(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】車両用操作検出装置
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20220404BHJP
E05F 15/655 20150101ALI20220404BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20220404BHJP
B60J 5/06 20060101ALI20220404BHJP
G01V 3/08 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
E05F15/73
E05F15/655
B60J5/04 C
B60J5/06 A
G01V3/08 D
(21)【出願番号】P 2018003806
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】合山 隆弥
(72)【発明者】
【氏名】安田 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】新宮 啓司
(72)【発明者】
【氏名】賀川 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】金田 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】大江 健介
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507385(JP,A)
【文献】特表2017-503939(JP,A)
【文献】特開2016-188537(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014013213(DE,A1)
【文献】特開2017-150222(JP,A)
【文献】特開2014-122853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
B60J 5/00- 5/14
G01V 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓開口部を有する車両ドアに設けられ、検出対象が近付くことで静電容量が大きくなる検出範囲を有するセンサ電極を備え、
前記センサ電極は、車両外側に広がる検出範囲を有する外側電極と、車両内側に広がる検出範囲を有する内側電極と、を有し、
前記外側電極及び前記内側電極は、電気的に独立して
おり、
前記内側電極における静電容量に基づき、前記検出対象が車両外側から近付いたか否かを判別する車両用操作検出装置であって、
前記外側電極は、前記車両ドアの開閉方向と直交する幅方向において、前記内側電極と隣り合うように配置されており、
前記静電容量に基づいて、前記車両ドアを開閉動作するアクチュエータを制御する制御部を備え、
前記外側電極を第2電極としたとき、前記センサ電極は、前記車両外側に広がる検出範囲を有する第1電極及び第3電極をさらに有し、
前記第1電極は、前記第2電極の前記車両ドアの閉方向に前記第2電極と並ぶように設けられ、
前記第3電極は、前記第2電極の前記車両ドアの開方向に前記第2電極と並ぶように設けられ、
前記制御部は、
前記検出対象が前記第2電極に近付く状況が継続するとき、前記車両ドアを開動作又は閉動作させ、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極のうち、前記検出対象が近付く電極が前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の順に変化する場合には前記車両ドアを開動作させる一方、前記検出対象が近付く電極が前記第3電極、前記第2電極及び前記第1電極の順に変化する場合には前記車両ドアを閉動作させ、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の各々は、電気的に独立し、
前記内側電極は、前記第1電極及び前記第3電極の一方と電気的に接続される
車両用操作検出装置。
【請求項2】
前記内側電極は、前記車両ドアの開閉方向において、前記第1電極及び前記第2電極に重なるように配置され、前記第3電極と電気的に接続される
請求項
1に記載の車両用操作検出装置。
【請求項3】
窓開口部を有する車両ドアに設けられ、検出対象が近付くことで静電容量が大きくなる検出範囲を有するセンサ電極を備え、
前記センサ電極は、車両外側に広がる検出範囲を有する外側電極と、車両内側に広がる検出範囲を有する内側電極と、を有し、
前記外側電極及び前記内側電極は、電気的に独立しており、
前記内側電極における静電容量に基づき、前記検出対象が車両外側から近付いたか否かを判別する車両用操作検出装置であって、
前記外側電極は、前記車両ドアの開閉方向と直交する幅方向において、前記内側電極と隣り合うように配置されており、
前記静電容量に基づいて、前記車両ドアを開閉動作するアクチュエータを制御する制御部を備え、
前記外側電極は、前記車両ドアの開方向に順に並ぶように設けられる第1電極、第2電極及び第3電極を有し、
前記制御部は、
前記検出対象が前記第2電極に近付く状況が継続するとき、前記車両ドアを開動作又は閉動作させ、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極のうち、前記検出対象が近付く電極が前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の順に変化する場合には前記車両ドアを開動作させる一方、前記検出対象が近付く電極が前記第3電極、前記第2電極及び前記第1電極の順に変化する場合には前記車両ドアを閉動作させ、
前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記内側電極の各々は、電気的に独立する
車両用操作検出装置。
【請求項4】
前記外側電極の検出範囲及び前記内側電極の検出範囲は、少なくとも一部が重複する
請求項1
~請求項3の何れか一項に記載の車両用操作検出装置。
【請求項5】
前記内側電極の検出範囲は、前記外側電極の検出範囲よりも小さく設定される
請求項1
~請求項
4の何れか一項に記載の車両用操作検出装置。
【請求項6】
前記内側電極の面積は、前記外側電極の面積よりも小さい
請求項
5に記載の車両用操作検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用操作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のサイドドアを自動的に開閉させるドア開閉駆動部と、サイドドアに設けられる静電容量センサと、静電容量センサの検知結果に基づいてドア開閉駆動部を駆動する制御部と、を備える自動開閉装置が記載されている。この自動開閉装置は、例えば、利用者がサイドドアの外側から静電容量センサに手を近付けた場合に、サイドドアを開閉動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような自動開閉装置において、静電容量センサは、サイドドアの上端部に設けられるベルトモールに搭載される場合がある。この場合には、利用者の利便性の向上のために、静電容量センサの検出範囲を車両外側に広げようとすると、ベルトモールと窓ガラスを挟んで対向する範囲、すなわち、サイドドアの側方の座席に着座する利用者の手の届き得る範囲が、静電容量センサの検出範囲となる可能性がある。このため、上記のような自動開閉装置の静電容量センサは、車両内側からの操作を車両外側からの操作として検出する可能性がある。本発明の目的は、車両外側からの操作を正しく検出できる車両用操作検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する車両用操作検出装置は、窓開口部を有する車両ドアに設けられ、検出対象が近付くことで静電容量が大きくなる検出範囲を有するセンサ電極を備え、前記センサ電極は、車両外側に広がる検出範囲を有する外側電極と、車両内側に広がる検出範囲を有する内側電極と、を有し、前記外側電極及び前記内側電極は、電気的に独立しており、前記内側電極における静電容量に基づき、前記検出対象が車両外側から近付いたか否かを判別する車両用操作検出装置であって、前記外側電極は、前記車両ドアの開閉方向と直交する幅方向において、前記内側電極と隣り合うように配置されており、前記静電容量に基づいて、前記車両ドアを開閉動作するアクチュエータを制御する制御部を備え、前記外側電極を第2電極としたとき、前記センサ電極は、前記車両外側に広がる検出範囲を有する第1電極及び第3電極をさらに有し、前記第1電極は、前記第2電極の前記車両ドアの閉方向に前記第2電極と並ぶように設けられ、前記第3電極は、前記第2電極の前記車両ドアの開方向に前記第2電極と並ぶように設けられ、前記制御部は、前記検出対象が前記第2電極に近付く状況が継続するとき、前記車両ドアを開動作又は閉動作させ、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極のうち、前記検出対象が近付く電極が前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の順に変化する場合には前記車両ドアを開動作させる一方、前記検出対象が近付く電極が前記第3電極、前記第2電極及び前記第1電極の順に変化する場合には前記車両ドアを閉動作させ、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の各々は、電気的に独立し、前記内側電極は、前記第1電極及び前記第3電極の一方と電気的に接続される。
【0006】
通常、車両の窓開口部は、窓ガラスで塞がれることはあるものの金属などの導体で塞がれない。このため、上記構成の車両用操作検出装置(以下、「検出装置」とする。)は、外側電極の検出範囲を車両外側に広げるに伴い、当該検出範囲が窓開口部を介して車両内側にも広がりやすくなる。すなわち、利用者が車両外側から検出装置に身体の一部(以下、「手」とする。)を近付ける場合及び利用者が車両内側から検出装置に手を近付ける場合に、外側電極における静電容量が同じように変化する可能性がある。
【0007】
その一方で、上記構成において、外側電極の検出範囲は車両外側に設定され、内側電極の検出範囲は車両内側に設定される。このため、利用者が車両の内側から検出装置に手を近付ける場合には、利用者が車両の外側から検出装置に手を近付ける場合よりも、内側電極における静電容量が変化しやすい。また、外側電極及び内側電極は電気的に独立しているため、各々の電極における静電容量は、各々の電極に対する利用者の手の接近により各々変化する。したがって、上記構成の検出装置は、内側電極における静電容量に基づき、利用者が車両外側から検出装置に手が近付けたか否かを判別できる。こうして、検出装置は、車両外側からの操作を正しく検出できる。
上記構成によれば、利用者が検出装置に手を近付ける際に、利用者の手及び外側電極の間隔と利用者の手及び内側電極の間隔とがともに短くなる。言い換えれば、利用者の手が外側電極のみに近付いたり、利用者の手が内側電極のみに近付いたりしない。このため、利用者が車両外側から検出装置に手を近付ける場合には、外側電極における静電容量が高くなりやすく、内側電極における静電容量が小さくなりやすい。一方、利用者が車両内側から検出装置に手を近付ける場合には、内側電極における静電容量が高くなりやすく、外側電極における静電容量が小さくなりやすい。その結果、利用者が検出装置に手を近付ける際に、外側電極及び内側電極における静電容量に差が生じやすくなる。よって、上記構成の検出装置は、車両外側から操作が行われたか車両内側から操作が行われたかを精度良く判別できる。
上記構成によれば、利用者は、第2電極に手を近付けた状態を維持する操作と、手を近付ける電極を第1電極、第2電極及び第3電極に順に変化させる操作と、手を近付ける電極を第3電極、第2電極及び第1電極に順に変化させる操作と、によって、車両ドアを開閉動作できる。こうした操作の中でも、第2電極に手を近付けた状態を維持する操作によって車両ドアを開閉動作させる場合には、検出装置は、内側電極における静電容量に基づき、利用者が車両外側から操作を行ったか否かを判別できる。さらに、内側電極は、第1電極及び第3電極の一方と電気的に接続されているため、第1電極、第2電極、第3電極及び内側電極の各々を電気的に独立とする場合に比較して、検出装置を簡素に構成できる。
上記車両用操作検出装置において、前記内側電極は、前記車両ドアの開閉方向において、前記第1電極及び前記第2電極に重なるように配置され、前記第3電極と電気的に接続されることが好ましい。
上記構成によれば、利用者が手を近付ける電極を第1電極、第2電極及び第3電極の順に変化させる操作により車両ドアを開動作させる際に、検出装置は、内側電極における静電容量に基づいて、利用者が車両外側から操作を行ったか否かを判別できる。さらに、内側電極は、第3電極と電気的に接続されているため、第1電極、第2電極、第3電極及び内側電極の各々を電気的に独立とする場合に比較して、検出装置を簡素に構成できる。
上記課題を解決する車両用操作検出装置は、窓開口部を有する車両ドアに設けられ、検出対象が近付くことで静電容量が大きくなる検出範囲を有するセンサ電極を備え、前記センサ電極は、車両外側に広がる検出範囲を有する外側電極と、車両内側に広がる検出範囲を有する内側電極と、を有し、前記外側電極及び前記内側電極は、電気的に独立しており、前記内側電極における静電容量に基づき、前記検出対象が車両外側から近付いたか否かを判別する車両用操作検出装置であって、前記外側電極は、前記車両ドアの開閉方向と直交する幅方向において、前記内側電極と隣り合うように配置されており、前記静電容量に基づいて、前記車両ドアを開閉動作するアクチュエータを制御する制御部を備え、前記外側電極は、前記車両ドアの開方向に順に並ぶように設けられる第1電極、第2電極及び第3電極を有し、前記制御部は、前記検出対象が前記第2電極に近付く状況が継続するとき、前記車両ドアを開動作又は閉動作させ、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極のうち、前記検出対象が近付く電極が前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極の順に変化する場合には前記車両ドアを開動作させる一方、前記検出対象が近付く電極が前記第3電極、前記第2電極及び前記第1電極の順に変化する場合には前記車両ドアを閉動作させ、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極及び前記内側電極の各々は、電気的に独立する。
通常、車両の窓開口部は、窓ガラスで塞がれることはあるものの金属などの導体で塞がれない。このため、上記構成の車両用操作検出装置(以下、「検出装置」とする。)は、外側電極の検出範囲を車両外側に広げるに伴い、当該検出範囲が窓開口部を介して車両内側にも広がりやすくなる。すなわち、利用者が車両外側から検出装置に身体の一部(以下、「手」とする。)を近付ける場合及び利用者が車両内側から検出装置に手を近付ける場合に、外側電極における静電容量が同じように変化する可能性がある。
その一方で、上記構成において、外側電極の検出範囲は車両外側に設定され、内側電極の検出範囲は車両内側に設定される。このため、利用者が車両の内側から検出装置に手を近付ける場合には、利用者が車両の外側から検出装置に手を近付ける場合よりも、内側電極における静電容量が変化しやすい。また、外側電極及び内側電極は電気的に独立しているため、各々の電極における静電容量は、各々の電極に対する利用者の手の接近により各々変化する。したがって、上記構成の検出装置は、内側電極における静電容量に基づき、利用者が車両外側から検出装置に手が近付けたか否かを判別できる。こうして、検出装置は、車両外側からの操作を正しく検出できる。
上記構成によれば、利用者が検出装置に手を近付ける際に、利用者の手及び外側電極の間隔と利用者の手及び内側電極の間隔とがともに短くなる。言い換えれば、利用者の手が外側電極のみに近付いたり、利用者の手が内側電極のみに近付いたりしない。このため、利用者が車両外側から検出装置に手を近付ける場合には、外側電極における静電容量が高くなりやすく、内側電極における静電容量が小さくなりやすい。一方、利用者が車両内側から検出装置に手を近付ける場合には、内側電極における静電容量が高くなりやすく、外側電極における静電容量が小さくなりやすい。その結果、利用者が検出装置に手を近付ける際に、外側電極及び内側電極における静電容量に差が生じやすくなる。よって、上記構成の検出装置は、車両外側から操作が行われたか車両内側から操作が行われたかを精度良く判別できる。
上記構成によれば、利用者は、第2電極に手を近付けた状態を維持する操作と、手を近付ける電極を第1電極、第2電極及び第3電極に順に変化させる操作と、手を近付ける電極を第3電極、第2電極及び第1電極に順に変化させる操作と、によって、車両ドアを開閉動作できる。そして、車両用操作検出装置は、何れの操作がされる場合でも、内側電極における静電容量の大きさに基づき、当該操作が車両の外側から行われたか否かを判別できる。
【0008】
上記車両用操作検出装置において、前記外側電極の検出範囲及び前記内側電極の検出範囲は、少なくとも一部が重複することが好ましい。
外側電極の検出範囲及び内側電極の検出範囲を重複させない場合には、外側電極及び内側電極を互いに離して配置したり、外側電極及び内側電極の間に電気的なシールドを配置したりする必要がある。このため、この場合には、車両用操作検出装置に設計上の制約が生じやすい。これに対し、上記構成の車両用操作検出装置は、外側電極の検出範囲及び内側電極の検出範囲の重複を許容するため、上述したような設計上の制約を生じにくくできる。
【0009】
上記車両用操作検出装置において、前記内側電極の検出範囲は、前記外側電極の検出範囲よりも小さく設定されることが好ましい。
上記構成によれば、内側電極の検出範囲が車両外側に広がりにくくなる。このため、利用者が車両の内側から検出装置に手を近付ける場合と、利用者が車両の外側から検出装置に手を近付ける場合とで、内側電極における静電容量に差が生じやすくなる。その結果、検出装置は、車両外側からの操作をより正しく検出できる。
【0010】
上記車両用操作検出装置において、前記内側電極の面積は、前記外側電極の面積よりも小さいことが好ましい。
上記構成によれば、内側電極の検出範囲が外側電極の検出範囲よりも小さくなる車両用操作検出装置を容易に実現できる。
【発明の効果】
【0018】
上記構成の車両用操作検出装置によれば、車両外側からの操作を正しく検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る車両用操作検出装置を備える車両の模式図。
【
図2】第1実施形態に係る車両用操作検出装置が設けられた車両ドアの断面図。
【
図3】第1実施形態に係る車両用操作検出装置の概略構成を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態に係る車両用操作検出装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図5】第1実施形態において、第1操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図6】第1実施形態において、第2操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図7】第1実施形態において、第3操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図8】第1実施形態における静電容量の変化を示すタイミングチャートであって、(a)は利用者が第1操作を行う場合を示し、(b)は利用者が車両内側から検出装置に対して身体の一部を近付ける場合を示す。
【
図9】第1実施形態における静電容量の変化を示すタイミングチャートであって、(a)は利用者が第2操作を行う場合を示し、(b)は利用者が車両内側から検出装置に対して第2操作に相当する操作を行う場合を示す。
【
図10】比較例に係る車両用操作検出装置が設けられた車両ドアの断面図。
【
図11】第2実施形態に係る車両用操作検出装置の概略構成を示す斜視図。
【
図12】第2実施形態において、第1操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図13】第2実施形態において、第2操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図14】第2実施形態において、第3操作を検出するために制御回路が実行する処理の流れを説明するフローチャート。
【
図15】第2実施形態における静電容量の変化を示すタイミングチャートであって、(a)は利用者が第1操作を行う場合を示し、(b)は利用者が車両内側から検出装置に対して身体の一部を近付ける場合を示す。
【
図16】第2実施形態における静電容量の変化を示すタイミングチャートであって、(a)は利用者が第2操作を行う場合を示し、(b)は利用者が車両内側から検出装置に対して第2操作に相当する操作を行う場合を示す。
【
図17】第1の変更例に係る車両用操作検出装置の概略構成を示す斜視図。
【
図18】(a),(b)は、第2の変更例に係る車両用操作検出装置の概略構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、車両用操作検出装置(以下、「検出装置」とも言う。)の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に示すように、自動車などの車両1のボデー2の側部には開口2aが形成されている。また、ボデー2の側部には、前後方向への移動に伴って開口2aを開閉するスライド式の車両ドア3が搭載されている。この車両ドア3は、その下部を構成するほぼ袋状のドア本体4と、ドア本体4に形成される窓開口部4aを塞ぐ窓ガラス5と、を有する。そして、ドア本体4には、閉状態にある車両ドア3を施解錠するドアロック6が設置されている。
【0022】
車両ドア3には、例えばドア本体4において、ドア駆動ユニット11が設置されている。このドア駆動ユニット11は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のドア駆動機構を介してボデー2と機械的に連係されることで車両ドア3を開閉駆動する。また、車両ドア3には、例えばドアロック6に隣接して、ドアロック駆動ユニット12が設置されている。このドアロック駆動ユニット12は、例えば電動モータなどの電気的駆動源を主体に構成されており、適宜のロック駆動機構を介してドアロック6と機械的に連係されることで該ドアロック6を施解錠駆動する。こうした点で、第1実施形態では、ドア駆動ユニット11が「アクチュエータ」の一例に相当する。
【0023】
ドア駆動ユニット11及びドアロック駆動ユニット12は共に、マイコンなどからなるドアECU10に電気的に接続されており、該ドアECU10によって個別に駆動制御される。ドアECU10は、電子キー(携帯機)及び後述する検出装置30から開動作指令信号が入力された場合に、ドア駆動ユニット11を駆動し、車両ドア3を開動作させる。また、ドアECU10は、電子キー(携帯機)及び検出装置30から閉動作指令信号が入力された場合に、ドア駆動ユニット11を駆動し、車両ドア3を閉動作させる。
【0024】
図2に示すように、ドア本体4は、例えば金属板からなるほぼ皿状のドアアウタパネル21及びドアインナパネル22の開口端同士が嵌着されることでほぼ袋状に成形されている。また、ドアインナパネル22には、車両1の室内の意匠を形成するドアトリム23が取着されている。そして、ドアインナパネル22とドアトリム23との間に形成される空間の上部、すなわち、窓開口部4aの縁には、車両1の幅方向における外側(車両外側)からの利用者の操作を検出する検出装置30が配置されている。
【0025】
次に、検出装置30について詳しく説明する。
図3及び
図4に示すように、検出装置30は、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34と、第3電極33及び第4電極34を電気的に連結する連結部35と、導体からなるシールド板36と、を備える。また、検出装置30は、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34に接続される検出回路37と、ドアECU10に制御信号を出力する制御回路38と、検出装置30の構成部材が実装される基板39と、検出装置30の構成部材を収容する筐体30Aと、を備える。
【0026】
図1及び
図2に示すように、検出装置30は、車両1の室内、詳しくは、窓開口部4aの車両1の幅方向における内側(車両内側)に設けられている。このため、検出装置30は、窓ガラス5(窓開口部4a)を介して、車両1の幅方向における外側(車両外側)に露出している。
図3に示すように、検出装置30(筐体30A)は、長尺状且つほぼ直方体状をなしている。筐体30Aの長手方向における長さは、車両ドア3の窓ガラス5の前後方向における長さよりも短くなっている。
【0027】
図3に示すように、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34は、ほぼ矩形板状をなしている。第1電極31、第2電極32及び第3電極33の各々は、板厚方向と直交する面の面積が等しく、第4電極34は、他の電極31,32,33よりも、板厚方向と直交する面の面積が小さくなっている。また、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の各々は、同じ方向(第1方向D1)を向いた状態で、筐体30Aの長手方向に間隔をおいて配置されている。一方、第4電極34は、他の電極31,32,33が向く方向(第1方向D1)と異なる方向(第2方向D2)を向いた状態で、筐体30Aの長手方向と直交する方向において、第1電極31及び第2電極32と隣り合うように配置されている。
【0028】
第1電極31、第2電極32及び第3電極33の各々は、電気的に独立し、第4電極34は、連結部35を介して第3電極33と電気的に接続されている。言い換えれば、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34のうち、第3電極33及び第4電極34は同電位となっている。また、シールド板36は、第1電極31、第2電極32及び第3電極33と対向するように、筐体30Aの一側面を覆っている。
【0029】
第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34は、各々の電極31~34に接近した検出対象とともに擬似的なコンデンサを形成する。このため、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34は、各々の電極31~34に検出対象が近付くほど、検出対象との関係で定まる静電容量が高くなる。以降の説明では、電極において、電界が発生する範囲であって、検出対象が近付くことで静電容量が変化する範囲を「検出範囲」とも言う。さらに、各々の電極31~34のうちの任意の電極について説明をする場合には、符号を省略するものとする。
【0030】
本実施形態では、各々の電極31~34に検出対象が接近したことを判定するための「判定値Cth」が設定される。すなわち、電極において、静電容量が判定値Cth以上となれば当該電極に検出対象が接近したとされ、静電容量が判定値Cth未満であれば当該電極に検出対象が接近していないとされる。以降の説明では、こうした電極と検出対象との位置関係で求まる静電容量を単に「電極における静電容量」とも言う。
【0031】
そして、検出装置30が車両1に取り付けられた状態では、第1電極31が最も車両1の前側(閉方向DC側)に位置し、第3電極33が最も車両1の後側(開方向DO側)に位置し、第2電極32が第1電極31及び第3電極33の間に位置する。また、第1電極31、第2電極32及び第3電極33は、板厚方向が車両1の幅方向となり、第4電極34は、板厚方向が車両1の上下方向となる。このため、第4電極34は、車両ドア3の開閉方向と直交する車両1の幅方向において、第1電極31及び第2電極32と隣り合うように配置される。さらに、
図2に示すように、車両1の幅方向から検出装置30を見たときの第1電極31、第2電極32及び第3電極33の車両1の高さ方向における長さLaは、車両1の高さ方向から検出装置30を見たときの第4電極34の長さLbよりも長くなる。
【0032】
また、検出装置30において、第1電極31、第2電極32及び第3電極33は車両外側に配置され、第4電極34は車両1の高さ方向における上側(車両上側)に配置され、シールド板36は車両内側に配置される。なお、車両1の幅方向において、第1電極31、第2電極32及び第3電極33は、第4電極34よりも外側に配置される。
【0033】
その結果、
図2に示すように、第1電極31、第2電極32及び第3電極33は、車両1の幅方向外側に広がる検出範囲A1,A2,A3を有し、第4電極34は、車両1の上側に広がる検出範囲A4を有する。ここで、第1電極31、第2電極32及び第3電極33における検出範囲A1,A2,A3は車両外側だけでなく車両内側にも広がり、第4電極34の検出範囲A4は車両内側だけでなく車両外側にも広がっている。このため、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1,A2,A3は、第4電極34の検出範囲A4と一部が重複している。
【0034】
また、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1,A2,A3は、車両内側よりも車両外側に大きく広がり、第4電極34の検出範囲A4は、車両外側よりも車両内側に大きく広がっている。一方、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の各々は、第4電極34よりも面積が大きく、導体のシールド板36から離れて配置されている点で、第4電極34よりも大きな検出範囲を有している。なお、
図2においては、窓ガラス5(窓開口部4a)が、車両内側と車両外側とを区画している。
【0035】
こうした点で、本実施形態では、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34が「センサ電極」の一例に相当する。また、第2電極32が車両外側に広がる検出範囲A2を有する「外側電極」の一例に相当し、第4電極34が車両内側に広がる検出範囲A4を有する「内側電極」の一例に相当する。
【0036】
図4に示すように、検出回路37は、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の各々に対して直接的に接続され、第4電極34に対して第3電極33を介して間接的に接続されている。検出回路37は、第1電極31、第2電極32及び第3電極33(第4電極34)に発振信号を出力することで、第1電極31、第2電極32、第3電極33(第4電極34)における静電容量に応じた信号を出力させる。そして、検出回路37は、第1電極31、第2電極32、第3電極33(第4電極34)から出力される信号をそれぞれA/D(アナログ/デジタル)変換した信号を制御回路38に出力する。
【0037】
制御回路38は、検出回路37から出力される信号に基づいて各種の演算処理を実行し、その結果に応じた制御信号をドアECU10に出力する。詳しくは、制御回路38は、第1電極31、第2電極32、第3電極33(第4電極34)における静電容量に基づいて、車両ドア3を開動作させるための開動作指令信号をドアECU10に出力したり、車両ドア3を閉動作させるための閉動作指令信号をドアECU10に出力したりする。こうした点で、本実施形態において、制御回路38は「制御部」の一例に相当する。
【0038】
以下、制御回路38について詳しく説明する。
本実施形態において、検出装置30の制御回路38は、第1電極31、第2電極32、第3電極33(第4電極34)における静電容量が特定の条件を満たすように変化する場合に、ドアECU10に開動作指令信号及び閉動作指令信号を出力する。
【0039】
詳しくは、制御回路38は、所定の判定時間に亘って、検出対象が第2電極32に近付く状態が維持される場合に、ドアECU10に開動作指令信号を出力したり、閉動作指令信号を出力したりする。つまり、制御回路38は、判定時間に亘って、第2電極32における静電容量が判定値Cth以上となる場合に、ドアECU10に開動作指令信号を出力したり、閉動作指令信号を出力したりする。
【0040】
また、制御回路38は、検出対象が近付く電極が第1電極31、第2電極32及び第3電極33の順に変化する場合に、ドアECU10に開動作指令信号を出力する。つまり、制御回路38は、静電容量が判定値Cth以上となる電極が、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の順に変化する場合、ドアECU10に開動作指令信号を出力する。
【0041】
さらに、制御回路38は、検出対象が近付く電極が第3電極33、第2電極32及び第1電極31の順に変化する場合に、ドアECU10に閉動作指令信号を出力する。つまり、制御回路38は、静電容量が判定値Cth以上となる電極が、第3電極33、第2電極32及び第1電極31の順に変化する場合、ドアECU10に閉動作指令信号を出力する。
【0042】
なお、検出装置30において、検出対象は、利用者の手、腕などの身体の一部である。以降の説明では、説明の容易のために、利用者は手を用いて検出装置30を操作するものとする。さらに、利用者が手を車両外側から判定時間に亘って第2電極32に近付ける操作を「第1操作」とも言う。また、利用者が車両外側から手を近付ける電極を第1電極31、第2電極32及び第3電極33の順に変化させる操作を「第2操作」とも言う。さらに、利用者が車両外側から手を近付ける電極を第3電極33、第2電極32及び第1電極31の順に変化させる操作を「第3操作」とも言う。第1操作における利用者の手の移動方向は、車両1の幅方向に沿う方向であり、第2操作及び第3操作における利用者の手の移動方向は、車両1の前後方向(開方向DO又は閉方向DC)である。
【0043】
ところで、第1実施形態のように、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1~A3が、車両内側に広がる検出装置30においては、利用者が第1操作を行う場合だけでなく、利用者が車両内側から検出装置30に身体の一部を近付けた場合にも、第2電極32における静電容量が判定値Cth以上となる可能性がある。例えば、利用者がドアトリム23の上面に腕を載せた場合、利用者がドアトリム23の上部を手で掴む場合及び利用者がドアトリム23に向かって体をもたれ掛ける場合などに、判定時間に亘って、第2電極32における静電容量が判定値Cth以上となる可能性がある。
【0044】
一方、
図2に示すように、第1実施形態の検出装置30は、第4電極34の検出範囲A4が、他の電極31,32,33の検出範囲A1~A3よりも、小さく且つ車両内側に設定される。このため、検出装置30に対して、車両内側から検出対象が近付く場合には、車両外側から検出対象が近付く場合よりも、第4電極34における静電容量が大きくなりやすい。詳しくは、検出装置30に対して、車両内側から検出対象が近付く場合には、第1電極31及び第2電極32における静電容量に対する第4電極34における静電容量の割合が大きくなりやすく、車両外側から検出対象が近付く場合には、第1電極31及び第2電極32に対する第4電極34における静電容量の割合が小さくなりやすい。
【0045】
そこで、第1実施形態において、制御回路38は、第4電極34における静電容量に基づいて、利用者が車両外側から検出装置30を操作しているか否かの判定、すなわち、ドアECU10に開動作指令信号又は閉動作指令信号を出力するか否かの判定を行う。
【0046】
詳しくは、制御回路38は、第1操作を検出する際、判定時間に亘って、第2電極32における静電容量が判定値Cth以上となる場合でも、同判定時間において、第4電極34における静電容量に係数Fcを乗じた値が第2電極32の静電容量以上となる場合には、ドアECU10に開動作指令信号又は閉動作指令信号を出力しない。ここで、係数Fcは、1よりも大きな値であり、予め試験等に基づいて決定することが好ましい。
【0047】
同様に、制御回路38は、第2操作を検出する際、第1電極31における静電容量が判定値Cth以上となるときに、第4電極34における静電容量に係数Fcを乗じた値が第1電極31における静電容量以上となる場合には、ドアECU10に開動作指令信号を出力しない。このため、検出装置30は、車両内側から利用者が手を近付ける電極を第1電極31、第2電極32及び第3電極33の順に近付けたとしても、ドアECU10に開動作指令信号を出力しない。
【0048】
一方、第1実施形態において、制御回路38は、第3操作を検出する際、車両内側から利用者の身体の一部が検出装置30に近付くことを想定しない。これは、車両ドア3が全開位置にある場合には、車両ドア3と車室との間にボデー2が存在し、検出装置30の第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1~A3が車両内側まで延びないためである。
【0049】
なお、第1実施形態では、第3電極33と第4電極34とが電気的に接続されるため、第3電極33における静電容量は、第4電極34に検出対象が接近する場合にも変化する。このため、制御回路38は、第3電極33における第3静電容量で第4電極34における静電容量を代用して、上記判定を行う。
【0050】
次に、
図5に示すフローチャートを参照して、制御回路38が第1操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。本処理は、車両ドア3が全開位置又は全閉位置に位置する場合に所定の制御サイクル毎に実行される。
【0051】
図5に示すように、制御回路38は、第2電極32における静電容量である第2静電容量C2が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS11)。第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS11:NO)、すなわち、利用者の手が第2電極32に近付いていない場合、制御回路38は、本処理を終了する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS11:YES)、すなわち、利用者の手が第2電極32に近付いている場合、制御回路38は、第4電極34(第3電極33)における静電容量である第3静電容量C3に係数Fcを乗じた値が第2静電容量C2以上か否かを判定する(ステップS12)。第3静電容量C3及び係数Fcの積が第2静電容量C2以上の場合(ステップS12:YES)、制御回路38は、本処理を終了する。この場合には、第3静電容量C3及び係数Fcの積が第2静電容量C2以上となることから、車両内側から利用者の身体の一部が検出装置30に近付いていると判断される。
【0052】
一方、第3静電容量C3及び係数Fcの積が第2静電容量C2未満の場合(ステップS12:NO)、制御回路38は、ステップS11が最初に肯定判定されてからステップS12が否定判定されるまでの第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1以上となったか否かを判定する(ステップS13)。第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1未満の場合(ステップS13:NO)、制御回路38は、その処理を先のステップS11に移行する。
【0053】
一方、第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1以上となる場合(ステップS13:YES)、すなわち、車両外側から利用者の手が第2電極32に近付いた状態が第1判定時間Tth1に亘って継続される場合、制御回路38は、車両ドア3が全閉位置にあるか否かを判定する(ステップS14)。車両ドア3が全閉位置にある場合(ステップS14:YES)、制御回路38は、ドアECU10に開動作指令信号を出力し(ステップS15)、本処理を終了する。一方、車両ドア3が全開位置にある場合(ステップS14:NO)、制御回路38は、ドアECU10に閉動作指令信号を出力し(ステップS16)、本処理を終了する。
【0054】
次に、
図6に示すフローチャートを参照して、制御回路38が第2操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。本処理は、車両ドア3が全開位置に位置しない場合に所定の制御サイクル毎に実行される処理である。
【0055】
図6に示すように、制御回路38は、第1電極31における静電容量である第1静電容量C1が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS21)。第1静電容量C1が判定値Cth未満の場合(ステップS21:NO)、制御回路38は、本処理を終了する。一方、第1静電容量C1が判定値Cth以上の場合(ステップS21:YES)、利用者の手が第1電極31に近付いたとして、制御回路38は、第3静電容量C3に係数Fcを乗じた値が第1静電容量C1以上か否かを判定する(ステップS22)。
【0056】
第3静電容量C3及び係数Fcの積が第1静電容量C1以上の場合(ステップS22:YES)、制御回路38は、本処理を終了する。この場合には、第3静電容量C3及び係数Fcの積が第1静電容量C1以上となることから、車両内側から利用者の身体の一部が検出装置30に近付いていると判断される。
【0057】
一方、第3静電容量C3及び係数Fcの積が第1静電容量C1未満の場合(ステップS22:NO)、制御回路38は、第2静電容量C2が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS23)。
【0058】
第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS23:NO)、制御回路38は、再度、ステップS23の処理を実行する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS23:YES)、利用者の手が第2電極32に近付いたとして、制御回路38は、第3静電容量C3が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS24)。
【0059】
第3静電容量C3が判定値Cth未満の場合(ステップS24:NO)、制御回路38は、再度、ステップS24の処理を実行する。一方、第3静電容量C3が判定値Cth以上の場合(ステップS24:YES)、利用者の手が第3電極33に近付いたとして、制御回路38は、ステップS21が肯定判定されてからステップS24が肯定判定されるまでの第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2以上であるか否かを判定する(ステップS25)。このステップS25は、第2操作が第2判定時間Tth2以内に正常に行われたか否かを判定するための処理である。
【0060】
第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2以上の場合(ステップS25:NO)、正常でない操作が行われたとして、制御回路38は、本処理を終了する。一方、第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2未満の場合(ステップ25:YES)、制御回路38は、ドアECU10に開動作指令信号を出力する(ステップS26)。その後、制御回路38は、本処理を終了する。
【0061】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、制御回路38が第3操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。
図7に示すように、制御回路38は、第3電極33における静電容量である第3静電容量C3が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS31)。第3静電容量C3が判定値Cth未満の場合(ステップS31:NO)、制御回路38は、本処理を終了する。一方、第3静電容量C3が判定値Cth以上の場合(ステップS31:YES)、利用者の手が第3電極33に近付いたとして、制御回路38は、第2静電容量C2が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS32)。
【0062】
第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS32:NO)、制御回路38は、再度、ステップS32の処理を実行する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS32:YES)、利用者の手が第2電極32に近付いたとして、制御回路38は、第1静電容量C1が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS33)。
【0063】
第1静電容量C1が判定値Cth未満の場合(ステップS33:NO)、制御回路38は、再度、ステップS33の処理を実行する。一方、第1静電容量C1が判定値Cth以上の場合(ステップS33:YES)、利用者の手が第1電極31に近付いたとして、ステップS31が肯定判定されてからステップS33が肯定判定されるまでの第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3以上であるか否かを判定する(ステップS34)。このステップS34は、第3操作が第3判定時間Tth3以内に正常に行われたか否かを判定するための処理である。
【0064】
第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3以上の場合(ステップS34:NO)、正常でない操作が行われたとして、制御回路38は、本処理を終了する。一方、第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3未満の場合(ステップ34:YES)、制御回路38は、ドアECU10に閉動作指令信号を出力する(ステップS35)。その後、制御回路38は、本処理を終了する。
【0065】
なお、
図6及び
図7に示すフローチャートにおいて、第2判定時間Tth2及び第3判定時間Tth3は、検出装置30の大きさ等に基づいて想定される利用者の操作速度に応じて決定すればよい。
【0066】
次に、
図8に示すタイミングチャートを参照して、利用者が第1操作を行う場合と、利用者が車両内側からドアトリム23の上面に腕を置く場合と、における第2静電容量C2及び第3静電容量C3の変化について説明する。また、
図8には、第3静電容量C3及び係数Fcの積である静電容量を「重み付き第3静電容量C3’」として記載している。なお、
図8に示すタイミングチャートにおいて、車両ドア3は全閉位置に位置しているものとする。
【0067】
図8(a)に示すように、利用者が第1操作を行う場合、第1のタイミングt1において、利用者の手が第2電極32及び第4電極34の検出範囲A2,A4に入り始める。本実施形態では、第2電極32の検出範囲A2が第4電極34の検出範囲A4よりも大きく且つ車両外側に設定されている。このため、車両外側から検出装置30に利用者の手が次第に近付く第1のタイミングt1以降では、第2静電容量C2の傾きは、第3静電容量C3の傾きに比べて急勾配となる。
【0068】
そして、利用者の手が第2電極32に近付く最中の第2のタイミングt2において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる。続いて、第3のタイミングt3において、利用者の手と第2電極32との間隔がほぼ一定に維持されると、第3のタイミングt3以降では、第2静電容量C2及び第3静電容量C3がほぼ変化しなくなる。
【0069】
そして、第2のタイミングt2から第1判定時間Tth1が経過した第4のタイミングt4になると、車両ドア3を開動作させる条件が成立する。これは、第2のタイミングt2から第4のタイミングt4までの期間において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる一方で、重み付き第3静電容量C3’が第2静電容量C2以上とならないためである。
【0070】
一方、
図8(b)に示すように、利用者がドアトリム23の上面に腕を載せる場合、第1のタイミングt11において、利用者の腕が第2電極32及び第4電極34の検出範囲A2,A4に入り始める。ここで、
図8(b)に示す場合には、
図8(a)に示す場合よりも、利用者の手が第4電極34に近付きやすい。このため、第1のタイミングt11以降では、第3静電容量C3の傾きは、
図8(a)に示す場合よりも急勾配となる。
【0071】
そして、利用者の腕がドアトリム23の上面に近付く最中の第2のタイミングt12において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となり、その後の第3のタイミングt13において、第3静電容量C3が判定値Cth以上となる。続いて、第4のタイミングt14において、利用者の腕がドアトリム23の上面に接触し、利用者の腕と第2電極32及び第4電極34との間隔がほぼ一定に維持される。その結果、第4のタイミングt14以降では、第2静電容量C2及び第3静電容量C3がほぼ変化しなくなる。
【0072】
ところが、
図8(b)に示す場合には、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる第2のタイミングt12から第1判定時間Tth1が経過した第5のタイミングt15になっても、車両ドア3を開動作させる条件が成立しない。これは、第2のタイミングt12から第5のタイミングt15までの期間において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となるものの、重み付き第3静電容量C3’が第2静電容量C2以上となるためである。
【0073】
次に、
図9(a),(b)に示すタイミングチャートを参照して、利用者が第2操作を行う場合と、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合と、における第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び重み付き第3静電容量C3’の変化について説明する。なお、車両内側から第2操作に相当する操作とは、利用者が車両内側から手を近付ける電極を第1電極31、第2電極32及び第3電極33の順に変化させる操作を言う。
【0074】
図9(a)に示すように、利用者が第2操作を行う場合、第1のタイミングt21において、利用者の手が第1電極31及び第4電極34の検出範囲A1,A4に入り始める。このため、第1のタイミングt21以降では、第1静電容量C1及び第3静電容量C3が次第に大きくなる。
【0075】
そして、利用者の手が第1電極31の中心部に近付く最中の第2のタイミングt22において、第1静電容量C1が判定値Cth以上となる。その後、利用者の手が第1電極31の中心部に最接近する第3のタイミングt23において、第1静電容量C1が最大値となる。このため、第3のタイミングt23以降において、第1静電容量C1は次第に小さくなる。続いて、第4のタイミングt24になると、利用者の手が第2電極32の検出範囲A2に入り始める。このため、第4のタイミングt24以降では、第2静電容量C2が次第に大きくなる。
【0076】
そして、利用者の手が第2電極32の中心部に近付く最中の第5のタイミングt25において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる。その後、利用者の手が第2電極32の中心部に最接近する第6のタイミングt26において、第2静電容量C2が最大値となる。このため、第6のタイミングt26以降において、第2静電容量C2は次第に小さくなる。
【0077】
また、第6のタイミングt26以降の第7のタイミングt27において、利用者の手が第3電極33の検出範囲A3に入り始める。そして、利用者の手が第3電極33の中心部に近付く最中の第8のタイミングt28において、第3静電容量C3が判定値Cth以上となる。なお、第7のタイミングt27の前後では、利用者の手が第3電極33の検出範囲A3及び第4電極34の検出範囲A4の重複範囲内を移動する。
【0078】
以上説明したように、
図9(a)に示す場合には、第2のタイミングt22、第5のタイミングt25及び第8のタイミングt28において、第1静電容量C1、第2静電容量C2及び第3静電容量C3が判定値Cth以上となる。さらに、第1静電容量C1が判定値Cth以上となる第2のタイミングt22において、重み付き第3静電容量C3’が第1静電容量C1以上とならない。したがって、利用者が第2操作を行う場合には、第8のタイミングt28において、車両ドア3を開動作させる条件が成立する。
【0079】
これに対し、
図9(b)に示すように、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合、
図9(a)に示す場合と同様に、第1のタイミングt31から第1静電容量C1が次第に大きくなり、第2のタイミングt32で第1静電容量C1が判定値Cth以上となる。そして、第3のタイミングt33から第2静電容量C2が次第に大きくなり、第4のタイミングt34で第2静電容量C2が判定値Cth以上となる。
【0080】
その一方で、
図9(a)に示す場合と異なり、第1のタイミングt31以降で、第3静電容量C3が大きくなる。すなわち、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合には、利用者が第2操作を行う場合と比較して、利用者の手が第4電極34に近付くため、第1静電容量C1及び第2静電容量C2が変化する期間において、第3静電容量C3が大きくなる。
【0081】
したがって、
図9(b)に示す場合には、第1静電容量C1が判定値Cth以上となる第2のタイミングt32において、重み付き第3静電容量C3’が第1静電容量C1以上となる。このため、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合には、車両ドア3を開動作させる条件が成立しない。
【0082】
以上説明した実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)車両内側に広がる検出範囲A4を有する第4電極34における静電容量に基づき、利用者が車両外側から検出装置30に手が近付けたか否かを判別できる。こうして、検出装置30は、車両外側からの操作を正しく検出できる。また、本実施形態では、第4電極34の検出範囲A4の一部と第2電極32の検出範囲A2の一部とが重複することを許容するため、検出装置30に設計上の制約が生じにくい。詳しくは、検出装置30において、検出範囲A4が検出範囲A1と重複することを防ぐために、第4電極34を第2電極32から離して配置したり、第4電極34及び第2電極32の間に電気的なシールドを配置したりしなくてもよくなる。
【0083】
(2)第4電極34の検出範囲A4を、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1,A2,A3よりも小さくしたため、第4電極34の検出範囲A4が車両外側に広がりにくくなる。このため、利用者が車両1の内側から検出装置30に手を近付ける場合と、利用者が車両外側から検出装置30に手を近付ける場合とで、第4電極34における静電容量(第3静電容量C3)に差が生じやすくなる。その結果、検出装置30は、車両外側からの操作をより正しく検出できる。
【0084】
(3)第4電極34の面積を、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の面積よりも小さくしたため、第4電極34の検出範囲A4を第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1~A3よりも容易に小さくできる。
【0085】
(4)車両1の幅方向において、第2電極32及び第4電極34を隣り合うように配置したため、利用者が検出装置30に手を近付ける際に、利用者の手及び第2電極32の間隔と利用者の手及び第4電極34の間隔とがともに短くなる。言い換えれば、利用者の手が第2電極32のみに近付いたり、利用者の手が第4電極34のみに近付いたりしない。このため、利用者が第1操作を行うために車両外側から検出装置30に手を近付ける場合には、第2静電容量C2が高くなりやすく、第4電極34における静電容量(第3静電容量C3)が小さくなりやすい。一方、利用者が車両内側から検出装置30に手を近付ける場合には、第4電極34における静電容量(第3静電容量C3)が高くなりやすく、第2静電容量C2が小さくなりやすい。その結果、利用者が第1操作を行う際に、第2静電容量C2及び第4電極34における静電容量(第3静電容量C3)に差が生じやすくなる。よって、検出装置30は、車両外側から操作が行われたか否かを精度良く判別できる。
【0086】
(5)第1実施形態によれば、利用者は、第1操作、第2操作及び第3操作によって、車両ドア3を開閉動作できる。こうした操作の中でも、第1操作によって車両ドア3を開閉動作させる場合には、検出装置30は、第4電極34における静電容量に基づき、利用者が車両外側から操作を行ったか否かを判別できる。さらに、第4電極34は、第3電極33と電気的に接続されているため、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34の各々を電気的に独立とする場合に比較して、検出装置30を簡素に構成できる。
【0087】
(6)利用者が第2操作により車両ドア3を開動作させる際に、検出装置30は、第4電極34における静電容量に基づいて、利用者が車両外側から操作を行ったか否かを判別できる。さらに、第4電極34は、第3電極33と電気的に接続されているため、第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34の各々を電気的に独立とする場合に比較して、検出装置30を簡素に構成できる。
【0088】
(7)
図10に示すように、筐体30Aの上部を塞ぐようにシールド板36Aを設けた比較例の検出装置100によれば、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の検出範囲A1~A3が車両内側に広がることを抑制できる。ところが、この場合には、第1電極31、第2電極32及び第3電極33の近くに導体のシールド板36が存在することで、車両外側における第1電極31、第2電極32及び第3電極33の寄生容量が大きくなることにより、検出範囲A1~A3が小さくなるおそれがある。第1実施形態によれば、こうした点を解決できる。
【0089】
(第2実施形態)
以下、車両用操作検出装置の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。第2実施形態の検出装置40は、第1実施形態の検出装置30と比較したとき、電極の配置及び制御回路の処理内容が異なる。このため、以降の説明では、第1実施形態と共通する構成についての説明を省略する。
【0090】
図11に示すように、検出装置40は、外側電極の一例としての第1電極41、第2電極42及び第3電極43と、内側電極の一例としての第4電極44と、制御回路48と、を有する。第2実施形態における第1電極41、第2電極42及び第3電極43は、第1実施形態における第1電極31、第2電極32及び第3電極33とほぼ同様に構成される。第2実施形態における第4電極44は、第1実施形態における第4電極34と比較したとき、車両1の幅方向において第1電極41、第2電極42及び第3電極43と隣り合うように配置される点及び第3電極43に対して電気的に独立している点で相違する。
【0091】
詳しくは、車両ドア3の開閉方向において、第4電極44の長さは、第1電極41、第2電極42及び第3電極43を足し合わせた長さとほぼ等しくなっている。また、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44の各々は、検出回路37に独立して接続されている。このため、制御回路48は、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び第4電極44における静電容量に基づいて、ドアECU10に開動作指令信号及び閉動作指令信号を出力する。
【0092】
第2実施形態において、第4電極44の検出範囲A4は、第1実施形態と同様に、他の電極の検出範囲A1~A3よりも車両内側に広がるように設定される。このため、検出装置40に対して、車両内側から検出対象が近付く場合には、車両外側から検出対象が近付く場合よりも、第4電極44における静電容量が大きくなりやすい。詳しくは、検出装置40に対して、車両内側から検出対象が近付く場合には、第4電極44における静電容量が大きくなりやすく、車両外側から検出対象が近付く場合には、第4電極44における静電容量が小さくなりやすい。
【0093】
そこで、第2実施形態において、制御回路48は、第4電極44における静電容量に基づいて、利用者が車両外側から検出装置40を操作しているか否かの判定、すなわち、ドアECU10に開動作指令信号又は閉動作指令信号を出力するか否かの判定を行う。
【0094】
詳しくは、制御回路48は、第1操作を検出する際、判定時間(第1判定時間Tth1)に亘って、第2電極42における静電容量が判定値Cth以上となる場合でも、同判定時間において、第4電極44における静電容量が判定値Cth以上となる場合には、ドアECU10に開動作指令信号又は閉動作指令信号を出力しない。このため、検出装置40は、利用者が車両内側から第2電極42に手を近付けたとしても、ドアECU10に開動作指令信号又は閉動作指令信号を出力しない。
【0095】
また、制御回路48は、第2操作を検出する際、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第1電極41、第2電極42及び第3電極43の順に切り替わる期間において、第4電極44における静電容量が判定値Cth以上となる場合には、ドアECU10に開動作指令信号を出力しない。このため、検出装置40は、車両内側から利用者が手を近付ける電極を第1電極41、第2電極42及び第3電極43の順に変化させても、ドアECU10に開動作指令信号を出力しない。
【0096】
さらに、制御回路48は、第3操作を検出する際、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第3電極43、第2電極42及び第1電極41の順に切り替わる期間において、第4電極44における静電容量が判定値Cth以上となる場合には、ドアECU10に閉動作指令信号を出力しない。このため、検出装置40は、車両内側から利用者が手を近付ける電極を第3電極43、第2電極42及び第1電極41の順に変化させても、ドアECU10に閉動作指令信号を出力しない。
【0097】
次に、
図12に示すフローチャートを参照して、制御回路48が第1操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。本処理は、車両ドア3が全開位置又は全閉位置に位置する場合に所定の制御サイクル毎に実行される。
【0098】
図12に示すように、制御回路48は、第2電極42における静電容量である第2静電容量C2が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS41)。第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS41:NO)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS41:YES)、制御回路48は、第4電極44における静電容量である第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS42)。第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS42:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。この場合には、第4静電容量C4が判定値Cth以上となることから、車両内側から利用者の身体の一部が検出装置40に近付いていると判断される。
【0099】
一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS42:NO)、制御回路48は、ステップS41が最初に肯定判定されてからの第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1以上となったか否かを判定する(ステップS43)。第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1未満の場合(ステップS43:NO)、制御回路48は、その処理を先のステップS41に移行する。
【0100】
一方、第1経過時間Te1が第1判定時間Tth1以上となる場合(ステップS43:YES)、すなわち、車両外側から利用者の手が第2電極42に近付いた状態が第1判定時間Tth1に亘って継続される場合、制御回路48は、車両ドア3が全閉位置にあるか否かを判定する(ステップS44)。車両ドア3が全閉位置にある場合(ステップS44:YES)、制御回路48は、ドアECU10に開動作指令信号を出力し(ステップS45)、本処理を終了する。一方、車両ドア3が全開位置にある場合(ステップS44:NO)、制御回路48は、ドアECU10に閉動作指令信号を出力し(ステップS46)、本処理を終了する。
【0101】
次に、
図13に示すフローチャートを参照して、制御回路48が第2操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。本処理は、車両ドア3が全開位置に位置しない場合に所定の制御サイクル毎に実行される処理である。
【0102】
図13に示すように、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS51)。第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS51:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。この場合には、第4静電容量C4が判定値Cth以上となることから、車両内側から利用者の手が検出装置40に近付いていると判断される。
【0103】
一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS51:NO)、制御回路48は、第1静電容量C1が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS52)。第1静電容量C1が判定値Cth未満の場合(ステップS52:NO)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第1静電容量C1が判定値Cth以上の場合(ステップS52:YES)、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS53)。
【0104】
第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS53:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS53:NO)、制御回路48は、第2静電容量C2が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS54)。
【0105】
第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS54:NO)、制御回路48は、その処理を先のステップS53に移行する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS54:YES)、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS55)。
【0106】
第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS55:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS55:NO)、制御回路48は、第3静電容量C3が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS56)。
【0107】
第3静電容量C3が判定値Cth未満の場合(ステップS56:NO)、制御回路48は、その処理を先のステップS55に移行する。一方、第3静電容量C3が判定値Cth以上の場合(ステップS56:YES)、制御回路48は、ステップS52が肯定判定されてからステップS56が肯定判定されるまでの第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2以上であるか否かを判定する(ステップS57)。
【0108】
第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2以上の場合(ステップS57:NO)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第2経過時間Te2が第2判定時間Tth2未満の場合(ステップS57:YES)、制御回路48は、ドアECU10に開動作指令信号を出力する(ステップS58)。その後、制御回路48は、本処理を終了する。
【0109】
次に、
図14に示すフローチャートを参照して、制御回路48が第3操作を検出するために実行する処理の内容について説明する。本処理は、車両ドア3が全閉位置に位置しない場合に所定の制御サイクル毎に実行される処理である。
【0110】
図14に示すように、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS61)。第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS61:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。この場合には、第4静電容量C4が判定値Cth以上となることから、車両内側から利用者の手が検出装置40に近付いていると判断される。
【0111】
一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS61:NO)、制御回路48は、第3静電容量C3が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS62)。第3静電容量C3が判定値Cth未満の場合(ステップS62:NO)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第3静電容量C3が判定値Cth以上の場合(ステップS62:YES)、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS63)。
【0112】
第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS63:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS63:NO)、制御回路48は、第2静電容量C2が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS64)。
【0113】
第2静電容量C2が判定値Cth未満の場合(ステップS64:NO)、制御回路48は、その処理を先のステップS63に移行する。一方、第2静電容量C2が判定値Cth以上の場合(ステップS64:YES)、制御回路48は、第4静電容量C4が判定値Cth以上か否かを判定する(ステップS65)。
【0114】
第4静電容量C4が判定値Cth以上の場合(ステップS65:YES)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第4静電容量C4が判定値Cth未満の場合(ステップS65:NO)、制御回路48は、第1静電容量C1が判定値Cth以上となったか否かを判定する(ステップS66)。
【0115】
第1静電容量C1が判定値Cth未満の場合(ステップS66:NO)、制御回路48は、その処理を先のステップS65に移行する。一方、第1静電容量C1が判定値Cth以上の場合(ステップS66:YES)、制御回路48は、ステップS62が肯定判定されてからステップS66が肯定判定されるまでの第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3以上であるか否かを判定する(ステップS67)。
【0116】
第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3以上の場合(ステップS67:NO)、制御回路48は、本処理を終了する。一方、第3経過時間Te3が第3判定時間Tth3未満の場合(ステップS67:YES)、制御回路48は、ドアECU10に閉動作指令信号を出力する(ステップS68)。その後、制御回路48は、本処理を終了する。
【0117】
次に、
図15に示すタイミングチャートを参照して、利用者が第1操作を行う場合と、利用者が車両内側からドアトリム23の上面に腕を置く場合と、における第2静電容量C2及び第4静電容量C4の変化について説明する。なお、
図15に示すタイミングチャートにおいて、車両ドア3は全閉位置に位置しているものとする。
【0118】
図15(a)に示すように、利用者が第1操作を行う場合、利用者の手が車両外側から検出装置40に近付くため、各電極の静電容量は次のように変化する。すなわち、利用者の手が検出装置40に近付く最中の第1のタイミングt41において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となり、利用者の手が検出装置40に近付き終えた第2のタイミングt42において、第2静電容量C2がほぼ変化しなくなる。そして、第1のタイミングt41から第1判定時間Tth1が経過した第3のタイミングt43になると、車両ドア3を開動作させる条件が成立する。これは、第1のタイミングt41から第3のタイミングt43までの期間において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる一方で、第4静電容量C4が判定値Cth以上とならないためである。
【0119】
一方、
図15(b)に示すように、利用者がドアトリム23の上面に腕を載せる場合、利用者の手が車両内側から検出装置40に近付くため、各電極の静電容量は次のように変化する。すなわち、利用者の手が検出装置40に近付く最中の第1のタイミングt51において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となり、利用者の腕がドアトリム23の上面に載る第3のタイミングt53において、第2静電容量C2が変化しなくなる。ところが、
図15(b)に示す場合には、第1のタイミングt51から第1判定時間Tth1が経過した第4のタイミングt54になっても、車両ドア3を開動作させる条件が成立しない。これは、第1のタイミングt51及び第3のタイミングt53の間の第2のタイミングt52において、第4静電容量C4が判定値Cth以上となるためである。すなわち、第2のタイミングt52から第4のタイミングt54までの期間において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となる一方で、第4静電容量C4が判定値Cth以上となるためである。
【0120】
次に、
図16(a),(b)に示すタイミングチャートを参照して、利用者が第2操作を行う場合と、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合と、における第1静電容量C1、第2静電容量C2、第3静電容量C3及び第4静電容量C4の変化について説明する。
【0121】
図16(a)に示すように、利用者が第2操作を行う場合、利用者の手が車両外側から検出装置40に近付くため、各電極の静電容量は次のように変化する。すなわち、利用者の手が近付く電極が第1電極41、第2電極42及び第3電極43の順に変化するため、第1のタイミングt61において、第1静電容量C1が判定値Cth以上となり、第2のタイミングt62において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となり、第3のタイミングt63において、第3静電容量C3が判定値Cth以上となる。一方、利用者の手は第1電極41、第2電極42及び第3電極43の検出範囲A1,A2,A3よりも第4電極44の検出範囲A4に近付きにくいため、第1のタイミングt61から第3のタイミングt63までの期間において、第4静電容量C4が判定値Cth以上とならない。したがって、利用者が第2操作を行う場合には、第3のタイミングt63において、車両ドア3を開動作させる条件が成立する。
【0122】
これに対し、
図16(b)に示すように、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合、利用者の手が車両内側から検出装置40に近付くため、各電極の静電容量は次のように変化する。すなわち、利用者の手が近付く電極が第1電極41、第2電極42及び第3電極43の順に変化するため、第1のタイミングt71において、第1静電容量C1が判定値Cth以上となり、第3のタイミングt73において、第2静電容量C2が判定値Cth以上となり、第4のタイミングt74において、第3静電容量C3が判定値Cth以上となる。一方、利用者の手は第1電極41、第2電極42及び第3電極43の検出範囲A1,A2,A3よりも第4電極44の検出範囲A4に近付きやすいため、第1のタイミングt71及び第3のタイミングt73の間の第2のタイミングt72において、第4静電容量C4が判定値Cth以上となる。したがって、利用者が車両内側から第2操作に相当する操作を行う場合には、車両ドア3を開動作させる条件が成立しない。
【0123】
第2実施形態によれば、第1実施形態の作用効果(1)~(4),(7)と同等の効果に加え、以下に示す作用効果を得ることができる。
(8)利用者は、第1操作、第2操作及び第3操作によって、車両ドア3を開閉動作できる。そして、検出装置40は、何れの操作がされる場合でも、第4電極34における第4静電容量C4の大きさに基づき、当該操作が車両外側から行われたか否かを判別できる。
【0124】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1電極41、第2電極42及び第3電極43に検出対象が接近したか否かを判定するための静電容量の判定値Cthは、第4電極44に検出対象が接近したか否かを判定するための静電容量の判定値Cthと異なる値であってもよい。例えば、後者の判定値Cthを前者の判定値Cthよりも小さくしてもよい。
【0125】
・第3電極33と第4電極34とは、連結部35で接続しなくてもよい。例えば、第3電極33と第4電極34とは、検出回路37と接続される端子を共有することで、電気的に接続されていてもよい。
【0126】
・第1電極31、第2電極32、第3電極33及び第4電極34の形状は適宜に変更してもよい。例えば、電極31~34は、ハーネス等の線状の導体で構成してもよいし網状の導体で構成してもよい。
【0127】
・第4電極34は、他の電極31,32,33と面積を等しくしてもよいし、他の電極31,32,33よりの面積を広くしてもよい。この場合、第4電極34の検出範囲A4が他の電極31,32,33の検出範囲A1~A3よりも小さくなるように、第1電極31、第2電極32、第3電極33、第4電極34及びシールド板36の配置を変更することが好ましい。
【0128】
・内側電極としての第4電極34の検出範囲A4は、第1電極31,第2電極32(外側電極)及び第3電極33の検出範囲A1~A3よりも広くてもよい。ただし、この場合には、第4電極34の車両外側における検出範囲A4は第1電極31,第2電極32及び第3電極33の車両外側における検出範囲A1~A3よりも小さいことが好ましい。また、第1電極31,第2電極32及び第3電極33の車両内側における検出範囲A1~A3は、第4電極34の車両内側における検出範囲A4よりも小さいことが好ましい。
【0129】
・第2電極32の検出範囲A2及び第4電極34の検出範囲A4は、重複しないように設定してもよい。
・判定値Cthの大きさは、適宜に変更すればよい。例えば、判定値Cthは、電極に対する検出対象の接触を判定するための判定値であってもよい。
【0130】
・検出装置30,40は、車両ドア3が全開位置及び全閉位置の間の位置にある場合に、第2操作を検出した場合、車両ドア3を開動作させてもよいし、閉動作させてもよい。
・検出装置30,40は、ドアトリム23の上部に配置してもよい。
【0131】
・検出装置30,40は、車両ドア3の車両外側に配置してもよい。例えば、車両ドア3が水切り用のドアモールを備える場合、検出装置30,40をドアモールの内部に設けてもよい。この場合には、検出装置30,40が、窓開口部4a(窓ガラス5)の車両外側に設けられることになる。
【0132】
・検出装置30,40は、窓開口部4aを介して車両外側に露出する領域内で適宜に変更してもよい。例えば、検出装置30,40は、窓開口部4aの上端に沿って配置してもよいし、窓開口部4aの前端又は後端に沿って配置してもよい。このように、検出装置30,40は、窓開口部4aの縁に設けられていればよい。
【0133】
・第2実施形態の検出装置40は、
図17及び
図18に示す検出装置50,60のように変更してもよい。なお、
図17及び
図18では、説明理解の容易のために、筐体30Aの長手方向と直交する検出装置50,60の断面を図示している。
【0134】
・
図17に示すように、検出装置50は、第1電極41、第2電極42、第3電極43及び基板39を車両上側から覆う第4電極54を有してもよい。この構成の検出装置50によっても、内側電極として第4電極54における静電容量に基づいて、第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0135】
・
図18(a),(b)に示すように、検出装置60は、検出装置60の構成部材が実装される基板69と、基板69の車両上側に設けられる第4電極64と、基板69の車両内側に設けられる第5電極65と、第1電極41、第2電極42及び第3電極43と第5電極65との間に配置されるシールド板66と、を有してもよい。第5電極65は、基板69の表面に実装されるプリント配線としてもよい。また、基板69を積層基板として構成する場合、シールド板66は、第5電極65が実装される層とは別の層に膜状に実装してもよい。さらに、検出装置60においては、シールド板66が第1電極41、第2電極42及び第3電極43の検出範囲に影響を与えないように、シールド板66の大きさを制限することが好ましい。この構成の検出装置60によっても、内側電極としての第4電極64及び第5電極65における静電容量に基づいて、第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0136】
・検出装置30,40は、第1電極31,41及び第3電極33,43を備えなくてもよい。すなわち、検出装置30,40は、少なくとも第1操作を検出できる構成であればよい。
【0137】
・検出装置40は、第1電極41を備えなくてもよい。この場合、検出装置40は、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第2電極42及び第3電極43の順に変化する場合、開動作指令信号を出力し、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第3電極43及び第2電極42の順に変化する場合、閉動作指令信号を出力することが好ましい。検出装置30においても同様である。
【0138】
・検出装置40は、第1電極41及び第2電極42の間に1以上の電極をさらに備えてもよいし、第2電極42及び第3電極43の間に1以上の電極をさらに備えてもよい。この場合、検出装置40は、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第1電極41から第3電極43に向かって順に変化する場合、開動作指令信号を出力し、静電容量が判定値Cth以上となる電極が第3電極43から第1電極41の順に変化する場合、閉動作指令信号を出力することが好ましい。検出装置30においても同様である。
【0139】
・検出装置30は、第4電極34を備えず、第1操作を検出しない構成としてもよい。この場合、検出装置30は、車両1の幅方向において、第1電極31と隣り合うように配置される第5電極と、第3電極33と隣り合うように配置される第6電極と、を備えることが好ましい。そして、検出装置30において、第5電極及び第6電極は、第2電極32と電気的に接続されることが好ましい。この構成によれば、検出装置30は、第5電極及び第6電極における静電容量(第2静電容量C2)に基づいて、車両外側からの第2操作及び第3操作が行われたか否かを判別できる。
【0140】
・車両ドア3は、スライドドアでなくてもよい。車両ドア3は、アクチュエータの駆動により開閉動作するスイングドアであってもよい。車両ドア3をスイングドアとする場合には、スイングドアの車両1の幅方向は、スイングドアが全閉位置にあるときの車両1の幅方向であるとする。
【符号の説明】
【0141】
1…車両、2…ボデー、2a…開口、3…車両ドア、4…ドア本体、4a…窓開口部、5…窓ガラス、6…ドアロック、10…ドアECU、11…ドア駆動ユニット(アクチュエータの一例)、12…ドアロック駆動ユニット、21…ドアアウタパネル、22…ドアインナパネル、23…ドアトリム、30,40,50,60…検出装置、30A…筐体、31,41…第1電極(センサ電極の一例)、32,42…第2電極(センサ電極及び外側電極の一例)、33,43…第3電極(センサ電極の一例)、34,44,54,64…第4電極(センサ電極及び内側電極の一例)、65…第5電極、35…連結部、36,36A,66…シールド板、37…検出回路、38,48…制御回路(制御部の一例)、A1~A4…検出範囲、39,69…基板、C1…第1静電容量、C2…第2静電容量、C3…第3静電容量、Cth…判定値、Te1~Te3…経過時間、Tth1~Tth3…判定時間。