(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20220404BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
(21)【出願番号】P 2018001991
(22)【出願日】2018-01-10
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399127832
【氏名又は名称】株式会社LIFULL
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴央
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-22314(JP,A)
【文献】特開2003-22313(JP,A)
【文献】特開2002-297738(JP,A)
【文献】特開2015-203897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駅に関する駅情報の入力を受ける第1入力部と、
前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定する第1特定部と、
前記1以上のハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価する第1評価部と、
評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受ける第2入力部と、
前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定する第2特定部と、
前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定する第2評価部と
を備え
、
前記第1入力部は、乗降客数、乗り入れ本数、輸送力のうちの少なくとも一部を含む前記駅情報の入力を受け、
前記第1特定部は、前記少なくとも一部に基づいて前記1以上のハブ駅を特定する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1評価部は、前記1以上のハブ駅のうち最も近いハブ駅との間の所要時間に応じて、前記駅価値を評価する、
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
情報処理システムが行う情報処理方法であって、前記情報処理方法は、
複数の駅に関する駅情報の入力を受けるステップと、
前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定するステップと、
前記ハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価するステップと、
評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受けるステップと、
前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定するステップと、
前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定するステップと
を
含み、
前記駅情報は、乗降客数、乗り入れ本数、輸送力のうちの少なくとも一部を含み、
ハブ駅を特定する前記ステップは、前記少なくとも一部に基づいて前記1以上のハブ駅を特定するステップを含む、
情報処理方法。
【請求項4】
複数の駅に関する駅情報の入力を受ける処理と、
前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定する処理と、
前記ハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価する処理と、
評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受ける処理と、
前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定する処理と、
前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定する処理と
をコンピュータに実行させる、プログラム
であって、
前記駅情報は、乗降客数、乗り入れ本数、輸送力のうちの少なくとも一部を含み、
ハブ駅を特定する前記処理は、前記少なくとも一部に基づいて前記1以上のハブ駅を特定する処理を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な評価因子を用いて、不動産物件の評価額を算出するサービスが種々考えられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、駅徒歩等を評価因子として不動産物件の評価額を算出することや、評価額を算出するための評価因子の係数を最寄駅に応じて変えること等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、一般的に、最寄駅から多くの乗降客を抱えるターミナル駅へのアクセスが良い場合には物件の評価額は高く、最寄駅からターミナル駅へのアクセスが悪い物件の評価額は低くなることが多いと考えられる。すなわち、物件の価値は、最寄駅からの徒歩分数等だけでなく、最寄駅からターミナル駅へのアクセスのしやすさ等の最寄駅自体の価値に応じても変わると考えられるが、特許文献1記載の手法では、この点について考慮されていなかった。
【0005】
本発明のいくつかの態様は前述の課題に鑑みてなされたものであり、好適に不動産物件を評価することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる情報処理システムは、複数の駅に関する駅情報の入力を受ける第1入力部と、前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定する第1特定部と、前記1以上のハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価する第1評価部と、評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受ける第2入力部と、前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定する第2特定部と、前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定する第2評価部とを備える。
【0007】
本発明の一態様にかかる情報処理方法は、複数の駅に関する駅情報の入力を受けるステップと、前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定するステップと、前記ハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価するステップと、評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受けるステップと、前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定するステップと、前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定するステップとを情報処理システムが行う。
【0008】
本発明の一態様にかかるプログラムは、複数の駅に関する駅情報の入力を受ける処理と、前記駅情報に基づき、他の駅よりも相対的に影響力の大きい1以上のハブ駅を特定する処理と、前記ハブ駅との関係性に応じて、前記複数の駅に含まれる駅の駅価値を評価する処理と、評価対象の物件にかかる物件情報の入力を受ける処理と、前記物件情報を用いて前記物件の最寄駅を特定する処理と、前記最寄駅に関する前記駅価値と前記物件情報とを用いて前記物件の価値を算定する処理とをコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムの機能構成を示す図である。
【
図2】
図1に示した情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図1に示した情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示した情報処理システムのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0012】
[実施形態]
[1 概要]
マンションや一戸建て、土地等の不動産物件(以下「物件」ともいう)の価値が評価できると、売買金額を決める際の指針となるために物件売買の透明性が高まり、売買を促進することができる。また、ある程度客観的な物件価値が算定できると、物件を担保とするローンの限度金額を容易に算定及び把握することも可能である。しかしながら、一般の消費者にとって物件の価値評価は容易ではないため、最寄駅からの距離や築年数、広さ等の物件情報を入力することで、物件の価値を自動的に算出する価値評価サービスが近年提供されている。
【0013】
物件価値を評価する際には、先述のとおり、最寄駅からの距離や築年数、広さ等をパラメータとして用いることが多いが、これに加え、物件の最寄駅がどのような駅か、という要因も、一般に物件の価値に影響を与えるものと考えられる。例えば、東京駅や新宿駅など、乗降客数の多い駅(以下、乗降客数が多い等の理由により、他の駅と比べて相対的に影響力が大きく、近隣地域の中心地と見なせるような駅を「ハブ駅」ともいう)へのアクセスが良い駅を最寄駅とする物件は一般に価値が高く、最寄駅からハブ駅へのアクセスが悪い物件は相対的に価値が劣ることが多いと考えられる。
【0014】
そこで本実施形態にかかる情報処理システムでは、まず、例えばターミナル駅等であるハブ駅を特定した上で、当該ハブ駅との関係性に基づき、各々の駅の価値を判定する。その上で、物件の最寄駅の価値に応じて、物件の価値を評価する。
【0015】
[2 機能構成]
以下、
図1を参照しながら、本実施形態にかかる情報処理システム1の全体構成を説明する。情報処理システム1は、物件価値を評価するサービスを提供するためのコンピュータ等であり、駅情報入力部110、データベース(DB)120、駅価値算出部130、物件価値評価サービス提供部140、及び物件価値評価部150を含む。なお、情報処理システム1の機能は、例えば物理的に1台のコンピュータ(サーバを含みうる)により全てを実現することもできるし、或いは、物理的に複数台のコンピュータが協働して情報処理システム1の各機能を実現してもよい。複数台のコンピュータで情報処理システム1を実現する場合には、例えば、駅情報入力部110及び駅価値算出部130と、物件価値評価サービス提供部140及び物件価値評価部150とを、物理的に異なる2つのサーバにより実現することが考えられる。
【0016】
駅情報入力部110は、駅価値を評価すべき駅に関する駅情報121の入力を受ける。駅情報入力部110により入力される駅情報121には、例えば、駅名、路線名、位置(緯度経度)、駅間の所要時間、乗降客数、各時間帯における乗り入れ本数や輸送力等の情報のうち、少なくとも一部を含みうる。入力された駅情報121は、DB120に格納される。
【0017】
駅価値算出部130は、DB120に格納された駅情報121に基づき、各々の駅価値を算出し、駅価値情報123としてDB120に格納する。駅価値算出部130は、ハブ駅特定部131及び駅関係特定部133を有する。
【0018】
ハブ駅特定部131は、駅情報121に基づき、近隣地域の中心地と見做せる1以上のハブ駅を特定する。ハブ駅の特定方法は種々考えられるが、例えば、各々の駅の乗降客数のうち、上位N駅(Nは整数)、或いは閾値以上の乗降客数のある駅をハブ駅とすることが考えられる。この他、1日辺りの電車の乗り入れ本数や、1日に乗り入れる電車の輸送力、等の少なくとも一部に基づいてハブ駅を特定することも考えられる。
【0019】
駅関係特定部133は、評価対象となる駅とハブ駅との間の、物件価値の評価に影響しうる関係性を特定する。この際、評価対象の駅と全てのハブ駅との関係性を考慮することも考えられるが、ここでは、最も近いハブ駅(到達可能時間が最も短い場合も含む)と評価対象駅との関係性を特定するものとする。駅とハブ駅との関係性については種々考えられるが、例えば、駅価値を算定する処理対象駅とハブ駅との間の移動所要時間(例えば、快速電車等を利用しうる場合には、快速電車を利用した場合の最短の所要時間としてもよい)や、処理対象駅とハブ駅との間の1日の総輸送量や本数、運賃、特定しうる場合には、処理対象駅とハブ駅との間の移動人数や処理対象駅で乗ってハブ駅で下りる人数等を考慮しても良い。
【0020】
駅価値算出部130は、駅関係特定部133が特定した、処理対象駅とハブ駅との関係性に基づいて駅価値を算出する。上述の例を使用するのであれば、処理対象駅からハブ駅の間の移動所要時間が短ければ駅価値が高く、処理対象駅とハブ駅との間の1日の総輸送量や本数が大きければ駅価値が高く、処理対象駅とハブ駅との間の移動人数が大きければ駅価値が高く、運賃が安ければ駅価値が高くなるように、駅価値の算出関数を設定すれば良い。なお、駅価値を算出する上で、これらの要素を全て考慮する必要はなく、処理対象駅とハブ駅との関係性を示す少なくとも1つの指標があれば、駅価値を評価することは可能である。算出された駅価値は、駅価値情報123としてDB120に格納される。
【0021】
なお、駅価値算出部130が駅価値を算出する際に、処理対象駅の最寄りのハブ駅を考慮することも考えられる。この場合、例えば、ハブ駅特定部131が、ハブ駅を特定する際に、例えば乗降客数等に応じて各ハブ駅に対するランク付けを行った上で、処理対象駅の最寄りとなるハブ駅のランクに応じて、駅価値が変動すればよい。また、処理対象駅と最寄りの1つのハブ駅との関係性だけでなく、処理対象駅と複数のハブ駅との関係性を考慮して駅価値を算出する場合には、それぞれの関係性に重みをつけて駅価値を評価することも考えられる。
【0022】
物件価値評価サービス提供部140は、例えばインターネット等を介して、物件価値の評価サービスをユーザに対して提供する。物件価値評価サービス提供部140がインターネットを介して物件価値評価サービスを提供する場合、例えば、ユーザは自身の操作するユーザ端末(例えば、携帯電話(いわゆるスマートフォンであるかフィーチャーフォンであるかは問わない)やパーソナルコンピュータ、タブレット端末等)のブラウザや専用のアプリケーションから、価値評価を知りたい物件の情報(住所や物件名、築年数、広さ、間取り、方角、階数等の情報を含みうる)を入力し、物件の価値評価を行うための操作(例えば「評価」ボタンの選択等)を行う。これに応じて、物件価値評価サービス提供部140は、当該物件情報に基づく物件価値評価を物件価値評価部150に依頼し、物件価値評価部150が算出した物件価値(例えば、推測される物件の価格等)の情報を、物件価値評価サービス提供部140はユーザ端末へ送信する。
【0023】
物件価値評価部150は、物件価値評価サービス提供部140から評価対象の物件情報の入力を受け、当該物件に対する価値を評価(例えば推定価格を算定)する。物件価値評価部150は、最寄駅特定部151及び駅価値読込部153を含む。
【0024】
最寄駅特定部151は、評価対象の物件の最寄駅を特定する。最寄駅の特定方法としては、例えば、物件の最も近くにある駅としても良いし、或いは物件から最も近いバス停から乗車可能なバスで到達可能な駅のうち、最も近くにある駅としても良い。若しくは、物件情報内に、最寄駅情報を含む(すなわち、ユーザに最寄駅情報を入力させる)ようにしても良い。
【0025】
駅価値読込部153は、DB120から、最寄駅特定部151が特定した、評価対象物件の最寄駅に関する駅価値情報123を読み込む。物件価値評価部150は、駅価値読込部153が読み込んだ、評価対象物件の最寄駅の駅価値を1つのパラメータとして、物件価値を評価する。物件価値の評価に影響を与えるパラメータとしては、最寄駅の駅価値の他、駅からの距離(徒歩分数)、築年数、間取り、方角、階数等が考えられる。物件価値評価部150は、例えば、所定の価値評価関数にこれらのパラメータの値を入力することにより、物件価値を算出することができる。なお、価値評価関数は、例えば、多数の物件に関する物件情報と価値情報(例えば価格情報)とが対応付けられた学習データ等を用いて、学習により生成することが可能である。
【0026】
[3 処理の流れ]
以下、
図2及び
図3を参照しながら、システム監視装置100の処理の流れを説明する。
図2及び
図3は、システム監視装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0028】
[3.1 駅価値算出の処理の流れ]
まず、
図2を参照しながら、情報処理システム1による駅価値評価にかかる処理を説明する。
図2は、駅価値評価にかかる情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
まず駅情報入力部110は、各々の駅に関する駅情報121の入力を受ける(S201)。先述のとおり、駅情報121には、駅名、路線名、位置、駅間の所要時間、乗降客数、各時間帯における乗り入れ本数や輸送力等の情報を含みうる。入力された駅情報121はDB120に格納される。
【0030】
ハブ駅特定部131は、多数の駅の中から、駅情報121に基づいてハブ駅を特定する(S203)。先述のとおり、例えば、各駅の中で乗降客数が上位(例えば、上位○駅、又は閾値以上の乗降客数)の駅をハブ駅とすることができる。
【0031】
駅関係特定部133は、駅価値を評価すべき駅の中から、処理対象駅を1つ特定した上で(S205)、当該処理対象駅から最も近い(例えば、移動に必要な所要時間が最も短い)ハブ駅を特定する(S207)。その上で、処理対象駅と最寄りハブ駅との関係性、例えば最短所要時間を特定する(S209)。その上で駅価値算出部130は、当該最短所要時間等のハブ駅との関係性に応じた処理対象駅の駅価値を算出し、駅価値情報123としてDBへ登録する(S211)。駅関係特定部133は、S205乃至S211の処理を、駅価値を評価すべき全ての駅に対して行う(S213)。
【0032】
[3.2 物件価値評価の処理の流れ]
続いて、
図3を参照しながら、情報処理システム1による物件評価にかかる処理を説明する。
図3は、物件価値評価にかかる情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
まず物件価値評価サービス提供部140は、ユーザが操作するユーザ端末等から、評価対象となる物件の物件情報の入力を受ける(S301)。物件情報には、物件を評価するために必要な情報、例えば住所や物件名、築年数、広さ、間取り、方角、階数等の情報を含みうる。
【0034】
最寄駅特定部151は、入力された物件情報に基づき、評価対象の物件の最寄駅を特定する(S303)。最寄駅の特定方法としては、先述のとおり、例えば、評価対象の物件の位置から最も距離が近い駅を最寄駅とする手法等が考えられる。
【0035】
駅価値読込部153は、DB120に予め格納された駅価値情報123を読み込むことにより、最寄駅の駅価値を特定する(S305)。物件価値評価部150は、物件の最寄駅の駅価値を含む、物件のパラメータを物件価値評価関数等に入力することで、物件価値を算出する(S307)。
物件価値評価サービス提供部140は、物件価値評価部150により算出された物件価値を、例えばユーザ端末等の外部装置等へ出力する(S309)。
【0036】
[4 ハードウェア構成]
以下、
図4を参照しながら、情報処理システム1を実現可能なコンピュータのハードウェア構成を説明する。情報処理システム1は、制御部401と、記憶部405と、通信インタフェース(I/F)部411と、入力部413と、表示部415とを含み、各部はバスライン417を介して接続される。
【0037】
制御部401は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)403等を含む。制御部401は、記憶部405に記憶される制御プログラム407を実行することにより、一般的なコンピュータとしての機能に加え、
図1に示した情報処理システム1の各構成に関する処理を実行可能に構成される。例えば、
図1に示した駅情報入力部110、駅価値算出部130、物件価値評価サービス提供部140、及び物件価値評価部150は、RAM403に一時記憶された上で、CPU上で動作する制御プログラム407として実現可能である。
【0038】
また、RAM403は、制御プログラム407に含まれるコードの他、駅情報121や駅価値情報123等の一部又は全部を一時的に記憶する。更にRAM403は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
【0039】
記憶部405は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部405は、一般的なコンピュータとしての機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)や制御プログラム407、及びその実行に必要となるデータであるDB120を記憶する。先述のとおり、DB120には、駅情報121や駅価値情報123を含みうる。
【0040】
通信I/F部411は、必要に応じて、ユーザ端末等の外部の情報処理装置と有線又は無線によりデータ通信を行うためのデバイスである。例えば、物件価値評価サービス提供部140がユーザ端末から物件情報の入力を受け、当該物件に対する評価結果をユーザ端末に出力する場合には、当該入出力処理は、通信I/F部411を介して行うことが考えられる。
【0041】
入力部413は、情報処理システム1の管理者から各種入力操作を受け付けるためのデバイスである。入力部413の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等を挙げることができる。
【0042】
表示部415は、情報処理システム1を管理する管理者に各種情報を提示するためのディスプレイ装置である。表示部415の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。
【0043】
[5 本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1は、物件の価値評価をする際、評価対象の物件の最寄駅の駅価値に基づいて物件価値を算定する。この際、駅価値は、例えば多くの乗降客が利用するターミナル駅等であるハブ駅との関係性に応じて算出される。この結果、例えば、ターミナル駅にアクセスしやすい駅(例えば、ターミナル駅からの距離は少し遠くとも、快速電車の停車駅で短時間でターミナル駅に到着できる駅)を最寄駅とする物件の価値は相対的に高く、ターミナル駅にアクセスしにくい駅(例えば、ターミナル駅からの距離はそれほど遠くないものの、各駅停車の電車しか止まらずターミナル駅への所要時間が長い駅)を最寄駅とする物件の価値は相対的に低く評価される。これにより、実際の取引価格の実情に近い形で物件価値を評価することが可能となる。
【0044】
[6 付記]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…情報処理システム、100…システム監視装置、110…駅情報入力部、120…データベース(DB)、130…駅価値算出部、131…ハブ駅特定部、133…駅関係特定部、140…物件価値評価サービス提供部、150…物件価値評価部、151…最寄駅特定部、153…駅価値読込部、401…制御部、403…RAM、405…記憶部、407…制御プログラム、411…通信インタフェース(I/F)部、413…入力部、415…表示部、417…バスライン