(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】タイヤ分析機械での使用のためのテストホイール
(51)【国際特許分類】
G01M 17/02 20060101AFI20220404BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20220404BHJP
B60C 19/00 20060101ALN20220404BHJP
【FI】
G01M17/02
G01B11/02 Z
B60C19/00 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017179403
(22)【出願日】2017-09-19
【審査請求日】2020-02-10
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597000191
【氏名又は名称】アクロン・スペシャル・マシナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKRON SPECIAL MACHINERY INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】2740 Cory Avenue,Akron,Ohio ,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】トロイ、エル.アネンソン
(72)【発明者】
【氏名】バイロン、アール.スタノスツェク
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル、ピー.ファースト
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ディー.ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、シー.ヘインズ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン、イー.ヒルマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン、ピー.バヒラ
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-145183(JP,A)
【文献】国際公開第2014/167784(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3055112(JP,U)
【文献】米国特許第06931911(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/00 - 17/04
G01B 11/00
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析機械において使用されるテストホイールであって、
前記分析機械において受け止められるように適合されるハブと、
前記ハブから延在するテストリングと、を備え、
前記テストリングは、前記分析機械によって保持されるデバイスによる
トレッド面及び少なくとも1つの側壁面の測定のための、既知のトレッド寸法構成をもたらすトレッド面
であって、インサート部半径方向寸法を有するトレッドインサート部を受け止めて固定するトレッドポケットを有するトレッド面と、既知の側壁寸法構成をもたらす少なくとも1つの側壁面
であって、インサート部横寸法を有する側壁インサート部を受け止めて固定する側壁ポケットを有する少なくとも1つの側壁面とを有する、テストホイール。
【請求項2】
前記トレッド面は、少なくとも2つのサブセクションを有し、各サブセクションは既知の半径方向寸法を有する、請求項1に記載のテストホイール。
【請求項3】
前記サブセクションのうちの少なくとも1つが第1の既知の半径方向寸法を有し、前記サブセクションのうちの他の一つが、前記第1の既知の半径方向寸法とは異なる第2の既知の半径方向寸法を有する、請求項2に記載のテストホイール。
【請求項4】
前記トレッドインサート部は、前記トレッドインサート部から前記トレッドポケット内の穴まで延びる留め具によって、前記トレッドポケットに対して固定され、前記側壁インサート部は、前記側壁インサート部から前記側壁ポケット内の穴まで延びる留め具によって、前記側壁ポケットに対して固定される、請求項
1に記載のテストホイール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの側壁面は、第1の既知の横寸法及び第2の既知の横寸法を有し、前記第1の既知の横寸法及び第2の既知の横寸法は異なる、請求項1に記載のテストホイール。
【請求項6】
前記トレッドインサート部及び前記側壁インサート部は、各々、主面を有するそれぞれの本体を含み、前記トレッドインサート部及び前記側壁インサート部は、各々、膨出部又は窪み部を含み、前記膨出部又は前記窪み部からそれぞれの前記本体の前記主面まで滑らかな定められた連続部がある、請求項
1に記載のテストホイール。
【請求項7】
前記テストリングは、
前記ハブから延在する少なくとも1つのスポークと、
前記スポークから延在するとともに前記ハブの周りに半径方向に配置される前記トレッド面と、
前記トレッド面から実質的に垂直に延在する前記少なくとも1つの側壁面と、を含む、請求項1に記載のテストホイール。
【請求項8】
前記トレッド面は少なくとも2つのサブセクションを有し、各サブセクションは異なる既知の半径方向寸法を有し、前記少なくとも1つの側壁面は既知の横寸法を有する、請求項7に記載のテストホイール。
【請求項9】
前記サブセクションのうちの少なくとも1つが第1の既知の半径方向寸法を有し、前記サブセクションのうちの他の1つが、前記既知の半径方向寸法とは異なる第2の既知の半径方向寸法を有し、前記少なくとも1つの側壁面は、第1の既知の横寸法及び第2の既知の横寸法を有し、前記第1の既知の横寸法及び前記第2の既知の横寸法は異なる、請求項8に記載のテストホイール。
【請求項10】
テストホイールを使って測定センサの作動を確認する分析機械であって、
分析機械と、
前記分析機械に関連づけられた第1のレーザー測定デバイス及び第2のレーザー測定デバイスであって、前記分析機械において受け止められるタイヤの寸法特性を測定する第1のレーザー測定デバイス及び第2のレーザー測定デバイスと、
前記分析機械において受け止め可能であり且つ前記分析機械によって回転可能であるテストホイールであって、前記分析機械によって係合可能なハブと、前記第1のレーザー測定デバイス及び前記第2のレーザー測定デバイスの精度を確認するように、前記第1のレーザー測定デバイスによって検知される既知のトレッド寸法構成をもたらすトレッド面
であって、インサート部半径方向寸法を有するトレッドインサート部を受け止めて固定するトレッドポケットを有するトレッド面と、前記第2のレーザー測定デバイスによって検知される既知の側壁寸法構成をもたらす少なくとも1つの側壁面
であって、インサート部横寸法を有する側壁インサート部を受け止めて固定する側壁ポケットを有する少なくとも1つの側壁面とを含むテストリングと、有するテストホイールと、を備える分析機械。
【請求項11】
前記トレッド面は異なる複数のセクションを含み、各セクションは異なる既知の半径方向寸法を有
し、前記少なくとも1つの側壁面は既知の第1の横寸法を有し、前記少なくとも1つの側壁面の一部は前記既知の第1の横寸法とは異なる既知の第2の横寸法を有する、請求項10に記載の分析機械。
【請求項12】
前記トレッド面は異なる複数のサブセクションを含み、当該複数のサブセクションにおいて第1のサブセクションが第1の既知の半径方向寸法を有し、前記サブセクションのうちの他の1つが、前記第1の既知の半径方向寸法とは異なる第2の既知の半径方向寸法を有する、請求項11に記載の分析機械。
【請求項13】
前記トレッドインサート部は、前記トレッドインサート部から前記トレッドポケット内の穴まで延びる留め具によって、前記トレッドポケットに対して固定され、前記側壁インサート部は、前記側壁インサート部から前記側壁ポケット内の穴まで延びる留め具によって、前記側壁ポケットに対して固定される、請求項10に記載の分析機械。
【請求項14】
前記テストホイールは、
前記ハブから延在する少なくとも1つのスポークと、
前記少なくとも1つのスポークから延在する前記テストリングと、を含
み、
前記テストリングは、
前記スポークから延び且つ前記ハブの周りにおいて半径方向に配置される前記トレッド面と、
前記トレッド面から実質的に垂直に延びる前記少なくとも1つの側壁面と、を更に含む、請求項10に記載の分析機械。
【請求項15】
前記トレッドインサート部及び前記側壁インサート部は、各々、主面を有するそれぞれの本体を含み、前記トレッドインサート部及び前記側壁インサート部は、各々、膨出部又は窪み部を含み、前記膨出部又は前記窪み部からそれぞれの前記本体の前記主面まで滑らかな定められた連続部がある、請求項
10に記載の分析機械。
【請求項16】
前記第1のレーザー測定デバイス及び前記第2のレーザー測定デバイスに接続される制御部及びコンピュータのうちの少なくとも一方を更に含み、前記制御部及び前記コンピュータのうちの前記少なくとも一方は、前記第1のレーザー測定デバイス及び前記第2のレーザー測定デバイスの正当性を確認するように、前記テストホイールの測定された寸法特性を予想された測定値と照合する、請求項10に記載の分析機械。
【請求項17】
前記制御部及び前記コンピュータのうちの少なくとも一方は、予想された測定エリアにおいて測定情報が検知されない場合に、機械作動者によって解釈される診断情報をもたらす、請求項16に記載の分析機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、タイヤ分析機械に関する。特に、本発明は、タイヤの均一性、構造及び/又はバランスを確認する機械などのタイヤ分析機械に関し、それらの機械はそれぞれ少なくとも1つの測定デバイスを採用する。詳細には、本発明は、タイヤ分析機械で使用されるテストホイールであって、レーザー装置などの機械によって使用されるタイヤ測定デバイスが適切に調整されて機能することを保証するためのテストホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ分析機械において、タイヤは、品質管理基準の範囲内で性能を発揮するようにタイヤが構成されていることを保証するために、様々な速度で回転されることでテストされる。このテストプロセスの間、タイヤは回転し、分析機械はタイヤの全体性、形状及び表面品質を非常に高度な精度で検査する。時々、検査の間、分析機械はタイヤにおける異常を検知する。これらの異常は、典型的には、様々な寸法変化を検知可能なレーザーセンサによって検知される。
【0003】
レーザー測定デバイスは、タイヤのトレッド及び側壁(sidewall)を測定するように、機械において戦略的に搭載される。機械が長時間にわたって使用されるにつれ、レーザー装置は、調整がずれる可能性があり、正確に測定を停止させ或いはシンプルに適切に機能を停止させる。過去において、レーザー装置の精度を検出するための自己診断技術が採用されていた。しかしながら、それらでは足りないことが分かった。1つの解決策は、既知サイズの小径電動式スチールホイールを機械に搭載することである。そのスチールホイールは、そのモータによって回転させられて、レーザー装置によって測定される。この構成は、機械の稼働停止時間が必要であり、タイヤのトレッドではなく、側壁を測定したレーザー装置をテストするように構成されるのみであった。他の解決策では、既知の寸法構成を有するテストリングが分析機械内に配置される。しかしながら、そのテストリングは、リムの据え付けの際に、機械のチャックアセンブリの範囲内で受け取られない。代わりに、その分析機械は、テストリングに係合するようにその上方リム及び下方リムが取り除かれることを必要とする。そのようなものとしては、テストが必要とされる度に機械のリムは変えられる必要があり、望ましくない機械の稼働停止がもたらされる。
【0004】
現在、測定デバイスにおけるトレッド及び側壁の測定の精度を確認する従来技術デバイスは知られていない。特に、レーザー測定デバイス及びそのソフトウエアアルゴリズムの精度をチェックするように複数の既知のタイヤ構造測定(すなわちブレ、膨張及び/又は陥没、ぐらつき等)を提供する既知のテストホイールや、機械を分解する必要なく或いは機械の稼働停止時間を増大させる必要なく分析機械において受け止められるテストホイールを提供する既知のテストホイールはない。したがって、当該技術分野において、レーザー測定デバイスの作動精度を確認するための及び最小の稼働停止時間によってそれを行うための既知の寸法特徴を提供するテストホイールが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述に照らし、本発明の第1の態様は、タイヤ分析機械での使用のためのテストホイールを提供することである。
【0006】
本発明の他の態様は、分析機械において使用されるテストホイールを提供することであり、そのテストホイールは、分析機械において受け止められるように適合されるハブと、ハブから延在するテストリングとを備え、テストリングは、分析機械によって保持されるデバイスによる測定のための既知の寸法構成を提供するテスト面を有する。
【0007】
本発明の更なる他の態様は、測定センサの作動を確認するようにテストホイールを使用する分析機械を提供することであり、その分析機械には、分析機械と、その分析機械に関連づけられた少なくとも1つのレーザー測定デバイスと、分析機械において受け止め可能であり且つ分析機械によって回転可能であるテストホイールと、が含まれ、その少なくとも1つのレーザー測定デバイスは、分析機械に受け止められるタイヤの寸法特徴を測定し、そのテストホイールは、少なくとも1つのレーザー測定デバイスの精度を確かめるように少なくとも1つのレーザー測定デバイスによって検知される既知の寸法構成を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、以下の明細書、添付の特許請求の範囲及び添付の図面に関連して、より良く理解されるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の概念に基づくテストホイールを有するタイヤ分析機械の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の概念に基づくテストホイールの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の概念に基づくテストホイールの断面における正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の概念に基づくテストホイールの平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の概念に基づくテストホイールのトレッド及び側壁の面の詳細図である。
【
図6】
図6は、本発明の概念に基づくテストホイールとともに使用される膨出部を有する側壁インサート部の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の概念に基づく
図6に示される側壁インサート部の正面図である。
【
図8】
図8は、本発明の概念に基づくテストホイールとともに使用される窪み部を有する側壁インサート部の斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の概念に基づく
図8に示される側壁インサート部の正面図である。
【
図10】
図10は、本発明の概念に基づくテストホイールとともに使用される膨出部及び/又は窪み部を有するトレッドインサート部の斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の概念に基づく
図10に示されるトレッドインサート部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで図面、特に
図1及び
図2に言及すると、概して符合10によって示されるテストホイールが、概して符合11によって示される分析機械において受け止め可能であることが分かる。その機械は複数のサイドフレーム部材12を含み、その複数のサイドフレーム部材12は、水平底フレーム部材14及び水平トップフレーム部材16によってそれぞれの端部で接続されうる。サイドフレーム部材12及び水平フレーム部材14及び16は、ボックス状の構造を形成し、その構造の範囲内において、タイヤが、最近製造されたかもしれないタイヤが、受け止められ、テストされ、放出される。コンベア18は複数のローラーとともに構成され、その複数のローラーはそれらの間において複数の開口を有し、その上にタイヤ又はテストホイール10が機械11に供給される。概して図示される機械は、タイヤ均一性機械を表す。しかしながら、当業者は、タイヤ構造機械、タイヤ動つり合い機械(tire dynamic balance machine)等の他のタイヤ分析機械が、ここに記述されるようなテストホイールを採用しうることを認識するであろう。
【0010】
機械11は、製造されたタイヤ又はテストホイール10を受け止めて回転させるための装置を含む。特に、下方スピンドル及びチャックアセンブリ20と、上方スピンドル及びチャックアセンブリ22とは、それぞれ、コンベア18の下方及び上方に位置している。下方スピンドル及びチャックアセンブリと上方スピンドル及びチャックアセンブリとの両者は、脱着可能なリムを装備し、その脱着可能なリムは、テストされるタイヤのビード径に適合するのに必要とされる様々なサイズを持ちうる。本実施形態において、テストホイール11が機械に受け止められる際には、リムは有効である。この特徴は、テストホイールを使用する場合に、機械の稼働停止時間を低減する。
【0011】
下方スピンドル及びチャックアセンブリ20は、フレーム部材12、14により支えられて保持されており、タイヤの下側に係合するように配置され、それがコンベア18によって支持される。特に、下方スピンドル及びチャックアセンブリ20は水力学ユニット26を含み、その水力学ユニット26は、シリンダ32に含まれるピストン30を維持するシャフト28を提供する。通常作動の間の適切な時に、タイヤ又はテストホイールをテスト位置に動かすように、水力学ユニットは、コンベア18の開口を介し、タイヤ、及び、特にタイヤの下方ビード又はテストホイールの同様の構造的特徴に係合する。
【0012】
下方スピンドル及びチャックアセンブリ30に取り付けられたリム上でテストホイール又はタイヤのビードにおける対面側壁部に下方スピンドル及びチャックアセンブリが係合する場合に、上方スピンドル及びチャックアセンブリ22は、リム上のテストホイール又はタイヤの他方の側を受け止める。スピンドル及びチャックアセンブリ22は、スピンドルによって回転させられ、アセンブリ22は、スピンドルベアリング、リムアダプター及び他の関連の構成要素を含んでいてもよい。そのスピンドルは、モータと、スピンドルをモータに接続する相互接続ベルト駆動部と、によって駆動される。
【0013】
端的には、運転中に、下方スピンドル及びチャックアセンブリがタイヤの下方対向サイドに係合することができるように、タイヤはコンベア18に沿って運ばれて適切な位置で止められる。その後、下方リムアセンブリは、タイヤを、上方リムアセンブリとの係合部に移動し、そしてタイヤは膨らませられてその後テストプロセスを開始するように回転される。幾つかの例において、タイヤは、回転の間、負荷ホイール(load wheel)によって係合されてもよい。
【0014】
その機械11は、様々なサイド部材12、底フレーム部材14及び/又はトップフレーム部材16上において、任意の数のセンサを保持しうる。さらに当業者は、センサは機械11に近接して配置されてもよいこと、ただしその機械によって直接的には保持されなくてもよいことを、認識するであろう。すなわち、センサは、隣接する装置によって保持及び/又は支持されてもよい。いずれにしても、中央トレッドレーザーセンサ34Aは、部材12、14、及び16のうちのいずれか1つによって保持されてもよい。さらに、センサ34Aは、テスト下のタイヤのトレッドと一列に整列する位置に及びその整列から外れる位置に配置可能とされうる。センサ34Aは、スポットレーザー(spot laser)またはラインレーザー(line laser)、或いは他の同等の測定タイプの装置としうる。いずれにしても、センサ34Aは、大文字Aによって概して示されている出力36Aを発生しうる。さらに、同様に作動されるトレッドレーザーセンサが採用されうる。トップトレッドレーザーセンサ34Bは、中央トレッドレーザーセンサ34Aの上方で保持及び配置されてもよく、大文字Bによって概して示される出力36Bを発生する。同様に、底トレッドレーザーセンサ34Cは、センサ34Aの下方で保持及び配置されてもよく、大文字Cによって示される出力36Cを発生する。同様に、上方側壁センサ38も、機械11によって、特にサイドフレーム部材12、底フレーム部材14及び/又はトップフレーム部材16のうちのいずれか一つ又は組み合わせによって、保持されてもよい。センサ38は、大文字Dで示される出力40を発生することできる。下方側壁センサ42も、機械11によって、特にサイドフレーム部材12、底フレーム部材14及び/又はトップフレーム部材16のうちのいずれか一つ又は組み合わせによって、保持されてもよい。センサ42は、大文字Eで概して示される出力44を発生することができる。説明が進むにつれて理解されるように、センサ34、38、及び42は、テスト下でタイヤ又はテストホイール10の寸法を測定する。特に、そのセンサは、観察されるタイヤ又はテストホイールの寸法特徴又は測定値を検知する。
【0015】
出力A~Eの全ては、少なくとも汎用コンピュータ48に接続可能な制御部46によって受信されてもよい。当業者によって認識されるように、制御部46及び/又はコンピュータ48は、テストホイール、テストにおけるタイヤの特性、又は関連づけられたセンサが正しく作動しているかを検出するように、出力信号A~Eのいずれか一つ又は全部を受信し、収集し、監視し、そしてさもなければ評価するのに、適切なハードウエア及び/又はソフトウエアアルゴリズムとともに構成されてもよい。すなわち、制御部46及び/又はコンピュータ48は、最適なタイミングでテストホイールの測定値と比較されるテストホイールの予想される測定値を、維持又は保存する。理解されるように、予想される測定値は、既知の寸法構成としても知られている。ソフトウエアアルゴリズムは、測定プロセスの照合として作動することができる。すなわち、コンピュータ又は制御部は、機械作動者によって解釈される診断情報をもたらす。例えば、予想される測定エリアにおいて測定情報(measurement readings)が検知されない場合、機械の作動者は、この状況が存在する理由を更に調査することが可能である。
【0016】
図2~5に言及すると、機械11において受け止められることが可能なテストホイール10が示されている。テストホイールはハブ52を含み、そのハブ52は、下方スピンドル及びチャックアセンブリ20と上方スピンドル及びチャックアセンブリ22とによって受け止められ且つ回転されるように適合される。ハブ52は、複数の穴56を有する取り付けプレート54を含み、その複数の穴56はそれを貫通して延在する。下方スピンドルアセンブリ20によって受け止められ且つ係合されるカラー58は、取り付けプレート54から下方に延在する。ノーズコーン62は、カラー58とは反対の方向に、取り付けプレートから上方に延在する。ノーズコーン62は、上方スピンドルアセンブリ22によって受け止められ且つ係合されうる。
【0017】
テストリング66は、取り付けプレート穴を通じて延在する留め具と、テストリングの内径を定めるカラー58と、によって、取り付けプレート54に接続される。幾つかの実施形態において、ハブ52及びテストリング66は、溶接され、一体化され、或いはお互いに接続されてもよい。テストリング66は、取り付けプレート54から半径方向に延在する複数のスポーク68を含んでいてもよい。当業者であれば、単一のスポークを含む任意の数のスポークが採用されうるということを認識するであろう。
【0018】
符合70によって概して示されるテスト面は、スポークの外側半径方向エッジから延在する。テスト面70は、既知の寸法構成、形状又は構造を提供する。ここで使われるように、既知の寸法構成は、テストホイール10の寸法に言及する。任意の基準点がテストホイールの寸法を決めるのに使用されうるが、テストホイール10は軸71を含み、その軸71からの全ての半径方向寸法が検出されうる。同様に、テストホイール10は半径方向参照面72を含み、その半径方向参照面72は、取り付けプレート54の底面であってもよく、その半径方向参照面72からの全ての横寸法が検出されうる。センサ34、38及び/又は42による測定が行われる場合、横寸法及び半径方向寸法は、その半径方向参照面及び軸に基づいて検出されてもよい。測定された寸法が、既知の寸法構成又はコンピュータ52及び/又は制御部50によって保存されている予想される測定値と適合しない場合、センサのうちの少なくとも一つがズレているか所定の基準で作動していないということが知られる。
【0019】
テスト面70は、軸71から既知の半径方向寸法を有するトレッド面74を含みうる。当業者は、トレッド面74が異なる径セクションを有しうることを認識するであろう。特に、トレッド面74は、サブセクション76、サブセクション78及び/又はサブセクション80を含みうる。3つの異なるサブセクションが示されているが、トレッド面74は単一径であってもよいし、ここに説明されるように任意の数の径であってもよいことが認識されるであろう。サブセクション76、78及び80の各々は、異なるセクション同士を明確に区別するように、ギャップ82によって分離されてもよい。各ギャップ82は、所定の深さ及び幅を有していてもよい。幾つかの実施形態において、セクション76/78/80のいずれか一つ又は全部がサブセクションポケット88を有しうる。そしてサブセクションポケット88は、ポケット88内に受け止められて固定されるトレッドインサート部90を有していてもよい。以下において詳細に説明されるように、トレッドインサート部は、所定の又は予想される寸法値を有していてもよく、その寸法値は、適切なセンサによって検知されるはずのサブセクション径とは異なっていてもよい。
【0020】
図5において最も良く分かるように、サブセクションの各々は、トレッドセンサ34によって検知可能な軸71から測定された場合の外径であって、僅かに異なる外径を有していてもよい。すなわち各サブセクションは、既知の半径方向寸法を有し、それぞれの既知の半径方向寸法は、他とは異なっていてもよい。またギャップ82は、トレッドセンサによって検知可能であろう。
【0021】
側壁面94は、トレッド面74の少なくとも1つの横エッジから延在する。2つの側壁面94が示されているが、当業者は、1つの側壁面94のみが設けられていてもよいことを認識するであろう。側壁面94は、トレッド面74に対して実質的に垂直であり、ハブ52に向かう方向に延在していてもよい。その面94は、スポーク94に平行な実質的に平面の方向に延在し、半径方向参照面72から既知の横寸法を与える。側壁面94は、関連づけられた上方及び下方の側壁センサ38及び42に近接してこれらのセンサ38及び42によって測定可能なように、構成されて配置される。側壁面94の各々は、側壁ポケット96とともに設けられていてもよい。後述されるように、各側壁ポケット96は、符合100によって概して示されている側壁インサート部を受け止めてもよい。インサート部90及び100の両者は、測定センサによって検知可能であるはずの既知の寸法変化を与える。
【0022】
図6及び
図7に言及すると、側壁インサート部100Aが本体101Aを含むことが分かる。本体101Aは、所定の高さの膨出部102を含む。また、膨出部102は、本体の主面から膨出部の頂部まで定められた連続部と、膨出部から本体の主面に戻る所定の連続部とを有していてもよい。幾つかの実施形態において、本体101Aは、側壁面94の横寸法と適合してもよい。当業者は、いずれの連続部及び/又は膨出部の寸法も、予想される測定値の一部として予め定められており、必要に応じてセンサによって検知されるべきであることを認識するであろう。
【0023】
図8及び
図9に言及すると、インサート部100Bが、窪み部104とともに設けられうる本体101Bを含むことが分かる。膨出部と同様のやり方で、窪み部104は、本体における主面から最も低いポイントまで所定の連続部と、本体の主面に戻る更なる連続部とを与える。窪み部104の傾斜及び深さは、予め定められており、様々なセンサによって検知可能とすべきである。図示していないが、当業者は、インサート部100が膨出部、窪み部及び/又は関係する連続部のあらゆる組み合わせをあらゆる特定の順番で与えうること、及びその結果の寸法変化が予想された測定値の一部となることを、認識するであろう。各インサート部100は、複数の留め部108とともに設けられてもよく、その複数の留め部108は、インサート部をポケット96に対して固定するために使用される。
【0024】
図10及び
図11に言及すると、トレッドインサート部90も本体110を含み、
図11に示すように、膨出部112及び/又は窪み部114のいかなる組み合わせも設けられうることが分かる。側壁インサート部と同様に、膨出部112及び/又は窪み部114は、ある連続部又は傾斜部、及び膨出部の高さ又は窪み部の深さに関して予想された測定値の一部である所定の寸法とともに設けられてもよい。またトレッドインサート部90は、適切なサブセクションポケット88に対するトレッドインサート部90の接続のための留め部108とともに設けられてもよい。
【0025】
作動において、トレッドインサート部90及び/又は側壁インサート部100を有していてもよいし有していなくてもよいテストホイール10は、タイヤ分析機械において受け止められる。特に、その機械の近くに格納されうるテストホイールは、周期的にその機械に挿入され、その機械に関連づけられたセンサが適切に調整されて作動しているかを確認するとともにソフトウエアアルゴリズムが適切に機能しているかを確認する。テストホイールは、コンベア18上に置かれ、そして上方チャックアセンブリと下方チャックアセンブリとの間に配置される。チャックアセンブリの適切な作動によって、テストホイール10は、保持されて適切な速度で回転されることが可能であり、そしてテストホイール測定手順が開始されてもよい。この手順において、センサ34A-C、38及び/又は42は、作動されてそれらの対応の信号36A-C、40及び44を発生し、それらの対応の信号36A-C、40及び44が、制御部46及び/又はコンピュータ48によって受信される。テストホイールは、サブセクション、ギャップ及びインサート部を含むトレッド面及び側壁面から、センサによって検知される半径方向寸法測定及び横寸法測定を生じさせる。そして、センサが適切に且つそれらの認められた許容誤差の範囲内で作動していること及びソフトウエアアルゴリズムが適切に実行されていることを確認するように、センサによって検知された測定された値は、テストホイールに関連づけられた予想された測定値と比較される。制御部及び/又はコンピュータによって検出されるセンサが許容誤差の範囲内で測定値を検知しない場合又はソフトウエアアルゴリズムが不正確に実行されている場合、この情報が、適切な是正措置をとる必要のある作動者に警告される。その是正措置は、センサの置換、センサの再調整、ソフトウエアアルゴリズムの更新、或いは適切と考えられるあらゆるアクションとすることが可能である。テストが完了すると、チャックアセンブリはテストホイールから係合が解かれ、そして、機械がその通常のタイヤテスト手順に関して使用可能とされるように、テストホイールは格納位置に移動される。
【0026】
したがって、本発明の目的は、上述された構成及びその使用方法によって満たされることが分かる。特許法に基づいてベストモード及び好ましい実施形態のみが詳細に説明されている一方で、本発明はそれらに限定されず或いはそれらによって限定されないことが理解されるべきである。したがって、本発明の真の範囲及び幅の認識に関しては、特許請求の範囲が参照されるべきである。