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特許7051339ブーム組立体及びブーム組立体を含む伸縮ブーム装置
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  • 特許-ブーム組立体及びブーム組立体を含む伸縮ブーム装置 図1
  • 特許-ブーム組立体及びブーム組立体を含む伸縮ブーム装置 図2
  • 特許-ブーム組立体及びブーム組立体を含む伸縮ブーム装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】ブーム組立体及びブーム組立体を含む伸縮ブーム装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/693 20060101AFI20220404BHJP
【FI】
B66C23/693 L
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017171686
(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公開番号】P2018039673
(43)【公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】1615361.1
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】591030617
【氏名又は名称】ジェイ. シー. バンフォード エクスカヴェイターズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】J.C. BAMFORD EXCAVATORS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、 アンドリュー マーク
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-092083(JP,A)
【文献】実開昭48-075371(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/693
B66C 23/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーム組立体であって、
長手方向を画定するブームと、
第1外面を有する第1端部と第2外面を有する第2端部とを有するピボットピンに回転可能に取り付けられたプーリーと、
前記第1外面を受け入れるための第1部分と、前記第2外面を受け入れるための第2部分と、第1調節ロッドを受け入れるための第1穴と第2調節ロッドを受け入れるための第2穴とを画定する横部材とを有するプーリーフレームであって、前記第1部分と前記第2部分は前記横部材に堅固に取り付けられるプーリーフレーム
を含み、
前記ブームは、前記第1調節ロッドを受け入れるための第1受け入れ部と、前記第2調節ロッドを受け入れるための第2受け入れ部とを含み、
前記ブーム組立体は、前記第1調節ロッドと前記第2調節ロッドの調節によって前記プーリーが前記長手方向に移動するように構成されている、ブーム組立体。
【請求項2】
前記ブーム組立体は、前記第1調節ロッドと前記第2調節ロッドの調節によって、前記ブームの長手方向に沿って、前記横部材が移動し、ひいては前記第1部分と前記第2部分が移動し、ひいては前記ピボットピンが移動し、ひいては前記プーリーが移動するように構成されている、請求項1に記載のブーム組立体。
【請求項3】
前記第1穴は第1ねじ穴であり且つ/又は前記第2穴は第2ねじ穴である、請求項1又は2に記載のブーム組立体。
【請求項4】
前記第1調節ロッドは第1ボルトであり且つ/又は前記第2調節ロッドは第2ボルトである、請求項1から3のいずれか一項に記載のブーム組立体。
【請求項5】
前記第1ボルトのねじ部が前記第1ねじ穴に螺合し、及び/又は前記第2ボルトのねじ部が前記第2ねじ穴に螺合している、請求項3に従属する請求項4に記載のブーム組立体。
【請求項6】
前記第1受け入れ部が第1滑り穴を画定し且つ/又は前記第2受け入れ部が第2滑り穴を画定している、請求項1から5のいずれか一項に記載のブーム組立体。
【請求項7】
前記第1滑り穴は、前記第1ボルトの第1ボルト頭部に隣接する部分を受け入れ、且つ/又は前記第2滑り穴は、前記第2ボルトの第2ボルト頭部に隣接する部分を受け入れる、請求項4に従属する請求項6に記載のブーム組立体。
【請求項8】
前記ピボットピンはピボット軸を画定し、前記第1穴と前記第2穴は前記ピボット軸の第1の側に配置され、前記第1受け入れ部と前記第2受け入れ部は前記第1の側の反対側にある前記ピボット軸の第2の側に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のブーム組立体。
【請求項9】
前記ピボットピンはピボット軸を画定し、前記第1穴と前記第2穴は前記ピボット軸の第1の側に配置され、前記第1受け入れ部と前記第2受け入れ部は前記ピボット軸の第1の側に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のブーム組立体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のブーム組立体を含む伸縮ブーム装置であって、
前記ブーム組立体は第2ブームを画定し、
前記伸縮ブーム装置は、
前記第2ブームに対して前記長手方向に移動可能な第1ブームと、
前記第2ブームに対して前記長手方向に移動可能な第3ブームと、
一端で前記第1ブームに固定され且つ他端で前記第3ブームに固定された可撓性引張部材であって、前記第1ブームに対する前記プーリーの移動が前記プーリーに対する第3ブームの移動を引き起こすように前記プーリーに係合し且つ前記プーリーに少なくとも部分的に巻き付く可撓性引張部材と
を含む、伸縮ブーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に伸縮ブームのチェーンを調節するためのプーリー組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
プーリーがピボットピンに回転可能に取り付けられてブーム伸長チェーンと係合している伸縮ブームが知られている。ピボットピンは端部を有し、端部はプーリーを越えて突出し、径方向にねじ山が切られ、調節ボルトのねじ部を受け入れる。伸縮ブームの第1、第2及び第3ブームの相対的な位置を再同期するべく摩耗後のチェーンを調節するために、ボルトが締められ、それによりプーリーピボットピンをブームに対して長手方向に引っ張り、結果としてプーリーを第1の定位置(非同期位置)から第2の定位置(同期位置)へとブームに対して長手方向に移動させる。
【0003】
しかしながら、ボルトがピボットピンのねじ穴にねじ込まれるので、ピンのねじ穴が使用中にねじ穴に加えられる荷重に耐えるほど十分に強いことを確実にするために、ピボットピンはボルトの直径よりも十分に大きい直径のものでなければならない。これにより比較的大きな直径のピンが必要とされ、その結果、比較的大きな直径のプーリーが必要とされる。プーリーの直径が大きくなるにつれて、機械オペレーターが見たときのブームの端部にある荷の視認性が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、荷のオペレーター視認性を大きく損なうことのないコンパクトなプーリーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明によれば、ブーム組立体であって、長手方向を画定するブームと、第1外面を有する第1端部と第2外面を有する第2端部とを有するピボットピンに回転可能に取り付けられたプーリーと、第1外面を受け入れるための第1部分と、第2外面を受け入れるための第2部分と、第1調節ロッドを受け入れるための第1穴と、第2調節ロッドを受け入れるための第2穴とを有するプーリーフレームとを含み、ブームは、第1調節ロッドを受け入れるための第1受け入れ部と、第2調節ロッドを受け入れるための第2受け入れ部とを含み、ブーム組立体は、第1調節ロッドと第2調節ロッドの調節によってプーリーが第1位置から第2位置に長手方向に移動するように構成され、第1位置はブーム組立体に対して定位置であり、第2位置はブーム組立体に対して定位置である、ブーム組立体が提供される。
【0006】
従って、調節ロッド(例えばボルト)はピボットピンに直接係合せず、それらはむしろプーリーフレームに係合する。ピボットピンに係合するのはプーリーフレームである。従って、プーリーフレームとピボットピンとの間の係合の設計は、調節ロッドとプーリーフレームとの間の係合の設計とは無関係であり、結果としてピボットピンのサイズは、調節ロッドのサイズとは無関係である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
ここで、添付の図面を参照して単なる例として本発明を説明する。
図1】本発明によるブーム組立体及びブーム装置を含む荷役機械の概略図である。
図2図1の一部の等角図である。
図3図2の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、テレハンドラーなどの荷役機械10の非常に概略的な図を示す。荷役機械は、シャーシ12と地面係合輪14とを有する。シャーシ12には、第1ブーム17と、第2ブーム18と、第3ブーム19とを有する伸縮ブーム装置16が、旋回可能に取り付けられている。プーリー組立体20が第2ブームの端部に取り付けられ、それによってブーム組立体29が画定される。チェーン21(可撓性引張部材としても知られている)が、第1ブームの端部17aと第2ブームの端部19aに接続されている。チェーン21は、プーリー組立体20のプーリー22の上を走る。
【0009】
第1ブーム、第2ブーム及び第3ブームは、当該技術分野で知られている方法で互いに対してスライドすることができる。油圧ラム24は、第1ブームに取り付けられた一端と、第2ブームに取り付けられた一端とを有する。
【0010】
油圧ラム24の伸長により、第2ブームが第1ブーム17に対して伸びる。チェーン21が第1ブーム及び第3ブームに接続され且つ第2ブームに取り付けられたプーリー22の上を走る(又はプーリー22に少なくとも部分的に巻き付く)ので、第2ブーム18が第1ブーム17に対して伸びると、第3ブームを第2ブームに対して動かすように動作するチェーン及びプーリーによって、第3ブーム19は第2ブーム18に対して伸びる。従って、伸縮ブーム16を適切な方法で伸縮させることによって任意の荷Lを操作することができる。
【0011】
図2及び図3に示すように、プーリー22がより詳細に示されている。プーリー22は、ピボットピン26に回転可能に取り付けられている。ピボットピンは、第1端部30Aと第2端部30Bとを有する。端部30Aは外面32Aを有し、端部30Bは外面32Bを有する。この例では、外面32A及び32Bは円筒形である。
【0012】
プーリーフレーム40は、クロスメンバー(又は横部材)42と、第1ピン支持体44Aと、第2ピン支持体44Bとを含む。ピン支持体44Aは、外面32Aを受け入れるための円形の穴45Aを含む。ピン支持体44Bは、外面32Bを受け入れるための円形の穴45Bを含む。ピン支持体44A及び44Bは、例えば溶接等によってクロスメンバー42に堅固に取り付けられている。補強ウェブ46A及び46Bが、ピン支持体とクロスメンバーとの間の接続を強化する。プーリーフレーム40は、第1ねじ穴41Aと第2ねじ穴41Bとを含む。
【0013】
第2ブーム18は、第1サイドプレート50Aと第2サイドプレート50Bとを含む。クロスメンバー52は、例えば溶接によって、サイドプレート50A及び50Bに堅固に取り付けられている。U字形ガセット53も第1及び第2サイドプレート及びクロスメンバーに取り付けられ、それらの間の接続を強化する。クロスメンバー52は、第1穴54Aと第2穴54Bとを有する。この場合、穴54A及び54Bは滑り穴である。
【0014】
プーリー組立体20は、ボルト60Aの形態の第1調節ロッドと、ボルト60Bの形態の第2調節ロッドとを更に含む。
【0015】
ボルト60Aは、ねじ部61Aとボルト頭部62Aとを含む。ボルト60Bは、ねじ部61Bとボルト頭部62Bとを含む。
【0016】
図3からわかるように、ボルト頭部62Aに隣接するボルト60Aの一部が穴54Aに配置されている。ボルト60Aのねじ部61Aは、ねじ穴41Aとねじ係合している。
【0017】
ボルト60Bは、穴54Bとねじ穴41Bに対して同様に配置されている。
【0018】
プーリー組立体の動作は以下の通りである。
【0019】
使用中に、チェーン21が伸びる。チェーンが伸びると、特定の伸長位置における第1ブーム、第2ブーム及び第3ブームの相対的な位置が変化する(すなわち、第1、第2及び第3ブームの相対的な位置はもはや同期されない)。例えば、調節の不十分な伸びたチェーンの場合、第2ブーム18が第1ブーム17に対して完全に伸ばされたとき、第3ブーム19は第2ブーム18に対して完全には伸ばされていない。その結果、伸縮ブーム16のリーチは、適切に調節されたチェーンの場合よりも短くなる。
【0020】
このようなチェーンの伸びを補償するために、プーリー組立体20は、プーリーを第2ブーム18に対して矢印Aの方向に移動させる。従って、ボルト60A及び60Bを等しい量だけ締めることにより、クロスメンバー42、ひいてはピン支持体44A及び44B、ひいてはピン26、ひいてはプーリー22が矢印Aの方向に引っ張られる。
【0021】
クロスメンバー42が矢印Aの方向に引っ張られると、補強ウェブ46A及び46BはU字形ガセット53のアーム53A及び53Bに沿ってスライドし、それにより第2ブーム18のサイドプレート50A及び50Bに対して(図2を見たときに)クロスメンバー42及びプーリー組立体20が持ち上がるのが防止される。
【0022】
理解されるように、ピボットが調節の不十分な位置にある場合、ピボットは第2ブームに対して定位置にある。同様にピボットが調節された位置にある場合、プーリーは第2ブームに対して定位置にある。
【0023】
チェーンが適切に調節されると、ボルト頭部はその後のゆるみを防ぐために適切な位置にロックされることができる。
【0024】
ピボットピン26はピボット軸27を画定し、ピボット軸27の一方の側に穴54A及び54Bが配置され、ピボット軸27の反対側に穴41A及び41Bが配置されていることが理解されよう。
【0025】
更なる実施形態では、穴54及び穴41はピボットピン軸27の同じ側に配置されることができる。
【0026】
図3に示すように、穴54A及び54Bは非ねじ穴であり、穴41A及び41Bはねじ穴である。更なる実施形態では、穴54A及び54Bはねじ山が切られ、穴41A及び41Bはねじ山が切られていないことができる。
【0027】
図3に示すように、調節ロッド60A及び60Bはボルトの形態であるが、代替的な実施形態では、別のタイプの調節ロッドを使用することができ、例えば別のタイプのねじ付き締結具を使用することができる。
図1
図2
図3