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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】炭化水素の分離方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C07C 7/04 20060101AFI20220404BHJP
   C07C 9/04 20060101ALI20220404BHJP
   C07C 9/06 20060101ALI20220404BHJP
   C07C 9/08 20060101ALI20220404BHJP
   C07C 9/10 20060101ALI20220404BHJP
   F25J 3/02 20060101ALI20220404BHJP
   C10L 3/06 20060101ALN20220404BHJP
【FI】
C07C7/04
C07C9/04
C07C9/06
C07C9/08
C07C9/10
F25J3/02 B
C10L3/06
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2017211791
(22)【出願日】2017-11-01
(65)【公開番号】P2019085332
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】山森 康之
(72)【発明者】
【氏名】張 小雪
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06367286(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0011809(US,A1)
【文献】特表2009-538372(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104140349(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 7/00- 7/20
C07C 9/00- 9/22
C10L 3/06
F25J 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン及びエタンと、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素とを含む原料液化天然ガスを、メタン及びエタンが富化された液体画分と、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分とに分離する、炭化水素の分離方法であって、
(a)該原料液化天然ガスを熱交換器において加熱することにより、該原料液化天然ガスを部分的に蒸発させて、気液二相流を得る工程;
(b)該気液二相流の全部もしくは液相を第一の蒸留塔に供給し、第一の蒸留塔によって、供給した該気液二相流の全部もしくは液相を、メタンが富化された第一の塔頂ガスと、エタンおよび該炭素数3以上の炭化水素が富化された第一の塔底液とに分離する工程;
(c)第二の蒸留塔によって、該第一の塔底液を、エタンが富化された第二の塔頂ガスと、該炭素数3以上の炭化水素が富化された第二の塔底液とに分離する工程;
(d)該第二の塔頂ガスを冷却することによって、該第二の塔頂ガスの全部もしくは一部を凝縮させて凝縮液を得る工程;
(e)該凝縮液を二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つと、該第一の塔頂ガスとを混合し、該第一の塔頂ガスの凝縮温度より高い凝縮温度を有する流れを得る工程;
(f)該熱交換器において、該原料液化天然ガスとの熱交換によって、工程(e)から得られる該混合した流れを昇圧させることなしに全凝縮させて、液体流を得る工程;
(g)工程(f)から得られる液体流の全部もしくは一部を、該メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出す工程;
(h)工程(e)で該凝縮液を分岐した二以上の流れのうちの別の一つを、該第二の蒸留塔に還流液として供給する工程;ならびに、
(i)該第二の塔底液を、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分として払い出す工程
を含む、炭化水素の分離方法。
【請求項2】
工程(d)において、前記第二の塔頂ガスを過冷却する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(g)において、工程(f)から得られる液体流の一部を前記メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出し、かつ、
(j)工程(f)から得られる液体流の残部を、前記第一の蒸留塔に還流液として供給する工程を有する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
(k)工程(a)から得られる気液二相流を気液分離し、該気液分離から得られた液相を工程(b)で第一の蒸留塔に供給し、かつ、該気液分離から得られた気相を、前記第一の塔頂ガスに混合する工程
を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の蒸留塔内の流体が有する冷熱を用いて熱媒体を冷却し、該冷却された熱媒体を用いて前記工程(d)における冷却を行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の蒸留塔内の流体が有する冷熱を、前記第二の塔頂ガスに、直接熱交換によって与えることにより、前記工程(d)における冷却を行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
外部冷媒を使用して前記工程(d)における冷却を行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(a)で用いる前記熱交換器とは別の熱交換器を用いて、工程(b)より前に、工程(a)から得られる気液二相流を加熱する工程
を有する請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
メタン及びエタンと、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素とを含む原料液化天然ガスを、メタン及びエタンが富化された液体画分と、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分とに分離するための、炭化水素の分離装置であって、
該原料液化天然ガスを加熱することにより、該原料液化天然ガスを部分的に蒸発させて、気液二相流を得るよう構成された熱交換器;
該気液二相流の全部もしくは液相が供給される蒸留塔であって、供給された該気液二相流の全部もしくは液相を、メタンが富化された第一の塔頂ガスと、エタンおよび該炭素数3以上の炭化水素が富化された第一の塔底液とに分離するよう構成された第一の蒸留塔;該第一の塔底液を、エタンが富化された第二の塔頂ガスと、該炭素数3以上の炭化水素が富化された第二の塔底液とに分離するよう構成された第二の蒸留塔;
該第二の塔頂ガスを冷却することによって、該第二の塔頂ガスの全部もしくは一部を凝縮させて凝縮液を得るよう構成された凝縮器;ならびに
該凝縮液を二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つと、該第一の塔頂ガスとを混合した流れを得るラインを含み、
該熱交換器が、圧縮機を必要とせず該原料液化天然ガスとの熱交換によって、該混合した流れを全凝縮させて、液体流を得るよう構成されており、
さらに、
該熱交換器から得られる液体流の全部もしくは一部を、該メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出す第一の払い出しライン;
該凝縮液を分岐した二以上の流れのうちの別の一つを、該第二の蒸留塔に還流液として供給する還流ライン;ならびに、
該第二の塔底液を、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分として払い出す第二の払い出しライン
を含む、炭化水素の分離装置。
【請求項10】
記凝縮器が、前記第二の塔頂ガスを過冷却するよう構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第一の払い出しラインが、前記熱交換器から得られる液体流の一部を前記メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出すよう構成され、かつ、
前記熱交換器から得られる液体流の残部を、前記第一の蒸留塔に還流液として供給する還流ラインを有する、
請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記熱交換器から得られる気液二相流を気液分離するよう構成された気液分離器、該気液分離器から得られた液相を第一の蒸留塔に供給するライン、及び、該気液分離器から得られた気相を前記第一の塔頂ガスに混合するラインを有する、
請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の蒸留塔内の流体が有する冷熱を用いて熱媒体を冷却するよう構成された熱媒体冷却器を有し、かつ、
前記凝縮器が、該冷却された熱媒体を用いて前記第二の塔頂ガスを冷却するよう構成された、
請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記凝縮器が、前記第一の蒸留塔内の流体が有する冷熱を、前記第二の塔頂ガスに、直接熱交換によって与えるよう構成された、
請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記凝縮器が、外部冷媒を使用して前記第二の塔頂ガスを冷却するよう構成された、
請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記熱交換器の下流、かつ前記第一の蒸留塔の上流に、前記熱交換器から得られる気液二相流を加熱するよう構成された、前記熱交換器とは別の熱交換器を有する、
請求項9~15のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)から、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素(以下、「C3+ NGL」ということがある。NGL:Natural Gas Liquid)を分離するために用いられる、炭化水素の分離方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガスは産ガス国で液化、輸出され、消費国のLNG受入基地にてLNGタンクに受け入れ、貯蔵される。エンドユーザーにて燃料ガスとして利用する為、LNGはポンプにて昇圧後、気化して天然ガスパイプラインに送出される。LNGを構成する成分は大部分がメタンであるが、エタンも含まれ、さらにはプロパンを含めて炭素数3以上の炭化水素も含まれている。
【0003】
重質炭化水素が多く含まれると発熱量が高くなるため、消費地にて必要とされる天然ガスパイプライン規格に適合しないことがある。あるいは、重質炭化水素は石油化学プラントの原料となる為、都市ガスまたは火力発電所の燃料として利用するよりも市場において高い価値がある場合がある。従って、消費地で受け入れた原料LNGを天然ガスパイプラインに送り出す前に、原料LNGから重質炭化水素を分離、回収することが望ましい場合がある。そのため、原料LNGを分離して、C3+ NGLと、メタン及びエタンが富化されたLNG(以下、「製品LNG」ということがある)を得ることが行われている。
【0004】
原料LNGからC3+ NGLを分離する方法においては、蒸留塔が用いられる。製品LNGは蒸留塔の塔頂から得られる。この蒸留塔の塔頂ガスは、天然ガスパイプラインに送出するため、パイプライン圧力まで昇圧してからLNG受入基地に返す。この際、この蒸留塔の塔頂ガスについては、ガスの状態で圧縮機を用いて圧縮するよりも、圧縮機を使用せずに、液化した後にポンプなどを用いて昇圧したほうが、昇圧に要する消費エネルギーが小さい。
【0005】
圧縮機を使用せずに蒸留塔の塔頂ガスを全凝縮させることのできる、原料LNGからの炭化水素の分離プロセスが、特許文献1~3に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6,510,706号明細書
【文献】米国特許第2,952,984号明細書
【文献】米国特許第7,216,507号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国特許第6,510,706号明細書(特許文献1)に開示される原料LNGからの炭化水素分離方法では、原料LNGの一部を蒸留塔の還流液として使用している。そのため、十分なリフラックス効果を得ることが出来ず、プロパン回収率が相対的に低い。
【0008】
米国特許第2,952,984号明細書(特許文献2)では、蒸留塔の塔頂ガスを凝縮させたものを還流液として使用しているため、リフラックス効果は高く、高いプロパン回収率を得ることが出来る。しかしながら、蒸留塔を一塔しか用いていないため、蒸留塔の塔内ガス負荷が相対的に高く、従って蒸留塔の塔径が大きい。
【0009】
米国特許第7,216,507号明細書(特許文献3)では、蒸留塔を二塔用いている。そのため、第一塔の塔内ガス負荷を、蒸留塔として一塔のみ用いる場合よりも下げることができる。なお、本明細書において、二つの蒸留塔を用いる原料LNGからの炭化水素の分離プロセスにおいて、原料LNGの流れに関して上流側にある蒸留塔を「第一の蒸留塔」もしくは「第一塔」と呼ぶことがあり、原料LNGの流れに関して下流側にある蒸留塔を「第二の蒸留塔」もしくは「第二塔」と呼ぶことがある。
【0010】
しかし、特許文献3では、第一塔の操作圧力を高くすることによって、第一塔の塔頂ガスを全凝縮させている。第一塔は、原料LNGに含まれる主成分となるメタンを処理する為、分離装置の中では最も容積の大きい構成機器である。したがい、第一塔の操作圧力を低く抑えることが好ましい。操作圧力が低いと、分離効率が向上して塔内負荷が小さくなり、また、蒸留塔を構成する圧力容器の必要肉厚を薄くすることができる。
【0011】
したがって、原料LNGを、製品LNG(メタン及びエタンが富化された液体画分)と、C3+ NGL(少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素)が富化された液体画分とに分離する、改良された炭化水素の分離方法が望まれていた。
【0012】
本発明の目的は、原料LNGを、製品LNGとC3+ NGLが富化された液体画分とに分離する炭化水素の分離方法であって、以下のi~ivを同時に達成することのできる方法を提供することである。本発明の別の目的は、原料LNGを製品LNGと重質炭化水素が富化された液体画分とに分離するための炭化水素の分離装置であって、以下のi~ivを同時に達成することのできる装置を提供することである。
i)蒸留塔として二塔を使用することにより、第一塔の塔内ガス負荷の増大を防ぐことができること。
ii)圧縮機を必要とせずに、第一塔の塔頂ガスを全凝縮させることができること。
iii)少ない用役(外部から供給する熱)使用量で、プロパンの回収率を高くすることができること。
iv)第一塔の操作圧力を比較的低くすることができること。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
メタン及びエタンと、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素とを含む原料液化天然ガスを、メタン及びエタンが富化された液体画分と、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分とに分離する、炭化水素の分離方法であって、
(a)該原料液化天然ガスを熱交換器において加熱することにより、該原料液化天然ガスを部分的に蒸発させて、気液二相流を得る工程;
(b)該気液二相流の全部もしくは液相を第一の蒸留塔に供給し、第一の蒸留塔によって、供給した該気液二相流の全部もしくは液相を、メタンが富化された第一の塔頂ガスと、エタンおよび該炭素数3以上の炭化水素が富化された第一の塔底液とに分離する工程;
(c)第二の蒸留塔によって、該第一の塔底液を、エタンが富化された第二の塔頂ガスと、該炭素数3以上の炭化水素が富化された第二の塔底液とに分離する工程;
(d)該第二の塔頂ガスを冷却することによって、該第二の塔頂ガスの全部もしくは一部を凝縮させて凝縮液を得る工程;
(e)該凝縮液を二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つと、該第一の塔頂ガスとを混合した流れを得る工程;
(f)該熱交換器において、該原料液化天然ガスとの熱交換によって、工程(e)から得られる該混合した流れを全凝縮させて、液体流を得る工程;
(g)工程(f)から得られる液体流の全部もしくは一部を、該メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出す工程;
(h)工程(e)で該凝縮液を分岐した二以上の流れのうちの別の一つを、該第二の蒸留塔に還流液として供給する工程;ならびに、
(i)該第二の塔底液を、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分として払い出す工程
を含む、炭化水素の分離方法が提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、
メタン及びエタンと、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素とを含む原料液化天然ガスを、メタン及びエタンが富化された液体画分と、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分とに分離するための、炭化水素の分離装置であって、
該原料液化天然ガスを加熱することにより、該原料液化天然ガスを部分的に蒸発させて、気液二相流を得るよう構成された熱交換器;
該気液二相流の全部もしくは液相が供給される蒸留塔であって、供給された該気液二相流の全部もしくは液相を、メタンが富化された第一の塔頂ガスと、エタンおよび該炭素数3以上の炭化水素が富化された第一の塔底液とに分離するよう構成された第一の蒸留塔;
該第一の塔底液を、エタンが富化された第二の塔頂ガスと、該炭素数3以上の炭化水素が富化された第二の塔底液とに分離するよう構成された第二の蒸留塔;
該第二の塔頂ガスを冷却することによって、該第二の塔頂ガスの全部もしくは一部を凝縮させて凝縮液を得るよう構成された凝縮器;ならびに
該凝縮液を二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つと、該第一の塔頂ガスとを混合した流れを得るラインを含み、
該熱交換器が、該原料液化天然ガスとの熱交換によって、該混合した流れを全凝縮させて、液体流を得るよう構成されており、
さらに、
該熱交換器から得られる液体流の全部もしくは一部を、該メタン及びエタンが富化された液体画分として払い出す第一の払い出しライン;
該凝縮液を分岐した二以上の流れのうちの別の一つを、該第二の蒸留塔に還流液として供給する還流ライン;ならびに、
該第二の塔底液を、該炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分として払い出す第二の払い出しライン
を含む、炭化水素の分離装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、原料LNGを、製品LNGとC3+ NGLが富化された液体画分とに分離する炭化水素の分離方法であって、前述のi~ivを同時に達成することのできる方法が提供される。本発明の別の態様によれば、原料LNGを製品LNGと重質炭化水素が富化された液体画分とに分離するための炭化水素の分離装置であって、前述のi~ivを同時に達成することのできる装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】比較例1の炭化水素の分離方法を説明するためのプロセスフロー図である。
図2】比較例2の炭化水素の分離方法を説明するためのプロセスフロー図である。
図3】比較例3の炭化水素の分離方法を説明するためのプロセスフロー図である。
図4】本発明の炭化水素の分離方法の一形態を説明するためのプロセスフロー図である。
図5】本発明の炭化水素の分離方法の別の形態を説明するためのプロセスフロー図である。
図6】本発明の炭化水素の分離方法のさらに別の形態を説明するためのプロセスフロー図である。
図7】本発明の炭化水素の分離方法のさらに別の形態を説明するためのプロセスフロー図である。
図8】本発明の炭化水素の分離方法のさらに別の形態を説明するためのプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明によれば、蒸留塔を二塔用いる。そして、第二塔の塔頂ガスの凝縮液の一部を第一塔の塔頂ガスと混合させることによって、第一塔の塔頂ガスの凝縮温度を上げ、圧縮機で昇圧させることなしに、第一塔の操作圧力が低いまま、第一塔の塔頂ガスを全凝縮させることを可能としている。第一塔の操作圧力を低く保つことで、分離効率が良くなるため、第一塔の還流液の量を減らすことができ、第一塔のガス及び液負荷を相対的に低く抑えることも可能となる。蒸留塔(第一塔)にかける熱量負荷(リボイラー負荷)も下がるため、エネルギー消費量も既存技術に比べて低く出来る。さらに、第二塔の塔頂ガスの凝縮液の別の一部を、第二塔の還流液として用いることにより、高いプロパン回収率を得ることができる。
【0018】
以下図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。まず、図4を参照する。
【0019】
本発明は、メタン及びエタンと、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素とを含む原料液化天然ガス(原料LNG)21を分離する炭化水素の分離方法および分離装置に関するものである。本発明により、製品LNG25としてメタン及びエタンが富化された液体画分が得られ、また、塔底製品(以下、「製品LPG」ということがある)30として、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分を得ることができる。本発明の方法は、以下の工程(a)~(i)を含む。
【0020】
(a)原料LNG21を熱交換器2において加熱することにより、原料LNGを部分的に蒸発させて、気液二相流(ストリーム21b)を得る工程。
【0021】
工程(a)より前に、原料LNG21は必要に応じて第一塔3に供給できる圧力までポンプ1で昇圧される(ストリーム21a)。熱交換器2にて、昇圧された原料LNG21aの冷熱を回収するとともに、第一の塔頂ガス(詳しくは後述するストリーム23)を凝縮させることができる。原料LNG自身は、部分的に蒸発して気液二相流21bとなる。
【0022】
(b)気液二相流21bの全部もしくは液相を第一の蒸留塔3に供給し、第一の蒸留塔3によって、供給した流体(気液二相流21bの全部もしくは液相)を、メタンが富化された第一の塔頂ガス22と、エタンおよびC3+ NGLが富化された第一の塔底液26とに分離する工程。
【0023】
図4においては、気液二相流21bの全部を第一塔3に供給している。このために、熱交換器の気液二相流21bの出口を、第一塔3の入口に接続する。あるいは、気液二相流21bの液相を第一の蒸留塔3に供給することができる。この場合、気液二相流21bを気液分離器(図7におけるセパレーター16)で気液分離し、得られた液相(図7におけるストリーム32)のみを第一塔3に供給する。この場合、気液分離から得られた気相(図7におけるストリーム31)は、第一の塔頂ガス22に混合することができる(工程(k))。
【0024】
第一塔3では、メタンと、炭素数2以上の炭化水素(以下、「C2+ NGL」と呼ぶことがある。)を分離する。第一塔3では、塔頂から主にメタン(第一の塔頂ガス22)を、塔底から主にC2+ NGL(第一の塔底液26)を得る。第一の塔底液26は第二塔14に供給される。
【0025】
(c)第二の蒸留塔14によって、第一の塔底液26を、エタンが富化された第二の塔頂ガス27と、少なくともプロパンを含む炭素数3以上の炭化水素(C3+ NGL)が富化された第二の塔底液30とに分離する工程。
【0026】
換言すれば、第二塔14では、エタンと、「C3+ NGL」とを分離する。
【0027】
(d)第二の塔頂ガス27を冷却することによって、第二の塔頂ガス27の全部もしくは一部を凝縮させて凝縮液27bを得る工程。
【0028】
第二の塔頂ガス27を凝縮器(熱交換器)11において冷却することができる。冷却された第二の塔頂ガス27aは、必要に応じてドラム(第二塔還流ドラム)12に供給され、ドラム12から凝縮液27bが得られる。図4に示すプロセスでは、工程(d)において第二の塔頂ガス27を全凝縮させており、この場合ストリーム27aとストリーム27bは同じである。工程(d)において、第二の塔頂ガス27の一部のみを凝縮させる場合は、ドラム12からストリーム27aに含まれる気相を抜き出し(不図示)、液相を第二の塔頂ガスの凝縮液27bとして得ることができる。ストリーム27aの気相は、製品エタンとなりうる。
【0029】
図4に示すように、第二の塔頂ガス27すなわち第二塔の塔頂ガス(主成分:エタン)を、第一塔3内部の流体が有する冷熱を利用することで冷却することによって、凝縮させることが好ましい。ただしこの限りではなく、他の適宜の流体を用いてこの冷却を行うことも可能である。
【0030】
詳しくは、メタノール等の不凍液を熱媒体(詳しくは、中間熱媒体)として用い、第一塔内の流体が有する冷熱を用いて熱媒体冷却器において熱媒体を冷却し、この冷却された熱媒体を用いて工程(d)における第二の塔頂ガスの冷却を行うことができる。
【0031】
具体的には、第一塔3内の流体を抜き出して、熱媒体冷却器としてのサイドリボイラー5(熱交換器)において中間熱媒体41aを冷却し、抜き出した流体を第一塔3に戻す。冷却された中間熱媒体41bは、第二塔の塔頂凝縮器11に供給し、第二の塔頂ガス27を熱交換により冷却する。この冷却に使用した後の中間熱媒体41aは、サイドリボイラー5に循環させる。このために、次のラインを用いることができる。すなわち、第一塔3内の流体を抜き出して、サイドリボイラー5を経て、抜き出した流体を第一塔3に戻すライン;及び、中間熱媒体がサイドリボイラー5と第二塔の塔頂凝縮器11とを経由するよう形成された、循環ライン(閉ループを形成するライン)。
【0032】
あるいは、第一塔3内の流体が有する冷熱を、第二の塔頂ガス27に、直接(すなわち中間熱媒体を介さずに)熱交換によって与えることにより、工程(d)における冷却を行うことができる。このために、例えば、図4に示したプロセスを次のように変更することができる。すなわち、第一塔3内の流体を抜き出して凝縮器11に供給し、この流体と第二の塔頂ガス27とを熱交換させることにより第二の塔頂ガス27を冷却し、そして、この冷却に使用した流体を第一塔3内に戻す。このとき、熱媒体冷却器としてのサイドリボイラー5は使用しない。第二塔の頭頂凝縮器11が、第一塔のサイドリボイラーとして機能する。
【0033】
あるいは、第一塔3内の流体が有する冷熱を使用する替わりに、外部冷媒を使用して工程(d)における冷却を行ってもよい。外部冷媒は、本発明に係るプロセスに用役(ユーティリティ)として供給される冷媒である。外部冷媒として、例えば、エタン、エチレン、プロパン及びプロピレンからなる群から選ばれる一種、もしくは二種以上の混合物を使用することができる。この場合、プロセス外から凝縮器11に外部冷媒を供給し、凝縮器において外部冷媒と第二の塔頂ガス27とを熱交換させて工程(d)の冷却を行い、冷却後の外部冷媒をプロセス外に返送することができる。
【0034】
(e)第二の塔頂ガスの凝縮液27bを二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つ(ストリーム29)と、第一の塔頂ガス22とを混合した流れ23を得る工程。
【0035】
主にエタン液からなる凝縮液27bの一部を、第一の塔頂ガスに混合することは、第一の塔頂ガスの凝縮温度上昇に寄与する。
【0036】
凝縮液27bを分岐した二以上の流れのうちの別の一つ(ストリーム29以外の流れ)は、第二塔14に還流液28として供給する(工程(h))。例えば、凝縮液27bを二つの流れに分岐し、二つの流れのうちの一つを第一の塔頂ガス22と混合させるストリーム29として用いることができる。この場合、二つの流れのうちの他方を第二塔に還流液28として供給する。あるいは、凝縮液27bを三つの流れに分岐し、三つの流れのうちの一つをストリーム29として用い、別の一つを還流液28として用い、残りの一つを製品エタンとして、系外に取り出すことができる。図4に示すプロセスでは、凝縮液27bをポンプ(第二塔還流ポンプ)13で昇圧し、昇圧した凝縮液を二つの流れに分岐し、二つの流れのうちの一方をストリーム29として用い、他方を還流液28として第二塔14の塔頂に供給している。
【0037】
工程(e)を行うために、第二の塔頂ガスの凝縮液27bを二以上の流れに分岐し、分岐した流れのうちの一つ(ストリーム29)と第一の塔頂ガス22とを混合した流れ23を得るためのライン(以下、「分岐・混合ライン」ということがある)を用いることができる。分岐・混合ラインは、凝縮器11の凝縮液出口から、ストリーム29とストリーム22との合流点に至るライン(ドラム12、ポンプ13を含むことができる)を有する。さらに、分岐・混合ラインは、第一塔3の塔頂から当該合流点に至るラインを有する。
【0038】
分岐・混合ラインは、その途中に、特にはポンプ13の出口に、分岐を有する。この分岐点から第二塔の塔頂に至るライン(ストリーム28が流れるライン)が、工程(h)を行うための還流ライン、すなわち、凝縮液27bを分岐した二以上の流れのうちの別の一つ(ストリーム29以外の流れ)を、第二塔に還流液として供給するラインとして使用される。
【0039】
(f)熱交換器2において、原料LNG(必要に応じて昇圧されたストリーム21a)との熱交換によって、工程(e)から得られる混合した流れ23を全凝縮させて、液体流23aを得る工程。
【0040】
主にメタンからなる第一の塔頂ガス22に、主にエタンからなるストリーム29を添加しているので、混合流体23の凝縮温度は比較的高い。したがって、第一の塔頂ガス22(ストリーム29が添加されている)を、圧縮することなしに全凝縮させることが出来る。
【0041】
(g)工程(f)から得られる液体流23aの全部もしくは一部を、製品LNG(メタン及びエタンが富化された液体画分)として払い出す工程。
【0042】
全凝縮した液体流23aの全部を、製品LNGとして、LNG受入基地の気化器入口に液の状態で送液することができる。
【0043】
あるいは、液体流23aの一部を製品LNGとして払い出し、残部を第一塔(特にはその塔頂)に還流液24として供給することができる(工程(j))。図4では、液体流23aをドラム9に供給し、ドラム9から抜き出した液体流23bをポンプ(第一塔還流ポンプ)6によって昇圧した後に二つに分岐し、一方のストリームを第一塔に還流液24として供給し、他方のストリーム25aを製品LNGポンプ10でさらに昇圧した後に、製品LNG25として払い出している。
【0044】
工程(g)で使用する第一の払い出しライン(製品LNG払い出しライン)は、熱交換器2の液体流23a出口から、製品LNG払い出し口に至るラインである。液体流23aの一部を製品LNGとして払い出す場合、このラインの途中に分岐を設けることができる。この分岐には、液体流23aの残部を第一塔3に還流液24として供給する還流ラインを接続することができる。図4では、製品LNG払い出しラインは、ストリーム23a、23b、25a及び25が流れるライン(ドラム9、ポンプ6及び10を含む)であり、ポンプ6とポンプ10との間に分岐を有する。この分岐と、第一塔3の塔頂とを接続するライン(還流液24が流れるライン)が、第一塔への還流ラインである。
【0045】
(h)工程(e)で凝縮液27bを分岐した二以上の流れのうちの別の一つを、第二塔14に還流液28として供給する工程。この工程については、工程(e)とともに、既に説明した。
【0046】
(i)第二の塔底液30を、炭素数3以上の炭化水素が富化された液体画分として払い出す工程。
【0047】
第二の塔底液30を、製品LPGとして払い出すことができる。この工程で使用する第二の払い出しライン(製品LPG払い出しライン)は、第二塔の塔底液出口から、製品LPG払い出し口に至るラインである。図4では、製品LPG払い出しラインは、ストリーム30が流れるラインである。
【0048】
以上説明したプロセスでは、第一塔の塔頂凝縮器2において原料LNG(ストリーム21a)の冷熱を利用し、第二塔の塔頂凝縮器11において第一塔の内部流体の冷熱を利用している。したがって、外部冷凍を必要としない。
【0049】
なお、第一塔3は、サイドリボイラーに加えて、塔底にリボイラー(第一塔塔底リボイラー)4を備える。第二塔14は、塔底にリボイラー(第二塔リボイラー)15を備える。塔底に設けられるこれらリボイラーの熱源としては、海水、スチーム、熱媒油など、被加熱流体の温度に応じて適した熱媒体を使用する。
【0050】
図5に示すプロセスでは、ドラム9から抜き出した液体流23bの全部を製品LNGポンプ10で昇圧した後に分岐して、一方のストリーム24を第一塔3に還流させ、他方のストリーム25に製品LNGを得ている。図4に示したポンプ6は使用しない。製品LNG払い出しラインは、ストリーム23a、23b及び25が流れるライン(ドラム9、ポンプ10を含む)であり、ポンプ10と製品LNG払い出し口の間に分岐を有する。この分岐と、第一塔3の塔頂とを接続するライン(還流液24が流れるライン)が、第一塔への還流ラインである。これら以外の点については、このプロセスは図4に示したものと同様である。
【0051】
図6に示すプロセスでは、ドラム9から抜き出した液体流23bの全部をポンプ10で昇圧し、昇圧したストリーム25を製品LNGとしている。図4に示したポンプ6は使用せず、また第一塔3の還流(ストリーム24)も行わない。製品LNGを還流液として使用しないため、原料LNGを還流液として使用する。このため、熱交換器2で加熱した原料LNG(気液二相流21b)を、第一塔3の塔頂に供給している。製品LNG払い出しラインは、ストリーム23a、23b及び25が流れるライン(ドラム9、ポンプ10を含む)であり、分岐は有さない。これら以外の点については、このプロセスは図4に示したものと同様である。
【0052】
図7に示すプロセスでは、熱交換器2から得られる加熱した原料LNG(気液二相流21b)をセパレーター16で気液分離する。セパレーター16から得られる液相32を第一塔3に供給し、気相31を第一の塔頂ガス22と混合する。この分離装置は、熱交換器2の気液二相流21b出口をセパレーター16の入口に接続するラインを有する。またこの装置は、セパレーター16から得られた液相を第一塔3に供給するライン、すなわち、セパレーター16の液相出口から、第一塔3に至るラインを有する。さらにこの装置は、セパレーターから得られた気相を第一の塔頂ガスに混合するライン、すなわち、セパレーターの気相出口から、ストリーム22との合流点に至るラインを有する。これら以外の点については、このプロセスは図4に示したものと同様である。
【0053】
図8に示すプロセスでは、ドラム9から抜き出した液体流23bの全部を製品LNGポンプ10で昇圧した後に分岐して、一方のストリーム24を第一塔3に還流させ、他方のストリーム25に製品LNGを得ている。図4に示したポンプ6は使用しない。この点については図5に示すプロセスと同様である。また、熱交換器2で加熱した原料LNG(気液二相流21b)をセパレーター16で気液分離する。セパレーター16から得られる液相32を第一塔3に供給し、気相31を第一の塔頂ガス22と混合する。この点については図7に示したプロセスと同様である。これら以外の点については、このプロセスは図4に示したものと同様である。
【0054】
その他の装置形態として、第一塔3に供給する直前の原料LNG(図4~6のストリーム21b、図7~8のストリーム32)を予熱する予熱器(熱交換器)を設置することができる。つまり、熱交換器2の下流、かつ第一塔3の上流に、工程(a)で用いる熱交換器2とは別の熱交換器(不図示)を設ける。この熱交換器(予熱器)を用いて、工程(b)より前に、工程(a)から得られる気液二相流、すなわち熱交換器2から得られる気液二相流を加熱する工程を行うことができる。なお、ここでいう「上流」及び「下流」は、原料LNGの流れについての上流及び下流を意味する。
【0055】
この予熱器の熱源として、海水など低位レベルの用役を使用することで、第一塔3の塔底リボイラー4で必要となる高位レベルの熱源の負荷を下げることが可能である。あるいは、この予熱器の熱源として製品LPG30を用い、第一塔3の塔底リボイラー4の負荷を下げる場合もありえる。
【0056】
また、工程(d)において、したがって凝縮器11において、第二の塔頂ガス27を過冷却(サブクール)することができる。過冷却とは、ガスを全凝縮させた後、更に凝縮後の液体を冷却し、その温度を低くすることである。それにより、例えば、凝縮器11とサイドリボイラー5との間で熱の授受を行っている場合に、サイドリボイラー5に供給する熱量を増大させることができる。その結果、リボイラー4の必要熱量を減少させることができ、消費エネルギー削減が可能である。
【0057】
原料LNGの組成が軽くなる程、第一塔塔頂凝縮器2での全凝縮が難しくなる傾向がある。そのため、原料LNGの組成に応じて第一塔3の操作圧力を適宜調整することができる。また、部分的なエタン回収を行う場合には、回収するエタン量に応じてエタンリサイクル(ストリーム29)の量が減ることがある。その場合、第一塔3の塔頂ガスを全凝縮させるために第一塔3の操作圧力を適宜調整することができる。
【0058】
また、第一塔3と第二塔14とを、縦方向に配置し双方をつなげることで、見た目は一塔式であるかのような装置構造とすることも可能である。
【0059】
蒸留塔、熱交換器、リボイラー、凝縮器、セパレーター、ドラム、ポンプなど前述される機器に関して、個々の機器の構造や材料については、原料LNGからの炭化水素分離の分野で公知のものを適宜使用することができる。また、各機器は適宜のラインで接続することができ、それらのラインは適宜の配管材を用いて形成することができる。
【実施例
【0060】
実施例及び比較例の各プロセスにおいて、エネルギー消費量、設備構成の比較を行うため、原料LNGの組成、流量、温度、圧力といった条件を同じにして、プロセスシミュレーションを行った。使用した原料LNGの組成は、窒素0.5モル%、メタン86.7モル%、エタン8.9モル%、プロパン2.9モル%、ブタン1.0モル%とした。原料LNGの流量は10,979kg-mol/hr、温度は-159℃、圧力は125kPaAで供給される。圧力単位における「A」は、絶対圧を意味する。また、単位「kg-mol」は「10mol」を意味する。
【0061】
なお、極低温の装置と外部の周辺環境との熱のやりとりは十分小さいものとして計算に含めていない。市場で購入できる保冷材を極低温の装置に施工することで、外部との熱のやりとりは十分小さくできるため、上記の仮定は妥当と考えられる。
【0062】
〔比較例1〕
図1に示す、米国特許第6,510,706号明細書(特許文献1)に記載されるプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。この例では、一塔式の分離装置が使用される。
【0063】
LNGタンク(不図示)から供給される約-159℃の原料LNG121を原料LNGポンプ101で昇圧し(ストリーム121a)、その一部133を熱交換器(蒸留塔塔頂凝縮器)102で加熱し(ストリーム133a)、蒸留塔103の中間段に供給する。一方、残りの原料LNGは蒸留塔塔頂凝縮器102をバイパスして、蒸留塔103の塔頂段に還流液124として供給される。
【0064】
蒸留塔103の塔頂ガス122は2,350kPaA、-72℃で蒸留塔塔頂凝縮器102に供給され、原料LNG133との熱交換によって-101℃まで冷却され、全凝縮される。全凝縮した液122aは蒸留塔還流ドラム109を経て(ストリーム122b)、製品LNGポンプ110でパイプライン圧力9,411kPaAまで昇圧され、製品LNG125としてLNG受入基地へと返送される。
【0065】
蒸留塔103の塔底液は75℃であり、製品LPG(塔底製品として得られるC3+ NGL)130中のC2/C3モル比(エタン/プロパンモル比)が0.02以下となるように蒸留塔塔底リボイラー104で熱を与えている。本例の物質収支、回収率とエネルギー消費量をまとめたものが表1である。
【0066】
【表1】
【0067】
〔比較例2〕
図2に示す、米国特許第2,952,984号明細書(特許文献2)に記載されるプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。この例では、一塔式の分離装置が使用される。
【0068】
LNGタンク(不図示)から供給される約-159℃の原料LNG221を原料LNGポンプ201で昇圧し(ストリーム221a)、熱交換器(蒸留塔塔頂凝縮器)202で加熱し(ストリーム221b)、蒸留塔203の中間段に供給する。蒸留塔塔頂凝縮器202では、原料LNGはその冷熱を蒸留塔203の塔頂ガス222に与え、自身は-86℃まで昇温される。
【0069】
蒸留塔203の塔頂ガス222は2,600kPaA、-72℃で蒸留塔塔頂凝縮器202に供給され、原料LNG221aとの熱交換によって-98℃まで冷却され、全凝縮される。全凝縮した液222aは還流ドラム209を経て(ストリーム222b)、蒸留塔還流ポンプ206で昇圧され、その一部が蒸留塔203の塔頂段に還流液224として供給される。残りの液は製品LNGポンプ210でパイプライン圧力9,411kPaAまで昇圧され、製品LNG225としてLNG受入基地へと返送される。
【0070】
蒸留塔203の塔底液は80℃であり、塔底製品である製品LPG230中のC2/C3モル比が0.02以下となるように蒸留塔塔底リボイラー204で熱を与えている。本例の物質収支、回収率とエネルギー消費をまとめたものが表2である。
【0071】
【表2】
【0072】
本例では、第一塔の塔頂ガスの凝縮液を還流液として使用しているため、比較例1の96.28%に比べて99.47%と高いプロパン回収率を達成している。
【0073】
〔比較例3〕
図3に示す、米国特許第7,216,507号明細書(特許文献3)に記載されるプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。この例では、二塔式の分離装置が使用される。
【0074】
LNGタンク(不図示)から供給される約-159℃の原料LNG321を原料LNGポンプ301で昇圧し(ストリーム321a)、熱交換器(第一塔塔頂凝縮器)302を経て(ストリーム321b)、冷熱回収器307を経て(ストリーム321c)、さらに原料LNG予熱器308を経て(ストリーム321d)、第一塔303の中間段に供給する。第一塔塔頂凝縮器302では、原料LNGはその冷熱を第一塔の塔頂ガス322に与えることで、自身は-76℃まで昇温される。更に、原料LNGは冷熱回収器307にて、第二塔314の塔底からの製品LPG330に冷熱を与えて-74℃に昇温され、原料LNG予熱器308で外部熱源(熱媒体)により-48℃に昇温される。このように昇温された原料LNGは、その後、第一塔303に供給され、塔内で上部からの液と直接接触することにより、C3+ NGL成分が液側に吸収される。第一塔303の塔頂ガス322は-68℃、3,206kPaAで第一塔塔頂凝縮器302に供給され、前述の通り、原料LNGの冷熱により-91℃まで冷却され、全凝縮される。全凝縮した液322aは還流ドラム309、第一塔還流ポンプ306を介して、その一部が還流液324として第一塔303の塔頂に供給される。残りの液325aは製品LNGポンプ310によってパイプライン圧力9,411kPaAまで昇圧され、製品LNG325としてLNG受入基地へと返送される。第一塔303の塔底液326は、-52℃で自圧で2,965kPaAの第二塔314に供給される。第二塔314では、第二塔リボイラー315で供給される熱によってメタンとエタンの蒸気が発生し、塔底液330中のC2/C3モル比が0.02以下となるように蒸留操作を行っている。製品LPGは第二塔314の塔底から88℃で冷熱回収器307に入り、原料LNG321bによって-18℃まで過冷却され、製品LPG330aとして系外に払い出される。第二塔314の塔頂ガス327は-7℃で第一塔塔頂凝縮器302に供給され、-72℃まで冷却され、全凝縮される。全凝縮した液327aは第二塔還流ポンプ313によって昇圧された後(ストリーム327b)、再び第一塔塔頂凝縮器302に戻り、自身の蒸発潜熱を与えることで-57℃まで昇温され、一部が蒸気となった気液二相流327cとなる。この気液二相流327cが、第一塔303の第二の還流液として、第一塔に供給される。第二の還流液は第一塔の塔内ガス中のプロパン及び重質炭化水素を吸収し、塔内液中のC3+ NGL留分を濃縮させる働きがある。本例の物質収支、回収率とエネルギー消費量をまとめたものが表3である。
【0075】
【表3】
【0076】
〔実施例1〕
図4に示す、本発明に基づくプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。
【0077】
原料LNG21は約-159℃で供給され、原料LNGポンプ1にて昇圧され、操作圧力1,984kPaAの第一塔3に送液される。昇圧された原料LNG21aは熱交換器(第一塔塔頂凝縮器)2にてストリーム23へ冷熱を与え、自身は-100℃に昇温される。加熱された原料LNG(気液二相流)21bは第一塔3の中間段に供給された後、塔内で蒸気は上昇し、塔内上部からの液と直接接触することでC2+ NGLが液中に吸収される。塔頂ガス22は-103℃で第一塔3から抜き出され、第二塔14の塔頂ガスを凝縮させた-21℃のエタンの一部(ストリーム29)と混合され、約-90℃になる。混合したストリーム23は第一塔塔頂凝縮器2に供給され、昇圧された原料LNG21aと熱交換することで-106℃に冷却され、全凝縮される。全凝縮した液23aはドラム(第一塔還流ドラム)9を経て(ストリーム23b)、第一塔還流ポンプ6で昇圧され、その一部が第一塔の塔頂へ還流液24として供給される。還流液は塔内でC2+ NGLを吸収し、液中に濃縮させる効果を有する。残りの凝縮液25aは製品LNGポンプ10にてパイプライン圧力9,411kPaAに昇圧され、製品LNG25としてLNG受入基地に返送される。第一塔3の塔底液26は第一塔塔底リボイラー4によって熱を与えられ、C1/C2モル比(メタン/エタンモル比)0.014の条件で6℃となる。この塔底液26は操作圧力1,553kPaAの第二塔14に供給される。第二塔14では、第二塔リボイラー15で熱を与えることにより、メタン及びエタン留分を蒸発させ、塔底の製品LPG30中のC2/C3モル比を0.02以下とする。操作圧力1,553kPaAの条件では、第二塔の塔底温度は55℃となる。第二塔14の塔頂ガス27は-17℃で第二塔塔頂凝縮器11に供給され、-21℃に冷却され、全凝縮する。凝縮液(エタン液)27aはドラム12を経て(ストリーム27b)、第二塔還流ポンプ13で昇圧される。昇圧された流体が二つの流れに分岐され、一方の流れが第二塔14に還流液28として供給され、他方の流れ(ストリーム29)は、前述の通り、第一塔3の塔頂ガス22に混合される。
【0078】
このプロセスでは、前述のように、第二塔塔頂凝縮器11の冷熱源として、第一塔3の冷熱を利用することで外部冷凍なしのシステムとしている。第一塔3の冷熱を第二塔14の塔頂ガスに伝えるため、間接熱媒体としてメタノール等の不凍液を使用し、第一塔サイドリボイラー5と第二塔塔頂凝縮器11の間を循環させる。第一塔サイドリボイラー5は第一塔塔底リボイラー4の熱負荷を下げることにも寄与する。本例の物質収支、回収率、エネルギー消費量を表4にまとめる。
【0079】
【表4】
【0080】
表4に示す実施例1の回収率等を、表1、2、3に示す比較例1~3と比較する。まず比較例1(表1)のプロパン回収率96.28%に対して、実施例1(表4)では99.31%と高いプロパン回収率を達成している。これは、塔頂ガスを還流液として使用し、高いリフラックス効果が得られているためと考えることができる。
【0081】
また、比較例2、3(表2、3)のプロパン回収率はそれぞれ99.47%、99.03%で、実施例1(表4)の99.31%はほぼ同等のプロパン回収率を達成していると言える。
【0082】
一方で、リボイラー熱負荷を比較すると、比較例2、3(表2、3)の14,319kW、14,302kWに対して、実施例1(表4)では12,040kWと、16%程度比較例2、3よりも低く抑えられている。ポンプの動力総和は比較例2、3(表2、3)の1,687kW、1,913kWに対して、実施例1(表4)では1,650kWと低い。
【0083】
また、実施例1では第一塔3の操作圧力が1,984kPaAで、比較例1、2、3の2,350kPaA、2,600kPaA、3,206kPaAの何れよりも低く抑えることができる。これによって、分離効率が良くなり、塔内負荷を下げることができ、かつ、第一塔3の圧力容器の肉厚を薄くすることができる。塔頂ガス22、122、222、322の流量を比較すると、実施例1(表4)の10,051kg-moles/hは、比較例1、2、3の10,555kg-moles/h、12,404kg-moles/h、12,107kg-moles/hの何れよりも低い。
【0084】
本例のプロセスでは、主に下記の3つの要因によって分離効率を改善している。第一に、比較例1、2では一塔式の分離装置であるのに対し、分離装置を二塔式にすることによって第一塔3を相対的に小さくしている。第一塔でメタン、エタンの両方ではなく、主にメタンのみを蒸発させ、塔内負荷を下げている。
【0085】
第二に、比較例3の二塔式の装置に比べて、第二塔14に塔頂凝縮器11を設置することで第二塔塔頂ガス中のプロパン濃度を下げることができる。これにより、第一塔への還流液24中のプロパン濃度を下げることができる(比較例3のストリーム322ではプロパン濃度が0.03モル%のところを、実施例1のストリーム23では0.018モル%になる)。第二塔14に塔頂凝縮器11と還流28を設けることで第二塔14塔頂のストリーム27中のエタン純度を上げ、プロパン濃度を下げることを可能にしている。
【0086】
第三のポイントは最も重要で、第二塔の塔頂ガス27を凝縮させた液の一部(ストリーム29)を、第一塔3の塔頂ガス22と混合して、このガスの凝縮温度を上げている点である。凝縮温度を上げることにより、比較例3の3,206kPaAに対して、実施例1では低い圧力1,984kPaAで塔頂ガスを全凝縮できる。第一塔3を低い操作圧力とすることで、分離効率が上がり、第一塔3の塔内負荷を下げられ、塔頂ガス22の流量も下げて凝縮しやすくすることができる。また、第一塔3の圧力容器として必要になる肉厚を薄くすることができる。
【0087】
〔実施例2〕
図5に示す、本発明に基づくプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。このプロセスは、前述の通り、図4に示すプロセスからポンプ(第一塔還流ポンプ)6をなくして分離を行うものである。本例の物質収支、回収率、エネルギー消費量を表5にまとめる。
【0088】
【表5】
【0089】
実施例2(表5)のプロパン回収率は99.31%で実施例1(表4)と同じである。一方で、本例では、第一塔還流ポンプ6を削除し、代わりに製品LNGポンプ10にて昇圧したLNGの一部を第一塔の還流液として供給する。そのため、ポンプ動力の総和が実施例2(表5)では1,705kWと、実施例1(表4)の1,650kWに比べて3%増加している。また、実施例2では、ポンプ10において、還流に必要な圧力を超えて余分に昇圧するため、還流液24の温度が高くなり、その分第一塔塔底リボイラーの熱負荷が6,896kW(実施例1)から6,856kWに1%低下している。実施例1と2の装置形態の選択は、消費エネルギー費用と設備初期投資費用の兼ね合いで決まるため、個別のケース毎に異なる。
【0090】
〔実施例3〕
図6に示す、本発明に基づくプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。このプロセスは、前述のとおり、図4に示すプロセスから、ポンプ(第一塔還流ポンプ)6と第一塔3への還流液24をなくして分離を行うものである。本例の物質収支、回収率、エネルギー消費量を表6にまとめる。
【0091】
【表6】
【0092】
実施例3(表6)のプロパン回収率は98.26%で、実施例1(表4)の99.31%より若干低い。ブタン回収率についても実施例1では100.00%だったものが実施例3では99.77%と低くなっている。これは、第一塔3の還流液24をなくしたため、プロパン、ブタンが第一塔3の塔頂から製品LNG側に混入したことを意味している。一方で、第一塔3の還流がないため、ポンプ動力の総和が実施例3(表6)では1,630kWと、実施例2(表5)の1,705kWに比べて4%減少している。また、実施例3(図6)では第一塔3の塔頂ガス22中のプロパン濃度が高く、凝縮しやすいため、第一塔3の操作圧力を1,847kPaAと、実施例1、2(図4、5)の1,984kPaAよりも若干低くとることができる。操作圧力が低いと分離効率が良くなるため、第一塔塔底リボイラーの熱負荷が、6,856kW(実施例2)から6,504kW(実施例3)に5%低下している。実施例3(図6)と実施例1、3(図4、5)の装置形態の選択は、消費エネルギー費用と設備初期投資費用の兼ね合いで決まるため、個別のケース毎に異なる。
【0093】
〔実施例4〕
図7に示す、本発明に基づくプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。このプロセスは、前述のとおり、図4に示すプロセスに原料LNGセパレーター16を追加して分離を行うものである。原料LNGセパレーター16を第一塔3の上流(原料LNGの流れ方向に関して上流)に設置して、セパレーター16で分離した蒸気を第一塔3に通さずバイパスさせることにより、第一塔3の塔内負荷を下げることができる。本例の物質収支、回収率、エネルギー消費量を表7にまとめる。
【0094】
【表7】
【0095】
実施例4(表7)のプロパン回収率は98.76%であり、実施例1(表4)の99.31%より若干低い。ブタン回収率についても99.86%であり、実施例1(表4)の100.00%より低くなっている。
【0096】
一方で、実施例3(表6)のプロパン、ブタン回収率(98.26%、99.77%)と比べると同等もしくは若干改善できていることがわかる。これは、第一塔3をバイパスする原料LNGセパレーターの上部蒸気(ストリーム31)からロスするプロパン、ブタンは、還流液24をなくした場合(実施例3)に第一塔3の塔頂からロスするプロパン、ブタンよりも少ないからである。
【0097】
実施例4(表7)の場合、第一塔3へ供給される原料LNG(ストリーム32)の流量は6,929kg-moles/hで、実施例3(表6)の原料LNG21の流量10,979kg-moles/hの63%に過ぎない。したがって、第一塔3の負荷を下げ、そのサイズを小さくすることができる。
【0098】
また、実施例4(表7)では、第一塔3の還流ポンプ6があるため、ポンプ動力の総和が1,665kWであり、実施例3(表6)の1,630kWに比べて2%増加している。
【0099】
また、実施例4(図7)では第一塔3の塔頂ガス22中のプロパン濃度が低く、このガス22が凝縮しにくいため、第一塔3の操作圧力を2,072kPaAと、実施例3(図6)の1,847kPaAよりも高くしなければならない。そのため、実施例4(表7)では第一塔塔底リボイラー4の熱負荷が7,350kWとなり、実施例3(表6)の6,504kWより13%高い。実施例4(図7)と実施例1~3(図4、5、6)の装置形態の選択は、消費エネルギー費用と設備初期投資費用の兼ね合いで決まるため、個別のケース毎に異なる。
【0100】
〔実施例5〕
図8に示す、本発明に基づくプロセスについてプロセスシミュレーションを行った。このプロセスは、前述のとおり、実施例4(図7)と同様に原料LNGセパレーター16を追加し、かつ、実施例2(図5)と同様にポンプ(第一塔還流ポンプ)6を削除して分離を行うものである。本例の物質収支、回収率、エネルギー消費量を表8にまとめる。
【0101】
【表8】
【0102】
実施例5(表8)のプロパン回収率は98.76%であり、実施例4(表7)と同じである。一方で、第一塔還流ポンプ6を削除し、代わりに製品LNGポンプ10にて昇圧したLNGの一部を第一塔の還流液として供給するため、ポンプ動力の総和が実施例5(表8)では1,691kWであり、実施例4(表7)の1,665kWに比べて2%増加している。また、実施例5では、ポンプ10において、還流に必要な圧力を超えて余分に昇圧するため、還流液24の温度が高くなり、その分第一塔塔底リボイラー4の熱負荷が7,350kW(実施例4)から7,319kW(実施例5)に1%低下している。
【0103】
実施例5(図8)と実施例4(図7)の装置形態の選択は、消費エネルギー費用と設備初期投資費用の兼ね合いで決まるため、個別のケース毎に異なる。
【符号の説明】
【0104】
1 原料LNGポンプ
2 熱交換器(第一塔塔頂凝縮器)
3 第一塔
4 第一塔塔底リボイラー
5 第一塔サイドリボイラー
6 第一塔還流ポンプ
9 第一塔還流ドラム
10 製品LNGポンプ
11 第二塔塔頂凝縮器
12 第二塔還流ドラム
13 第二塔還流ポンプ
14 第二塔
15 第二塔リボイラー
16 原料LNGセパレーター
21 原料LNG
21b 原料LNGの気液二相流
22 第一の塔頂ガス
25 製品LNG
26 第一の塔底液
27 第二の塔頂ガス
27b 第二の塔頂ガスから得られる凝縮液
30 第二の塔底液(製品LPG)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8