(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】シリンダ装置及びそれを用いたウエブの接続装置
(51)【国際特許分類】
F15B 11/06 20060101AFI20220404BHJP
F15B 15/14 20060101ALI20220404BHJP
B65H 19/20 20060101ALI20220404BHJP
B26D 1/10 20060101ALI20220404BHJP
B26D 5/12 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
F15B11/06 A
F15B15/14 330
B65H19/20
B26D1/10
B26D5/12 Z
(21)【出願番号】P 2017160444
(22)【出願日】2017-08-23
【審査請求日】2020-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【氏名又は名称】前澤 龍
(72)【発明者】
【氏名】辻 祥夫
(72)【発明者】
【氏名】戸倉 康裕
【審査官】小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-053904(JP,U)
【文献】特開昭59-050203(JP,A)
【文献】特開平01-246092(JP,A)
【文献】特開平05-133406(JP,A)
【文献】特許第5833193(JP,B1)
【文献】特開2017-007811(JP,A)
【文献】特開2017-007810(JP,A)
【文献】特開2017-007031(JP,A)
【文献】特開2005-015145(JP,A)
【文献】特開平10-089307(JP,A)
【文献】特開昭59-083805(JP,A)
【文献】特開昭59-050204(JP,A)
【文献】実開昭59-101005(JP,U)
【文献】米国特許第3779121(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22,15/00-15/28
B65H 19/00-19/30
B26D 1/04- 1/11, 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ本体と、前記シリンダ本体内を移動して第1閉塞空間と第2閉塞空間に仕切るピストンと、前記第1閉塞空間側の前記シリンダ本体に設けられた第1シリンダ口と、前記第2閉塞空間側の前記シリンダ本体に設けられた第2シリンダ口とを含むシリンダと、
第1接続口と第2接続口と第3接続口とを有する第1電磁弁と、
第4接続口と第5接続口と第6接続口とを有する第2電磁弁と、
圧縮空気を送るポンプと、
前記シリンダ本体の長手方向に沿って設けられたスリットと、
前記ピストンに設けられたカッター支持部と、
前記カッター支持部の内部に設けられたベルト分離部と、
前記カッター支持部に設けられ、前記スリットから突出したカッターと、
前記スリットを閉塞するために前記スリットの一端部と他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の一方の面を通る第1のシールベルトと、
前記スリットを閉塞するために前記スリットの前記一端部と前記他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の他方の面を通る第2のシールベルトと、
を有し、
前記第1接続口に前記ポンプが接続され、
前記第2接続口に前記第1シリンダ口が接続され、
前記第3接続口と前記第4接続口が接続され、
前記第5接続口に前記第2シリンダ口が接続され、
前記第6接続口は開放され、
(1)前記ピストンを前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動させる前に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第3接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第5接続口と前記第6接続口を接続し、かつ、前記第4接続口を閉塞し、
(2)前記ピストンを前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動させる場合に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第2接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第5接続口と前記第6接続口を接続し、
(3)前記ピストンを前記第2シリンダ口側から前記第1シリンダ口側に復帰させる場合に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第3接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第4接続口と前記第5接続口を接続し、
前記ピストンに設けられた前記カッターが、前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動するときに切断を行い、
前記切断の終了位置に到達したときに前記第2電磁弁によって前記第6接続口の広さを予め決められた広さに調整して
前記ピストンが前記第2シリンダ口に衝突するのを防止する、
シリンダ装置。
【請求項2】
前記シリンダが、ロッドレスシリンダである、
請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項3】
前記シリンダが、エアーシリンダである、
請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項4】
前後方向に搬送される旧ウエブの搬送路の上方にある初期位置に配された上本体と、
前記搬送路を挟んで前記初期位置にある下本体と、
前記下本体に設けられ、新ウエブの下面を吸引する下吸引部と、
前記上本体に回転自在に設けられ、搬送が停止された前記旧ウエブを前記新ウエブと共に前記下吸引部に押圧し、かつ、切断された前記旧ウエブのみを回転しながら巻き付ける巻き付けロールと、
前記下本体に設けられ、前記巻き付けロールと前記下吸引部との間に挟まれた前記旧ウエブと前記新ウエブを重ねて前記カッターで切断する請求項1に記載の前記シリンダ装置を含む切断装置と、
前記上本体に回転自在に設けられ、上テープが吸引され、前記初期位置において、切断された前記旧ウエブと前記新ウエブの接続部分の上面に前記上テープを回転しながら貼り付ける上テープ貼り付け体と、
を有するウエブの接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置及びそれを用いたウエブの接続する接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエブを切断する切断装置においては、カッターを移動させるためにロッドレスシリンダやエアーシリンダなどが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-116147号公報
【文献】特許第5833193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなウエブを切断ときに、カッターの移動速度を高速にすればするほど切断し易い。しかし、そのためにはシリンダ内のピストンを高速で移動させる必要があるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、シリンダ内のピストンを高速で移動させることができるシリンダ及びそれを用いたウエブの接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シリンダ本体と、前記シリンダ本体内を移動して第1閉塞空間と第2閉塞空間に仕切るピストンと、前記第1閉塞空間側の前記シリンダ本体に設けられた第1シリンダ口と、前記第2閉塞空間側の前記シリンダ本体に設けられた第2シリンダ口とを含むシリンダと、第1接続口と第2接続口と第3接続口とを有する第1電磁弁と、第4接続口と第5接続口と第6接続口とを有する第2電磁弁と、圧縮空気を送るポンプと、前記シリンダ本体の長手方向に沿って設けられたスリットと、前記ピストンに設けられたカッター支持部と、前記カッター支持部の内部に設けられたベルト分離部と、前記カッター支持部に設けられ、前記スリットから突出したカッターと、前記スリットを閉塞するために前記スリットの一端部と他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の一方の面を通る第1のシールベルトと、前記スリットを閉塞するために前記スリットの前記一端部と前記他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の他方の面を通る第2のシールベルトと、前記シリンダ本体の長手方向に沿って設けられたスリットと、前記ピストンに設けられたカッター支持部と、カッター支持部の内部に設けられたベルト分離部と、前記カッター支持部に設けられ、前記スリットから突出したカッターと、前記スリットを閉塞するために前記スリットの一端部と他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の一方の面を通る第1のシールベルトと、前記スリットを閉塞するために前記スリットの前記一端部と前記他端部の間に設けられ、前記カッター支持部の内部にある前記ベルト分離部の他方の面を通る第2のシールベルトと、を有し、前記第1接続口に前記ポンプが接続され、前記第2接続口に前記第1シリンダ口が接続され、前記第3接続口と前記第4接続口が接続され、前記第5接続口に前記第2シリンダ口が接続され、前記第6接続口は開放され、(1)前記ピストンを前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動させる前に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第3接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第5接続口と前記第6接続口を接続し、かつ、前記第4接続口を閉塞し、(2)前記ピストンを前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動させる場合に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第2接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第5接続口と前記第6接続口を接続し、(3)前記ピストンを前記第2シリンダ口側から前記第1シリンダ口側に復帰させる場合に、前記第1電磁弁において前記第1接続口と前記第3接続口を接続し、前記第2電磁弁において前記第4接続口と前記第5接続口を接続し、前記ピストンに設けられた前記カッターが、前記第1シリンダ口側から前記第2シリンダ口側に移動するときに切断を行い、前記切断の終了位置に到達したときに前記第2電磁弁によって前記第6接続口の広さを予め決められた広さに調整して前記ピストンが前記第2シリンダ口に衝突するのを防止する、シリンダ装置である。
【0007】
また、本発明は、前後方向に搬送される旧ウエブの搬送路の上方にある初期位置に配された上本体と、前記搬送路を挟んで前記初期位置にある下本体と、前記下本体に設けられ、新ウエブの下面を吸引する下吸引部と、前記上本体に回転自在に設けられ、搬送が停止された前記旧ウエブを前記新ウエブと共に前記下吸引部に押圧し、かつ、切断された前記旧ウエブのみを回転しながら巻き付ける巻き付けロールと、前記下本体に設けられ、前記巻き付けロールと前記下吸引部との間に挟まれた前記旧ウエブと前記新ウエブを重ねて前記カッターで切断する上記発明の前記シリンダ装置を含む切断装置と、前記上本体に回転自在に設けられ、上テープが吸引され、前記初期位置において、切断された前記旧ウエブと前記新ウエブの接続部分の上面に前記上テープを回転しながら貼り付ける上テープ貼り付け体と、を有するウエブの接続装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シリンダ内のピストンを高速で移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】下本体が初期高さにある接続装置の全体図である。
【
図3】巻き付けロールの位置から前方を見た上ユニットの断面図である。
【
図4】巻き付けロールと上テープ貼り付けロールと駆動ギアの回転構造を外側から見た説明図である。
【
図7】上テープ貼り付け体を格納した状態の上部分のみの背面図である。
【
図8】上テープ貼り付け体を引き出した状態の上部分のみの背面図である。
【
図9】上テープ貼り付け体を箱体から引き出した状態の一部欠裁斜視図である。
【
図10】箱体に上テープ貼り付け体を収納した状態を内側から見た縦断面図である。
【
図11】第1工程における接続装置の説明図である。
【
図12】第2、3工程における接続装置の説明図である。
【
図13】第4工程における接続装置の説明図である。
【
図14】第5工程における接続装置の説明図である。
【
図15】第5工程における接続装置の説明図である。
【
図16】第6工程における接続装置の説明図である。
【
図17】第6工程における接続装置の説明図である。
【
図18】第7工程における接続装置の説明図である。
【
図19】第8工程における接続装置の説明図である。
【
図20】第9工程における接続装置の説明図である。
【
図21】第9工程における接続装置の説明図である。
【
図22】第10工程における接続装置の説明図である。
【
図23】第10工程における接続装置の説明図である。
【
図24】第11工程における接続装置の説明図である。
【
図26】旧ウエブ吸引部、上テープ吸引部、下テープ吸引部、第1下吸引部、第2下吸引部、塵吸引部の説明図である。
【
図29】カッターが切断をする前の排気状態を示すロッドレスシリンダの説明図である。
【
図30】カッターが切断中のロッドレスシリンダの説明図である。
【
図31】カッターが復帰中のロッドレスシリンダの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態のウエブWの接続装置1について図面を参照して説明する。「ウエブW」とは、長尺状のシートであり、布帛、紙、フィルム、金属箔などをいう。接続装置1において、「搬入側」は、ウエブWが搬送されてくる上流を意味し、「搬出側」は、ウエブWが搬送される下流を意味する。「前後方向」は、ウエブWが搬送される方向であり、水平である。
【0011】
ウエブWを巻出す巻出し装置は、古い芯に巻き付けた旧ウエブW1が残り少なくなると、新しい芯から新ウエブW2を巻出す。そして、本実施形態の接続装置1は、旧ウエブW1に新ウエブW2を接続する装置である。
【0012】
本実施形態のウエブWの接続装置1について
図1~
図24を参照して説明する。
【0013】
(1)フレーム2
接続装置1のフレーム2について
図1を参照して説明する。フレーム2の基台200の前部には左右一対の前縦枠材202が垂直に立設され、基台200の後部には左右一対の後縦枠材204が立設されている。なお、
図1では左側の前縦枠材202と後縦枠材204とが記載されている。
【0014】
前縦枠材202の上端部と後縦枠材204の上端部には、上枠材206が前後方向に、かつ、水平に架設されている。
【0015】
左右一対の前縦枠材202の間には、前横枠材208が水平に架設されている。この前横枠材208の位置は、前縦枠材202の下部近傍である。
【0016】
左右一対の後縦枠材204の間には、後横枠材210が水平に架設されている。この後横枠材210の位置は、前横枠材208の高さと同じ高さである。
【0017】
左右一対の上枠材206の前部の間には、上前横枠材212が水平に架設されている。
【0018】
左右一対の上枠材206の後部の間には、上後横枠材214が水平に架設されている。
【0019】
前縦枠材202の前横枠材208の位置と、後縦枠材204の後横枠材210の位置との間には、支持枠材216が水平に架設されている。
【0020】
前縦枠材202の中央より若干上方の位置に旧ウエブW1が搬入される搬入ロール3が設けられている。また、後縦枠材204の中央より上方の位置には、搬出ロール5が設けられている。また、上枠材206の後端部には、ガイドロール6が設けられている。搬入ロール3と搬出ロール5の高さは同じ高さに設けられている。
【0021】
搬入ロール3の下方には、搬入押圧ロール4が設けられている。この取り付け位置については後から説明する。
【0022】
フレーム2には、上ユニット12と下ユニット14が設けられ、上ユニット12はフレーム2の上部に設けられ、下ユニット14は、上ユニット12と搬送路を挟んでフレーム2に設けられている。
【0023】
なお、このフレーム2の構造はあくまでも一例であり、縦方向の枠材と横方向の枠材とを組み立てて構成するものであればよい。
【0024】
巻出し装置の古い芯からの旧ウエブW1は、
図1に示すように、フレーム2の搬入ロール3の下周面を経て、上ユニット12と下ユニット14との間にある搬送路を前後方向に通過し、その後に搬出ロール5の下周面、ガイドロール6を経て、塗工装置などに案内される。一方、巻出し装置の新しい芯からの新ウエブW2は、搬入ロール3の下方に設けられている搬入押圧ロール4の上周面を通過し、その先端部は下ユニット14に固定されている。
【0025】
(2)上ユニット12
上ユニット12について説明する。
図1に示すように、上ユニット12は、フレーム2における搬送路の上方、すなわち、下ユニット14と旧ウエブW1の上方に配されている。
図1に示すように、上ユニット12の本体(以下、「上本体」という)16は、前後方向(水平方向)に移動自在に配され、搬入側から巻き付けロール18、上テープ貼り付け体20とより構成されている。
【0026】
上本体16の構造について説明する。上本体16の両側部に相当する左右一対の移動板22,22の下部に、巻き付けロール18、上テープ貼り付け体20が、同じ高さで、水平に、かつ、左右方向に架設されている。
【0027】
ロール状の巻き付けロール18の左右一対の回転軸24は、左右一対の移動板22から回転自在に突出している。巻き付けロール18の一方から突出した回転軸24は、一方の移動板22から突出し、巻き付けプーリ80が設けられている。巻き付けロール18の他方から突出した回転軸24は、他方の移動板22に回転自在に支持されている。
【0028】
上テープ貼り付け体20の一方から回転軸308が突出している。この回転軸308は、一方の移動板22から突出し、貼り付けプーリ82が設けられている。上テープ貼り付け体20については、後から詳しく説明する。
【0029】
左右一対の移動板22の両側には、左右一対の駆動ギア76が設けられている。
図4に示すように、この駆動ギア76の位置は、巻き付けロール18と上テープ貼り付け体20よりも上方で三角形を構成するように設けられている。この左右一対の駆動ギア76は、左右一対の移動板22,22を貫通するギア回転軸77によって連結されている。
【0030】
一方の移動板22と一方の駆動ギア76との間におけるギア回転軸77には、ギアプーリ86が設けられている。このギアプーリ86と巻き付けプーリ80と貼り付けプーリ82は、
図4に示すように無端状のベルト84が架け渡され、ギアプーリ86が回転すると巻き付けプーリ80と貼り付けプーリ82が同速又は異なる速度で同じ方向に回転する。
【0031】
左右一対の上枠材206の下端からラック支持部23が垂設するように取り付けられ、このラック支持部23の下端にラック78が前後方向に取り付けられている。このラック78は、ピニオンの役割をする駆動ギア76と螺合し、ラック78上を駆動ギア76が回転しながら移動する。
【0032】
図1、
図3に示すように、左右一対の上枠材206の内面下部には、左右一対の上レール36が前後方向に取り付けられている。左右一対の移動板22の上部には、左右一対の上レール36を移動するスライド部37が設けられている。左右一対の上枠材206の上部には、左右一対の水平アクチュエータ38が設けられ、この水平アクチュエータ38のシリンダの先端はスライド部37に取り付けられている。これにより、水平アクチュエータ38がシリンダを移動させるとスライド部37が上レール36に沿って移動し、それと共に移動板22が移動する。
図4に示すように、移動板22が移動すると、駆動ギア76が回転し、それと共に巻き付けプーリ80、貼り付けプーリ82が同じ方向に回転して、巻き付けロール18と上テープ貼り付け体20が同じ方向に回転する。
【0033】
巻き付けロール18と上テープ貼り付け体20の回転速度について説明する。巻き付けロール18の回転速度は、後から説明するように旧ウエブW1を巻き付けることができる速度であればよい。一方、貼り付け体20の回転速度は、初期位置における上テープ34が、回転して貼り付けのときに水平な位置になるように決定する。
【0034】
(3)巻き付けロール18
図1、
図3、
図4に示すように、巻き付けロール18は、回転軸24によって旧ウエブW1の搬送方向に沿って回転する。
図1、
図5に示すように、巻き付けロール18の内部には旧ウエブ吸引部26が設けられ、その外周には周面形状でなく平らな平面形状の旧ウエブ吸引面27が形成されている。また、この旧ウエブ吸引部26と隣接してカッター58が通過するカッター移動溝28が形成されている。すなわち、巻き付けロール18の幅方向に設けられたカッター移動溝28の上流側に旧ウエブ吸引部26が形成されている。
図5に示すように、旧ウエブ吸引部26の外周部には旧ウエブ吸引面27が形成されている。
図5、
図26に示すように、旧ウエブ吸引面27には、複数の小吸引孔427が開口している。旧ウエブ吸引面27には、シリコンゴム製のゴム板よりなる上弾性板428が両面接着テープで貼り付けられ、上弾性板428には小吸引孔427の内径より大きく、かつ、小吸引孔427と対応する位置に大吸引孔429が開口している。
【0035】
(4)上テープ貼り付け体20
図1、図
9に示すように、上テープ貼り付け体20は、回転軸308によって旧ウエブW1の搬送方向に沿って回転する。
図10、
図26に示すように、上テープ貼り付け体20の内部には上テープ吸引部32が設けられ、この上テープ吸引部32の外周面には、上テープ吸引面35が形成され、上テープ34の非接着面を吸引する。
【0036】
図9に示すように、上テープ貼り付け体20は、左右一対の円板302と円板304とを有し、この左右一対の円板302と円板304との間には、直方体の箱体306が設けられている。この箱体306は、上面が開口している。円板302から回転軸308が突出し、上記したように一方の移動板22を貫通して、貼り付けプーリ82が設けられている。円板304には、箱体開口部310が設けられている。
【0037】
図10に示すように、他方の移動板22の内壁における、円板304の外周に対応する位置には等角度毎に3個のコロ312が回転自在に突出する。これら3個のコロ312の内周面が、円板304の外周を回転自在に支持している。3個のコロ312の内側にある移動板22には、箱体開口部310と同じ形状をなす壁開口部314が設けられている。箱体306の底面には、箱体レール316が左右方向に設けられている。
【0038】
図10に示すように、箱体306の内部には、直方体の上テープ吸引部32と、吸引支持体318が格納され、箱体レール316に沿って移動自在となっている。吸引支持体318は、コ字状に折曲された一対の金属板よりなる吸引支持板320、322が相対向するように配置され、その上部に上テープ吸引部32が固定され、その下部に車輪328が回転自在に配されている。この車輪328は、吸引支持体318の幅方向に沿って複数個配され、箱体レール316の上部を転動する。
【0039】
図10に示すように、上テープ吸引部32の内部は吸引空間324が形成され、上テープ吸引部32の上面は縦断面円弧型の曲面形状をなし、上テープ吸引面35を形成している。
図10、
図26に示すように、上テープ吸引面35には、複数の小吸引孔435が開口している。上テープ吸引面35には、シリコンゴム製のゴム板よりなる上テープ弾性板436が両面接着テープで貼り付けられ、上テープ弾性板436には小吸引孔435の内径より大きく、かつ、小吸引孔435と対応する位置に大吸引孔437が開口している。上記した箱体開口部310は、この上テープ吸引部32の縦断面形状よりも若干大きく形成され、下部が四角であり上が半円形である。また、壁開口部314も同じ形状で同じ大きさである。
【0040】
図7~
図9に示すように、他方の移動板22の壁開口部314の底部の外方には、突出レール326が水平に設けられている。この突出レール326は後縦枠材204に固定され、フレーム2の箱体レール316と不連続で同じ方向に延び、車輪328が転動する。
【0041】
左右一対の上枠材206,206の上には上後横枠材214が水平に架設されている。この上後横枠材214は、
図7、
図10に示すように、上テープ吸引部32が真上に回転した状態における位置に設けられている。
【0042】
図7~
図9に示すように、上後横枠材214の上には、上テープ吸引部32を引出すための引き出し装置330が設けられている。引き出し装置330は、上後横枠材214の上に設けられた四角筒型の格納部332と四角柱型の引き出し部334とを有する。引き出し部334は、格納部332に通常格納されている。格納部332の底面には引き出しレール336が設けられ、引き出し部334がこの引き出しレール336に沿って外方に引き出される。引き出し部334の先端には吊り下げ部338が上下方向に設けられ、この吊り下げ部338の下端であって、かつ、移動板22の方向には連結部340が設けられている。連結部340の先端は、上テープ吸引部32の一側面に連結可能である。
【0043】
(5)補助ロール342
図1、
図2に示すように、巻き付けロール18と上テープ貼り付け体20との間で、かつ、移動板22の下辺に沿って設けられた補助ロール取り付け部344が設けられ、この補助ロール取り付け部344に2個の補助ロール342が、回動自在に設けられている。この補助ロール取り付け部344によって、2個の補助ロール342の高さ調整を行える。補助ロール342の役割を説明する。
【0044】
上記したように、上テープ貼り付け体20は、直方体であって上テープ34を貼り付ける位置以外はロール状になっておらず、旧ウエブW1と新ウエブW2を第2下吸引部56に押圧できない。そのため、
図11~
図21に示すように、2個の補助ロール342を設けて、切断された旧ウエブW1と新ウエブW2を第2下吸引部56に押圧している。そして、上テープ貼り付け体20は、2個の補助ロール342を経た旧ウエブW1と新ウエブW2とを上から上テープ34で貼り付ける。これによって、上テープ貼り付け体20がロール状でなくても、上テープ34を貼り付けることができる。
【0045】
(6)上テープ34の取り付け状態
次に、作業前に上テープ貼り付け体20に上テープ34を取り付ける作業について説明する。
【0046】
まず、
図1、
図11に示すように、上テープ貼り付け体20の上テープ吸引面35が真上に回転するように上本体16を移動させる。この位置が引き出し装置330の真下に該当する。以下この位置が「初期位置」と「引き出し位置」を兼ねている。
【0047】
次に、
図7に示すように、引き出し位置に上テープ貼り付け体20が移動すると、連結部340の先端が上テープ吸引部32に連結される。この場合の連結は、手動で行ってもよく、また自動で行うようにしてもよい。
【0048】
次に、
図8、
図9に示すように、作業者は、引き出し部334を格納部332から左右方向に引出すと、箱体306に格納された上テープ吸引部32の車輪328が、箱体レール316と突出レール326を移動し、箱体開口部310と壁開口部314の中を通って引出される。
【0049】
次に、作業者は、上テープ吸引面35が真上に位置した上テープ吸引部32が完全に引き出されると、上テープ34の非接着面を上テープ吸引面35に吸引させる。
【0050】
次に、
図7に示すように、作業者は、上テープ34を上テープ吸引面35に吸引すると、引き出し部334を格納部332に格納する。すると、
図11に示すように、上テープ吸引面35が真上に位置して上テープ吸引部32は、移動板22の壁開口部314と円板304の箱体開口部310を経て箱体306に格納される。この場合に、車輪328が、箱体レール316、突出レール326を移動するため、スムーズに移動できる。
【0051】
上テープ貼り付け体20の一端は円板302から突出した回転軸308によって回転し、他方の円板304は3個のコロ312の間を回転するため、上テープ貼り付け体20は、上テープ34を貼り付けることができる。
【0052】
(7)下ユニット14
次に、下ユニット14について説明する。下ユニット14は、左右一対の上下部材60と、左右一対の上下部材60の間に架設された下本体40とよりなる。
【0053】
図1に示すように、左右一対の前縦枠材202と後縦枠材204の間には、左右一対の上下部材60が水平方向にそれぞれ架け渡されている。
【0054】
図1に示すように、上下部材60の前部は、前縦枠材202の縦方向に設けられた上下レール64によって支持され、上下部材60の後部は、後縦枠材204に縦方向に設けられた上下レール64に支持されている。上下部材60は、上下アクチュエータ62によって、上下レール64を上下動する。
【0055】
図1に示すように、左右一対の上下部材60の前端部の間には、搬入押圧ロール4が回転自在に設けられている。この搬入押圧ロール4の位置は、搬入ロール3に対応する位置にある。
【0056】
図1に示すように、左右一対の上下部材60の間には、下本体40が左右方向で、かつ、水平方向に架設されている。下本体40は、
図2に示すように、上下アクチュエータ62によって最も下の位置にある「初期高さ」、
図1、
図11に示すように、接続作業を行う前に待機している高さである「待機高さ」、
図12に示すように、接続作業を行っている「作業高さ」の3段階に高さ調整される。
【0057】
下本体40は、下吸引部44、切断装置46とより構成されている。
図1に示すように、新ウエブW2の先端部は、下吸引部44の上面を経た後、上下部材60の後部に、端部固定部材66によって固定されている。これは、上下部材60が金属であるため、マグネットよりなる端部固定部材66によって、新ウエブW2を挟んで固定する。
【0058】
図1、
図5に示すように、下吸引部44は、新ウエブW2の搬送路に面した第1下吸引部54と第2下吸引部56とを有し、第1下吸引部54と第2下吸引部56とで新ウエブW2をそれぞれ吸引する。
図5に示すように、第1下吸引部54の水平な第1下吸引面57と第2下吸引部56の水平な第2下吸引面61が形成されている。
【0059】
図5、
図26に示すように、第1下吸引面57には、複数の小吸引孔457が開口している。第1下吸引面57には、シリコンゴム製のゴム板よりなる第1下弾性板458が両面接着テープで貼り付けられ、第1下弾性板458には小吸引孔457の内径より大きく、かつ、小吸引孔457と対応する位置に大吸引孔459が開口している。
【0060】
図5、
図26に示すように、第2下吸引面61には、複数の小吸引孔461が開口している。第2下吸引面61には、シリコンゴム製のゴム板よりなる第2下弾性板462が両面接着テープで貼り付けられ、第2下弾性板462には小吸引孔461の内径より大きく、かつ、小吸引孔461と対応する位置に大吸引孔463が開口している。
【0061】
図5に示すように、切断装置46は、第1下吸引部54と第2下吸引部56との間に設けられ、カッター58が、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2を幅方向に同時に切断する。詳しい構成については次の項目で説明する。
【0062】
(8)切断装置46
重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを同時に切断する切断装置46について
図5と
図6を参照して説明する。
【0063】
(8-1)切断装置46の構造
切断装置46の構造を
図5と
図6を参照して説明する。第1下吸引部54と第2下吸引部56との間に
図5に示すように切断装置46のカッター支持部88が設けられ、このカッター支持部88からカッター58が立設されている。このカッター支持部88は、後から説明するシリンダ装置で移動する。
【0064】
カッター58は、
図6に示すように平行四辺形の板状であって、上ほどカッター58の進行側に傾斜している。また、カッター58は、第1下吸引部54と第2下吸引部56の上面から突出している。
【0065】
カッター支持部88は、第1下吸引部54と第2下吸引部56の間に設けられたロッドレスシリンダ48のシリンダ本体90の中のピストン190と共に水平に移動する。このときに旧ウエブW1と新ウエブW2の幅方向に沿ってカッター58が移動する。以下では説明を簡単にするために、
図6に示すようにロッドレスシリンダ48のピストン190に設けられたカッター支持部88は、旧ウエブW1と新ウエブW2の左から右に移動するものとする。
【0066】
図5に示すように、隔壁シート92が、カッター支持部88の上方であって、第1下吸引部54と第2下吸引部56の上端部より下方に、下ユニット14に水平に取り付けられている。隔壁シート92には、左右方向に沿って通過スリット94が設けられ、この通過スリット94をカッター58が移動する。隔壁シート92は、ゴム製のシートにより形成されている。
【0067】
図5に示すように、第1下吸引部54の側面と第2下吸引部56の側面と隔壁シート92とにより囲まれた空間を、以下では「下移動溝部96」と呼ぶ。また、カッター移動溝28と旧ウエブW1によって囲まれた筒状の空間を、以下では「切断空間98」と呼び、新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた筒状の空間を、以下では「切断空間99」と呼ぶ。
【0068】
図6に示すように、筒状の切断空間98,99の右側には、塵吸引部102が取り付けられている。塵吸引部102は略筒状であって、上塵吸引口104と下塵吸引口106とを有している。切断空間98,99の左側は開放されている。また、第1下吸引部54の側面と第2下吸引部56から右側に延びた区画板部97によって切断空間98,99が上下に区画されている。そして、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを切断するときには、塵吸引部102の上塵吸引口104から切断空間98の空気を吸引し、下塵吸引口106から切断空間99の空気を吸引しながら、カッター58が、
図5と
図6に示すように、カッター移動溝28と下移動溝部96によって囲まれた筒状の切断空間98,99を左から右に水平に移動する。
【0069】
(8-2)シリンダ装置の制御方法
次に、シリンダ装置のロッドレスシリンダ48を用いて、カッター58を高速で移動させる構造について
図29~
図31を参照して説明する。切断装置46のシリンダ装置は、ロッドレスシリンダ48、圧縮空気を送り込むコンプレッサなどのポンプ160、第1電磁弁170、第2電磁弁180を有している。
【0070】
図29~
図31に示すようにロッドレスシリンダ48のシリンダ本体90は、筒状であって、その内部をピストン190が移動自在に配されている。シリンダ本体90の一端部には第1シリンダ口191が設けられ、他端部には第2シリンダ口192が設けられている。また、シリンダ本体90の上面には長手方向、すなわち、ピストン190の移動方向に沿ってスリット193が設けられている。ピストン190には、スリット193の隙間を通ってカッター支持部88が設けられている。カッター支持部88には、スリット193を閉塞する上シールベルト194とその下方に配された下シールベルト195が設けられている。カッター支持部88内部には、上シールベルト194と下シールベルト195を分離するベルト分離部196が設けられている。上シールベルト194は、シリンダ本体90の上面に設けられたスリット193の一端部からカッター支持部88内部のベルト分離部196の上方を通り、スリット193の他端部に取り付けられている。また、下シールベルト195も、スリット193の一端部に固定され、カッター支持部88内部に設けられたベルト分離部196の下方を通り、スリット193の他端部に取り付けられている。上シールベルト194と下シールベルト195によって、スリット193が閉塞され、シリンダ本体90が閉塞空間となる。また、カッター支持部88は、ベルト分離部196の上方と下方に配置された上シールベルト194と下シールベルト195の間を縫って、スリット193に沿って移動する。以下の説明では、第1シリンダ口191とピストン190との間の閉塞空間を「第1閉塞空間197」と呼び、ピストン190と第2シリンダ口192までの閉塞空間を「第2閉塞空間198」と呼ぶ。
【0071】
図29~
図31に示すように第1電磁弁170は、五方弁の中の3個の口を用いており、第1接続口171は、ポンプ160に接続され、第2接続口172は、第1シリンダ口191に接続され、第3接続口173は、第2電磁弁180に接続されている。使用されていない接続口は閉塞されている。
【0072】
図29~
図31に示すように第2電磁弁180は、五方弁の中の3個の口を用いており、第1の接続口である第4接続口181は、第1電磁弁170の第3接続口173に接続され、第2の接続口である第5接続口182は、シリンダ本体90の第2シリンダ口192に接続され、第3の接続口である第6接続口183は、大気に開放されている。使用されていない接続口は閉塞されている。なお、第2電磁弁180の第1~第3の接続口を第4、第5、第6接続口181~183と記載するのは、第1電磁弁170の第1、第2,第3接続口170~173と明確に区別するためである。
【0073】
カッター58が高速で移動する方法について
図29~
図31を参照して説明する。まず、シリンダ本体90の第1シリンダ口191側がカッター58が移動を開始する開始位置であり、第2シリンダ口192側が切断を終了した終了位置である。第1電磁弁170、第2電磁弁180、ポンプ160は、後から説明する制御装置10によって制御されている。
【0074】
第1段階は、
図29に示すように、カッター支持部88が開始位置で待機している状態である。この状態においてポンプ160は動作し、第1電磁弁170は、第1接続口171と第3接続口173を接続し通路を形成している。他の接続口は閉塞する。第2電磁弁180は、第2シリンダ口192と開放されている第6接続口を接続し通路を形成している。この状態において、第1電磁弁170からの圧縮空気は第2電磁弁180の手前で停止している。なお、ポンプ160は圧縮空気を送っているが、圧縮空気の圧力が一定以上になると、その圧力を維持したまま運転を続ける。一方、第2閉塞空間198内部の圧縮空気は、第2シリンダ口192から第6接続口183を経て大気に排気される。そのため、第2閉塞空間198は大気圧と同じになる。第3段階で説明するが、カッター支持部88が終了位置から開始位置に戻るときにピストン190を復帰させるときに第2閉塞空間198に圧縮空気が送り込む。そのため、第2閉塞空間198内部は大気圧より高い圧力となっているが、上記したように第2閉塞空間198から圧縮空気が開放されるため、この第1段階で第2閉塞空間198内は大気圧となる。
【0075】
第2段階は、
図30に示すように、カッター58が開始位置から終了位置に高速で移動し、ウエブを切断する状態である。この状態において、ポンプ160は圧縮空気を送っており、第1電磁弁170は、第1接続口171と第2接続口172を接続して通路を形成している。他の接続口は閉塞する。このため、ポンプ160からの圧縮空気はシリンダ本体90の第1シリンダ口191に送り込まれる。一方、第2電磁弁180は、第1段階と同様に第5接続口182と第6接続口183を接続し通路を形成している。他の接続口は閉塞されている。この状態において、第1閉塞空間197には、圧縮空気が送り込まれ、第2閉塞空間198の空気は排気されるため、ピストン190は高速で開始位置から終了位置に移動して、旧ウエブW1と新ウエブW2を重ねた状態で同時に切断する。終了位置にピストン190が到達するときに、第2閉塞空間198からピストン190によって空気を排気しているため、第6接続口183の広さを調整することにより、排気される空気の流量を調整し、ピストン190が第2シリンダ口192側に衝突しないようにする。すなわち、この空気の排気流量を少なくすればするほど空気によるエアクッション性が高まり、少ないほどエアクッション性が低くなる。そのため、実験によってこのエアクッションがどの程度になるかを確認し、第2電磁弁180における第6接続口183の広さを設定する。
【0076】
第3段階は、
図31に示すように、終了位置にあるカッター支持部88が、開始位置に復帰させる状態である。この状態において、第1電磁弁170は、第1接続口171と第3接続口173を接続して通路を形成し、ポンプ160からの圧縮空気を第2電磁弁180に送る。他の接続口は閉塞する。第2電磁弁180は、第4接続口181と第5接続口182を接続する。他の接続口は閉塞する。これにより、ポンプ160からの圧縮空気が、第1電磁弁170を通じて第2電磁弁180に至り、第2シリンダ口192から第2閉塞空間198に送り込まれ、ピストン190が終了位置から開始位置に復帰する。このピストン190が開始位置に到達するときに、第1シリンダ口191は閉塞されているため、第1閉塞空間197内部にはある程度の圧縮空気が存在するため、これがエアクッションとなりピストン190は、第1シリンダ口191に衝突しない。
【0077】
以上により、カッター58は、切断するときに高速移動でき、また、第2シリンダ口192に衝突しない。
【0078】
(8-3)切断装置46の動作状態
切断装置46の動作状態について
図5と
図6を参照して説明する。まず、第1下吸引部54と第2下吸引部56によって旧ウエブW1を水平に吸引して固定し、その上に新ウエブW2を配し、巻き付けロール18によって旧ウエブW1と新ウエブW2とを重ねて挟んだ状態で固定する。このとき、旧ウエブW1と新ウエブW2の切断したい箇所は、カッター移動溝28と下移動溝部96によって囲まれた切断空間98,99内に位置している。
【0079】
次に、塵吸引部102の上塵吸引口104から切断空間98の空気を吸引し、下塵吸引口106から切断空間99の空気を吸引すると、
図6に示すように、空気が左から右に吸引される。これは、切断空間98,99の左が開放されているからである。
【0080】
次に、カッター支持部88がシリンダ本体90に沿って移動するとカッター58が隔壁シート92の通過スリット94を移動しつつ、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2とを幅方向に切断していく。切断によって発生した塵は、塵吸引部102が吸引して、旧ウエブW1や新ウエブW2の表面に付着しない。
【0081】
次に、カッター58が、重ねた旧ウエブW1と新ウエブW2の切断が終了すると、塵吸引部102の吸引を停止させる。
【0082】
これによって、切断装置46は、旧ウエブW1と新ウエブW2の表面に塵が付着することなく切断が終了し、接続装置1は、次の工程に移行できる。
【0083】
(9)下テープ貼り付けロール42
下テープ貼り付けロール42について
図1と
図2を参照して説明する。
図1と
図2に示すように、上本体16と下本体40の下流側であって、搬出ロール5の下方近傍には下テープ貼り付けロール42が設けられている。
【0084】
後縦枠材204から突出した突出部68に回転自在に左右一対の腕部70が設けられ、左右一対の腕部70の先端の間には、下テープ貼り付けロール42が回転自在に架設されている。腕部70は、突出部68に対し腕回転軸72を中心に回転するものであり、後縦枠材204の下部に設けられた下テープアクチュエータ74によって回転自在となっている。下テープアクチュエータ74は、シリンダを上下動させることにより、シリンダの先端と腕回転軸72とを結んでいる連結板75が移動し、これに伴って腕回転軸72が回転し、下テープ貼り付けロール42が巻出しロール5と接触したり、退避する。
【0085】
下テープ貼り付けロール42は、ウエブWの搬送方向に沿って回転する。
図26に示すように、下テープ貼り付けロール42の内部には下テープ吸引部50が形成され、下テープ吸引部50の外周には、下テープ吸引面53が形成されている。
【0086】
図26に示すように、下テープ吸引面53には、複数の小吸引孔453が開口している。下テープ吸引面53には、シリコンゴム製のゴム板よりなる下テープ弾性板454が両面接着テープで貼り付けられ、下テープ弾性板454には小吸引孔453の内径より大きく、かつ、小吸引孔453と対応する位置に大吸引孔455が開口している。
【0087】
(10)吸引装置100と負圧装置150の構造
次に、本実施形態の接続装置1の吸引装置100と負圧装置150の構造について
図25を参照して説明する。吸引装置100は、負圧ポンプ110、動力シリンダ112、第1逆止弁108、第2逆止弁116、6個の二方弁118-1~118-6、6個の負圧タンク114-1~114-6、1個の吸引二方弁120-1、6個の吸引三方弁120-2~120-6、6個の圧力計122-1~122-6、塵吸引部102、旧ウエブ吸引部26、上テープ吸引部32、下テープ吸引部50、第1下吸引部54、第2下吸引部56の6系統からなる。
【0088】
この中で負圧ポンプ110、動力シリンダ112,第1逆止弁108、第2逆止弁116、6個の二方弁118-1~118-6、6個の負圧タンク114-1~114-6によって負圧装置150が構成されている。
【0089】
負圧ポンプ110は、中空筒のケーシングシリンダ128内をピストン130が摺動し、ケーシングシリンダ128内はピストン130によって第1空間132と第2空間134とに区切られている。ピストン130は、動力シリンダ112によって摺動する。ケーシングシリンダ128の第1空間132には、主接続管123の一端が接続されている。
【0090】
主接続管123の他端は、2つに分岐し、一方には第1接続管124の一端が接続され、他方には第2逆止弁116の一端が接続されている。第1逆止弁108の他端は外部に開放され、第1逆止弁108における空気の流れは、主接続管123内部から外部への方向である。第2逆止弁116の他端は第1接続管124の一端に接続され、第1接続管124の他端は6個に分岐し、分岐した各他端と6個の二方弁118-1~118-6の一端がそれぞれ接続されている。第2逆止弁116における空気の流れは、二方弁118-1~118-6から負圧ポンプ110の方向である。二方弁118-1~118-6の他端には負圧タンク114-1~114-6がそれぞれ接続されている。
【0091】
第2接続管126-1~126-6が、第1~第6系統の吸引部と負圧タンク114-1~114-6とにそれぞれ接続されている。また、第2接続管126-1~126-6の間には、吸引二方弁120-1、吸引三方弁120-2~120-6と圧力計122-1~122-6がそれぞれ設けられている。各圧力計122は、各負圧タンク114内の圧力を測定する。なお、圧力計122-1~122-6は、この圧力測定と共に所定の設定圧で制御装置10に通知機能がある。吸引二方弁120-1は、負圧タンク114-1と塵吸引部102の間に接続されている。吸引三方弁120-2~120-6の入口は各負圧タンク114-2~114-6にそれぞれ接続され、吸引三方弁120-2~120-6の各第1出口は各吸引部26,32,50,54,56にそれぞれ接続され、各第2出口は外部にそれぞれ開放されている。
【0092】
(11)負圧装置150の動作状態
次に、負圧装置150が有する負圧ポンプ110によって負圧タンク114を設定負圧-P1にする動作状態について説明する。
【0093】
まず、初期状態において、吸引二方弁120-1を閉状態、吸引三方弁120-2~120-6の入口が閉状態、第1出口と第2出口が導通状態、二方弁118を開状態とする。負圧タンク114内は、大気圧とする。
【0094】
次に、動力シリンダ112が、負圧ポンプ110のピストン130を摺動させ、第1空間132を広げる。これによって、負圧ポンプ110が、負圧タンク114内の空気を第2逆止弁116と二方弁118を介して吸引する。負圧タンク114内が、大気圧からΔPだけ圧力が下がる。但し、第1逆止弁108からは空気の流れが逆方向のため空気は吸引されない。
【0095】
次に、動力シリンダ112が負圧ポンプ110のピストン130を摺動させ、第1空間132を最も狭くした状態にする。第1空間132内の空気は、第1逆止弁108から外部に放出される。但し、負圧タンク114には、第2逆止弁116の空気の流れは逆方向のため、負圧タンク114に空気は送られない。
【0096】
次に、動力シリンダ112が、ピストン130を再び摺動させ、第1空間132を広げる。これによって、負圧ポンプ110が、負圧タンク114内の空気を第2逆止弁116と二方弁118を介して吸引する。これにより負圧タンク114内が、前回の負圧値からさらにΔPだけ圧力が下がる。
【0097】
次に、上記のような動作を複数回繰り返し、1回についてΔPだけ圧力を下げて負圧を高めていき、圧力計122が設定負圧-P1を測定すると、負圧ポンプ110と動力シリンダ112の動作を停止させ、二方弁118を閉状態とする。
【0098】
以上の動作により、負圧タンク114内を設定負圧-P1に下げることができる。
【0099】
(12)吸引部の構造
6系統の各吸引部について
図26を参照して説明する。
【0100】
第1系統は、上記で説明した略筒状の塵吸引部102であり、塵吸引部102の吸引体は塵であり、吸引空間は筒状の切断空間98,99であり、上塵吸引口104が吸引面に相当し、下塵吸引口106が吸引面に相当し、第2接続管126-1が接続されている。上塵吸引口104は、旧ウエブW1とカッター移動溝28によって囲まれた上方の切断空間98から空気と共に塵を吸引し、下塵吸引口106は、新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた下方の切断空間99から空気と共に塵を吸引する。
【0101】
第2系統の巻き付けロール18の旧ウエブ吸引部26は、吸引空間25と旧ウエブ吸引面27とを有し、吸引体は旧ウエブW1である。旧ウエブ吸引面27は、巻き付けロール18の外周面の約1/4に形成されている。吸引空間25は、巻き付けロール18内に軸方向に沿って設けられ、旧ウエブ吸引面27に対応した大きさを有し、回転軸24に設けられた吸引口に通じ、この吸引口に第2接続管126-2が接続されている。旧ウエブ吸引面27には、複数の小吸引孔427が開口している。旧ウエブ吸引面27には、上弾性板428が両面接着テープで貼り付けられ、上弾性板428には小吸引孔427の内径より大きく、かつ、小吸引孔427と対応する位置に大吸引孔429が開口している。小吸引孔427の内径は、0.5~2.0mmであり、大吸引孔429の内径は、2.0~5.0mm、好適には4.0mmである。
【0102】
第3系統の上テープ貼り付け体20の上テープ吸引部32は、吸引空間324と上テープ吸引面35とを有し、吸引体は上テープ34である。上テープ吸引面35は上テープ34の長さに合わせて上テープ貼り付け体20の外周面に形成されている。吸引空間324は、上テープ吸引面35に対応した大きさを有し、上テープ貼り付け体20内に軸方向に沿って設けられ、回転軸308に設けられた吸引口に通じ、この吸引口には、第2接続管126-3が接続されている。上テープ吸引面35には、複数の小吸引孔435が開口している。上テープ吸引面35には、上テープ弾性板436が両面接着テープで貼り付けられ、上テープ弾性板436には小吸引孔435の内径より大きく、かつ、小吸引孔435と対応する位置に大吸引孔437が開口している。小吸引孔435の内径は、0.5~2.0mmであり、大吸引孔437の内径は、2.0~5.0mm、好適には4.0mmである。
【0103】
第4系統の下テープ貼り付けロール42の下テープ吸引部50は、吸引空間51と下テープ吸引面53とを有し、吸引体は下テープ52である。下テープ吸引面53は下テープ52の長さに合わせて下テープ貼り付けロール42の外周面に形成されている。吸引空間51は、吸引面53に対応した大きさを有し、下テープ貼り付けロール42内に軸方向に沿って設けられ、回転軸に設けられた吸引口に通じ、この吸引口には、第2接続管126-4が接続されている。
図26に示すように、下テープ吸引面53には、複数の小吸引孔453が開口している。下テープ吸引面53には、下テープ弾性板454が両面接着テープで貼り付けられ、下テープ弾性板454には小吸引孔453の内径より大きく、かつ、小吸引孔453と対応する位置に大吸引孔455が開口している。小吸引孔453の内径は、0.5~2.0mmであり、大吸引孔455の内径は、2.0~5.0mm、好適には4.0mmである。
【0104】
第5系統の第1下吸引部54は、吸引空間55と第1下吸引面57とを有し、吸引体は新ウエブW2である。第1下吸引面57は、第1下吸引部54の上面に形成されている。吸引空間55は、第1下吸引部54内に形成され、第2接続管126-5が接続されている。第1下吸引面57には、複数の小吸引孔457が開口している。第1下吸引面57には、第1下弾性板458が両面接着テープで貼り付けられ、第1下弾性板458には小吸引孔457の内径より大きく、かつ、小吸引孔457と対応する位置に大吸引孔459が開口している。小吸引孔457の内径は、0.5~2.0mmであり、大吸引孔459の内径は、2.0~5.0mm、好適には4.0mmである。
【0105】
第6系統の第2下吸引部56は、吸引空間59と第2下吸引面61とを有し、吸引体は新ウエブW2である。第2下吸引面61は、第2下吸引部56の上面に形成されている。吸引空間59は、第2下吸引部56内に形成され、第2接続管126-6が接続されている。第2下吸引面61には、複数の小吸引孔461が開口している。第2下吸引面61には、第2下弾性板462が両面接着テープで貼り付けられ、第2下弾性板462には小吸引孔461の内径より大きく、かつ、小吸引孔461と対応する位置に大吸引孔463が開口している。小吸引孔461の内径は、0.5~2.0mmであり、大吸引孔463の内径は、2.0~5.0mm、好適には4.0mmである。
【0106】
(13)吸引部の吸引方法
次に、6系統の中の1系統である第1下吸引部54が、新ウエブW2を吸引する方法について
図25と
図26を参照して説明する。
【0107】
初期状態において、負圧タンク114-5内は、上記したように設定負圧-P1に下げられている。吸引三方弁120-5は、入口が閉状態、第1出口と第2出口が導通状態である。そのため、第1下吸引部54内の吸引空間55は、複数の小吸引孔457と大吸引孔459が開口しているため大気圧である。
【0108】
そして、新ウエブW2によって第1下吸引部54の小吸引孔457と大吸引孔459が閉塞され、第1下吸引部54の吸引空間55が閉塞空間となる。
【0109】
次に、吸引三方弁120-5の入口と第1出口を導通状態にし、第2出口を閉状態にすると、負圧タンク114-5と第1下吸引部54の吸引空間55との間で負圧タンク114-5の内圧と第1下吸引部54の吸引空間55の内圧が平衡状態となる。すなわち、負圧タンク114の内圧は、設定負圧-P1から-P4に上がり、第1下吸引部54の吸引空間55の内圧が大気圧から-P4に下がる。このように第1下吸引部54の吸引空間55の内圧が-P4に下がると、新ウエブW2を吸引できる。この吸引のタイミングは、吸引三方弁120-5を操作することにより即時に対応できる。
【0110】
次に、新ウエブW2の吸引が終了するタイミングになると、吸引三方弁120-5の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態とすることにより、第1下吸引部54の吸引空間55の内圧が大気圧に上がり、吸引を終了させることができる。
【0111】
以上により、第1下吸引部54の吸引空間55を-P4に簡単に下げることができ、新ウエブW2を吸引できる。
【0112】
他の5系統の吸引部も同様に動作する。
【0113】
(14)接続装置1の電気的構造
次に、接続装置1の電気的構造について
図27のブロック図を参照して説明する。接続装置1には、コンピュータよりなる制御手段である制御装置10が設けられている。制御装置10は、旧ウエブW1と新ウエブW2の搬送開始、搬送速度での搬送、搬送停止を行う。
【0114】
制御装置10には、上ユニット12を水平に移動させる水平アクチュエータ38、下ユニット14の上下部材60を上下動させる上下アクチュエータ62、切断装置46、下テープアクチュエータ74が接続されている。また、制御装置10には、吸引装置100の動力シリンダ112、6個の二方弁118-1~118-6、1個の吸引二方弁120-1、5個の吸引三方弁120-2~120-6、6個の圧力計122-1~122-6が接続されている。
【0115】
(15)接続装置1の接続工程
次に、接続装置1が旧ウエブW1と新ウエブW2を接続する工程について順番に説明する。
(初期工程)
まず、接続作業を行う前の初期工程について説明する。
【0116】
下本体40は、上下アクチュエータ62によって初期高さにある。旧ウエブW1は、搬入ロール3から搬入され、上ユニット12の下方を通過して搬出ロール5まで所定の搬送速度で走行し、塗工装置などに搬送される。
【0117】
作業者は、新ウエブW2を初期高さにある搬入押圧ロール4の上面を経て下本体40の上を通過させ、新ウエブW2の先端を固定部材66によって上下部材60の後端部に取り付ける。このときに下本体40は、初期高さにあるため、上ユニット12との間が大きく広がり、作業者は、新ウエブW2を上ユニット12と下本体40との間に通し易い。
【0118】
作業者は、上テープ貼り付け体20の上テープ吸引面35に貼り付けられた上テープ弾性板436を挟んで、上テープ34の非接触面を吸引させる。
【0119】
作業者は、下テープ貼り付けロール42の下テープ吸引面53に貼り付けられた下テープ弾性板
454を挟んで、下テープ52の非接着面を吸引させる。
これら作業が終わると、
図2の下本体40を初期高さから、
図1の待機高さに上下アクチュエータ62によって上昇させる。
【0120】
これら作業が終わると、
図2の下本体40を初期高さから、
図1の待機高さに上下アクチュエータ62によって上昇させる。
【0121】
(第1工程)
第1工程において、
図1と
図11に示すように、制御装置10が、下ユニット14の上面から突出したカッター58の位置に、上ユニット12の巻き付けロール18のカッター移動溝28が位置するように、上本体16の位置を水平アクチュエータ38によって位置させる。以下、この位置を「初期位置」と呼ぶ。
【0122】
(第2工程)
第2工程において、
図12に示すように、制御装置10は、旧ウエブW1の搬送を停止させる。
【0123】
次に、制御装置10は、初期位置において上下アクチュエータ62によって上下部材60の下本体40を待機高さから作業高さに上昇させる。これによって、
図5に示すように旧ウエブW1と新ウエブW2が、巻き付けロール18、2個の補助ロール342、342と下吸引部44によって挟んで固定される。また、上昇した搬入押圧ロール4と搬入ロール3とによって旧ウエブW1と新ウエブW2を挟持する。
【0124】
同時に、下テープアクチュエータ74によって下テープ貼り付けロール42を上方に移動させ、旧ウエブW1と新ウエブW2を、搬出ロール5と下テープ貼り付けロール42とによって挟持する。
【0125】
これにより、上流の旧ウエブW1と新ウエブW2、下流から旧ウエブW1の張力変動を遮断し、接続装置1内のウエブ張力を安定化させる。
【0126】
(第3工程)
第3工程において、制御装置10は、
図12に示すように、下吸引部44の第1下吸引部54と第2下吸引部56の吸引を開始し、新ウエブW2の下面を、第1下弾性板458、第2下弾性板462を挟んで吸引する。また、これと同時に、制御装置10は、巻き付けロール18の旧ウエブ吸引部26の吸引を開始する。このときに、
図5に示すように、旧ウエブW1と新ウエブW2とは、重なった状態で巻き付けロール18、2個の補助ロール342、342によって挟んで固定されたままである。
【0127】
(第4工程)
第4工程において、
図5と
図6に示すように、塵吸引部102の上塵吸引口104と下塵吸引口106を切断空間98,99の右側に接続し、制御装置10は、吸引二方弁120-1を開状態にして、切断空間98,99の吸引を開始する。
【0128】
次に、巻き付けロール18のカッター移動溝28に、カッター58が位置しているので、
図13に示すように、制御装置10は、切断装置46のカッター58を旧ウエブW1と新ウエブW2の幅方向に沿って移動させ、旧ウエブW1と新ウエブW2の両方を重ねたまま同時に幅方向に切断する。但し、両方切断されても、旧ウエブW1と新ウエブW2は上記したように固定されている。
【0129】
これと同時に、
図5と
図6に示すように、制御装置10は、塵吸引部102の上塵吸引口104から、旧ウエブW1とカッター移動溝28によって囲まれた筒状の切断空間98(吸引空間)内の切断によって発生した塵を吸引する。
【0130】
また、下塵吸引口106から、新ウエブW2と下移動溝部96によって囲まれた筒状の切断空間99(吸引空間)内の切断によって発生した塵を吸引する。
【0131】
次に、制御装置10は、旧ウエブW1と新ウエブW2の切断が終了すると、塵吸引部102を停止させる。
【0132】
(第5工程)
第5工程において、
図14と
図15に示すように、制御装置10は、水平アクチュエータ38によって上本体16を初期位置から搬入側へ上レール36,36に沿って移動させる。
【0133】
上本体16が水平方向に移動すると、駆動ギア76がラック78の上で
図14と
図15において反時計回りの方向に回転して移動する。
【0134】
また、制御装置10は、巻き付けロール18の旧ウエブ吸引部26によって、切断された旧ウエブW1の前端部を吸引して回転しながら巻き付けていく。このときに、旧ウエブW1は、旧ウエブ吸引面27に貼り付けられた上弾性板428の部分で吸引される。
【0135】
(第6工程)
第6工程において、
図16と
図17に示すように、旧ウエブW1の前端部が旧ウエブ吸引部26に吸引され巻き付けられると、新ウエブW2の上面が露出する。新ウエブW2の前端部と、旧ウエブW1の後端部の接続位置を、後続の上テープ吸引部32が転がり、上テープ34が旧ウエブW1と新ウエブW2を跨ぐようにして接続する。すなわち、上テープ貼り付け体20の上テープ吸引部32に設けられている上テープ34の接着面が、切断された旧ウエブW1の後端部と新ウエブW2の前端部の上面に上から上テープ貼り付け体20によって押圧されて貼り付けられる。制御装置10は、上テープ34を貼り付けると、上テープ吸引部32の吸引を停止する。そして、制御装置10は、上本体16を引き続き移動させる。
【0136】
(第7工程)
第7工程において、
図18に示すように、上本体16が引き続き移動すると、巻き付けロール18は、旧ウエブW1の前端部の巻き付けを引き続き行い、上テープ貼り付け体20は上テープ34を貼り付けた後も反時計回りの方向に回転する。
【0137】
(第8工程)
第8工程において、
図19に示すように、制御装置10は、下吸引部44の第1下吸引部54と第2下吸引部56の吸引を停止する。
【0138】
次に、制御装置10は、初期位置において上下アクチュエータ62によって下本体16の上下部材60を下方に移動させ、待機高さに戻す。
【0139】
(第9工程)
第9工程において、
図20と
図21に示すように、旧ウエブW1に接続された新ウエブW2の搬送を再開する。すると、下テープ貼り付けロール42が、新ウエブW2の搬送と共に回転する。
【0140】
(第10工程)
第10工程において、
図22に示すように、旧ウエブW1と新ウエブW2の接続位置である上テープ34の位置が、下テープ貼り付けロール42と搬出ロール5の挟む位置にくると、回転している下テープ貼り付けロール42に吸引されている下テープ52が新ウエブW2の下面に貼り付けられ、
図23に示すように、旧ウエブW1と新ウエブW2の接続部分の両側がテープ34,52で固定される。
【0141】
(第11工程)
第11工程において、
図23に示すように下テープ52が新ウエブW2に貼られると、制御装置10は、下テープ貼り付けロール42の吸引を停止させ、また、上本体16を初期位置に復帰させる。そして、上ユニット12が初期位置に戻る。
【0142】
(12工程)
第12工程において、
図24に示すように、上ユニット12が初期位置に戻ると、制御装置10は、巻き付けロール18の旧ウエブ吸引部26による旧ウエブW1の吸引を停止させる。そして、切断されて不要となった旧ウエブW1を、不図示の巻出し装置の古い芯を逆回転させて巻取って、巻き付けロール18から取り除く。また、作業者は、下本体40から新ウエブW2の残りを取り除く。
【0143】
(16)負圧装置150と吸引装置100の吸引工程
次に、負圧装置150と吸引装置100の中で、第2下吸引部56が新ウエブW2を吸引する工程について、
図25の説明図と
図28のフローチャートを参照して説明する。
【0144】
ステップS1において、制御装置10は、吸引二方弁120-1、全ての吸引三方弁120-2~120-6の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態にする。
【0145】
ステップS2において、制御装置10は、全ての二方弁118-1~118-6を開状態にし、ステップS3に進む。
【0146】
ステップS3において、制御装置10は、動力シリンダ112により負圧ポンプ110のピストン130を摺動させて第1空間132を広げ、負圧タンク114-1~114-6内をΔP下げる。そしてステップS4に進む。
【0147】
ステップS4において、制御装置10は、負圧タンク114-1~114-6内が設定負圧-P1になったか否かを圧力計122-1~122-6で測定し、全ての負圧タンク114-1~114-6内が設定負圧-P1まで下がっていればステップS5に進み(yの場合)、設定負圧-P1まで下がっていなければステップS3に戻り、負圧ポンプ110によってΔPだけ再び下げる(nの場合)。なお、7系統の中で設定負圧-P1まで下がった負圧タンク114については、その負圧タンク114に繋がった二方弁118のみを閉状態にする。
【0148】
ステップS5において、負圧タンク114-1~114-6内が設定負圧-P1に全て下がっているため、制御装置10は、全ての二方弁118を閉状態にして、負圧ポンプ110を停止させる。そして、ステップS6に進む。
【0149】
ステップS6において、制御装置10は、全ての吸引部の吸引を待機状態とし、ステップS7に進む。
【0150】
ステップS7において、制御装置10は、上記の第3工程になると第2下吸引部56の吸引開始指示を行う。
【0151】
ステップS8において、制御装置10は、吸引三方弁120-6の入口と第1出口を導通状態、第2出口を閉状態にする。すると第2下吸引部56の吸引空間59の内圧が下がって平衡状態になりステップS11に進む。負圧タンク114の容積をV1、設定圧力を-P1、第2下吸引部56の吸引空間59の容積をV2、吸引圧力を-P2とすると、V1:V2=|-P1|:|-P2|となる。なお、吸引圧力-P2とは、吸引三方弁120-6を導通して第2下吸引部56と負圧タンク114-6の内圧が平衡状態となったときの圧力である。但し、流動抵抗要因は除いている
ステップS9において、第2下吸引部56の吸引空間59の内圧が-P2に下がっているので新ウエブW2の吸引を実行でき、ステップS10に進む。
【0152】
ステップS10において、制御装置10は、上記の第8工程になると吸引の終了を指示し、ステップS11に進む。
【0153】
ステップS11において、制御装置10は、吸引三方弁120-6の入口を閉状態、第1出口と第2出口を導通状態にする。これにより、第2下吸引部56の吸引空間59の内圧が大気圧に上がり、ステップS12に進む。
【0154】
ステップS12において、第2下吸引部56の吸引空間59の内圧が大気圧になったため、新ウエブW2の吸引が終了し、ステップS2に戻る。
【0155】
なお、第2下吸引部56以外の系統の吸引部についても、それぞれの吸引開始タイミングと吸引終了タイミングでステップS6~S12の動作をそれぞれ並行に行う。
【0156】
(17)発明の効果
本実施形態によれば、ロッドレスシリンダ48に、第1電磁弁170、第2電磁弁180を設け、圧縮空気を送る状態を制御するため、カッター58が高速で移動し、旧ウエブW1と新ウエブW2を切断できる。また、このとき、カッター支持部88を移動させるピストン190が第2シリンダ口192側に衝突しない。カッター58が高速で移動できるのは、ピストン190が第1シリンダ口191から圧縮空気が送り込まれると共に、第2閉塞空間198は大気圧であるため、その差圧によって高速移動ができる。その上、第2シリンダ口192、第5接続口182、第6接続口183における空気の排気量が少ないため、空気が流れる際の抵抗が少なく、カッター58が高速でより移動できる。
【変更例】
【0157】
上記実施形態では、ロッドレスシリンダ48を用いてカッター58を移動させたが、これに代えてエアーシリンダを用いてカッター58を移動させてもよい。
【0158】
また、左右一対の水平アクチュエータ38についても、第1電磁弁170と第2電磁弁180を接続し、カッター58のロッドレスシリンダ48と同様の制御を行ってもよい。
【0159】
また、上記切断装置46は、接続装置1に設けたが、これ以外の巻取り装置のバットスプライス装置などに設けてもよい。
【0160】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0161】
1・・・接続装置、12・・・上ユニット、14・・・下ユニット、16・・・上本体、18・・・巻き付けロール、20・・・上テープ貼り付けロール、27・・・旧ウエブ吸引面、35・・・上テープ吸引面、40・・・下本体、46・・・切断装置、48・・・ロッドレスシリンダ、58・・・カッター、88・・・カッター支持部、90・・・シリンダ本体、160・・・ポンプ、170・・・第1電磁弁、180・・・第2電磁弁、190・・・ピストン