100 μlにて溶解し、0.1容量 (10μl)の3M酢酸ナトリウム及び2.2容量(242μl))の95%エタノール(和光純薬工業株式会社)を加え、-80℃で一昼夜保存した。翌日、前記と同様の条件で遠心分離を行った後、沈殿を70%エタノールで洗浄、乾燥させて、注射用蒸留水を加え、RNAを溶解し、分光光度計 (GeneQuant 100、GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)を用いて、吸光度260nmにおける値を測定しRNA量を算出した。
【0038】
(cDNA合成)
cDNA合成にはSuperScript(登録商標)III(ライフテクノロジーズ・ジャパン株式会社/InvitrogenTM)を使用した。具体的には、総RNA 1μgは50μM Oligo(dT)20 1 μl、10 mM dNTP mix 1 μl、DEPC-処理水を加えて、全体で10μlにして、65℃ 5分 → 4 ℃→10X RT buffer 2 μl、25 mM MgCl2 4 μl、0.1 M DTT 2 μl、RNase OUTTM (40 U/μl) 1 μl、SuperScript(登録商標)III RT (200 u/μl) 1 μlを添加し、50 ℃ 50分 → 85 ℃ 5分 → 4 ℃の条件で逆転写反応を行った。最後にE. coli RNase H 1 μlを加え、37 ℃ 20分 → 4 ℃の条件で再度反応を行った。反応産物は使用するまで保管した。
なお、この反応は、サーマルサークラー(GeneAmp(登録商標)PCR System 9700、アプライドバイオシステムズ 又LifeTouch、日本ジェネティクス株式会社)を用いて行った。
【0039】
(PCR)
PCRはGo taq PCRキット(プロメガ株式会社)を使用した。具体的には、Go taq PCRミクスチャーとcDNA 1 μlとを予め合成したプライマーとともに、次の条件でサーマルサークラーを用いて遺伝子を増幅した。
PCRの条件は95 ℃ 10分 → (94 ℃ 30秒 → 55 ℃ 30秒 → 72 ℃ 30秒) × 35サイクル → 4 ℃で行った。PCRミクスチャー25 μl、プライマー10 μM (+) 1 μl、プライマー10 μM (-) 1 μl、cDNA 1 μl、及びDW 22 μlを加えて、全体で50 μlとした。なお、プライマーは、上記表2に記載のものを使用して、上記各遺伝子にそれぞれ使用した。
【0040】
更に確認のため、一部の遺伝子については、下記の文献に記載のTaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法を用いて再度確認した(Yamagata ら)。
Yamagata K, Yamamoto M, Kawakami K, Ohara H, Nabika T. Arginine vasopressin regulated ASCT1 expression in astrocytes from stroke-prone spontaneously hypertensive rats and congenic SHRpch1_18 rats. Neuroscience. 2014 267:277-285.
【0041】
(アガロース電気泳動法による増幅バンドの検出)
Agarose S (株式会社ニッポンジーン) 0.6 gに1 × TAE (株式会社ニッポンジーン) 30 mlを加えて電子レンジにより加熱し、泳動ゲルを作成した。PCR済みの反応液をゲルのウェルに各10 μlずつ加え、DNAマーカー 5 μlとともに電気泳動槽 Mupid(登録商標)(2plus、株式会社アドバンス)を用い、100 Vで約25分間電気泳動を行った。電気泳動後、0.01 %エチジウムブロマイド(和光純薬株式会社)に6分間染色させ、ミリQ水にて約30分間、振とう機 (In Vitro Shaker Wave-S1、タイテック株式会社)を用いて脱色した。振とう後、バンドの検出は2 UVトランスイルミネーター(Benchtop 2UV-Transilluminator、UVP)で確認し、ゲル撮影装置(AE-6905CF Printgraph 、アトー株式会社)を用いて画像を取り込み、パソコン上でゲル解析ソフトを用いて数値化した。
【0042】
それぞれGlycodelin、Hoxa10、IL-11、Integrin αV、LIF、MFG-E8、TGF-βの発現の結果について、図1A~Gに示す。図中の遺伝子発現量は、18srRNAの発現量によって補正を行った。
【0043】
グリコデリンの発現は、比較例としてのAglyMaxと本発明の改善剤Supの添加により、無添加に比較して有意に増加した。
AglyMaxは10μM;108%、50μM;125%、100μM;111%であった。一方、本発明の改善剤Supは、10μM;188%、50μM;177%、100μM;165%で、AglyMaxに比べ優位に高レベルを示した(図1A)。
【0044】
HOXA 10の発現は、AglyMaxにより無添加に比べわずかに増加した。
具体的には、10μM;106%、50μM;107%、100μM;100%であった。一方、本発明の改善剤であるSupは、10μM;119%、50μM;111%、100μM;115%であった(図1B)。
【0045】
IL-11の遺伝子発現は、AglyMaxと本発明の改善剤Supで共に有意に増加した。
AglyMaxは、10μM;120%、50μM;130%、100μM;116%であり、また本発明のSupは、10μM;114%、50μM;116%、100μM;92%であった。かかる発現の増加パターンは、一過的であることがわかった(図1C)。
【0046】
一方、インテグリンαVの発現は、AglyMaxで、50μM;118%、100μM;115%で僅かな増加を示した(図1D)。
【0047】
LIFの発現は、AglyMaxと本発明の改善剤Supで有意に増加した。
AglyMaxでは10μM;120%、50μM;130%、100μM;113%であった。
本発明の改善剤Supでは、10μM;115%、50μM;120%、100μM;115%であった(図1E)。
【0048】
MFG E8の遺伝子発現は、比較例としてのAglyMaxと本発明の改善剤Supで共に増加した。
AglyMaxは10μM;114%、50μM;133%、100μM;134%であった。また、本発明の改善剤Supでは、10μM;123%、50μM;119%、100μM;127%であった(図1F)。
【0049】
TGF β1の遺伝子発現は、双方とも増加した。
AglyMaxでは10μM;149%、50μM;175%、100μ;162%であった。本発明の改善剤のSupでは、10μM;146%、50μM;137%、100μM;162%であった(図1G)。
【0050】
これらの結果より、本発明の改善剤(Sup)は、上記着床に関わる複数の遺伝子発現を高め、特に、HOXA 10やグリコデン等の発現に優れていることが確認できた。
【0051】
図2A~Dに、HOXA 10、LIF及びTGFβ1のタンパク質の発現の結果を示す。これらの結果より、本発明の改善剤によるタンパク質の発現が、有意に増加したことが明らかである。
【0052】
タンパク質発現の検討では、低濃度(2、10、30μM)におけるAglyMaxおよび本発明の改善剤Supで、24時間処理してウェスタンブロッド法(WB)で検討した。Ishikawa細胞において、HOXA 10は、AglyMaxで2μM;102%、10μM;115%、30μM;118%、本発明の改善剤のSupで、2μM;100%、10μM;110%、30μM;124となった(図2B)。
【0053】
また、LIFでは、AglyMaxで2μM;87%、10μM;100%、30μM;156%、本発明の改善剤のSupで、2μM;141%、10μM;159%、30μM;165%となった(図2C)。
【0054】
TGFβでは、AglyMaxで、2μM;102%、10μM;121%、30μM;88%で、本発明の改善剤のSupで、2μM;103%、10μM;158%、30μM;125%であった(図2C)。
【0055】
上記結果より、本発明の不妊改善剤Supは、Ishikawa細胞で子宮内膜の機能に関わるHOXA 10をはじめ、上記因子の発現の増加させることが明らかとなった。
【0056】
次いで、本発明の不妊改善剤Supに依存するこれらの発現調節に関連する細胞内情報内の伝達経路を特定するために、エストロジェン受容体抑制薬や、複数のキナーゼ阻害を使用して、本発明の不妊改善剤Supについての、子宮内膜機能に係る各遺伝子の下記各阻害剤の影響を評価した。具体的には、本発明の不妊改善剤SupによるHOXA 10をはじめ、glycodelin、IL-11、integrin αV、LIF、MFG E8、TGFβ1遺伝子発現に対する阻害剤の影響を以下のようにして検討した。
【0057】
Ishikawa細胞を90cm直径シャーレ(住友ベークライト)にコンフルエントまで増殖し、本発明の不妊改善剤Sup無添加、本発明の不妊改善剤Sup 50μM単特添加、更にはFulvestrant (エストロゲン受容体阻害剤, 10μM)、PD98059 (MAPK阻害剤, 20μM)、SB203580 (p38MAP阻害剤, 20μM)およびH-7(プロテインキナーゼ阻害剤,20μM)を本発明の不妊改善剤Sup 50μMにそれぞれ追加添加して、8時間37℃で5%COインキュベータで処理した。
反応培養後、それぞれの細胞をPBSで2回洗浄した。これらの処理細胞は、上記と同様の方法で総RNAを抽出してcDNA合成しPCR法にて遺伝子発現検討・評価した。
その結果を、表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
エストロジェン受容体(ER)拮抗剤fulvestrantは、HOXA 10、IL-11、インテグリンαV、LIFについての、本発明の改善剤のSupによる遺伝子発現を阻害した。
一方、グリコデリンおよびTGFβ1の遺伝子発現にはほとんど影響がなかった。
また、ERK抑制薬PD98059は、HOXA 10、IL-11、インテグリンαVとLIFの遺伝子発現を阻害した。特に、本発明の改善剤SupによるLIFの遺伝子発現は、PD98059によって強く減少した(67.3%)。一方、p38MAPK抑制薬SB203580とプロテインキナーゼA(PKA)抑制薬H7は、グリコデリン、IL-11、インテグリンαV、LIFの遺伝子発現を阻害した。
これらの結果より、本発明の改善による遺伝子発現に、これらキナーゼの作用の関与が推測される。
【0060】
ヒトにおいて、エストロゲンとプロゲステロンの連続的な作用は、子宮内膜組織の受容性を高める(Young Reprod Biomed Online. 2013 27, 497-505)ことが知られている。
従って、Ishikawa細胞でエストロゲンとプロゲステロンによる上記遺伝子の発現に対する影響を以下に検討し、その結果を以下の表4及び図3に示す。
すなわち、Ishikawa 細胞を90 cm直径シャーレにコンフルエントまで増殖させた。まず無添加(Cont)、エストロゲン単独 (50nM)、プロゲステロン(1μM)単独、エストロゲン(50 nM)及びプロゲステロン(1μM)をそれぞれ添加して、8時間37℃で5%COインキュベータで処理した。
反応培養後、それぞれの細胞をPBSで2回洗浄した。次いで、これらの処理細胞は、上記と同様の方法で総RNAを抽出してcDNA合成しPCR法にて遺伝子発現検討・評価した。
【0061】
【表4】
【0062】
エストロゲンの8時間添加で、有意にグリコデリン-A、HOXA 10、IL-11とインテグリンαVの遺伝子発現を増加させることがわかった。また、プロゲステロンの刺激でグリコデリン-A(Glyco)、HOXA 10、インテグリンαV、LIFとTGFβ1の発現が増加した。
エストロゲンとプロゲステロンの組合せは、グリコデリン-A、HOXA 10、インテグリンαVとTGFβ1の発現を増加させた。
これら結果より、エストロゲンとプロゲステロンの子宮内膜組織における受容性の向上に、これら遺伝子の増加が関与していることが推測できる。
【0063】
また、エストロゲンとプロゲステロンで誘導されたグリコデリン、HOXA 10、インテグリンαVおよびTGFβ1の遺伝子発現に対するIL-1βの影響の結果を、表5及び図4に示す。
IL-1βは、炎症を起こした脱落膜で増加して着床に悪い影響を与えることが知られている(Sarno らJ Clin Endocrinol Metab 2009 91 2366-2372)ことより、エストロゲンとプロゲステロンで誘導されるグリコデリン、HOXA 10、インテグリンαVとTGFβ1の遺伝子発現に対するIL-1βの影響を検討した。
【0064】
具体的には、コンフルエントのIshikawa細胞に、無添加、エストロゲン(50 nM)及びプロゲステロン(1μM)、エストロゲン(50 nM)+プロゲステロン(1 μM)+IL-1β(40IU/ml)、エストロゲン(50 nM)+プロゲステロン(1 μM)+IL-1β(80IU/ml)の濃度でそれぞれ添加して、8時間37℃で5%COインキュベータで処理した。
反応培養後、それぞれの細胞をPBSで2回洗浄した。次いで、これらの処理細胞は、上記と同様の方法で総RNAを抽出してcDNA合成しPCR法にて遺伝子発現検討・評価した。
【0065】
【表5】
【0066】
IL-1β(80 IU/ml)の添加は有意にプロゲステロンとエストロゲンで誘導したグリコデリン-A、HOXA 10、インテグリンαVとTGFβ1の増加した遺伝子発現をそれぞれ減少させた。
かかる結果より、IL-1βが子宮内膜細胞で着床に関かかわる遺伝子発現の減少させることで着床に悪い影響を与える可能性を示すことが推測される。
【0067】
更に、本発明の改善剤Supについての子宮内膜機能に関する遺伝子のIL-1βによる発現減少に対する影響を明らかにするため、30または50μMの本発明の改善剤Sup(Sup30、Sup50)、プロゲステロン、エストロゲン、IL-1β(80IU/ml)を、Ishikawa細胞に加えて発現を検討した結果を、図5に示す。
具体的には、本発明の不妊改善剤SupによるHOXA 10をはじめ、integrin αV、TGFβ1、LIF遺伝子発現に対する影響を以下のようにして検討した。
【0068】
具体的には、コンフルエントのIshikawa細胞に、図5に示すように、本発明の改善剤Sup(Sup30、Sup50)、プロゲステロン(1μM)、エストロゲン(50 nM)、IL-1β(80IU/ml)をそれぞれ添加して、8時間37℃で5%COインキュベータで処理した。
反応培養後、それぞれの細胞をPBSで2回洗浄した。次いで、これらの処理細胞は、上記と同様の方法で総RNAを抽出してcDNA合成しPCR法にて遺伝子発現検討・評価した。
【0069】
本発明の改善剤Supの添加により、IL-1βで減少したHOXA 10、インテグリンαVとTGFβ1の発現レベルが回復した(図5A、B)ことがわかる。
【0070】
上記これらの結果より、本発明の不妊改善剤は、子宮機能に係る複数の遺伝子発現を有意に誘導したことがわかる。特に、LIF、グリコデン、IL-11の発現の有意な発現に加えて、HOXA 10の発現が増加した。また、増加したLIF、グリコデン、IL-11、HOXA 10発現は、フルベストラントやPD98059等の複数の阻害剤添加で阻止され、エストロゲンやプロゲストロン等で誘導した前記の発現の一部が、IL-1βで抑制され、IL-1βで抑制された遺伝子発現の一部に対して、本発明の不妊改善阻害剤は、阻止又は予防する作用を有することが明らかとなった。
【0071】
本発明の不妊症改善剤は、エストロゲン受容体などに作用して、細胞内キナーゼの活性化を介して、上記子宮機能に係る遺伝発現を上昇調節することを可能とする。
更に、本発明の不妊改善剤は、IL-βによる上記発現の減弱作用に対して予防的に作用する可能があることが推測できる。
よって、不妊症に対する改善剤及び食品として有効に機能することが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の不妊改善剤は、子宮機能に係るHOXA 10等を有意に発現することができるため、不妊を改善することができ、サプリメント等の食品として好適に利用することが可能である。
【配列表フリーテキスト】
【0073】
配列番号1:PCR用プライマ-(1)である。
配列番号2:PCR用プライマ-(2)である。
配列番号3:PCR用プライマ-(3)である。
配列番号4:PCR用プライマ-(4)である。
配列番号5:PCR用プライマ-(5)である。-*
【0074】
配列番号6:PCR用プライマ-(6)である。
配列番号7:PCR用プライマ-(7)である。
配列番号8:PCR用プライマ-(8)である。
配列番号9:PCR用プライマ-(9)である。
配列番号10:PCR用プライマ-(10)である。
【0075】
配列番号11:PCR用プライマ-(11)である。
配列番号12:PCR用プライマ-(12)である。
配列番号13:PCR用プライマ-(13)である。
配列番号14:PCR用プライマ-(14)である。
図1A-D】
図1E-G】
図2
図3
図4
図5
【配列表】
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