(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】トラッキング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220404BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20220404BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2018018687
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】599158144
【氏名又は名称】バリューコマース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100166615
【氏名又は名称】須藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信敬
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-086854(JP,A)
【文献】特開2016-177818(JP,A)
【文献】意外と知らない、広告効果を正しく測定するための3つのポイント,株式会社D2C,[online],[2021年10月12日検索],2017年09月26日,p.1-7,インターネット<URL:https://www.webprofessional.jp/increase-accuracy-of-advertisement-measurement/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04L 51/00-51/58,67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
つぎの事項(1)~(4)により特定されるトラッキング方法。
(1)広告媒体サイト上の広告を管理する広告管理サーバーと前記広告に対応する広告主サイトを管理する広告主サーバーとにより、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告媒体サイト上で前記広告を選択した利用者であるか否かをトラッキングするトラッキング方法であること
(2)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告媒体サイト上の前記広告を選択した場合に、この選択時利用者端末から
前記広告の選択時に取得した前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする
前記選択時利用者端末の端末情報の複数の選択時パラメータにより、前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を識別する選択時識別情報を生成すること
(3)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告主サイト上で所定の行動をとった場合に、この行動時利用者端末から
前記行動の確定時に取得した前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする
前記行動時利用者端末の端末情報の複数の行動時パラメータにより、前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を識別する行動時識別情報を生成すること
(4)前記広告管理サーバーが、前記行動時識別情報と同一の前記選択時識別情報が存在する場合に、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告を選択した利用者であると判断すること
【請求項2】
つぎの事項(21)~(24)により特定される請求項1に記載のトラッキング方法。
(21)前記事項(2)において、前記選択時パラメータは、前記選択時利用者端末から環境変数によって前記広告を識別する広告識別情報及び前記広告媒体サイトを識別する広告媒体識別情報と共に取得されること
(22)前記事項(2)において、前記事項(21)で取得された前記広告識別情報及び広告媒体識別情報は、前記選択時識別情報と関連付けて前記広告の選択情報として保存されること
(23)前記事項(3)において、前記行動時利用者端末が、前記所定の行動がとられた場合に、前記所定の行動の内容を示す行動内容情報及び前記広告主識別情報を前記広告主サーバー又は自端末のアプリケーションから取得して前記行動時パラメータと共に前記広告管理サーバーに送ること
(24)前記事項(4)において、前記広告管理サーバーは、前記行動時識別情報と同一の前記選択時識別情報に対し前記行動時利用者端末から取得した前記広告主識別情報及び前記行動内容情報から特定される前記広告の前記選択情報を抽出し、前記抽出した選択情報の前記広告媒体識別情報に該当する前記広告媒体サイトに掲載された前記広告の広告成果があったことを認定すること
【請求項3】
つぎの事項(31)により特定される請求項1又は2に記載のトラッキング方法。
(31)前記広告管理サーバーが、前記事項(2)において、前記広告媒体サイト上の前記広告が選択されると、前記選択時利用者端末を前記広告主サーバーの前記広告主サイトにリダイレクトさせ、このリダイレクト時に前記選択時利用者端末から前記複数の選択時パラメータを取得すること
【請求項4】
つぎの事項(41)~(44)により特定されるトラッキング方法。
(41)利用者端末上で起動した広告媒体アプリケーション上で選択可能な広告を管理する広告管理サーバーと前記広告に対応する広告主サイトを管理する広告主サーバーとにより、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告媒体アプリケーション上で前記広告を選択した利用者であるか否かをトラッキングするトラッキング方法であること
(42)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告媒体アプリケーション上の前記広告を選択した場合に、この選択時利用者端末から
前記広告の選択時に取得した前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする
前記選択時利用者端末の端末情報の複数の選択時パラメータにより、前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を識別する選択時識別情報を生成すること
(43)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告主サイト上で所定の行動をとった場合に、この行動時利用者端末から
前記行動の確定時に取得した前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする
前記選択時利用者端末の端末情報の複数の行動時パラメータにより、前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を識別する行動時識別情報を生成すること
(44)前記広告管理サーバーが、前記行動時識別情報と同一の前記選択時識別情報が存在する場合に、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告を選択した利用者であると判断すること
【請求項5】
つぎの事項(51)及び(52)により特定される請求項4に記載のトラッキング方法。
(51)前記事項(42)において、前記広告媒体アプリケーションが、前記広告媒体識別情報を割り当てられており、前記広告管理サーバーから前記割り当てられた広告識別情報に対する広告情報を取得し、該広告情報に基づいて前記広告を選択可能に前記選択時利用者端末で表示すること
(52)上記事項(42)において、前記広告媒体アプリケーションが、前記選択時利用者端末から複数の選択時パラメータを取得し、前記割り当てられている広告媒体識別情報及び前記広告情報中の広告識別情報を取得して前記広告管理サーバーに送信し、前記広告管理サーバーが、前記複数の選択時パラメータ、広告媒体識別情報、及び広告識別情報を受信により取得すること
【請求項6】
つぎの事項(61)~(63)により特定される請求項5に記載のトラッキング方法。
(61)前記事項(42)において、前記事項(52)で取得された前記広告識別情報及び広告媒体識別情報は、前記選択時識別情報と関連付けて前記広告の選択情報として保存されること
(62)前記事項(43)において、前記行動時利用者端末が、前記所定の行動がとられた場合に、前記所定の行動の内容を示す行動内容情報及び前記広告主識別情報を前記広告主サーバー又は自端末のアプリケーションから取得して前記行動時パラメータと共に前記広告管理サーバーに送ること
(63)前記事項(44)において、前記広告管理サーバーは、前記行動時識別情報と同一の前記選択時識別情報に対し前記行動時利用者端末から取得した前記広告主識別情報及び前記行動内容情報から特定される前記広告の前記選択情報を抽出し、前記抽出した選択情報の前記広告媒体識別情報に該当する前記広告媒体アプリケーション上での前記広告の広告成果があったことを認定すること
【請求項7】
つぎの事項(71)により特定される請求項2又は6に記載のトラッキング方法。
(71)前記事項(24)又は(63)において、複数の選択情報が存在する場合には、最後の選択に対応する選択情報を抽出し、前記広告の広告成果があったことを認定すること
【請求項8】
つぎの事項(81)により特定される請求項2、6、又は7に記載のトラッキング方法。
(81)前記抽出の対象となる選択情報は、前記選択が行われたのが前記所定の行動前の所定時間内のものに限定されること
【請求項9】
つぎの事項(91)により特定される請求項5~7に記載のトラッキング方法。
(91)前記選択時利用者端末は、AI端末装置であること
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上で利用者をトラッキングするトラッキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、インターネットサイト上でのアフィリエイト広告が活用されている。アフィリエイト広告では、広告主の広告をポータルサイト等の広告媒体サイトに掲載する。そして、利用者端末を用いて広告媒体サイトを閲覧する利用者に広告を選択(クリックやタップ)させることで、利用者端末を広告主のサイト(以下、「広告主サイト」と称する)に誘導する。この誘導後、広告主サイト上で利用者が商品の購入等の所定の行動をとると、広告成果があったと判定され、広告主から広告媒体主に成果報酬が支払われる。
【0003】
このようなアフィリエイト広告では、利用者が広告を選択した後に所定の行動をとったことを追跡(トラッキング)する必要がある。
【0004】
従来のトラッキング方法としては、クッキーを用いたものが知られている。クッキーは、ブラウザを介してサイトにアクセスした利用者端末にファイルを生成し、一時的に保存する。生成されるファイルには、利用者がどこのサイトにアクセスしたのかという閲覧履歴等が記録される。
【0005】
従って、クッキーを用いれば、利用者が広告を選択した後に所定の行動をとったことを追跡することが可能となる。
【0006】
しかし、クッキーは、個々のブラウザに対して生成・保存されるため、同一利用者端末上の同一ブラウザのトラッキングはできても、同一利用者のトラッキングまではできない。つまり、クッキーを用いたトラッキングでは、広告媒体サイト上での広告の選択と広告主サイト上での所定の行動とが異なる利用者端末又はブラウザで行われると、トラッキングができないという問題がある。
【0007】
例えば、同一利用者端末において、広告を選択する際にGOOGLECHROME(登録商標)をブラウザとして用い、所定の行動の際にInternetExplorer(登録商標)をブラウザとして用いると、クッキーではトラッキングができない。
【0008】
他にも、同一利用者端末において、広告の選択をアプリケーション上で行い、所定の行動をブラウザ上で行う場合や、広告の選択と所定の行動を異なる利用者端末で行う場合等は、クッキーによるトラッキングはできない。
【0009】
これに対し、フィンガープリンティングによりトラッキングを行うことで、同一利用者のトラッキングを可能とする技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。フィンガープリンティングは、利用者端末を用いて広告媒体サイト上で広告を選択する時や広告主サイトで所定の行動をとる時に、個人情報を除いた複数のパラメータ、例えばCPU(CentralProcessing Unit)、システム設定言語、ユーザー設定言語、ユーザーエージェント、画面の解像度、タイムゾーン、プラグイン、フォント等を利用者端末から取得し、それらパラメータの組み合わせによって利用者を識別し、同一利用者のトラッキングを可能とする。
【0010】
しかし、かかる従来のフィンガープリンティングでは、複数のパラメータ同士を比較することから、広告の選択時に取得した複数のパラメータを保存しておく必要が生じたり、比較時の処理を煩雑にするという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】https://www.saitolab.org/fp_site/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする問題点は、フィンガープリンティングにより広告の選択時と所定の行動時との間で利用者のトラッキングを行う際に、広告の選択時に利用者端末から取得した複数のパラメータを保存しておく必要が生じ、且つ処理が煩雑になることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、つぎの事項(1)~(4)により特定されるトラッキング方法を最も主な特徴とする。
(1)広告媒体サイト上の広告を管理する広告管理サーバーと前記広告に対応する広告主サイトを管理する広告主サーバーとにより、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告媒体サイト上で前記広告を選択した利用者であるか否かをトラッキングするトラッキング方法であること
(2)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告媒体サイト上の前記広告を選択した場合に、この選択時利用者端末から前記広告の選択時に取得した前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする前記選択時利用者端末の端末情報の複数の選択時パラメータにより、前記選択時利用者端末又は該選択時利用者端末の利用者を識別する選択時識別情報を生成すること
(3)前記広告管理サーバーが、利用者端末を用いて利用者が前記広告主サイト上で所定の行動をとった場合に、この行動時利用者端末から前記行動の確定時に取得した前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を組み合わせによって識別可能とする前記行動時利用者端末の端末情報の複数の行動時パラメータにより、前記行動時利用者端末又は該行動時利用者端末の利用者を識別する行動時識別情報を生成すること
(4)前記広告管理サーバーが、前記行動時識別情報と同一の前記選択時識別情報が存在する場合に、前記広告主サイト上で所定の行動をとった利用者が前記広告を選択した利用者であると判断すること
【発明の効果】
【0014】
本発明では、利用者が広告媒体サイト上で広告を選択した時に選択時利用者端末から複数の選択時パラメータを取得し、利用者が広告主サイト上で所定の行動をした時に行動時利用者端末から複数の行動時パラメータを取得し、選択時及び行動時パラメータからそれぞれ生成された選択時識別情報及び行動時識別情報を相互に比較するので、複数の選択時パラメータを保存しておく必要性をなくし、且つ比較時の処理を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】トラッキングシステムを示す概念図である(実施例1)。
【
図2】トラッキング方法の広告の選択時を示すフローチャートである(実施例1)。
【
図3】トラッキング方法の所定の行動時を示すフローチャートである(実施例1)。
【
図4】トラッキングシステムを示す概念図である(実施例2)。
【
図5】トラッキング方法の広告の選択時を示すフローチャートである(実施例2)。
【
図6】トラッキング方法の所定の行動時を示すフローチャートである(実施例2)。
【
図7】トラッキングシステムを示す概念図である(実施例3)。
【
図8】トラッキング方法の広告の選択時を示すフローチャートである(実施例3)。
【
図9】トラッキング方法の所定の行動時を示すフローチャートである(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
フィンガープリンティングにより広告の選択時と所定の行動時との間で利用者のトラッキングを行う際に、広告の選択時に利用者端末から取得したパラメータを保存しておく必要性がなく、且つ処理を簡素化するという目的を、広告の選択時及び所定の行動をとった時とで利用者端末から取得される複数のパラメータにより識別情報を生成し、それら識別情報相互を比較するトラッキング方法及びトラッキングシステムにより実現した。
【0017】
かかるトラッキング方法及びシステムは、広告の選択時と所定の行動時とで同一利用者又は利用者端末をトラッキングすることができ、例えば広告の選択時と所定の行動をとった時とで、異なる利用者端末を用いた場合、同一又は異なる利用者端末において異なるアプリケーションを用いた場合、異なるブラウザを用いた場合、アプリケーションとブラウザを用いた場合等に適用することが可能である。
【実施例1】
【0018】
[トラッキングシステム]
図1は、トラッキングシステムを示す概念図である。
【0019】
実施例1のトラッキングシステム1は、広告媒体サイトST1上の広告Kを管理する広告管理サーバー3と広告Kに対応する広告主サイトST2を管理する広告主サーバー5とにより、広告主サイトST2上で所定の行動をとった利用者が広告媒体サイトST1上で広告Kを選択した利用者であるか否かをトラッキングするものである。
【0020】
なお、実施例1では、利用者が同一利用者端末7を用いて、広告媒体サイトST1上での広告Kの選択と広告主サイトST2上での所定の行動とを異なるブラウザA及びBで行う場合について説明する。
【0021】
また、
図1では、広告Kの選択時に用いる選択時利用者端末7及び所定の行動時に用いる行動時利用者端末7とを分けて記載しているが、選択時利用者端末7及び行動時利用者端末7は、上記のとおり同一の利用者端末7である。
【0022】
また、
図1では、単一の利用者端末7、広告K、広告媒体サイトST1を示しているが、いずれも実際は多数存在する。
【0023】
広告Kの選択とは、利用者端末7を用いて広告媒体サイトST1上で広告Kをクリックやタップ等により選択することを意味する。なお、広告Kは、バナー広告等のように、広告主サイトST2へ誘導するインターネット上の広告をいう。所定の行動とは、利用者端末7を用いて広告主サイトST2上で「申込」「購入」「問い合わせ」「資料請求」等の広告主が事前に設定した広告の成果としての行為を意味する。これに関し、
図1では、購入ボタンACを例示している。
【0024】
また、広告媒体サイトST1は、インターネット上の広告を表示可能なサイトであり、広告媒体主に管理されている。利用者端末7は、インターネット上のサイトにアクセスして広告Kの選択及び所定の行動を可能とする情報処理装置であればよく、例えば、パーソナルコンピューターやタブレットコンピューター等の情報処理装置、いわゆるスマートフォン等の多機能携帯電話器、スマートスピーカーに代表されるAI(ArtificialIntelligence)端末装置(実施例3参照)等がある。実施例1の利用者端末7は、異なるブラウザA及びBにより、インターネット上のサイトを閲覧可能とするものである。
【0025】
広告管理サーバー3は、インターネットを通じて、利用者端末7及び広告主サーバー5と通信可能な情報処理装置である。実施例1の広告管理サーバー3は、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)が運用するASPシステムを構築する。この広告管理サーバー3は、トラッキングプログラムの実行により各種の機能を有する。
【0026】
実施例1において、広告管理サーバー3は、広告媒体サイトST1上の広告Kが利用者端末7上で選択された場合に、利用者端末7を広告主サイトST2に誘導する機能を有する。誘導は、広告Kの選択により利用者端末7を広告主サイトST2にリダイレクトさせることで行われる。
【0027】
また、広告管理サーバー3は、利用者が利用者端末7を用いて広告媒体サイトST1上の広告Kを選択した場合に、この選択時利用者端末7から取得した複数の選択時パラメータにより、選択時利用者端末7又はその利用者を識別する選択時識別情報(以下、「選択時ID」と称する。)を生成する機能を有する。
【0028】
複数の選択時パラメータは、従来と同様、例えばCPU、システム設定言語、ユーザー設定言語、ユーザーエージェント、画面の解像度、タイムゾーン、プラグイン、フォント等の個人情報を除く情報であり、それらの組み合わせによって選択時利用者端末7又はその利用者を識別可能とするものである。各選択時パラメータは、選択時利用者端末7又はその利用者を識別することはできないが、複数の組み合わせが指紋のようなユニーク情報となり、識別を可能とする。
【0029】
選択時IDは、複数の選択時パラメータから所定の演算を行って算出される情報であり、特に限定されるものではないが、例えばハッシュ関数を用いた演算により得られるハッシュ値等とすることが可能である。
【0030】
選択時パラメータの取得は、実施例1において、選択時利用者端末7から環境変数によって広告Kを識別する広告識別情報(以下、「広告ID」と称する。)及び広告媒体サイトST1を識別する広告媒体識別情報(以下、「媒体ID」と称する。)と共に行われる。この取得は、リダイレクト時にブラウザで実行されるJavascript(登録商標)によるプログラム等を通じて行うことができる。
【0031】
従って、実施例1の広告管理サーバー3は、広告媒体サイトST1上の広告Kが選択されると、選択時利用者端末7を広告主サーバー5の広告主サイトST2にリダイレクトさせ、このリダイレクト時に選択時利用者端末7から複数の選択時パラメータを広告ID及び媒体IDと共に取得する構成となっている。
【0032】
また、広告管理サーバー3は、取得した広告ID及び媒体IDを、生成した選択時IDと関連付けて広告Kの選択情報として保存する機能を有する。保存は、データベース等で行われる。なお、広告管理サーバー3は、広告主を識別する広告主識別情報(以下、「広告主ID」と称する。)と広告IDとを関連付けた広告主毎の広告テーブルを保存している。
【0033】
さらに、広告管理サーバー3は、利用者端末7を用いて利用者が所定の行動をとった場合に、利用者端末7から取得した複数の行動時パラメータにより、行動時利用者端末7又はその利用者を識別する行動時識別情報(以下、「行動時ID」と称する。)を生成する機能を有する。
【0034】
行動時パラメータは、選択時パラメータと同様、例えばCPU、システム設定言語、ユーザー設定言語、ユーザーエージェント、画面の解像度、タイムゾーン、プラグイン、フォント等の個人情報以外の情報であり、それらの組み合わせによって行動時利用者端末7又はその利用者を識別可能とするものである。
【0035】
行動時IDは、選択時IDと同一の演算手法によって行動時パラメータから算出される情報であり、例えばハッシュ関数を用いた演算により得られるハッシュ値等とすることが可能である。
【0036】
実施例1において、行動時パラメータは、所定の行動が取られた場合に、行動時利用者端末7が所定の行動の内容を示す行動内容情報及び広告主IDを後述する行動確定ページPGより取得して、行動時パラメータと共に行動時利用者端末7が広告管理サーバー3に送って取得させる。
【0037】
行動内容情報は、利用者がとった所定の行動の内容を示す情報であり、例えば利用者が商品を購入した場合、購入した商品、数等を特定する情報となる。なお、広告主ID及び行動内容情報は、
図1の広告管理サーバー3において、行動時IDと共に行動情報として取り扱っている。
【0038】
広告管理サーバー3は、行動時IDと同一の選択時IDが存在する場合に、広告主サイトST2上で所定の行動をとった利用者が広告Kを選択した利用者であると判断する機能を有する。実施例1においては、行動時IDと同一の選択時IDに対し、行動時利用者端末7から取得した広告主ID及び行動内容情報から特定される広告Kの選択情報を抽出し、抽出した選択情報の媒体IDに該当する広告媒体サイトST1に掲載された広告Kの広告成果があったことを認定する。
【0039】
上記において広告主ID及び行動内容情報からの広告Kの特定は、例えば広告管理サーバー3が保存する広告テーブル並びに成果テーブル等を参照することで判断することで可能である。
【0040】
成果テーブルは、所定の行動を広告Kに対する成果として関連付けているテーブルであり、広告主IDに広告IDを関連付けている広告テーブルと共に参照することで、広告主ID及び行動内容情報から広告Kや広告IDの特定を可能とする。
【0041】
広告主サーバー5は、広告管理サーバー3及び利用者端末7に対してインターネットを通じて通信可能な情報処理装置である。この広告主サーバー5は、プログラムの実行により、広告管理サーバー3と協働してトラッキングシステム1を構築する機能を有する。
【0042】
すなわち、広告主サーバー5は、行動時利用者端末7を用いて利用者が広告主サイトST2上で所定の行動をとった場合に、行動内容情報及び広告主IDを含む、いわゆるサンキューページ等の行動確定ページPGを生成して行動時利用者端末7に渡す機能を有する。
【0043】
行動時利用者端末7は、行動確定ページPGを受け取ると、利用者に閲覧させると共に行動確定ページPGから行動情報及び広告主IDを取得し、取得した行動情報及び広告主IDを行動時パラメータと共に広告管理サーバー3に送って取得させる。
【0044】
[トラッキング方法]
実施例1のトラッキング方法は、つぎの事項(1)~(4)により特定される。
(1)広告媒体サイトST1上の広告Kを管理する広告管理サーバー3と広告Kに対応する広告主サイトST2を管理する広告主サーバー5とにより、広告主サイトST2上で所定の行動をとった利用者が広告媒体サイトST1上で広告Kを選択した利用者であるか否かをトラッキングするトラッキング方法であること
(2)広告管理サーバー3が、利用者端末7を用いて利用者が広告媒体サイトST1上の広告Kを選択した場合に、この選択時利用者端末7から取得した選択時利用者端末7又はその利用者を組み合わせによって識別可能とする複数の選択時パラメータにより、選択時利用者端末7又はその利用者を識別する選択時IDを生成すること
(3)広告管理サーバー3が、利用者端末7を用いて利用者が広告主サイトST2上で所定の行動をとった場合に、この行動時利用者端末7から取得した行動時利用者端末7又はその利用者を組み合わせによって識別可能とする複数の行動時パラメータにより、行動時利用者端末7又はその利用者を識別する行動時IDを生成すること
(4)広告管理サーバー3が、行動時IDと同一の選択時IDが存在する場合に、広告主サイトST2上で所定の行動をとった利用者が広告Kを選択した利用者であると判断すること
【0045】
また、実施例1のトラッキング方法は、さらに、つぎの事項(21)~(24)、(31)、(71)、及び(81)により特定される。
(21)上記事項(2)において、選択時パラメータは、選択時利用者端末7から環境変数によって広告Kを識別する広告ID及び広告媒体サイトST1を識別する媒体IDと共に取得されること
(22)上記事項(2)において、上記事項(21)で取得された広告ID及び媒体IDは、選択時IDと関連付けて広告Kの選択情報として保存されること
(23)上記事項(3)において、行動時利用者端末7が、所定の行動がとられた場合に、その所定の行動の内容を示す行動内容情報及び広告主IDを広告主サーバー5から取得して行動時パラメータと共に広告管理サーバー3に送ること
(24)上記事項(4)において、広告管理サーバー3は、行動時IDと同一の選択時IDに対し行動時利用者端末7から取得した広告主ID及び行動内容情報から特定される広告Kの選択情報を抽出し、抽出した選択情報の媒体IDに該当する広告媒体サイトST1に掲載された広告Kの広告成果があったことを認定すること
(31)広告管理サーバー3が、上記事項(2)において、広告媒体サイトST1上の広告Kが選択されると、選択時利用者端末7を広告主サーバー5の広告主サイトST2にリダイレクトさせ、このリダイレクト時に選択時利用者端末7から複数の選択時パラメータを取得すること
(71)前記事項(24)又は(63)において、複数の選択情報が存在する場合には、最後の選択に対応する選択情報を抽出し、前記広告の広告成果があったことを認定すること
(81)前記抽出の対象となる選択情報は、前記選択が行われたのが前記所定の行動前の所定時間内のものに限定されること
【0046】
以下、上記事項(1)~(4)、(21)~(24)、(31)、(71)、及び(81)により特定される実施例1のトラッキング方法について、
図2及び
図3のフローチャートを参照して説明する。
図2は、広告Kの選択時を示し、
図3は、所定の行動時を示す。
【0047】
図2の広告選択時のフローチャートは、利用者が利用者端末7を用いて、広告媒体サイトST1上の広告Kを選択することで開始される。なお、利用者は、広告Kを選択する際、利用者端末7上のブラウザAにより広告媒体サイトST1を閲覧しているものとする。
【0048】
ステップS1では、利用者が広告媒体サイトST1上の広告Kを選択したことに応じ、広告管理サーバー3が選択時利用者端末7を広告主サーバー5の広告主サイトST2にリダイレクトさせる。
【0049】
ステップS2では、このリダイレクト時に、広告管理サーバー3が選択時利用者端末7から環境変数により複数の選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを取得する。若しくは、リダイレクト時に広告管理サーバー3より供給される移動ページに選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを取得するプログラムが記述されていて、その取得後にリフレッシュにより瞬時に広告主サイトST2に移動してもよい。これら双方の場合を、以下「リダイレクト」と総称する。
【0050】
ステップS3では、ステップS2で取得した複数の選択時パラメータにより、広告管理サーバー3が選択時IDを生成する。
【0051】
ステップS4では、ステップS3で生成した選択時IDとステップS1で取得された広告ID及び媒体IDとを関連付けて、広告Kの選択情報としてデータベースに保存する。この保存により、広告Kの選択時の処理が終了する。
【0052】
図3の所定行動時のフローチャートは、利用者が利用者端末7を用いて広告主サイトST2上で所定の行動をとった場合に開始される。なお、利用者は、所定の行動をとる際、利用者端末7上のブラウザBにより広告主サイトST2を閲覧しているものとする。この閲覧は、広告選択時のリダイレクトの他、別途のアクセスによることもある。
【0053】
ステップS11では、利用者が所定の行動をとったことに応じ、広告主サーバー5が行動内容情報及び広告主IDを含む行動確定ページPGを生成して行動時利用者端末7に送信する。
【0054】
ステップS12では、行動時利用者端末7が行動確定ページPGを利用者に対して表示すると共に行動確定ページPGから広告主IDと行動内容情報を取得し、取得した広告主ID、行動内容情報、及び行動時パラメータを広告管理サーバー3へ送信する。従って、広告管理サーバー3は、それら広告主ID、行動内容情報、及び行動時パラメータを受信により取得する。
【0055】
ステップS13では、広告管理サーバー3が行動時利用者端末7から取得した複数の行動時パラメータから選択時IDと同一の演算手法により行動時IDを生成する。
【0056】
ステップS14では、広告管理サーバー3が、ステップS13で生成した行動時ID及びステップS12で取得した広告主ID並びに行動内容情報に基づき、対応する選択情報の有無をデータベースから検索する。
【0057】
すなわち、広告管理サーバー3は、行動時IDと同一の選択時IDに対する選択情報において、所定の行動時に取得した広告主ID並びに行動内容情報から特定される広告Kの選択情報の抽出を試みる。
【0058】
ステップS15では、ステップS14の検索の結果として、選択情報が抽出されたか否かを判断する。選択情報が抽出された場合は、ステップS16へ移行し、そうでない場合は、処理を終了させる。
【0059】
複数の同一の選択時IDを含む選択情報が存在する場合には、最後の選択に対応する選択情報を抽出する。また、抽出の対象となる選択情報は、選択が行われたのが所定の行動前の所定時間内のものに限定される。
【0060】
ステップS16では、広告管理サーバー3が抽出された選択情報の媒体IDに該当する広告媒体サイトST1に掲載の広告Kに広告成果があったことを認定して、処理を終了させる。これによって、広告主から広告媒体主に広告料を支払うための事務処理を遂行することができる。
【0061】
このように、実施例1のトラッキング方法は、広告Kの選択時と所定の行動をとった時とで異なるブラウザA及びBを用いても、選択時IDと行動時IDとにより利用者端末7又はその利用者を識別して確実にトラッキングすることができる。
【0062】
なお、実施例1では、広告Kの選択時と所定の行動をとった時とで同一の利用者端末7を用いていたが、異なる利用者端末を用いる場合も同様である。
【0063】
[実施例1の効果]
以上説明したように、実施例1は、広告媒体サイトST1上で利用者が広告Kを選択した時に選択時利用者端末7から複数の選択時パラメータを取得し、広告主サイトST2上で利用者が所定の行動をした時に行動時利用者端末7から複数の行動時パラメータを取得し、選択時及び行動時パラメータからそれぞれ生成された選択時ID及び行動時IDを相互に比較する。
【0064】
従って、実施例1は、広告Kの選択時と所定の行動をとった時とで異なるブラウザA及びBを用いても、選択時IDと行動時IDとにより利用者端末7又はその利用者を識別して、同一利用者を確実にトラッキングすることができる。
【0065】
そして、実施例1のトラッキング方法は、選択時IDと行動時IDとの比較で利用者のトラッキングを行うことができるので、選択時パラメータを保存しておく必要性をなくし、且つ比較時の処理を簡素化することができる。
【0066】
また、実施例1は、選択時パラメータを選択時利用者端末7から環境変数によって広告ID及び媒体IDと共に取得し、これら広告ID及び媒体IDを選択時IDと関連付けて広告Kの選択情報として保存する。
【0067】
一方で、行動時利用者端末7が、利用者が所定の行動をとった場合に、所定の行動の内容を示す行動内容情報及び広告主IDを広告主サーバー5から取得して行動時パラメータと共に広告管理サーバー3に送る。
【0068】
そして、広告管理サーバー3は、行動時IDと同一の選択時IDに対し、行動時利用者端末7から取得した広告主ID及び行動内容情報から特定される広告Kの選択情報を抽出し、抽出した選択情報の媒体IDに該当する広告媒体サイトST1に掲載された広告Kについて広告成果があったことを認定する。
【0069】
従って、実施例1では、選択時と所定の行動時との間で利用者のトラッキングを確実に行って広告成果を認定することができ、広告成果認定の確実性が高いASPシステムを構築することができる。また、実施例1では、環境変数により複数の選択時パラメータと共に広告ID及び媒体IDを取得でき、処理の簡素化を図ることができる。
【0070】
広告管理サーバー3は、広告媒体サイトST1上の広告Kが選択されると、選択時利用者端末7を広告主サーバー5の広告主サイトST2にリダイレクトさせ、このリダイレクト時に選択時利用者端末7から複数の選択時パラメータを取得する。
【0071】
従って、広告管理サーバー3は、容易且つ確実に選択時パラメータを取得することができる。
【実施例2】
【0072】
図4は、トラッキングシステムを示す概念図である。なお、実施例2では、実施例1と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0073】
実施例2のトラッキングシステム1では、利用者が同一利用者端末7を用いて、広告媒体サイトST1上での広告Kの選択を広告媒体アプリケーションAP1上で行い、広告主サイトST2上での所定の行動を広告主の広告主アプリケーションAP2で行う場合について説明する(以下、アプリケーションを単に「アプリ」と称する。)。
【0074】
広告媒体アプリAP1は、ニュースアプリやキュレーションアプリ等の利用者端末7上で動作するソフトウェアであり、それ自体が媒体IDを付与された広告媒体となっている。広告媒体アプリAP1は、利用者端末7に予めインストールしておき、利用者端末7上で起動されることにより、広告媒体主サーバー9によるクラウドサービスを利用可能とする。そのサービスの一例としては、広告媒体主が選択・編集・制作したコンテンツを広告媒体サーバー9から広告媒体アプリAP1が取得し、利用者端末7の画面上で当該コンテンツを閲覧させる。
【0075】
この広告媒体アプリAP1には、SDKとして提供された連携モジュールMJが組み込まれている。連携モジュールMJは、利用者端末7とASPシステムを構築する広告管理サーバー3とを適時に通信させ、媒体IDに対する広告媒体アプリAP1上での対象となる広告Kの広告情報であるリストを取得して記憶する処理を行う。そして、広告媒体アプリAP1は、記憶した情報に基づいて、コンテンツ(広告媒体サイト)内に広告Kを表示することを可能とする。
【0076】
これにより、広告媒体アプリAP1は、広告Kを選択可能に利用者端末7上で表示させる。なお、本実施例では、広告媒体アプリAP1上で広告Kが選択されると、対応する広告主アプリAP2が起動するようになっている。
【0077】
連携モジュールMJは、広告媒体アプリAP1の起動時、起動している間、若しくは広告Kの選択時に選択時利用者端末7から環境変数によって選択時パラメータを取得する。
【0078】
取得された選択時パラメータは、広告Kの選択時に連携モジュールMJにより広告ID及び媒体IDと共に広告管理サーバー3に送られ、広告管理サーバー3は、それら選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを受信により取得する。なお、広告IDは、例えば連携モジュールMJによって予め記憶されたリストから取得され、媒体IDは、例えば広告媒体アプリAP1に予め割り当てられているものから取得される。
【0079】
広告主アプリAP2は、広告媒体アプリAP1と同様、利用者端末7上で動作するソフトウェアである。この広告主アプリAP2は、利用者端末7に予めインストールしておき、その利用者端末7上で起動されることにより、広告主サーバー5によるクラウドサービスを利用可能とする。これにより、所定の行動を可能とするコンテンツ(広告主サイト)を広告主サーバー5から広告主アプリAP2が取得し、利用者端末7の画面上で当該コンテンツを閲覧させることができる。
【0080】
広告主アプリAP2は、起動時、起動している間、若しくは所定の行動時に行動時利用者端末7から環境変数によって行動時パラメータを取得する。そして、広告主アプリAP2は、所定の行動時に広告主ID及び行動内容情報と共に行動時パラメータを広告管理サーバー3に送って取得させる。行動内容情報は、例えば広告主アプリAP2上での所定の行動により取得し、広告主IDは、例えば広告主アプリAP2に予め割り当てられているものを取得する。なお、広告主アプリAP2は、実施例1に適用することも可能である。また、本実施例において、広告主アプリAP2に代えて、実施例1のブラウザを用いることも可能である。
【0081】
実施例2のトラッキング方法は、つぎの事項(41)~(44)により特定される。
(41)利用者端末7上で起動した広告媒体アプリAP1上で選択可能な広告Kを管理する広告管理サーバー3と広告Kに対応する広告主サイトST1を管理する広告主サーバー5とにより、広告主サイトST1上で所定の行動をとった利用者が広告媒体アプリAP1上で広告Kを選択した利用者であるか否かをトラッキングするトラッキング方法であること
(42)広告管理サーバー3が、利用者端末7を用いて利用者が広告媒体アプリAP1上の広告Kを選択した場合に、この選択時利用者端末7から取得した選択時利用者端末7又はその利用者を組み合わせによって識別可能とする複数の選択時パラメータにより、選択時利用者端末7又はその利用者を識別する選択時IDを生成すること
(43)広告管理サーバー3が、利用者端末7を用いて利用者が広告主サイトST1上で所定の行動をとった場合に、この行動時利用者端末7から取得した行動時利用者端末7又はその利用者を組み合わせによって識別可能とする複数の行動時パラメータにより、行動時利用者端末7又はその利用者を識別する行動時IDを生成すること
(44)広告管理サーバー3が、行動時IDと同一の選択時IDが存在する場合に、広告主サイトST1上で所定の行動をとった利用者が広告Kを選択した利用者であると判断すること
【0082】
また、実施例2のトラッキング方法は、さらに、つぎの事項(51)及び(52)、(61)~(63)、(71)、及び(81)により特定される。
(51)上記事項(42)において、広告媒体アプリAP1が、媒体IDを割り当てられており、広告管理サーバーから割り当てられている媒体IDに対して取得したリストに基づいて選択時利用者端末7上で広告を選択可能に表示すること
(52)上記事項(42)において、広告媒体アプリAP1が、選択時利用者端末7から複数の選択時パラメータを取得し、割り当てられている媒体ID及びリスト中の広告IDを取得して広告管理サーバー3に送信し、広告管理サーバー3が、複数の選択時パラメータ、媒体ID、及び広告IDを受信により取得すること
また、実施例2のトラッキング方法は、さらに、つぎの事項(61)~(63)により特定される。
(61)上記事項(42)において、上記事項(52)で取得された広告ID及び媒体IDは、選択時IDと関連付けて広告Kの選択情報として保存されること
(62)上記事項(43)において、行動時利用者端末7が、所定の行動がとられた場合に、所定の行動の内容を示す行動内容情報及び広告主IDを自端末の広告主アプリAP2から取得して行動時パラメータと共に広告管理サーバー3に送ること
(63)上記事項(44)において、広告管理サーバー3は、行動時IDと同一の選択時IDに対し行動時利用者端末7から取得した広告主ID及び行動内容情報から特定される広告Kの選択情報を抽出し、抽出した選択情報の媒体IDに該当する広告媒体アプリAP1上での広告Kの広告成果があったことを認定すること
(71)前記事項(24)又は(63)において、複数の選択情報が存在する場合には、最後の選択に対応する選択情報を抽出し、前記広告の広告成果があったことを認定すること
(81)前記抽出の対象となる選択情報は、前記選択が行われたのが前記所定の行動前の所定時間内のものに限定されること
【0083】
以下、上記事項(41)~(44)、(51)~(52)、(61)~(63)、(71)、(81)により特定される実施例2のトラッキング方法について、
図5及び
図6のフローチャートを参照して説明する。
図5は、広告Kの選択時を示し、
図6は、所定の行動時を示す。
【0084】
図5の広告選択時のフローチャートは、利用者が選択時利用者端末7を用いて、広告媒体アプリAP1を起動することで開始される。
【0085】
ステップS21では、起動された広告媒体アプリAP1が、広告媒体サーバー9からコンテンツを取得し、広告管理サーバー3から媒体IDに対する広告Kのリストを取得し、広告Kを選択可能なコンテンツを選択時利用者端末7上に表示させる。
【0086】
ステップS22では、広告媒体アプリAP1が選択時利用者端末7から環境変数により複数の選択時パラメータを取得する。この取得は、上記のように、広告媒体アプリAP1の起動時、起動している間、若しくは広告Kの選択時に行わせればよい。
【0087】
ステップS23では、利用者が広告Kを選択すると、広告媒体アプリAP1が選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを広告管理サーバー3に送信する。同時に、選択時利用者端末7は、広告主アプリAP2を起動させる。
【0088】
ステップS24では、広告管理サーバー3が選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを受信により取得する。
【0089】
ステップS25、及び続くステップS26では、実施例1のステップS3及びS4と同様に、選択時IDが生成され、次いで選択情報が保存される。
【0090】
図6の所定行動時のフローチャートは、行動時利用者端末7上で広告主アプリAP2が起動されることで開始される。
【0091】
ステップS211では、広告主アプリAP2が広告主サーバー5からコンテンツを取得して、そのコンテンツを行動時利用者端末7上に所定の行動を可能に表示する。
【0092】
ステップS222では、広告主アプリAP2が行動時利用者端末7から環境変数により複数の行動時パラメータを取得する。この取得は、上記のように、広告主アプリAP2の起動時、起動している間、若しくは所定の行動時に行わせればよい。
【0093】
ステップS213では、利用者が所定の行動をとると、広告主アプリAP2が行動時パラメータ、広告主ID、及び行動内容情報を広告管理サーバー3に送信する。
【0094】
ステップS214では、広告管理サーバー3が行動時パラメータ、広告主ID、及び行動内容情報を受信により取得する。
【0095】
ステップS215~S218では、実施例1のステップS13~S16と同様にして、行動時IDの生成、選択情報の検索、選択情報が抽出、成果認定の処理が実行される。
【0096】
従って、実施例2では、広告Kの選択及び所定の行動を異なるアプリAP1及びAP2上で行う場合にも、トラッキングを確実に行わせつつ、実施例1と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0097】
なお、広告媒体アプリAP1上で広告Kが選択された場合、広告媒体アプリAP1上のウェブビュー又は別途ブラウザを立ち上げて広告主サイトST2を表示してもよい。また、広告媒体アプリAP1上では、実施例1と同様の広告媒体サイトST1をウェブビューにより表示し、広告主サイトST2にリダイレクトさせる構成とすることも可能である。また、広告主アプリAP2は、実施例1に適用することも可能である。さらに、本実施例でも、広告選択時と所定の行動時とで異なる利用者端末を用いることも可能である。
【実施例3】
【0098】
図7は、トラッキングシステムを示す概念図である。なお、実施例3では、実施例2と対応する構成に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0099】
実施例3のトラッキングシステム1では、選択時利用者端末及び行動時利用者端末として同一のAI端末装置11を用いたものである。
【0100】
AI端末装置11は、インターネットにより広告管理サーバー3や広告主サーバー5と通信可能な情報処理装置であり、例えば家庭やオフィス等の拠点に設置されている。AI端末装置11は、音声やジェスチャー等によるユーザーインターフェースを有し、いわゆるスマートスピーカーに代表されるノールック端末等とも称されるものである。
【0101】
このAI端末装置11は、ユーザーインターフェースからの入力に応じた動作を行う。例えば、AI端末装置11は、拠点内のLAN(LocalArea Network)に接続された機器の制御の他、インターネットを通じた商品の購入のような所定の行動等を可能とする。
【0102】
本実施例では、AIサーバー13が設けられており、AI端末装置11での入力がAIサーバー13に送信されて解析され、その回答をAIサーバー13からAI端末装置11へ送信する。そして、AI端末装置11は、回答に応じた動作を行うことになる。
【0103】
また、AI端末装置11は、実施例2と同様な連携モジュールMJが組み込まれた広告媒体アプリAP1を起動し、広告管理サーバー3と適時に通信し、広告媒体アプリAP1上での対象となる広告Kのリストを取得して記憶する処理を行う。そして、利用者が所定の行動を要求した際には、広告媒体アプリAP1がリストの中から広告Kに対応する広告主サイトST2を選択させ、その上で所定の行動を実行する。
【0104】
このため、実施例3では、広告主サイトST2の選択が広告媒体アプリAP1上での広告Kの選択となる。これに応じ、連携モジュールMJは、実施例2と同様、選択時パラメータ、広告ID、媒体IDを広告管理サーバー3に送って取得させる。
【0105】
所定の行動の実行は、広告媒体アプリAP1により行動の実行を広告主サーバー5に要求することで行われる。なお、所定行動の実行は、別のアプリによって行わせることも可能である。
【0106】
所定の行動が実行された際には、広告媒体アプリAP1の連携モジュールMJが、行動時パラメータ、広告主ID、行動内容情報を広告管理サーバー3に送って取得させる。広告主ID、行動内容情報のAI端末装置11での取得は、広告媒体アプリAP1により又は広告主サーバー3からAIサーバー13を介して受信する行動確定の回答により行うことができる。
【0107】
実施例3のトラッキング方法は、実施例2と同様に、事項(41)~(44)、(51)~(52)、(61)~(63)、(71)、及び(81)により特定される。
【0108】
以下、上記事項(41)~(44)、(51)~(52)、(61)~(63)、(71)により特定される実施例3のトラッキング方法について、
図8及び
図9のフローチャートを参照して説明する。
図8は、広告主サイトST1の選択時(広告選択時)を示し、
図9は、所定の行動時を示す。
【0109】
図8の広告選択時のフローチャートは、利用者がAI端末装置11に所定の行動を音声等により希望することで開始される。例えば、所定の行動の希望は、「〇〇を買いたい」のような商品の購入希望等である。
【0110】
ステップS31では、広告媒体アプリAP1が所定の行動の希望に応じ、所定の行動をとるための広告主サイトST2の選択を受け付ける。例えば、商品の購入の場合、その商品を取り扱っているECサイトとしての広告主サイトST2を挙げ、いずれかの広告主サイトST2で商品の購入を希望するかの選択を受け付ける。並行して、
図9の所定の行動の確定へ向けた処理が開始される。
【0111】
ステップS32では、利用者が広告主サイトST2を選択したことに応じ、広告媒体アプリAP1が選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDを広告管理サーバー3に送信する。
【0112】
続くステップS33~S35では、実施例2のステップS24~S26と同様に、広告管理サーバー3で、選択時パラメータ、広告ID、及び媒体IDが取得され、選択時IDが生成され、選択情報が保存される。
【0113】
図9の所定行動時のフローチャートは、上記のようにステップS31の完了により開始される。
【0114】
ステップS311では、AI端末装置11がステップS31で選択された広告主サイトST2を通じて利用者に所定の行動に対する意思決定を受け付ける。例えば、AI端末装置11は、「〇〇を△△個購入でよろしいですか?」のような商品購入の確認を行い、「はい」又は「いいえ」のような利用者の意思決定を受け付ける。
【0115】
ステップS312では、ステップS311での意思決定を受け付けると、所定の行動が実行される。具体的には、AI端末装置11は、AIサーバー13を介して所定の行動の要求を広告主サーバー5に対して行い、実質的に広告主サイトST2を通じた所定の行動(例えば、商品の購入)を実行させる。
【0116】
ステップS313では、所定の行動の実行に応じ、AI端末装置11が行動時パラメータ、広告主ID、及び行動内容情報を取得して広告管理サーバー3に送信する。
【0117】
ステップS314~S318では、実施例2のステップS214~S218と同様にして、広告管理サーバー3で、行動時パラメータ、広告主ID、及び行動内容情報の取得、行動時IDの生成、選択情報の検索、選択情報の抽出、成果認定の処理が実行される。
【0118】
従って、実施例3では、利用者端末がAI端末装置11であっても、トラッキングを確実に行わせつつ、実施例1と同様の作用効果を奏することが可能である。