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特許7051440OLEDデバイスと作製方法、表示パネル及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】OLEDデバイスと作製方法、表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/26 20060101AFI20220404BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220404BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220404BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220404BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20220404BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220404BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
H05B33/26 Z
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/10
H05B33/22 Z
H05B33/12 B
G09F9/30 365
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017566305
(86)(22)【出願日】2017-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2017089961
(87)【国際公開番号】W WO2018036258
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-02-25
(31)【優先権主張番号】201610743210.9
(32)【優先日】2016-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 粲
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-191454(JP,A)
【文献】特開2005-332773(JP,A)
【文献】特開2009-151955(JP,A)
【文献】特開2010-108693(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0198657(US,A1)
【文献】特開2011-181405(JP,A)
【文献】特表2011-513901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50 - 51/56
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極層と、発光層と、第2電極層と、を順に備えるOLEDデバイスであって、
前記OLEDデバイスは、さらに、絶縁層と、補助電極層と、画素定義層とを備え、
前記画素定義層が、前記第1電極層の上に設けられ、かつ、行列の形に配置した複数の開口の領域と複数のビアを備え、
記開口の領域が、画素定義領域であって
前記発光層と、前記第2電極層とが、前記画素定義領域に設けられ、
前記絶縁層が、前記第2電極層の上に設けられ、前記画素定義層の上に設けられず、
前記絶縁層が、前記発光層及び前記第2電極層と同一のマスクを利用して形成され、
前記補助電極層が、全体面積の蒸着を利用して設けられ、
前記補助電極層が、前記絶縁層の上に設けられ、前記画素定義層のビアを介して、前記第1電極層と電気的に接続される、
OLEDデバイス。
【請求項2】
前記絶縁層が、前記画素定義領域に設けられる、
請求項1に記載のOLEDデバイス。
【請求項3】
前記絶縁層が、前記画素定義領域に且つ前記画素定義層の上に設けられ、
前記絶縁層がビアを有し、前記絶縁層のビアが前記画素定義層のビアの上方に設置され、前記補助電極層が、前記絶縁層のビア及び前記画素定義層のビアを介して前記第1電極層と電気的に接続される、
請求項1に記載のOLEDデバイス。
【請求項4】
前記第1電極層はアノード層であり、前記第2電極層はカソード層である、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のOLEDデバイス。
【請求項5】
前記第1電極層は透明電極層であり、前記第2電極層は反射電極層である、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のOLEDデバイス。
【請求項6】
第1電極層を形成すること、
前記第1電極層の上に、行列の形に配置した複数の開口の領域かつ複数のビアを備える画素定義層を形成して、前記開口の領域が画素定義領域であって
前記第1電極層の上に、前記画素定義領域において、発光層と第2電極層を形成すること、
前記第2電極層の上に、前記画素定義領域において、絶縁層を形成すること、
前記絶縁層の上に、前記画素定義層のビアを介して第1電極層と電気的に接続される、補助電極層を形成すること、を含み、
前記絶縁層が、前記画素定義層の上に設けられず、前記発光層及び前記第2電極層と同一のマスクを利用して形成され、
前記補助電極層が、全体面積の蒸着を利用して設けられる、OLEDデバイスの作成方法。
【請求項7】
前記絶縁層が、さらに、画素定義層の上に形成され、かつ前記画素定義層のビアの上方に位置するビアを備え、
前記補助電極層を形成するステップにおいて、前記絶縁層のビアと前記画素定義層のビアを介して、前記補助電極層と前記第1電極層を電気的に接続させる、
請求項6に記載のOLEDデバイスの作成方法。
【請求項8】
開放式マスクを採用した化学気相堆積法を利用して前記絶縁層を形成する、
請求項6または7に記載のOLEDデバイスの作成方法。
【請求項9】
蒸着法を利用して前記補助電極層を形成する、
請求項6または7に記載のOLEDデバイスの作成方法。
【請求項10】
開放式マスクまたは精細メタルマスクを採用した蒸着法を利用して前記補助電極層を形成する、
請求項9に記載のOLEDデバイスの作成方法。
【請求項11】
基板と、基板の上に設けられた複数の請求項1ないし5のいずれか一項に記載のOLEDデバイスと、を備える表示パネル。
【請求項12】
請求項11に記載の表示パネルを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年8月26日に出願された中国特許出願第201610743210.9号の優先権を主張し、上記の中国特許出願に開示されている全ての内容を引用して本出願の一部とする。
【0002】
本開示は、有機エレクトロルミネッセンス照明及び表示の技術に関し、特に、OLEDデバイスと作製方法、表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機エレクトロルミネッセンスダイオード(OLED)デバイスは、照明及び表示分野のホットスポットであり、ますます注目が高まっている。OLEDデバイスにおいては、デバイスのサイズの増加に伴い、デバイスの異なる部位に電極材料の抵抗差による電圧降下が発生し、当該電圧降下がOLEDデバイスの輝度を不均一にしてしまう、という問題がある。
OLEDデバイスには、改善の余地がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、OLEDデバイスと作製方法、表示パネル及び表示装置を提供する。
本開示の第1発明は、第1電極層と、発光層と、第2電極層と、を順に備える、OLEDデバイスを提供する。OLEDデバイスは、さらに、絶縁層と、補助電極層とを備える。絶縁層は、第2電極層の上に設けられる。補助電極層は、絶縁層の上に設けられ、第1電極層と電気的に接続される。
【0005】
本開示の実施例において、OLEDデバイスは、さらに、画素定義層を備える。画素定義層は、前記第1電極層の上に設けられ、かつ、画素定義領域を画定する。発光層と、第2電極層と、絶縁層とは、画素定義領域に設けられる。画素定義層はビアを有し、補助電極層は、画素定義層のビアを介して第1電極層と電気的に接続される。
【0006】
本開示の実施例において、OLEDデバイスは、さらに、画素定義層を備える。画素定義層は、第1電極層の上に設けられ、かつ、画素定義領域を画定する。発光層と、第2電極層とは、画素定義領域に設けられる。絶縁層は、画素定義領域且つ画素定義層の上に設けられ、画素定義層と絶縁層はビアを有し、絶縁層のビアが画素定義層のビアの上方に設置され、補助電極層は、絶縁層のビア及び画素定義層のビアを介して第1電極層と電気的に接続される。
【0007】
本開示の実施例において、第1電極層はアノード層であり、第2電極層はカソード層である。
本開示の実施例において、第1電極層は透明電極層であり、第2電極層は反射電極層である。
【0008】
本開示の第2発明は、上記のOLEDデバイスの作製に用いるOLEDデバイスの作製方法を提供し、該当作製方法は、第1電極層を形成すること、第1電極層の上に、画素定義領域を画定しかつビアを備える、画素定義層を形成すること、第1電極層の上に、画素定義領域において、発光層と第2電極層を形成すること、第2電極層の上に、画素定義領域において、絶縁層を形成すること、絶縁層の上に、前記画素定義層のビアを介して第1電極層と電気的に接続される、補助電極層を形成すること、を含む。
【0009】
本開示の実施例において、OLEDデバイスの作製方法は、さらに、画素定義層の上に、絶縁層を形成することを含む。絶縁層は、前記画素定義層のビアの上方に位置するビアを備える。補助電極層を形成するステップにおいて、絶縁層のビアと画素定義層のビアを介して、補助電極層と第1電極層を電気的に接続させる。
【0010】
本開示の実施例において、開口マスクを採用した化学気相堆積法を利用して絶縁層を形成する。
本開示の実施例において、蒸着法を利用して補助電極層を形成する。
本開示の実施例において、開口マスクまたはファインメタルマスクを採用した蒸着法を利用して補助電極層を形成する。
【0011】
本開示の第3発明は、基板と、基板の上に設けられた複数の上記のOLEDデバイスとを備える表示パネルを提供する。
本開示の第4発明は、上記の表示パネルを備える表示装置を提供する。
【0012】
本開示の実施例におけるOLEDデバイスと作製方法、表示パネル及び表示装置によって、不均一な発光の問題が改善されるとともに、補助電極層がOLEDデバイスから発せられた光線を遮らなくなる。さらに、当該補助電極層を形成する時、エッチング工程を必要としない。
【0013】
以下、本開示の実施例の態様をより明確に説明するために、実施例の図面に対して簡単に説明する。以下で説明している図面は本開示の一部の実施例に係るものであり、本開示を制限するものではないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】OLEDデバイスの模式的な層構成図である。
図2】OLEDデバイスの作製方法の模式的なフロー図である。
図3】本開示の実施例1によるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。
図4】本開示の実施例2によるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。
図5】本開示の実施例3によるOLED表示パネルの模式的な層構成図である。
図6】本開示の実施例4によるOLEDデバイスの作成方法の模式的なフロー図である。
図7図6に示す方法において基板の上に透明電極層を形成してからのOLED表示パネルの模式的な平面図である。
図8図6に示す方法において画素定義層を形成した後のOLED表示パネルの模式的な平面図である。
図9図6に示す方法において発光層と反射電極層を形成した後のOLED表示パネルの模式的な平面図である。
図10図6に示す方法において発光層と反射電極層を形成した後のOLED表示パネルにおけるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施例の態様と利点をより明確にするように、図面を参照しながら、本開示の実施例の態様を明確かつ完全に説明する。説明している実施例が本開示の実施例の一部であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本開示の実施例の説明に基づいて、当業者の進歩的な労働を必要としない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護の範囲に属する。
【0016】
図1は、OLEDデバイスの模式的な層構成図である。図1に示すように、OLEDデバイスは、順次に積層された、補助電極層6と、絶縁層4と、透明電極層1と、発光層2と、反射電極層3とを備え、絶縁層4を穿孔して透明電極層1と補助電極層6を接続させる。一般的に、OLEDデバイスは、透明電極層1が導電性ITO材料を使用する場合、導電性の高い金属をめっきして補助電極層6を形成することによって、透明電極層1の導電均一性を向上させ、OLEDデバイス、特にサイズが大きいOLEDデバイスの輝度不均一性の問題を解決する。補助電極層6の材料は、導電性が高く、シート抵抗の小さいCr、Mo/Al/Mo、Agなどであればよい。補助電極層6が存在するため、OLED表示パネルの輝度均一性が大幅に改善され、当該形態は白色有機エレクトロルミネッセンスダイオード(WOLED)パネルに適用してもよい。
【0017】
しかし、通常、補助電極層6は不透明の金属材料からなり、光が通過できない。補助電極層6は互いに連通する網状構成で透明電極層1を被覆する必要があり、これはOLEDデバイスの発光を遮る。よって、補助電極層6を追加した後に同程度の輝度を維持するために、より大きな駆動電流を必要とし、これは消費電力とコストを増加させる。なお、OLEDデバイスを使用している表示パネルの開口率も低下させることになる。
【0018】
図2は、OLEDデバイスの作製方法の模式的なフロー図である。図2に示すように、OLEDデバイスの作製方法は、一回目のフォトリソグラフィーで補助電極層を作製すること、二回目のフォトリソグラフィーで絶縁層を作成すること、三回目のフォトリソグラフィーでアノード層を作製すること、発光層を蒸着すること、カソード層を蒸着すること、を含むことよって、図1に示す構成を得る。互いに連通する網状構成を得ることで光の通過性をできる限り増加させるために、補助電極層6を形成する時、フォトリソグラフィー方法を利用し、その中でエッチング工程を使用する必要があり、コストを増加させている。
【0019】
本開示の実施例は、第1電極層1と、発光層2と、第2電極層3と、絶縁層4と、を順に備える、OLEDデバイスを提供する。OLEDデバイスは、さらに、補助電極層6を備え、補助電極層6は、絶縁層4の上に設けられ、透明電極層1と電気的に接続される。以下では、いずれも、第1電極層1が透明電極層であり、第2電極層3が反射電極層であるものを例に説明する。これらが本発明を制限するものではないことは明らかである。
【0020】
OLEDデバイスから発せられた光線は、発光層2から透明電極層1への方向に出射するが、補助電極層6が反対方向に位置するため、補助電極層がOLEDデバイスから発せられた光線を遮らない。本開示の実施例により、OLED表示パネルの輝度均一性を向上させる時、その輝度を変化させない。透明電極層1はアノード層であってもよく、この場合、反射電極層3はカソード層である。透明電極層1はカソード層であってもよく、この場合、反射電極層3はアノード層である。
【0021】
図3は、本開示の実施例1によるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。図3に示すように、本開示の実施例において、OLEDデバイスは、透明電極層1と、画素定義層5と、発光層2と、反射電極層3と、絶縁層4とを備える。画素定義層5は、透明電極層1の上に設けられ、かつ、画素定義領域を画定する。発光層2と、反射電極層3と、絶縁層4とは、透明電極層1の上に順次に設置され、画素定義領域に設けられる。OLEDデバイスは、さらに、補助電極層6を備え、補助電極層6は、絶縁層4の上に設けられ、画素定義層5のビア7を介して透明電極層1と接続される。
【0022】
OLEDデバイスから発せられた光線は、発光層2から透明電極層1の方向に出射するが、補助電極層6が反対方向に位置するため、補助電極層6がOLEDデバイスから発せられた光線を遮らない。本開示の実施例により、OLED表示パネルの輝度均一性を向上させる時、その輝度を変化させない。
【0023】
なお、図3に示すように、絶縁層4は、画素定義領域に設けられ、発光層2及び反射電極層3と同一または類似なマスクを利用して形成されてもよく、作製プロセスを簡略化している。
【0024】
図4は、本開示の実施例2によるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。本開示の実施例において、絶縁層4は、画素定義領域及び画素定義層5の上に設けられ、ビア8を有する。絶縁層4は、OLEDデバイスを封止するように延伸してもよく、この場合、ビア7の上方に位置するビア8を有し、ビア7とビア8によって、補助電極層6と透明電極層1が電気的に接続される。
【0025】
図5は、本開示の実施例3によるOLED表示パネルの模式的な層構成図である。本開示の実施例において、OLED表示パネルは、基板9と、基板9の上に設けられた複数の上記のOLEDデバイスとを備える。図5は、複数の図3に示すOLEDデバイスを示しているが、図5におけるOLEDデバイスが、図4に示すOLEDデバイスであってもよい。
【0026】
補助電極層がOLEDデバイスから発せられた光線を遮らないため、OLED表示パネルを作製する時、パネル全体の補助電極層を、メッシュ状の構成に限らず、任意のパターンに形成してもよい。このように、シート抵抗をさらに低減させ、輝度均一性を向上させるだけではなく、エッチング工程を省略し、作製方法を簡略化している。
【0027】
図6は、本開示の実施例4によるOLEDデバイスの作製方法の模式的なフロー図である。図7は、図6に示す方法において基板の上に透明電極層を形成した後のOLED表示パネルの模式的な平面図である。図8は、図6に示す方法において画素定義層を形成した後のOLED表示パネルの模式的な平面図である。図9は、図6に示す方法において発光層と反射電極層を形成した後のOLED表示パネルの模式的な平面図である。図10は、図6に示す方法において発光層と反射電極層を形成した後のOLED表示パネルにおけるOLEDデバイスの模式的な層構成図である。
【0028】
図6に示すように、本開示の実施例において、OLEDデバイスの作製方法は、上記のOLEDデバイスの作製に用いられ、該当方法は、透明電極層1を形成すること、透明電極層1の上に、画素定義領域を画定しかつビア7を備える、画素定義層5を形成すること、透明電極層1の上に、画素定義領域において、発光層2と反射電極層3を形成すること、反射電極層3の上に、画素定義領域において、絶縁層4を形成すること、絶縁層4の上に、画素定義層5のビア7を介して透明電極層1と電気的に接続される、補助電極層6を形成すること、を含む。
【0029】
本開示の実施例において、絶縁層4は、画素定義領域に設けられ、発光層2及び反射電極層3と同一または類似なマスクを利用して形成されてもよく、作製プロセスを簡略化している。
【0030】
本開示の実施例において、絶縁層4を形成する時、絶縁層4は、画素定義領域及び画素定義層5の上に設けられ、ビア7の上方に位置するビア8を備えてもよい。補助電極層6を形成する時、補助電極層6と透明電極層1が、絶縁層4のビアと画素定義層5のビアを介して電気的に接続される。このように、絶縁層4は、OLEDデバイスを封止するように延伸してもよく、この場合、絶縁層4は、ビア8を有し、ビア7とビア8によって、補助電極層6と透明電極層1が接続される。
【0031】
本開示の実施例において、蒸着法、特に開口マスク(Open Mask)を採用した蒸着法を利用して、補助電極層6を形成してもよい。なお、ファインメタルマスク(Fine Metal Mask)を利用してもよい。
【0032】
マスクを利用した蒸着法は、以下のステップを含んでもよい。まず、被蒸着面の上に開口領域を有するマスクを被覆する。次に、被蒸着面に対して蒸着を行い、この時、被蒸着面において、マスクの開口領域に対応する位置に材料を蒸着すればよく、その他の位置は遮られているため、材料が蒸着されない。このように、エッチングを行う必要なく、一回の蒸着により所定のパターンの補助電極層6を得ることができる。
当然、必要に応じて、直接蒸着することによって、全体面積の補助電極層6を得ることもできる。
【0033】
図7に示すように、本開示の実施例において、OLEDデバイスの透明電極層1は、ITO材料を使用し、フォトリソグラフィーによってパターン化され、OLED表示パネルにおいて複数のOLEDデバイスの透明電極層1を得ることができる。
【0034】
図8に示すように、OLEDデバイスの画素定義層5を形成し、画素定義層5は、複数のOLEDデバイスを形成するために、複数のOLEDデバイスの透明電極層1に対応する複数の領域を画定している。当該画素定義層5はさらに、補助電極層6と透明電極層1を接続させるために、ビア7を残している。
【0035】
図9図10に示すように、本開示の実施例において、開口マスクを採用した蒸着法を利用して、透明電極層の上に発光層2と反射電極層3を順次に蒸着する。なお、反射電極層3の材料はAlを使用してもよい。透明電極層1と反射電極層3の間には、さらに、例えば正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層など(図示なし)のような発光機能層を備えてもよい。
【0036】
最後に、図3図4に戻って、本開示の実施例において、反射電極層3と補助電極層6を分離させるために、化学気相堆積法(CVD)を利用して絶縁層4を堆積してもよい。図4に示すように、絶縁層4はOLEDデバイスを封止する役割も果たすことができる。絶縁層4は、SiNxまたはSiOなどのセラミックス膜である。なお、絶縁層4を堆積する時も、開口マスクを利用し、絶縁層4が画素定義層の上に設けられている時、開口マスクのパターンがビア7とビア8に対応する位置を被覆するようにして、ビア8を形成するとともに、ビア7を保留することができ、これによって補助電極層6を絶縁層4のビア8及び画素定義層5のビア7を介して透明電極層1に接続させることができる。
【0037】
本開示の実施例において、作製中には、補助電極層6と透明電極層1の接続を保証するために、画素定義領域における蒸着された層または堆積された層(発光層2と、反射電極層3と、絶縁層4とを含む)が、いずれも画素定義層5における予め設置されたビア7を被覆しないように保証している。
【0038】
本開示の実施例によるOLEDデバイスとOLED表示パネルは、OLED表示装置に適用することができる。前記OLED表示装置は、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビなどの、表示機能を有する任意の製品または部品であってもよい。
【0039】
本開示の実施例において、反射電極層3の蒸着が完了すると、絶縁層4を堆積し、絶縁層4の上に補助電極層6を蒸着し、補助電極層6をビア7を介して透明電極層1と接続させ、透明電極層1の電圧降下を低下させることができ、発光に影響を与えない。補助電極層6はメッシュ状の構成にエッチングする必要がなく、全体面積に蒸着することができ、エッチング工程を省略し、OLEDデバイスの作製プロセスをさらに簡略化し、OLEDデバイスの生産効率を向上させることができる。
【0040】
上記した実施形態は、単に本発明の原理を説明するために採用した例示的な実施形態であり、本開示がこれらに限定されているのではない。当業者にとって、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形や改善を行うことができ、これらの変形や改善も、本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 透明電極層
2 発光層
3 反射電極層
4 絶縁層
5 画素定義層
6 補助電極層
7 ビア
8 ビア
9 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10